一つには、貢献している、だから貢献されている側からもらってきてよいのだという論である。「家事労働に賃金を」という主張にもそんなところがある。ただ、そういう論の組み立てがよいのかという疑問もまた感じられるはずだと、さきに述べたのでもあった。このように拡張しても、それでも掬われない部分はあるのではないかと思われるのだ。家事労働もしない人もいるだろう、と。(12)