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**メタルサーガ ~砂塵の鎖~ 【めたるさーが さじんのくさり】 |ジャンル|RPG|&amazon(B0008KLKKQ)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|サクセス|~| |発売日|2005年6月9日|~| |価格|7,329円(税込)|~| |廉価版|PlayStation2 the Best:2006年3月2日/3,990円(税込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|名前を変えてシリーズ再始動&br()どうしても目に付くロード時間と劣悪バランス&br()自由度はシリーズトップクラス&br()本家に受け継がれた要素も|~| |>|>|CENTER:''[[メタルマックスシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[メタルマックス]]』の系譜を受け継ぐ&ruby(なんでもありあり){全方位系};RPG。発売及び開発元はサクセス。 --2003年に『メタルマックス』と『[[2>メタルマックス2]]』の発売元であるデータイーストが自己破産しスタッフは四散、『メタルマックス』の商標も正体不明の企業に流出して使えなくなり、シリーズの新作は絶望視されていた。 --『メタルサーガ』と名を変えてのシリーズ再始動は、シリーズファンにとってまさに青天の霹靂であった。当時のファンサイトや2ch関連スレッドでは狂喜乱舞するファンの姿が見られたという。 ---- **特徴 -従来のシリーズ作品から変更された要素で最も大きいのは、戦闘におけるターン制が撤廃されたという点。 --一般的なRPGにおける「速さ」「AGI」といった数値は存在しておらず、レベルが高い、若しくは装備品の数や重量によって決まる隠しパラメータ「重さ」が少ない順に行動するようになっている。 -本作からパーティメンバーの入れ替えが可能になった。メカニック2人・ソルジャー3人・犬4匹の中から選択して連れていける。 #region(パーティメンバーについて軽い説明) -主人公 --ハンターである父「キョウジ」に憧れ、自身もハンターを目指す少年。 --イベントの進め方次第ではいきなり右腕をぶった切られたり、筋肉モリモリマッチョマン%%の変態%%になったりと波乱のハンターライフを送る破目になる。 -キリヤ --主人公の兄貴分である男性メカニック。メカニックとしては天賦の才能を有している。 --賞金首「ブレークダウン」と因縁を持っており、戦闘時に彼をメンバーに入れていると専用イベントのフラグが立つ。 -ミカ --主人公の幼馴染である女性メカニック。努力家でマイペースな眼鏡のボクっ娘と属性てんこ盛り。 --パーティに入れる事で発生する専用イベントは無いが、その代わりなのか本作では''彼女と結婚してエンディングを迎える''事が可能。 -シャーリィ --銃器を専門に扱う女性ソルジャー。所属していた傭兵団が壊滅した後、復讐の為に戦い続けている。 --賞金首「人狩り師団長」と因縁を有するが、彼女の専用イベントを発生させるには、事前に彼女をパーティに入れた状態で「とある人物」と面会させておく必要がある。 --彼女が居る街の空き家を購入して彼女に譲ると、彼女にもインテリアを贈れるようになる。…但し結婚はできない。 -ラシード --刀剣を専門に扱う男性ソルジャー。朗らかな性格だが、剣一振りで戦車装甲を叩き切る技量の持ち主でもある。 --彼の専用イベントで鍵となるのは「ムラサメ」というNPC。イベントを進めた状態でラストダンジョンへ突入すると…? -??? --特定の条件を満たすと仲間にできる隠しソルジャー。詳細は評価点のネタバレ項目にて。 -ポチ(柴犬) -タロウ(土佐犬) -ベルナール(ボストンテリア) -ラリー(セントバーナード) --とあるダンジョンで4匹の中から1匹選んで仲間に加えられる、シリーズおなじみの犬型生体兵器。 --無属性の強力な攻撃技を覚えられるタロウ、火炎・ビーム属性の攻撃技で大暴れできるベルナール、唯一味方の回復が可能なラリー…といった具合に、習得可能な専用特技での差別化がなされている。 --ポチのみ、初期状態で覚えている「シューティングスター」以外は汎用特技しか覚えないが…その辺りは愛情でカバーしてあげたい。 #endregion -キャラクターが職種に応じた独自の「特技」を使えるようになった。任意で使用可能な使用型特技と、習得していれば常時発動する常駐型特技の2種類が存在する。 --主人公ならば「衛星レーザーで敵を攻撃」「空中の敵への命中率を上げる」「確率で敵を逃げられなくする」、メカニックはおなじみ「修理」や「機械系の敵を行動不能にする」「敵の特殊な状態を解除する」、ソルジャーは「確率で射撃攻撃を無効化」「特殊な状態の敵にも当たる攻撃」…といった具合。 ---複数の職業が習得可能な汎用特技として「攻撃を使用したキャラor主人公に集中させる」「敵の自爆を封じる」といったものもある。 --ちなみに使用の際に消費するのは「MP」や「スタミナ」などではなく「''お金''」である。 ---修理や強力な攻撃を行う度に、仲間であってもお金を取られるシビアな世界観を表現したシステム…と言いたい所だが、何故か''主人公自身が特技を使っても金を取られる''。 ---常駐型の特技を覚えていると、発動したか否かに関わらず戦闘終了後に使用料が経費として差っぴかれる。赤字を防ぐ為にも、必要無い特技は積極的に忘れさせておくといいだろう。 --特技の習得や忘却は、特定の箇所にいるNPC''特技仙人''に依頼して行う。 ---鋼鉄と火薬の世界に''仙人''というネーミングは中々ミスマッチではあるが、この辺りは本作が「なんでもありあり」であるが故の采配といった所か。 -このパーティメンバー入れ替えや特技システムは、後に出た本家作品の『[[メタルマックス3]]』でも採用されている。 --本作でのメンバー入れ替えは職業毎に別の街/施設へ赴く必要があるが、『3』では特定の施設1か所で完結するようになり、そして特技は金額消費から回数制へ変更、特技仙人への依頼ではなくレベルアップで職業毎に決まった内容の特技を自動習得…といった具合に、より使いやすくなるよう洗練されている。 -正確にはSFC版『メタルマックス リターンズ』から登場した要素だが、コントロールユニット(以下「Cユニット」)に「プログラム」が追加されている。 --メニュー画面のBSコントローラから命令を出して、自走不能となっていない戦車を任意の街の入り口に移動させる「帰還」や、戦車のSPが0になった時点でレンタルタンクの如く搭乗者を置き去りにして撤退する「自動退却」など。 --複数のプログラムを有するCユニットの場合は、装備画面で使用するプログラムを選択できるようになっている。 //そのうちリターンズの記事ができたら、この記述を消去しそちらで説明していただけると幸いです ---- **評価点 ''シリーズの顔ともいえる戦車について'' -登場する戦車の総数は19台。うち5台はどれか1台を選択して所有する方式となっているが、それを差し引いても15台もの戦車を手元に置く事が可能。 --当Wikiの取り扱い対象となるシリーズ作品中では、登場戦車数は『[[メタルマックス4>メタルマックス4 月光のディーヴァ]]』((DLCのみで入手可能な戦車を含む))に次ぐ多さ、所持可能な戦車数については勿論断トツである。普通にプレイするのであれば、全戦車を平等に使い倒すのは不可能に近い。 -戦車塗装システムの自由度が非常に高い。用意された塗装パターンの他、自分でデザインを編集して塗装する事も可能。 --特に戦車の一つ「野バス」は外観がまるっきり日本風のバスであり、各地のコミュニティでは日本各地のご当地バス風に塗装する職人芸が度々見られたという。 -一部戦車にはギミックが搭載されており、実際に動かす事が可能。砲塔を回したり、「はしご車」であれば梯子を伸ばしたりできる。意味は無いが何となく嬉しい。 --キーコンフィグで動作を割り当てる必要こそあるものの、フィールド上であれば''町中''でも''屋内''でもお構いなしに主砲をぶっ放す事だってできてしまう。砲弾を消費してしまう上、発射する事自体に全く意味は無いが(ry ''シリーズ作品経験者ならニヤリとできる要素'' -電撃蘇生学の権威Dr.ミンチ、レンズの組み合わせ方で性能が変化する武器、鉄屑を集めて制作するオーダーメイド戦車、そして「戦車でバンバン!」を始めとするミニゲーム等々、シリーズおなじみの要素は本作でも健在である。 -マルチエンディング方式を採用しており、ラスボスを倒す以外にも主人公の行動次第で様々なエンディングに分岐可能。 --ラストダンジョンを攻略した際のエンディングも、戦闘の結果や選択肢次第で3通りの内容に分岐する。 --初代『メタルマックス』でプレイヤーの度肝を抜いた「いきなりエンディング」もしっかり実装しており、ゲームを開始してから20秒前後でエンディングを見てしまう事も可能。 --更には本作ラスボスや、大破壊の元凶であるスーパーコンピューター・ノアではなく、''主人公自身が(地球ごと)人類を滅亡させてしまうエンディング''まであったりする。 -BGMは旧シリーズと同じく門倉聡が担当している。「愛のテーマ」は落ち着いた良アレンジとして好評の声が多い。 -シリーズのもう一つの顔である賞金首モンスターも、本家に負けず劣らずの個性派揃いとなっている。全40体。 --過去作の賞金首がモチーフの「ニュービートラ」「カミカゼプリンス」「サルモネラ元祖」、初代『メタルマックス』から登場する雑魚敵が大出世を遂げた「ポリ・ギガンティア」等々。 --イベントの進め方次第で戦わずして賞金を得る事が可能なとある賞金首や、正面からぶつかっても撃破できず、特殊な手順を踏む必要がある「亡霊戦車大隊」といった具合に、ただ戦うだけではない賞金首も複数見られる。 --そしてまさかの「ストーム''ドラゴン''」登場。もう飽きた筈の[[竜退治>ドラゴンクエストシリーズ]]を本シリーズでもやる破目になろうとは…。 -シリーズ過去作品を意識した小ネタも多い。 #region(本作のみならず、シリーズ過去作品のネタバレ要素も含みます。閲覧注意!) -戦車探しを依頼するイベントの際、通常では80000G近い大金を支払う必要があるが、特定の金額を提示すれば専用台詞と共に依頼を引き受けてくれる。 --実はこの特定の金額というのは、初代『メタルマックス』における戦車購入イベントの最低購入金額と同じ数字である。当然此方の方がお得。 -シリーズおなじみのインテリア「金食い虫」に、『[[メタルマックス2]]』において入力したパスワードと同じ数字の金額を食べさせると特殊な形態に変化する。一度変化させたら初期の形態には戻せない点には注意。 --博物館のシャッター開閉に使ったパスワードならば妖精に、グラップルタワーのセキュリティシステムを操作する為のパスワードであれば蛇に、そして最終ダンジョンエレベータの扉を開けるパスワードのうち、施設左側の端末に入力するものでネコのような生物に変化する。右側の端末に入力するものでは何も起こらないので注意。 --『2』経験者であれば、同作にはあと1つ重要なパスワードが存在する事を知っている筈であろう。そのパスワードと同額の金を金食い虫に与えると…? #endregion ''圧倒的に高い自由度'' -メタルマックスシリーズの従来作品における最大のウリであった自由度に関しては、メタルマックス・メタルサーガシリーズ中でも間違いなくトップクラスと評せる。 --''ボス敵との戦いもイベントによるフラグ回収も無しに、ゲーム開始直後からいきなり最後の街まで行ける''のは、シリーズ作品でも本作だけである。 --ストーリー進行に関してもフラグ管理がかなり緩く設定されており、数回の会話と1回の中ボス戦イベントをこなすだけでラストダンジョンへ到達できる。 --街で入手できる装備が豊富であり、また通常の雑魚戦であれば逃走もしやすい。最低限の装備で最短クリアを目指すもよし、じっくりイベントをこなして主人公一行を強化していくもよし。2周目以降のプレイで煩わしさを感じる事も無い。 --『2』以降の本家メタルマックスシリーズが、ボス討伐やフラグ立てといった必須イベントとそれによる足止めが目立つようになっていった点を考えれば、本作を自由度に重きを置いた初代及びリメイク版『リターンズ』の正統進化と捉える事も可能ではある。 #region(本作の隠し要素についての評価点を記述しています。閲覧注意!) ''第3のソルジャー・アルファX02D'' -本作最強賞金首候補の一角である「地上戦艦ティアマット」を撃破し動きを止め、更にその状態から戦艦に乗り込んで甲板の砲台を全滅させれば、戦艦内部を捜索可能となる。戦艦内部でカプセル内に安置されている彼女を起動させ、マスター登録を行えば仲間にして連れまわす事ができる。 -「起動」「マスター登録」という単語から察した方も多いだろうが、彼女の正体はティアマット内部で作られていたアンドロイド。その為、他ソルジャーには見られない以下の特徴を持っている。 --一切レベルが上がらず成長しないが、初期状態の時点でとんでもない能力の高さを誇る。 --装備不可能だが、これは裏を返せば常時重さゼロ、最速で行動可能というメリットでもある。 --宿屋に泊まってもHPが回復しないが、特定のNPCの元へ連れて行けばHPを回復できる。特技やアイテムを使っての回復も可能。 --習得可能な特技は汎用特技2種類を除くと全て専用の特技、且つ初期状態で習得済み。非常に強力なものが揃っており、しかも使用時にはお金が一切かからずお財布にも優しい。 --蘇生可能な回数に制限がある。10回までしか蘇生できない。 -仲間になった後、彼女にインテリアを贈る事も可能。贈ったインテリアはティアマット内部、彼女の安置されていた場所の隣部屋に飾ってくれる。 -11回死亡させてしまうと蘇生できなくなってしまうが、専用のイベントを発生させる事ができるようになる。 --このイベントで「とある品」を奪いにくる雑魚敵を迎撃できれば、それまでとは違った形ではあるものの、「彼女」と一緒の冒険を再開できるようになる。 --イベント完了後の「彼女」はイベント前の習得特技こそ使えなくなるものの、新たに「確率で白兵攻撃or射撃攻撃を無効化」「生身での攻撃時に戦車の主砲で援護」といった強力な戦法を使用可能となる。この為、イベント発生前の彼女とイベント完了後の「彼女」の二者択一で悩むプレイヤーを量産したとか何とか。 -何より、鋼鉄と火薬とヘンテコモンスターが織りなす世界のキャラとは思えない程に可愛い。 --可愛い上に上述通りの強さを持つ為、人気も非常に高い。「この作品のヒロインはアルファ」と言い切るプレイヤーまで見られる程である。 --「条件を満たせばアルファと結婚できる」というガセ情報が、発売当初から実しやかに囁かれていたという事実も、彼女の人気の裏付けと評していいだろう。 --こうした人気を公式も把握しているのか、後にリリースされたスマートフォン用RPG『メタルサーガ ~荒野の方舟~』で彼女のコスプレ装備が実装された他、ブラウザゲーム『リング☆ドリーム 女子プロレス大戦』においても、シリーズ代表としてシャーリィ共々ゲスト出演を果たすといった厚遇を受けている。 #endregion ---- **賛否両論点 ''システム変更の功罪'' -本作では戦車パーツに設定されている「強度」が低いと、いきなり大破してしまう可能性が生じるようになった。これだけだと単なる改悪だが…。 --特徴の項目で述べた「レベルと重さによって行動順が決定する」という仕様と組みあわさる事で、本作以前のメタルマックスシリーズ作品にあった「シャーシの防御力を上げるよりも、防御力を下げてでも軽くしたシャーシに装甲タイルを限界まで搭載した方が硬くなる為、重戦車が使い辛い」という問題が若干改善された。 -砲撃用の穴に関しても、簡単に入手可能な軽戦車は複数砲門どころか主砲・副砲・S-Eの一揃いすら不可能といった具合に、これまでのメタルマックスシリーズ作品よりも軽戦車である事のデメリットが強く出るようになっている。 -しかし「レベルと重さによって行動順が決定する」という仕様変更によって、思わぬ弊害が生まれてしまった。 --まずレベルによる行動順についてだが、此方より敵の方がレベルがわずかでも高い場合、必ず先制され大ダメージを受けてしまう。 ---逆にレベルが敵を上回っていると必ず先制でき、ダメージも微小となり圧勝できる。RPGらしいバランスの戦いが可能なのは、自分と敵それぞれのレベルが同等となる僅かな期間のみ。 --そしてそれ以上に致命的なのが、重さによる行動順への影響。戦車に搭載した装甲タイルの数も重さに影響を与えてしまう為''タイルを多く搭載した車ほど遅くなってしまい、行動前に敵の攻撃を受けてしまいがち''なのである。 ---この為''戦車に装甲タイルを貼らずに裸装甲で戦い、先手を取って敵が行動する前に殲滅する''というスタイルの方が、装甲タイルを限界まで積むよりも損失が少なくなる、という歪な事態を招いてしまった。 ---装甲タイルを満載して挑んだとしても、此方よりレベルの高い敵には先手を取られて瞬く間に剥がされてしまう。しかも装甲タイルの単価は「10枚につき1G」だった従来のメタルマックスシリーズ作品と異なり、本作では「1枚につき1G」と妙に高く、気安く補給しているとあっという間に金欠に陥ってしまう。 ''力の入れ所がおかしいシナリオ・イベント'' -このゲームの舞台は大きく東部と西部に分かれており、ゲームは東部から始まる。序盤のうちはイベントも豊富なのだが、主要な舞台が西部へ移って以降はイベントの内容が薄くなり、スカスカぶりや消化不良が目立つようになってくる。 --ゲームバランスも西部に入って以降は敵が急激に強くなり、物価も著しく上昇するなど大雑把化してしまう。…この辺りでスタッフが力尽きたのだろうか? -時折ファンサービスとして過去のメタルマックスシリーズ作品で見られた台詞が飛び出す事があるものの、悪い意味で過去作品の内容を引きずっていると酷評される事もある。 --メタルマックスシリーズの従来作品において見られた、ショップ店員や町人の個性的な台詞回しが本作では殆ど見られない。そうした雰囲気作りができていない状況でシリーズ過去作品の台詞が出てきても上っ面をなぞっているだけにしか見えないというのも、こうした酷評が生まれてしまった原因の一つであろう。 -「大きなメダル」という収集品があり、おおきなメダルマンという人物に渡す事ができる。言うまでもなく竜退治をリスペクトしたネタなのだが、説明書での思わせぶりな説明に反して''大きなメダルを幾ら集めても一切の特典が存在していない''。その為、大きなメダルは見つけるだけ無駄でしかない。 --メタルマックスシリーズは竜退治に対するアンチテーゼという面があるにはあるが、この点に拘り過ぎた結果せっかくのイベントがお荷物にしかなっていない。 --譲った枚数はメダルを渡す時にしか教えて貰えない為、手持ちのメダルを全て渡してしまうと枚数を確認する方法が無くなるという点も地味に不評。 -本作におけるイベントの消化不良の例としてよく挙げられるのが、戦車好きのお嬢様「ローズ=ベルディア」絡みのイベント群についてである。 --名有りNPCの中で最も主人公と関わる機会の多いキャラであり、下手したら仲間キャラよりも強い印象が残る可能性すらある。更には彼女と親密な関係になっていくイベントまで存在しているのだが、ここまでやっているにもかかわらず彼女との結婚エンディングは用意されていないという肩透かしぶりである。 ---上述した親密な関係になっていくイベントも不自然な箇所で突然ぶつ切りになってしまい、それ以上の関係進展は無くなってしまう。 --ゲーム後半、彼女が戦車や兵器に関してやたら細かい知識を披露してくれるが、その内容は軍事オタクならば知ってて当然、一般人なら「そんな事知ってどうするんだ」と思わざるを得ないような代物。要は誰得要素である。%%その工数をローズとの結婚エンディング作成に回した方がよかったのでは…?%% --同世代のライバルキャラというのは、従来のメタルマックスシリーズ作品においては類を見ない斬新な存在であり、後のスマートフォン用RPG『メタルサーガ ~荒野の方舟~』においても彼女のコスプレ装備が実装される程度には、確かな人気を獲得できたキャラであった。それだけにこの不完全燃焼ぶりについては「勿体無い」との声が非常に多い。 -『2』に存在していた結婚エンディングのように、本作でも特定の女性キャラクターと結婚してエンディングを迎える事が可能となっているのだが…結婚対象となるのは仲間キャラのミカと、酒場の看板娘「レイチェル」の2名のみ。 --上述したローズの他にも、仲間キャラのシャーリィや隠しソルジャー、人身御供にされかけた所を主人公が助ける事になる巫女「カエデ」、サイバーウェアの専門家「グレイ博士」、%%そして下手な女性よりも女性らしいローズの弟「カール=ベルディア」%%等、結婚対象となってもおかしくなさそうなキャラは大勢登場するのだが、彼女達(一部は彼だが)との結婚エンディングは用意されていない。プレイヤー達から不満の声が上がったのは皆様ご想像の通りである。 -従来作品と同様に、主人公にゆかりのある場所や人にインテリアを買って贈る事ができる、のだが…。 --上述した結婚対象&対象になってもおかしくないキャラの他、主人公の母親や妹に贈って反応を楽しむ事ができる。特に意味は無いが主人公自身や、子供達だけが住む孤児院のような施設に贈る事も可能。 --家具やジュークボックス、金食い虫は勿論、本作では服を贈る事もできるようになった。贈れる服には洋風ドレスやチャイナドレス、巫女服や和服、更には''バニーガール衣装やメイド服、水着''まで存在しており、贈ったキャラを訪ねた際にランダムで着用した姿を披露してくれる((仲間キャラに贈った場合、パーティから外さないと着替えてくれない点に注意))。 ---直販サイトでの予約特典である小冊子で描かれた4コマ漫画「よりぬきメタルさん」のように、主人公を慕ってくれる妹に巫女服を着せたり、主人公の母親のバニー姿を堪能したりといった業の深いプレイも可能。 ---カールも主人公から贈られたメイド服やチャイナドレスをちゃんと着てくれる。わぁい! --主人公の母親は修理工場を開いており、「ハンターとして旅立ったのなら甘やかさない」として息子が相手でもきっちり代金を請求するのだが、気に入ったインテリアを渡すと代金を半額に割り引くイベントが発生する事がある。しかし修理費よりインテリア購入費用の方が遥かに高い為、実用性は皆無に近い。 --これ自体はお遊び要素なのだが「それ以外に力を入れるべき要素があるだろ」と突っ込みを受けているのは皆様ご想像の(ry #region(そして本作ラスボスについても批判意見が見られる。閲覧注意!) -本作のラスボス「アレックス」は見た目こそ黒いスーツにサングラスという風貌の男性だが、その正体は初代『メタルマックス』のラスボスであるスーパーコンピューター・ノアの''端末''である。 --ノアは既に破壊されているが、端末は未だに稼働しており人類絶滅を目指して行動している。本作での暗躍もその一環…という事なのだが、メタルマックスシリーズの過去作品において立ちはだかったラスボス達と比べると個性・存在感共に薄い。更にぶっちゃけると、ノアの端末であるという設定それ自体も必要性が薄い。 ---テッドブロイラー様に存在感の大部分を奪われてしまった『2』のラスボスと比較しても薄いと言われるのは、傍目から見ても相当な問題であろう。 -最後の戦いでは変身して襲いかかってくるが、その様はB級特撮に出てくる悪の怪人が追い詰められて巨大化した姿を想像していただければ概ね合っている。 --戦闘直前の発言も「せめて(自分の計画を台無しにした)君くらいは、この世界から葬っておこうと思った」「力を振り絞ってやって来たという訳さ」と凡庸な主人公への恨み節を並べるのみ。正直な所ラスボスとしての威厳はこれっぽっちも感じられない。 --そして肝心の強さについては…「メタルマックスシリーズの従来作品と比較してもかなりゆるい難易度のラスボス戦」と言われている点からお察しください。 --アレックス第2形態の勇姿(?)は[[こちらの動画サイト>http://dic.nicovideo.jp/v/sm1331530]]で確認可能。案の定、動画のコメント欄においてもズタボロに扱き下ろされてしまっている。 -止めとばかりに、ラストバトルで主人公達を抹殺する事に成功しても、結局彼はキョウジに倒されてしまう。ラスボス(笑) --この展開でも主人公はDr.ミンチによって蘇生され、無事にゲームクリア扱いとなるエンディングを拝む事ができる。事実上直前の「ロケット&ガードメカ×3」戦こそがゲームクリアに向けての最後の関門であり、2回目のアレックス戦は負けても平気なイベント戦、ウイニングランに過ぎないという点がまた彼の哀愁を誘う。 -初代『メタルマックス』の設定に依存しておきながら、キャラ付け・強さ・扱いのいずれもラスボスに相応しいとは到底評し難い扱いであり、確固としたメタルサーガ色を打ち建てるような活躍ができないまま退場してしまった、ある意味では悲運なキャラではある。 --結果として''意味もなく初代とのリンクを図った同人的な設定''と極めて厳しい評価を受けてしまったのも、この有様では已むを得ないだろう。 --とはいえ、当時は初代ラスボス程度の存在感しかなかったノアをプッシュする方向でイベント描写がなされている点については、後に発売されたメタルマックス・メタルサーガシリーズの作品展開に繋がる布石と捉える事も十分可能ではある。 #endregion -纏めると「''力の入れ所を間違えている''」、これに尽きる。 --せめて西部で発生するイベントがもう少し充実していれば、或いはローズを始めとするNPC達に結婚イベントが実装されていれば、また違った評価になったのかもしれないが…。 ''グラフィックについて'' -たまに「PS2後期作品とは思えない程グラフィックがショボイ」「ポリゴンはまるでPSレベル」と言われる事がある。 --主要キャラの立ち絵や、会話時の顔グラフィック…要は2Dグラフィックに関しては問題視するような声は見当たらない。 --批判されがちな3Dグラフィックについては、無念の開発中止となった本家シリーズ作品『メタルマックス ワイルドアイズ』以来の悲願であった事を考えれば、あまり強く責める訳にもいかないのだろうが…。 --一応『メタルマックス4』『[[METAL MAX Xeno>METAL MAX Xeno -滅ぼされざる者たち-]]』等の3Dグラフィックで描かれた後続作品と比較して、本作の3Dグラフィックを「ゲーム作品として程よいデフォルメ具合」と評する声も(少数ではあるが)決して無い訳ではない。 ''装備品の名称と性能について'' -人間武器の名称はメタルマックスシリーズを思わせるような個性的なものが少なくなっており、代わりに「オートマグ」や「PPsh41」等のコアな銃器が多く登場している。 --銃器マニアには嬉しいが、果たしてそのようなマニアが本作をプレイするのかと訊かれると…寧ろ武器の名前が覚えにくくなったというデメリットの方が大きいかもしれない。 -人間用防具で最強の性能を誇る体用防具が「''メイド服''」。メタルマックスシリーズにおいても「鉄のガードル」や「ケブラーチャイナ」といった変わり種の防具は存在していたが、本作のこれは本当にただのメイド服である。ちなみに作中世界に1着のみしか存在していない。 --一方、従来作品では最強クラス防具であった「サラトガアーマー」「CVCアーマー」は、本作においてはこのメイド服の半分にも満たない防御力しか有していない。しかも中盤で出る店売り品である。 -初代『メタルマックス』で最強の戦車装備であった主砲「220mmガイア」が、本作では店売りで手に入ってしまう。しかも最強装備ではなくその威力は中堅程度。見た目も好評なだけにこの扱いは惜しい。 --一方、本作最強の主砲の名前は「プラズマキャノン」。この名前についてどのように感じるかは人それぞれではあるが、少なくとも古参シリーズファン中では「220mmガイアと名前を入れ替えてほしい」という意見が多いようである。 -戦車パーツ毎に設定されていた防御力が廃止され、1種類のパーツの能力値のみを参照するように統一された。 --しかし、防御力参照の対象となるパーツはシャシー本体ではなく、何故かCユニットとなっている。''コンピューターの防御力が戦車の防御力''という仕様となったのだが、この仕様変更は特に古参のシリーズファンに混乱を齎してしまったようだ。 //コンピューターが外付けなのか? とか、バリアでも張ってるのか?((METAL MAX Xenoでは本当に戦車にフィールドを張って本体への直撃を防ぐ(システム自体は従来の装甲タイルに該当)という設定になっている。)) とか突っ込みきれない。 //さすがに悪意丸出しだったのでCO。ここはゲームを叩く場ではない --メタルマックスシリーズの世界では「Cユニットによる補助があるから、乗員1名でも戦車を運転できる((実際の戦車の運転には、その戦車の種類にもよるが概ね3~4名の乗員が必要となる))」という設定がある。Cユニットはいわば戦車の頭脳であり、性能差によって被弾頻度などの防御能力に差が出るのはそこまで不思議ではない、という解釈は可能ではある。…若干苦しい解釈である事は否定できないが。 -仮にシリーズファンを意識しているのであれば、過去作品で活躍した装備品を出す以上、キチンと過去作品での扱いを反映すべきだった筈ではないだろうか。 --とはいえきっちり反映させたらさせたで、今度は「力の入れ所を間違えたまま過去作品の栄光に依存する」という姿勢を叩かれただろう事は、容易に想像可能ではある。 //正直な所「メタルマックスシリーズに寄せてほしい」のか「もっとサーガの独自色を出してほしい」のかよく分からない記述が多かったので大幅梃入れ ---- **問題点 ''長い上に頻繁に発生するロード時間'' -本作ではマップが切り替わる際に毎回ロードが入る。 --セーブポイントとなるメモリーセンターを始め、戦車パーツ/道具屋、人間用装備/道具屋など、全ての施設が建物内に存在している。この為本作でセーブや補給、買い物をしようと思ったら、ロードだけで結構な時間を費やす破目になる。 ---『2』にあったバザースカのような、ドライブスルー方式で買い物が可能な街があればまだマシではあったのだが…。 --しかもロード時間も結構長め。「街→フィールド」の様に、広いマップに切り替わった際が分かりやすいだろう。 ---こちらはHDにインストールすれば多少は改善可能ではある。本当に多少ではあるが。 ''バグが多い'' -MAPが切り替わらない、戦闘開始時の画面暗転時にフリーズ、戦闘中に高速処理でフリーズ、など一部で致命的な不具合が報告されている。 --厄介なことに致命的な不具合に限って再現性が無い為、これらの原因と明確な回避策はいまだ不明。PS2本体の熱蓄積等との因果関係も分かっていない。 -特定施設・特定条件下で、固定シンボルに阻まれ施設を脱出できなくなる現象も報告されている。この現象が発生してしまうと完全に進行不能となり、リセットするしかなくなってしまう。 --対策としては、こまめにセーブを心がける位しかない。しかしメモリーセンターへ行く際の手間やロード時間がネックになるのは、上の項目で触れた通りである…。 -再現性が高く、明確な回避策が存在している不具合の一例としては、母親がテーブルに引っかかってしまうものが挙げられる。 --母親の部屋内で母親に話しかけた場合、会話終了後母親が部屋を出て行く行動パターンが存在している。インテリアのテーブルを贈った状態でこの行動パターンが発生すると、母親がテーブルに引っかかって部屋から出られなくなってしまう。 ---暫く待てば迂回して出ていくのだが、精神衛生を保ちたいのであれば母親にテーブルを贈るのは避けた方がいいだろう。 -これらのバグから、本作の開発においては''基本的なデバッグ作業すら満足になされていなかった''であろう事が伺える。それほどまで切羽詰まっていたというのだろうか? ''お世辞にも良いとは言えないゲームバランス'' -このゲームの舞台は大きく東部と西部に分かれており、主要な舞台が西部に移って以降はゲームバランスが目に見えて大雑把となるのは賛否両論点でも触れた通りである。 --敵が大幅に強くなり、物価も急激に上昇してしまう。中途半端な状態では補給すらままならなくなってしまう。 -「その町で売っている装備やアイテムを買う→そのアイテムで周辺の雑魚敵を倒す→落としたアイテムを酒場に売る」という方法が頭一つ抜けてお金を稼ぎやすく、「安い武器を改造して乗り切る」や「愛着のある武器を使い続ける」等というプレイスタイルだと赤字に陥りやすい。 --特に終盤の敵「カズラン」が落とすアイテムは破格の値段で引き取ってもらえる。本格的にカズラン狩りを行った際の収入は賞金首の賞金が可愛く思えてくる程であり、物価の急激な上昇もあって大抵のプレイヤーは資金集めの為に延々とカズラン狩りを続ける破目になるだろう。 --シリーズの従来作品では酒場で売れるアイテムはいずれも端金であり、趣味的な要素でしかなかった。本家シリーズと差別化する為の試みと言えば聞こえはいいが、ゲーム全編を通してひたすらアイテム狩りを繰り返すだけとなりがちなのは流石にいただけない。 -キャラのレベルアップに必要な数値は全レベルで一律100ポイントとなり、戦闘後に獲得できる経験値は決まったポイントではなく、自分と敵とのレベル差に応じて決定される方式に変更された。要は『[[FFVIII>ファイナルファンタジーVIII]]』と同じ方式である。 --これにより「経験値の高い敵を狩る」というRPGならではの楽しみが減少してしまった事は否めない。 --レベル差判定もかなり大雑把らしく、自分より多少強い敵を倒せば簡単に経験値が100入り、一方で自分より多少弱い程度の敵は倒しても1しか経験値を得られない。 ---仕様上100回戦闘すれば必ずレベルアップできるという事になるが、逆に言えば終盤はどんな雑魚敵を倒しても経験値1という事になり、雑魚戦の作業感が凄まじい事になる。 ---メタルマックスシリーズ作品の「スローウォーカー」のような、倒す事ができればどんな状態でも大量の経験値が貰えるボーナス雑魚敵も本作には存在していない。 --本作におけるレベルの最高値は何と''4,294,967,296''。やりこみ要素の際限の無さで知られる『[[ディスガイア>魔界戦記ディスガイアシリーズ]]』ですら数値上はレベル9,999が上限である事を考えれば、ゲーム史上最も高いレベル上限と評せるかもしれない。 ---…但し経験値の仕様上、『ディスガイア』と違って上限までレベルを上げるのは実質不可能と言い切ってしまって差し支えない有様ではあるが。((『ディスガイア』の9,999ですら16ビットで十分格納できることを考えれば、2の32乗である4,294,967,296という数値のスケールのでかさは想像つくだろう。)) -本作の敵は通常状態以外に「空中」「高高度」「範囲外」「水中」「地中」「シェルター」「ステルス」といった特殊状態が細かく設定されており、通常と空中以外の状態の敵には攻撃が当たらない仕様になっている。 --後半はこれらの特殊状態による遅延を駆使する敵がゴロゴロ登場するので、ボス戦・雑魚戦共に攻撃の当たらないシーンが度々発生してしまう。これで経験値が1しか貰えないとなれば、ストレスが爆速で溜まるのも当然であろう。 --対策としては特殊砲弾やS-E、一部アイテムや人間用武器、特技の使用などが挙げられるのだが…。 ---砲弾はショートアロー(対空中)・RAP弾(対範囲外)・APFSDS弾(対シェルター)の3種類しか存在せず、攻撃力も大砲の性能依存ではなく砲弾依存となっており、メタルマックスシリーズの従来作品と比べて大分使い勝手が悪化している。 ---S-Eは「エクスカリバーは空中・水中・地中・ステルス・シェルターには効き、高高度・範囲外には無効」等、特殊状態に有効か否かがやたら細かく設定されている割に、作中の説明文には一切情報が記載されていない。実際に試すか外部の情報に頼るしか確認方法が存在せず、管理が恐ろしく煩雑となる。 ---アイテムにはやたら充実している人間用の状態対策手榴弾や、おなじみ「LOVEマシン」等がある。装備はレンズ装備の他、一部店売り品にも特殊状態を無視してダメージを与えられるものが存在している。しかしこれらの対策は共通して「使用の際には戦車から降りて生身の状態にならなければいけない」という欠点が存在している。 ---特技はメカニックや犬が覚える「特殊状態を解除する」スキルと、ソルジャーが覚える「特殊状態の敵にも当たる」スキルが該当する。アイテムや装備と同様の欠点に加えて、此方は使用1回につき安いもので30G、最も高額なものだと2,500Gの使用料が発生してしまう。何度も使えば大赤字待ったなし。 --空中・高高度のみではあるが、本作初登場となる対空戦車を使う事でも対策可能となっている。 ---これら対空戦車は主砲の代わりに「機関砲」を装備する。地上の敵に当たり辛いという欠点こそあるが、物によっては全体攻撃も可能。対空戦のみならず、雑魚戦で敵を一掃する際にもその本領を発揮してくれる。 --纏めると、本作における敵の特殊な状態については、面白さよりもプレイヤーを煩雑化させる意味合いの方が強くなってしまっているのが実情である。 -本作では''通常エンカウントのモンスターからは、ほぼ確実に逃走できる''という仕様がある。雑魚戦が面倒臭いのであれば、最悪逃げ回ってもよかったりする。 --この仕様と、SP0・非武装の戦車であればほぼ最速で行動可能なシステム、そしてゲーム開始直後から最後の街「キャノンエッジ」まで行ける自由度の高さを逆手に取り、ゲーム開始から脇目も振らずにキャノンエッジまで突っ走って到着後は街中と街周辺の装備品を回収し、そこから全滅ミンチ送りなりドッグシステムなりで戻ってシナリオを進めていくという、通称「''キャノンダッシュ''」と呼ばれる攻略法が提唱されてしまった。 ---道中で事故死せずにキャノンエッジまで到達できれば、その後はかなり安定してゲームを進められる。タイムアタックは勿論、普通にプレイする場合でも有用な攻略法として評価されてしまう程である。但し賞金首戦の大半が余裕でノーダメージ撃破できる位にまでヌルゲー化するので、ご利用は計画的に。 -これまでのメタルマックスシリーズでも、バランス面に関しては良いとは言い難い面があったが、流石に本作程の歪なバランスではなかった事は記述しておく。 ''取り返しのつかない一部要素'' -主に賞金首絡みで、敗北するとそれ以降再戦できなくなる相手や、行動や選択肢等によってフラグを立てていないと戦えない相手が何体か存在している。 --賞金首によってはゲームを進めるとフラグが回収不可能となるケースもあり、全ての賞金首と戦うには外部サイトや攻略本等を頼り、攻略情報とにらめっこするのがほぼ必須となっている。これだけならまだ「全ての賞金首と戦う事自体がやりこみの域」と賛否両論で済ませてしまってもよかったのだが…。 #region(ネタバレ要素に言及しています。閲覧注意!) -主人公の称号「無敵の男」は、全ての賞金首を倒さないと取得できない。 --一応、称号は幾つ集めても意味の無い自己満足要素ではあるし、獲得称号数30個以上が条件となる称号「ザ・ハンター」は無敵の男無しでも入手可能。 -本作ではクリア後に、とあるダンジョンで賞金首との総当たり戦を行う事ができる。 --本作で賞金首がドロップするのは、基本的には「ジャンク」と呼ばれるアイテムである((装備品を落とす例外も2体存在してはいる))。これを特定の場所へ持っていき鑑定してもらうと、街の合成屋で合成素材として使用可能なアイテムが手に入る…という方式になっている。この総当たり戦は何度でも挑戦可能であり、腕と時間さえあればレアなジャンクを複数手に入れる事も可能。 --しかしこの総当たり戦、出てくるのは主人公が倒した事のある賞金首のみとなっている。敗北して再戦不能となったり、戦う前に必要なフラグが消滅してしまったりした場合、全ての賞金首と戦う事ができなくなってしまうのである。 ---幸いにして、需要が最も高いであろう「旧文明のジャンク」を落とす賞金首はその全てが無条件のランダムエンカウントとなっているので、総当たり戦に出てこないという事はまず無いと言い切ってしまってもいいだろう。 ---登録漏れが起きた場合、40人抜きの記念品「最強の証」が手に入らなくなる。使っても効果が無い記念アイテムなので、大した実害とはならないのがせめてもの救いか。 #endregion ''その他、細かな問題点'' -使用用途が一切存在しない、正真正銘のガラクタアイテムが多数登場する。 --トランクルーム(預り所)の容量は最大200個。装備品やレアな素材アイテムを一時的に保管する程度ならば十分な数ではあるが、ガラクタアイテムをコレクション目的で預けているとあっという間にパンクしてしまう。 ---メタルマックスシリーズの従来作品では希少アイテムを片端から預けていってもまだ余裕があった事を考えれば、明らかにガラクタアイテムの総量が多すぎると言わざるを得ない。 --ならば不用品はどんどん売却すればいいのでは?と思うかもしれないが、ガラクタアイテムはその大半が売値1~5G。偶に5,000Gというそこそこの値段で売れるガラクタアイテムもあるが、カズラン狩りの効率の前ではどうしても霞んでしまう。 //--ゲーム的に意味のないアイテムはシリーズ過去作品にも存在していたが、それらは使用するとほとんどが固有のリアクションを返してくる為、一種のネタとなっていた。今作のは手間と数だけは多い割に微妙且つ短い説明文が有るだけのガラクタばかりに。 //一旦CO。ゲームを叩くために若干誇張気味に書いたのでは?という疑念を捨てきれない -ソフトリセットが存在していない。 --「ジャンク」と呼ばれるアイテムを鑑定すると、合成屋で素材として使用可能なアイテムが手に入るのだが、どのアイテムになるかは完全にランダム。いくら鑑定しても狙った素材にならないという事態が頻発する。 ---鑑定するジャンクの数を増やして数の暴力に頼るという手もあるが、レアであるが故に数を揃えにくい「一流メーカージャンク」「旧文明のジャンク」で素材アイテムを狙う場合は、やはりソフトリセットが欲しくなってくる。 //確認したところ、ドングル13の出現率は攻略本で21パーセント、攻略サイトで30パーセント。確かに狙う場合はソフトリセットが欲しいが、むしろドングル13以外の必要パーツを引き当てて揃える方が難しいのでは? ---- **総評 メタルマックスシリーズファンの期待を一身に集めて世に出た作品だったが、彼等の膨らみ過ぎた期待に応える事はできなかった。 メタルマックスシリーズを模倣しつつも、新システムを追加し従来作品の問題点を改善しようとしたスタッフの工夫は窺える。~ 事実、本家シリーズに逆輸入された本作初出の要素もある為、目の付け所は間違っていなかったと評せるだろう。 だがそれを考慮したとしても、ロードの長さとゲーム全体のバランスの悪さについては苦言を呈さざるを得ない。~ 長所として伸ばせそうな要素も、製作途中でスタッフが力尽きたのか中途半端に止まっており、~ 作り込みの甘さばかりが悪目立ちしてしまうという、何とも勿体無い形になってしまった。~ 結果として、当時のシリーズファンからは「ガッカリゲー」「黒歴史」の烙印を押される程の酷評を受けてしまったのである。 しかしながら、シナリオ序盤の窮屈さやキャラデザインが大きく足を引っ張った『4』や~ 様々な要素をそぎ落とし過ぎた結果、賛否が真っ二つに割れてしまった『Xeno』等が世に出た現在では~ 一部シリーズファンの間で、プレイヤー自身の望むままにポストアポカリプス世界を駆けまわり、そんな世界でも逞しく生きる人間達の物語を楽しめる本作を再評価する動きも見られるという。 ---- **余談 -後に発売されたザ・ベスト版ではタイトルに「APPENDIX」という項目が追加されている。 --実物の柴犬にバズーカの模型を背負わせた広告や4コマ漫画「よりぬきメタルさん」、そして3種類のPVを自由に閲覧可能となっている。 --あくまでも噂レベルではあるが、通常版と比較してフリーズする確率が低いという情報もある。今からプレイするのであれば此方がオススメ。 -本作に登場する賞金首の中には「''ブック=フォレスト''」なる輩が存在している。討伐前後のイベント含めて苦笑いしたシリーズファンも多い筈。というのも此奴、1999年初頭に「メタルマックスシリーズ新作を開発する」と称して投資金を騙し取ろうとした投資詐欺事件が元ネタなのである。 --この事件を引き起こした人物が名乗っていたのは「''モリモトナオキ''」。姓の部分であるモリモトを漢字表記にすると恐らくは「森本」。森をフォレスト、本をブックと英単語にして順番をひっくり返すと…。 --尚このモリモトナオキを名乗る輩、事件から20年以上が経った現在でもその正体は分かっていない。彼自身はメタルマックス2製作に携わった経験があるとも嘯いていたらしいが、事件発覚当時のデータイーストは「モリモトナオキという人物は全く知らない」と全否定している。 -『メタルマックス2』にも登場した雑魚敵「びんかんバニー」が本作にも登場(?)している。 --『2』でのびんかんバニーは、バニーという名前でありながらどう見てもパラボラット(ネズミ)と同じ外見である事と、戦闘中に隠れてしまう事以外はたいして特徴のない雑魚敵だった、のだが…。 --何をどう間違えたのか、本作ではどう見ても''バニーガールにしか見えない外見をした敵''がびんかんバニーとして登場している。…こんな扇情的な姿で「びんかん」というのは、つまり(以下自主規制) ---荒野のど真ん中にバニーガールというだけでもプレイヤーに与えるインパクトは大きいのだが、戦闘面においても機関銃をぶっ放してきたり、手榴弾を投げつけてきたりと結構強い。メタルサーガシリーズは勿論、メタルマックスシリーズも含めた中でも最強のびんかんバニー…かもしれない。 --尚このびんかんバニー、『鋼の季節』ではまるでマスコットキャラのような姿となり、一方『メタルマックス3』ではちゃんと兎らしい姿となって登場している。 -2006年に、メタルサーガシリーズ2作目『[[鋼の季節>メタルサーガ ~鋼の季節~]]』が発売されたのだが…詳細は同作品の頁にて。
**メタルサーガ ~砂塵の鎖~ 【めたるさーが さじんのくさり】 |ジャンル|RPG|&amazon(B0008KLKKQ)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|サクセス|~| |発売日|2005年6月9日|~| |価格|7,329円(税込)|~| |廉価版|PlayStation2 the Best:2006年3月2日/3,990円(税込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|名前を変えてシリーズ再始動&br()どうしても目に付くロード時間と劣悪バランス&br()自由度はシリーズトップクラス&br()本家に受け継がれた要素も|~| |>|>|CENTER:''[[メタルマックスシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[メタルマックス]]』の系譜を受け継ぐ&ruby(なんでもありあり){全方位系};RPG。発売及び開発元はサクセス。 --2003年に『メタルマックス』と『[[2>メタルマックス2]]』の発売元であるデータイーストが自己破産しスタッフは四散、『メタルマックス』の商標も正体不明の企業に流出して使えなくなり、シリーズの新作は絶望視されていた。 --『メタルサーガ』と名を変えてのシリーズ再始動は、シリーズファンにとってまさに青天の霹靂であった。当時のファンサイトや2ch関連スレッドでは狂喜乱舞するファンの姿が見られたという。 ---- **特徴 -従来のシリーズ作品から変更された要素で最も大きいのは、戦闘におけるターン制が撤廃されたという点。 --一般的なRPGにおける「速さ」「AGI」といった数値は存在しておらず、レベルが高い、若しくは装備品の数や重量によって決まる隠しパラメータ「重さ」が少ない順に行動するようになっている。 -本作からパーティメンバーの入れ替えが可能になった。メカニック2人・ソルジャー3人・犬4匹の中から選択して連れていける。 #region(パーティメンバーについて軽い説明) -主人公 --ハンターである父「キョウジ」に憧れ、自身もハンターを目指す少年。 --イベントの進め方次第ではいきなり右腕をぶった切られたり、筋肉モリモリマッチョマン%%の変態%%になったりと波乱のハンターライフを送る破目になる。 -キリヤ --主人公の兄貴分である男性メカニック。メカニックとしては天賦の才能を有している。 --賞金首「ブレークダウン」と因縁を持っており、戦闘時に彼をメンバーに入れていると専用イベントのフラグが立つ。 -ミカ --主人公の幼馴染である女性メカニック。努力家でマイペースな眼鏡のボクっ娘と属性てんこ盛り。 --パーティに入れる事で発生する専用イベントは無いが、その代わりなのか本作では''彼女と結婚してエンディングを迎える''事が可能。 -シャーリィ --銃器を専門に扱う女性ソルジャー。所属していた傭兵団が壊滅した後、復讐の為に戦い続けている。 --賞金首「人狩り師団長」と因縁を有するが、彼女の専用イベントを発生させるには、事前に彼女をパーティに入れた状態で「とある人物」と面会させておく必要がある。 --彼女が居る街の空き家を購入して彼女に譲ると、彼女にもインテリアを贈れるようになる。…但し結婚はできない。 -ラシード --刀剣を専門に扱う男性ソルジャー。朗らかな性格だが、剣一振りで戦車装甲を叩き切る技量の持ち主でもある。 --彼の専用イベントで鍵となるのは「ムラサメ」というNPC。イベントを進めた状態でラストダンジョンへ突入すると…? -??? --特定の条件を満たすと仲間にできる隠しソルジャー。詳細は評価点のネタバレ項目にて。 -ポチ(柴犬) -タロウ(土佐犬) -ベルナール(ボストンテリア) -ラリー(セントバーナード) --とあるダンジョンで4匹の中から1匹選んで仲間に加えられる、シリーズおなじみの犬型生体兵器。 --無属性の強力な攻撃技を覚えられるタロウ、火炎・ビーム属性の攻撃技で大暴れできるベルナール、唯一味方の回復が可能なラリー…といった具合に、習得可能な専用特技での差別化がなされている。 --ポチのみ、初期状態で覚えている「シューティングスター」以外は汎用特技しか覚えないが…その辺りは愛情でカバーしてあげたい。 #endregion -キャラクターが職種に応じた独自の「特技」を使えるようになった。任意で使用可能な使用型特技と、習得していれば常時発動する常駐型特技の2種類が存在する。 --主人公ならば「衛星レーザーで敵を攻撃」「空中の敵への命中率を上げる」「確率で敵を逃げられなくする」、メカニックはおなじみ「修理」や「機械系の敵を行動不能にする」「敵の特殊な状態を解除する」、ソルジャーは「確率で射撃攻撃を無効化」「特殊な状態の敵にも当たる攻撃」…といった具合。 ---複数の職業が習得可能な汎用特技として「攻撃を使用したキャラor主人公に集中させる」「敵の自爆を封じる」といったものもある。 --ちなみに使用の際に消費するのはMPやスタミナなどではなく、''お金''である。 ---修理や強力な攻撃を行う度に、仲間であってもお金を取られるシビアな世界観を表現したシステム…と言いたい所だが、何故か''主人公自身が特技を使っても金を取られる''。特技の著作権使用料でも支払っているのだろうか?((予約特典の小冊子に描かれた4コマ漫画「よりぬきメタルさん」では、実際に下記NPC「特技仙人」に使用料としてお金を支払う様が描かれている…が、ギャグ漫画の描写なので公式設定として扱うべきか微妙な所ではある)) ---常駐型の特技を覚えていると、発動したか否かに関わらず戦闘終了後に使用料が経費として差っぴかれる。赤字を防ぐ為にも、必要無い特技は積極的に忘れさせておくといいだろう。 --特技の習得や忘却は、特定の箇所にいるNPC''特技仙人''に依頼して行う。 ---鋼鉄と火薬の世界に''仙人''というネーミングは中々ミスマッチではあるが、この辺りは本作が''なんでもありあり''であるが故の采配といった所か。 -このパーティメンバー入れ替えや特技システムは、後に出た本家作品の『[[メタルマックス3]]』でも採用されている。 --本作でのメンバー入れ替えは職業毎に別の街/施設へ赴く必要があるが、『3』では特定の施設1か所で完結するようになり、そして特技は金額消費から回数制へ変更、特技仙人への依頼ではなくレベルアップで職業毎に決まった内容の特技を自動習得…といった具合に、より使いやすくなるよう洗練されている。 -正確にはSFC版『メタルマックス リターンズ』から登場した要素だが、コントロールユニット(以下「Cユニット」)に「プログラム」が追加されている。 --メニュー画面のBSコントローラから命令を出して、自走不能となっていない戦車を任意の街の入り口に移動させる「帰還」や、戦車のSPが0になった時点でレンタルタンクの如く搭乗者を置き去りにして撤退する「自動退却」など。 --複数のプログラムを有するCユニットの場合は、装備画面で使用するプログラムを選択できるようになっている。 //そのうちリターンズの記事ができたら、この記述を消去しそちらで説明していただけると幸いです ---- **評価点 ''シリーズの顔ともいえる戦車について'' -登場する戦車の総数は19台。うち5台はどれか1台を選択して所有する方式となっているが、それを差し引いても15台もの戦車を手元に置く事が可能。 --当Wikiの取り扱い対象となるシリーズ作品中では、登場戦車数は『[[メタルマックス4>メタルマックス4 月光のディーヴァ]]』((DLCのみで入手可能な戦車を含む))に次ぐ多さ、所持可能な戦車数については勿論断トツである。普通にプレイするのであれば、全戦車を平等に使い倒すのは不可能に近い。 -戦車塗装システムの自由度が非常に高い。用意された塗装パターンの他、自分でデザインを編集して塗装する事も可能。 --特に戦車の一つ「野バス」は外観がまるっきり日本風のバスであり、各地のコミュニティでは日本各地のご当地バス風に塗装する職人芸が度々見られたという。 -一部戦車にはギミックが搭載されており、実際に動かす事が可能。砲塔を回したり、「はしご車」であれば梯子を伸ばしたりできる。意味は無いが何となく嬉しい。 --キーコンフィグで動作を割り当てる必要こそあるものの、フィールド上であれば''町中''でも''屋内''でもお構いなしに主砲をぶっ放す事だってできてしまう。砲弾を消費してしまう上、発射する事自体に全く意味は無いが(ry ''シリーズ作品経験者ならニヤリとできる要素'' -電撃蘇生学の権威Dr.ミンチ、レンズの組み合わせ方で性能が変化する武器、鉄屑を集めて制作するオーダーメイド戦車、そして「戦車でバンバン!」を始めとするミニゲーム等々、シリーズおなじみの要素は本作でも健在である。 -マルチエンディング方式を採用しており、ラスボスを倒す以外にも主人公の行動次第で様々なエンディングに分岐可能。 --ラストダンジョンを攻略した際のエンディングも、戦闘の結果や選択肢次第で3通りの内容に分岐する。 --初代『メタルマックス』でプレイヤーの度肝を抜いた「いきなりエンディング」もしっかり実装しており、ゲームを開始してから20秒前後でエンディングを見てしまう事も可能。 --更には本作ラスボスや、大破壊の元凶であるスーパーコンピューター・ノアではなく、''主人公自身が(地球ごと)人類を滅亡させてしまうエンディング''まであったりする。 -BGMは旧シリーズと同じく門倉聡が担当している。「愛のテーマ」は落ち着いた良アレンジとして好評の声が多い。 -シリーズのもう一つの顔である賞金首モンスターも、本家に負けず劣らずの個性派揃いとなっている。全40体。 --過去作の賞金首がモチーフの「ニュービートラ」「カミカゼプリンス」「サルモネラ元祖」、初代『メタルマックス』から登場する雑魚敵が大出世を遂げた「ポリ・ギガンティア」等々。 --イベントの進め方次第で戦わずして賞金を得る事が可能なとある賞金首や、正面からぶつかっても撃破できず、特殊な手順を踏む必要がある「亡霊戦車大隊」といった具合に、ただ戦うだけではない賞金首も複数見られる。 --そしてまさかの「ストーム''ドラゴン''」登場。もう飽きた筈の[[竜退治>ドラゴンクエストシリーズ]]を本シリーズでもやる破目になろうとは…。 -シリーズ過去作品を意識した小ネタも多い。 #region(本作のみならず、シリーズ過去作品のネタバレ要素も含みます。閲覧注意!) -戦車探しを依頼するイベントの際、通常では80000G近い大金を支払う必要があるが、特定の金額を提示すれば専用台詞と共に依頼を引き受けてくれる。 --実はこの特定の金額というのは、初代『メタルマックス』における戦車購入イベントの最低購入金額と同じ数字である。当然此方の方がお得。 -シリーズおなじみのインテリア「金食い虫」に、『[[メタルマックス2]]』において入力したパスワードと同じ数字の金額を食べさせると特殊な形態に変化する。一度変化させたら初期の形態には戻せない点には注意。 --博物館のシャッター開閉に使ったパスワードならば妖精に、グラップルタワーのセキュリティシステムを操作する為のパスワードであれば蛇に、そして最終ダンジョンエレベータの扉を開けるパスワードのうち、施設左側の端末に入力するものでネコのような生物に変化する。右側の端末に入力するものでは何も起こらないので注意。 --『2』経験者であれば、同作にはあと1つ重要なパスワードが存在する事を知っている筈であろう。そのパスワードと同額の金を金食い虫に与えると…? #endregion ''圧倒的に高い自由度'' -メタルマックスシリーズの従来作品における最大のウリであった自由度に関しては、メタルマックス・メタルサーガシリーズ中でも間違いなくトップクラスと評せる。 --''ボス敵との戦いもイベントによるフラグ回収も無しに、ゲーム開始直後からいきなり最後の街まで行ける''のは、シリーズ作品でも本作だけである。 --ストーリー進行に関してもフラグ管理がかなり緩く設定されており、数回の会話と1回の中ボス戦イベントをこなすだけでラストダンジョンへ到達できる。 --街で入手できる装備が豊富であり、また通常の雑魚戦であれば逃走もしやすい。最低限の装備で最短クリアを目指すもよし、じっくりイベントをこなして主人公一行を強化していくもよし。2周目以降のプレイで煩わしさを感じる事も無い。 --『2』以降の本家メタルマックスシリーズが、ボス討伐やフラグ立てといった必須イベントとそれによる足止めが目立つようになっていった点を考えれば、本作を自由度に重きを置いた初代及びリメイク版『リターンズ』の正統進化と捉える事も可能ではある。 #region(本作の隠し要素についての評価点を記述しています。閲覧注意!) ''第3のソルジャー・アルファX02D'' -本作最強賞金首候補の一角である「地上戦艦ティアマット」を撃破し動きを止め、更にその状態から戦艦に乗り込んで甲板の砲台を全滅させれば、戦艦内部を捜索可能となる。戦艦内部でカプセル内に安置されている彼女を起動させ、マスター登録を行えば仲間にして連れまわす事ができる。 -「起動」「マスター登録」という単語から察した方も多いだろうが、彼女の正体はティアマット内部で作られていたアンドロイド。その為、他ソルジャーには見られない以下の特徴を持っている。 --一切レベルが上がらず成長しないが、初期状態の時点でとんでもない能力の高さを誇る。 --装備不可能だが、これは裏を返せば常時重さゼロ、最速で行動可能というメリットでもある。 --宿屋に泊まってもHPが回復しないが、特定のNPCの元へ連れて行けばHPを回復できる。特技やアイテムを使っての回復も可能。 --習得可能な特技は汎用特技2種類を除くと全て専用の特技、且つ初期状態で習得済み。非常に強力なものが揃っており、しかも使用時にはお金が一切かからずお財布にも優しい。 --蘇生可能な回数に制限がある。10回までしか蘇生できない。 -仲間になった後、彼女にインテリアを贈る事も可能。贈ったインテリアはティアマット内部、彼女の安置されていた場所の隣部屋に飾ってくれる。 -11回死亡させてしまうと蘇生できなくなってしまうが、専用のイベントを発生させる事ができるようになる。 --このイベントで「とある品」を奪いにくる雑魚敵を迎撃できれば、それまでとは違った形ではあるものの、「彼女」と一緒の冒険を再開できるようになる。 --イベント完了後の「彼女」はイベント前の習得特技こそ使えなくなるものの、新たに「確率で白兵攻撃or射撃攻撃を無効化」「生身での攻撃時に戦車の主砲で援護」といった強力な戦法を使用可能となる。この為、イベント発生前の彼女とイベント完了後の「彼女」の二者択一で悩むプレイヤーを量産したとか何とか。 -何より、鋼鉄と火薬とヘンテコモンスターが織りなす世界のキャラとは思えない程に可愛い。 --可愛い上に上述通りの強さを持つ為、人気も非常に高い。「この作品のヒロインはアルファ」と言い切るプレイヤーまで見られる程である。 --「条件を満たせばアルファと結婚できる」というガセ情報が、発売当初から実しやかに囁かれていたという事実も、彼女の人気の裏付けと評していいだろう。 --こうした人気を公式も把握しているのか、後にリリースされたスマートフォン用RPG『メタルサーガ ~荒野の方舟~』で彼女のコスプレ装備が実装された他、ブラウザゲーム『リング☆ドリーム 女子プロレス大戦』においても、シリーズ代表としてシャーリィ共々ゲスト出演を果たすといった厚遇を受けている。 #endregion ---- **賛否両論点 ''システム変更の功罪'' -本作では戦車パーツに設定されている「強度」が低いと、いきなり大破してしまう可能性が生じるようになった。これだけだと単なる改悪だが…。 --特徴の項目で述べた「レベルと重さによって行動順が決定する」という仕様と組みあわさる事で、本作以前のメタルマックスシリーズ作品にあった「シャーシの防御力を上げるよりも、防御力を下げてでも軽くしたシャーシに装甲タイルを限界まで搭載した方が硬くなる為、重戦車が使い辛い」という問題が若干改善された。 -砲撃用の穴に関しても、簡単に入手可能な軽戦車は複数砲門どころか主砲・副砲・S-Eの一揃いすら不可能といった具合に、これまでのメタルマックスシリーズ作品よりも軽戦車である事のデメリットが強く出るようになっている。 -しかし「レベルと重さによって行動順が決定する」という仕様変更によって、思わぬ弊害が生まれてしまった。 --まずレベルによる行動順についてだが、此方より敵の方がレベルがわずかでも高い場合、必ず先制され大ダメージを受けてしまう。 ---逆にレベルが敵を上回っていると必ず先制でき、ダメージも微小となり圧勝できる。RPGらしいバランスの戦いが可能なのは、自分と敵それぞれのレベルが同等となる僅かな期間のみ。 --そしてそれ以上に致命的なのが、重さによる行動順への影響。戦車に搭載した装甲タイルの数も重さに影響を与えてしまう為''タイルを多く搭載した車ほど遅くなってしまい、行動前に敵の攻撃を受けてしまいがち''なのである。 ---この為''戦車に装甲タイルを貼らずに裸装甲で戦い、先手を取って敵が行動する前に殲滅する''というスタイルの方が、装甲タイルを限界まで積むよりも損失が少なくなる、という歪な事態を招いてしまった。 ---装甲タイルを満載して挑んだとしても、此方よりレベルの高い敵には先手を取られて瞬く間に剥がされてしまう。しかも装甲タイルの単価は「10枚につき1G」だった従来のメタルマックスシリーズ作品と異なり、本作では「1枚につき1G」と妙に高く、気安く補給しているとあっという間に金欠に陥ってしまう。 ''力の入れ所がおかしいシナリオ・イベント'' -このゲームの舞台は大きく東部と西部に分かれており、ゲームは東部から始まる。序盤のうちはイベントも豊富なのだが、主要な舞台が西部へ移って以降はイベントの内容が薄くなり、スカスカぶりや消化不良が目立つようになってくる。 --ゲームバランスも西部に入って以降は敵が急激に強くなり、物価も著しく上昇するなど大雑把化してしまう。…この辺りでスタッフが力尽きたのだろうか? -時折ファンサービスとして過去のメタルマックスシリーズ作品で見られた台詞が飛び出す事があるものの、悪い意味で過去作品の内容を引きずっていると酷評される事もある。 --メタルマックスシリーズの従来作品において見られた、ショップ店員や町人の個性的な台詞回しが本作では殆ど見られない。そうした雰囲気作りができていない状況でシリーズ過去作品の台詞が出てきても上っ面をなぞっているだけにしか見えないというのも、こうした酷評が生まれてしまった原因の一つであろう。 -「大きなメダル」という収集品があり、おおきなメダルマンという人物に渡す事ができる。言うまでもなく竜退治をリスペクトしたネタなのだが、説明書での思わせぶりな説明に反して''大きなメダルを幾ら集めても一切の特典が存在していない''。その為、大きなメダルは見つけるだけ無駄でしかない。 --メタルマックスシリーズは竜退治に対するアンチテーゼという面があるにはあるが、この点に拘り過ぎた結果せっかくのイベントがお荷物にしかなっていない。 --譲った枚数はメダルを渡す時にしか教えて貰えない為、手持ちのメダルを全て渡してしまうと枚数を確認する方法が無くなるという点も地味に不評。 -本作におけるイベントの消化不良の例としてよく挙げられるのが、戦車好きのお嬢様「ローズ=ベルディア」絡みのイベント群についてである。 --名有りNPCの中で最も主人公と関わる機会の多いキャラであり、下手したら仲間キャラよりも強い印象が残る可能性すらある。更には彼女と親密な関係になっていくイベントまで存在しているのだが、ここまでやっているにもかかわらず彼女との結婚エンディングは用意されていないという肩透かしぶりである。 ---上述した親密な関係になっていくイベントも不自然な箇所で突然ぶつ切りになってしまい、それ以上の関係進展は無くなってしまう。 --ゲーム後半、彼女が戦車や兵器に関してやたら細かい知識を披露してくれるが、その内容は軍事オタクならば知ってて当然、一般人なら「そんな事知ってどうするんだ」と思わざるを得ないような代物。要は誰得要素である。%%その工数をローズとの結婚エンディング作成に回した方がよかったのでは…?%% --同世代のライバルキャラというのは、従来のメタルマックスシリーズ作品においては類を見ない斬新な存在であり、後のスマートフォン用RPG『メタルサーガ ~荒野の方舟~』においても彼女のコスプレ装備が実装される程度には、確かな人気を獲得できたキャラであった。それだけにこの不完全燃焼ぶりについては「勿体無い」との声が非常に多い。 -『2』に存在していた結婚エンディングのように、本作でも特定の女性キャラクターと結婚してエンディングを迎える事が可能となっているのだが…結婚対象となるのは仲間キャラのミカと、酒場の看板娘「レイチェル」の2名のみ。 --上述したローズの他にも、仲間キャラのシャーリィや隠しソルジャー、人身御供にされかけた所を主人公が助ける事になる巫女「カエデ」、サイバーウェアの専門家「グレイ博士」、%%そして下手な女性よりも女性らしいローズの弟「カール=ベルディア」%%等、結婚対象となってもおかしくなさそうなキャラは大勢登場するのだが、彼女達(一部は彼だが)との結婚エンディングは用意されていない。プレイヤー達から不満の声が上がったのは皆様ご想像の通りである。 -従来作品と同様に、主人公にゆかりのある場所や人にインテリアを買って贈る事ができる、のだが…。 --上述した結婚対象&対象になってもおかしくないキャラの他、主人公の母親や妹に贈って反応を楽しむ事ができる。特に意味は無いが主人公自身や、子供達だけが住む孤児院のような施設に贈る事も可能。 --家具やジュークボックス、金食い虫は勿論、本作では服を贈る事もできるようになった。贈れる服には洋風ドレスやチャイナドレス、巫女服や和服、更には''バニーガール衣装やメイド服、水着''まで存在しており、贈ったキャラを訪ねた際にランダムで着用した姿を披露してくれる((仲間キャラに贈った場合、パーティから外さないと着替えてくれない点に注意))。 ---直販サイトでの予約特典である小冊子で描かれた4コマ漫画「よりぬきメタルさん」のように、主人公を慕ってくれる妹に巫女服を着せたり、主人公の母親のバニー姿を堪能したりといった業の深いプレイも可能。 ---カールも主人公から贈られたメイド服やチャイナドレスをちゃんと着てくれる。わぁい! --主人公の母親は修理工場を開いており、「ハンターとして旅立ったのなら甘やかさない」として息子が相手でもきっちり代金を請求するのだが、気に入ったインテリアを渡すと代金を半額に割り引くイベントが発生する事がある。しかし修理費よりインテリア購入費用の方が遥かに高い為、実用性は皆無に近い。 --これ自体はお遊び要素なのだが「それ以外に力を入れるべき要素があるだろ」と突っ込みを受けているのは皆様ご想像の(ry #region(そして本作ラスボスについても批判意見が見られる。閲覧注意!) -本作のラスボス「アレックス」は見た目こそ黒いスーツにサングラスという風貌の男性だが、その正体は初代『メタルマックス』のラスボスであるスーパーコンピューター・ノアの''端末''である。 --ノアは既に破壊されているが、端末は未だに稼働しており人類絶滅を目指して行動している。本作での暗躍もその一環…という事なのだが、メタルマックスシリーズの過去作品において立ちはだかったラスボス達と比べると個性・存在感共に薄い。更にぶっちゃけると、ノアの端末であるという設定それ自体も必要性が薄い。 ---テッドブロイラー様に存在感の大部分を奪われてしまった『2』のラスボスと比較しても薄いと言われるのは、傍目から見ても相当な問題であろう。 -最後の戦いでは変身して襲いかかってくるが、その様はB級特撮に出てくる悪の怪人が追い詰められて巨大化した姿を想像していただければ概ね合っている。 --戦闘直前の発言も「せめて(自分の計画を台無しにした)君くらいは、この世界から葬っておこうと思った」「力を振り絞ってやって来たという訳さ」と凡庸な主人公への恨み節を並べるのみ。正直な所ラスボスとしての威厳はこれっぽっちも感じられない。 --そして肝心の強さについては…「メタルマックスシリーズの従来作品と比較してもかなりゆるい難易度のラスボス戦」と言われている点からお察しください。 --アレックス第2形態の勇姿(?)は[[こちらの動画サイト>http://dic.nicovideo.jp/v/sm1331530]]で確認可能。案の定、動画のコメント欄においてもズタボロに扱き下ろされてしまっている。 -止めとばかりに、ラストバトルで主人公達を抹殺する事に成功しても、結局彼はキョウジに倒されてしまう。ラスボス(笑) --この展開でも主人公はDr.ミンチによって蘇生され、無事にゲームクリア扱いとなるエンディングを拝む事ができる。事実上直前の「ロケット&ガードメカ×3」戦こそがゲームクリアに向けての最後の関門であり、2回目のアレックス戦は負けても平気なイベント戦、ウイニングランに過ぎないという点がまた彼の哀愁を誘う。 -初代『メタルマックス』の設定に依存しておきながら、キャラ付け・強さ・扱いのいずれもラスボスに相応しいとは到底評し難い扱いであり、確固としたメタルサーガ色を打ち建てるような活躍ができないまま退場してしまった、ある意味では悲運なキャラではある。 --結果として''意味もなく初代とのリンクを図った同人的な設定''と極めて厳しい評価を受けてしまったのも、この有様では已むを得ないだろう。 --とはいえ、当時は初代ラスボス程度の存在感しかなかったノアをプッシュする方向でイベント描写がなされている点については、後に発売されたメタルマックス・メタルサーガシリーズの作品展開に繋がる布石と捉える事も十分可能ではある。 #endregion -纏めると「''力の入れ所を間違えている''」、これに尽きる。 --せめて西部で発生するイベントがもう少し充実していれば、或いはローズを始めとするNPC達に結婚イベントが実装されていれば、また違った評価になったのかもしれないが…。 ''グラフィックについて'' -たまに「PS2後期作品とは思えない程グラフィックがショボイ」「ポリゴンはまるでPSレベル」と言われる事がある。 --主要キャラの立ち絵や、会話時の顔グラフィック…要は2Dグラフィックに関しては問題視するような声は見当たらない。 --批判されがちな3Dグラフィックについては、無念の開発中止となった本家シリーズ作品『メタルマックス ワイルドアイズ』以来の悲願であった事を考えれば、あまり強く責める訳にもいかないのだろうが…。 ---一応、プレイ意欲に関わってくる程に酷いローポリグラフィックという訳ではない点には留意されたし。『メタルマックス4』『[[METAL MAX Xeno>METAL MAX Xeno -滅ぼされざる者たち-]]』等の3Dグラフィックで描かれた後続作品と比較して、本作の3Dグラフィックを「ゲーム作品として程よいデフォルメ具合」と評する声も(少数ではあるが)ちゃんと確認できるのもその証拠であろう。 ''装備品の名称と性能について'' -人間武器の名称はメタルマックスシリーズを思わせるような個性的なものが少なくなっており、代わりに「オートマグ」や「PPsh41」等のコアな銃器が多く登場している。 --銃器マニアには嬉しいが、果たしてそのようなマニアが本作をプレイするのかと訊かれると…寧ろ武器の名前が覚えにくくなったというデメリットの方が大きいかもしれない。 -人間用防具で最強の性能を誇る体用防具が「''メイド服''」。メタルマックスシリーズにおいても「鉄のガードル」や「ケブラーチャイナ」といった変わり種の防具は存在していたが、本作のこれは本当にただのメイド服である。ちなみに作中世界に1着のみしか存在していない。 --一方、従来作品では最強クラス防具であった「サラトガアーマー」「CVCアーマー」は、本作においてはこのメイド服の半分にも満たない防御力しか有していない。しかも中盤で出る店売り品である。 -初代『メタルマックス』で最強の戦車装備であった主砲「220mmガイア」が、本作では店売りで手に入ってしまう。しかも最強装備ではなくその威力は中堅程度。見た目も好評なだけにこの扱いは惜しい。 --一方、本作最強の主砲の名前は「プラズマキャノン」。この名前についてどのように感じるかは人それぞれではあるが、少なくとも古参シリーズファン中では「220mmガイアと名前を入れ替えてほしい」という意見が多いようである。 -戦車パーツ毎に設定されていた防御力が廃止され、1種類のパーツの能力値のみを参照するように統一された。 --しかし、防御力参照の対象となるパーツはシャシー本体ではなく、何故かCユニットとなっている。''コンピューターの防御力が戦車の防御力''という仕様となったのだが、この仕様変更は特に古参のシリーズファンに混乱を齎してしまったようだ。 //コンピューターが外付けなのか? とか、バリアでも張ってるのか?((METAL MAX Xenoでは本当に戦車にフィールドを張って本体への直撃を防ぐ(システム自体は従来の装甲タイルに該当)という設定になっている。)) とか突っ込みきれない。 //さすがに悪意丸出しだったのでCO。ここはゲームを叩く場ではない --メタルマックスシリーズの世界では「Cユニットによる補助があるから、乗員1名でも戦車を運転できる((実際の戦車の運転には、その戦車の種類にもよるが概ね3~4名の乗員が必要となる))」という設定がある。Cユニットはいわば戦車の頭脳であり、性能差によって被弾頻度などの防御能力に差が出るのはそこまで不思議ではない、という解釈は可能ではある。…若干苦しい解釈である事は否定できないが。 -仮にシリーズファンを意識しているのであれば、過去作品で活躍した装備品を出す以上、キチンと過去作品での扱いを反映すべきだった筈ではないだろうか。 --とはいえきっちり反映させたらさせたで、今度は「力の入れ所を間違えたまま過去作品の栄光に依存する」という姿勢を叩かれただろう事は、容易に想像可能ではある。 //正直な所「メタルマックスシリーズに寄せてほしい」のか「もっとサーガの独自色を出してほしい」のかよく分からない記述が多かったので大幅梃入れ ---- **問題点 ''長い上に頻繁に発生するロード時間'' -本作ではマップが切り替わる際に毎回ロードが入る。 --セーブポイントとなるメモリーセンターを始め、戦車パーツ/道具屋、人間用装備/道具屋など、全ての施設が建物内に存在している。この為本作でセーブや補給、買い物をしようと思ったら、ロードだけで結構な時間を費やす破目になる。 ---『2』にあったバザースカのような、ドライブスルー方式で買い物が可能な街があればまだマシではあったのだが…。 --しかもロード時間も結構長め。「街→フィールド」の様に、広いマップに切り替わった際が分かりやすいだろう。 ---こちらはHDにインストールすれば多少は改善可能ではある。本当に多少ではあるが。 ''バグが多い'' -MAPが切り替わらない、戦闘開始時の画面暗転時にフリーズ、戦闘中に高速処理でフリーズ、など一部で致命的な不具合が報告されている。 --厄介なことに致命的な不具合に限って再現性が無い為、これらの原因と明確な回避策はいまだ不明。PS2本体の熱蓄積等との因果関係も分かっていない。 -特定施設・特定条件下で、固定シンボルに阻まれ施設を脱出できなくなる現象も報告されている。この現象が発生してしまうと完全に進行不能となり、リセットするしかなくなってしまう。 --対策としては、こまめにセーブを心がける位しかない。しかしメモリーセンターへ行く際の手間やロード時間がネックになるのは、上の項目で触れた通りである…。 -再現性が高く、明確な回避策が存在している不具合の一例としては、母親がテーブルに引っかかってしまうものが挙げられる。 --母親の部屋内で母親に話しかけた場合、会話終了後母親が部屋を出て行く行動パターンが存在している。インテリアのテーブルを贈った状態でこの行動パターンが発生すると、母親がテーブルに引っかかって部屋から出られなくなってしまう。 ---暫く待てば迂回して出ていくのだが、精神衛生を保ちたいのであれば母親にテーブルを贈るのは避けた方がいいだろう。 -これらのバグから、本作の開発においては''基本的なデバッグ作業すら満足になされていなかった''であろう事が伺える。それほどまで切羽詰まっていたというのだろうか? ''お世辞にも良いとは言えないゲームバランス'' -このゲームの舞台は大きく東部と西部に分かれており、主要な舞台が西部に移って以降はゲームバランスが目に見えて大雑把となるのは賛否両論点でも触れた通りである。 --敵が大幅に強くなり、物価も急激に上昇してしまう。中途半端な状態では補給すらままならなくなってしまう。 -「その町で売っている装備やアイテムを買う→そのアイテムで周辺の雑魚敵を倒す→落としたアイテムを酒場に売る」という方法が頭一つ抜けてお金を稼ぎやすく、「安い武器を改造して乗り切る」や「愛着のある武器を使い続ける」等というプレイスタイルだと赤字に陥りやすい。 --特に終盤の敵「カズラン」が落とすアイテムは破格の値段で引き取ってもらえる。本格的にカズラン狩りを行った際の収入は賞金首の賞金が可愛く思えてくる程であり、物価の急激な上昇もあって大抵のプレイヤーは資金集めの為に延々とカズラン狩りを続ける破目になるだろう。 --シリーズの従来作品では酒場で売れるアイテムはいずれも端金であり、趣味的な要素でしかなかった。本家シリーズと差別化する為の試みと言えば聞こえはいいが、ゲーム全編を通してひたすらアイテム狩りを繰り返すだけとなりがちなのは流石にいただけない。 -キャラのレベルアップに必要な数値は全レベルで一律100ポイントとなり、戦闘後に獲得できる経験値は決まったポイントではなく、自分と敵とのレベル差に応じて決定される方式に変更された。要は『[[FFVIII>ファイナルファンタジーVIII]]』と同じ方式である。 --これにより「経験値の高い敵を狩る」というRPGならではの楽しみが減少してしまった事は否めない。 --レベル差判定もかなり大雑把らしく、自分より多少強い敵を倒せば簡単に経験値が100入り、一方で自分より多少弱い程度の敵は倒しても1しか経験値を得られない。 ---仕様上100回戦闘すれば必ずレベルアップできるという事になるが、逆に言えば終盤はどんな雑魚敵を倒しても経験値1という事になり、雑魚戦の作業感が凄まじい事になる。 ---メタルマックスシリーズ作品の「スローウォーカー」のような、倒す事ができればどんな状態でも大量の経験値が貰えるボーナス雑魚敵も本作には存在していない。 --本作におけるレベルの最高値は何と''4,294,967,296''。やりこみ要素の際限の無さで知られる『[[ディスガイア>魔界戦記ディスガイアシリーズ]]』ですら数値上はレベル9,999が上限である事を考えれば、ゲーム史上最も高いレベル上限と評せるかもしれない。 ---…但し経験値の仕様上、『ディスガイア』と違って上限までレベルを上げるのは実質不可能と言い切ってしまって差し支えない有様ではあるが。((『ディスガイア』の9,999ですら16ビットで十分格納できることを考えれば、2の32乗である4,294,967,296という数値のスケールのでかさは想像つくだろう。)) -本作の敵は通常状態以外に「空中」「高高度」「範囲外」「水中」「地中」「シェルター」「ステルス」といった特殊状態が細かく設定されており、通常と空中以外の状態の敵には攻撃が当たらない仕様になっている。 --後半はこれらの特殊状態による遅延を駆使する敵がゴロゴロ登場するので、ボス戦・雑魚戦共に攻撃の当たらないシーンが度々発生してしまう。これで経験値が1しか貰えないとなれば、ストレスが爆速で溜まるのも当然であろう。 --対策としては特殊砲弾やS-E、一部アイテムや人間用武器、特技の使用などが挙げられるのだが…。 ---砲弾はショートアロー(対空中)・RAP弾(対範囲外)・APFSDS弾(対シェルター)の3種類しか存在せず、攻撃力も大砲の性能依存ではなく砲弾依存となっており、メタルマックスシリーズの従来作品と比べて大分使い勝手が悪化している。 ---S-Eは「エクスカリバーは空中・水中・地中・ステルス・シェルターには効き、高高度・範囲外には無効」等、特殊状態に有効か否かがやたら細かく設定されている割に、作中の説明文には一切情報が記載されていない。実際に試すか外部の情報に頼るしか確認方法が存在せず、管理が恐ろしく煩雑となる。 ---アイテムにはやたら充実している人間用の状態対策手榴弾や、おなじみ「LOVEマシン」等がある。装備はレンズ装備の他、一部店売り品にも特殊状態を無視してダメージを与えられるものが存在している。しかしこれらの対策は共通して「使用の際には戦車から降りて生身の状態にならなければいけない」という欠点が存在している。 ---特技はメカニックや犬が覚える「特殊状態を解除する」スキルと、ソルジャーが覚える「特殊状態の敵にも当たる」スキルが該当する。アイテムや装備と同様の欠点に加えて、此方は使用1回につき安いもので30G、最も高額なものだと2,500Gの使用料が発生してしまう。何度も使えば大赤字待ったなし。 --空中・高高度のみではあるが、本作初登場となる対空戦車を使う事でも対策可能となっている。 ---これら対空戦車は主砲の代わりに「機関砲」を装備する。地上の敵に当たり辛いという欠点こそあるが、物によっては全体攻撃も可能。対空戦のみならず、雑魚戦で敵を一掃する際にもその本領を発揮してくれる。 --纏めると、本作における敵の特殊な状態については、面白さよりもプレイヤーを煩雑化させる意味合いの方が強くなってしまっているのが実情である。 -本作では''通常エンカウントのモンスターからは、ほぼ確実に逃走できる''という仕様がある。雑魚戦が面倒臭いのであれば、最悪逃げ回ってもよかったりする。 --この仕様と、SP0・非武装の戦車であればほぼ最速で行動可能なシステム、そしてゲーム開始直後から最後の街「キャノンエッジ」まで行ける自由度の高さを逆手に取り、ゲーム開始から脇目も振らずにキャノンエッジまで突っ走って到着後は街中と街周辺の装備品を回収し、そこから全滅ミンチ送りなりドッグシステムなりで戻ってシナリオを進めていくという、通称「''キャノンダッシュ''」と呼ばれる攻略法が提唱されてしまった。 ---道中で事故死せずにキャノンエッジまで到達できれば、その後はかなり安定してゲームを進められる。タイムアタックは勿論、普通にプレイする場合でも有用な攻略法として評価されてしまう程である。但し賞金首戦の大半が余裕でノーダメージ撃破できる位にまでヌルゲー化するので、ご利用は計画的に。 -これまでのメタルマックスシリーズでも、バランス面に関しては良いとは言い難い面があったが、流石に本作程の歪なバランスではなかった事は記述しておく。 ''取り返しのつかない一部要素'' -主に賞金首絡みで、敗北するとそれ以降再戦できなくなる相手や、行動や選択肢等によってフラグを立てていないと戦えない相手が何体か存在している。 --賞金首によってはゲームを進めるとフラグが回収不可能となるケースもあり、全ての賞金首と戦うには外部サイトや攻略本等を頼り、攻略情報とにらめっこするのがほぼ必須となっている。これだけならまだ「全ての賞金首と戦う事自体がやりこみの域」と賛否両論で済ませてしまってもよかったのだが…。 #region(ネタバレ要素に言及しています。閲覧注意!) -主人公の称号「無敵の男」は、全ての賞金首を倒さないと取得できない。 --一応、称号は幾つ集めても意味の無い自己満足要素ではあるし、獲得称号数30個以上が条件となる称号「ザ・ハンター」は無敵の男無しでも入手可能。 -本作ではクリア後に、とあるダンジョンで賞金首との総当たり戦を行う事ができる。 --本作で賞金首がドロップするのは、基本的には「ジャンク」と呼ばれるアイテムである((装備品を落とす例外も2体存在してはいる))。これを特定の場所へ持っていき鑑定してもらうと、街の合成屋で合成素材として使用可能なアイテムが手に入る…という方式になっている。この総当たり戦は何度でも挑戦可能であり、腕と時間さえあればレアなジャンクを複数手に入れる事も可能。 --しかしこの総当たり戦、出てくるのは主人公が倒した事のある賞金首のみとなっている。敗北して再戦不能となったり、戦う前に必要なフラグが消滅してしまったりした場合、全ての賞金首と戦う事ができなくなってしまうのである。 ---幸いにして、需要が最も高いであろう「旧文明のジャンク」を落とす賞金首はその全てが無条件のランダムエンカウントとなっているので、総当たり戦に出てこないという事はまず無いと言い切ってしまってもいいだろう。 ---登録漏れが起きた場合、40人抜きの記念品「最強の証」が手に入らなくなる。使っても効果が無い記念アイテムなので、大した実害とはならないのがせめてもの救いか。 #endregion ''その他、細かな問題点'' -使用用途が一切存在しない、正真正銘のガラクタアイテムが多数登場する。 --トランクルーム(預り所)の容量は最大200個。装備品やレアな素材アイテムを一時的に保管する程度ならば十分な数ではあるが、ガラクタアイテムをコレクション目的で預けているとあっという間にパンクしてしまう。 ---メタルマックスシリーズの従来作品では希少アイテムを片端から預けていってもまだ余裕があった事を考えれば、明らかにガラクタアイテムの総量が多すぎると言わざるを得ない。 --ならば不用品はどんどん売却すればいいのでは?と思うかもしれないが、ガラクタアイテムはその大半が売値1~5G。偶に5,000Gというそこそこの値段で売れるガラクタアイテムもあるが、カズラン狩りの効率の前ではどうしても霞んでしまう。 //--ゲーム的に意味のないアイテムはシリーズ過去作品にも存在していたが、それらは使用するとほとんどが固有のリアクションを返してくる為、一種のネタとなっていた。今作のは手間と数だけは多い割に微妙且つ短い説明文が有るだけのガラクタばかりに。 //一旦CO。ゲームを叩くために若干誇張気味に書いたのでは?という疑念を捨てきれない -ソフトリセットが存在していない。 --「ジャンク」と呼ばれるアイテムを鑑定すると、合成屋で素材として使用可能なアイテムが手に入るのだが、どのアイテムになるかは完全にランダム。いくら鑑定しても狙った素材にならないという事態が頻発する。 ---鑑定するジャンクの数を増やして数の暴力に頼るという手もあるが、レアであるが故に数を揃えにくい「一流メーカージャンク」「旧文明のジャンク」で素材アイテムを狙う場合は、やはりソフトリセットが欲しくなってくる。 //確認したところ、ドングル13の出現率は攻略本で21パーセント、攻略サイトで30パーセント。確かに狙う場合はソフトリセットが欲しいが、むしろドングル13以外の必要パーツを引き当てて揃える方が難しいのでは? ---- **総評 メタルマックスシリーズファンの期待を一身に集めて世に出た作品だったが、彼等の膨らみ過ぎた期待に応える事はできなかった。 メタルマックスシリーズを模倣しつつも、新システムを追加し従来作品の問題点を改善しようとしたスタッフの工夫は窺える。~ 事実、本家シリーズに逆輸入された本作初出の要素もある為、目の付け所は間違っていなかったと評せるだろう。 だがそれを考慮したとしても、ロードの長さとゲーム全体のバランスの悪さについては苦言を呈さざるを得ない。~ 長所として伸ばせそうな要素も、製作途中でスタッフが力尽きたのか中途半端に止まっており、~ 作り込みの甘さばかりが悪目立ちしてしまうという、何とも勿体無い形になってしまった。~ 結果として、当時のシリーズファンからは「ガッカリゲー」「黒歴史」の烙印を押される程の酷評を受けてしまったのである。 しかしながら、シナリオ序盤の窮屈さやキャラデザインが大きく足を引っ張った『4』や~ 様々な要素をそぎ落とし過ぎた結果、賛否が真っ二つに割れてしまった『Xeno』等が世に出た現在では~ 一部シリーズファンの間で、プレイヤー自身の望むままにポストアポカリプス世界を駆けまわり、そんな世界でも逞しく生きる人間達の物語を楽しめる本作を再評価する動きも見られるという。 ---- **余談 -後に発売されたザ・ベスト版ではタイトルに「APPENDIX」という項目が追加されている。 --実物の柴犬にバズーカの模型を背負わせた広告や4コマ漫画「よりぬきメタルさん」、そして3種類のPVを自由に閲覧可能となっている。 --あくまでも噂レベルではあるが、通常版と比較してフリーズする確率が低いという情報もある。今からプレイするのであれば此方がオススメ。 -本作に登場する賞金首の中には「''ブック=フォレスト''」なる輩が存在している。討伐前後のイベント含めて苦笑いしたシリーズファンも多い筈。というのも此奴、1999年初頭に「メタルマックスシリーズ新作を開発する」と称して投資金を騙し取ろうとした投資詐欺事件が元ネタなのである。 --この事件を引き起こした人物が名乗っていたのは「''モリモトナオキ''」。姓の部分であるモリモトを漢字表記にすると恐らくは「森本」。森をフォレスト、本をブックと英単語にして順番をひっくり返すと…。 --尚このモリモトナオキを名乗る輩、事件から20年以上が経った現在でもその正体は分かっていない。彼自身はメタルマックス2製作に携わった経験があるとも嘯いていたらしいが、事件発覚当時のデータイーストは「モリモトナオキという人物は全く知らない」と全否定している。 -『メタルマックス2』にも登場した雑魚敵「びんかんバニー」が本作にも登場(?)している。 --『2』でのびんかんバニーは、バニーという名前でありながらどう見てもパラボラット(ネズミ)と同じ外見である事と、戦闘中に隠れてしまう事以外はたいして特徴のない雑魚敵だった、のだが…。 --何をどう間違えたのか、本作ではどう見ても''バニーガールにしか見えない外見をした敵''がびんかんバニーとして登場している。…こんな扇情的な姿で「びんかん」というのは、つまり(以下自主規制) ---荒野のど真ん中にバニーガールというだけでもプレイヤーに与えるインパクトは大きいのだが、戦闘面においても機関銃をぶっ放してきたり、手榴弾を投げつけてきたりと結構強い。メタルサーガシリーズは勿論、メタルマックスシリーズも含めた中でも最強のびんかんバニー…かもしれない。 --尚このびんかんバニー、『鋼の季節』ではまるでマスコットキャラのような姿となり、一方『メタルマックス3』ではちゃんと兎らしい姿となって登場している。 -2006年に、メタルサーガシリーズ2作目『[[鋼の季節>メタルサーガ ~鋼の季節~]]』が発売されたのだが…詳細は同作品の頁にて。

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