ふたば系ゆっくりいじめ 259 れいむのアンラッキーライフ

れいむのアンラッキーライフ 6KB


【注意】





「おにいざああああああん…」

れいむが力無い声を上げている。
それを覗き込むお兄さんは、いつもの優しい笑顔だ。

「れいむを…ゆぐっ、れいむをたべないでええええええ」
「バカだな、そんなことするはず無いだろ?」

お兄さんの動きに身構えるれいむ。
その腕は、いつものように優しくれいむを抱いてくれた。





【れいむのアンラッキーライフ】





お兄さんはれいむに、本当のことを話してくれた。

あの部屋のゆっくりたちは、お兄さんのケーキ屋さんで材料に使われていること。
れいむはあの部屋で、ありすしか生まれないはずのありすから生まれたこと。
れいむが目を開ける前に、茎ごとお母さんありすから離されたこと。

そして最後に
「ごめんな、れいむ。今まで内緒にしていて」
お兄さんは謝ってくれた。



「おにいさん、ひとつだけ、おねがいがあるよ」
「なんだい?」
「れいむのごはん、けーきさんはやめてほしいよ…」
「…そっか」



今までゆっくりを食べて育ってきたのかもしれない。
そう思うと、れいむは狂ってしまいそうだった。

お兄さんがそんなひどいことをれいむにするはずがない。
そう思っても、今は信じきれなかった。





「ゆぅ……ゆぅ…」

数日後、れいむはげっそりとやつれていた。

ケーキの代わりにと、お兄さんが用意した高級ゆっくりフード。
それでも、お兄さんのケーキで育ってきたれいむの舌には合わなかった。
ほかに食べるものもなく、砂のように感じる歯触りに耐えて噛みしめるが、どうしても飲み込めない。
吐き出してはもう一度口に運ぶの繰り返しで、あれかられいむは一食も摂れていなかった。



「れいむ」
「…ゆ?」

お兄さんの声に振り返ると、その手には大好きだった苺ショート。
恐怖に後ずさりそうになるが、口の中からは涎が溢れてもくる。

「れいむ、これにはゆっくりは使っていない。
 これだけじゃない、今までれいむが食べたケーキにもゆっくりは入っていない。

 これでも食べられないか?
 このままだと、おまえ死んじゃうぞ?」



お兄さんの言葉を信じきれないことが悲しかった。
なのに、食欲に負けてお兄さんを信じたいと思う自分が悲しかった。

「う…うぅ……しあわせええぇぇぇぇぇ…」

結局、れいむは食欲に負けた。
数日振りのお兄さんのケーキは、本当においしかった。
食べている間、食べ終えてからも、涙が止まらなかった。





数ヶ月後。

「ただいまー、れいむ」
「ゆーん、おかえりなさいおにいさん!」

多少ぎくしゃくしながらも、1人と1匹の生活は以前のリズムに戻りかけていた。



「ゆ? おにいさん、それは?」
「ああ、これか…」

お兄さんの手には花瓶がある。
そこに生けられている茎には、一匹だけの赤ゆっくり。
まりさが生っている。

「これな、れいむと同じ子なんだ」
「れいむと、おな…じ……?」

れいむの表情がこわばっていく。

「この子も育ててあげたくてな。
 れいむがお母さん代わりになってくれたら助かるんだけど。
 ……れいむ?」
「…ごべ…ごべんなざい……」

驚くお兄さんの前でれいむはガタガタと震え、しーしーまで漏らしていた。

「ごべんなざい、れいむいいごにじでまず、あのおへやざんにははいりまぜん。
 だがら、だがら…」
「れいむ、おい、れいむ!」
「ゆひぃっ!?」

れいむはあの部屋のことを乗り越えた訳じゃない。
トラウマに蓋をして、忘れた気になっていただけだった。

お兄さんは花瓶をどこかに持っていった。
れいむはそれにも気づかずに、きつく閉じた瞼から涙を溢れさせていた。





さらに数ヶ月後。

前回よりは幾分早く、れいむは元気になっていた。
それはれいむが強くなったからではなく、お兄さんがより一層、気を使っていたからだが。

「…ゆうぅ…」

この日、れいむは朝から憂鬱だった。
昨日の夜に、お兄さんが「まりさをつれてくる」と言ったからだ。
数ヶ月前の、れいむと同じ身の上のまりさだと、れいむはすぐに気付いた。
だから、あの時のようにまた、怖いことを思い出すのではと心配だった。



結局、心配は杞憂だった。

「れいむ、ゆっくりしていってね!」
「ゆ! まりさもゆっくりしていってね!」

れいむに会わないように別の部屋で、まりさはお兄さんに育てられていた。
れいむと同じようにケーキをご飯にしたおかげで、れいむより一回り小さいくらいにまで育っていた。

お互い、ゆっくりの友達がいない生活だったので、すぐに仲良くなった。
お兄さん以外に依存できる相手が出来たためか、この頃かられいむの状態は安定していった。





さらに数ヶ月後、まりさが成体にまで育った頃、2匹は番になった。
れいむが母体となって胎生にんっしんをし、2匹揃って赤ちゃんが産まれてくるのを今か今かと待っていた。



そして待ちに待った出産の日。

「ゆぎぎぎぎ…うばれるうううううううううう!!」
「がんばってね、れいむ! もうすぐおかあさんだよ!」

歯を食いしばって息むれいむの産道から、赤ゆっくりの顔が見えてきた。
今まで体験したことのない痛みに、れいむに全く余裕はないが、代わりにまりさが逐一教えてくれていた。



ぽんっ、と音を立てて最初の子が産まれた。

「やったよおおおおおおおおお!!
 れいむににたかわいいれいむのあかちゃんだよおおおおおおおお!!」

薄目を開けて見れば、自分によく似た赤ちゃんだ。
自分は会うことが出来なかった母親。
憧れたそれになれたうれしさが、痛みとは別の涙を流させる。



ぽんっ、と音を立てて2匹目の子が産まれた。

「ゆわああああああああああ!!
 まりさのあかちゃんかわいいよおおおおおおおおおおおおお!!」

今度はまりさの赤ちゃんだ。
きれいな金髪とピンと張ったお帽子が、まりさによく似ている。
お兄さんもきっと、可愛がってくれるだろう。



ぽんっ、と音を立てて最後の子が産まれた。

「……ゆ?」

おかしい、まりさの反応がない。
詰まった声を上げた後、その後に言葉が続かない。



子供が全て産まれ、産道が閉じていく。
それに従い、痛みが嘘のように引いていく。
生き返ったような心地で息をつき、目を開けて赤ちゃんたちの方を見る。
ちょうど、3匹が並んでご挨拶をするところだった。



「「「ゆっきゅちしちぇいっちぇにぇ!!」」」

「ゆっ
     く

       り



         ?





 あああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああ
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





「何だ今の声は!?」
「ゆぐっ…れいむが…れいむがあああああああああ!!」
「ゆえーん! おきゃあしゃああああん!!」
「ゆびぇええええええええええええええ!!」
「みゃみゃあああああああああああああ!!」

部屋に飛び込んだお兄さんの目に映ったもの。

それは、
餡子のほとんどを吐き出して絶命したれいむ、
れいむの傍らで泣き叫ぶまりさ、
母親の死骸にすがりつく3匹の赤ゆっくりだった。



赤れいむと、
赤まりさと、
赤ありすと。










(完)





作者:大切に育てても死んじゃうゆっくりって難しいですね


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感想

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  • 前編に出てきたありすがれいむの母親だからじゃないの?
    ありす種のDNAがれいむに入ってたからとか -- 2012-08-12 07:08:19
  • 実はケーキに本当はゆっくりを使用してて
    ありすの精子餡が混ざってたとかwwwww -- 2012-08-08 11:10:17
  • 虐待じゃなくて怪談話じゃねえか -- 2011-12-29 15:53:07
  • 餡子はケーキに使えないからかな?
    記憶力悪いのに何故記憶しちゃったのか…それほど強烈だったのか… -- 2010-10-02 22:35:52
  • 取り換え子の話?幸運を呼ぶれいむだからお兄さんは殺さなかったの? -- 2010-07-07 23:52:11
最終更新:2009年10月23日 21:44
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