42-01

: 42-22

22. 美砂 ちょっとえっちな電話相談室 2007/03/11(日) 20:21:29 ID:???

美砂  ちょっとえっちな電話相談室


美砂  「は〜い!!みんなの悩みのに答える美砂お姉さんのちょっとえっちな電話相談室だよ!!」
亜子  「えっちなのはアカンと思う。けどおっぱいはええんやで?の亜子姐さんやで」
美砂  「うん、おっぱいはいいよね。柔らかいし」
亜子  「せや、おっぱいはな、大きすぎてもアカンのや。ええか、こんくらいの・・・」
美砂  「あー、キリがなさそうだから電話相談にはいるね」


美砂  「さて、今日の相談は・・・中等部三年A・Kさんからです」
A・K  「私、10歳のガキと一緒の部屋に住んでいるんだけど・・・そのガキが天然でセクハラをするのよね」
美砂  「じゅ、十歳の少年のセクハラ!?天然って故意じゃないのか」
亜子  「も、揉まれたんか!?たゆられたんか!?乳、何かされたんか!?」
A・K  「ぶっちゃけ揉まれたわね。それ以外にも脱がされたし、覗かれたし、布団に潜り込まれたし・・・」
美砂  「ま、まさか一線超えたとか・・・超えたの?」
A・K  「そこまではいっていないけどさ・・・でもすでに年上の女の子6人とキスしちゃってるしね」
亜子  「なんちゅうエロガキや!!ウチの敬愛するナギさんとは偉い違いや!!男として問題ありすぎや!!」
A・K  「それでさ、何か取り返しのつかない問題何かできなっかなって」

美砂  「じゃあさ、大人のお姉さんとして最後まで満たしてあげるとかさ。犯っちゃいなよ、くくく・・・」

A・K  「出来るわけ無いでしょ!!バカ!ガチャ、ツー、ツー・・・・」

亜子  「電話切られたな・・・まあ当たり前か」
美砂  「もう・・少年の芽生えかけの真っ白な性欲をどす黒く、かつ自分色に染めていくのが楽しいのに」
亜子  「そりゃ、やりすぎちゃうか?」
美砂  「うふふ・・・潤んだ瞳で見上げながらそっと身を寄せてくるネギ君。”いけない子ね”とかいいながら・・」
亜子  「おおっと、もう時間やな。ほな今日はここまでや。ほなな〜」
美砂  「”美砂さん。今日の僕、なんだか体が熱くって・・・”そんな風に迫ってきたらさ、もうね・・・」



23. マロン名無しさん 2007/03/11(日) 21:12:49 ID:???

>22
わっふる  わっふる

24. マロン名無しさん 2007/03/11(日) 21:38:15 ID:???

美砂はホントいいキャラしてるよなwwwwwwwwwwww

: 42-32

32. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 00:25:14 ID:???

初っぱなでスマン。
ミラー前回分
http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0148.txt

今回
http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0145.txt
http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0146.txt
http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0147.txt

書き終わった……('A`)

33. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 00:50:02 ID:???

朝倉……誰か彼女に救いの手を!

34. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 00:59:07 ID:???

つ、続きが気になる!!


: 42-37

37. 子ネタ(スレ汚しスマン) 2007/03/12(月) 06:40:52 ID:???

本屋ちゃんにお酒を飲ませてみました。

ハルナ「のどかー、これ飲んでみなよ」
のどか「なにー? 新しいジュース?」
ハルナ「そうそう。まぁまぁ飲んでよ」
のどか「う、うん」
夕映「のどか、待つです。それは…」

のどか「なんだよー男がよー!」
ハルナ「…のどk」
のどか「あぁー? この腐女子がー。ゴキブリみたいな髪型しやがってよー」
ハルナ「ゴキ…」
夕映「のどか、少し落ち着くです」
のどか「うるさいんだよこの泥棒猫がぁー!」
夕映「な…!」
のどか「いつもいつもバカにしてよー! 私は本屋じゃねーんだよー! み・や・ざ・き・の・ど・か・って名前があるんだよー!」
ハルナ「あ…あぁー…」
夕映「ハルナ、責任取るですよ」
のどか「酒ー! 酒持ってこぉーい早乙女ぇー!」
ハルナ「は、はいぃ!」
のどか「何ボーッとしてんだよ綾瀬ぇ! つまみ買ってこぉい!」
夕映「り、了解ですぅ!」

翌日
のどか「あれ…頭痛い…なんで…?」
ハルナ「あ」
夕映「あ」
のどか「あ、ハルナにゆえゆえ、おはよー」
ハルナ・夕映「おはようございます、宮崎さん!」
のどか「?」
二人「今までの御無礼の数々、失礼いたしました! 我ら二人、宮崎さんについていく次第であります!」
のどか「!?!?」

38. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 11:15:27 ID:???

>>37

いろんな人に酒を飲ませてみたいと妄想したのは俺だけじゃないはず

: 42-39

39. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 11:15:32 ID:???

喫煙描写有です。読む際にご注意下さい。
http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0149.txt

40. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 11:44:24 ID:???

長編?乙です! この二人はかなりいい!
でもなんか朝倉、切ないなぁ ちうが3人いればいいのに

: 42-41

41. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 13:01:49 ID:???

モンスターハンターN発売!!  モンスターを一部公開するぞ。
いやん和美……大きな耳はどんな些細な噂も聞き逃さない。音爆弾投げられるとシリアスな顔になって立ちすくむ。
アキトトス……水辺の覇者。スク水で泳ぐ姿は美しい。可愛いカエルのぬいぐるみを餌に釣りをすると思わず抱きついてくる。
アコリン……巨大な注射器を持っていて、雷を落としたりもする。危険。自分は脇役と考えていることから中々遭遇できない。
ディアブロスナ……ツインテールを角のようにして突進してくる。非常に凶暴。ちょっとお馬鹿なので突進して壁に突き刺さる事もある。
せっちゃんレウス……ものすごい勢いで空を飛びまくる。このちゃんレイアの夫?  受け体質な上にちょっぴり痛いのがすき。
このちゃんレイア……天然系。あまり飛ばない上にせっちゃんレウスよりも根性があるらしい。攻め体質な上にサドっ気あり。
ゲリョ空……走る。光る。盗む。でも捕まって服はがれる。

敵であるおにゃのこを倒したらお楽しみの剥ぎ取りタイム。時間内に好きなように剥ぎ取ってしまえ!
(アキトトスは一回しか剥げない)

42. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 13:38:48 ID:???

万人を代表して、あえて言おう!

それってなんてエロゲ?

43. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 15:38:35 ID:???

逃げまくるせっちゃんレウス=チキン
( ゚д゚ )

剥ぎ取りなんかしないんで罠でしびれさせて麻酔で捕獲したいです><

: 42-46

46. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:38:14 ID:???

ミラーワールド

第四話ラストパート投下します。

47. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:39:03 ID:???

♪♪

「ミソラ」
教会の椅子の上で寝ていた事をすっかり忘れていて、寝返りをうった拍子に、床に転げ落ちていた。
ココネが呆れた表情で、コンビニ袋を下げた手を差し出してきた。
「……いつまでここに居る気」
「……世界が消えて無くなるまで」
「……」
早朝六時。また今日も学校へ行かなきゃならない。
あれから寮には帰っておらず、教会に住み込んでココネに食料を届けてもらう、という生活を続けていた。
朝倉と夕映が登校したのは、例の日から四日後だった。明らかに外部から見ても分かる傷を増やした朝倉は、目の焦点が
合っておらず、私と会話をすることは勿論、教師に指名されても一切喋ることはなかった。
ザジの無口がまだ可愛く見える、と思った。
「つらいっス……」
「そう……」
みんなつらいよ、と言わないところが、ココネの良いところだ。
「掃除」
「分かってる。やるよ、やる」
十五分程で朝の掃除を終え、掃除用具を仕舞っている時だった。入口の扉が開いて、最初はシャークティーが掃除のチェ
ックをしに来たのかと思ったが、顔半分覗かせた朝倉を確認して、慌てて懺悔室へ駆け込み、凶事が去るのを待った。
「やばっ、ココネお願い」
何しにこんな所まで来たんだ。懺悔?  いや、私に懺悔しろ、って命令しに来たのかもしれない。
懺悔くらいで許されるんなら、いくらでもしてやる。
しばらく膝を抱えたまま顔を伏せて待っていると、懺悔室の扉がゆっくりと開いた。


48. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:40:36 ID:???

「ひっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
「ミソラ」
「えっ?」
そこにいたのは、一枚のメモ用紙を持ったココネだった。
「ミソラに」
「私に?」
くしゃくしゃになったその紙を広げてみる。

【 私の勝ち。真相が知りたければ図書館島へ 】

ハートマークがそこかしこに書き添えられていて、とても今の朝倉の雰囲気には見合わない。水着を持ってこい、とも書いて
ある。わけが分からない。
勝ち?  あんな、精神までぼろぼろになって、夕映まで巻き添えにしておいて、あれの一体どこが勝ちなんだろう。
行くべきだろうか。私は真相を知るべきなんだろうか。
例の騒動で私が密告した時、朝倉の指示通り、のどかと約束を取り付けていた。
『しばらくは、私の頭を読まないで欲しい』
でも、約束が守られるとは限らない。もし仮に、私の知らない真相があったとして、それが今後、のどかに読まれる可能性は
ないだろうか。
そんな保証はどこにもない。
授業中、朝倉の方をちらちらと見ながら、行こうか行くまいか迷っていたが、ココネが 「行けば?」 と遠慮なく言ってきたので、
結局、行ってみるだけ、と図書館島へ向かうことにした。


49. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:41:48 ID:???

♪♪

『 種明かしと濡れた画材道具 』

放課後、私は図書館島のカウンターまでやって来ていた。
メモ用紙の裏に、図書館の誰それに名前を言え、という旨の文字が書いてあって、その通りにすると、係の人が封筒を渡し
てくれた。随分大きいな、と思いながら中身を取り出すと、入っていたのは図書館島の地図だった。細部まで事細かに記さ
れていて、罠の場所やら近道まで、そこらのカーナビよりもずっと役に立ちそうな内容に見えた。
一応魔法使いの端くれではあるし、アーティファクトも持っているので、道すがら、それ程苦労を強いられることはなかった。
大きな石像が二対、向かい合っている広間に出て、この地図によると、真ん中に空いている大きな穴に入るらしい。
「これ……大丈夫なのか?」
下を見下ろすが、結構深そうだ。
アーティファクトがあるし、大丈夫だろうけど、モノには限度ってもんがある。いや、二人はこの先にいるんだし、二人とも飛
び降りたんだよね、多分。
意を決して飛び降りる。落下した場所は、海だった。


「よっ」
「よっ、です」
「……は?」
朝倉と夕映がいた。
いや、いるのはいいんだけれど、無傷なうえ、水着を着ている。
「……は?」 訳の分からない状態に、言葉が出てこない。 「え?  なんで?」
朝倉が自分の身体を見下ろしながら言う。 「変かな、この水着」
「いや、そうじゃなくて」
「まぁ、とりあえず休みなよ。飲み物あるけど、飲む?」
「あ、はぁ……」
朝倉達に連れられ、小さなコテージのような場所に案内された。木でできたテーブルに、椅子がいくつか並んでおり、海の家、
という言葉がしっくりくる作りだった。それから、朝倉に言われるがまま水着に着替え、夕映に勧められた飲み物を口にする。


50. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:42:49 ID:???

「普通の飲み物だ……貴様、偽物だな?」
「そんなに飲みたいのなら、ありますが」
「いや、いいッス」 カルボナーラ味を勧められ、丁寧に断る。 「これはもう、飲み物ってより、ソースだよね」
朝倉があはは、と笑い、懐かしい空気が生まれた。心地の良い雰囲気が、聞くべき内容を忘れさせているのかもしれない。
「そんなことより、えっと……何から聞けばいいんだろ」
「何でも聞いてよ。パイナップルの栽培方法とかでも」
「いや、そんなのはいいから」
しばらく雑談で昔の雰囲気を味わい、飲み物が半分程に減った頃、どんなきっかけだったか、朝倉が唐突に話し始めた。
「今回の目的はね。私達が助かるってのもあったんだけど、それ以上に、こんなのはもう繰り返しちゃいけない、って思って
  たんだ」
「……うん」 あまり重い空気にならないよう心懸けながら、相槌を打つ。
「それで、色々考えたんだけど、この方法が一番いいかな、と思って」
遠くを見つめる朝倉は、どこまでも格好良かった。朝倉はどういう人だ、と聞かれても、多分正確には答えられないけど、今
私の真横にいる朝倉は、何よりも朝倉らしい、と思えた。
「作戦の前の日にね、ちうちゃんに頼み事をしたんだ。龍宮神社のパソコンをハッキングして、顧客リストを出してもらったの」
「うわお、もろ犯罪ッスね」
「うん、まぁね」
勿論、咎める気は無いし、有耶無耶になってくれればいい、とさえ思う。
「その中から常連客を洗い出して、しかも、ここ数日で祭事を行う神社を見つけ出す。そしたら、その神社のアドレスから龍宮
  神社に、もっともらしい理由をつけて身代わりの札を学校に持って来るよう依頼する。麻帆良学園まで出向くって言えば、龍
  宮が届けに来るだろうしね」
「もし、違う人が来てたらどうしたの?」
「私が代理です、って言って、変装して行く」
「便利だな、変装」
でしょう、と朝倉がはにかむ。実際、朝倉の変装が上手いものでなかったら、今回の作戦はどうなっていたか分からない。
神様はもしかしたら、こういうところで天の采配を決めてくれるのかもしれない、と思った。


51. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:45:57 ID:???

「でも、長谷川は、大丈夫なの?」  彼女がやった事実が明るみに出れば、十分な危険が伴う。
「うん。ちうちゃん天才だし、ハッキングの足跡を残すようなへマはしないよ。って言ってもまぁ、私のパソコン使ったんだけど」
「いや、本屋に頭の中読まれたらヤバいじゃん」
「大丈夫。教室にいる朝倉和美さんは身代わりだから」
「いや、長谷川の」 と言ったところで、最も聞かなければならない重要な質問を思い出した。
「何で朝倉の身代わりは消えないのよ」
「それはまた追々、順番に話すよ。とにかく、身代わりってのは思考パターンを設定できるわけよ。どういう考えを頭に浮かべ
  るように、とか、何も考えるな、とかね。それで、もし本屋がその事について質問してきた時、私が身代わりに思い浮かべる
  よう命令したのは、私がその常連さんの所に行って変装して潜り込み、勝手にメールを送ったっていう内容。ほら、ハッキン
  グなんて文字は一言も出てきてないでしょ?  これならちうちゃんの頭を読んで確かめてみよう、なんて気は全く起こらない
  筈だしね」
「たとえその常連さんの所に行って確かめてみても、向こうは 『ああ、そうなのか』 としか言えませんから」 夕映が補足する。
「お金はちゃんと、龍宮神社の口座番号を調べて、自分で入金したし。ちょっと高かったけど。向こうに実害は出てない」
「それに、木乃香さん達も、あんなに傷だらけになった朝倉さんをあまり表には出したくないでしょうから。向こうが気付いてな
  いのなら、それに越したことはないでしょう。わざわざ確かめる確率は低いかと」
美空は言われた言葉を理解し、吟味しながら、感心するほか無かった。おそらく実行の前に聞かされていたら、そんなの上手
くいく筈がない、と思っていたに違いない。しかし、現にこうして朝倉はこんな素敵な場所でくつろいでいるし、教室にいる朝倉
が身代わりだという事には、誰も気付いていない。
「で、私は身代わり達にできる事を聞くために、実行日の早朝に準備に入ったの。この作戦において一番やっかいなのは、本
  屋のアーティファクトで、身代わりの頭の中をコントロールできる、ってのは正直すごくありがたい事だった」
「でもさ、よくあんなに細かい指示が出せたね」
「あ、そうそう、それなんだけど」

52. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:47:01 ID:???

朝倉が寄り掛かっていた椅子から立ち上がり、奥の方に消えたと思ったら、しばらくしてパソコンを抱えて持ってきた。画面を
立ち上げると、幾つかのファイルが纏まったフォルダを開き、動画を起動させた。
何が始まるんだ、と訝しげに美空が覗き込むと、画面の中に自分の顔が映し出された。
「うわっ、なんだコイツ!」
ははは、と笑う朝倉の手には、小型カメラだろうか、細い筒状のものが握られている。
「すごいでしょ。リアルタイム映像」
「なんだ、とんでもない美人が映ってると思ったら、私じゃないか」
「カメラ、壊れたかな」 朝倉が真面目な顔でレンズを覗き込む。
そんな二人のやり取りを眺める夕映の顔も、どこか楽しそうだった。
朝倉はマウスを操作し、動画ファイルをクリックすると、今度は朝倉を追い掛ける刹那の後ろ姿が映った。
画像はやや粗いが、第三者から見ても、何をやっているかはっきりと見て取れる。証拠としては十分役に立つレベル、と朝倉
は説明した。
「身代わりにはまず、役割別に別れてもらったの。カメラを持ってもらう撮影班は、一般人に見せかけた身代わりが、もしもの
  時のための回収係と二人組で行動してもらって、ギャラリーに紛れて撮影する。それから、私の指示をリアルタイムで受け
  取って、その都度他の身代わりに伝える連絡班と、龍宮達四人を翻弄して悪戯する陽動班、役割を終えて札に戻った身代
  わりを回収する回収班。連絡班は、新しい身代わりを出現させるスイッチ係も兼任するんだけど、それぞれある程度配置を
  決めて、後は私が状況を見て指示を出す。大体こんな感じで回してたかな」
朝倉がクリックした他の画像フォルダには、朝倉の殴られる場面や、有名芸能人が踊っている貴重な場面、龍宮が銃を持っ
たシーンなど、何かの映画なんじゃないかと思えるぐらい綺麗な画像が、数十枚映し出されていた。

53. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:48:01 ID:???

「奴らは、私から証拠を完全に奪い取ったと思ってるみたいだけど、このご時世、リアルタイムでパソコンに取り込むのなんて
  余裕なんだよね、実は」
「なんだ、じゃあこの画像だけで十分じゃない?」 美空が画面を指差して、疑問をぶつける。
「いや、今回の目的はあくまで、夕映と一緒にあのクラスから逃げる事だったからね。これだけじゃ駄目なんだ」
朝倉がパソコンの画面を閉じて、話を続ける。
「芸能人達を出したのは、一般人の目撃率を上げよう、っていう目的もあるけど、こんな映像、マスコミに送りつければ当人
  達のところに話を聞きに行くだろうし、当然本人達は否定するよね。で、誰も肯定しないんで、これはいよいよおかしいぞ、
  って事になって、大勢のマスコミが、この写真に写った“麻帆良学園”に大挙して来ると」
「この学園には、マスコミの来づらい魔法がかかっているらしいですが、もし来たとしても『CGでした』で済まされては意味が
  ありませんから」
「というわけで、マスコミに送りつける作戦は二の次、ってこと。来てくれれば幸運」
「確かに、『いじめがあります』なんて言おうにも、全力で阻止されるだろうしね。それこそ奴らなら、魔法を使ってでもマスコミ
  の記憶を消しかねないか」
「うん、そういうわけで、これを“偽のゴール”にしようと思ったんだ」
「偽のゴール?」
「そう。これが朝倉和美の目的だ!  って思わせるための、偽りの終止。但し、奴らの頭をこの偽終止に持っていかせるには、
  もう一つフェイクが必要だったの」
「四人を仲違いさせるっていうやつ?」
「そう。ただ、それだけだと上手く騙されてくれるかどうか解らないから、他にも色々用意しておいたんだ。『木乃香を犯人に仕
  立て上げる』 シナリオとか、 『このまま木乃香や本屋をどっかに隠しちゃおう』 シナリオとか、とにかく 『マスコミに送りつけ
  る作戦』 の上に被せるブラフが欲しかったの。で、いざ蓋を開けてびっくり、実は朝倉は、撮影を目的としていたんだ!  と
  なるわけ」

54. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:49:02 ID:???

「で、私があんたを裏切るようにし向けたわけか」 皮肉混じりに美空が言う。
朝倉はそれを受けて、申し訳なさそうに上目遣いで手を合わせる。
「ごめん……怒ってる、よね」
「いや、怒ってはないけどさ……」
「あの、二人とも」 新しい飲み物に口を付けていた夕映が、間に割って入る。 「私は、その辺の事情をよく知らないのですが」
「あぁ、そういえば説明してなかったね」
朝倉が鞄の中からメモ用紙を取り出して、テーブルの上に広げて見せると、夕映と美空はそれを覗き込んで、びっしりと書き
込まれた黒鉛の量に感嘆の溜息を漏らした。メモ用紙には、小さな袋にでも入っていたのか、随分と折り目が付いていて、書
いてある内容の濃さの割にはサイズが小さい。あちこちに矢印や、丸で囲まれた項目が記されており、昔の人が描いた発明
書みたいだ、と美空が感想を呟いた。
内容を見てみると、朝倉がたった今説明してくれた作戦と半分ぐらいが一致していて、気になる所といえば、所々黒く塗り潰さ
れている箇所があるぐらいだった。
「何でこんな小さい紙に書いたの?」
「いや、これは私が書いたものじゃない」
え、と美空が聞き返す。こんな大層な作戦を考えた人が、朝倉以外にももう一人いると。
「まあ、私っちゃ私なんだけどさ」
「なんだそりゃ」
ずっと用紙を眺めていた夕映が、思いついたように口を開いた。
「もしかして……元々こっちにいた朝倉さんですか?」
「えっ、マジで!?」
「……うん」 朝倉はどこか言いづらそうに、照れ笑いを浮かべる。

55. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:49:54 ID:???

美空は今までの出来事を思い返す。朝倉が突然聞き始めた暗いCD、そして、その時はとても神経質で、ひたすらに何かを
考えている様子だった。
「おかしいとは思ってたんだよね。本屋には、考えてもないことを“考えてた”って言われるし」
夕映は、そういえば、と廃墟で追いつめられた時不信に思ったのどかの台詞を思い出し、該当する言葉を探した。

『あなたが今まで私達を裏切る計画を立てていた事ぐらい、もうとっくにばれてるんですよ』

確かこの言葉の直後、朝倉が眉をハの時に曲げて、何かに抗議するような眼差しになったのを覚えている。
「え、ってことはつまり……前の朝倉も、同じ作戦を考えてたってこと?」
「そういうことになるのかな」
「凄ぇ……凄いじゃないの」 美空が朝倉の背中をバンバンと叩く。 「やっぱ朝倉は朝倉だよ」
朝倉は恥ずかしそうに身を縮め、ジュースを飲み干す。
「前の朝倉さんは、ただあのグループに荷担しているだけかと思ってましたが……」
「あいつらの言いなりになりながらも、ちゃんと考えてたわけだ」
そして、頭を読まれないよう、暗いCDを聞きながら、必死に抵抗していた。
「さっすがあたし」 と胸を張って誤魔化すと、美空に 「可愛いとこあるじゃないの」 と返されてしまった。

56. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:50:50 ID:???

「それで、この塗り潰された部分は何なのですか?」
「ここに書いてあるところまでが、美空に見せた部分。つまり偽のゴールまでの道のりで、黒く塗り潰したのは、それ以外の
  見られちゃいけない部分、作戦の本筋だね」

あの夜、外出から戻ってきた朝倉は、なぜか少し憂鬱な表情を浮かべていたが、私と目が合うなり、「見たでしょ?」 と、ま
るで当然であるかのように尋ねてきた。
「もう共同責任だからね。逃げられないよ」
逃げられない、と言いながらも、冷たく突き放すような言い方で私に圧迫をかけ、それから、さんざん夕映の悪口を並べ立て
た。その悪口ぶりが、自らの印象を貶める事に尽くしているようにも見えて、その時の私はまだ裏切る決心がつかなかった。
なにか変だな、と思った。
悪口が非常に子供じみていて、とても普段の朝倉から出てくる言動とは思えない。どこか無理をしているようで、朝倉はそん
な稚拙な理由で人を嫌いになったりしない、と私は思っていた。
「もし裏切るんなら、本屋こにれ以上頭の中読まないようにね」
悪口が終わったと思ったら、朝倉は唐突にそんな事を口走った。
その時点ではまだ、朝倉が何を言いたいのか、はっきりとは分からなかった。ただ、自然とそういう方向に誘導しようとして
いるんじゃないか、という意志は、なんとなくだけれど、感じ取れた。
だから、事態が収拾して朝倉が龍宮に引きずられて行く時には、罪悪感で押し潰されそうになった。

美空はその出来事を、夕映の悪口の部分は適当に誤魔化しながら説明した。

57. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:51:57 ID:???

「心臓が潰れてしまうかと思いましたわ」 美空があやかの口振りを真似する。
「ごめんアル」
「で、そろそろ教えてよ。教室にいる朝倉は何で消えないの?」
ああ、簡単簡単、と朝倉が言うと、数学の難問を前にして苦戦している時、先生に同じ言葉を掛けられたのを思い出した。
「美空さ、何であの身代わりを本物だと思った?」
「え、だってそりゃあ、真名の弾食らっても消えないからじゃん」
「そう、そこがミソ」 朝倉が大仰に人差し指を美空に向ける。
「ハトにおける迷信、という心理学の実験があるです」 夕映が自分の番だとでも言わんばかりに、得意分野に関する説明に
乗り出した。
「 B・F・スキナーという心理学者が行った実験です。ハトをかごの中に入れ、一定間隔で自動的に餌の出てくる装置を使って
  餌を与えます。すると間もなく、ハトは奇妙な行動を示すようになるのです。例えば、たまたまハトが左に頭を向けていた時
  に餌が出てきたとします。そうした偶然が何度か重なると、ハトは誤って『頭を左に向ければ餌が出てくる』と学習し、それで
  ますます同じ行動を繰り返して、いずれ餌が出てくると、確信を深める……実際には、ハトの行動と餌が出てくる間隔には、
  何の関係もないのです。スキナーはこれを『ハトにおける迷信』と呼んでいますです」
「つまり……どういうこと?」
「龍宮の弾と、身代わりが消える、って結果とは何の関係もないってこと」
「まず、弾を一発当てれば身代わりが消える、という先入観を植え付けます。それは裏を返せば、“弾が当たっても消えなけ
  れば本物”という誤解を生むのです。『ハトにおける迷信』の偶然の部分を、恣意的に刷り込んだわけです」
「実はあの身代わり、目標を達成するまでは、相当な耐久力があるのよ。修学旅行では、古の蹴りが入っても無事だったし」
「え、じゃあ、朝倉はいつからここにいたわけ?」

58. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:52:50 ID:???

「最初から」 朝倉は得意げにひらひらと手を振った。 「ずっと安全地帯にいました〜」
「ハァ!?」 美空が思わず目を丸くする。「なんだそりゃ!?」
「夕映っちは、どさくさに紛れて回収。トイレで身代わりと入れ替わってもらった」
美空は肩の力が抜け、よろよろと椅子に身体をもたれさせた。
私の胃がキリキリと痛んでいる間、朝倉はパソコンの前であの騒動を楽しんでいたわけだ。多分、水着で。
「じゃあ私も呼んでよ!  あたしもこっちで優雅に遊びたかったわ!」 身体を乗り出して抗議する。 「 そうだよ!  そうすれば
あんな回りくどいことして私が裏切るようにし向けなくても、私の身代わりにやらせれば良かったじゃん!」
「ま、まぁそうなんだけどさ。取り敢えず最後まで聞いてよ」
美空を手で制し、残りの説明に入る。
「 今回の作戦の最終目標は、いじめを止める事。つまり、今の状態を維持しなきゃいけないわけよ。身代わりがいくら頑丈っ
  て言っても、耐久力は無尽蔵ってわけじゃない。大きな肉体的ダメージを受ければ元の紙切れに戻っちゃうし、そうなったら
  今の均衡状態が台無しになっちゃう。だから、身代わりの私と夕映っちには、耐久力が危なくなったら然るべき場所に行っ
  て、隠してある残りの身代わりの札に私の名前を書くよう指示を出してあるの。そこで新しい身代わりとバトンタッチ。同じ名
  前であれば、傷とかも継続されるし、耐久力はリセットされるから、またしばらく保つってわけ。だから、その状態を維持する
  ためには、残り少ない札をちょっとでも節約したかったのよ。私と夕映っちはセットでいじめられるからしょうがないとして、三
  人分だと多分、すぐになくなっちゃうと思ったのよ」
ううむ、と美空が腕を組むと、仏頂面ながらも納得した様子を見せた。
「……これからどうすんの?  テストとかさ」
「まぁ今回のテストは諦めるよ。勉強はいい点を取るためにするもんじゃないし。ここでも勉強はできるしね」
良い点数取る人に限ってそういうこと言うんだよなあ、とは口には出さない。

59. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:53:50 ID:???

「魔法に関する本で、日本語で書いてあるやつがあったから、しばらくここに留まって調べてみるよ。この魔法の正体も知りた
  いしね」
美空は改めて周辺を見回し、それも結構楽しそうだな、と思う。これだけ頑張ったんだから、朝倉にはそれぐらいの特権はあ
ってもいいか。
「私はどうすればいい?」
朝倉は美空の質問に、新しいメモ用紙とペンを取り出して、何事か書き始めた。
「これを明日菜に届けて欲しいの」
メモ用紙を受け取り、数行だけ書かれた文章を読む。

【明日菜へ
  私は無事。奴らの執拗ないじめから逃れ、3Aから脱出することに成功しました。
  今は誰もいじめられてないけど、いつまた標的が移り変わるか分からない。
  だからもし、あいつらを裏切る決心がついたなら、私の所に来て。いじめは止められるから。
  明日菜がいてくれれば、心強い。          図書館島より  朝倉和美】

「これを、明日菜に……?」
「うん」
「なんで明日菜なの?」 正直美空には、木乃香に拘っている明日菜が向こうを裏切るとは考えにくかった。
「まぁ、ちょっと、いろいろあってね」
「ふぅん」 まぁ、朝倉が言うのなら、と美空はまた腑に落ちないながらも、いずれその考えも聞かせてくれるかな、と割り切る
ことにして、メモ用紙を鞄の中に仕舞う。

60. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:54:44 ID:???

「でもさ、いいの?  私にこんな事話しちゃって。私また学校に戻るんだよ?」
「頭は読まないで、っていう約束は取り付けたんだよね?」
「うん……。けど、向こうが約束を守るとは限らないでしょ」
「大丈夫」 朝倉が自信ありげに答える。
「あれだけ強固なグループを維持するには、それなりの信頼が必要になってくる。何から何までデタラメなんじゃ、ああまで恐
  怖で人を縛りつけたりできないよ。そのへん、やくざに通じるところがあるかもね。だから覗くとしても、まだ何か裏があるん
  じゃないか、って疑う最初の数日だけだと思うよ。結果が安定してるんだったら、別に美空の頭を覗く必要もないでしょ」
でも、それだって確証があるわけじゃない。美空はそう言おうとしたが、朝倉の表情が憂いを帯びたのを見て、その言葉を飲
み込んだ。
「それにさ……それじゃあ、あんたが辛いでしょ」
美空はこれまでの説明を聞いて、朝倉が親友であるさよを失っている事を、ようやく思い出した。作戦の説明をしている時の
朝倉は、一人の大切な友達を失った事など微塵も感じさせないぐらい、生き生きとしていたのだ。
朝倉は前に進んだ。悲しみをバネにすることに成功したのだ。それはそう簡単な事じゃない、ということを美空は知っていた。
「でもさ、身代わりとはいえ、ちょっと可哀想な気がするよね。痛みとかは無いんだろうけどさ」
「あ、その点は大丈夫」
夕映が思い出し笑いの様に、ニヤリと口元を歪めた。
「身代わりに書いた私の名前の下にね、ちょっとだけ文字を書き加えておいたの」
朝倉が紙とペンを取り出し、自分の名前を書き始めたかと思うと、名前の下に円括弧で別の文字を書いた。

61. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:55:39 ID:???

        朝倉和美(ドM)

美空が飲んでいたジュースを鼻から吹き出して咽せる。 「え、これ、アリなの!?」
そんな反応を見て、朝倉も夕映も腹を抱えて大笑いしていた。


「さて」
椅子から立ち上がった朝倉は、海岸線の方へと足を進める。
「遊ぼうか。今までの分」
おうよ、と美空と夕映が朝倉を追い掛けると、朝倉は両手を上げて、天井の光の射し込んだ方向へ、取り戻すぞー、と叫んだ。






62. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 20:56:42 ID:???

誰かの血を被ったのか、それとも自分の血なのか、怪我をした明日菜が空から落ちてきたのは、しばらく経ってからだった。
先に来てこれまでの事情を説明していた美空と、朝倉、夕映が明日菜の元へと駆け寄り、手を差し伸べる。
「おかえり」
美空には、朝倉が言ったその言葉の意味が理解できなかったが、それよりも目を引いたのは、明日菜が背中に抱えた画材
道具だった。一応濡れないようにはしてあるが、中身が無事なのかどうか、あやしい。
「どうしたの?  その道具」 朝倉が尋ねる。
「写真……」 明日菜は相当疲れているのか、息も切れ切れに、そう言った。
「ちゃんと……写って、なかったって……だから……私が……」
ぐしゃぐしゃに濡れた明日菜の顔は、落ちた海のせいでも土砂降りの雨の中を走ってきたからでもなかった。
「私が……描くから……」
「バカ……」 朝倉はそんな明日菜を愛おしそうに見つめ、優しく抱きしめてやった。
「それじゃ、あんたが入らないでしょうが」



                                                                                                      第四話    終



63. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 21:00:12 ID:???

以上です。

今までレスくれた人達、読んでくれた人達、本当にありがとう。
凄く助かりました。
皆さんのおかげで無事第四話を終了することができました。

本当にありがとう。

64. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 21:01:50 ID:???

>>39

朝倉と千雨の好きな俺にとってはひたすらGJ。


>>63

朝倉よくやったよ朝倉(´Д⊂ヽ

65. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 21:03:32 ID:???

最近嫁(朝倉)が大活躍で嬉しいなぁ


>>39
とミラーGJ!!!!!!!!!!!!!!

66. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 23:15:16 ID:???

え…
ここ、萌えスレだよね…?

67. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 23:22:28 ID:???

そうですがなにか?
お初のかたなら
>>1


>苦手なタイプのssはスルーが原則です。間違っても叩いたり、煽ったりしないで下さい。当然ですが荒らし・広告の類もスルーでお願いです

68. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 23:22:38 ID:yXXl4ZDL

久々に来てみたんだが、いつの間にかシリアスなネタがメインになってるのな
楽しませてもらってるが

>>63
GJ

69. マロン名無しさん 2007/03/12(月) 23:23:40 ID:???

ミラーさんがこんなに連続で来たの久々だべ

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最終更新:2009年07月15日 20:26