• 性分業下での男の優位
とすると[男の女に対する]優位は、あるとして、どこにあるのか。一つに、生活のための財の供給を独占することによって女を従属させることができる。一つに、男が生産する側にいて、女が消費させる側にいることで、価値的な優位に立つ。一つが物質的な水準における優位であるとすれば、第二のものは価値の水準における優位である。(11)

  • 生産の優位→男の優位
この社会では勤労に価値が付与され、生産の優位がある。生産によって取得されたものが正当に所有されるものとなる。そのような社会では、誰かが働かなくてよいことは、誰かがそれが可能であるほど働いていること示し[原文ママ]、肯定的な価値が付与される。そしてその価値を担うのは男である。そこに「男の甲斐性」が示される。(12)

  • 稼ぐことのできない男の不利さ
男が、自分一人が稼ぎ手であるなら、またそのことがその男の価値を示すものだとされるなら、とくに自分の雇用が安定しない場合、その男は自らが稼ぎ手であることが苦痛であるかもしれない。実際稼ぎ手であることができず、その家庭での地位を失う。(14)
最終更新:2007年04月19日 13:20