ふと思いついた桐乃がアメリカから帰ってきた後の一コマ

「桐乃、実は報告しないといけない事があって…」

恥ずかしそうに顔をうつむきながら、あやせはそう桐乃に切り出した。
これから言い出す内容が恥ずかしく、耳まで赤くし声もどこか震えてしまている。

(でも親友だからやっぱり言わなきゃだよね)
「どうしたのよ、もしかしてっ彼氏でもできたっ?」

桐乃はあやせのその様子を見て閃くものがあったのか半分からかうような調子で聞いてきた。
そしてまさかいきなり向こうから当てられると思わなかったあやせの心臓はドキドキと早鐘を打っていた。

「……う、うん」

「マジで!? 誰よ誰よっ、もしかしてー同じクラスの高橋とかー?」

桐乃は驚いた様子を見せるも、親友に彼氏ができたという事が楽しいのか顔に喜色を貼り付けて聞いてくる。
親友の桐乃ならきっと祝福してくれるだろうと思っていたが、この様子なら問題なさそうだと感じ
あやせはその名前を切り出すことにした

「そのね…、……実はお兄さんなの」

そう、実はあやせは京介と付き合っていたのだ。告白したのはあやせからだったが、お互いに惹かれあっていたんだと思う。
桐乃がアメリカに行ってからもちょくちょくと携帯で連絡をとり逢っている内にそんな関係になっていたのだ。
そして桐乃が帰ってき次第その事は報告しないとと感じ今日ようやく話すに至ったのである。
あやせは桐乃の親友であるという自負はそれなりにあるし、兄である京介の事も憎からず思っているだろうと
思ったからこそ、なんだかんだで祝福してくれると漠然と感じていたわけだが……。

「……………は?ごめんごめん聞こえなかった、もう一回言ってよ」

「うん、その、だからお兄さんっ。京介さんと付き合ってるの!」

恥ずかしさから顔をうつむけ、地面をみたままでもう一度繰り返す。
この時目を合わせて話していなかった事はあやせにとって幸運だったかもしれない。
そう思えるくらい桐乃の顔は全ての感情が爆発して打ち消しあったのじゃないかと言う程に無表情になっていた

「あははっ、なにー。 もしかして帰ってきた私を驚かせようとして冗談言ってるんでしょ。
 でもいくらなんでもそれは在りえないって。 あいつ凄いシスコンなんだよ? あやせも聞いたでしょ?」

「ううん、本当なのっ! それにあの時のは私達を仲直りさせようとして嘘を付いたって…」

「ふーん、ホントに付き合ってるんだー…。でもさー、そもそもあんな取り柄もなくてキモイ奴あやせには釣り合わないって
 もっと良い人いるでしょ? ほら、さっき言った高橋とか告白されてたじゃん」

「そんな事ないよ、桐乃は分かってないかも知れないけど京介さんは優しいし…その……格好良いと思う……」

そう言った直後だった。
バシンッ!!
あたりに強烈な音が響き渡った。桐乃が渾身の力であやせの側頭部をはたいたのだ。
だけどもあやせにはその音の発生源が分からない。
そしてなぜ自分が横向きに倒れているのかさえも分からなかった。それ程までに頭は混乱していた

「あんたに言われなくてそんな事はわかってるわよ。…あいつの事を貶していいのも好きでいていいのも私だけなの」

その時はじめてあやせは桐乃の顔を見た。

「ひっ!」

その目は見たものをそれだけで殺してしまえるような憤怒で燃え上がっていたのだ。

(省略されました続きを読むには……ワッフルワッフル食いたくなったから買ってこよ)













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最終更新:2009年11月10日 20:53
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