ふたば系ゆっくりいじめ 350 ペトショの裏 その2

ペトショの裏 その2 10KB


『ペトショの裏 その2』

*その1を読んでなくても理解できるようにしたつもり…です

*言い忘れてましたが俺設定満載です





二、

 ペットショップの女性店員は、三つの小さな透明の箱から三匹の赤ゆを取り出すと少し
大き目の透明な箱に入れた。三匹はこれから自分たちの身に何が起こるかわからない不安
から、ぶるぶる震えている。

「ゆっくりしていってね」

 そんな三匹…二匹の赤れいむと一匹の赤まりさの耳に入ってきたのは、とてもゆっくり
できる声の挨拶だった。三匹は思わず、

「「「ゆ…ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!!!」」」

 元気よく同時に挨拶を返す。三匹は少しだけではあるが満たされた気分になった。ゆっ
くりにとってこの言葉は自分たちのアイデンティティなのだ。女性店員は透明な箱の中に
ゆっくりフードの入った餌皿を一つだけ置いた。美味しそうなにおいにつられて、赤れい
むと赤まりさが思わず飛びつく。もう一匹の赤れいむはまだ警戒しているのか、餌皿と女
性店員を交互に見つめている。

「はい残念~!!」

 餌皿の中にダイブしようとしていた二匹の赤ゆは女性店員の両手のデコピンで、見事に
吹き飛ばされた。

「ゆ??ゆゆゆっ…???」
「い…いちゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 特に赤まりさにはクリーンヒットしたらしい。状況が飲み込めない様子の赤れいむとは
裏腹に赤まりさは顔を真っ赤にして大粒の涙を流している。

「どうちてぇ…?おにぇーしゃん…ゆっきゅりできりゅひちょじゃないのぉ…?」

「いーい?これはあなたたちが自分で取ってきたご飯じゃありません」

 女性店員は努めて明るく、三匹の赤ゆたちに話しかけた。涙目の赤れいむと赤まりさに
隅っこで警戒を解かない赤れいむも、黙って女性店員の話を聞いていた。

「このご飯は、私があなたたちに食べさせてあげるものです」

「ゆ…ゆゆぅ!!!れーみゅたちあかちゃんしゃんだもんっ!ごはんしゃんもっちぇきちぇ
 くれりゅのはあちゃりまえでしょぉ?!」

 一匹の赤れいむが猛然と抗議する。赤まりさも何か言いたそうだったが、痛みでそれど
ころではないらしい。女性店員はため息をつくと、

「誰が持ってきてくれるのかな?お母さん?」

「おかーしゃ…!!!」

 言いかけて気づいたらしい。いつも自分たちにご飯を持ってきてくれた優しいお母さん
はここにはいないということに。気づいて急に寂しさが込み上げてきたのか、赤れいむは
ぴーぴー泣き始めた。

「ゆぐっ…ゆぇ…」

 赤まりさももらい泣きしそうである。警戒を解かない赤れいむだけはその三者のやり取
りをじっと見ていた。そして、その赤れいむは口を開いた。

「おにぇーしゃん…」

「何?」

「しょのごはんしゃん…たべちぇも…いぃ…?」

 恐る恐る尋ねる。最後のほうは声が小さくなってよく聞き取ることができなかったが女
性店員は、穏やかな笑みを浮かべ、

「いいわよ」

 と言った。納得がいかないのは赤れいむと赤まりさだ。

「どぉちてしょんにゃいじわりゅすりゅにぉおおおお????」
「れーみゅたちもおにゃかしゅいちゃよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 女性店員は答えない。これは自分で考えて理解してもらわなければならないからだ。ペ
ットは飼い主がご飯を持って来てくれるだけの存在だと思い込んではならない。そこから
自分の中で序列関係を作りだし、主人と飼い主の関係を築くことができなくなる恐れがあ
るからだ。

「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇええええええええ!!!!!!」

 赤れいむが初めて食べたゆっくりフードは、パサパサしており食感はよろしくなかった
が美味しくてとてもゆっくりできたらしい。揉み上げをピンと張り、涙目で幸せを文字通
り噛み締めている。

 口の中のフードを吹きこぼしながらの幸せ宣言だったので床にフードの欠片が散らばる
が、それはまぁヨシとする。

 女性店員の躾の基本方針は、“最低限、ゆっくりらしくあること”を条件にしている。
つまり、どれだけ優秀なゆっくりを躾で育て上げたとしても、

「いただきますっ!」「むしゃ…むしゃ…」「ごちそうさまでした!」

 なんて言うゆっくりは、ゆっくりじゃないし愛嬌もない。女性店員はゆっくりを基本的
には“可愛いペット”として育てるつもりなのだ。ただし、ちゃんとフードを飲み込んで
から幸せ宣言するようには躾けなければならない。難しいところだ。

 結局、朝以降何も食べていない赤れいむと赤まりさは、ご飯を食べさせてもらっている
赤れいむを恨めしそうに見ていた。結局、餌皿の中の餌を食べ終えた赤れいむは突然身震
いした。そして、顔に力を入れ始め…

「おにゃかいっぱいになっちゃかりゃうんうんすりゅねっ!!!!!」

 うんうんうん…と力をあにゃるにかけると、プリッという情けない音と共に色の落ちた
餡子が射出された。

「ふぅ…」

 女性店員がため息をつく。ゆっくりたちの言うところの“うんうん”とは排泄物には違
いないのだが、人間の“それ”とは決定的に異なる。色も味も落ちるがそれは餡子なのだ。
当然、食べることも可能である。

 ゆっくりは、食べたもの(有機物限定)を仕組みはわからないが体内の餡子の一部とし
て変換することができる。ゆっくりの大きさに比例して体内に蓄積できる餡子の量は多く
なるわけだが、当然食べ物を餡子に変換し続けていくと、いずれは蓄積量に限界が訪れる。
つまり、餡子が体内にありすぎる状態が人間で言う“おなかいっぱい”の状態であり、そ
れを過ぎると中の餡子を排泄しようとするわけだ。つまり、“うんこ”と“うんうん”は
違うのだ。ゆっくり理解してねっ!!!

「くちゃい~~~!!!」

 でも、臭いらしい。女性店員は臭いなどとは感じないが、全身感覚器のゆっくりにとっ
ては臭いようだ。最近新たな学説で、“視覚・聴覚・嗅覚・味覚は全て思い込みによるも
ので饅頭の皮は所詮皮にすぎないのではないか”という説が発表されたが、この赤れいむ
を見るにそれもありうるかも知れない。だが、女性店員にとってそんなゆっくりの生態な
どはどうでもよかった。

 女性店員は赤れいむを摘み上げると、ほかほかの餡子…うんうんにその顔を押し付けた。

「ゆぎゅぅぅぇぇっ??!!く…くちゃい!!きちゃにゃい!!!ぺっ!ぺっ!!」

 あまりにも突然の出来事に息を呑む、赤れいむと赤まりさ…。さっきまで可愛がられて
いたように見えたのに、今度はいきなり汚い排泄物に顔を押し付けられた。

「いい?ここで“うんうん”しちゃダメよ?」

「ゆっくちできにゃいよぉぉぉぉぉ!!!」

「あなた…自分のおうちの中で“うんうん”するの?…しないでしょ?」

「ゆ…ゆぅ…でもおそとにはいけにゃいかりゃ…」

「…我慢、しなさい」

「「「ゆゆゆゆっ??!!!!」」」

 この言葉には、三匹が三匹とも反論した。

「おにゃかいっぱいになっちゃらうんうんすりゅのはあたりまえでちょぉぉぉ??!!!」
「ばかにゃの?ちにゅの???」

 ゆっくりは基本的に室内飼いだ。飼い主にとって一番困るのはやはり粗相。前述のとおり
うんうんも別に汚いものではないが、“それを片付けてくれるのは人間の役目”なんて思い
込んだらとんでもない。飼い主がうんうんを片付けてくれるときだけ、うんうんする、とい
う感覚を叩きこまなければならないのだ。ゆっくり用のトイレでも同じことだ。片付けるの
は飼い主になるので、主従関係を崩壊させかねない。

「ゆっくちできにゃいよっ!!!」
「ゆっくちできにゃいおにぇーしゃんはちねっ!!!!」

 女性店員は、暴言を吐いた赤まりさを摘み上げると顔の中心に縫い針を刺した。

「ぎっぴぃぃぃぃっっ!!???」

 赤まりさの顔に激痛が走る。女性店員は冷ややかな目で赤まりさを睨みつけると、

「だめでしょ?人間に向かってそんなこと言っちゃ」

「ゆ…ぐぅ…まりしゃ…いじめりゅ…にんげんしゃんは…ちにぇえ…」

 刺し込んだ縫い針を持った右手首を回転させる。刺さった針の先端部分が赤まりさの奥を
滅茶苦茶にかき混ぜる。目を見開き、大粒の涙をこぼし、これ以上開けたら口が裂けるので
はないかというくらいに大口を開けて苦悶の表情を浮かべる赤まりさ。

「ゆびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

「ゆゆ…おにぇーしゃん、…もうやめちぇあげちぇにぇっ!まりしゃ、いちゃがってりゅよ!」
「おにぇがいちましゅぅう!!まりしゃがいちゃいいちゃいしちぇるとこ…やじゃぁああ!」

 二匹の赤れいむからの涙ながらの懇願。しかし、まだやめるわけにはいかない。

「何か言うことは?」

 赤まりさは涙を流しながら歯を食いしばっている。どうやら絶対に自分は悪くないという
自信があるようだ。

「………」

(この子はここで終わりかしらね…。明日、犬の餌用のケージに入れておこうかしら…)

「……しゃぃ…」

「ん?」

「ごめ…なしゃぃ…」

 顔をぐしゃぐしゃにして、なおも大粒の涙をこぼしながら歯を食いしばってその言葉を絞
り出した。納得はしていないのだろう。顔にそう書いてある。だが、これも大切な躾のうち
だ。飼い主に対して暴言を吐くようなゆっくりを客に買われたら店の信用がガタ落ちだ。言
い方は悪いが、饅頭一匹のせいで店の経営が危うくなることを思えばもはや虐待とも言える
この躾は避けて通れないものだった。

「よく言えたわね…」

 打って変わって縫い針を引き抜き、左手の指先で赤まりさの頬を撫でる。くすぐったいの
か親ゆとのすりすりを思い出しているのか、心なし赤まりさの表情が明るくなる。

 女性店員は、“ご飯は明日持ってくる、うんうんとしーしーはそのときまで我慢しなさい”
という言葉を残し、去って行った。部屋の電気が消され真っ暗になる。うんうんまみれの赤
れいむは女性店員にティッシュで拭かれていた。

 突然部屋を真っ暗にされてお互いの顔に寄り添い合い、震える赤ゆたち。ここには大きな
体で自分たちを包んでくれる両親はいない。怖くて眠れないときは親れいむが歌を歌ってく
れたが、歌を聴くこともできない。自分たちが眠りにつくまでずっと起きていてくれる親ま
りさもここにはいない。

「ゆ…ぇ…」

 堰を切ったように溢れる涙。嗚咽を漏らす赤ゆのうちの一匹。三匹は声を押し殺して泣い
た。

「ゆっくち…しちゃいよぉ…」




 一番初めに目覚めた赤れいむのうちの一匹が、

「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!」

「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ!!!」」

 叫ぶと、残りの二匹も呼応して起き上がる。朝になったからか、部屋の隅にある小さな窓
から光がうっすらと入り込んでいた。それからしばらくして…女性店員が部屋に入ってくる。
身震いする三匹。今日は一体何をされるのだろう…。

「ゆっくりしていってね!」

「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇっ……!」」」

 心なしか元気がない。当然と言えば当然だが。女性店員は昨日と同じようにゆっくりフー
ドの入った餌皿を一つだけ箱の中に置いた。三匹はすぐには食べようとはしない。

「………」

「………ゆぅ…」

「食べてもいいのよ?」

「ゆゆっ!ゆっくちいただきま…」

「ちょっと待って」

 三匹の赤ゆがぴたりと動きを止め、女性店員を見上げる。女性店員は穏やかな笑みで、

「私に何か言うことは?」

「お…おにぇーしゃん!ゆっくちありがちょう!!!」
「「ありがちょう!!」」

「よくできました」

 女性店員がこれまで扱ってきた馬鹿ゆたちに比べればこの三匹は非常にもの覚えが良かっ
た。三匹仲良く餌皿のゆっくりフードを食べ終わると、そわそわし始め、しきりに女性店員
のほうに視線を送っている。

「どうしたの?」

「ゆ…っ」

「片付けてるからここでしなさい」

 そう言って、キッチンペーパーを赤ゆたちの前に敷いてあげた。三匹の赤ゆは一斉にその
ペーパーの上に飛び乗り、口をそろえて

「「「うんうんすりゅにぇ!!!!」」」

 スーパーうんうんタイムの時間だ。絞り出した後は満足そうにペーパーを降りる赤ゆたち。

「かたぢゅけちぇくれちぇゆっくちありがちょう!!」

 女性店員は思わず笑みをこぼした。初めて赤ゆの躾を任されたときは三時間で全部叩き潰
してしまい、上司に怒られた頃が懐かしい。

 これまでで一番手のかからないゆっくり。きっと上司も買っていく客も満足してくれるだ
ろう。

 それから一週間、女性店員と赤ゆたちはすっかり仲良くなっていた。躾は成功と言える。
人間を敵視する様子もまるでない。それでもまだこの可愛い赤ゆたちを店頭に並べるわけに
はいかなかった。

 “商品化”するには、まだ、足りないのだ。





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感想

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  • ここで言うことじゃなくね?創作やし -- 2016-02-05 22:41:35
  • 弱肉強食の世界だからな -- 2016-01-10 19:25:41
  • 実際に野生の動物にも人間は似たようなことしてるからね、しょうがないね。

    人間はゲスゆっくりとしてること変わらんからなぁ、ゲスゆっくり虐待派の人に人間の傲慢さに嫌悪する人が出てきても仕方ないと思うよ。 -- 2014-02-12 14:58:06
  • ↓↓ついでに愛でと虐待の住み分けが出来るまで来なくて良いと思うんだ -- 2013-01-19 09:16:17
  • 現実とお話の区別がつくようになってからまた来てね! -- 2012-12-25 21:44:42
  • 人間さんの傲慢さここに極まれりだな。
    畑も荒らさず、誰にも迷惑かけずに平和に暮らしてきただけのゆっくりの幸せをぶち壊したクソ人間に、感謝しろだ?
    そんなにゆっくりの世話が面倒なら、ゆっくりなんかに関わらずにしてりゃいいだけだろうが。 -- 2012-09-21 22:09:10
  • 赤ゆって一日エサ抜きで死なないの? -- 2012-04-15 10:27:56
  • すげぇな、この姉ちゃん・・・ -- 2012-03-15 21:23:50
最終更新:2009年10月24日 18:14
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