丹波山線

丹波山線 (たばやません・Tabayama Line)は、東京都西多摩郡奥多摩町の奥多摩駅と山梨県甲府市の甲府駅とを結ぶ、ちばドリームエクスプレス(cdx)の鉄道路線である。
路線記号は TB


路線データ

丹波山線 Tabayama Line
愛称 カントリーレール丹波山線
営業距離
(営業キロ)
58.4km
管轄 東京支部:58.4km(全線)
軌間 1067mm
駅数 22駅(起終点含む)
平均駅間距離 2.78km
複線区間 なし
電化区間 なし
閉塞方式 自動閉塞方式
保安装置 ATS-G
運賃区分 地方線
  路線図

路線概要

cdx最西端を走るローカル線で、1999年5月1日に桧原線と共に開業した。
元々2つに分かれていた鉄道を大菩薩嶺トンネルでつなぎ合わせたため、路線の性格が東西で大きく異なる。

奥多摩駅丹波山村駅

この区間のうち、奥多摩湖駅以西は小河内ダム建設時に造られた貨物線を転用しており、標高を稼ぐため急カーブやトンネルが多い。起点の奥多摩駅はJR青梅線と線路が繋がっており、直通運転も可能。
人口希薄地帯を通るため普段は閑散としているが、首都圏からの観光需要が高いため、ゴールデンウィークと夏休みのレジャーシーズンは混雑する。

丹波山村駅塩山駅

この区間には全長14.8kmの大菩薩嶺(だいぼさつれい)トンネルが1000m級の山々を真っ直ぐ貫いている。このトンネルは新幹線を除けば日本で二番目に長いトンネルで、元々は高速鉄道の実験線として建設されたものを転用している。
丹波山中央駅 – 北塩山駅間の駅間距離は19.4kmで、cdxでは最長である。この区間は運転本数が1日5往復と非常に少なく、3時間以上空く時間帯もあるため、利用には注意が必要。

塩山駅甲府駅

主に甲府方面への通勤・通学輸送が主体となっている。非電化のローカル線にしては運転本数は多い。
この区間は全線にわたってJR中央本線と競合。線形はこちらの方が良いものの、所要時間・運賃の面ではJRの方が有利なため、利用が伸び悩んでいる。

運行形態

現在の列車種別は ホリデー快速 快速 普通 の3種別。開業時は有料特急列車も設定されていたが、2008年9月1日のダイヤ改正で臨時特別快速に格下げ、更に2012年3月17日のダイヤ改正で消滅している。
  • 大菩薩嶺トンネルを境に運転系統が分かれており、全線を通しで運転する列車は、ホリデー快速などを除くとわずか2往復である。
  • 奥多摩駅から東日本旅客鉄道(JR東日本)青梅線への乗り入れも行われており、定期ではホリデー快速が青梅線を経由して中央線v新宿駅まで乗り入れる。
  • 列車は原則車内収受式のワンマン運転を行っている。

ホリデー快速(Holiday Rapid)

土日・祝日・ゴールデンウィーク・夏休みのレジャーシーズンに運転する臨時特別快速列車。JR線新宿駅から発着し、奥多摩駅まで「ホリデー快速おくたま号」と併結運転を行う。
  • 停車駅は 新宿駅 - 中野駅 - 三鷹駅 - 国分寺駅 - 立川駅 - (西立川駅) - (福生駅) - 拝島駅 - 青梅駅 - (日向和田駅) - 御嶽駅 - 奥多摩駅 - 小河内ダム駅 - 奥多摩湖駅 - 丹波山村駅 - 塩山駅 - 南山梨駅 - 石和温泉郷八田駅 - 甲府駅である。
  • 電車と併結するため、使用車両はJR東日本E233系と協調運転可能なHED500系ハイブリッド電車に限定している。
  • 2012年度は当該列車に使用する車両を改造するため、運行を中止して代わりの臨時快速を運転した。

快速(Rapid)

基本的に北塩山駅以西での運転で、行楽シーズンは奥多摩駅まで延長する事がある。

普通(Local)

奥多摩駅 – 丹波山中央駅間は30 – 90分ヘッドで運転、丹波山中央駅 – 塩山駅間は1日5往復、(北塩山駅 –)塩山駅 – 甲府駅間は20 – 40分ヘッドで運転。
区間便も多く設定されているほか、桧原線直通便の設定もある。

車両

全て気動車による運行である。
開業当初はキハ20系を除く全ての気動車にメタノールエンジンを採用していた。しかし、燃料調達が難しくなってきたこととアルコールの性質上の問題でメンテナンスに手間が掛かることから、2013年10月までに環境配慮形ディーゼルエンジンに換装・または新型ディーゼル動車に置き換えている。
2022年6月現在は、奥多摩営業所(東オタ)所属のD200系・D200系(キハ20型)D300系気動車と、HED500系バイモード電車を使用。D200系とD300系は共通運用を組んでおり、両者の併結運転も行っている。キハ20型はかつて使用していた旧JRキハ20系気動車を模した車で、内部はD200系そのものである。

現在使用している車両

  • D200系:丹波山線の主力車両。両運転台のD200形100番台のみ存在し、2013年から使用している。転換クロスシートの3ドア車である。
  • D100系(キハ20型):旧JRキハ20系気動車を模したイベント用車両で、2017年から使用している。両運転台でセミクロスシートの2ドア車で、姉妹車のD200系と互換性がある。イベント用ではあるが、定期列車に使用することもよくある。
  • D300系:丹波山線の主力車両で、メタノールエンジンのM3000系の改造車。D200系・D100系(キハ20型)と併結可能だが、後者との併結運用は稀である。
  • HED500系:電車としても気動車としても使える車両。電車モードの時はJR東日本のE233系と併結出来ることから、JR新宿駅発着のホリデー快速に使用。元々はメタノールエンジンのHEM5000系として製造された車で、2010年代にディーゼルエンジンに換装して誕生した。

過去に使用していた車両

  • M30000系:開業時に使用していた有料特急車両。当時運行していた有料特急「たばやま」に使用していた。「たばやま」で使用した後は2012年に相模湖水上線の観光特急への転用している。
  • キハ20系:JR東日本・JR西日本から購入した旧型車両で、キハ20 2・キハ52 25・キハ52 128の3両が在籍していた。イベント用であるが、定期列車にも使用していた。1950 – 1960年代に製造された古い車であったが、大掛かりな改装工事を施していたため、新造車両のM3000系(→D300系)との併結運用も可能であった。(相性が悪くトラブルが頻発したため、併結運用は数年で中止された)
  • キハ40系8000番台:もとJR東日本・JR四国の気動車。同線では主にホリデー快速やイベント列車に使用していた。後に亀山線の観光特急に使用することになった、2012年に転出している。

ラインカラー

ラインカラーはカントリーグリーンである。

歴史

  • 1999年5月1日 – 【開業】桧原線と共に新規開業。【運行開始】有料特急「たばやま」。
  • 2006年3月16日 – 【駅開業】甲斐大野駅東甲府駅
  • 2008年3月15日 – 【運行終了】有料特急「たばやま」。以後、臨時の快速列車「ホリデー特快たばやま」として運転。
  • 2012年3月17日 – 【運行終了】ホリデー特快「やばやま」号を廃止(ただし、実際の運転終了は2011年8月)
  • 2013年10月02日 – 【運用終了】メタノール動車の運転を全て終了。この日から全列車ディーゼル動車による運転に切り替わった。
  • 2020年3月14日 – 駅番号を振り直し、奥多摩駅からTB11→TB12→…と続く番号に変わった。

駅一覧・接続路線

  • 2020年3月14日 改正
  • 全駅東京支部管轄
  • ●は停車駅、‖は通過駅
  • ホ快:ホリデー快速
丹波山線 Tabayama Line
駅間
キロ
営業
キロ
駅番号 駅名 普通 快速 ホ快 接続路線・備考 所在地
新宿駅
立川駅
青梅駅
0.0 TB11 奥多摩駅 東日本旅客鉄道: JC 青梅線
※東日本旅客鉄道管理駅


西多摩郡
奥多摩町
1.6 1.6 TB12 南氷川駅
2.2 3.8 TB13 奥境駅
3.0 6.8 TB14 小河内ダム駅
3.7 10.5 TB15 麦山駅
0.9 11.4 TB16 奥多摩湖駅 HN 桧原線(一部乗り入れ)
2.1 13.5 TB17 鴨沢駅

北都留郡
丹波山村
5.9 19.4 TB18 丹波山村駅 SG 相模湖線
19.4 38.8 TB19 北塩山駅 甲州市
1.8 40.6 TB20 塩山駅 東日本旅客鉄道: CO 中央本線
1.7 42.3 TB21 南塩山駅
1.9 44.2 TB22 後屋敷駅 山梨市
2.4 46.6 TB23 南山梨駅
0.9 47.5 TB24 甲斐大野駅
1.8 49.3 TB25 甲斐小松駅 笛吹市
1.4 50.7 TB26 石和温泉郷八田駅
2.0 52.7 TB27 甲斐川田駅 甲府市
1.2 53.9 TB28 東甲府駅
1.2 55.1 TB29 新酒折駅
1.3 56.4 TB30 善光寺駅 東海旅客鉄道: CC 身延線
※東海旅客鉄道管理駅
0.9 57.3 TB31 金手駅 東海旅客鉄道: CC 身延線
※東海旅客鉄道管理駅
1.1 58.4 TB32 甲府駅 東日本旅客鉄道: CO 中央本線
東海旅客鉄道:身延線
※東日本旅客鉄道管理駅
駅間
キロ
営業
キロ
駅番号 駅名 普通 快速 ホ快 接続路線・備考 所在地



最終更新:2022-06-21    丹波山線 路線

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最終更新:2022年06月21日 23:00