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*ソウルキャリバーV 【そうるきゃりばーふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B006GZOMBQ)|&amazon(B006GKQ5Z2)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|~| |発売日|2012年2月2日|~|~| |定価|8,380円|~|~| |判定|BGCOLOR(khaki):黒歴史|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソウルキャリバーシリーズリンク>ソウルシリーズ]]''| **概要 『ソウルキャリバー』シリーズナンバリング第5作。世界観をIVの17年後に移し、システム・キャラクターなどに大きく変更を加えている。~ ゲストキャラクターとして『Assassin's Creed』シリーズのエツィオ・アウディトーレ(本作では『ブラザーフッド』準拠の見た目)、ゲスト流派として[[鉄拳シリーズ]]からデビル仁流派が登場している。(デビル仁本人は未登場。) **ゲームシステム 縦斬り・横斬りと8Way-RUNといったシリーズの骨子となる操作システムはそのままだが、本作では2D格ゲー的なパワーゲージである''クリティカルゲージ''が追加され、新たな駆け引きの要となっている。以下は新システムについて記述。 -ブレイブエッジ --各キャラごとに決められた技を出した時にA+B+Kと追加入力することで、追加攻撃を出したり技を強化したりできる。クリティカルゲージを0.5本消費する。 -クリティカルエッジ --全キャラ共通のコマンド(236236A+B+K。波動コマンド二回)で出せる超必殺技。各キャラによって投げ属性だったりガードインパクト属性があったり性能は異なるが、全体的に発生は早めで威力も高い。モーション途中から無敵が付いてるものも多く、俗に言う「ぶっぱなし」も可能。((とはいえ当然、適当に出せばゲージを無駄にしたりガード・空振り後に反撃を受けたりもするが))クリティカルゲージを1本消費する。 -ガードインパクト --レバーを後ろ側に倒してA+B+Kと押すと、相手の打撃を弾いて隙を作り出すことができる。過去のシリーズにあった同名のシステムと比べ、上中下段全ての攻撃を弾くことができるため強力だが、クリティカルゲージを0.5本消費するため多用は出来ない。また、ガードインパクトを受けてもゲージがあればガードインパクト返しも従来通り可能。 -ジャストガード --攻撃を防ぐ瞬間にタイミングよくガードボタンを一瞬押して''離す''ことにより、ガード硬直を軽減させることができる。全体的にビギナー向けにシステムが作られている本作だが、このジャストガードは上級者のやりこみに応えるためのシステム。従来のガードインパクト(弾き・捌き)は今作からゲージ消費行動になってしまい頻繁に使うことは出来なくなってしまったが、それらの代わりとも言える新たな防御行動。 -ガードバースト --ガードし続けていると強制的にガードが解けて隙を晒してしまう、いわゆるガードクラッシュ。ガードバーストを起こした後は大きな硬直時間が生じ、さらに硬直中はカウンターヒット扱いとなりカウンター始動の高威力連続技が入るため、ガードバーストのリスクは大きく、ガード後の確反だけでなく相手の攻撃をスカすのがより重要となった。 --内部的には各技ごとにガードバースト値が設定され、限界まで達するとバーストが起こるが、画面上では体力周囲が黄→赤と色が変わって警告してくる。 **評価点 -対戦ゲームとしての出来映えは良好。 --調整のコンセプトとして「これをやってれば勝てる」というものがあるようで、ブレイブエッジなどを始めとした強力な技で攻めを仕掛けていけば格上が相手でも勢いで勝ちやすいように作られている。その一方で、ジャストガードなどを含めればそれら強力な技にも対処は可能なため、腕の差の影響が特別薄いわけではない。キャラ性能はよく調整されており、明らかに壊れている技やバランスを崩しているキャラクターは少ない。 --IVに比べて全キャラとも技数が大きく減少しているなど、初級者やシリーズ非経験者に配慮した部分も見られる。また、根性値補正が大きかったり、2本取られるとクリティカルゲージが与えられたりと逆転要素も強め。 --トレーニングモードもそれぞれのキャラの複数の主要技の説明(立ち会い方、その技の特徴、欠点などまで)や、基礎的なコンボの紹介、オンライン対戦時を想定した入力ラグのon/off、CPUの行動をコマンド記録し複数パターンをランダム再生する事も可能など、かなり親切な作りになっている。 -ネット対戦の出来(そのもの)についても評価は高い。ラグの酷かったIVと比べてオンライン対戦でも違和感なく操作することができる。 --ランクマッチ・プレイヤーマッチに加え、グローバルコロッセオという多人数対戦用モードもある。各国・各地域ごとに数十人用の部屋が複数あり、各部屋に入って室内のプレイヤー達とランダムマッチングで対戦をしたり、任意の相手と連戦をしたり、チャットでコミュニケーションを取ることが可能。 ((ざっくり例えると、ブレイブルーやP4U等におけるロビーマッチのようなもの。グローバルコロッセオは流石にあれらよりは各種利便性で劣るが、SC5の発売日はアークゲーにロビーが初搭載されたBBCPの1年8ヶ月前である事を考えると、十分に便利なモードだったと言える)) -キャラクタークリエイションの設定可能項目がさらに広がり、より凝ったキャラクターを作れるようになった。 --パーツごとにカラーだけでなく柄物テクスチャを設定したり、拡大縮小や回転可能なステッカーを任意の位置に貼ったり、サイズ調整・変形可能なEXパーツを好きな座標に置いたり等々。 --キャラクリについて調べてみれば、本作でどのようなキャラクターが作られたか、その完成度や発想の広さに驚愕することであろう。 -IVからの使い回しと思われる部分も多いが、グラフィックやBGMなどの映像面でも水準以上のクオリティを保っている。 --本作のBGMはバンナム内製ではなく、CIAという音楽制作集団が担当。海外のコンポーザーが多く参加しているため従来に比べて重厚なBGMが多いが、中には『聖剣伝説2』の菊田裕樹も参加している。 **賛否両論点 -世代交代によるキャラの入れ替えなどについては賛否両論。 --世代交代により元キャラと入れ替わる形で新登場したキャラは、元キャラとほとんど変わらないレイシャ(←シャンファ)についても、元キャラから大幅な変化のあったナツ(←タキ)やシバ(←キリク)についても、やはり元キャラの人気が付き纏い好評を得たとは言い難い。 ---なお新主人公のパトロクロスについては、「''よーし、お前は死ね!''」という台詞に象徴される主人公らしからぬ傲慢かつヘタレな個性付け([[この動画>http://www.youtube.com/watch?v=uzRIyLTWOgw]]を参照のこと)がされており、''圧倒的主人公''としてプレイヤーからネタ扱いされている。 ---ちなみにパトロクロスは設定や流派などは母親であるソフィーティアのモノを引き継いでいるが、初の男性剣盾キャラのためか、モーションや性能は新規キャラといって差し支えない。 --また、アイヴィー、マキシ、ラファエル、ティラ、アイオーン(リザードマン)といった続投組14名は17年後という設定にも関わらずその大半が(人外となっている、邪剣の影響、トカゲなので解りづらい、などの理由で)見た目そのままで登場している。実際に17年の年月を感じさせる変化があったのは御剣とジークフリート、ヒルダの3名のみ。 --吉光やナイトメア、アスタロスは代替わりしたが外見も声も口調も性格も先代と大差ない((ナイトメアは狡猾になっているが)) ---この中途半端さから、本当に世代交代させる意味があったのかという声も見られる。 --ソフィーティア(と一部カサンドラ)の技を受け継いだヒロインのピュラは、設定やストーリーでなよなよとした気弱な少女として描かれていて、モーションにもその影響が見える。 ---クリエーションで流派を設定すると''なよなよした気弱な少女の動き''までトレースしてしまうため、ソフィーティアやカサンドラのような凛とした女剣士(例えば[[ワルキューレ>ワルキューレの伝説]]等)を作ろうとするとかなり違和感が生じる。 ---カサンドラをベースにした別キャラとして「ピュラΩ」というキャラもいるが、こちらは設定上''性格・モーションが凶暴化している''ので、こちらもクリエーションで使おうとすると本来のピュラ以上に極端なキャラ付けになってしまいがちである。((ただ例えば、ヴォルド流派などは男女問わず非常に極端かつアクの強いモーションとなってしまうし、ソフィーティアやカサンドラが居たSC4においても、男性キャラでキャラクリするとソフィー流派なら俗に言う幸せ投げ、カサンドラ流派ならヒップアタックなど、違和感もしくは極端(変態的)なキャラ付けを強いられるモーションも含まれてしまうので、後述のシバの件も含め、こうした違和感は避けられないもしくはどこかで割り切るしかない点なのかもしれない)) ---同じく今作からの新キャラであるシバ((野生児という設定なので猿のようなモーションで動く))などもそうだが、モーション自体にキャラの性格を大きく反映させている事はキャラの個性付けとしては優れているのだが、SC3以降クリエーションモードにも力を入れておりオリジナルキャラを作れるこのシリーズにおいては一長一短と言えるだろう。 //ピュラについてはかなり個人的意見を含むので、不必要だと思ったらCOお願いします。 --また、世代交代ということで参戦が期待されていたロックの息子バングーが未登場なのも一部ファンを落胆させた。 -新キャラクターのツヴァイとヴィオラについて --過去にもアイヴィーの蛇腹剣といったファンタジー要素はあったものの、基本的には剣戟格闘として武器を振り回して戦うゲームとして見られていた本シリーズだが、本作の新キャラであるこの二人については武器がそれぞれ「''狼型の幻体''」「''魔法''(のような力)''で動かしている水晶玉''」と明らかに武器格闘からかけ離れている戦闘スタイル((補足すると、主として使う武器は刃物である。ツヴァイはトンファー的に扱うやや独特な形状の剣を、ヴィオラは鉤爪を使用。))だったことから、武器格闘としてのソウルキャリバーを好んでいたプレイヤーから批判が相次いだ。 ---IVでもアルゴルという飛び道具を発射するキャラクターが登場しており、こちらもすこぶる不評だった((流石に今作では、前作での強烈すぎたSTG性能・逃げ性能などはかなり落ち着いているが…))にも関わらず、本作に登場している。 --さらにヴィオラに関しては性能面でも不評な面が強い。 ---水晶玉を所持している時と手放している時とで二つのモードがあり、この二つのモードを使い分けるテクニカルキャラ…と思われていたが、実際は常に手放している状態が望ましく、また接近戦での本体と水晶玉の波状攻撃による一方的な攻め、そこから高リターンの技で相手を崩してからのコンボなどが非常に強いという超接近戦仕様のキャラとなっている。 ---水晶玉を交えたコンボは空中制御が不可能であり基本連続技で十数ヒットは普通にするというソウルキャリバーらしからぬコンボゲーぶり。研究によりさらにコンボダメージは高くなり、ワンチャンスから大きなダメージを奪っていく。((ただし、水晶玉を飛ばしての遠距離攻撃も可能ではあるがやはり接近戦主体のキャラであることや、ソウルキャリバーは8WAYRUNにより間合いや位置の調整がしやすいこと、武器格闘対戦であるがゆえに3D格ゲーにしてはリーチの差が激しいこと等から、特に長い武器を持っているキャラ相手にはいくらか不利になったりもする。それらを踏まえても強力なキャラの一人ではあるのだが)) ---なお、もう一方のツヴァイについてはキャラランクで最弱候補の一人とも言われている。技が全体的にリーチが短く、発生も遅めで、技後硬直も大きいためガードされると反撃確定な技が多く、幻体を絡めた一部のコンボやゲージを消費するコンボ以外では火力も低め、さらに移動速度も遅めという五重苦。ついでに言えば差し合いで重要な長くて速めの中段横斬り技もほぼ無い。攻めた場合も崩しに向いた優秀な中下段技がほとんど無く、リスクの大きな絡め手を使わなければ相手を崩せないという点が痛い。幻体との同時・波状攻撃が可能ゆえにほとんどの技に何かしら大きな穴がある…という一見バランスの取れた性能が仇となった。((しかし後にプレイヤーの研究によって、幻体を設置してからの見えづらい中下択起き攻めで一気に大ダメージを奪う事が可能な起き攻めワンチャンキャラになったりもしている。ソウルキャリバーは起き攻めへの対策として、しばらくダウンしたまま=寝っぱなしで被ダメージを最小に抑えるというのがセオリーの一つなのだが、この幻体起き攻めは中下択だけでなく寝っぱ狩り択からコンボに行く事すら可能なので爆発力は高い。それでも差し合いの弱さはどうにもならないが…)) -IIIをはじめ充実していた一人用モードのボリュームが少ないのを問題とする声も多い。 --本作の開発期間は非常に短かったらしく、リソースを対戦部分に割いた結果であると開発者は話している。それは対戦格闘ゲームとして正しい選択であると言えるし、それによって本作は対戦部分において高い評価を得ているため、この点を一概に問題点と断ずることはできないだろう。 --本作の一人用モードとしては、ストーリーモードと純粋にCPUと戦うだけのモードがいくつかあるのみ(アーケードモード、『Broken Destiny』と同様のクイックマッチ、レジェンダリーソウルズという高難易度モード)。 -技モーションやレスポンスがオンラインを前提に遅延を吸収する様に調整されている。これ自体はオン対戦((特に確定反撃を狙う時など))では評価出来る点だが、結果的にもっさりと言われる。オン対戦しない人にはこの様な調整は邪魔でしかない。 **問題点 -日本の定価が過去最高の値段設定になっている。 --それだけならまだいいのだが、先行販売された北米の定価が19.99$と半額以下どころではない格差。発売当時は円高最高潮だった。そのおかげか、北米での評価はそこまで悪くない。 --なおどちらも日本語環境では日本語で、英語環境では英語で動作する。つまり全く同じものを3~4倍で売られていたわけで…北米版は後にDL版が半額セールされたり(PS+加入で4分の1の5ドル)、価格格差がすさまじい。 -ストーリーモードの圧倒的ボリューム不足。 --IIIやIVのように各キャラごとにストーリーがあるといったものではなく、20回ほど決められたキャラで対戦したらストーリーモードの全てが終わってしまう。さらに主人公のパトロクロスとヒロインのピュラ(ソフィーティアの子供である姉弟)+αのみを重視して描写されており、多くの新キャラや過去キャラはちょい役である。御剣やセルバンテスなど登場''さえ''しないキャラも何人かいる。((パトロとピュラ、キャラ二人分のストーリーモードとして見れば、フルボイスのテキスト量やストーリーの長さなど、過去作のストーリーモード一人辺りよりボリュームは格段に多い。が、例えばSC4ではキャラは約30人居てそれぞれにストーリーモードがあったことを考えると、やはりストーリーのボリュームの総量が大きく減ってしまったのは事実)) --演出的にも、要所ではきちんとしたムービーが入るが、殆どの場面では手抜きと疑われるようなデッサン風かつ殆どがモノクロ・ラフ気味のイラストによる紙芝居となっており、十分な力が入っているとは言いがたい。 --ストーリー自体は、少々駆け足気味な部分もありつつも、主人公である姉弟の物語に限れば起承転結はしっかり作られている。だが謎や伏線が張られたまま未回収のままとされた部分も多い。((特に新キャラ。ツヴァイとナイトメアの因縁は何だったのか、エイミは何故ヴィオラという名と姿になったのか等。シバやレイシャの過去も作中では特に説明されず、ツヴァイに破れたナイトメアがその後どうなったか不明等々、曖昧な部分はとても多い)) //この状況で個別エンディングがないのは問題点にならないかな?今まではちゃんとあって作品によってはマルチエンドまであったんだし #region(ストーリーについてのおおまかなあらすじと難点や問題点。ネタバレ注意) パトロクロスは前作までに登場したソフィーティアの子供であり、ソウルエッジとの因縁により家族を引き裂かれた過去を持つ。母を殺し姉を攫ったイヴィルを人一倍憎みつつ、生き別れの姉であるピュラを探しているという設定なのだが… -邪剣に侵された人間──イヴィルは悪と断ずる、という所までは良いとしても、ストーリーの最序盤で『少しでも怪しいと思った相手に「お前はイヴィルだな?」と因縁をつけ、正義の名の下に無実の人間を一方的に虐殺する』という、プレイヤーに最悪の第一印象を与えた。 --その虐殺、イヴィル狩りはよりによってソウルエッジの分身であるナイトメアに騙されて行ったもの。ただ今作のナイトメアはデュマという人物になりきり、ローマ皇帝に取り入って伯爵位を得て正式にハンガリーを支配する立場となり、イヴィル狩りという名目で部下を派遣し虐殺させて魂を集めるという方法を採っている。パトロクロスが騙されてしまうのもある程度は仕方ないと言えよう。((過去作の物語上で大暴れしたナイトメアらしからぬ迂遠な策略だが、これは今作のナイトメアはラファエルを宿主としている(過去作でもジークフリートを宿主としていた時、ジークの人格は多少残り行動に影響していた)為。元々貴族の当主だったラファエルはこういった陰謀や搦め手に長けているのだろう)) --ピュラの方も無実の人間を殺害するようソウルエッジの眷族であるティラに仕向けられている。ただパトロとは異なり『ティラが暗躍し騒動を起こし、兵士などがピュラを疑い襲いかかってくるという状況を作り出し、ピュラは自衛のために止む無く相手を殺す』という形。しかし赦しを請いながらも多くの人を殺し罪を犯していく姿に不快感を催したプレイヤーも少なくはない。((ピュラが過剰に気弱で自虐的かつティラに依存しているのは、幼少時にティラに誘拐されたあと孤児として放り出されあちこちを転々としていく間に、数少ない友人や養父母などをティラが次々と暗殺していき(あの娘に関わると謎の死を遂げる…と噂されるようになり、ピュラの孤独と絶望は強まる)、最終的には奴隷の身にまで堕ちたピュラを侍女として雇いつつ求婚までしてくれた貴族の御曹司をも"ピュラが容疑者として疑われる状況で惨殺する"という、非常に残忍かつ陰湿な人格矯正を受け続けていたため。当然ピュラは投獄されるのだが、ここまでした上でピュラの前に初めて姿を現し「私だけは貴女の味方だ」とうそぶき、ストーリーモードで描かれたような状況を作り出し「貴女は悪くない、殺さなきゃ殺されるよ」と殺人をそそのかす…。こういう過去が分かれば、プレイヤーもピュラの性格や行動に納得したり同情しやすいと思うのだが、後述するパトロの過去も含め、残念ながらその辺の背景はゲーム中では説明されない)) ---不本意にせよ過ちを犯してしまい、その後贖罪を誓う…というのはジークフリートやキリクといった過去の主人公に共通する点であり((ジークフリートに至っては、ソウルエッジに支配される前の時点で「退屈しのぎで盗賊団を作り略奪を繰り返した挙げ句に、敗戦から帰還する騎士の隊列に襲いかかり、騎士達の一人である父親を(顔が判別しづらい闇夜だったとはいえ)自らの手で殺してしまう」というかなり強烈な過ちを犯している))、本作もそれに則っていると言える。なお、この姉弟には1作目のオマージュと言えるような掛け合いが用意されている。 --ストーリーが進むとパトロは姉であるピュラと再会するが、ピュラが邪剣の影響によりイヴィル化((目は赤黒くなり右腕は異形化するというショッキングな姿に))してしまうが、そんなピュラを受け入れられず置き去りにして逃亡。これが原因で更なる惨劇を引き起こすことに。 -そんな圧倒的ヘタレぶり((ただ、彼の人生においてイヴィルとは自分の家族を滅茶苦茶にした邪悪な存在そのものなので、最愛の姉がそのイヴィルになっていたと突然判明したら激しく混乱するのは仕方なくはある。とはいえ姉の「私達、家族だよね?」という懇願に対し、剣を突き付けてまで拒み逃げ出すのはかなり情けないものだったが…))から、ツヴァイからの説得もあって立ち直るため心を入れ替え、別人のように出来た人間になるのだが、その際「自分の本来得意とする剣術」として突然前作の雪華と酷似した動きの抜刀術使いになる。 --資料集や小説版にてその経緯が説明されている。ちなみに前作から本作にかけてゲーム中では描かれなかったソフィーティアの結末やアレクサンドル一家の経緯についても資料集や小説版で補完されている。こうなった理由は単にストーリーモードにかける時間が無かったためと思われる。 -その後、弟に拒否された絶望から新たなソウルエッジの使い手として覚醒してしまったピュラを、ソウルキャリバーに支配・洗脳されたパトロが一度殺してしまう。((これはソウルキャリバーが善であるわけではないという演出のため。本作のストーリー上のラスボスのエリュシオンはソウルキャリバーそのものである))しかしその後、アストラルカオス(心象世界)で「これで良かったのか?」と自問自答したパトロが、キャリバーの支配・封印を破りアストラルカオスから脱出、時を遡ってピュラと再び戦う。最終的には、姉弟それぞれエッジ・キャリバーの支配から脱し、2本の剣を相殺させ破壊して、邪剣に翻弄された人生にピリオドを打ち、今度こそ家族二人で歩みだす──というオチ。 -今作の主人公であるアレクサンドル姉弟は、"ソウルエッジに人生を狂わされた"キャラ((ソウルエッジ抜きに元々人生が悲惨で狂っていたキャラは別。ティラとか))としてはシリーズ歴代でもトップクラスと言っていいほどなのだが((アイヴィーやアイオーンなどもかなり悲惨だが、物心ついた時点で既に人生が狂っていた為にまとも・幸せに過ごせた時期が全く無いのはこの姉弟くらいである。ピュラは特に悲惨))、いかんせんそういった重く悲惨な背景をゲーム中で殆ど見せていないのは致命的である。 --ソウルシリーズは各キャラクターごとに細かく重厚な過去設定があることも特徴や魅力の一つだったのは間違いない。しかし雪華との縁などもそうだが、特にパトロが傲慢で歪んだ性格になってしまった理由である地味に悲惨かつ歪な家庭環境など((アテネ一番の鍛冶師だった父親ロティオンは、邪険破壊の旅に出たソフィーティアとカサンドラが行方不明になりピュラも誘拐された事から、アテネ市民から「誰も守れぬ腰抜け」と陰口を叩かれるようになり、武器職人としては廃業を余儀なくされ工具作りで糊口をしのぐようになる。周囲に嘲笑される苦い生活や妻と娘と義妹を失った自責などから、唯一残された息子であるパトロに過剰な愛情と期待を注ぐようになり(この際ロティオンは段々と美化されていく妻の記憶を繰り返し語っていた為、パトロは母のことを偉大な聖戦士として神格化してしまう。雪華に抜刀術を教わっておきながら剣と盾で戦うことに固執していたのも、ストーリー後半でソウルキャリバー=エリュシオンがソフィーティアの姿形で現れたのもそのせい)、また最愛の娘と孫娘をいっぺんに失った祖母も残った孫であるパトロを溺愛するようになってしまった。そしてパトロが旅に出る5年前には祖母が、2年前には父親がそれぞれ病死している))だけでも、せめてSC4まではあったようなゲーム中のキャラプロフィール確認モードを入れておいてそこで読めるようにしておけば、主人公への悪評も随分減ったのではと思うが…今さら後の祭りである。そういう部分をゲーム内で見せられなかったのはストーリー上の大きな難点と言えるだろう。 //改心してからもあっさりとエリュシオンに洗脳されて「一片の悔いもなかった」→洗脳が解けてから「これで良かったのか?」という迷走ぶりは多くのプレイヤーをずっこけさせた。 //↑の「改心してからも~ずっこけさせた」に関してですが、過去作においてもソウルエッジやその破片に洗脳されたキャラは多数居ること、SC4でソウルキャリバーはソウルエッジの一部を元にして作られた武器という設定が追加されたこと、長い戦いを経て作中でも高い精神力を持っているであろうジークフリートさえSC5のOPムービーで一時的にソウルキャリバーに支配される演出があったこと等を考えると、一旦洗脳された事や解けたあとの苦悩は別におかしくないと思います。そもそも姉を救いたいと願っていただけなのにそれを歪められ洗脳されて結果として一度ピュラを殺してしまったわけですから、パトロが疑問を感じるのは当然かと。というわけで一旦COします。 #endregion -IVまでに登場した一部キャラの代替キャラがいない。 --該当キャラはソン・ミナ、ロック、タリム、ユンスン、ザサラメール、エイミの6名。 --特に問題とされたのはタリムとザサラメールの性能を受け継いだキャラがいないこと。 ---既存キャラのコンパチキャラであるソン・ミナやロックは、似た性能のシバやアスタロスがいるとしても、タリム(叉刃拐)とザサラメール(大鎌)の性能を持つキャラがいないのは疑問視された。 --タリムや同じく代替キャラのいないソンミナ、ロックなどは衣装だけDL販売されているが武器がないので再現できない。 --エイミに関しては、外見や声優からヴィオラに変わったと思われる。 --余談だが、旧作にコンパチキャラとして登場していたファンはクイックマッチの対戦相手としてそれらしき人物がいる…が何故か''デビル仁流派''。その上声にもかなりエフェクトがかかっている。どうしてこうなった!! -そのくせ無駄に3人もいる木人キャラ。 --それぞれ「全キャラの中から毎ラウンドごとに性能が選ばれる」「男キャラの中から(ry」「女キャラの中から(ry」とだからどうしたと言わんばかりの差別化がされており、こんなのを出すくらいなら削除されたキャラを出せという声が相次いだ。 --特筆すべきは男木人キャラのキリク。女木人キャラのエリュシオンと違ってストーリーには一切登場せず、専用技も特定の流派を引いたときにしか使えないため、メリットも薄い。『ソウルキャリバー』の主人公格キャラだったにも関わらず、本作では何のために登場したかさっぱりわからない誰得キャラとなってしまっている。''出せばいいというものではない'' --エリュシオンの方も同じく「特定流派になると仕様が独自のものになる」という仕様があり、ストーリーで敵対するときはこの流派固定になる。そんなややこしい仕様にするのなら最初から差別化して1キャラとして出すべきではないのだろうか? --また、キリクは勿論として、エリュシオンも外見はソフィーティアそのものなので((衣装破壊演出後は仮面が破壊され素顔が露わになる))、モデリングがあるなら木人ではなく普通に使わせてくれという声も少なくなかった。 -大技でKOされた時の衣装破壊演出のON/OFF設定ができない。 --衣装破壊されたキャラは見映えが悪くなる。特にクリエイトキャラで衣装破壊が起こるとほぼ台無しになってしまう。((それを見越してネタを仕込む(衣装破壊後は別のキャラに見えるように作る等)こともできるが、そういう仕込みが可能なキャラクリは限られる上に難しい))一応衣装破壊により下着一丁にされてしまう前作からは改善されているが、これは単に下着に加えてボトムスだけが残る、というだけ。 ---衣装破壊が締まらない、見栄えが悪いという自覚はあるようでメインキャラたちは衣装破壊されてもほとんど見栄えが変わらない。 -すぐに天井に達してしまうランクマッチ。 --A~Eの5段階、さらに各ランクが1~5に細分化され全25段階存在するランクだが、上がり幅に比べて下がり幅が非常に狭いため、段位戦による緊張感が少なく、また高ランクに達してそれっきりでランクマッチをやめてしまうプレイヤーが続出。 //オンライン絡みのトロフィー/実績があるにも関わらずゲストキャラのエツィオは冷遇されている。 //↑これはちょっと具体的に何が冷遇なのかよく分からないのでCOしました。SC4のヨーダみたいに極端な弱キャラというわけでもないし… //相変わらず格ゲーではタブーである死体蹴りへの対処がされていない。悪質プレイヤーは徹底的にやるので注意。 //↑これに関しては改めて考えましたが、別にキャリバーに限らず当時までの他の3D格ゲーでも対処されているものはほぼ無かった事(SC5当時では鉄拳もVFもDOAも死体蹴りバリバリ可能でした。2016年7月に鉄拳7FRで死体蹴りを拒否できるアイテムがやっと実装された程度です)と、当時も今もですが、殆どの3D格ゲーでは以前から「する・されるのが当たり前」とされがちだった事(2D格ゲーではどちらかと言えばタブー視する声の方が強めだったと思いますが)を考慮してCOしました。私自身は2D3D問わず死体蹴りは否定・反対派なので複雑ですが、現状を考慮した結果ということで。これはSC5発売から数年後の話ですが、鉄拳シリーズで有名な原田Pなども「アンケートを取った結果「死体蹴りはあった方が良い」という意見の方が格段に多い(特に海外においては圧倒的に多い)」という旨の発言をしているくらいです…。 **総評 対戦部分に特化しただけあって、基礎システムに若干の変化が生じつつも、良好なゲームバランスに優れた環境面と、対戦ツールとしては優れた作品と言える。対人戦やキャラクリに魅力を感じるプレイヤーであれば、腕や相手次第でかなり楽しむことができるだろう。((実際に、発売年のEVOのメイントーナメントだけでなくサイドトーナメントにも複数回選ばれたり、欧米で何度か世界大会が行われたりもしている。また、問題点の項目にもあったランクマッチの難点を憂いた国内の有志が、『段位戦』という明確なルールを制定した非公式オンラインマッチを専用サイトまで作り3年間に渡って運営したりもした))~ 一方で『ソウルキャリバー』というタイトルとしては、初期から登場する人気キャラの削除や一人用のボリュームといったシリーズの魅力・長所を削ぎ落としてしまったことに批判は集中し、本作を評価しないプレイヤーも数多い。~ このシリーズはソウルエッジの時代からキャリバー3に至るまで、家庭用は名作と評価され大きな売り上げを出しつつもアーケードの対戦は常に閑古鳥が泣いていた歴史を持つ。~ 対戦を重視しない一人用を楽しむ客層、他の格闘ゲームの複雑さから逃れてきた層((これに関しては、キャリバーは3D格ゲーにありがちな『技数が過剰なまでに多い』という難点もずっと抱えていたので、技数を大幅に減らした今作はそういう層に配慮していないわけではない))に支えられてきた側面があり、そこを見誤った感が拭えないところである。 ----
*ソウルキャリバーV 【そうるきゃりばーふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B006GZOMBQ)|&amazon(B006GKQ5Z2)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|~| |発売日|2012年2月2日|~|~| |定価|8,380円|~|~| |判定|BGCOLOR(khaki):黒歴史|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソウルキャリバーシリーズリンク>ソウルシリーズ]]''| **概要 『ソウルキャリバー』シリーズナンバリング第5作。世界観をIVの17年後に移し、システム・キャラクターなどに大きく変更を加えている。~ ゲストキャラクターとして『Assassin's Creed』シリーズのエツィオ・アウディトーレ(本作では『ブラザーフッド』準拠の見た目)、ゲスト流派として[[鉄拳シリーズ]]からデビル仁流派が登場している。(デビル仁本人は未登場。) **ゲームシステム 縦斬り・横斬りと8Way-RUNといったシリーズの骨子となる操作システムはそのままだが、本作では2D格ゲー的なパワーゲージである''クリティカルゲージ''が追加され、新たな駆け引きの要となっている。以下は新システムについて記述。 -ブレイブエッジ --各キャラごとに決められた技を出した時にA+B+Kと追加入力することで、追加攻撃を出したり技を強化したりできる。クリティカルゲージを0.5本消費する。 -クリティカルエッジ --全キャラ共通のコマンド(236236A+B+K。波動コマンド二回)で出せる超必殺技。各キャラによって投げ属性だったりガードインパクト属性があったり性能は異なるが、全体的に発生は早めで威力も高い。モーション途中から無敵が付いてるものも多く、俗に言う「ぶっぱなし」も可能。((とはいえ当然、適当に出せばゲージを無駄にしたりガード・空振り後に反撃を受けたりもするが))クリティカルゲージを1本消費する。 -ガードインパクト --レバーを後ろ側に倒してA+B+Kと押すと、相手の打撃を弾いて隙を作り出すことができる。過去のシリーズにあった同名のシステムと比べ、上中下段全ての攻撃を弾くことができるため強力だが、クリティカルゲージを0.5本消費するため多用は出来ない。また、ガードインパクトを受けてもゲージがあればガードインパクト返しも従来通り可能。 -ジャストガード --攻撃を防ぐ瞬間にタイミングよくガードボタンを一瞬押して''離す''ことにより、ガード硬直を軽減させることができる。全体的にビギナー向けにシステムが作られている本作だが、このジャストガードは上級者のやりこみに応えるためのシステム。従来のガードインパクト(弾き・捌き)は今作からゲージ消費行動になってしまい頻繁に使うことは出来なくなってしまったが、それらの代わりとも言える新たな防御行動。 -ガードバースト --ガードし続けていると強制的にガードが解けて隙を晒してしまう、いわゆるガードクラッシュ。ガードバーストを起こした後は大きな硬直時間が生じ、さらに硬直中はカウンターヒット扱いとなりカウンター始動の高威力連続技が入るため、ガードバーストのリスクは大きく、ガード後の確反だけでなく相手の攻撃をスカすのがより重要となった。 --内部的には各技ごとにガードバースト値が設定され、限界まで達するとバーストが起こるが、画面上では体力周囲が黄→赤と色が変わって警告してくる。 **評価点 -対戦ゲームとしての出来映えは良好。 --調整のコンセプトとして「これをやってれば勝てる」というものがあるようで、ブレイブエッジなどを始めとした強力な技で攻めを仕掛けていけば格上が相手でも勢いで勝ちやすいように作られている。その一方で、ジャストガードなどを含めればそれら強力な技にも対処は可能なため、腕の差の影響が特別薄いわけではない。キャラ性能はよく調整されており、明らかに壊れている技やバランスを崩しているキャラクターは少ない。 --IVに比べて全キャラとも技数が大きく減少しているなど、初級者やシリーズ非経験者に配慮した部分も見られる。また、根性値補正が大きかったり、2本取られるとクリティカルゲージが与えられたりと逆転要素も強め。 --トレーニングモードもそれぞれのキャラの複数の主要技の説明(立ち会い方、その技の特徴、欠点などまで)や、基礎的なコンボの紹介、オンライン対戦時を想定した入力ラグのon/off、CPUの行動をコマンド記録し複数パターンをランダム再生する事も可能など、かなり親切な作りになっている。 -ネット対戦の出来(そのもの)についても評価は高い。ラグの酷かったIVと比べてオンライン対戦でも違和感なく操作することができる。 --ランクマッチ・プレイヤーマッチに加え、グローバルコロッセオという多人数対戦用モードもある。各国・各地域ごとに数十人用の部屋が複数あり、各部屋に入って室内のプレイヤー達とランダムマッチングで対戦をしたり、任意の相手と連戦をしたり、チャットでコミュニケーションを取ることが可能。 ((ざっくり例えると、ブレイブルーやP4U等におけるロビーマッチのようなもの。グローバルコロッセオは流石にあれらよりは各種利便性で劣るが、SC5の発売日はアークゲーにロビーが初搭載されたBBCPの1年8ヶ月前である事を考えると、十分に便利なモードだったと言える)) -キャラクタークリエイションの設定可能項目がさらに広がり、より凝ったキャラクターを作れるようになった。 --パーツごとにカラーだけでなく柄物テクスチャを設定したり、拡大縮小や回転可能なステッカーを任意の位置に貼ったり、サイズ調整・変形可能なEXパーツを好きな座標に置いたり等々。 --キャラクリについて調べてみれば、本作でどのようなキャラクターが作られたか、その完成度や発想の広さに驚愕することであろう。 -IVからの使い回しと思われる部分も多いが、グラフィックやBGMなどの映像面でも水準以上のクオリティを保っている。 --本作のBGMはバンナム内製ではなく、CIAという音楽制作集団が担当。海外のコンポーザーが多く参加しているため従来に比べて重厚なBGMが多いが、中には『聖剣伝説2』の菊田裕樹も参加している。 **賛否両論点 -世代交代によるキャラの入れ替えなどについては賛否両論。 --世代交代により元キャラと入れ替わる形で新登場したキャラは、元キャラとほとんど変わらないレイシャ(←シャンファ)についても、元キャラから大幅な変化のあったナツ(←タキ)やシバ(←キリク)についても、やはり元キャラの人気が付き纏い好評を得たとは言い難い。 ---なお新主人公のパトロクロスについては、「''よーし、お前は死ね!''」という台詞に象徴される主人公らしからぬ傲慢かつヘタレな個性付け([[この動画>http://www.youtube.com/watch?v=uzRIyLTWOgw]]を参照のこと)がされており、''圧倒的主人公''としてプレイヤーからネタ扱いされている。 ---ちなみにパトロクロスは設定や流派などは母親であるソフィーティアのモノを引き継いでいるが、初の男性剣盾キャラのためか、モーションや性能は新規キャラといって差し支えない。 --また、アイヴィー、マキシ、ラファエル、ティラ、アイオーン(リザードマン)といった続投組14名は17年後という設定にも関わらずその大半が(人外となっている、邪剣の影響、トカゲなので解りづらい、などの理由で)見た目そのままで登場している。実際に17年の年月を感じさせる変化があったのは御剣とジークフリート、ヒルダの3名のみ。 --吉光やナイトメア、アスタロスは代替わりしたが外見も声も口調も性格も先代と大差ない((ナイトメアは狡猾になっているが)) ---この中途半端さから、本当に世代交代させる意味があったのかという声も見られる。 --ソフィーティア(と一部カサンドラ)の技を受け継いだヒロインのピュラは、設定やストーリーでなよなよとした気弱な少女として描かれていて、モーションにもその影響が見える。 ---クリエーションで流派を設定すると''なよなよした気弱な少女の動き''までトレースしてしまうため、ソフィーティアやカサンドラのような凛とした女剣士(例えば[[ワルキューレ>ワルキューレの伝説]]等)を作ろうとするとかなり違和感が生じる。 ---カサンドラをベースにした別キャラとして「ピュラΩ」というキャラもいるが、こちらは設定上''性格・モーションが凶暴化している''ので、こちらもクリエーションで使おうとすると本来のピュラ以上に極端なキャラ付けになってしまいがちである。((ただ例えば、ヴォルド流派などは男女問わず非常に極端かつアクの強いモーションとなってしまうし、ソフィーティアやカサンドラが居たSC4においても、男性キャラでキャラクリするとソフィー流派なら俗に言う幸せ投げ、カサンドラ流派ならヒップアタックなど、違和感もしくは極端(変態的)なキャラ付けを強いられるモーションも含まれてしまうので、後述のシバの件も含め、こうした違和感は避けられないもしくはどこかで割り切るしかない点なのかもしれない)) ---同じく今作からの新キャラであるシバ((野生児という設定なので猿のようなモーションで動く))などもそうだが、モーション自体にキャラの性格を大きく反映させている事はキャラの個性付けとしては優れているのだが、SC3以降クリエーションモードにも力を入れておりオリジナルキャラを作れるこのシリーズにおいては一長一短と言えるだろう。 //ピュラについてはかなり個人的意見を含むので、不必要だと思ったらCOお願いします。 --また、世代交代ということで参戦が期待されていたロックの息子バングーが未登場なのも一部ファンを落胆させた。 -新キャラクターのツヴァイとヴィオラについて --過去にもアイヴィーの蛇腹剣といったファンタジー要素はあったものの、基本的には剣戟格闘として武器を振り回して戦うゲームとして見られていた本シリーズだが、本作の新キャラであるこの二人については武器がそれぞれ「''狼型の幻体''」「''魔法''(のような力)''で動かしている水晶玉''」と明らかに武器格闘からかけ離れている戦闘スタイル((補足すると、主として使う武器は刃物である。ツヴァイはトンファー的に扱うやや独特な形状の剣を、ヴィオラは鉤爪を使用。))だったことから、武器格闘としてのソウルキャリバーを好んでいたプレイヤーから批判が相次いだ。 ---IVでもアルゴルという飛び道具を発射するキャラクターが登場しており、こちらもすこぶる不評だった((流石に今作では、前作での強烈すぎたSTG性能・逃げ性能などはかなり落ち着いているが…))にも関わらず、本作に登場している。 --さらにヴィオラに関しては性能面でも不評な面が強い。 ---水晶玉を所持している時と手放している時とで二つのモードがあり、この二つのモードを使い分けるテクニカルキャラ…と思われていたが、実際は常に手放している状態が望ましく、また接近戦での本体と水晶玉の波状攻撃による一方的な攻め、そこから高リターンの技で相手を崩してからのコンボなどが非常に強いという超接近戦仕様のキャラとなっている。 ---水晶玉を交えたコンボは空中制御が不可能であり基本連続技で十数ヒットは普通にするというソウルキャリバーらしからぬコンボゲーぶり。研究によりさらにコンボダメージは高くなり、ワンチャンスから大きなダメージを奪っていく。((ただし、水晶玉を飛ばしての遠距離攻撃も可能ではあるがやはり接近戦主体のキャラであることや、ソウルキャリバーは8WAYRUNにより間合いや位置の調整がしやすいこと、武器格闘対戦であるがゆえに3D格ゲーにしてはリーチの差が激しいこと等から、特に長い武器を持っているキャラ相手にはいくらか不利になったりもする。それらを踏まえても強力なキャラの一人ではあるのだが)) ---なお、もう一方のツヴァイについてはキャラランクで最弱候補の一人とも言われている。技が全体的にリーチが短く、発生も遅めで、技後硬直も大きいためガードされると反撃確定な技が多く、幻体を絡めた一部のコンボやゲージを消費するコンボ以外では火力も低め、さらに移動速度も遅めという五重苦。ついでに言えば差し合いで重要な長くて速めの中段横斬り技もほぼ無い。攻めた場合も崩しに向いた優秀な中下段技がほとんど無く、リスクの大きな絡め手を使わなければ相手を崩せないという点が痛い。幻体との同時・波状攻撃が可能ゆえにほとんどの技に何かしら大きな穴がある…という一見バランスの取れた性能が仇となった。((しかし後にプレイヤーの研究によって、幻体を設置してからの見えづらい中下択起き攻めで一気に大ダメージを奪う事が可能な起き攻めワンチャンキャラになったりもしている。ソウルキャリバーは起き攻めへの対策として、しばらくダウンしたまま=寝っぱなしで被ダメージを最小に抑えるというのがセオリーの一つなのだが、この幻体起き攻めは中下択だけでなく寝っぱ狩り択からコンボに行く事すら可能なので爆発力は高い。それでも差し合いの弱さはどうにもならないが…)) -IIIをはじめ充実していた一人用モードのボリュームが少ないのを問題とする声も多い。 --本作の開発期間は非常に短かったらしく、リソースを対戦部分に割いた結果であると開発者は話している。それは対戦格闘ゲームとして正しい選択であると言えるし、それによって本作は対戦部分において高い評価を得ているため、この点を一概に問題点と断ずることはできないだろう。 --本作の一人用モードとしては、ストーリーモードと純粋にCPUと戦うだけのモードがいくつかあるのみ(アーケードモード、『Broken Destiny』と同様のクイックマッチ、レジェンダリーソウルズという高難易度モード)。 -技モーションやレスポンスがオンラインを前提に遅延を吸収する様に調整されている。これ自体はオン対戦((特に確定反撃を狙う時など))では評価出来る点だが、結果的にもっさりと言われる。オン対戦しない人にはこの様な調整は邪魔でしかない。 **問題点 -日本の定価が過去最高の値段設定になっている。 --それだけならまだいいのだが、先行販売された北米の定価が19.99$と半額以下どころではない格差。発売当時は円高最高潮だった。そのおかげか、北米での評価はそこまで悪くない。 --なおどちらも日本語環境では日本語で、英語環境では英語で動作する。つまり全く同じものを3~4倍で売られていたわけで…北米版は後にDL版が半額セールされたり(PS+加入で4分の1の5ドル)、価格格差がすさまじい。 -ストーリーモードの圧倒的ボリューム不足。 --IIIやIVのように各キャラごとにストーリーがあるといったものではなく、20回ほど決められたキャラで対戦したらストーリーモードの全てが終わってしまう。さらに主人公のパトロクロスとヒロインのピュラ(ソフィーティアの子供である姉弟)+αのみを重視して描写されており、多くの新キャラや過去キャラはちょい役である。御剣やセルバンテスなど登場''さえ''しないキャラも何人かいる。((パトロとピュラ、キャラ二人分のストーリーモードとして見れば、フルボイスのテキスト量やストーリーの長さなど、過去作のストーリーモード一人辺りよりボリュームは格段に多い。が、例えばSC4ではキャラは約30人居てそれぞれにストーリーモードがあったことを考えると、やはりストーリーのボリュームの総量が大きく減ってしまったのは事実)) --演出的にも、要所ではきちんとしたムービーが入るが、殆どの場面では手抜きと疑われるようなデッサン風かつ殆どがモノクロ・ラフ気味のイラストによる紙芝居となっており、十分な力が入っているとは言いがたい。 --ストーリー自体は、少々駆け足気味な部分もありつつも、主人公である姉弟の物語に限れば起承転結はしっかり作られている。だが謎や伏線が張られたまま未回収のままとされた部分も多い。((特に新キャラ。ツヴァイとナイトメアの因縁は何だったのか、エイミは何故ヴィオラという名と姿になったのか等。シバやレイシャの過去も作中では特に説明されず、ツヴァイに敗れたナイトメアがその後どうなったか不明等々、曖昧な部分はとても多い)) //この状況で個別エンディングがないのは問題点にならないかな?今まではちゃんとあって作品によってはマルチエンドまであったんだし #region(ストーリーについてのおおまかなあらすじと難点や問題点。ネタバレ注意) パトロクロスは前作までに登場したソフィーティアの子供であり、ソウルエッジとの因縁により家族を引き裂かれた過去を持つ。母を殺し姉を攫ったイヴィルを人一倍憎みつつ、生き別れの姉であるピュラを探しているという設定なのだが… -邪剣に侵された人間──イヴィルは悪と断ずる、という所までは良いとしても、ストーリーの最序盤で『少しでも怪しいと思った相手に「お前はイヴィルだな?」と因縁をつけ、正義の名の下に無実の人間を一方的に虐殺する』という、プレイヤーに最悪の第一印象を与えた。 --その虐殺、イヴィル狩りはよりによってソウルエッジの分身であるナイトメアに騙されて行ったもの。ただ今作のナイトメアはデュマという人物になりきり、ローマ皇帝に取り入って伯爵位を得て正式にハンガリーを支配する立場となり、イヴィル狩りという名目で部下を派遣し虐殺させて魂を集めるという方法を採っている。パトロクロスが騙されてしまうのもある程度は仕方ないと言えよう。((過去作の物語上で大暴れしたナイトメアらしからぬ迂遠な策略だが、これは今作のナイトメアはラファエルを宿主としている(過去作でもジークフリートを宿主としていた時、ジークの人格は多少残り行動に影響していた)為。元々貴族の当主だったラファエルはこういった陰謀や搦め手に長けているのだろう)) --ピュラの方も無実の人間を殺害するようソウルエッジの眷族であるティラに仕向けられている。ただパトロとは異なり『ティラが暗躍し騒動を起こし、兵士などがピュラを疑い襲いかかってくるという状況を作り出し、ピュラは自衛のために止む無く相手を殺す』という形。しかし赦しを請いながらも多くの人を殺し罪を犯していく姿に不快感を催したプレイヤーも少なくはない。((ピュラが過剰に気弱で自虐的かつティラに依存しているのは、幼少時にティラに誘拐されたあと孤児として放り出されあちこちを転々としていく間に、数少ない友人や養父母などをティラが次々と暗殺していき(あの娘に関わると謎の死を遂げる…と噂されるようになり、ピュラの孤独と絶望は強まる)、最終的には奴隷の身にまで堕ちたピュラを侍女として雇いつつ求婚までしてくれた貴族の御曹司をも"ピュラが容疑者として疑われる状況で惨殺する"という、非常に残忍かつ陰湿な人格矯正を受け続けていたため。当然ピュラは投獄されるのだが、ここまでした上でピュラの前に初めて姿を現し「私だけは貴女の味方だ」とうそぶき、ストーリーモードで描かれたような状況を作り出し「貴女は悪くない、殺さなきゃ殺されるよ」と殺人をそそのかす…。こういう過去が分かれば、プレイヤーもピュラの性格や行動に納得したり同情しやすいと思うのだが、後述するパトロの過去も含め、残念ながらその辺の背景はゲーム中では説明されない)) ---不本意にせよ過ちを犯してしまい、その後贖罪を誓う…というのはジークフリートやキリクといった過去の主人公に共通する点であり((ジークフリートに至っては、ソウルエッジに支配される前の時点で「退屈しのぎで盗賊団を作り略奪を繰り返した挙げ句に、敗戦から帰還する騎士の隊列に襲いかかり、騎士達の一人である父親を(顔が判別しづらい闇夜だったとはいえ)自らの手で殺してしまう」というかなり強烈な過ちを犯している))、本作もそれに則っていると言える。なお、この姉弟には1作目のオマージュと言えるような掛け合いが用意されている。 --ストーリーが進むとパトロは姉であるピュラと再会するが、ピュラが邪剣の影響によりイヴィル化((目は赤黒くなり右腕は異形化するというショッキングな姿に))してしまうが、そんなピュラを受け入れられず置き去りにして逃亡。これが原因で更なる惨劇を引き起こすことに。 -そんな圧倒的ヘタレぶり((ただ、彼の人生においてイヴィルとは自分の家族を滅茶苦茶にした邪悪な存在そのものなので、最愛の姉がそのイヴィルになっていたと突然判明したら激しく混乱するのは仕方なくはある。とはいえ姉の「私達、家族だよね?」という懇願に対し、剣を突き付けてまで拒み逃げ出すのはかなり情けないものだったが…))から、ツヴァイからの説得もあって立ち直るため心を入れ替え、別人のように出来た人間になるのだが、その際「自分の本来得意とする剣術」として突然前作の雪華と酷似した動きの抜刀術使いになる。 --資料集や小説版にてその経緯が説明されている。ちなみに前作から本作にかけてゲーム中では描かれなかったソフィーティアの結末やアレクサンドル一家の経緯についても資料集や小説版で補完されている。こうなった理由は単にストーリーモードにかける時間が無かったためと思われる。 -その後、弟に拒否された絶望から新たなソウルエッジの使い手として覚醒してしまったピュラを、ソウルキャリバーに支配・洗脳されたパトロが一度殺してしまう。((これはソウルキャリバーが善であるわけではないという演出のため。本作のストーリー上のラスボスのエリュシオンはソウルキャリバーそのものである))しかしその後、アストラルカオス(心象世界)で「これで良かったのか?」と自問自答したパトロが、キャリバーの支配・封印を破りアストラルカオスから脱出、時を遡ってピュラと再び戦う。最終的には、姉弟それぞれエッジ・キャリバーの支配から脱し、2本の剣を相殺させ破壊して、邪剣に翻弄された人生にピリオドを打ち、今度こそ家族二人で歩みだす──というオチ。 -今作の主人公であるアレクサンドル姉弟は、"ソウルエッジに人生を狂わされた"キャラ((ソウルエッジ抜きに元々人生が悲惨で狂っていたキャラは別。ティラとか))としてはシリーズ歴代でもトップクラスと言っていいほどなのだが((アイヴィーやアイオーンなどもかなり悲惨だが、物心ついた時点で既に人生が狂っていた為にまとも・幸せに過ごせた時期が全く無いのはこの姉弟くらいである。ピュラは特に悲惨))、いかんせんそういった重く悲惨な背景をゲーム中で殆ど見せていないのは致命的である。 --ソウルシリーズは各キャラクターごとに細かく重厚な過去設定があることも特徴や魅力の一つだったのは間違いない。しかし雪華との縁などもそうだが、特にパトロが傲慢で歪んだ性格になってしまった理由である地味に悲惨かつ歪な家庭環境など((アテネ一番の鍛冶師だった父親ロティオンは、邪険破壊の旅に出たソフィーティアとカサンドラが行方不明になりピュラも誘拐された事から、アテネ市民から「誰も守れぬ腰抜け」と陰口を叩かれるようになり、武器職人としては廃業を余儀なくされ工具作りで糊口をしのぐようになる。周囲に嘲笑される苦い生活や妻と娘と義妹を失った自責などから、唯一残された息子であるパトロに過剰な愛情と期待を注ぐようになり(この際ロティオンは段々と美化されていく妻の記憶を繰り返し語っていた為、パトロは母のことを偉大な聖戦士として神格化してしまう。雪華に抜刀術を教わっておきながら剣と盾で戦うことに固執していたのも、ストーリー後半でソウルキャリバー=エリュシオンがソフィーティアの姿形で現れたのもそのせい)、また最愛の娘と孫娘をいっぺんに失った祖母も残った孫であるパトロを溺愛するようになってしまった。そしてパトロが旅に出る5年前には祖母が、2年前には父親がそれぞれ病死している))だけでも、せめてSC4まではあったようなゲーム中のキャラプロフィール確認モードを入れておいてそこで読めるようにしておけば、主人公への悪評も随分減ったのではと思うが…今さら後の祭りである。そういう部分をゲーム内で見せられなかったのはストーリー上の大きな難点と言えるだろう。 //改心してからもあっさりとエリュシオンに洗脳されて「一片の悔いもなかった」→洗脳が解けてから「これで良かったのか?」という迷走ぶりは多くのプレイヤーをずっこけさせた。 //↑の「改心してからも~ずっこけさせた」に関してですが、過去作においてもソウルエッジやその破片に洗脳されたキャラは多数居ること、SC4でソウルキャリバーはソウルエッジの一部を元にして作られた武器という設定が追加されたこと、長い戦いを経て作中でも高い精神力を持っているであろうジークフリートさえSC5のOPムービーで一時的にソウルキャリバーに支配される演出があったこと等を考えると、一旦洗脳された事や解けたあとの苦悩は別におかしくないと思います。そもそも姉を救いたいと願っていただけなのにそれを歪められ洗脳されて結果として一度ピュラを殺してしまったわけですから、パトロが疑問を感じるのは当然かと。というわけで一旦COします。 #endregion -IVまでに登場した一部キャラの代替キャラがいない。 --該当キャラはソン・ミナ、ロック、タリム、ユンスン、ザサラメール、エイミの6名。 --特に問題とされたのはタリムとザサラメールの性能を受け継いだキャラがいないこと。 ---既存キャラのコンパチキャラであるソン・ミナやロックは、似た性能のシバやアスタロスがいるとしても、タリム(叉刃拐)とザサラメール(大鎌)の性能を持つキャラがいないのは疑問視された。 --タリムや同じく代替キャラのいないソンミナ、ロックなどは衣装だけDL販売されているが武器がないので再現できない。 --エイミに関しては、外見や声優からヴィオラに変わったと思われる。 --余談だが、旧作にコンパチキャラとして登場していたファンはクイックマッチの対戦相手としてそれらしき人物がいる…が何故か''デビル仁流派''。その上声にもかなりエフェクトがかかっている。どうしてこうなった!! -そのくせ無駄に3人もいる木人キャラ。 --それぞれ「全キャラの中から毎ラウンドごとに性能が選ばれる」「男キャラの中から(ry」「女キャラの中から(ry」とだからどうしたと言わんばかりの差別化がされており、こんなのを出すくらいなら削除されたキャラを出せという声が相次いだ。 --特筆すべきは男木人キャラのキリク。女木人キャラのエリュシオンと違ってストーリーには一切登場せず、専用技も特定の流派を引いたときにしか使えないため、メリットも薄い。『ソウルキャリバー』の主人公格キャラだったにも関わらず、本作では何のために登場したかさっぱりわからない誰得キャラとなってしまっている。''出せばいいというものではない'' --エリュシオンの方も同じく「特定流派になると仕様が独自のものになる」という仕様があり、ストーリーで敵対するときはこの流派固定になる。そんなややこしい仕様にするのなら最初から差別化して1キャラとして出すべきではないのだろうか? --また、キリクは勿論として、エリュシオンも外見はソフィーティアそのものなので((衣装破壊演出後は仮面が破壊され素顔が露わになる))、モデリングがあるなら木人ではなく普通に使わせてくれという声も少なくなかった。 -大技でKOされた時の衣装破壊演出のON/OFF設定ができない。 --衣装破壊されたキャラは見映えが悪くなる。特にクリエイトキャラで衣装破壊が起こるとほぼ台無しになってしまう。((それを見越してネタを仕込む(衣装破壊後は別のキャラに見えるように作る等)こともできるが、そういう仕込みが可能なキャラクリは限られる上に難しい))一応衣装破壊により下着一丁にされてしまう前作からは改善されているが、これは単に下着に加えてボトムスだけが残る、というだけ。 ---衣装破壊が締まらない、見栄えが悪いという自覚はあるようでメインキャラたちは衣装破壊されてもほとんど見栄えが変わらない。 -すぐに天井に達してしまうランクマッチ。 --A~Eの5段階、さらに各ランクが1~5に細分化され全25段階存在するランクだが、上がり幅に比べて下がり幅が非常に狭いため、段位戦による緊張感が少なく、また高ランクに達してそれっきりでランクマッチをやめてしまうプレイヤーが続出。 //オンライン絡みのトロフィー/実績があるにも関わらずゲストキャラのエツィオは冷遇されている。 //↑これはちょっと具体的に何が冷遇なのかよく分からないのでCOしました。SC4のヨーダみたいに極端な弱キャラというわけでもないし… //相変わらず格ゲーではタブーである死体蹴りへの対処がされていない。悪質プレイヤーは徹底的にやるので注意。 //↑これに関しては改めて考えましたが、別にキャリバーに限らず当時までの他の3D格ゲーでも対処されているものはほぼ無かった事(SC5当時では鉄拳もVFもDOAも死体蹴りバリバリ可能でした。2016年7月に鉄拳7FRで死体蹴りを拒否できるアイテムがやっと実装された程度です)と、当時も今もですが、殆どの3D格ゲーでは以前から「する・されるのが当たり前」とされがちだった事(2D格ゲーではどちらかと言えばタブー視する声の方が強めだったと思いますが)を考慮してCOしました。私自身は2D3D問わず死体蹴りは否定・反対派なので複雑ですが、現状を考慮した結果ということで。これはSC5発売から数年後の話ですが、鉄拳シリーズで有名な原田Pなども「アンケートを取った結果「死体蹴りはあった方が良い」という意見の方が格段に多い(特に海外においては圧倒的に多い)」という旨の発言をしているくらいです…。 **総評 対戦部分に特化しただけあって、基礎システムに若干の変化が生じつつも、良好なゲームバランスに優れた環境面と、対戦ツールとしては優れた作品と言える。対人戦やキャラクリに魅力を感じるプレイヤーであれば、腕や相手次第でかなり楽しむことができるだろう。((実際に、発売年のEVOのメイントーナメントだけでなくサイドトーナメントにも複数回選ばれたり、欧米で何度か世界大会が行われたりもしている。また、問題点の項目にもあったランクマッチの難点を憂いた国内の有志が、『段位戦』という明確なルールを制定した非公式オンラインマッチを専用サイトまで作り3年間に渡って運営したりもした))~ 一方で『ソウルキャリバー』というタイトルとしては、初期から登場する人気キャラの削除や一人用のボリュームといったシリーズの魅力・長所を削ぎ落としてしまったことに批判は集中し、本作を評価しないプレイヤーも数多い。~ このシリーズはソウルエッジの時代からキャリバー3に至るまで、家庭用は名作と評価され大きな売り上げを出しつつもアーケードの対戦は常に閑古鳥が泣いていた歴史を持つ。~ 対戦を重視しない一人用を楽しむ客層、他の格闘ゲームの複雑さから逃れてきた層((これに関しては、キャリバーは3D格ゲーにありがちな『技数が過剰なまでに多い』という難点もずっと抱えていたので、技数を大幅に減らした今作はそういう層に配慮していないわけではない))に支えられてきた側面があり、そこを見誤った感が拭えないところである。 ----

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