ふたば系ゆっくりいじめ 523 対決!? あんちれいぱーありす

対決!? あんちれいぱーありす 8KB


小ネタ 誤解・妬み 自滅 れいぱー 自然界 虐待人間 れいぱーやっつける

※ありすとチョイ役の人間さんが出ます

ありすは幼い頃…れいぱーされた。
その日は綺麗な赤い花を見つけてカチューシャに飾り、上機嫌でいつもの野原に来ていた。
風に身を撫でさせ暖かい草原で昼寝をしていると、大人のありすに突然圧し掛かられた。
そして無理矢理すっきりされそうになった。

何度も嫌だと泣き喚いたが、れいぱーは自分の小さい体に汚い顔を押し付けてくる。
れいぱーの声が一段と甲高くなり、もう駄目かと思ったその時だった。
人間がアイツを突き飛ばして自分を助けてくれた。

去り際に人間が何やら忠告してくれるが
言われずとも、あんなれいぱーなどになってたまるものか。


その出来事は ありすのトラウマとなった。
やがて大人となったありすの心に浮かんできたのは
あんな愛のないすっきりなんて絶対にやってはいけないという事だった。

本当に愛のあるすっきりとは何か?
それを理解しているのは、あの日純潔と心を汚されそうになった自分だけだ。
ならば真の愛を教える伝道師として旅立たなければならないと思った。

そしてありすは、愛を説く事にゆん生を捧げる決意をした。


ありすは生まれ育った故郷を捨てて、森や川を跳ねては愛の迷い人を探していった。
しかし子供の時に出会ったアイツの凶行は、ありす種全体の評判を陥れていたのだ。
どんなに仲良くしようとも謂れのない暴言を投げ掛けられ
ありすは行く先々で拒絶され、身も心も傷つけられる毎日だった。
愛を与えるどころか、もうありすの居場所すらなかったのだ。

誰も愛せない。けれど本当の愛を伝えたい。しかし何も出来ない。そんなのは嫌だった。
すっきりをしなくてはならない。すっきりをせねばならない。
ありすには使命と情熱がある。それはもう止める事は誰にも出来ない。
愛のあるすっきりをしたい。どうして自分はすっきりが出来ないだろう。
ああ、すっきりがしたい。すっきりがしたい。すっきりがしたい。すっきりがしたい…

放浪していたありすに思いもしない再会が訪れた。
子供の時に助けてもらった人間に再び出会ったのだ。
自分の欲求で頭がどうにかなりそうだったありすは思いの丈を人間に愚痴った。
そうすると人間は不思議な事を笑顔で答えたのだ。
何も悩むことはない全てを元に戻して助けてあげると。

今や何処へ行ってもありすは誤解されている。ゆっくりする事も愛を語らう事も何もない。
それを易々と平和だったあの頃へ戻す事なんて出来ないだろう。
あのれいぱーが森や山にもたらした被害は忘れ去られることなんてないのだ。


人間が手をかざすと、半信半疑でいたありすの意識は途絶えた。



ありすが目を覚ますと人間は見当たらなかった。
辺りを見回して ありすは驚愕した。
見覚えのある草原にいたのだ。自分の育った故郷だ。あの森、あの山、そして草の香り。
小さな子ゆっくり達がありすの横を掛けて抜けていった。

それはなんと自分の幼馴染達であり、しかも幼い頃の姿だった。
信じられない事に自分が子供の頃へと舞い戻れたのだ。

人間が何をしたのか全く理解できなかったが、もはやそれは問題ではない。
今ならば、ありすが悪い者だと決め付けられてはいない。
今ならば、ありすが真の愛を知るものだと皆へ教えられる。

確かに自分の育った故郷ではあるが、見知ったゆっくりは皆子供の姿だ。
大人の自分が一体誰なのかなんて分からないだろう。
けれど寂しくはない。ここから始めればいい。
たった独りでも、それがありすの使命なのだ。
真の孤独ではない。これから皆を、そして世界を、ありすの愛で満たすのだ。

ありすは何百匹ものゆっくり達へ都会派な真の愛情を教え回った。
あんよが擦り切れようとも、野原を渡り、山を越え、ありすの宣教は皆へと広がった。

しばらくするとありすを見る目が変化していった。
謂れのない罵倒を浴びせられ石を投げつれられた。
ありすに投げかけられる視線は、怒りと恐怖が交じり合ったものに変わっていったのだ。

どうしてだろうか?

いや、ありすはこの感じを以前から知っていた。

そうだ思い出した。アイツだ。
ありすが子供だったあの頃、アイツが生きていた。
きっとありすの知らない所で誰かを蝕んでいる。
またありす達の迫害が繰り返されてしまうのだ。

止めなければならない。今度は人間の手を借りずに自分の力で。
それこそが真の都会派な愛を教えるありすの本当の使命なのだ。



ありすは草原を駆け抜けてアイツを探し回った。
騒ぎの場所を同族に聞こうとするも、何処へ行っても煙たがられて心を開いてくれない。
ありす種が、またアイツのせいで誤解されていくのが許せなかった。

被害の噂を聞く度にアイツに近づいているのは感じた。しかし見つからない。
たった一匹で東奔西走するありすは疲れ切っていた。
自分を駆け巡る怒りと焦りで ゆっくりを忘れていた。
そしてなによりもすっきりを忘れていた。
今になって身寄りも知り合いもいない頃に戻った事をありすは痛感した。
愛を教えることは出来たが、愛を言葉で語り返してくれる者がいなかった。

ありすが草むらを掻き分けると、とても可愛らしいありすの子供がお昼寝をしていた。
ありすは怯えた視線をいつも向けられていた。もしくは殺意の篭った眼光を。
けれど誰も自分を知らないこの世界で、この子だけは自分にやさしくしてくれる気がした。
自分の愛を拒絶する事は気がした。
そんな事は初めてだった。

愛したい。愛して欲しい。温もりが欲しい。
安らかな寝息を立てている後姿に、ありすは身を預けた。

そして子ありすの悲鳴が草原に響き渡った。

子供は存外天邪鬼なものだ。
けれど本当に心を向き合って、愛を説けば最後には理解してくれる。
今までもそうだった。誰もが天に昇ってありすの愛に酔いしれた。



ありすの体は無残にひしゃげて草原を転がった。
自分を足蹴にした人間のせいだ。
潰れかかったおめめでは、その姿を上手く捉えることはできないが
きっと自分に襲い掛かった人間は醜悪な姿なのだろう。
ゲヒた笑いと共に体重を掛けられる。
弱者に対する虐待。
ありすが出会った人間と相反した存在なのだ、あそこにいる人間は。

段々とありすの体が潰されていく。
まだアイツを…れいぱーの凶行を止めていないのに。
ありすがやらなくてはならないのに。
駄目なのだろうか?こんな事で終わってしまうのだろうか?

そうだ。幼い日の自分はアイツに襲われた。。
その時の恐怖と憤りはありすの底に深々と刻まれている。
そんな惨事を繰り返してはいけない。
ありすは人間なんかに殺されてはいけないのだ。

人間によってありすと引き裂かれた子ありすが近寄ってきた。
逃げて欲しい。こんな残酷な姿を子供が見てはいけない。
こんな愛とかけ離れた、ただの暴力は存在してはいけない。
悲鳴や苦痛は ありすだけが背負えばいいんだ。



涙も枯れて零れ落ちかかった瞳が、ありすに子ありすの表情を教えてくれた。
心配しないでほしい。はやく人間から逃げてくれ。
しかし子ありすには自分を気にかけくれるような悲しい顔はなかった。
まるで汚物を見るような拒絶の意思だ。

そして、何故、ありすと、同じ、カチューシャを、しているのか?

見間違いではない。今自分がしている飾りよりは小さいが、色も形の癖も自分と同じものだ。
この子はもしかして幼い自分だったのだろうか?
自分同士で身を寄せあい愛を語るなんて恥ずかしい事だった。

しかし…こんな記憶はあっただろうか?思い出せない。
そうだ。そういう事なんだ。
ありすがこの頃に来たせいで過去が変わったのだろう。

ついに口から中身が漏れ出してきた。
耐え難い苦痛が自分を駆け巡る。
ゆっくりしたい。助けてほしい。
どうしてこんな目に遭っているのか。
愛の伝道師など身の丈に遭わなかったのだろうか?
アイツを止める事なんて最初からありすには無理だったのだろうか?
ありすから命が染み出していく。死んでしまう。終わってしまう。もう誰も愛せない。

ありすは最期に幼き自分自身へ伝えたかった。
愛を教え回る日々とは孤独だという事を。

普通に生きるんだ。
アイツに捕まらずに、普通のありすとして歩んで欲しい。
普通に生きて、普通に恋をして、普通に家族を作って。
こんな人間に潰されるなんて顛末を迎えて欲しくない。

「…っ……っ……あ……り……」

ありすは声を振り絞ろうとしたが、子ありすの声がそれを留めた。


「れいぱーは しね!」



声を荒げた幼き自分の頭から、綺麗な赤い花が落ちた。
珍しい赤い花、それは子供の時にたった一輪しか見つつけられなかった宝物だ。
そしてその日にありすはアイツに襲われて、普通のゆん生を歩めなくなったのだ。

だから…

何かの因果で…ありすが過去に来たせいで…。
本来アイツが幼い自分に襲い掛かる場面で、自分が先に近づいてしまったのだ。
きっとアイツは何処かで別の子供を慰み者にしているのだろう。
そしてありす達が不幸になる運命は繰り返される。


「れいぱーは しね! れいぱーは しね! れいぱーは しね!」


なんて悲しい誤解なんだろう。
あの時アイツが潰されるハズなのに変わってしまった。
なんて事をしてしまったんだ。
もう取り返しが付かない。
もう全部…

ありすの半分が弾け飛んだ。

人間は幼い頃の自分に向かって、「こんなれいぱーになるなよ」と虚言を吐いて帰らした。
虐げたいのは、大人のありすの心と体だけだったのだ。
子ありすが無事に帰れたことに安堵するが、悔しさがずっとゆっくりする事から遠ざけていた。
人間の余計な言動によって幼い自分は きっとまた同じ道を歩んでしまうだろう。
愛を教えつづける孤独な道を。

人間はありすに乗せた汚い足を離した。
そして生暖かい吐息をありすの体に吹き掛けながら呟いた。
「また駄目だったね、今度の君は大丈夫かな?」と。



それはありすを送ってくれた人間と同じ顔だった。
幼いありすを助けてくれた人間と同じ顔だった。


『れいぱーは しね!』


幼い日、まったく同じ怒りを吐いた事を思い出した。


『こんなれいぱーになるなよ』


幼い日、まったく同じ忠告を受けた事を思い出した。


人間がありすの体に橙色の液体を振りかけると意識がはっきりしてきた。
今ならちゃんと考えることが出来る。
地面には甘い香りのする液体が溜まっていた。

ありすはその表面に映った自分の顔を見つめて考えた。
考えた。
違いを探した。
違いがあるハズだ。


交わされた言葉も、状況も、赤い花も、人間の顔も、そして水面に映ったれいぱーの顔も、全てが記憶と同じだったが考えた。


挿絵 byM1


by キーガー・フレテール


トップページに戻る
このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

すべてのコメントを見る
  • 不思議な話し
    結局餡子脳(カスタード)だから永遠に繰り返すのかな -- 2010-11-06 19:00:15
最終更新:2009年11月26日 20:49
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。
添付ファイル