戦国BASARA/エロパロ保管庫

桜雨

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momo

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ふと、幸せそうな瀬戸内に刺激されて思いついた短文投下。
夫婦前提のネタにつき、苦手な方は退避して下さい。

NGワード:桜雨






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桜が咲いたと思ったら、急に冷え込み雨続きの日々である。
忌々しい、と暗い雲を眺めつつ、元就は頭を振った。
「いつまでそこに居るんだよ」
探していたんだ、と近寄ってきた長曾我部はすっかり冷えてしまった細い手を取った。
「うわっ、氷みてえじゃねえか」
「……どこに居ようと我の自由であろう」
眉間に軽く皺を寄せたものの、彼の手を振り払おうとはしなかった。
「アンタ一人の体じゃねえんだ、心配ぐらいさせろよ」
そのまま引き寄せられて元就の小柄な体は長曾我部の胸元にすっぽりと包まれる。
一瞬だけ強張った表情を見せたが、彼女はすぐに口元を緩めた。
「悪くは、ない」
ぎゅう、と長曾我部の広い背に回された手がしがみ付いてくる。
「放っておくと危なっかしくていけねえ」
腹の子も含めて二人分の心配をしなくちゃならねえからな、とぼやく彼の声。
「そなたは心配し過ぎであろう」
「アンタが無頓着過ぎるんだ」
まだ膨らみが目立たないのでそうとは分からない。
だからと言って無茶をするなと引き留めるのにこれほど苦労するとは思わなかった。
「煩い父御に辟易したか?」
己の腹へと手を当てて優しげに話し掛ける元就の姿に、喉まで出掛かった文句を飲み込み、大きく溜め息をついた。
「そんな事で参るようなタマはねえよな」
「我とそなたの血を引く者なれば、そのような事を案ずる必要などあらぬ」
「とりあえず、こんな所で立ち話していたら風邪を引いちまうぞ」
部屋を暖めておいたから、と言うや長曾我部の腕が彼女を横抱きにした。
「……一声掛けよ」
急に視界が変わった事に驚いたのか、元就がぱちぱちと琥珀の眼を瞬かせ、間近にある瑠璃紺の隻眼から逃れるように赤面した顔を伏せる。
「ああ、すまねえな」
すっかり骨抜きにされてしまった己を嗤いつつ、たまには陸も良いもんだと長曾我部は呟いた。



(了)
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