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プロ野球ファミリースタジアム'87年度版 - (2021/12/05 (日) 20:32:45) の1つ前との変更点

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*プロ野球ファミリースタジアム'87年度版 【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ はちじゅうななねんどばん】 |ジャンル|SPG|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000533.jpg,height=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|256kb+256kbROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ナムコ|~| |発売日|1987年12月22日|~| |定価|3,900円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|なし|~| |ポイント|打てなくなった選手達&br()シール貼っただけの手抜きパッケージ|~| |>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1986年12月に発売された大人気野球ゲーム『プロ野球ファミリースタジアム』(以下『前作』と表記)のデータリニューアル版。基本システムはそのままに、「ホーナー旋風」を巻き起こしたB.ホーナー、三振かホームランの大砲R.ランス、トレンディエースと呼ばれた西崎とそのライバル阿波野、世紀の大トレードで移籍した中日落合など選手データを1987年度のものに更新、チーム数も2チーム増え12チームとなった。この他ユニフォームのパレット変更、選手データの表記方法、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。 ※データを変更したマイナーチェンジ版であるため、各項目の詳細は『[[プロ野球ファミリースタジアム]]』を参照。各項に於ける記述は相違点に留める。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-02.gif,width=700,center) #center(){主な変更箇所・共に左前作/右本作} #endregion **ゲーム内容 -「バース・落合クラスだと当たればホームラン」((ファミコン通信1987年11月5日号より。))と評されたように打球が飛びすぎた前作の内容を考慮され、本作では飛距離が抑えられ投高打低となった。 -球団は前作10球団に加え、阪急をモデルとしたBチーム(ブラボーズ)が連合チーム「レイルウェイズ」より独立し単独チーム化、さらに当時のMLB一流選手が揃ったMチーム(メジャーリーガーズ)の2球団が新たに参入し12球団となった。なおデモ画面にのみOチーム(オリエンツ)が登場するが、どのような手法を使ってもプレイヤーが操作することは出来ない。 -前作では王・安田2名のOB選手が登場していたが、本作では全選手が日本プロ野球1987年ペナントレース終了時の現役選手で構成され、OB選手は1人もいなくなった。 -試合終了時の新聞でナムコスターズも他のチーム同様「Nチーム」と公平な表記をされるようになった。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-03.gif,center) #center(){MチームとBチーム} #endregion **評価点 -投手有利となり、よりテクニックが重視され、上級者同士の対戦では僅かなミスが命取りとなる。 -チートレベルのMチーム。スタミナの鬼剛球王N.ライアン、130キロのフォーク(実際はSFF)を投ずるM.スコット、3割60本M.マグワイア、控えに甘んじる3割8分40本のD.マッティングリーなど他の11球団とは明らかに一線を画す顔ぶれは、「暴力的な強さ」とまで評された。((ファミコン通信1987年12月10日号/発売直前緊急特集12球団レビューより。))しかしその実情は打てなくなった本作の不満点を解消するために設定された「ナムコの気遣い」であった。 **問題点 -打てなくなった選手達。打球の飛距離が抑えられたため、地味な試合展開となりがちでゲームの爽快感が薄れてしまった。対COM戦では改善されていないお粗末な守備から貰ったチャンスで得点を重ねるという、釈然としない展開。対人戦に於ける1点を争う「緻密な野球」も裏を返せば、「チマチマとヒットで繋ぐ野球」である。 -バッターボックスの前方(ゲーム画面では上部)に移動できなくなった。前作では打席前方に打者を移動させ、変化球の曲がり初めを叩くという相手投手の攻略が可能であったが、本作では前方への移動が不可能となり、先の「飛ばない仕様」と合わせ、打者不利というゲーム内容に拍車をかけている。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-04.gif,center) #center(){左・前作の移動限界/右・本作の移動限界} #endregion -本作の箱・カートリッジ・説明書はそれぞれ前作のハードケースとカセットラベルをそのまま使用し((但し、出荷時期によっては、箱裏面の「160人」が「192人」に、カートリッジ裏面の「10球団」が「12球団」になっているなど細かい変更はされている。))、タイトル部分の横に「87年度版」と書かれたシールを貼っただけで、取扱説明書にいたってはゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である。その大胆な手の抜きようをゲーム雑誌が好意的に受け取る筈もなく「手抜きのパッケージとカセット」((ファミコン通信1988年6月号付録、ゲームカタログ1988より。))「馬鹿野郎、シール貼っただけ」((ファミコン必勝本・バグボーイデラックスより。))と嘲笑やネタの対象物となってしまった。[[参考画像(Googleイメ検)>https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A0+%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%82%B3%E3%83%B3&hl=ja&rlz=1I7DBJP_ja&prmd=imvns&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XnB9UO3AEu2cmQW7lYHIBw&ved=0CAoQ_AUoAQ&biw=1024&bih=567]] -なぜか右投げのBチーム「ふるみそ」。モデルとなった阪急・古溝克之は左投げである。データ間違いを犯してまで彼を入れるなら、この年規定投球回に達し7勝3セーブを挙げた佐藤義則を入れたほうがよかったのではという声も聞かれた。((ファミコンチャンピオンより。)) -妙な色使いのSチームユニフォーム。Dチームのモデル球団である中日のユニフォームが1987年より変更されたことを受け、前作のSチームのユニフォームカラー「青+グレー」がそのままDチームに転用された。そのためSチームのユニフォームも変更されたが、モデル球団であるヤクルトのユニフォームから大きく乖離した「深緑+紫」という奇妙なものに変更されている。 --このカラーリングについては、当時のヤクルトのユニフォームに使用されていた赤と青を混ぜて紫とし、それに加えて親会社カラーかつ当時の球団旗に使われていた緑も使用した、と解釈することも出来なくはないが…。 --次作『'88』以降はビジターユニフォームをモチーフとした「青+水色」に変更され、結果的に初代のDチームとそのまま入れ替わった形となった。ただし、緑はその後も球団選択画面のアイコンに使用されている。 ---本作では西武をモデルとしたLチームのカラーリングが当時のビジターユニフォームと同様の真っ青に変更されており、「青+水色」では色系統が重複するため使用できなかった可能性もある。 --余談だが、近年では実際のヤクルトもユニフォームに緑を使用することが多くなっている((もっとも、本作のような深緑ではなく薄緑~黄緑寄りの色合いが多いが。))。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-05.gif,center) #center(){左・本作Sチーム/中・前作Sチーム/右・本作Dチーム} #endregion **総評 打高投低で本塁打を連発でき、よく言えば「派手で豪快な試合内容」、悪く言えば「大味なゲーム展開」だった前作を反省し、打球の伸びを抑えた本作であったが、ユーザーやゲームライターからは「ホームランが出にくくてつまらない」((ファミリーコンピュータMagazineより。))「地味な試合になりがち」((ファミコン通信ゲームカタログ1991より。))「弱くなった阪神をこれ以上いじめてどうする」((ファミコン通信ライター・浜村通信談。))((阪神はこの年から断続的ではあるが約15年に亘ってリーグ最下位の常連となる。ただしデータ的に言えば、掛布、バースなど現実の成績より上積みされているので、むしろ阪神には優遇している方である。'88、'89開幕版の阪神の悲惨さは本作の比ではない。))など概ね不評であった。この評価を受け『[['88>プロ野球ファミリースタジアム'88年度版]]』からは再び打者有利の内容に戻り、「飛ばないファミスタ」は後にも先にもこの1作だけという結果に終わった。
*プロ野球ファミリースタジアム'87年度版 【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ はちじゅうななねんどばん】 |ジャンル|SPG|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000533.jpg,height=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|256kb+256kbROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ナムコ|~| |発売日|1987年12月22日|~| |定価|3,900円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|なし|~| |ポイント|打てなくなった選手達&br()シール貼っただけの手抜きパッケージ|~| |>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1986年12月に発売された大人気野球ゲーム『プロ野球ファミリースタジアム』(以下『前作』と表記)のデータリニューアル版。基本システムはそのままに、「ホーナー旋風」を巻き起こしたB.ホーナー、三振かホームランの大砲R.ランス、トレンディエースと呼ばれた西崎とそのライバル阿波野、世紀の大トレードで移籍した中日落合など選手データを1987年度のものに更新、チーム数も2チーム増え12チームとなった。この他ユニフォームのパレット変更、選手データの表記方法、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。 ※データを変更したマイナーチェンジ版であるため、各項目の詳細は『[[プロ野球ファミリースタジアム]]』を参照。各項に於ける記述は相違点に留める。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-02.gif,width=700,center) #center(){主な変更箇所・共に左前作/右本作} #endregion **ゲーム内容 -「バース・落合クラスだと当たればホームラン」((ファミコン通信1987年11月5日号より。))と評されたように打球が飛びすぎた前作の内容を考慮され、本作では飛距離が抑えられ投高打低となった。 -球団は前作10球団に加え、阪急をモデルとしたBチーム(ブラボーズ)が連合チーム「レイルウェイズ」より独立し単独チーム化、さらに当時のMLB一流選手が揃ったMチーム(メジャーリーガーズ)の2球団が新たに参入し12球団となった。なおデモ画面にのみOチーム(オリエンツ)が登場するが、どのような手法を使ってもプレイヤーが操作することは出来ない。 -前作では王・安田2名のOB選手が登場していたが、本作では全選手が日本プロ野球1987年ペナントレース終了時の現役選手で構成され、OB選手は1人もいなくなった。 -試合終了時の新聞でナムコスターズも他のチーム同様「Nチーム」と公平な表記をされるようになった。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-03.gif,center) #center(){MチームとBチーム} #endregion **評価点 -投手有利となり、よりテクニックが重視され、上級者同士の対戦では僅かなミスが命取りとなる。 -チートレベルのMチーム。スタミナの鬼剛球王N.ライアン、130キロのフォーク(実際はSFF)を投ずるM.スコット、3割60本M.マグワイア、控えに甘んじる3割8分40本のD.マッティングリーなど他の11球団とは明らかに一線を画す顔ぶれは、「暴力的な強さ」とまで評された。((ファミコン通信1987年12月10日号/発売直前緊急特集12球団レビューより。))しかしその実情は打てなくなった本作の不満点を解消するために設定された「ナムコの気遣い」であった。 **問題点 -打てなくなった選手達。打球の飛距離が抑えられたため、地味な試合展開となりがちでゲームの爽快感が薄れてしまった。対COM戦では改善されていないお粗末な守備から貰ったチャンスで得点を重ねるという、釈然としない展開。対人戦に於ける1点を争う「緻密な野球」も裏を返せば、「チマチマとヒットで繋ぐ野球」である。 -バッターボックスの前方(ゲーム画面では上部)に移動できなくなった。前作では打席前方に打者を移動させ、変化球の曲がり初めを叩くという相手投手の攻略が可能であったが、本作では前方への移動が不可能となり、先の「飛ばない仕様」と合わせ、打者不利というゲーム内容に拍車をかけている。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-04.gif,center) #center(){左・前作の移動限界/右・本作の移動限界} #endregion -本作の箱・カートリッジ・説明書はそれぞれ前作のハードケースとカセットラベルをそのまま使用し((但し、出荷時期によっては、箱裏面の「160人」が「192人」に、カートリッジ裏面の「10球団」が「12球団」になっているなど細かい変更はされている。))、タイトル部分の横に「87年度版」と書かれたシールを貼っただけで、取扱説明書にいたってはゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である。その大胆な手の抜きようをゲーム雑誌が好意的に受け取る筈もなく「手抜きのパッケージとカセット」((ファミコン通信1988年6月号付録、ゲームカタログ1988より。))「馬鹿野郎、シール貼っただけ」((ファミコン必勝本・バグボーイデラックスより。))と嘲笑やネタの対象物となってしまった。[[参考画像(Googleイメ検)>https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A0+%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%82%B3%E3%83%B3&hl=ja&rlz=1I7DBJP_ja&prmd=imvns&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=XnB9UO3AEu2cmQW7lYHIBw&ved=0CAoQ_AUoAQ&biw=1024&bih=567]] -なぜか右投げのBチーム「ふるみそ」。モデルとなった阪急・古溝克之は左投げである。データ間違いを犯してまで彼を入れるなら、この年規定投球回に達し7勝3セーブを挙げた佐藤義則を入れたほうがよかったのではという声も聞かれた。((ファミコンチャンピオンより。)) -妙な色使いのSチームユニフォーム。Dチームのモデル球団である中日のユニフォームが1987年より変更されたことを受け、前作のSチームのユニフォームカラー「青+グレー」がそのままDチームに転用された。そのためSチームのユニフォームも変更されたが、モデル球団であるヤクルトのユニフォームから大きく乖離した「深緑+紫」という奇妙なものに変更されている。 --このカラーリングについては、当時のヤクルトのユニフォームに使用されていた赤と青を混ぜて紫とし、それに加えて親会社カラーかつ当時の球団旗に使われていた緑も使用した、と解釈することも出来なくはないが…。 --次作『'88』以降はビジターユニフォームをモチーフとした「青+水色」に変更され、結果的に初代のDチームとそのまま入れ替わった形となった。ただし、緑はその後も球団選択画面のアイコンに使用されている。 ---本作では西武をモデルとしたLチームのカラーリングが当時のビジターユニフォームと同様の真っ青に変更されており、「青+水色」では色系統が重複するため使用できなかった可能性もある。 --余談だが、近年では実際のヤクルトもユニフォームに緑を使用することが多くなっている((もっとも、本作のような深緑ではなく薄緑~黄緑寄りの色合いが多いが。))。 #region(画像) &image2(FamilyStadium87-05.gif,center) #center(){左・本作Sチーム/中・前作Sチーム/右・本作Dチーム} #endregion **総評 打高投低で本塁打を連発でき、よく言えば「派手で豪快な試合内容」、悪く言えば「大味なゲーム展開」だった前作を反省し、打球の伸びを抑えた本作であったが、ユーザーやゲームライターからは「ホームランが出にくくてつまらない」((ファミリーコンピュータMagazineより。))「地味な試合になりがち」((ファミコン通信ゲームカタログ1991より。))「弱くなった阪神をこれ以上いじめてどうする」((ファミコン通信ライター・浜村通信談。))((阪神はこの年から断続的ではあるが約15年に亘ってリーグ最下位の常連となる。ただしデータ的に言えば、掛布、バースなど現実の成績より上積みされているので、むしろ阪神には優遇している方である。'88、'89開幕版の阪神の悲惨さは本作の比ではない。))など概ね不評であった。この評価を受け『[['88>プロ野球ファミリースタジアム'88年度版]]』からは再び打者有利の内容に戻り、「飛ばないファミスタ」は後にも先にもこの1作だけという結果に終わった。 **余談 -前年オフに話題となった1対4の大トレード「落合博満(ロッテ→中日)」⇔「牛島和彦・上川誠二・桑田茂・平沼定晴(中日→ロッテ)」はあまりにも有名だが、その結果落合を失ったロッテは極端な貧打に苦しむことになった。((落合を失ったのみならず有藤通世は引退して監督になり、リーはホサれたことでやる気を失い成績ガタ落ちでこの年に引退。この年のチームでの最多本塁打は古川槙一の12本という体たらくだった。)) --このせいで前作から受け継がれた日本ハム・ロッテ連合球団「フーズフーズ」は連合しているのに大して強く感じられない不遇なチームになってしまった。~ 上記トレードでロッテ入りした4人のうちゲーム中登録されているのは牛島(うししま)のみ。((デモのみのオリエンツ(Oチーム)では上川も入っている。))

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