会いたい人の事を⇒
ずっと考えていると ふいに
バッタリ出会う事があるそうです。
わたし
(フミエ)研究 私も手伝うわ。
私も 同じクラブだし。
…とは言ったものの⇒
何をどうすれば 手伝った事に
なるのか さっぱりだわ。
まずは イリーガルを探すことね。
でんのう
そして そのイリーガルが 電脳ナビの
いじょう
異常に関係あるか調べるのよ。
そうか…。 でも イリーガルって
どうやって探すの?
まずは 古い空間を探すのよ。
べんとう
それには 交通費 弁当代
それにお菓子代も 入れないと…。
(ダイチ)先生
女子が おしゃべりしてます。
じゅぎょう
(先生)授業中に
おしゃべりしないように。
すっかり イサコの仕切りね。
いやな感じだわ。
ねえ さっきの計算 一体なに?
(フミエ)今回の自由研究の経費よ。
こ
もろもろ込みで
お年玉一年分は必要だわ。
えっ そんなに?
バナナを お菓子にふくめない
計算でね。
♪~
しょうしゅう
メガばあの 召集だわ。
「召集」?
それで何なのよ 召集って。
そうさく
(メガばあ)電脳ペットの捜索じゃ。
3丁目のトメさんのハムスター マンタが
きのう
昨日から 行方不明になっとる。
私たち いろいろあって
いそが
今 忙しいのよ。
ことわ
断ったら メタタグは 今までの
ね
倍に値上げじゃ。
(2人)え~。
じゃが 引き受けたら ボーナスが
出るかも…。
「ボーナス」?
実は からんでおるのじゃ。
たから
お宝がな。
お宝じゃと?
(トメ)うん 光る何かじゃ。
たし
確かに そんな物を
わしは 持っておった。
それは もしかして キラバグかえ?
はて それは定かじゃないが
かがや
キンキラキンに光り輝く何かじゃ。
ひみつ
じゃが わしは その秘密を
おぼ
覚えておく自信がない。
そこで ペットのマンタに
記憶させてあるのじゃ。
そうい
それは キラバグに相違あるまい。
ところで あんた
だれ
誰じゃったかのう?
キラバグですって?
「キラバグ」って何?
とんでもなく 値のはるメタバグよ。
わり
トメさんは そのお宝の3割を
しはら
お礼に支払うそうじゃ。
「3割」も?
何かと物入りだろう?
もちろん 引き受けるわ。
は
(ダイチ)見張り?
(イサコ)そうよ。
もし誰か現れたら 暗号式を
あ
荒らさないように 追い払うのよ。
(ガチャギリ)「暗号式」?
ふ
踏むな!
(一同)え~?
そいつは デリケートなんだ。
今回 初めて組んだ暗号だから⇒
ご
何がきっかけで 誤作動するか
分からん。
だから 誰も近づけさせるな。
それが お前たちの
にんむ
今日の任務だ。
暗号か?
どう使うんだ?
マニュアルをやる。 こわさなければ
ちょっとは 使ってもいい。
このくそ暑いのに ずっと ここに
いろって言うのかよ。
じょうだんじゃねえ!
お前ら 帰って アイスでも食おうぜ。
さか
逆らう気か?
そ… そんなに やりたいなら
お前 自分でやれよ!
何だと?
知ってんだぞ お前
イマーゴってやつが 使えるんだろ?
それで ささっと やっちまえば
一発だろ?
頭の悪いやつは きらいだわ。
なに?
うで
自分たちの腕を見てみろ。
えっ。
うわ~!
もう一度 勝負してあげようか?
今度は 何年分がいい?
待て! 分かった。
言うとおりにする。
二度と私に逆らうな。
文句を言わずにやれ!
へい…。
この辺りね マンタが
もくげきされたのって。
ここはつぶれた会社の
土地だから⇒
はかば
このあいだのバスの墓場みたいに
サッチーが 入りこみにくい場所なの。
さが
さあ 手分けして捜そう。
う… うん。
私は こっちを捜してみるわ。
いる。 イリーガルだ。 まちがいない。
新しい組み合わせが
うまくいけば いいが…。
おかしいな。 空間にゆがみがある。
式のどこかが こわれたのか?
何だろう?
このヒソヒソ声みたいなの。
気のせいよね。
きょうこ
(京子 ヤサコ)うわ~!
京子 あんた 何でここにいるの?
京子も遊ぶ。
遊んでいるわけじゃないの。
もう しょうがない子ね。
ほら このハムスターを捜しているの。
それなら そこにいるよ。
えっ?
エヘヘ…。
京子 待ちなさい!
来た!
よし これなら もうオトリのペットも
よ
使わずに いつでも呼び出せる。
マンタちゃ~ん。 どこ?
(ナメッチ)異常なしっす。
りょうかい
了解。 あ~ くだらねえ仕事。
でも ヤツにぶら下がっていれば
何か お宝が出てくるかも…。
「お宝」って何だよ?
キラバグだよ。
うっ…。 あっ。
しまった!
カギを さしたままだ。
つかまえた!
お姉ちゃん つかまえたよ。
うん?
うわ~。
ふつう
(ダイチ)「キラバグ」って 普通の30倍の
値がついたって うわさのか?
ざんがい
ああ。 駅ビルで その残骸を
見たやつが いたらしい。
きっと イサコのやつも
いっかくせんきん
一獲千金を ねらっているんだ。
これに乗っからない
理由は ないぜ。
な~るほど。 それなら
こんな仕事も 楽なもんだぜ。
役立たずめ。 やはり 今までどおり
よ
ペットで引き寄せるべきだったか…。
そうだ! もしかして あそこに…。
京子?
うん?
待て!
何 これ?
うわ~!
バカ! 早く出ろ!
しまった!
はいこうじょう
開かないわ。 廃工場なのに何で?
何て まぬけなんだ。
自分で仕かけたトラップに
引っかかるなんて。
「トラップ」?
いざという時 ここに
閉じこめる予定だったんだ。
「閉じこめる」って 何を?
イリーガルだ。
自分の方が
閉じこめられるとはな。
でんのうへき
イリーガルなら 電脳壁で
閉じこめられるわ。
何で とびらまで閉めるのよ。
バッテリーが残っているのに
気づかなかった。
それが暗号で ぐうぜん
作動したらしい。
そうだ 電話で誰か呼べば…。
けんがい
圏外?
ムダだ。 こちらからの
発信は しゃ断してある。
受信は出来るがな。
何で そんな事するのよ。
ねえ 外に出る方法は
あるんでしょ?
ないわ。 外からは開けられるけど
中からは無理よ。
何で?
こんなの想定外よ。
お前さえ こんな所に
現れなければ…。
あまさわ
私のせい? 天沢さんが
こんな事してるの知るわけないわ。
そうだ 京子がいる。
なに?
近くにいるのよ。
大声で呼んで開け方を教えれば…。
それを早く言え!
いた!
どこだ?
京子ったら…。
まずい。
いやだ イリーガル。
やつは ペットの中に
に
逃げこむ気だ。
「ペットの中」?
イリーガルが 生きのびられるのは
古い空間と電脳生物の体内だけだ。
ダメだ…。 ちが
この回線も違う。
ねえ 何やっているの イサコ?
「イサコ」って言うな!
ごめんなさい。
ドアを開ける方法を
探しているんだ。 じゃまするな。
あの… イサ… 天沢さん 私…。
ともだち
あんたたちと 友達になる気は
ないわ。 この間 言ったとおりよ。
そ… そうですか? そうだ!
ししょう
師匠としては どう?
この間の駅ビルの秘密の空間から
メタバグを 取り出したんでしょ?
まるで まほう使いみたいだわ。
私 あこがれちゃう。
お願い 弟子にして。
断る!
うわ~。
なあ こいつは ちゃんと
動きやがる。
あの女が キラバグを
ねらっているとすれば⇒
しばらく がまんの一手だぜ。
しかし キラバグって
都市伝説だろ?
どんな都市伝説なんすか?
ある伝説のハッカーが
そのキラバグを 手に入れたんだ。
あっちからな。
だが こっちに呼び出したとたん
くだけて 死んでしまったそうだ。
(ダイチ)「死んだ」? キラバグって
生き物なのか?
(ガチャギリ)ああ。
その都市伝説ではな。
そして その死んだキラバグの化石が
メタバグなんだ。
え~ じゃあキラバグは
生きたメタバグってことか?
足でもはえて
走り出すんですかね。
ヤサコ どこ?
おい ここに近づくな!
ダイチ 何で ここにいるの?
それは こっちの せりふだ!
とっとと帰れ!
うるさい!
うわ~!
あぶ
やめろ 危ねえじゃないか!
私に指図するなんて
10年 早いわよ。
あんたが 帰れ!
あの チビスケのブスエが~!
ちっ これも違う。
あ~ 暑くなってきたわね。
話かけるな。
天沢さんってさ
あまり幸せじゃないでしょ?
人間 幸せに生きるのが
一番よ。
さすがに 天沢さんも
そう思うでしょ?
特に そうは思わない。
そ… そうですか。
手伝おうか?
もう しょうがない子ね。
よいしょっと…。
ほら 外れたわ。
天沢さんに 幸せに生きるコツを
教えてあげる。
人を こばまないことよ。
何でも一人でやろうと思っても
決して出来ないものよ。
たにん
誰だって 他人の力が
必要なのよ。
あんたが 他人をこばまないのは
相手のためじゃない。
自分のためだ。
えっ?
友達と調子を合わせて
意見を合わせて⇒
自分の言いたい事も言えない。
そんな幸せなら いらないわ。
京子。
ようじ
おい そこの幼児。 サブドメインの
キーファイルを かいじょしてくれ!
それじゃ 聞こえても
意味 分からないわよ。
じゃあ お前がやれ。
京子 ここのロックを
かいじょして。
具体的に言わないと
分かるわけないでしょ。
じゃあ ちゃんと説明してよ。
え~。
あの子ったら もう。
それにしても 何で あんなウィルスが
うろついているのかしら?
あれは ウィルスじゃない。
どういうこと?
知りたいか?
ええ。
あれは のろわれた生き物。
「のろわれた生き物」?
空間のゆがみで生まれた
出来そこないの生き物。
きおく
こっちに出てくる以前の記憶を
すっかり なくしているけどね。
たと
例えば 自分が
何者だったのか すら…。
やつらは 言ってみれば
もうじゃ
あの世の亡者よ。
それが 消えずに あてどなく
さまよい続けている。
なぜ ペットを おそうの?
ペットの体など 本当は
問題じゃない。
そこは 単なる
ひなん場所にすぎない。
新しい空間では そうしないと
と
すぐに体が溶けてしまうからだ。
彼らが本当に ほしいものは
別にある。
自分の正体を
わす
忘れてしまっているのに⇒
それだけは
ほんのう
本能が 覚えているのだ。
それは…。 人間の子どもに
近づくという本能。
「子どもに」…?
やつらが 本当に入りこみたい
場所は 子どもの電脳体。
えっ? そんな… どうして?
知りたいの?
本当に 知りたい?
何を…。
教えてあげる。 やつらは
たましい
子どもの魂を 食べるのよ。
「魂を」…?
そうよ。 内側に
もぐりこんで ムシャムシャとね。
そんなこと あるわけない。
だって イリーガルは電脳世界のものよ。
それが あるのよ。
のろわれた方法がね。
都市伝説で語られるだけに
なっているけど⇒
じっさい
実際に
食われた子どもがいるのよ。
そんな… ばかな…。
あんたも 気をつけた方がいい。
やつらの好物は あんたみたいな
むぼうび
おめでたい無防備な子どもの魂。
やめてよ!
気をつけな!
やつらは 気づかない間に
しのびよってくる。
そして 食っちまうんだ。
お前の魂をな!
やめて!
ハハハ…。
信じた?
えっ?
バカね うそよ。 全部 私の作り話。
「作り話」?
あれは あんたの友達が言うとおり
単なる コンピューターウィルスよ。
へんい
最近 みょうな変異を
起こしているみたいだけどね。
だましたのね。
もともとは
どこかのハッカーが ばらまいたのよ。
いろんな機器を
誤動作させるためにね ハハハ…。
もう 意地悪!
いっしゅん
あっ。 今 一瞬 つながった。
何だと?
おい もう一度 さっきのポーズだ。
足を開け。
やめなさいよ エッチ。
言うことを聞け。
きっと 電波のもれがあるんだ。
私って アンテナ代わり?
あっ キュウちゃんだ。
なに? まずいぞ それは!
京子。
そのポーズだ。
動くな!
待って くつ。 うわ~。
うわ~。
うわ~。
あっ…。
あ~!
ウ… ウンチ!
おい幼児! 早く もどれ!
そこは くずれるぞ!
ゆっくり こっちに来るのよ。
出来る?
普通に歩くの 分かる?
こわくない。 一歩ずつよ。
そうよ うまいわ。
おいで。
うわ~。
こっちだ とべ!
京子!
京子。
ほら じっとして。
ほかに 痛い所ないわね。
一人にして ごめんね。
古い空間を求めて
外へ出たか…。
あのイリーガル かなりの量の
キラバグをふくんでいた。
逃がすものか。
天沢さん 待って。
京子を助けてくれて
ありがとう。
別に…。
私たち やっぱり
友達になれないのかな…。
それは ないと言ったはずよ。
私が 必要な物を
あんたは 持ってないわ。
そう…。
でも…。
先のことは 分からないわ。
この世界の誰にも…。
(フミエ)何ですって!
キラバグだなんて
ひと言も 言っておらん。
そもそも 何をマンタに
記憶させたか 覚えておらん。
メガばあ。
まあ 待っとれ。
かいとう
今 解凍中じゃ。
ぜったい
絶対 値打ちもんに 決まっとる。
出た。
うん?
「頭」?
おう 思い出した。 光物は
わしのダンナの頭 そのものじゃ。
そんなもん 3割もらって
どないすんじゃ~!
わずかに 古い空間の反応が
出ている。
この先は… 学校か。