目的のない旅、海図を忘れた航海。
君の漂流の果てにあるのは、迷った末の無残な餓死だ。・・・だが。
生に執着し、魚を口にし、星の巡りを覚え、名も知らぬ陸地を目指すのならば、あるいは。
誰しもは初めは未熟な航海者に過ぎない。
骨子のない思想では、聖杯には届かない。
猶予期間2日目最終日、夜の9時。
トワイス「猶予期間はいかがだったかな?ある程度戦略はねれたかい?心身を休めることはできたかな?」
大広間に集められた14人に語りかける。
いよいよ明日は聖杯戦争開幕である。
トワイス「では、聖杯戦争のルールを説明しよう。」
聖杯戦争、ルールはいたって単純。自分の実力を持って相手を倒し最後に残った者が聖杯を手にする権利を持つ。
真っ向勝負で戦うもよし、一時的に他者と協力して一人を倒すもよし。
戦い方は外の戦いとなんら変わりはない。
もしも、他者と聖杯にかける願いがかぶってしまった場合、同盟を結び共に聖杯を目指すのも良しとする。
その同盟を組んだ者同士が生き残った場合、その同盟者に聖杯を手にする権利が持てる。
トワイス「あそこに、戦場となるアリーナを形成するための空間部屋がある。まぁ一種の固有結界を生み出す部屋とでも思ってくれていい。」
トワイス「戦場は日によって異なれど、広さは十分にある。存分に戦ってくれたまえ。」
イナ「(・・・・やっぱり、殺し合い、なんだ・・・・なんだよ・・・勝てるわけないじゃん・・。)」
アオ「(殺し合い、か。予想はしていたけど・・・仕方ない。)」
シルバー「チッ・・・・。」
レイハイト「(おいおい、冗談じゃねぇぞ。戦闘能力に差がありすぎんだろうが・・・!!)」
そう、聖杯を得るには力が必要だ。力無き者に聖杯はおろか、生き残ることさえ難しい。そんな不安渦巻くの中、トワイスは表情を変えず言葉を繋ぐ。
トワイス「ここにいる人たちもすでに感じているだろう。聖杯は強き者に与えられる。この中にもすでに、最強に近い戦闘能力を持っている。これでは圧倒的に不利だ。」
トワイス「そこで・・・。」
メガネをクイッと直す。レンズは怪しくきらりと光る。
トワイス「君達には弱体化した状態で、ペナルティ・ハンデを背負った状態で戦ってもらう。」
突然のことだった。この男は今なんて言った?弱体化?ペナルティ?今のありのままの強さではなく、弱くなった状態で戦えと言ったのか!?
トワイス「そうだ・・攻撃力・防御力といった基本ステータスの低下。能力・魔法・攻撃手段等の制限。そして、こちらで定めた弱点を付加させてもらう。」
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最終更新:2014年01月02日 00:45