トリステイン魔法学院の本塔がそびえる中庭。
そこで巨大なゴーレムがその本塔にパンチをかましていた。
しかし頑丈な塔の壁にはヒビも入っていない。
「こんだけぶん殴ってんのに・・・どんだけェー」
ゴーレムの肩に乗っている人影がぼやいた。
彼女は『土くれ』のフーケ、今トリステイン中の話題となっている怪盗である。
貴族のみをターゲットとし、時には華麗に忍び込み、時には大胆にぶち破る。
そんな神出鬼没、凄腕の怪盗のフーケだったが、彼女の頭の上でふよふよ浮いている、
前回全く出番のなかった変な帽子にはまだ気づいていなかった。
そこで巨大なゴーレムがその本塔にパンチをかましていた。
しかし頑丈な塔の壁にはヒビも入っていない。
「こんだけぶん殴ってんのに・・・どんだけェー」
ゴーレムの肩に乗っている人影がぼやいた。
彼女は『土くれ』のフーケ、今トリステイン中の話題となっている怪盗である。
貴族のみをターゲットとし、時には華麗に忍び込み、時には大胆にぶち破る。
そんな神出鬼没、凄腕の怪盗のフーケだったが、彼女の頭の上でふよふよ浮いている、
前回全く出番のなかった変な帽子にはまだ気づいていなかった。
『変な帽子みたいな使い魔』
ルイズは宝物庫へと力の限り、全力で走っていた。
「うおえ、ちょっと休憩」
わき腹を押さえ、へたり込む。貴族はそんなに体力がないのだ。
そもそも勢いで会場を飛び出してきてしまったが、さっきの『アレ』は真実なのか?
恥ずかしさのあまり変な幻覚を見ていたのではないか?
疲労しきったルイズはだんだん弱気になってきた。
「もう部屋に帰って今日のことは遠い日の思い出にしちゃおうかな・・・」
とか考えていたルイズを、
「うおえ、ちょっと休憩」
わき腹を押さえ、へたり込む。貴族はそんなに体力がないのだ。
そもそも勢いで会場を飛び出してきてしまったが、さっきの『アレ』は真実なのか?
恥ずかしさのあまり変な幻覚を見ていたのではないか?
疲労しきったルイズはだんだん弱気になってきた。
「もう部屋に帰って今日のことは遠い日の思い出にしちゃおうかな・・・」
とか考えていたルイズを、
ガオンッ!
高速で飛来した影がひっさらっていった。
「なにこれッ!?飛んでるッ!?」
いきなり空中に宙ぶらりんにされたルイズが手足をバタバタさせていると、
「ハーイ、ルイズ元気ィー?」
「キュルケ!?それと・・・えっと・・・メソ」
「タバサ」
青髪の少女が無表情で答える。おでこに怒りマークがちっちゃく出てたが。
いきなり会場を飛び出していったルイズを心配して(主に頭)、
キュルケはタバサとその使い魔シルフィードとともに追いかけてきたのだ。
シルフィードに首根っこをくわえられてぶらぶらしているルイズに、
「あんた使い魔が帽子だからってやけになっちゃダメでしょう?」
キュルケは子供に言い聞かせるようにそう言った。
「べ、別にやけになったわけじゃないわよ!本当に見たんだもん!」
さっきまでの弱気を忘れて、ルイズはキュルケに言い返す。
「ふーん、じゃあ今から確かめに行きましょうか。タバサ、お願い」
「シルフィード、お願い」
タバサが風竜に指示を出し、三人は本塔へと飛んでいった。
いきなり空中に宙ぶらりんにされたルイズが手足をバタバタさせていると、
「ハーイ、ルイズ元気ィー?」
「キュルケ!?それと・・・えっと・・・メソ」
「タバサ」
青髪の少女が無表情で答える。おでこに怒りマークがちっちゃく出てたが。
いきなり会場を飛び出していったルイズを心配して(主に頭)、
キュルケはタバサとその使い魔シルフィードとともに追いかけてきたのだ。
シルフィードに首根っこをくわえられてぶらぶらしているルイズに、
「あんた使い魔が帽子だからってやけになっちゃダメでしょう?」
キュルケは子供に言い聞かせるようにそう言った。
「べ、別にやけになったわけじゃないわよ!本当に見たんだもん!」
さっきまでの弱気を忘れて、ルイズはキュルケに言い返す。
「ふーん、じゃあ今から確かめに行きましょうか。タバサ、お願い」
「シルフィード、お願い」
タバサが風竜に指示を出し、三人は本塔へと飛んでいった。
「っていうかなんでわたしだけ宙ぶらりんなのよ!背中に乗せなさいよ!」
「残念ねェー、このドラゴンは二人用なのよ」
「そんなドラゴン聞いたことないわよ!」
そんな不毛な言い争いをしている間に、三人は中庭上空へ到達していた。そして、
「・・・あら」「・・・本当に?」「・・・いた」
キュルケ、ルイズ、タバサは塔をサンドバッグにしているゴーレムを発見した。
(さっきのは幻じゃあなかった・・・でもそれなら『アレ』はなんだったの?)
ルイズの貧しい胸に嘘じゃなかった安堵感、同時にさっきの現象への疑問が浮かぶ。
「あんな巨大なゴーレム・・・土のトライアングルクラス?まさか・・・」
「『土くれ』」
一方キュルケとタバサは賊の正体を分析していた。
「今度はここを狙ってくるとはね・・・上等!ぶちのめすわよ!タバサ!」
「・・・わかった」
三人を乗せたシルフィードは高速でゴーレムへと突撃した。
「残念ねェー、このドラゴンは二人用なのよ」
「そんなドラゴン聞いたことないわよ!」
そんな不毛な言い争いをしている間に、三人は中庭上空へ到達していた。そして、
「・・・あら」「・・・本当に?」「・・・いた」
キュルケ、ルイズ、タバサは塔をサンドバッグにしているゴーレムを発見した。
(さっきのは幻じゃあなかった・・・でもそれなら『アレ』はなんだったの?)
ルイズの貧しい胸に嘘じゃなかった安堵感、同時にさっきの現象への疑問が浮かぶ。
「あんな巨大なゴーレム・・・土のトライアングルクラス?まさか・・・」
「『土くれ』」
一方キュルケとタバサは賊の正体を分析していた。
「今度はここを狙ってくるとはね・・・上等!ぶちのめすわよ!タバサ!」
「・・・わかった」
三人を乗せたシルフィードは高速でゴーレムへと突撃した。
「イヤァァァァァァァァァッ!!!」
「『ファイヤーボール』ッ!」
すれ違いざまにキュルケの火球がゴーレムの背中に打ち込まれた。
しかしそれはわずかにゴーレムの表面を抉ったのみ。
再びシルフィードはゴーレムに接近ッ!
「ヒミャァァァァァァァァッ!!!」
次はタバサの『エア・ハンマー』が肩の上のフーケを狙ったが、ゴーレムの腕でガードされる。
「ちょっとルイズ!あんたも手伝いなさいよ!」
「無茶言うなァァァァァァッ!!!」
すでにルイズの両目はバームクーヘンのように完全に回っている。
それでもルイズは貴族のプライドを総動員し杖を振るった。
しかし目が回っている上にぶらぶらぶらぶら振り回されて狙いが定まるわけもなく、
ルイズの魔法爆発はいたずらに周囲にクレーターを作るだけであった。
「『ファイヤーボール』ッ!」
すれ違いざまにキュルケの火球がゴーレムの背中に打ち込まれた。
しかしそれはわずかにゴーレムの表面を抉ったのみ。
再びシルフィードはゴーレムに接近ッ!
「ヒミャァァァァァァァァッ!!!」
次はタバサの『エア・ハンマー』が肩の上のフーケを狙ったが、ゴーレムの腕でガードされる。
「ちょっとルイズ!あんたも手伝いなさいよ!」
「無茶言うなァァァァァァッ!!!」
すでにルイズの両目はバームクーヘンのように完全に回っている。
それでもルイズは貴族のプライドを総動員し杖を振るった。
しかし目が回っている上にぶらぶらぶらぶら振り回されて狙いが定まるわけもなく、
ルイズの魔法爆発はいたずらに周囲にクレーターを作るだけであった。
「まったく!ウザったいね!」
フーケは焦っていた。予想以上に早く見つかってしまい、しかも戦闘になってしまった。
向こうの火力でゴーレムは倒せないが、空を飛び回る相手にゴーレムは無力だ。
しかもそのうち騒ぎを聞きつけてさらに援軍がくるだろう。
(まだ壁を破ってすらいないのに!)
王女が来たことで警備が王女に集中している今日が最大のチャンスだった。
これだけの騒ぎになってしまえば宝物庫の警備は強化され、二度とチャンスはない。
諦めるか?粘るか?フーケが決めあぐねていたとき、
フーケは焦っていた。予想以上に早く見つかってしまい、しかも戦闘になってしまった。
向こうの火力でゴーレムは倒せないが、空を飛び回る相手にゴーレムは無力だ。
しかもそのうち騒ぎを聞きつけてさらに援軍がくるだろう。
(まだ壁を破ってすらいないのに!)
王女が来たことで警備が王女に集中している今日が最大のチャンスだった。
これだけの騒ぎになってしまえば宝物庫の警備は強化され、二度とチャンスはない。
諦めるか?粘るか?フーケが決めあぐねていたとき、
ヒュボッ!
「なッ!?」
何かがフーケをかすめていった。見れば身を包むローブの一部が焼け焦げている。
なによりフーケを驚かせたのはそれが飛び回っている奴らと反対方向から来たということ。
(マズイッ!新手のスタンド使いかッ!?)
とっさに周囲を警戒し、フーケは気づいた。
散々手こずった宝物庫の壁に、大穴が開いていることを。
「・・・どんだけェー・・・」
何かがフーケをかすめていった。見れば身を包むローブの一部が焼け焦げている。
なによりフーケを驚かせたのはそれが飛び回っている奴らと反対方向から来たということ。
(マズイッ!新手のスタンド使いかッ!?)
とっさに周囲を警戒し、フーケは気づいた。
散々手こずった宝物庫の壁に、大穴が開いていることを。
「・・・どんだけェー・・・」
その後、キュルケとタバサはゴーレムを攻撃し続けるも、決定打を与えることができなかった。
土でできたゴーレムはある程度破壊されても土を集めて修復されてしまうのだ。
ルイズは途中で酔って気持ち悪くなってきて、
吐き気を抑えるのに必死で呪文を唱えることができなくなった。
フーケはなぜか開いた穴から宝物庫に侵入。
目的の物を盗み出し、キュルケとタバサの追撃を受けつつも逃走した。
土でできたゴーレムはある程度破壊されても土を集めて修復されてしまうのだ。
ルイズは途中で酔って気持ち悪くなってきて、
吐き気を抑えるのに必死で呪文を唱えることができなくなった。
フーケはなぜか開いた穴から宝物庫に侵入。
目的の物を盗み出し、キュルケとタバサの追撃を受けつつも逃走した。
「ムキ――――ッ!あんだけぶち込んで倒れないなんてズルいわよッ!!」
「S・H・I・T」
「きゅい!きゅいきゅい!」
悔しがるキュルケとタバサとシルフィードの後ろで、
「・・・うおえぇぇぇぇぇ・・・」
完全にグロッキーになったルイズが倒れていた。
そんなルイズの頭の上に、
「S・H・I・T」
「きゅい!きゅいきゅい!」
悔しがるキュルケとタバサとシルフィードの後ろで、
「・・・うおえぇぇぇぇぇ・・・」
完全にグロッキーになったルイズが倒れていた。
そんなルイズの頭の上に、
ぽふ
随分久々に帽子が乗っかった。
こうして彼女達の初めてのフーケ戦は○ソミソな結果に終わったのでした・・・
第八話『「土」との遭遇』完ッ!
バ―――――z______ン!