SNK新世界楽曲雑技団

えす・えぬ・けい しんせかいがっきょくざつぎだん

今は亡きエス・エヌ・ケイのゲーム音楽全般を担当していたサウンドチーム。「新世界」は大阪の地名にちなんでいる(SNK本社は大阪・江坂)。
Falcom Sound Team jdk」や「ZUNTATA」、「コナミ矩形波倶楽部」などと同様の音楽家集団で、メンバーは随時入れ替わっている。
正確な結成時期は不明だが、サントラでは1992年5月21日発売の『ラストリゾート』のアレンジ演奏担当名義にて初めて「新世界楽曲雑技団(NEO SOUND ORCHESTRA) (SNK SOUND TEAM)」としてクレジットされた。*1
初期のアルバムではアレンジバージョンのバンド名だったが、のちにゲームの作曲とアレンジアルバムの編曲を並行して活動した。

「雑技団」の名の通り、のべ30名を超える多彩・多芸な人材を揃え、1つの作品に数人の作曲者が参加することでバラエティ豊かな楽曲を世に送り出した。
そのため特定の作曲者の名前がピックアップされることは少ないが、サウンド「チーム」として非常に上手く機能していた集団だと言える。
また、ほとんどの作品でネオジオなどの音源をそのまま収録したオリジナルサウンドトラックスとは別に、プロの演奏者を招いて生楽器を交えたアレンジを行ったアレンジサウンドトラックスが制作されていたことは特筆すべきだろう。
ネオジオの音源は良くも悪くもレトロなイメージが付くが、アレンジ音源では一流アーティストの奏でる高品質なサウンドを楽しむことができる。
新世界名義でのライブイベントも数回行っており、さらには本物のオーケストラを招いて収録を行った「Symphonic Sound Trax」シリーズも3枚制作された。
彼らは基本的にはゲストアーティストだが、中には数多くの作品に携わり、新世界の一員と言っても差し支えない演奏者もいる。

ネオジオCDなどCDメディアの移植作ではアレンジ版のショートバージョンが使用されており、一種のファンサービスとなっていた(ネオジオCD版は普通の音楽CDとしても再生可能)。
また、ドリームキャストやプレイステーション2などの移植作ではフルバージョンが収録されている場合もある。

2001年のエス・エヌ・ケイ倒産に伴って消滅してしまったが、元所属メンバーの一部は流れを汲むSNKプレイモアやノイズファクトリーの作品に携わっている。
2005年の『THE KING OF FIGHTERS XI』では麻中秀樹ら新世界の中核を担ったメンバーが多数復帰し、変わらぬハイクオリティな楽曲でファンを喜ばせた。
現在は新世界楽曲雑技団の名は使っていないものの、SNK専属の新しいサウンドチームが結成されている。
THE KING OF FIGHTERS XIV』や『SAMURAI SPIRITS』など新世界楽曲雑技団に劣らぬサウンドを作り出している。

なお、90年代中期以降のエス・エヌ・ケイはなぜかBGMの評価が高い作品ほどク○ゲー率が高いという妙な法則がある(餓狼3斬サム龍虎外伝KOF'96KOF2000など)。
ちなみに「レッツゴー!陰陽師」で一躍注目を浴びた「でんちゅう」こと田中敬一氏は元新世界メンバーである。


主な参加作曲家(別名義)

以下、敬称略


主な参加アーティスト

  • 梶原順
  • 古川望
  • 渡辺直樹
  • 櫻井哲夫
  • 小森啓資
  • 江口信夫
  • 神保彰
  • 湊雅史
  • 松田真人
  • 小池修
  • 淵野繁雄
  • 金原千恵子
  • 桑野聖
  • 正田麻盛
  • 西川啓光
  • 錦織健

(参考:個人サイト「Eternity Heart」様 - ttp://www.geocities.jp/barzinion/index.html)

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最終更新:2023年10月17日 01:49

*1 「SNK SOUND TEAM」の名義自体はG.S.M. SNK 2『NEO・GEOサウンドパワー』から使われている

*2 KENNYこと西田かずひろ氏とは、『ファイティングサッカー』のように一緒にクレジットされる作品があり、別人と考えられる