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メタルギアソリッド ポータブル オプス - (2016/03/07 (月) 04:28:59) の1つ前との変更点

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*メタルギアソリッド ポータブル オプス 【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす】 |ジャンル|タクティカルエスピオナージオペレーション|&amazon(B000FPUZ2I)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~| |発売日|2006年12月21日|~| |定価|4,980円|~| |判定|なし|~| |ポイント|多彩な新要素|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/543.html]]''| //*メタルギアソリッド ポータブル オプス プラス //【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす ぷらす】 //|ジャンル|タクティカルエスピオナージオペレーション|&amazon(B000TUQYHE)| //|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| //|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| //|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~| //|発売日|2007年8月23日|~| //|定価|通常版 2,400円&br()DX版((無印、プラスのセット)) 4,300円|~| //|判定|なし|~| //|ポイント||~| //|>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/543.html]]''| //↑OPS+について記述され次第COを解除してください。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 PSP向けタイトル第4作目にして、初めてシリーズ伝統の諜報アクションスタイルになった作品。~ 携帯機で諜報アクション版が出るのは、GBCの『[[ゴーストバベル>メタルギア ゴーストバベル]]』以来となる。~ 『[[スネークイーター>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]』と初代『メタルギア』を繋ぐ、ネイキッド・スネークの行動を描いた作品となっている。~ 拡張パックとして対戦や兵士集めに特化した『メタルギアソリッド ポータブル オプス+』が発売されている。本作のセーブデータを引き継いで遊ぶことも可能。 **主な新要素 -チーム制の導入 --これまではスネークが一人で潜入し諜報/工作活動を行うのが基本だったが、今回はチームを組んでの潜入となる。 --ストーリー中に加入するキャラやGPSレシーバーで取得する兵士もいるが、基本は後述する捕獲で仲間を確保する。 --キャラによっては潜入時にカモフラ効果が発揮されることもあり、交代しながら進むことで円滑に任務を進められる。 --引き続きスタミナゲージが導入。今作では射撃精度などには影響しないが、0になると気絶してしまい、他のメンバーに交代するか、ミッションを中断しなければならなくなる。 --ミッションに出撃せず、待機をすることも可能。待機をすればライフやスタミナが回復する他、諜報班からの情報入手やアイテム調達、開発などが行われる。 --また、待機をすることによって、昼→夜と時間が経過。昼と夜では敵の配置が変わる他、夜間は敵に見つかりにくくなるため、潜入に向いている。 --ミッション中でも、リトライ・中断は自由に行えるが、リトライをしてもアラート数・殺傷数はリセットされず、中断をするとその分日付が経過する((一部ユニークキャラクターの獲得に関わってくるだけで、どれだけ時間が経ってもゲームオーバーになることはない。ちなみに1972年になると表示がTIME PARADOXとなり日付が進まなくなる。))。 -サラウンドインジケーター --今までの作品のレーダー的役割で、音源を察知する装置。前作の動体探知機に近いが、バッテリーは無制限で、位置も点ではなく波形で表示される。またソリトンレーダーとは違い、フェイズに関係なく常時使用できる。アイテムとしては登場しない。 -敵の捕獲 --麻酔銃やCQCで気絶させた敵兵士をトラックまで運ぶことで、彼らを自分たちの仲間に引き込める。 --チームを組むと、仲間が隠れているダンボールの近くまで運び、回収用の周波数に無線すると仲間に回収を依頼することができる(無線を使わず、ダンボールを攻撃してもOK)。こちらは複数の敵をまとめて回収できる利点がある。 --過去作でも倒した敵兵士を物陰に運ぶことができたが、外見としてはそれに近い。 --戦闘力の低いキャラでも、諜報やアイテム作成などに役立ってくれる。 --シリーズでは初となる、敵兵と非戦闘員に女性キャラが登場。シリーズお馴染みの雑誌((ほとんどの作品では、いわゆるエロ本。敵を引き付けて一時的に無力化することができる設置武器。))が通用しないという特徴を持つ。 -カムフラージュシステム --前作での迷彩服やフェイスペイントによるカムフラージュは廃止。その代わり、同じ姿の兵士なら警戒されないという単純な変装システムがある。画面にカメレオンのアイコンが表示されている場合は、偽装状態になっている。 --ただし、ストーキングやローリング、ホフク、銃を構えたり、敵兵を引きずるなど不自然な行動をすれば即座に変装は無効になる。 --物音を立てた場合や壁を挟んで足音を感知されると異常がないことを確かめるまで変装が無効になる。また、潜入フェイズ以外でも通用しない。 --前作までは怪しい行動を取ると制止され、大人しくしていれば見逃されたが、本作では即座にアラートになるため、難易度は少々上がっている。 ---前作同様、科学者やメンテナンスクルーといった非戦闘員も登場するが、ちょっとした警戒でも即アラートになるなど厄介になっているため、非戦闘員のいるエリアでは偽装状態に持ち込んだ方がスムーズにミッションを進められる。 --基本的にシステムやアクションはMGS3と同じだが、ローリングで足音を感知されないなど細かな違いもある。 -スキル・キャリア --捕獲した兵士やユニークキャラクターはそれぞれ得意分野があり、スキルが高いほど集弾率やダメージが上がる、手ブレが少なくなるといった恩恵がある。 --前作お馴染みのCQCもナイフスキルの値によって行えるアクションに制限があり、後方からでないと拘束できないなど一部仕様も変更されている。 --殆どの兵士はキャリアを持っており、移動速度が速くなる、回収したアイテムをその場でトラックに送ることができる、といった実戦向きのものから、アイテムを開発する、マップを詳細なものにする、というサポートに役立つものがある。 -プレイヤーキャラクターの拡張 --上記のように捕獲した敵兵や捕虜以外にも条件を満たせばMGS3の登場キャラや今作で新たに登場するボス敵をプレイヤーキャラクターとして使用可能。他にも同じPSP作品である『MGA』『MGA2』からテリコ、ヴィナスがゲスト登場する。 --モブキャラだけでも7種類(容姿が若干異なるものを含めればそれ以上)、ユニークキャラ((一般キャラよりも比較的高い能力を持ち、ミッション時に死亡しない。))を含めれば実に20種類以上のキャラクターを使うことができる。 --一般兵は戦闘力としてはスネークには劣るが、偽装効果やスネークにはないキャリアを持った兵士も存在する。 -イベントムービー --ムービーは漫画版MGSを手掛けたアシュレイ・ウッドの絵を動かすという、以前PSPで発売された「メタルギアソリッド バンドデシネ」に近い形になっている。バンドデシネと違いボイスはしっかりついている。 **評価点 -グラフィック --一見、前作のMGS3と比較しても見劣りしない美麗なグラフィック。キャラクターの顔がアップになってもジャギなどはない。 --目立った処理落ちも特にない。強いて言えば、ロケットランチャーをタクティカルリロードで連続使用した時ぐらい。 -BGM --短めの曲が多いが、ストーリーのクライマックスで流れるメインテーマ「Show time」や戦闘系のBGMを始め、どれも素晴らしい出来。 -シナリオ --若き日のロイ・キャンベルをはじめとして、シリーズ中ののミッシングリンクを埋めるような部分が多い。 --他にも今作の事件の主導者ジーンなど、敵キャラクターも魅力的かつインパクトのある面々が揃っている。 -チーム潜入 --4人のチームを組んで潜入するというのは今作独自の面白さに繋がっている。 --スネーク以外のキャラも使用でき、それぞれの得意武器やスキルの違いでさまざまな潜入を楽しめる。 --移動手段は主にトラックで、拠点に潜入することになる。ミッション中は1つの地点しか移動できないが、マップ自体は携帯機にしては広く作り込まれている。 -意外と高い自由度 --例えば特定の情報を入手する場合、「直接情報を入手」、「情報を持つ敵兵を尋問或いは回収」、「諜報員派遣で入手」と言うようにプレイヤーが取れる選択肢の幅が多い。 --数はそれほど多くないものの、アイテムや捕虜の回収といった本筋とは関係のないサブミッションも用意されている。 --ミッションを受けずに拠点を探索して兵士やアイテムを集めるフリーモードや選択肢の幅の多いミッションは『[[メタルギアソリッドV ファントムペイン]]』に受け継がれた。 -オンライン対戦の導入 --ストーリーで集めてきた兵士たちと組んだチームで対戦可能。 --Wi-Fiアクセスポイントがあれば手軽にオンライン対戦が可能であった(ただ後述の問題も生まれた。)。 **賛否両論点 -シナリオ面 --全般的にシリアスな展開で「小ネタ」が少なく、シリーズファンにはちょっと気になる部分。 --携帯機ということもあり、ストーリー自体は短い。前述のサブミッションのような寄り道要素もあるが、基本的には一本道で前作までのようなはおまけのゲームモードは殆どない。最高難易度EXも過去作と比べると簡単になっている。 --前作までの醍醐味だった無線はバリエーションが少なくボイスもついていない。その割に、強制無線が多く、読み込み時間も長め。 --本作は時系列としては『MGS3』の続編となるが、小島秀夫氏が脚本を担当していない(脚本は小説家の三雲岳斗氏((代表作は「アスラクライン」「ダンタリアンの書架」「ストライク・ザ・ブラッド」など。いずれもアニメ化される程の人気作である。))が担当。ただし、物語の大筋は小島監督が考えたもの)ため、正式な「メタルギアサーガ」とは言えない点もある。 ---シリーズ25周年記念の特設サイト「[[メタルギアソリッドの真実>http://www.konami.jp/mg25th/truth/]]」(2012年)では正史作品には含まれない扱いとなっている。 ---小島監督によると本作の位置付けは「ストーリーライン的にはサーガの本流に入っているが、細かい部分は本流から外れている感じ」との事である。 ---「過去のトラウマ」、「かつての戦いが仕組まれた物だったと解る展開」、「首謀者から引き継ぐ遺産」、「スパイを予想させる全滅した部隊の生き残り」等、外伝作のゴーストバベルと構成が被っている面も多い。 -ユニークキャラ関連 --''ジョナサン''((シナリオ上スネークが最初に捕獲する兵士。どのエリアの兵士を捕獲しても最初の1人はジョナサンになる。)) ---分類上はユニークキャラ扱いだが、外見は他のソ連兵と全く同じという特殊な立ち位置のキャラクター。シナリオ上必ず死亡するので周回毎に捕獲する必要がある。 ---ステータスはそこそこ優秀、レスキュー隊(引きずり速度が上がる)のキャリア持ち、ソ連兵のいるエリアで偽装可能、と1周目での仲間確保に役立つが、周回毎に能力値がリセットされるために育てるメリットが薄い。しかも周回毎に捕獲する必要があるので、彼の為に部隊の空きを作っておく必要がある。 --''エルザ''、''ウルスラ'' ---キャラクターの設定上どちらか一人しか仲間にできない。MPO+では両方加えることができるようになった。 --''MGS3の登場人物達((ゼロ、パラメディック、シギント、エヴァ、オセロット、ソコロフ、ライコフの7人))'' ---全員加入方法がノーヒント((諜報員派遣の情報も明確な加入フラグだと解りにくい))に等しく期間限定であり、特にゼロはMGSBDのデータが必要でパラメディック、シギント、オセロットは自分でコンタクトを取る必要がある。エヴァもフラグが厳しく情報抜きで加入させるのは困難((全員、パスワードで加入させることが可能だが、加入時のイベントが見られなくなる。))。 --一応補足しておくとジョナサン以外のユニークキャラはあくまで隠し、おまけ要素でしかないので仲間にしなくてもストーリー面において支障はなかったりする((その為にスネークに仲間として協力しているオセロットがアメリカで暗躍、潜入しているソコロフに自分からの通信が入る、(プレイヤーの)ジーンが投げナイフでメタルギアを破壊するといった珍現象も発生する。))。 -操作性 --PS2に比べてボタン数が減っているため、工夫されているとはいえ、少々操作性に難あり。 --デフォルトではアナログパッドで移動、方向キーでカメラ操作となっているため、慣れないと移動しながらのカメラ操作が難しい。 --ただし、ストーキングと走りをボタンで切り替えられることや、構えと発砲ボタンが別になった点は好評であり、いくつかの操作は『MGS4』にも取り入れられた(主観視点での移動や壁張り付きの手動化など)。 --DL版はPS Vitaでのプレイにも対応しているので、右スティックにボタンを割り当てれば据置作品に近い操作が可能になる。 -武器について --非殺傷武器がMK22のみであったり、狙撃武器が非常に使いにくかったりするのが不満となる。 ---主観射撃も存在するが、PSPの仕様上微調整が難しい。主観視点でも移動が行えるようになったが、ヘッドショットを狙うよりも、ロック(オートエイム)で体に撃つ→ローリングorCQCの方が楽。 --本作でもサプレッサーは消耗品だが、自由に着脱が行えず、30発撃つと使用不可能になるというミッションごとに使い切りのアイテムとなっている。 --グレネードやクレイモアは爆発すると即危険フェイズというMGS2以前の仕様に戻っており、使い勝手が悪くなった。 ---TNTやドラム缶の爆発は前作同様、警戒フェイズになるのみ。 -携行品が少ない --装備変更が○ボタン→方向キーになったこともあり、武器・アイテム合わせて一人4つまで。イベント用のアイテムもあるので、出来れば一つ空けておきたいが…。 --また、本作では武器ごとの所持上限を超えた場合には「弾薬」そのものをアイテムとして持ち歩くことができ、使用すれば弾薬の補充も行える。 --もっとも、ボスが出なければ徒手空拳でも問題なく進行可能。 ---ただし警告や事前情報はないケースもあるので、目的地にたどり着いたがボス戦用の装備がないために泣く泣くリトライ、といったことも起こりうる。 --一部ユニークキャラは外すことのできない固有装備を持っているため、ただでさえ少ない枠が強制的に1つ埋まってしまう。 --地味なところだがボス戦時は装備が解除されるのも痛い。 -チート対策の不徹底 --数値データが暗号化なしでそのまま使われており、容易に可変サーチ可能。また、兵士の名前もアスキーコードをそのまま使っているためサーチしやすい。 --シングルプレイでチートを使うのは個人の自由だが、同じ方法でオンライン対戦でのチートが可能。「何発撃っても死なない兵士」「ヘッドショットを無効化する兵士」などに当たって涙を呑んだプレイヤーもいるはず。 --兵士データを書き換える専用ツールまで作成され、チートユーザーが闊歩することとなってしまった。 **総評 メタルギアシリーズの中でも毛色の違う作品だが、完成度は高く纏まっており、プレイすれば楽しめる一本。~ 携帯機になったとはいえ質は落ちておらず、シリーズ作品の価値を感じる作品。~ チート問題に閉口したプレイヤーもいるだろうが、現在はオンライン対戦サービスは終了している。~ 後に発売された『[[メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』では敵の捕獲、育成要素、アイテム開発といった本作の新要素がパワーアップして取り入れられている。
*メタルギアソリッド ポータブル オプス 【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす】 |ジャンル|タクティカルエスピオナージオペレーション|&amazon(B000FPUZ2I)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~| |発売日|2006年12月21日|~| |定価|4,980円|~| |判定|なし|~| |ポイント|多彩な新要素|~| |>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/543.html]]''| //*メタルギアソリッド ポータブル オプス プラス //【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす ぷらす】 //|ジャンル|タクティカルエスピオナージオペレーション|&amazon(B000TUQYHE)| //|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| //|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| //|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~| //|発売日|2007年8月23日|~| //|定価|通常版 2,400円&br()DX版((無印、プラスのセット)) 4,300円|~| //|判定|なし|~| //|ポイント||~| //|>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/543.html]]''| //↑OPS+について記述され次第COを解除してください。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 PSP向けタイトル第4作目にして、初めてシリーズ伝統の諜報アクションスタイルになった作品。~ 携帯機で諜報アクション版が出るのは、GBCの『[[ゴーストバベル>メタルギア ゴーストバベル]]』以来となる。~ 『[[スネークイーター>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]』と初代『メタルギア』を繋ぐ、ネイキッド・スネークの行動を描いた作品となっている。~ 拡張パックとして対戦や兵士集めに特化した『メタルギアソリッド ポータブル オプス+』が発売されている。本作のセーブデータを引き継いで遊ぶことも可能。 **主な新要素 -チーム制の導入 --これまではスネークが一人で潜入し諜報/工作活動を行うのが基本だったが、今回はチームを組んでの潜入となる。 --ストーリー中に加入するキャラやGPSレシーバーで取得する兵士もいるが、基本は後述する捕獲で仲間を確保する。 --キャラによっては潜入時にカモフラ効果が発揮されることもあり、交代しながら進むことで円滑に任務を進められる。 --引き続きスタミナゲージが導入。今作では射撃精度などには影響しないが、0になると気絶してしまい、他のメンバーに交代するか、ミッションを中断しなければならなくなる。 --ミッションに出撃せず、待機をすることも可能。待機をすればライフやスタミナが回復する他、諜報班からの情報入手やアイテム調達、開発などが行われる。 --また、待機をすることによって、昼→夜と時間が経過。昼と夜では敵の配置が変わる他、夜間は敵に見つかりにくくなるため、潜入に向いている。 --ミッション中でも、リトライ・中断は自由に行えるが、リトライをしてもアラート数・殺傷数はリセットされず、中断をするとその分日付が経過する((一部ユニークキャラクターの獲得に関わってくるだけで、どれだけ時間が経ってもゲームオーバーになることはない。ちなみに1972年になると表示がTIME PARADOXとなり日付が進まなくなる。))。 -サラウンドインジケーター --今までの作品のレーダー的役割で、音源を察知する装置。前作の動体探知機に近いが、バッテリーは無制限で、位置も点ではなく波形で表示される。またソリトンレーダーとは違い、フェイズに関係なく常時使用できる。アイテムとしては登場しない。 -敵の捕獲 --麻酔銃やCQCで気絶させた敵兵士をトラックまで運ぶことで、彼らを自分たちの仲間に引き込める。 --チームを組むと、仲間が隠れているダンボールの近くまで運び、回収用の周波数に無線すると仲間に回収を依頼することができる(無線を使わず、ダンボールを攻撃してもOK)。こちらは複数の敵をまとめて回収できる利点がある。 --過去作でも倒した敵兵士を物陰に運ぶことができたが、外見としてはそれに近い。 --戦闘力の低いキャラでも、諜報やアイテム作成などに役立ってくれる。 --シリーズでは初となる、敵兵と非戦闘員に女性キャラが登場。シリーズお馴染みの雑誌((ほとんどの作品では、いわゆるエロ本。敵を引き付けて一時的に無力化することができる設置武器。))が通用しないという特徴を持つ。 -カムフラージュシステム --前作での迷彩服やフェイスペイントによるカムフラージュは廃止。その代わり、同じ姿の兵士なら警戒されないという単純な変装システムがある。画面にカメレオンのアイコンが表示されている場合は、偽装状態になっている。 --ただし、ストーキングやローリング、ホフク、銃を構えたり、敵兵を引きずるなど不自然な行動をすれば即座に変装は無効になる。 --物音を立てた場合や壁を挟んで足音を感知されると異常がないことを確かめるまで変装が無効になる。また、潜入フェイズ以外でも通用しない。 --前作までは怪しい行動を取ると制止され、大人しくしていれば見逃されたが、本作では即座にアラートになるため、難易度は少々上がっている。 ---前作同様、科学者やメンテナンスクルーといった非戦闘員も登場するが、ちょっとした警戒でも即アラートになるなど厄介になっているため、非戦闘員のいるエリアでは偽装状態に持ち込んだ方がスムーズにミッションを進められる。 --基本的にシステムやアクションはMGS3と同じだが、ローリングで足音を感知されないなど細かな違いもある。 -スキル・キャリア --捕獲した兵士やユニークキャラクターはそれぞれ得意分野があり、スキルが高いほど集弾率やダメージが上がる、手ブレが少なくなるといった恩恵がある。 --前作お馴染みのCQCもナイフスキルの値によって行えるアクションに制限があり、後方からでないと拘束できないなど一部仕様も変更されている。 --殆どの兵士はキャリアを持っており、移動速度が速くなる、回収したアイテムをその場でトラックに送ることができる、といった実戦向きのものから、アイテムを開発する、マップを詳細なものにする、というサポートに役立つものがある。 -プレイヤーキャラクターの拡張 --上記のように捕獲した敵兵や捕虜以外にも条件を満たせばMGS3の登場キャラや今作で新たに登場するボス敵をプレイヤーキャラクターとして使用可能。他にも同じPSP作品である『MGA』『MGA2』からテリコ、ヴィナスがゲスト登場する。 --モブキャラだけでも7種類(容姿が若干異なるものを含めればそれ以上)、ユニークキャラ((一般キャラよりも比較的高い能力を持ち、ミッション時に死亡しない。))を含めれば実に20種類以上のキャラクターを使うことができる。 --一般兵は戦闘力としてはスネークには劣るが、偽装効果やスネークにはないキャリアを持った兵士も存在する。 -イベントムービー --ムービーは漫画版MGSを手掛けたアシュレイ・ウッドの絵を動かすという、以前PSPで発売された「メタルギアソリッド バンドデシネ」に近い形になっている。バンドデシネと違いボイスはしっかりついている。 **評価点 -グラフィック --一見、前作のMGS3と比較しても見劣りしない美麗なグラフィック。キャラクターの顔がアップになってもジャギなどはない。 --目立った処理落ちも特にない。強いて言えば、ロケットランチャーをタクティカルリロードで連続使用した時ぐらい。 -BGM --短めの曲が多いが、ストーリーのクライマックスで流れるメインテーマ「Show time」や戦闘系のBGMを始め、どれも素晴らしい出来。 -シナリオ --若き日のロイ・キャンベルをはじめとして、シリーズ中ののミッシングリンクを埋めるような部分が多い。 --他にも今作の事件の主導者ジーンなど、敵キャラクターも魅力的かつインパクトのある面々が揃っている。 -チーム潜入 --4人のチームを組んで潜入するというのは今作独自の面白さに繋がっている。 --スネーク以外のキャラも使用でき、それぞれの得意武器やスキルの違いでさまざまな潜入を楽しめる。 --移動手段は主にトラックで、拠点に潜入することになる。ミッション中は1つの地点しか移動できないが、マップ自体は携帯機にしては広く作り込まれている。 -意外と高い自由度 --例えば特定の情報を入手する場合、「直接情報を入手」、「情報を持つ敵兵を尋問或いは回収」、「諜報員派遣で入手」と言うようにプレイヤーが取れる選択肢の幅が多い。 --数はそれほど多くないものの、アイテムや捕虜の回収といった本筋とは関係のないサブミッションも用意されている。 --ミッションを受けずに拠点を探索して兵士やアイテムを集めるフリーモードや選択肢の幅の多いミッションは『[[メタルギアソリッドV ファントムペイン]]』に受け継がれた。 -オンライン対戦の導入 --ストーリーで集めてきた兵士たちと組んだチームで対戦可能。 --Wi-Fiアクセスポイントがあれば手軽にオンライン対戦が可能であった(ただ後述の問題も生まれた。)。 **賛否両論点 -シナリオ面 --全般的にシリアスな展開で「小ネタ」が少なく、シリーズファンにはちょっと気になる部分。 --携帯機ということもあり、ストーリー自体は短い。前述のサブミッションのような寄り道要素もあるが、基本的には一本道で前作までのようなおまけのゲームモードは殆どない。最高難易度EXも過去作と比べると簡単になっている。 --前作までの醍醐味だった無線はバリエーションが少なくボイスもついていない。その割に、強制無線が多く、読み込み時間も長め。 --本作は時系列としては『MGS3』の続編となるが、小島秀夫氏が脚本を担当していない(脚本は小説家の三雲岳斗氏((代表作は「アスラクライン」「ダンタリアンの書架」「ストライク・ザ・ブラッド」など。いずれもアニメ化される程の人気作である。))が担当。ただし、物語の大筋は小島監督が考えたもの)ため、正式な「メタルギアサーガ」とは言えない点もある。 ---シリーズ25周年記念の特設サイト「[[メタルギアソリッドの真実>http://www.konami.jp/mg25th/truth/]]」(2012年)では正史作品には含まれない扱いとなっている。 ---小島監督によると本作の位置付けは「ストーリーライン的にはサーガの本流に入っているが、細かい部分は本流から外れている感じ」との事である。 ---「過去のトラウマ」、「かつての戦いが仕組まれた物だったと解る展開」、「首謀者から引き継ぐ遺産」、「スパイを予想させる全滅した部隊の生き残り」等、外伝作のゴーストバベルと構成が被っている面も多い。 -ユニークキャラ関連 --''ジョナサン''((シナリオ上スネークが最初に捕獲する兵士。どのエリアの兵士を捕獲しても最初の1人はジョナサンになる。)) ---分類上はユニークキャラ扱いだが、外見は他のソ連兵と全く同じという特殊な立ち位置のキャラクター。シナリオ上必ず死亡するので周回毎に捕獲する必要がある。 ---ステータスはそこそこ優秀、レスキュー隊(引きずり速度が上がる)のキャリア持ち、ソ連兵のいるエリアで偽装可能、と1周目での仲間確保に役立つが、周回毎に能力値がリセットされるために育てるメリットが薄い。しかも周回毎に捕獲する必要があるので、彼の為に部隊の空きを作っておく必要がある。 --''エルザ''、''ウルスラ'' ---キャラクターの設定上どちらか一人しか仲間にできない。MPO+では両方加えることができるようになった。 --''MGS3の登場人物達((ゼロ、パラメディック、シギント、エヴァ、オセロット、ソコロフ、ライコフの7人))'' ---全員加入方法がノーヒント((諜報員派遣の情報も明確な加入フラグだと解りにくい))に等しく期間限定であり、特にゼロはMGSBDのデータが必要でパラメディック、シギント、オセロットは自分でコンタクトを取る必要がある。エヴァもフラグが厳しく情報抜きで加入させるのは困難((全員、パスワードで加入させることが可能だが、加入時のイベントが見られなくなる。))。 --一応補足しておくとジョナサン以外のユニークキャラはあくまで隠し、おまけ要素でしかないので仲間にしなくてもストーリー面において支障はなかったりする((その為にスネークに仲間として協力しているオセロットがアメリカで暗躍、潜入しているソコロフに自分からの通信が入る、(プレイヤーの)ジーンが投げナイフでメタルギアを破壊するといった珍現象も発生する。))。 -操作性 --PS2に比べてボタン数が減っているため、工夫されているとはいえ、少々操作性に難あり。 --デフォルトではアナログパッドで移動、方向キーでカメラ操作となっているため、慣れないと移動しながらのカメラ操作が難しい。 --ただし、ストーキングと走りをボタンで切り替えられることや、構えと発砲ボタンが別になった点は好評であり、いくつかの操作は『MGS4』にも取り入れられた(主観視点での移動や壁張り付きの手動化など)。 --DL版はPS Vitaでのプレイにも対応しているので、右スティックにボタンを割り当てれば据置作品に近い操作が可能になる。 -武器について --非殺傷武器がMK22のみであったり、狙撃武器が非常に使いにくかったりするのが不満となる。 ---主観射撃も存在するが、PSPの仕様上微調整が難しい。主観視点でも移動が行えるようになったが、ヘッドショットを狙うよりも、ロック(オートエイム)で体に撃つ→ローリングorCQCの方が楽。 --本作でもサプレッサーは消耗品だが、自由に着脱が行えず、30発撃つと使用不可能になるというミッションごとに使い切りのアイテムとなっている。 --グレネードやクレイモアは爆発すると即危険フェイズというMGS2以前の仕様に戻っており、使い勝手が悪くなった。 ---TNTやドラム缶の爆発は前作同様、警戒フェイズになるのみ。 -携行品が少ない --装備変更が○ボタン→方向キーになったこともあり、武器・アイテム合わせて一人4つまで。イベント用のアイテムもあるので、出来れば一つ空けておきたいが…。 --また、本作では武器ごとの所持上限を超えた場合には「弾薬」そのものをアイテムとして持ち歩くことができ、使用すれば弾薬の補充も行える。 --もっとも、ボスが出なければ徒手空拳でも問題なく進行可能。 ---ただし警告や事前情報はないケースもあるので、目的地にたどり着いたがボス戦用の装備がないために泣く泣くリトライ、といったことも起こりうる。 --一部ユニークキャラは外すことのできない固有装備を持っているため、ただでさえ少ない枠が強制的に1つ埋まってしまう。 --地味なところだがボス戦時は装備が解除されるのも痛い。 -チート対策の不徹底 --数値データが暗号化なしでそのまま使われており、容易に可変サーチ可能。また、兵士の名前もアスキーコードをそのまま使っているためサーチしやすい。 --シングルプレイでチートを使うのは個人の自由だが、同じ方法でオンライン対戦でのチートが可能。「何発撃っても死なない兵士」「ヘッドショットを無効化する兵士」などに当たって涙を呑んだプレイヤーもいるはず。 --兵士データを書き換える専用ツールまで作成され、チートユーザーが闊歩することとなってしまった。 **総評 メタルギアシリーズの中でも毛色の違う作品だが、完成度は高く纏まっており、プレイすれば楽しめる一本。~ 携帯機になったとはいえ質は落ちておらず、シリーズ作品の価値を感じる作品。~ チート問題に閉口したプレイヤーもいるだろうが、現在はオンライン対戦サービスは終了している。~ 後に発売された『[[メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』では敵の捕獲、育成要素、アイテム開発といった本作の新要素がパワーアップして取り入れられている。

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