(何だ、この状況は?)
本塔の壁に背中を預けたヴァニラは呆れたように目の前の光景を眺めている
真剣な面持ちのルイズとキュルケが杖を構え、屋上には水色の頭髪を持つ眼鏡の少女 、タバサというらしい――がその使い魔の竜に跨っているのが見える
そして屋上から吊り下げられたロープには
「おーい、下ろしやがれ娘ッ子!」
デルフリンガーがぶら下がっていた
本塔の壁に背中を預けたヴァニラは呆れたように目の前の光景を眺めている
真剣な面持ちのルイズとキュルケが杖を構え、屋上には水色の頭髪を持つ眼鏡の少女 、タバサというらしい――がその使い魔の竜に跨っているのが見える
そして屋上から吊り下げられたロープには
「おーい、下ろしやがれ娘ッ子!」
デルフリンガーがぶら下がっていた
亜空の使い魔――デルフの受難・フォーエバー
場面を数分前にバイツァーダストッ!
街から帰ったヴァニラがルイズの部屋でデルフに尋問もとい質問をしているとキュル ケが小さな少女を伴い部屋に飛び込んできた
「ハーイ、ダーリン!プレゼントよ」
そういって罵声を並び立てるルイズを無視して差し出したのはルイズの買えなかった
街から帰ったヴァニラがルイズの部屋でデルフに尋問もとい質問をしているとキュル ケが小さな少女を伴い部屋に飛び込んできた
「ハーイ、ダーリン!プレゼントよ」
そういって罵声を並び立てるルイズを無視して差し出したのはルイズの買えなかった
シュペー卿とやらの剣、話によると二人が店から出た後で入れ違いに買っていったらしい
(ストーカーというやつか?)
当然ルイズは烈火の如く怒りキュルケはそれに飄々と返す、ついでにキュルケについてきた少女はヴァニラが踏みつけているデルフをじっと眺めている
(何だ、この状況は?)
数分後軽いデジャヴを感じるであろう状況に平和的な質問を諦め事の成り行きを見守る
ヴァニラが考えるのを止めかけたところでどうやら御互い決闘してどちらの剣を使ってもらうか決めるということで落ち着いたようだ
(ストーカーというやつか?)
当然ルイズは烈火の如く怒りキュルケはそれに飄々と返す、ついでにキュルケについてきた少女はヴァニラが踏みつけているデルフをじっと眺めている
(何だ、この状況は?)
数分後軽いデジャヴを感じるであろう状況に平和的な質問を諦め事の成り行きを見守る
ヴァニラが考えるのを止めかけたところでどうやら御互い決闘してどちらの剣を使ってもらうか決めるということで落ち着いたようだ
「それでなんでオレが吊られてるんだよォ!?」
「決闘、危険」
竜に跨ったタバサがぽつりとデルフの疑問に答えるが当然ながら納得できないらしくまだ喚き散らす
しかし無常にも二人の準備は整ったらしくキュルケがタバサへ合図を送る
「いいわねヴァリエール、魔法であの剣を落とした方が勝ち。ハンデとして先行は譲ってあげるわ」
「ふ、ふん!後で後悔させてやるんだから・・・」
精一杯の虚勢を張るルイズを尻目にキュルケの合図を受けたタバサはデルフを思いっきり揺らす
「ゆーらーすーなーッ!吐く!絶対吐く!」
哀れ左右に振り子運動を始めたデルフが盛大に抗議するが誰も取り合わない
そもそも剣が何を吐くというのだろう、錆?
「煩いわね、集中できないから黙りなさいッ!」
そういうとルイズはゆっくりと杖を掲げ振り子運動を続けるデルフへと狙いを定める
色んな意味でルイズの魔法に生死がかかっているデルフはごくりと息を飲み柄にも無く神に祈りを捧げる
その神の御名はイタリア語で御衣には所々ハートマークがあしらってあるのだがあまり関係ない
「決闘、危険」
竜に跨ったタバサがぽつりとデルフの疑問に答えるが当然ながら納得できないらしくまだ喚き散らす
しかし無常にも二人の準備は整ったらしくキュルケがタバサへ合図を送る
「いいわねヴァリエール、魔法であの剣を落とした方が勝ち。ハンデとして先行は譲ってあげるわ」
「ふ、ふん!後で後悔させてやるんだから・・・」
精一杯の虚勢を張るルイズを尻目にキュルケの合図を受けたタバサはデルフを思いっきり揺らす
「ゆーらーすーなーッ!吐く!絶対吐く!」
哀れ左右に振り子運動を始めたデルフが盛大に抗議するが誰も取り合わない
そもそも剣が何を吐くというのだろう、錆?
「煩いわね、集中できないから黙りなさいッ!」
そういうとルイズはゆっくりと杖を掲げ振り子運動を続けるデルフへと狙いを定める
色んな意味でルイズの魔法に生死がかかっているデルフはごくりと息を飲み柄にも無く神に祈りを捧げる
その神の御名はイタリア語で御衣には所々ハートマークがあしらってあるのだがあまり関係ない
「・・・・ファイアーボール!」
「ひッ!?」
裂帛の気合と共にルイズが叫び、放たれた魔法、もちろんファイアーボールではなく失敗魔法――はデルフの脇を掠め本塔の壁にぶち当たると爆発を起こし、塔の壁面に亀裂が走った
「てめ娘ッ子!オレを殺す気か!?」
爆風で勢いを増して揺れるデルフが抗議するが誰も聞いちゃいない
「あらヴァリエール、ロープじゃなくて壁を壊してどうする気?どうせならあのオンボロに当てて壊しちゃえばよかったのに」
悔しそうに拳を握り、自分を睨むルイズを一頻りからかうとキュルケは狩人の如くデルフを吊るしたロープを見据える
「見てなさいヴァリエール」
ロープはルイズの挑戦した時より激しく揺れていたがキュルケはゆっくりと狙いを定めると余裕の表情で短いルーンを唱え、手馴れた仕草で杖を突き出す
「ファイアーボール!」
杖の先から出たメロンほどの大きさの火球は狙いを違わずロープを焼き切り、当然ながらデルフは自由落下を満喫する羽目となる
「ひッ!?」
裂帛の気合と共にルイズが叫び、放たれた魔法、もちろんファイアーボールではなく失敗魔法――はデルフの脇を掠め本塔の壁にぶち当たると爆発を起こし、塔の壁面に亀裂が走った
「てめ娘ッ子!オレを殺す気か!?」
爆風で勢いを増して揺れるデルフが抗議するが誰も聞いちゃいない
「あらヴァリエール、ロープじゃなくて壁を壊してどうする気?どうせならあのオンボロに当てて壊しちゃえばよかったのに」
悔しそうに拳を握り、自分を睨むルイズを一頻りからかうとキュルケは狩人の如くデルフを吊るしたロープを見据える
「見てなさいヴァリエール」
ロープはルイズの挑戦した時より激しく揺れていたがキュルケはゆっくりと狙いを定めると余裕の表情で短いルーンを唱え、手馴れた仕草で杖を突き出す
「ファイアーボール!」
杖の先から出たメロンほどの大きさの火球は狙いを違わずロープを焼き切り、当然ながらデルフは自由落下を満喫する羽目となる
「ちょっと待てーーーー!この高さは無理無理無理無理無理無理ィッ!!」
ラッシュの速さ比べでもするような奇声を上げて落ちるデルフを地面スレスレでヴァニラが受け止める
「た、助かったぜ相棒・・・・」
「誰が相棒だ、話を聞く前に壊れられても困る」
「それでも許す、相棒だからな」
微妙に噛み合っていない遣り取りをする一人と一本だが
「ねぇダーリン、私が買ったんだからそのオンボロは捨ててこっちを使って頂戴な」
しなをつくったキュルケがヴァニラの手からデルフを奪うとがっくりと膝をつき、項垂れているルイズの方へと放り投げてしまった
「ちょ、ちょっとキュルケ!危ないじゃないの!?」
目の前にザックリと突き刺さったデルフに思わず小用を滲ませそうになったルイズはキュルケに詰め寄る。と、不意に月が翳る
「へ?」
「な!?」
「ふぇ?」
キュルケ、ヴァニラ、ルイズの順番に上を見上げると、そこには30メイル程の巨大なゴーレムが聳え立ち、その拳を振り上げていた
ラッシュの速さ比べでもするような奇声を上げて落ちるデルフを地面スレスレでヴァニラが受け止める
「た、助かったぜ相棒・・・・」
「誰が相棒だ、話を聞く前に壊れられても困る」
「それでも許す、相棒だからな」
微妙に噛み合っていない遣り取りをする一人と一本だが
「ねぇダーリン、私が買ったんだからそのオンボロは捨ててこっちを使って頂戴な」
しなをつくったキュルケがヴァニラの手からデルフを奪うとがっくりと膝をつき、項垂れているルイズの方へと放り投げてしまった
「ちょ、ちょっとキュルケ!危ないじゃないの!?」
目の前にザックリと突き刺さったデルフに思わず小用を滲ませそうになったルイズはキュルケに詰め寄る。と、不意に月が翳る
「へ?」
「な!?」
「ふぇ?」
キュルケ、ヴァニラ、ルイズの順番に上を見上げると、そこには30メイル程の巨大なゴーレムが聳え立ち、その拳を振り上げていた