戦国BASARA/エロパロ保管庫

虎竜・隠れ鬼

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momo

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本日も、晴天なり。

その晴れ渡る空の下、潅木の枝が作る陰に身を縮めて隠れていなくては
ならない理由がどうしてもわからない。
更に言えば、俺の隣に竜の姫がやはり同様の姿でおられる理由はそれ
以上にわからない。


―――――お館様。無駄に晴れた空が逆に恨めしい気分にござりまする。


発端は例によって、この姫君であった。
今日は天気がいいからと問答無用で庭園へと連れ出され、辿り着いたのは
最近少々手入れの行き届かぬ、つまりは監視の目の緩やかな一区画。
……このかたは一体いつの間にこういう場所を探し当てられるのだろう。
御自身の屋敷であるならともかく、ここは甲斐の武田屋敷。言ってみれば
警護に不備のある場所を、他国からの客人にこうも容易く見つけ出される
というのは、相当にまずいことではなかろうか。早急に対策を練る必要が
ある……はずだが正直、今はそれどころではない。
「『隠れ鬼』にちょうどいいところを見つけたんだ」
そう俺に告げた口調が、内容に相応しく仄かに子供めいていて、絆されて
しまったのは確かに俺の敗因である。
しかしそれを悔やむ暇も与えられず、ここがそうだと押し込まれた潅木の
隙間、そして止める猶予もまた無しに横の空間を占めた姫君の御身。
隠れ鬼、と聞いた記憶があるのだが。
「ええと………政宗、殿?」
果たしてどう問うたら良い。この、俺の知るそれとは大幅に異なる規約に
則って遊ばれているとしか思えない隠れ鬼について。
確かに、隠れてはいる。しかし一体何を目的に隠れているのだろう。
そもそも『鬼』はどこへ行った、『鬼』は。
ところ変われば品変わるともいうし、同じ名称の遊戯でも奥州ではこんな
方法で遊ぶのだと言われればそれまでだが。
悩みながら、それでも問い掛けに相応しい言葉も思いつかず、結局無言の
ままで並んで膝を抱える我々。……なにぶん狭苦しい場所ではあるが、
足など伸ばせば見つかってしまうだろう、と姫君に怒られてしまうのだ。


―――――お館様。某は一体何に見つかってしまうというのでしょうか。



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