双魔神 モシレチク コタネチク退治

双魔神 モシレチク コタネチク退治

収録作品:大神[PS2/Wii/PS3]
作曲者:近藤嶺

概要

大神におけるイリワク神殿のボスである双魔神こと黄金魔神モシレチク・白銀魔神コタネチクとの対決で流れる曲。
トンコリの荒々しい響きと優雅ながらも不気味なテナーリコーダーの音色が交互に主旋律を奏でる、カムイの地の決戦にふさわしい曲であると同時に、この作品の世界観からかなり逸脱した曲でもある。
それはこの曲が、和を前面に押し出したストーリーと曲が持ち味の本作において、時報音を思い起こさせるイントロに始まり、半音下がることで不穏な曲調になる後半を中心に時計の針の音が鳴り響く、時計の要素を織り込んだ和洋折衷の曲だからである。
これは、イリワク神殿の曲「エゾフジ イリワク神殿」と同様の要素を取り入れたからとのことだが、この要素というのが「不気味・不思議・機械仕掛け」をキーワードとし、更に時を刻む音は「くるみ割り人形」の「こんぺい糖の踊り」を参考にしたという、和の要素が欠片も感じられないものである。
加えて双魔神も「明治時代を意識した、西洋時計と和時計のフクロウ」という趣旨でデザインされているため、妖怪どころかメカそのものである。
和の世界に紛れ込んだ異物というべきこの双魔神のデザインと、和の熱い曲調に洋風の不気味な要素を入れていくこの曲の親和性は高い。

またこの双魔神戦は、いくつもの強烈な演出・ギミックを持ち合わせていることで有名。
イリワク神殿中盤でのコタネチク単体との前哨戦では、過去のアマテラスである白野威が加勢することになるのだが、筆しらべをはじめとする数多の攻撃の威力・規模が現在のアマテラスとは比べ物にならないほどすさまじいものになっており、こちらがなにもしなくても勝手に決着がつく始末。
カムイの地のボスの片割れをフルボッコにしてしまうまさかの展開に唖然とすると同時に、これまでストーリー上で語られてきた全盛期のアマテラスの実力をまざまざと思い知らされることになる。
このような攻撃はゲームバランスが崩壊するどころの話ではないので、作中プレイヤーは最後まで使うことはできないが、その威光は最終決戦時最高の展開と共に拝むことができる。
そしてイリワク神殿最終盤、オキクルミとの会話の後に最上階に上がることになるが、雷が轟く黒雲の渦の中飛び交う双魔神の図は、流用曲の「女郎蜘蛛激怒」と重なり不気味さと威圧感がすさまじい。
アマテラスとオキクルミの咆哮と共に戦闘開始となるが、この戦闘に限りオキクルミとのタッグ戦となり迅雷でオキクルミを飛ばして隙を作る特殊ギミックとなっている。
そして双魔神は時間操作の魔術を使ってくるが、コタネチクの時間加速(曲も加速版である「双魔神の魔術」になる)で超高速突撃を行うモシレチクに驚かされ、モシレチクの時間停止(曲なしで時計の音だけ鳴る)の中ゆっくり歩いてきて突き刺してくるコタネチクにはトラウマを植え付けられる。
…もっとも、時間操作を使うまでだいぶ時間があるためその前に倒してしまうことも多い上、使われても筆しらべで簡単に対処できてしまうが。
これらの演出もこの曲が作中印象に残る曲になった一因ともいえるだろう。

過去ランキング順位


収録サウンドトラック

大神 オリジナル・サウンドトラック


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最終更新:2023年08月04日 15:01