ふたば系ゆっくりいじめ 1010 ディスクトップまりさ

ディスクトップまりさ 15KB


観察 実験・改造 現代 愛で、なのかな? 酷いことはしているのですが。


日本語訳作品

 ・「ふたば系ゆっくりいじめ 999 ゆーSB」「ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット」をみて温めていたアイディアを再構成してみました。
 ・独自設定多。
 ・ぼくのかんがえたすごいゆっくり、というか私の飼いたいゆっくりが出てきます。
 ・虐待はほぼありませんが、愛でとは言い切れません。
 ・先人の遺業に感謝。


 その日の仕事を終えて帰宅すると、ト○タのディーラーから宅急便が届いていた。正確には不在者通知書で、記載された番号に連絡すると一時間ほどで届くという奴。
 さて、ト○タは何を届けるつもりなのだろうか? 思い当たることといえばひと月ほど前に定期点検の時に「フェア中ですので」といって引かされたクジで特賞「ディスクトップゆっくり」を当てたことくらいだ。
 私はゆっくりという存在とは無縁に過ごしてきた。強いていえばおおむねひと月に一度の頻度で「飛び出しゆっくり」を轢く程度だ。
 そのときは景品がディスクトップアクセサリの類だと判断した。まあCD-ROMの一枚なら邪魔にならないしせっかくだから貰っていこう、その程度の意識だった。
 特賞でそれはケチだよな、とか後日郵送ってどういうこと? とかなぜゆっくりに関する意識調査的なアンケートを答えなければならないんだ? とか気になることはあったがひと月もあれば生活の間に忘れてしまう。

 帰り掛けに買ってきたコンビニの弁当と自家製梅酒のソーダ割りで夕食を終える頃に荷が届いた。クール宅急便で。
 そして謎は解けた。
 段ボールには断熱材のパッケージと同梱のぶ厚い取り扱い説明書にA4サイズのサマリー、スタートアップガイド、制御用アプリケーション入りCD-ROM、それにUSB接続式の送受信機と本体ほか付属品が納められていた。
 ちなみ本体は、ディーラーのアンケートの第一問「あなたの好きなゆっくりは」に記入したまりさだった。
 む、そうと解っていたらさなえやうどんげあたりの希少種にすれば良かった。
 まりさは大きめのピオーネ程度の赤ゆっくりで、茎もついている。保冷剤とともに残熱材のパッケージに収められており冬眠状態だった。
 ちなみに本体内部に(中枢餡に刺さる感じで)小指の爪の半分程度の制御チップがインプラントされているらしい。
 いまから解凍して騒ぎ出されても困るので冷凍庫へ。とりあえずスタートアップガイドに目を通してみる。

 ディスクトップゆっくりは、お客様がゆっくりを卓上で飼育することをコンセプトに開発されました。
 いくつもの技術で卓上という環境に適合したサイズ、性格、言動、ふるまいを行うゆっくりです。
 お持ちのパソコンに送受信機を接続し、添付のCD-ROMかネット経由で必要なアプリケーションをインストール。
 本体を自然解凍し、制御アプリで設定を確認した後にメインウィンドウの「ゆっくりしていってね」ボタンをクリックすると本体が起動します。
 おおむねそんなことが書いてある。
 いまから起動するつもりはないが、とりあえず制御用アプリケーションとやらを見てみようか。未だXPのノートPCだが大丈夫なのだろうか?
 100円ライター大の送受信機を空いているUSBポートへ刺してみる。「新しい機器が~」というお決まりのメッセージとともに登録が行われ、ついでウィンドウが開きト○タのロゴが映し出される。なにこれト○タオフィシャルですか?
 ネット経由でインストールが行われている間にサマリーを斜め読みすると、ト○タのロボットを作っているグループがゆっくりを軽量パワーアシストフレームの動力として研究している、その技術を利用してみました、ということらしい。
 発想がおかしい。
 まあ、確かにモーターやらバッテリーやら積み込むよりも軽いのは確かだが、はたして必要なパワーが得られるのだろうか?
 と、そんなことを考えているとインストールは終わったようだ。ディスクトップに設置されたショートカットアイコン(ト○タのロゴだった)をクリックして起動させてみる。

 制御用アプリケーションは、まあよくあるデザインで本体起動ボタンの他に「制限設定」「性格設定」「フルコンタクト」の三つのタブ、
「ゆっくりステイタスウィンドウ(モニターウィンドウ)」「めーりんガルウィンドウ」を開くボタンがある。
 私はとりあえず三つのそれぞれのタブに切り替えてみた。私は取説を見ずにゲームを始めるタイプなのだ。
「制限設定」は本体の行動・言動を制限する「禁止事項」と「NGワード」を設定するモードで、本体、つまりゆっくりが禁則事項などに触れようとした場合に、中枢餡に刺さっている制御チップから弱い電流を流して警告を与える、
 体内にゆっくりできない化学物質を生成する、ゆっくりの行動・発声機能に割り込んで阻止する、のいずれか(設定できる)の処置が施される。
 また逆に奨励される行動、言動には「ゆっくりできる」化学物質を生成させることで性格を矯正が可能。
「性格設定」 これはあらかじめ設定された性格をゆっくりに与える。性格はそれぞれの種のスタンダードな物がデフォルトで設定されているが、100程度のチェックボックスを埋めることでユーザーの好みで自由に設定できるらしい。
 今回はアンケートに答えた内容に沿った性格がスタンダードキャラクターとしてセットされている。また、決められた書式で書かれたテキストファイルをeugとかいう拡張子で読み込ませることで詳細な性格設定ができるようだ。
「フルアクセス」は、ゆっくりの行動をすべて操作するモードらしい。専用の窓が開き、ゆっくりの視覚を通した画像がリアルタイムで映し出され、聞いた音声が流れる。
 キーボードもしくはゲームパッド移動やいくつかの行動(ジャンプだったり何かを咥えたりなど)を実行させ、「発言窓」に入力したテキストを読み上げる。
 ステイタスモニター・ウィンドは、文字通りゆっくりの状況を映し出す。疲労度や空腹具合、感情の数値化など。感情については「ゆっくり」「非ゆっくり度」の二つの数値が折れ線か棒グラフ、あるいは数値が表示される。
「めーりんガル」は、機械翻訳的にゆっくりの考えていることが表示されるらしい。

 ふむ。やはりト○タさん変。努力の方向を間違えている。
 とりあえずネット上でこの製品について調べてみることにした。
 私はプレイ前に攻略サイトやWikiを廻って情報を仕入れる方だ。ネタバレだいすき。

 さて、午前二時までかかっていくつかのサイトを巡り、ブックマークを増やし、動画を見てその日は就寝した。
 明日の仕事が不安だ。


 そして休日を挟んで翌々週の土曜日の朝、私はようやくディスクトップまりさを起動することにした。
 ちなみに先週、まりさが送られてきた週末はディスクトップゆっくりをあつかったサイトを見て過ごしてしまった。
 すこしだけ覗くつもりだったが、いくつかのコンテンツを閲覧していたらいつの間にか月曜日の早朝になっていたのだ。
 飼育に関するtips。いくつかのプレイヤーチート。
 ユーザによって作られた「ゆっくりキャラクター」のeugファイル。
 チェックボックスを埋める方法では不可能な作り込みが施された物が山のようにあり、その挙動の動画が添えられ、気に入った物はダウンロードして本体にインストールできる。
「禁則事項」や「NGワード」で「ゆっくりを禁じる」などの無茶設定をしたれいむの動画(標準の制御アプリケーションでは禁止されていないが、本体に重大な欠陥が発生すると警告されている)や、
 逆にわがまま放題に成長させて矯正不可能な状態で多数の「禁則事項」を施し一挙手一投足に電撃を受けて身もだえするまりさ。
 ゆっくりと非ゆっくりの感覚を入れ替えた結果、痛みや屈辱にゆっくりを感じすっきりを嫌うありすの動画。
 伝承や演劇のキャラクターをインストールしたゆっくりを登場人物として行う舞台動画。元になったストーリーから食い違うが、リアルで傷つけあい殺し合うため、ある意味リアル。
 フルアクセスモードで行われるFPSっぽいゲーム。そのレポートとか動画。
 遮蔽物の多い屋内でのバトルロイヤル。
 自然公園を舞台にしたフラッグ戦。
 捕食種のいる森を夜間、少数のゆっくりで踏破。
 印象深いのは、湖のある公園で行われたD-DAYごっこ。100匹あまりのまりさが帽子にのってほど同数のれいむの待ち受ける湖岸に上陸。そしてまりさが追い落とされるかれいむが降伏されるまでつづく殺し合い。
 正直土日の休日では足りず、平日も日付が変わるまで見入った結果連日睡眠不足。

 さて、見ている間は私のまりさにどんな非道を働くか、じゃなくどうやって弄るかあれこれ想像したのだが、いろいろ見ている間にそれらに飽きて、アンケート結果の性格設定でまったり過ごすことに決定。
 愛でるのに飽きたら虐める方向に舵を切ればいいし。


 現在午前11時。遅い朝食の後に冷凍庫から取り出し、こたつにティッシュを敷きその上で解凍。コーヒーをいれ読みかけの小説に目を通すうちにすーすーと寝息を立て始めた。
 あらかじめ起動してあった制御アプリの起動ボタンをクリック。
 帽子の上についていた茎が落下。本体に自らが茎から落ちた感覚が入力。
「−−−−!」
 直径二センチほどのそれは、満面の笑みを浮かべて何かを口走った。
 ん? 聞こえない。当人はきちんと発声したつもりのようで、不思議そうにこちらを眺めてからもう一度試した。
「−−−−!」
 不良品か、半月も冷蔵庫に入れっぱなしで壊れたか。
 ヘルプを参照してみる。
 おや、「出荷状態でミュート設定されています。お客様のお好みで音量をセットしてください」 これ本当にゆっくりなのか?

「ゆっきゅりしていっちぇね!」
 本体音声ボリュームを徐々に上げていくと、泣き声混じりの挨拶が聞こえた。まりさは涙目で私を見上げている。
「おう、ゆっくりしていってくれ」
 自分の不注意とト○タのいらん配慮にいらだちつつ答えてやる。
「ゆう~ぅ、おにいしゃん、うりゅしゃくしてごめんにゃしゃい。あやみゃるからまりしゃをきりゃわないでにぇ」 
 涙目のまま、おそるおそるといった感じで謝るまりさ。いらだちが伝わったのか返事が遅れたことで不安を感じたのか。
 モニターウィンドでは非ゆっくり値が上昇している。
「いや、こんなことでまりさを嫌ったりしない。安心してくれ。それより僕はもうお兄さんという年じゃないんだが」
 人差し指でまりさの頭を撫でながら答えてみる。まりさは指に頭をこすりつけて「ゆ~」とかいって満足そうに鳴いている。
 希望通り。しかしディスクトップゆっくりの性格判定サイトでeugファイルをチェックすると「ユーザーに依存し従順で内向的。好奇心は旺盛」という判定だったがこれはまりさ種としてどうなんだ?

 ひとしきり撫で回されて安心したのか、まりさは自己紹介を始めた。「まりさはまりさだよ!」という奴だ。
 30代も峠にさしかかる私はさすがにお兄さんを名乗れない。かといっておじさんもアレなのでおとうさんと呼ばせることにした。
 付属品のボール紙製の安っぽい「おうち」とペットボトルのキャップのようなえさ皿、トイレシートの「おといれ」を炬燵上においてそれぞれの役割を説明したうえで、炬燵の一角(おおよそ1/4)をまりさのゆっくりぷれいすだ、と認める。
 この辺は制御チップにより設定されているので躾も楽だ。
「ゆゆ! ここはまりぃしゃのゆっくちぷれいしゅなんだね! ありぃがちょうおとうしゃん!」と喜ぶまりさ。 
 喜んでいるが想像していた反応に比べいまいち薄い。跳ねたりするのを想像したのだがな。
 どうしたんだ? と聞いてみてるが「ゆ、まりしゃどうもしないよ。へんにゃおとうしゃん」と答えるばかり。
 そのくせモニターウィンドウの非ゆっくり値は増加している。
「めーりんガルウィンドウ」を開いてみると、そこには「空腹です、しかし訴えた場合ユーザの不興を買う可能性があります」と表示されている。これはこれで便利だな。
 しかし遠慮する赤ゆまりさというのも気持ち悪い。
 私はまりさに付いていた茎をえさ皿に入れ指先で潰してからまりさの前に置く。そういえばもう昼食のじかんだ。かるく何か食べよう。

 中座し、キッチンで焼き豚とレタスのサンドイッチをつまんで帰ると、炬燵上でまりさが泣きそうな顔でこちらを見ていた。
 えさ皿には潰した茎が手つかずでのこっている。
 ああ、そうだよな。たしかデフォルトで許可なしに食事をしない設定だったはず。
「うん、まりさはよく我慢した、偉いぞ。食べてよし」
「ありがちょー、おとうしゃん。いたじゃきまーしゅ」黒目がちな目を充血させたまま、うれしそうな顔で礼を述べるまりさ。食事がそんなに楽しみなのか。そういえば生後一時間ちかくメシ抜きなんだったんだな。

「ぺろぺろ、もぐもぐ、もぐ、ごくん。(小声で)しあわせー。ぺろぺろ」
 ゆん生はつの食事をするまりさ。嬉しそうに食べているが、モニターウィンドウの値はそれほどではない。ゆっくり値は高い値を示しているが、非ゆっくり値も劣らず高い。
 ゆっくりの本能が餡子内の非ゆっくり物質を増加させているが、「静かに食べる」ことで中枢餡に刺さったチップが「ゆっくりしている」物質の分泌を命じているんだろう。
 ふむ。

「なあ、まりさよ」
「ごくん。しあわせー。ゆ、なあにおとうしゃん」
「じつはそれ程幸せじゃないだろう、ん?」
 私はまりさに顔を近づけつつ聞いてみた。
「ゆゆ! そんなことないよ! ごはんしゃんおいちいしまりしゃちあわせだよ! でも」
 口ごもり視線をそらすまりさ。なんだ、やっぱりむーしゃむーしゃと鳴いてバカ騒ぎしながら食事したいんじゃないのか?
「でも、なんだ。いってみなさい」
 心なしか上気しつつ私に視線を合わせ、そしてそらすまりさ。ちなみにユーザーの質問に答えないことでモニターウィンドウの非ゆっくり値がさらに上昇してる。
 無言で見つめる私にまりさは観念したように小声でつぶやいた。
「ちかくでみちゅめられると、まりさはじゅかしいんだよ」
 ふぅ。ため息をひとつついた私は、食事を続けるように促してディスプレイのモニターウィンドウを確認する。
 本音らしい。
 まあ、むーしゃむーしゃを許可してやろうかと思ったがいらぬ世話だったな。
「ごくん。ごちしょーしゃま! おとーしゃんのあじがしておいち」
 さすがに背筋に寒気を感じた私は、まりさが言い終わる前に軽くデコぴんをした。まりさは何が悪かったか解らないようで、おさげでおでこをさすりつつ涙目で私を見上げる。
 私に依存するのはかまわないが、さすがにこれは怖い。
 まりさに口頭で説明するのも嫌なので、私の味などの気味の悪い一連の言葉をNGワードに入れて発言を禁じた。

 不満そうな(表情はそうでもないがめーりんガルウィンドウによると、だ)まりさのおでこを撫でてやると、ゆゆーとか嬉しそうに顔を押しつけてくる。モニターの非ゆっくり値も低下した。やすい奴だ。
 ついでにほほつついたり、あま噛みさせたり、あるいは指先を標的に追い掛けさせたりして遊ぶ。
 遊んでいる間に気づいたのだが、決まって炬燵の端の方に逃げるとまりさは追うのをやめる。
 注意していると端から5cmには何があっても近づかない。つまんで置いて見入ると泣きわめいて怖がる。たぶん転落防止のために設定されているのだろう。

 と、遊んでいるうちに便意を催し始めたようだ。そわそわしている。
 相変わらず口には出さないが、「排便を欲します。可急速やかにトイレに向かう必要があります」とめーりんガルウィンドウに表示されれば隠しようがない。
「まりさよ、食後しばらく経つがトイレはいいのか?」
「ゆ、ゆゆ、まりしゃおといれしゃんいきたいよ。おとうしゃんなんでわかっちゃの?」
 まあ、そういう仕組みになっているのだが。
「私はまりさのことならなんでもわかるんだ」
 そんな放言をまにうけるまりさ。なんか感激しているが、さっさとすますように促す。
「・・・おとうしゃん、まりしゃうんうんするところをみられるとはじゅかしいんだよ」
 頬を赤らめてつぶやくまりさ。いい加減対応するのを疲れた私はペン立てを置いて隠れるようにした。

 ところでうんうん、つまりまりさの便は廃棄せず砂糖と片栗粉を混ぜて練り、翌日の食事とするができる。そのようにサマリーに記述がある。
 ゆっくりの便は劣化した餡子なので食用として問題ない。
 自らの便を餌として使用することはゆっくりに極度のストレスを与えるが、一日も経過すればゆっくり自体がそれを便だと認識しなくなる。
 出しただけ与えるのみなら、ゆっくりは徐々に縮んでいくが砂糖を咥えることでサイズの変化を防ぐことができるとのこと。片栗粉はよくわからない。インプラントされた制御チップの動力になる、とあるがどういう仕組みなのだろうか。
 また、ある程度体積を増やす、つまり成長させるにはより多くの食べ物を与える必要がある。ほとんどのゆっくりは雑食なので人間が食べるものと同じ物を与えるか、あるいは専用のフードを与えればいい。
 多くの種で、とくにぱちゅ種などは生存性向上のためある程度のサイズが必要とある。
 わたしは、こぶりなオレンジ大が卓上で飼い続けるうえで便利(おもに運動させる必要から)っぽいので、その辺を狙っていくつもりだ。
 ちなみにディスクトップゆっくり。設定タブでサイズを指定すると、それ以上の餌を摂取しなくなるようにできている。
 スタートアップガイドやサマリーには「お客様」、取説には「ユーザー様」と記述され、飼い主という表現のないあたりでディスクトップゆっくりのスタンスがわかる。つまりこのゆっくりは入念に作り込まれた玩具なのだ。
 当初ディスクトップゆっくりはト○タのディーラーで問題が発生した場合のお詫びの品として企画された、との事なので推して知るべし、なのだろうが。


 昼食後小一時間ほどまりさと戯れていたのだが、仕事場から呼び出しの電話が入ってきた。これから出社しなければならない。
「まりさよ、実はこれから出かけねばならなくなった」
「ゆゆゅ、まりしゃしゃびしいよぉ。でもまりしゃちゃんとおりゅしゅばんできるよ!」
 ゆがーん、という効果音を背にこの世の終わり、という表情を浮かべるが、けなげに頼もしげなことを言ってくれる。
「留守番頼むぞまりさ。帰りは遅くなるから先に休んでいてくれ」といいつつ制御アプリで「スリープモード」に設定。
「ゆ、なんだきゃおねむになっちゃうよ。でもがんびゃって・・・」と気張ってはいたがそのうち我慢できず「おうち」に潜り込む。
 まりさがすーすーと眠ってしまったのを確認した私は、まりさをラップでくるみ冷凍庫に収め、制御アプリを落とす。
 都合のいいときだけ相手をし、それ以外はこんな具合に待機させる(取説には旅行などの長期不在時用の機能とあるが)。人間をゆっくりさせるためのに極限まで作り込まれたゆっくり。
 いろいろ言いたいことはあるがユーザー様がゆっくりできれば良し、ということなのだろうか。
 まあ、当のディスクトップゆっくりは野良ゆっくりのような様々な生活苦は無し、普通の飼いゆっくり特有のゆっくりできないなんちゃらといった奇妙なストレスも感じないのでまあ幸せなんじゃないかな。


 どうでも良いことなのだが、私が次にディスクトップまりさを起動させたのはそのふた月後のことだった。私はオープニングでもだで満足して、そのまま詰みゲーにしてしまうタイプの人間なのだ。




トップページに戻る
このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
感想

すべてのコメントを見る
  • タイトル見たときから気になったんだが、ディスクトップじゃなくデスクトップじゃないのか? -- 2018-03-15 05:52:44
  • 「シミュレーションペット:ゆっくり」って感じか?
    ゆっくりを飼う人のための練習台だな。
    感情や性格でさえプログラミングされているからNPCにしか見えない。
    虐待お兄さん的には物足りないかな~。
    何せ虐めてもプログラム通りの反応しか見せないからね。
    むしろ、色々な設定を組んで馴染んだ頃に、制御チップを外したらどうなるか?とかやってみたい。

    ↓×3 希少種や好みのゆっくりが「AIの如く感情の無い笑顔」をするのがいいのか? -- 2018-01-18 02:21:20
  • Dーdayごっこ超観てえ! -- 2017-04-01 12:30:18
  • 善良種物か、これはこれでゆっくり出来た -- 2014-08-15 01:37:16
  • この性格だとさなえ種のほうが良かった気がするな -- 2011-09-15 22:41:49
  • 機械化されたゆっくりか、凄いな…
    本編より、ゆっくり動画が気になったな。
    バトルロイヤルとか見てみてぇw -- 2010-12-05 22:10:45
  • まりしゃは本当に気持ち悪いゆっくりだとよくわかるよ -- 2010-11-17 15:49:41
最終更新:2010年03月19日 10:41
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。