クエン酸回路

解糖系で生じた二分子のピルビン酸は、まずアセチルCoA(活性酢酸)に変化する。
その後、生じたアセチルCoAとオキサロ酢酸とが反応してクエン酸が生成される。
クエン酸は、イソクエン酸→αケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸と変化する。
そして再度、活性酢酸と反応することで、クエン酸を生成する。
この反応経路は、閉じたサイクルなので、クエン酸回路(TCAサイクル、クレブス回路)と呼ばれる。

クエン酸回路の基質である二分子のピルビン酸は、脱炭酸酵素や脱水素酵素のはたらきを受けながら、最終的に二酸化炭素(6CO2)と水素(20[H])へと分解される。
この時生成した水素は、NADまたはFAD(リボフラビンアデニンジヌクレオチド、flavine adenine dinucleotide)に結合した形で電子伝達系へと受け渡されることになる(FADは、「コハク酸→フマル酸」の反応に関与)。
つまり、電子伝達系に受け渡されるのは、水素だけであって、炭素も酸素も受け渡されることはない。
またこの時、クエン酸回路が一周すると、ATPは二分子生成される。
クエン酸回路の反応式は次の通り。

2C3H4O3 + 6H2O → 6CO2 + 20[H] + 2ATP

クエン酸回路そのものの進行には、酸素が使われることはない。
しかし、その進行には反応生成物の消費が必要であるため、クエン酸回路の進行には、続く電子伝達系の進行が必須、つまり酸素が必須である。
最終更新:2009年05月23日 20:47
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