ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

本気男-3

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すがすがしい朝だッ!見事に快晴だッ!まさしく洗濯日和だッ!
っつーわけでよおォォォ、御主人様のいいつけ通りに洗濯しようと思うんだが、
「場所わかんねーじゃねーか」
しっかりしろよ御主人様よおォォォ。この学校は広い。バカみたいに広い。
がむしゃらに探してもなんとかなりそうにねー。だが今叩き起こしたらまた機嫌を損ねるだろう。
「しょおがねーなあぁぁ」
とりあえず部屋から廊下に出て、まだちょっぴり痛む頭(昨日の洗脳の後遺症だ)を抱えていると、
「あの・・・なにかお困りですか?」
洗濯かごを抱えた女が話しかけてきた。ご都合主義?なにをいってるのかわからないな・・・
「あん?」
「ひゃっ、す、すいません・・・」
おっと、ついガンつけちまった。カタギと話すなんて何年振りだ?今度はビビらせねーように注意する。
「あー、そのとおり、お困りなん、です。洗濯出来る場所を、あー、その、知りません?」
――日本語でおk――メローネの声が聞こえたような気がした。

「あなたがミス・ヴァリエールの使い魔になった平民の方でしたか」
ヴァリエール・・・あの小娘のことか?やたら長い名前を名乗ってたが最初のルイズ以外は覚えてねー。
まあそんだけ長いんだからヴァリエールも入ってるだろ、多分。
「あー、多分それだ。俺はホルマジオっつーんだ。あんたは?」
「シエスタです。このトリステイン魔法学院でメイドとして働いています」
なるほど、『貴族』がいるなら『召使い』や『メイド』もいて当然だな。
いつだったかメローネが『メイド萌え!メイド萌え!』って騒いでてギアッチョにボコられてたのを思い出した。

「あんたも魔法、使えんのか?」
水汲み場に案内される途中、黙ってるっつーのもなんだから話題を振ってみた。
「とんでもありません!わたしはただの平民ですから」
「あ?・・・『平民』は魔法が使えねーのか?」
「え?・・・えっと、はい。魔法が使えるのは貴族―メイジだけです」
貴族なんて名乗ったもん勝ちと思ってたが、違うみてーだな。そこまではっきり分かれてるとはよー。
「・・・・・・?・・・」
う、シエスタが不審な目で見てやがる。よっぽどアホな質問だったらしい。
「・・・すまねーな、田舎者なもんでよォー、貴族も魔法も見たことがねー」
「あ!失礼しました!そんなつもりでは・・・」
今度は恐縮させちまったようだ。
「いや、いいってことよ」
あー、会話って難しいぜ。スタンド使いと殺りあってたほうが楽かもしんねー。

ちょっぴり空気が悪くなっちまったが、その後すぐに目的の水汲み場についた。助かったぜ。
洗濯板での手洗いは結構手間取ったが、シエスタが丁寧に教えてくれたおかげで、まあなんとかなった。
「グラッツェ。すまねーな、いろいろと世話になってよ」
洗濯の仕方のご教授だけでなく、俺の持ってきた洗濯物の半分ぐらいはシエスタが洗ったからな。
「いいんですよ。ホルマジオさんはここにきたばかりですし。また何かあれば相談してください」
      • 底抜けに親切な女だぜェー、メイドっつーのはみんなこうなのか?
そうだっつーならメローネが騒ぐのもわかる気がするな。俺みたいな悪党に利用されなきゃあいいけどよー。
「あのー、そろそろ朝食の時間ですので、お戻りになられたらどうですか?
 お洗濯物はわたしが干しておきますので・・・」
「おいおい、いくらなんでもそりゃ・・・」
と、待て。もうそんな時間か?ヤベェな。予想以上に洗濯に時間を喰っちまった。
早く戻らねーと使い魔の心得『主人より早く起きて主人を起こすこと』を実行出来ねー!
「・・・しょおがねーな、ご好意に甘えさせてもらう。だがよー、この借りは必ず返すぜ、シエスタ」
俺はシエスタに礼と別れを告げ、駆け足で小娘の部屋に向かった・・・

―――――――――――――――――――――――――――

ホルマジオさんは急いだ様子で部屋にお戻りになりました。きっと他にも用事があるのでしょう。
(礼儀正しい人ですね・・・少し変わってるけど)
最初に睨まれたときは怖い方かと思いましたが、その後の会話は口調こそ乱暴なものの、
こちらに気を使っているのをなんとなく感じました。
ちょっとしたお手伝いにも一つ一つ律儀に礼を返してくれました。
(わたしはただのメイドなのに・・・やっぱり変わった人ですね)
さてと!残りの洗濯物を片付けてしまいますか!わたしは洗濯物に向き直り、ふと、気づきました。
「・・・あら・・・?」
そういえば。
タライの中には、先ほどホルマジオさんが洗ったヴァリエール様の洗濯物が入っています。
それ程多くはなかったのですがホルマジオさんは結構苦戦なさっていたようです。それは置いといて。
洗濯物は多くはなくても、両手でなければ持てないほどの量はあります。
「・・・ホルマジオさん・・・どうやって持ってきたのかしら・・・」
手ぶらで現れ、手ぶらで戻っていったホルマジオさんの姿を思い出し、わたしは首を傾げました・・・


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


to be continued...

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