太陽レンズ
太陽電池での発電は、時間によって太陽の角度が変わり、発電量が不安定になる。これを解決するために太陽を自動追尾させる方式があるが、それには大掛かりな装置が要り、コスト高となる。
これに替わって、空全体の光をレンズで集光し、太陽電池パネルに当てれば、光を追尾しなくとも安定的な光を得ることが出来る
そんな構想が既に進んでいる。ブラウン株式会社の研究である。
この太陽レンズ、レンズとは言え、今までの発想には無かった構造をしている。上部が広い台形と円錐を組み合わせたような形をしていて、上面の光を底面の小さな平面に集光し、その面積比が集光率とほぼ同じとなる。
真横からの光に対応するものとしてはタワー型の集光塔や円筒形の方式がある。
これらの太陽レンズは全方向から集光するので、自動追尾する以上に光量が上がり、曇りの日でも十分な発電が出来る。
発電効率の向上が見込まれるので、太陽電池パネルの面積を減らしても、必要十分な発電量を得ることも出来る。それによって高価な太陽電池パネルのコストダウンを図ることが出来る。問題は集光するために熱量が多くなり、太陽電池パネルの効率が悪くなることや寿命を短くすることだが、その熱を上手く利用して暖房や湯沸し機、温度差発電など、複合的にエネルギー転用することで、その欠点も利点にすることが出来るだろう。
集光式太陽光発電
この他にも太陽の集光装置としては自動追尾装置とドーム型のフルネルレンズを使用した大同特殊鋼株式会社の集光式太陽光発電システムがある。こちらは現在あいち臨空新エネルギーパークにおいて実証プラントを建設している。(関連記事)
ドーム型のフルネルレンズによって太陽光を500倍に集光し、太陽エネルギー変換効率においては28%を達成している。
アメリカにおいても高効率な集光式太陽光発電が実現している。
パラボラ型のミラーを使用した米SolFocus社も自動追尾式集光装置を持ち、太陽光を500倍に集光する発電モジュールとなっている。
また2008年5月、米ベンチャー企業の米Sunrgi,LLCが開発した集光追尾型の太陽電池モジュールが発表された。レンズを用いて太陽光を1000倍に集光し、高価な太陽電池パネルのコストを低減している。発表によるとモジュール変換効率が37.5%もあり、量産すれば「5米セント/kWhのコストで発電できる」(同社)と言う。
これら集光式太陽光発電が目覚しい発電効率の向上を遂げている背景には、熱に耐用のある太陽電池アレイが開発されたことが大きい(シャープ-効率40%の多接合太陽電池)
アメリカのエネルギー省ではこうした太陽電池パネルの研究開発をする大学に巨費を投じている(関連記事)
こうした開発競争の激化で太陽電池の効率は飛躍的な向上を目の前にしている。
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- 様々な入射角の光
を最終的に一つの焦点にまとめるレンズ又は複数レンズの組み合わせで
可能でしょうか。
私はこの分野素人の為
ご教示願えれば幸いです。 -- (長谷川雄一) 2011-12-15 23:11:00 - ぬいた(人・ω・)♂ http://ylm.me -- (名無し) 2012-04-11 16:54:51