ふたば系ゆっくりいじめ 214 ルームランナー

ルームランナー 6KB


「やべで まりざ もう はしれな゛」

大きな下膨れの体をゆっさゆっさと揺すりながら跳ねるゆっくりまりさ。
その姿を、後ろから男は満足げに見ていた。
自慢の金髪の先端はルームランナーとの接地面で削れ、手入れなど全くされていないかのように傷んでいる。
男は美しい野生のゆっくりまりさを、たった数時間で野良レベルまでに劣化させることに成功した。

男の家にやって来た時はしきりに自分の外見や家族の自慢をしていたまりさ。
今の自分の姿を見たら悶絶することだろう。
もちろん、そんな余裕は今のまりさにはないだろうが。

「あんよ いだい あんよ いだい しんじゃう」

外からは良く見えなかったが、ゆっくりまりさの底部はかなり消耗していた。
通常、跳ねるだけではそこまで摩耗しない底部も、特別製のルームランナーの上では別。
男はルームランナーのベルトに改造を施し、細かいやすり状に仕立て上げていた。
つまりは粗い紙やすりの上で跳ね続けるようなものである。
跳ねるための摩擦力は通常の地面よりも強く働くだろうが、
少しでも体に前方向への弾みをつけて着地しようものなら、やすりは容赦なくまりさの底部を削り取る。

「いだい! や゛っ! や゛あ゛あ゛ んああああ」

無理な話だった。
押し戻されるルームランナー上で体をその場に維持し、さらに体に勢いをつけずに着地するのなんて不可能だ。
男はまりさが一跳ね一跳ねの度に、苦渋の選択に頭を悩ませるのを見て楽しんでいた。
進んでも苦しい。止めればもっと苦しい。
渾身の力で跳ねあがるも、降りていく先にはまりさの唯一の"足"を奪う凶器。
四方の柵は、まりさにベルト以外の場所に着地することを許さない。

「まりさの あんよ へっちゃう」

男は一瞬たりともまりさに安息を与えるつもりはなかった。
降り立った際の強烈な痛みに悶える暇もなく、まりさは次の一跳ねを要求される。
ふんじばって、鈍重な体を宙に浮かす。
それに必要とされる体力は、普段の"かけっこのとくいなまりさ"では全く問題とはならなかっただろうが、
長距離走となると話は別のようである。

「ゆ゛ゆ゛ー!!  あ゛あ゛ーっ!!! う゛ーっ!  ゆ゛ぅぅっ!!」

少しでも空気を多く取り入れるために、大きく開けられたまりさの口。飛び出たベロ。
その口で意味不明のことを叫びながらひたすらに前に体を進ませ続ける。

息を吸い込むのに精一杯で、口に溜まる涎を吐き出す余裕もなく、ダラダラと垂れ流しながら。
目からは体を襲う痛みや疲労、息苦しさに対して、ただ単純に生理反応としての涙を流しながら。

理性をかなぐり捨てて醜態を晒すまりさの姿を、男は保存しておくことを思いついた。

「まりさー もっと笑ってー」

ビデオカメラをまりさに向ける。大きめのビープ音と共に録画が開始された。
男はこの行為の中にも、まりさの精神力を削ぐための仕掛けを施すのを忘れていなかった。

「まりさのれいむにもみせてあげるからねー」

極限状態の中、少しでも自分の心を守るには、外界の出来事をなるべく遮断するしかない。
しかし、今まで自分に無干渉だった男の思わぬ台詞に、まりさの心は敏感に反応してしまった。

「やべで」

もはや喋る時間すら奪われたまりさの、止めて欲しいという微かな願いを無視して、男は記録を続けた。
全てを余さず保存するために。
このまりさが使い物にならなくなってからも長く楽しむために。

(れいむ。れいむ。れいむ。れいむ。れいむ。れいむ)

揺らぐまりさの心。そして、思わずカメラに対して体を捩ってしまった。

「ゆぐっ」

ルームランナーに顔面から倒れこむまりさ。
これが救済ならば。
死に直結するならばこれほどまでに楽なことはなかったのかもしれない。

「ゆぐああああああああ!!!!」

男は脱落したまりさを殺すような無粋なことはしなかった。
増してや、ちょっとした煽りに反応するだけの余裕を残した状態で終わりにしてしまうなんて。
まりさの前頭部から体内に刺し込まれた一本のロープ。
それは全身に張り巡らされ、まりさの体とルームランナーの操作部のポールを強力に接続している。

倒れ込んだまりさの顔面を粗い地面が一方的に削る。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

まりさが死ぬ時。
それはロープの張力によって内部からバラバラになるか、
底部から削れて無くなるか、顔面から削れて無くなるか。
その三通りしか無い。
男は幾ら記録をしておくとはいえ、生で見るのは格別だと信じていたし、
この極上の時間をなるだけ長く味わいたいとさえ思っていた。

男は、心からまりさを応援していたのだ。
だから、まりさを死から救い出すことも全く厭わなかったのである。

「……」

時々ピクンピクンと反応しながら、無言でベルトの流れに流されるままになっているまりさ。
失神してしまったのだろう。
汗とも涙とも違う液体が、横倒しになったまりさの顎部から放物線を描いている。
男はその場面もしっかりとビデオテープに収めると、手元にあったオレンジジュースのボトルを手にした。
それをまりさにドバドバと掛けて蘇生を試みる。

「ゅ… ゅ…?」
「さあ、もっと頑張って」

「ゅ…?  ゆああああああああああああああああああああああああああ!!!!! むりぃ もうむりぃ!!!!」

現実に引き戻されたまりさは狂ったように叫ぶ。
天国でも垣間見ていたのだろうか?
残念なことに、ゆっくりはそこまで脆くない。
まりさはこうして体の傷や、水分不足などの死に繋がる要素を排除されて走らされ続けた。

「ゆっ ゆっ」

オレンジジュースをかけるだけでは体力、気力までは回復できない。
まりさは今までに増して声をひそめ、全エネルギーを跳ねることだけに使い始めた。
それでも男はつまらない、等と思うことはなかった。
叫び声を聞くことだけが楽しみではない。
この一見冷静に跳ね始めたまりさの中で、どんな心境の変化が起きているのかを想像するだけで彼にとっては十分だったのである。

「ゆっ ゆっ」

言葉の上では平静を保ちながら、表情は乱れていく。
息は猛獣のように荒く、目は前方のポールただ一点を見つめて血走り始めた。
もはや、まりさの体は生物として、ほんの少しでも長く生きるために動いていた。
どこにそんなパワーが残されているのだろうか。男は感動すら覚えた。
そして、同時にそろそろ終わりが近づいていることに寂しくも思った。

「ゆっ… ゆっ…」

まりさがぐらつき始める。
もう、まりさは余計なことは考えないだろう。
男はベルトに突っ伏すまりさを興奮の眼差しで見つめていた。

「ゆ゛ぅ… ゆ゛ぅ…」

まりさは自分で跳ねあがり、再びベルトの流れに乗り始めた。
もう、オレンジジュースは必要ない。
後はまりさの心の赴くままに走らせておけばいい。
もう、まりさの体が自分から命を絶つようなことにはならないだろう。

「ゆっ ゆっ」

体液という体液がまりさの体から流出していた。
髪はもうボロボロだった。
跳ねるあまり、帽子が脱げ落ちていた。

そのすべてを気に留めることなく、まりさは前だけを目指していた。

「ゆっ ゆっ 生きたいよ」



男はほほ笑んだ。



「生きたいよ 生きたいよ」

まりさがバランスを失って再び倒れこむ。
もう、まりさの体は動かない。
ついに体の出せる力を限界まで絞り切ったまりさ。
まりさは視線をふらつかせながら、自分自身に訴えかけていた。

「やだぁ… まりさまだはしれるよ」

主張はしてみるものの、まりさの体はまりさの言葉とは裏腹にピクリとも動こうとしない。
すり卸されていくまりさ。

「まだ 生きたいよ だずげでよおおお おにーざんだずげでよおおおおお!!!」

もう、男の助けの手が差し伸べられることはなかった。

挿絵 byAVあき

挿絵 by儚いあき


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感想

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  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -- 2019-12-31 16:21:23
  • うん... -- 2019-07-11 23:23:14
  • どうせなら「愛する(笑)れいむ」も連れて来いwww
    「明らかに違う生き物の住処(=人間の家)」って分かるのに何故おうち宣言なんてするんだろう?
    動物だって、他の縄張りに入ったら戦う覚悟くらいあるのにwww

    ↓×8 貴方が言う彼は、きっと
    「ルームランナーを改造し、オレンジジュースをこぼす」ことを
    「モノを大切にしない人でなし」と言いたいんだろうww -- 2018-03-06 05:05:35
  • 言うこと聞かない体が悪いな。エネルギー切れだろうが何だろうが、動けという命令をしている以上は体は動かないと。 -- 2016-12-16 11:39:59
  • 人間で言うとルームランナーで永遠に走らされ続け、少しでも休むと頭がルームランナーに削られるのか………
    人間でやってみるとゆっくりできるね! -- 2015-02-01 23:08:43
  • 胴付きと考えたら・・・ -- 2014-04-25 14:54:59
  • 上下の絵の差ww -- 2013-01-05 23:43:57
  • 住み分けしてんのにアンチが沸くのか、すごい迷惑な話だ
    ルームランナー虐待はまだまだ広がりそうだ、イイぞもっとやれー -- 2012-12-19 10:57:28
  • いつものうざ魔理沙とは違うな -- 2012-07-08 11:01:20
  • 何か怖い、特に絵がな。
    頭にロープ埋め込む(?)時点でなんか冷や汗出そうだった。 -- 2011-12-30 01:50:22
  • ↓虐待アンチが何でここにいるの?バカなの?ツンデレなの? -- 2011-12-28 02:51:19
  • ↓人でなしに明日を生きる資格はない -- 2011-08-23 14:22:52
  • もう少しこのゆっくりの心象と、背景の描写を加えるとよりゆっくりできると思う -- 2010-09-23 06:52:39
  • まりさが最後まで摩り下ろされるところが見たかったな。 -- 2010-08-02 22:10:44
最終更新:2010年03月05日 18:25
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