ふたば系ゆっくりいじめ 486 人間vsゆっくり 前編

人間vsゆっくり 前編 8KB

「餡子ンペ09」 ミニ社会化 人間フルボッコ

人間vsゆっくり 前編


 ミニ社会化…のつもりが、どうしてコウナッタ
 人間フルボッコの前編。
 制裁は後編から




 ◇

 人里は滅亡の危機に貧していた。


「慧音先生、どうするんだい?」

 人里の村長が聞いてくる。
 彼の顔は酷くやつれており、数年分老けて見える。

 いや彼だけではない。
 商工会の長から井戸端会議の代表者まで、今寺子屋に集まっている人間は殆ど同じ顔をしていた。

 自警団長の小兎姫は会議の席でありながら、部下に絶えず指示を出し続けているし、
幻想郷研究部の朝倉理香子は、この状況を打破する方法を導く為に目を血走らせ他人には理解不能な数式をメモに書き連ねている。
 稗田阿求女史に至ってはストレスからであろう、虚空を見上げ部屋の隅でぼそぼそと何事かを呟くだけである。
 此れを見るだけで今の人里がどの様な状況に置かれているかが判ろうと云うものだ。


 半妖で有りながら、寺子屋の教師もあり、里の相談役でもある上白沢慧音も同じだった。
 慧音も里で解決を願って自殺的なまでに働いている一人であった。
 半妖である為、人間よりも体力がある筈だが、今回の問題では到底体力が足りなかった様である。
 隣には不老不死の人間である藤原妹紅が支えるように寄り添っている。
 その妹紅ですら普段は見せない疲れを見せていた。

「私たちはゆっくりを見縊っていた」

 慧音は誰に向かって言うでもなくそう言った。
 その声は不思議と良く透り、部屋の全員が行動を止めこちらを見る。
 それはもはや口に出すまでも無い、人里全員の認識でも有った。
 更に慧音が次に発するだろう言葉も容易に見当が付いていた。

 そう人里を此処まで追い詰めたのは、人間が取るに足らないと侮っていたゆっくり達であったのだ。

「ゆっくりとの関係を見直す必要がある」

 驚くべき事に、それは事実上ゆっくりに対する人里の敗北宣言に等しい物であった。




 ◆

 その発端は山のドスまりさ達の知性が向上した事に因る。
 それ自体は何の不思議も無い。
 時間が経てば知識と経験が継承され、どんな馬鹿でも成長はする。
 それは、拙いとはいえ言語と人間的な思考を操るゆっくりも同じ事だった。

 しかし、その影響が大きすぎた。
 ドスまりさの知識が、ある値を超えたのだ。
 之によりゆっくりの社会は急速に発展して行く。
 まずドスまりさがした事は、山のゆっくり達を完全に支配下に置く事だった。
 そのゆっくりの中には捕食種も含まれている。
 ドスまりさが急速に発展し続けている社会力で制圧したのだ。

 効率的に統率され、営みを始めたゆっくりは爆発的な速度で増えた。
 それはゆっくり社会の成長と共に、山の資源不足を招いた。
 ゆっくり達に繁殖を制限する意思は無い。
 本能からだけではなく、人口の増加が社会の発展に繋がると知ったからの意思だった。

 山で足りなくなればゆっくり達の目が行く所は決まっている。
 開けた台地を占領し、豊富な資源を持つ人間の土地と設備である。


 ドスまりさはまず、人里に協定を持ちかけた。
 協定の内容は相互の権利を保障するものだったが、一つ特殊なものがあった
 台地にある空き地をゆっくりに対して割譲する事である。
 ゆっくりは使わない土地を使わせて貰う事は何ら問題はないと考えていたのだ。

 しかし人里はそう思っていなかった。
 空き地でも将来的に家を建てたり、田畑を拡張したり、休田だったりして到底譲り渡せる土地ではなかった。
 これは単純に相手の事を知らなかったと云うゆっくりのミスだろう。
 そのミスによって交渉は決裂した。
 ゆっくりは人里を、使わない土地も譲らない妥協する余地の無い相手と思い込み。
 人里もゆっくりは、対価も払わずに土地を要求する強欲な相手と思い込んだ。


 その結果がこれである。
 広大な田畑はゆっくりの襲撃を受けた。
 当初の人里はいつもの事だと楽観していたが、時が経つに連れて事態の深刻さに気が付いた。

 襲撃は幾らゆっくりを潰しても収まらなかった。
 それ所か襲撃は効率化と激化の一途を辿った。
 防衛は早々に田畑の主だけでは手が足りなくなり、里の自警団が警備に付く事になった。
 しかし人里の数十倍の面積にもなる田畑を全て守る事は不可能だった。

 最近の襲撃手段はこの様な物である。
 ゆっくりは多くても十匹の集団で田畑を荒らした。
 けして食料には拘らず、ある程度荒らしたら即座に逃げた為、自警団の対応が間に合わない事が多かった。
 森の中にはゆっくりが待ち伏せている事も当然予想出来たため、深追いが出来なかったのも対応が限定された原因である。
 しかも襲撃は一度に複数の方向から襲い掛かり、それが昼夜を問わず続いた。
 今はまだ警備が機能している為に作物の被害は軽微に抑えられている。
 近い未来自警団が負担に耐えられなくなれば作物の被害は一気に拡大するだろう。
 それは人里の食料が絶たれる事を意味する。
 人里は自警団を無理やり増員し続け破綻を防がねばならない。
 ゆっくりの、食料と人間を消耗させる作戦だった。


 それだけではない。
 山に狩や採集に出かけた山師は悉くゆっくりに襲われた。
 人間は最低でも数十匹の集団で襲い掛かかられ手傷を負わされた。
 死者こそ出なかったものの、数で攻めてくるゆっくりは到底侮れるものではなく、山での活動は半ば不可能になってしまった。

 集団で山狩りを行おうとも、敵わないと見ればゆっくりは逃げ出し、まともな戦果を挙げられなかった。
 それも時間が経って田畑の護衛戦力が不足が深刻化してからは不可能になってしまった。

 子供を遠くにも出せない。
 人里から離れた子供がゆっくりの集団によって怪我を負わされたからだ。
 里の近くでさえ女子供にとっては安全では無くなった。
 水を汲むのさえ、集団で護衛が要るほどだ。

 そして人里は孤立している。
 妖怪などと交易も出来ず商店には品が無く、流通は止まる。

 既存の山狩りではゆっくりを狩りきれない。
 そもそも地の利は森で生活しているゆっくりに有るのだ。
 いっそ人里に決戦を掛けてくれれば良かった。
 攻撃地点が分かっていれば戦力を集中する事も出来たし、防衛なら里の大人も使う事が出来る。
 そうすれば防衛どころかゆっくりの攻撃部隊を全滅させる事も出来ただろう。
 しかしゆっくりは決戦を挑んでは来ず、こちらの消耗を徹底させている。
 既に手段は取り尽された。
 残る選択肢は二つだけだ。


 もはや人里に安寧は無い。
 日々の暮らしすらままならず、人々には疲ればかりが溜まって行く。
 このままでは里が崩壊するのも時間の問題であった。






 ◇

「戦争だ」

 上白沢慧音はその身に纏う雰囲気を一変させ、燃え盛る目で言った。
 その目は異変の時、里を守る為に博麗の巫女に決闘を挑んだ時よりも激情に燃えていた。

「私達は、ゆっくりを、侮っていた」

 一言一言をかみ締めるように繰り返す。

「今や人里、いや人間はゆっくりの攻撃でまともな生活が送れない」

 以前は考えられない事であった。
 脆弱なゆっくりが人間の生活を脅かすなどとは。
 だが奴らはやったのだ。

「奴らは頭が良いのだろう。
 圧倒的な数で人里から戦略的な勝利をもぎ取った。
 今の私はそんなゆっくりに敬意を表するのも吝かではない。」

 人里の消耗を狙う通商破壊戦。
 自由に外へ出る事も出来ず、護衛に体力ばかり消耗して行く。
 ゆっくりが自ら考え出したのかは判らないが実に有効な作戦だった。
 圧倒的な数を利用してこちらの生活基盤を破壊する。
 しかし数に驕らず、あくまで弱い所の攻撃に徹した。
 決戦を挑めば負けると解っていたのだ。

「だが、ゆっくりはやり過ぎた」

 ある程度で止めて置けばどうなったか。
 おそらく人里から有利な条件で協定を結ぶ事が出来ただろう。
 土地の割譲や野菜の譲渡、交易も含めればゆっくりの社会はより発展したに違いない。
 だが、しかし。

「ゆっくりは人里から勝利をもぎ取るのと同時に、自らが人間の脅威に成り得る事を示してしまったのだ」

 ゆっくりの中でどの様な考えがあったのか分からない。
 勝利に沸いて、ゆっくりを迫害して来た人里を徹底的に潰そうと考えたのかもしれない。
 所詮はゆっくりだったのか相手を読み間違えたのだ。
 いや自らの生活を省みずに行動して攻勢に打って出るなどゆっくりでなくとも予想外だろう。

「今までは良かった。
 ゆっくりは数さえ多く畑を荒らす事も有るにしろ、それは片手間で対処可能な害でしかなく、相手をする価値が無かったからだ。」

 ゆっくりを迫害していたのは事実だ。
 人里にはゆっくり虐待の会というゆっくりの権利を踏みにじる集団が存在した。
 だが虐待お兄さんに一方的な責がある訳ではない。
 人里の人間はそれを疎んでも諌めはしなかったのだから。 
 そして畑に入ったゆっくりに容赦もしなかった。
 食料が無く仕方なく盗みに入ったのかも知れないゆっくりも弁解を聞く事無く潰していた。
 更にゆっくりを食材としていた人間も虐待の会などより多く居た。
 つまり人里ではゆっくりは権利の有る存在として認められていなかったのだ。

「既にゆっくりは人間の明確な敵だ。
 これは生活の片手間に行うような駆除ではない。
 互いの生存を掛けた全面戦争だ」

 ゆっくりの権利は認められた。
 それは敵としての権利である。
 目の前を通り過ぎれば殺され、目に入れば走って来て殺され、目に入らなくてもわざわざ探して殺される。

「倉を開けろ!
 人里がどれだけ赤字を出そうと構わない。
 殲滅が成らなければ人間は幻想郷で生きられなくなる。

 殲滅だ。
 赤ゆっくりの一匹から老ゆっくりの一匹まで悉く殺し尽くせ。
 最早ゆっくりに掛ける情けは無いと知れ」

 一匹たりとも逃してはならない。
 将来的に脅威と成り得る以上はどの固体も同じだけ危険度を持つ。

「神、妖怪、妖精、声を掛けられる全てに協力を要請しろ。
 人間全員に全てのコネクションを発揮させろ。
 対価を惜しむな、報酬は文句が言えない程に積め」

 幸か不幸か国家総力戦は幻想入りしていた。
 少なくともゆっくりに対する効果的な対策が存在すると云う意味では幸運だと言えるだろう。
 その対価に目を瞑れば、だが。
 人里に決意させたのはゆっくりだった。
 あまりにも大きい被害が形振り構わない全面戦争を決断させたのだ。

「ゆっくりを皆殺すぞ」

 こうして人間とゆっくりの戦争が始まった。




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名無しなので便宜上戦争あきでお願いします


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感想

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  • ↓の連中の言う通りだなw
    前編だけ。ゆっくり側が自滅するはず。
    ハクタクの能力。紫や霊夢が無干渉はあり得ない。
    人間がピンチということは妖怪側も被害を受けているはず、
    そして、人間が存在しなければ、消滅してしまう妖怪共が何もしないはずがない。
    御法度である幻想郷ネタを書くのに、穴だらけ、稚拙過ぎる。 -- 2018-01-10 11:50:11
  • 「人間フルボッコ」的な意味では間違ってないだろ?
    人間=読者だけどな -- 2014-08-18 00:21:09
  • 書かれてから三年以上も経ってるし文句言っても仕方ないけど、続編書く気ないなら前編投稿すんなよ -- 2013-09-27 20:07:33
  • 自分の書きたいことをただ書きなぐったような作品だな -- 2012-05-19 18:41:21
  • 月1のスーパーハクタクタイムで『ゆっくりなんて居なかった』と歴史を書き換えたらどないや、けーねセンセ。
    または妹紅姐さんのヴォルケイノで野焼きしたらどうや。

    国家総動員と言われてもね。

    正直、そんな状況なら巫女や魔女が吶貫すんべ。 -- 2011-09-27 23:18:05
  • 山は資源不足、人から作物奪わない、でも繁殖は自重しない……
    饅頭の食糧事情はどうなってるんだろ?里より先に崩壊しそう -- 2011-05-01 18:03:42
  • ちょっと、無理があるな。
    幻想郷設定ならドスだろうが問題なく殺せるし、人間の生活がこんなに逼迫する前に紫が手を出すとか、人間が霊夢や守矢に駆除の依頼くらい出すだろ。
    そうでなくても駆除のノウハウはあるんだからドスが賢くなった程度ではこうならんだろ。
    一時的に被害は増えるかもしれんがよほど愚鈍でなければ対策ぐらいうつだろ。その辺りの説得力がないね -- 2011-01-16 23:58:22
  • 国…って言ってるが…幻想郷に国家なんてないだろ? -- 2011-01-14 16:39:29
  • まるでゆっくりが書いたようなお粗末な作品だなw -- 2010-12-01 21:20:54
  • 前編だけでコンペに出したんだw
    すげえwその神経がすげえww -- 2010-11-15 03:38:36
  • なにこのゴミ作品 -- 2010-10-31 16:36:09
  • 続きは…?あれ? -- 2010-10-12 20:09:18
  • これでコンペ出品とか
    舐めてんの? -- 2010-09-24 08:29:33
  • え、続編無いの? -- 2010-08-16 21:00:41
  • 完結してない作品なんて論外。 -- 2010-07-26 23:53:27
  • 慧音さんに迷惑をかけるクソゆっくりは死ね。
    あと、続き書け。 -- 2010-06-29 23:37:05
  • え!?続きないのコレ?ここまで読んだのに生殺しだよ! -- 2010-06-18 15:30:49
  • 時間かかるのはわかるが、もうちょっと目途がついてから投稿したら?
    じゃないと適当に思いついた起承を書いて終わりなSSが溢れる
    -- 2010-03-07 03:22:53
最終更新:2009年11月15日 15:58
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