独立の法則

配偶子が形成される時、A(a)とB(b)という二対の対立遺伝子(つまり遺伝子としては四つ)に注目してみると、一方の対立遺伝子(Aとa)の振る舞いと、もう一方の対立遺伝子(Bとb)の振る舞いは独立していて、一方の振る舞いが他方の振る舞いに影響を及ぼすことはない。
このことをあらわすのが「独立の法則」である。

独立の法則:配偶子形成の際に、二対以上の対立遺伝子は互いに影響を与え合うことなく、それぞれ独立に配偶子に入る。

よって、AaBbの親からできる配偶子はAB:Ab:aB:ab = 1:1:1:1となる。
ABとabに偏ってAB:Ab:aB:ab = 2:0:0:2=1:0:0:1となったり、AbとaBに偏ってAB:Ab:aB:ab = 2:0:0:2=1:0:0:1となることはない。

この法則も減数分裂に注目すれば、良く理解できる。
二対の対立遺伝子が異なる染色体上に存在している場合、その染色体の振る舞いは独立しているため、遺伝子の振る舞いも独立することになる。

この法則でいう「独立」とは、「確率」で言う独立事象のことである。
右図で言えば、第一分裂の中期に「AA」という遺伝子を持つ染色体が、「BB」という遺伝子を持つ染色体と一緒に娘細胞に入る事象と、「bb」という遺伝子を持つ染色体と一緒に娘細胞に入る事象は、独立事象である。
結果的に、「AA」&「BB」という組合せとなった娘細胞からは「AB」という遺伝子を持つ配偶子が二つできるし、「AA」&「BB」という組合せとなった娘細胞からは「AB」という遺伝子を持つ配偶子が二つできる。
他の遺伝子を持つ娘細胞もすべて考え、足し合わせると、最終結果は、AB:Ab:aB:ab = 1:1:1:1となる。

ただし、後述するように「連鎖」している場合は例外で、この「独立の法則」は成立しない。
最終更新:2009年05月21日 20:16
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