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*&this_page() 【うぉーざーど】 |ジャンル|アクション&対戦格闘|~| |対応機種|アーケード (CPシステム3)|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1996年12月|~| |プレイ人数|1~2人|~| |ポイント|対戦格闘と一人用アクションの奇妙な融合&br()ことごとく対戦格闘とは相性の悪いシステム&br()一人用プレイは非常に高難度&br()グラフィックは美麗で好評価|~| **概要 カプコンが1996年12月に発売したアーケード用ゲーム。カプコンがアーケードゲームに用いてきた基板「CPシステム」の第三世代「CPS-3」、それを使用した第一作。 いわゆる「剣と魔法の世界」を舞台にしたファンタジー作品。キャラクターは世界各地を移動し、西洋だけでなく中国風の国、日本風の国なども登場する。 **ゲームシステム コントロールパネルは1レバー6ボタン+スタートボタン。~ 1人プレイは敵モンスターとのラウンドを廃した一本勝負のアクションゲーム、2人プレイではプレイヤーキャラクター同士による普通のラウンド制((ラウンド数は1、3、5のいずれかからオペレーターが選択可能。))の対戦格闘で、一般的な対戦格闘ゲームの概念からはやや外れたところのある作品に仕上がっている。~ アーケードゲームでは珍しいパスワード機能を搭載し、使用キャラの育成要素を導入したのも特徴の一つである。~ 敵モンスターとの戦いでは経験値が入り、プレイヤー同士の対戦ではVSポイントという特殊な経験値が入るようになっていて、プレイを終える度に表示されるパスワードでそれを保存し、次回のプレイ開始時にそれを入力し成長度を引き継がせる。何度もそれを繰り返す事によってレベルを上げていくと、敵の属性攻撃への耐性がついたり新たな技を覚えたりと少しずつキャラを強化できる((ちなみに本作は対戦台で設置されている事が多かったのだが、当然その2P側の画面ではパスワードは左右反対の鏡文字で表示されるのでメモするのに慣れを要した。))。~ ただし成長させたキャラでプレイすると敵モンスターまで体力ゲージが増大し強くなるという仕様なため、成長による強化のわりには難易度は低下しない。 戦闘中キャラクターがダウンするとアイテムボックスが沸いて出る。攻撃を当てるとそれを開ける事ができ、回復アイテム、経験値アイテム、ミスティックオーブ(氷、星、毒、火、風、雷の六属性がある)のいずれかが出てくる。キャラクター固有の超必殺技「ミスティックブレイク」と共通超必殺技「ミスティックマジック」(何が出るかは使用するオーブの属性によって決まる)を使うにはこのオーブを消費する。~ オーブの属性はスタートボタンで自由に変更でき、最大三個まで保持可能。すでに三個持っている状態では取得時に経験値に変換される。~ また経験値アイテムはボックスからだけではなく敵に連続技を入れた時にも現れるのだが、一部のミスティックマジックはそれを発生させるのに効率が良い。しかしそのせいで、育成を重視するとせっかくの固有超必殺技を使わずミスティックマジックばかりを狙う事にもなってしまう。 1人プレイの戦闘後は残り時間や保持オーブ数などに応じた量だけ体力が回復する。時間切れの時は体力がどれだけリードしていても必ずプレイヤー側の敗北である。~ 一般的な対戦格闘ゲームと違い勝っても全快せず、しかも残機制ですらなく一回負けただけでゲームオーバーとなるため、ワンコインクリアを達成するには危険の大きい行為を避け常に残り体力の温存に気を使い、それでいて必ず時間内に倒しきるというプレイを要求される。~ ただしコンティニューすると自分の体力は全快するが敵は僅かにしか回復していない状態で戦闘再開となるので、どれだけコンティニューを繰り返してもクリアできないという事にはまずならない。 **登場キャラクター プレイヤーキャラクターは4人。対戦格闘ゲームとしてみると非常に少ない部類である。しかし敵モンスターは8体(ラスボスは変身して再戦となるので実質9体)と豊富なので1人プレイ時のボリュームはある。~ 敵モンスターの登場順序は使用するキャラ毎に違うが、ランダム性は全く無い完全固定のシナリオになっている。 #region(プレイヤーキャラクター一覧) セレクト画面の並びは左からタバサ、レオ、タオ、ムクロの順。カーソルの初期位置は1P側はレオ、2P側はタオ。 :レオ|屈強な肉体に獅子の頭を持つ剣士。グリーディア国の王だがヴァルダ帝国と戦ったおりに呪いをかけられ、獣へ変貌しかけている。レベルが上がると能力が強化されるだけでなく、より強い剣と盾を入手していく。中ボスと深い因縁があり、キャラセレクト時に1P側のカーソルの初期位置となっているなど主役的な位置づけのキャラ。 :タバサ|海に面した北の国アイスラーンに住み「超近代魔学」なるものを研究する女性。風貌は鍔広の帽子をかぶった魔女風。浮遊する杖によるパンチ攻撃、靴に変身させている猫を使ったキック攻撃など、凝ったモーションが多い。世界各地で異変が起こっているのを察知し調査を開始する。 :タオ|ゴラ国の徒手格闘に長ける少女。故郷を滅ぼされその元凶を断つべく旅に出る。 :ムクロ|ジパング国の将軍ナオスケに仕える忍び集団の頭領。どこからか現れジパングを空から襲いだした無数の「黒船」をナオスケの命で調査し始める。通常技で刀の他に鎖鎌や大筒(大砲)を取り出して使うものがあり、クセのある性能のキャラ。タバサと並んで凝ったモーションが多く、貫手を繰り出す「閻魔突き」でトドメを指すと、敵の心臓(またはそれに相当するもの)を掴み出して握り潰すといった演出もある。 #endregion #region(敵モンスター一覧) :ハウザー|グリーディアの地に生息する竜。ファンタジーによく登場するドラゴンではなく、ティラノサウルスの様なプロポーションを持つ。種族名はアースドラゴン。 :金剛|ジパングに現れる巨大な赤鬼。怪力で金棒を振り回し、さらにまるでロケットパンチの様に自分の腕を飛ばしてくるなどの攻撃もしてくる。 :ヌール|アイスラーンに生息する触手を持ったオウムガイのような姿の怪物。知能が高く、武器としてトライデントを持つ。 :ルアン|鋭い爪を持つ半人半鳥の妖女。飛行能力を持ち捉えづらい。タオの故郷を焼き滅ぼした。 :セクメト|エジプト風の国アランバードの地で出会う怪物。スフィンクスの如き像にアルマーナIV世が乗り移り、身体の前面にライオン、ドラゴン、鳥、ヤギの頭部を持ち尾もコブラの頭部になった姿で動き出したもの。セクメトを倒した後はボーナスステージが待っている。 :ギギ|クリプトで出会う石像巨人。四本の腕それぞれに刀を持ち襲ってくる。倒すと2度目のボーナスステージに。このギギと下のブレイド、ヴァルドールはプレイヤーがどのキャラを使用していても共通で終盤の敵として登場順が固定されている。 :ブレイド|オープニングデモでも姿を見せている本作の中ボス。肉体を持たず鎧とクリスタルだけで身体が構成されている。実はその正体は以前の戦いでヴァルダ帝国に捕らえられたレオの国の親衛隊長の変わり果てた姿である。 :ヴァルドール|ヴァルダ帝国の長で、赤い長衣に長い髭、杖を持った王と言うよりは魔術師風の外見の老人。一度倒すと奇怪な姿に変貌しもう一戦交える事になる。完全に倒した後に本人が語るところによれば、ヴァルドールという存在を生み出したのは人間達の欲望や憎しみの心であるという。 #endregion **評価点 -個性的なキャラクター(一部) --タバサは他ゲームにも出場している。だけでなくヌールやハウザーも出ていたりする。 --が、流石にムクロやレオは没個性的というかありきたりというか…((おそらくは海外ウケを狙ったのだろう)) --タオは割りと人気があるのだが、他ゲームではタバサの盾だったりと扱いが悪い。プレイヤーキャラになったことも無い。 -コダワリが感じられるドット絵 --新基板と鳴り物入りだったが、それを言うだけの美しいドット絵。 **批判点 -&bold(){対戦格闘とアクションの良い所捨て&悪い所取り×高難易度なCPU戦} --対戦格闘の良いところは公平性だが、このゲームでは敵はCPU専用キャラ。しかもどれだけ優勢でも時間切れ=ゲームオーバー。既に不公平である。 --アクションの良いところは爽快感や派手さ、パターン構築による攻略だが、このゲームのCPUは妙に強く、敵を倒しまくるという爽快感は全く無い。演出も色合いも地味。 --個性的で見栄えのする技も多数あるが、クリアや可能な限りのEXP稼ぎを目指すとなると、行動がパターン化せざるを得ない。コンボも控え目で、個性的な技を次々に繰り出して敵を仕留めるといった楽しみも薄い。 --対戦格闘の悪いところはモッサリ加減であるが、このゲームはかなりモッサリ。回避しまくるなんてできようがない。 --アクションの悪いところはすぐにやられることだが、CPUが強いこのゲームでやられてしまうのはありまくりである。 --妙に強い敵、守ると迫るゲームオーバー、なんとか勝っても大幅に減った初期体力から戦う次ステージ…どうしろと。 -&bold(){対戦格闘と相性の悪すぎるシステム} --成長すると技の性能が向上するのはいいのだが、対人対戦でそれを使えるとどうなるか。同キャラの同じ技で単純な優劣の性能差があるようになる。それで対戦をしたがる人がどれだけいるのだろうか。ここでも公平性が壊されている。 --パスワードというのも、ICカードなど無かった当時では仕方ない記録システムだが、コイン入れてパスワードをチマチマ入れてから対戦なんて、折角の対戦格闘の回転率とノリを殺してしまう。 --後に各キャラの最強パスワードが出回り、一部のゲーセンではそれが筐体に貼られていたというケースもある。これはこれで公平ではあるものの、こうなっては成長システムの存在意義が無い。 --第一、プレイヤーキャラクターが&bold(){4人しかいないので対戦のバリエーションが無い}。そこは成長で…という方針だったのかもしれないが、それは前述の通り間違いである。 -&bold(){1人プレイでは、そもそも成長にあまり意味がない} --前述の通り、成長させるとその分敵が強くなる。できることが増えるくらいしか意味がない。 --しかもその成長度も遅い。苦労して成長しても楽にならない。俺の苦労に何の意味が?と不毛感に襲われるのは必定。 **総評 一見すると対戦格闘のような、しかしクリアを狙う上でそのセオリーがことごとく通用しない作品。~ 新基板を売り出すための肝心の第一作でありながら、同じCPS-3基板で後に出された『ストリートファイターIII』『[[ジョジョの奇妙な冒険>ジョジョの奇妙な冒険 (AC)]]』は家庭用移植される程の好評ぶりだったにもかかわらず、本作は全くそれが全く無く((実のところ、あまり良い評判は得られなかったらしい。))、ネット上でもゲーム性部分を褒める声はあまり聞かれない。~ ドット絵の美しさなどの評価が高い。 当時、カプコン対戦格闘絶頂期であり、久しぶりのカプコン製新作本格対戦格闘ゲーム、しかも新基板ということで期待が大きく、出回りも結構良かった。~ 事実、ゲーセンの中心にある対戦台に据えた店舗は多かった。だが間もなくその座から外され、片隅に追いやられて更に短命で撤去された辺りに、このゲームの評価が現れているだろう。~ 似たようなシステムの『[[究極戦隊ダダンダーン]]』は、吹っ切れることと対戦格闘とアクションの良い所どりをある程度達成して一定の評価を得たが、こちらはなまじ更にいろいろな要素を加えてマトモにしようとして失敗したのかもしれないし、試験作としていろいろやりたかったのかもしれない。そういうのは新基板第一弾でやるなという話もあるが。~ ただ以降のカプコン対戦格闘ゲームでは、ICカードシステム&キャラも着せ替え要素のみで技の成長はしないなど、本作の反省点が生かされているようなのは救いといえるか。 なお、本作のキャラクターは後に、『[[ポケットファイター]]』と『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』にタバサが、『[[CAPCOM FIGHTING Jam]]』にレオ・ムクロ・ヌール・ハウザーが、それぞれゲスト出演している。プレイヤーキャラクターではタオのみ外部出演経験がない。
*&this_page() 【うぉーざーど】 |ジャンル|アクション&対戦格闘|~| |対応機種|アーケード (CPシステム3)|~| |発売・開発元|カプコン|~| |稼働開始日|1996年12月|~| |プレイ人数|1~2人|~| |ポイント|対戦格闘と一人用アクションの奇妙な融合&br()ことごとく対戦格闘とは相性の悪いシステム&br()一人用プレイは非常に高難度&br()グラフィックは美麗で好評価|~| **概要 カプコンが1996年12月に発売したアーケード用ゲーム。カプコンがアーケードゲームに用いてきた基板「CPシステム」の第三世代「CPS-3」、それを使用した第一作。 いわゆる「剣と魔法の世界」を舞台にしたファンタジー作品。キャラクターは世界各地を移動し、西洋だけでなく中国風の国、日本風の国なども登場する。 **ゲームシステム コントロールパネルは1レバー6ボタン+スタートボタン。~ 1人プレイは敵モンスターとのラウンドを廃した一本勝負のアクションゲーム、2人プレイではプレイヤーキャラクター同士による普通のラウンド制((ラウンド数は1、3、5のいずれかからオペレーターが選択可能。))の対戦格闘で、一般的な対戦格闘ゲームの概念からはやや外れたところのある作品に仕上がっている。~ アーケードゲームでは珍しいパスワード機能を搭載し、使用キャラの育成要素を導入したのも特徴の一つである。~ 敵モンスターとの戦いでは経験値が入り、プレイヤー同士の対戦ではVSポイントという特殊な経験値が入るようになっていて、プレイを終える度に表示されるパスワードでそれを保存し、次回のプレイ開始時にそれを入力し成長度を引き継がせる。何度もそれを繰り返す事によってレベルを上げていくと、敵の属性攻撃への耐性がついたり新たな技を覚えたりと少しずつキャラを強化できる((ちなみに本作は対戦台で設置されている事が多かったのだが、当然その2P側の画面ではパスワードは左右反対の鏡文字で表示されるのでメモするのに慣れを要した。))。~ ただし成長させたキャラでプレイすると敵モンスターまで体力ゲージが増大し強くなるという仕様なため、成長による強化のわりには難易度は低下しない。 戦闘中キャラクターがダウンするとアイテムボックスが沸いて出る。攻撃を当てるとそれを開ける事ができ、回復アイテム、経験値アイテム、ミスティックオーブ(氷、星、毒、火、風、雷の六属性がある)のいずれかが出てくる。キャラクター固有の超必殺技「ミスティックブレイク」と共通超必殺技「ミスティックマジック」(何が出るかは使用するオーブの属性によって決まる)を使うにはこのオーブを消費する。~ オーブの属性はスタートボタンで自由に変更でき、最大三個まで保持可能。すでに三個持っている状態では取得時に経験値に変換される。~ また経験値アイテムはボックスからだけではなく敵に連続技を入れた時にも現れるのだが、一部のミスティックマジックはそれを発生させるのに効率が良い。しかしそのせいで、育成を重視するとせっかくの固有超必殺技を使わずミスティックマジックばかりを狙う事にもなってしまう。 1人プレイの戦闘後は残り時間や保持オーブ数などに応じた量だけ体力が回復する。時間切れの時は体力がどれだけリードしていても必ずプレイヤー側の敗北である。~ 一般的な対戦格闘ゲームと違い勝っても全快せず、しかも残機制ですらなく一回負けただけでゲームオーバーとなるため、ワンコインクリアを達成するには危険の大きい行為を避け常に残り体力の温存に気を使い、それでいて必ず時間内に倒しきるというプレイを要求される。~ ただしコンティニューすると自分の体力は全快するが敵は僅かにしか回復していない状態で戦闘再開となるので、どれだけコンティニューを繰り返してもクリアできないという事にはまずならない。 **登場キャラクター プレイヤーキャラクターは4人。対戦格闘ゲームとしてみると非常に少ない部類である。しかし敵モンスターは8体(ラスボスは変身して再戦となるので実質9体)と豊富なので1人プレイ時のボリュームはある。~ 敵モンスターの登場順序は使用するキャラ毎に違うが、ランダム性は全く無い完全固定のシナリオになっている。 #region(プレイヤーキャラクター一覧) セレクト画面の並びは左からタバサ、レオ、タオ、ムクロの順。カーソルの初期位置は1P側はレオ、2P側はタオ。 :レオ|屈強な肉体に獅子の頭を持つ剣士。グリーディア国の王だがヴァルダ帝国と戦ったおりに呪いをかけられ、獣へ変貌しかけている。レベルが上がると能力が強化されるだけでなく、より強い剣と盾を入手していく。中ボスと深い因縁があり、キャラセレクト時に1P側のカーソルの初期位置となっているなど主役的な位置づけのキャラ。 :タバサ|海に面した北の国アイスラーンに住み「超近代魔学」なるものを研究する女性。風貌は鍔広の帽子をかぶった魔女風。浮遊する杖によるパンチ攻撃、靴に変身させている猫を使ったキック攻撃など、凝ったモーションが多い。世界各地で異変が起こっているのを察知し調査を開始する。 :タオ|ゴラ国の徒手格闘に長ける少女。故郷を滅ぼされその元凶を断つべく旅に出る。 :ムクロ|ジパング国の将軍ナオスケに仕える忍び集団の頭領。どこからか現れジパングを空から襲いだした無数の「黒船」をナオスケの命で調査し始める。通常技で刀の他に鎖鎌や大筒(大砲)を取り出して使うものがあり、クセのある性能のキャラ。タバサと並んで凝ったモーションが多く、貫手を繰り出す「閻魔突き」でトドメを指すと、敵の心臓(またはそれに相当するもの)を掴み出して握り潰すといった演出もある。 #endregion #region(敵モンスター一覧) :ハウザー|グリーディアの地に生息する竜。ファンタジーによく登場するドラゴンではなく、ティラノサウルスの様なプロポーションを持つ。種族名はアースドラゴン。 :金剛|ジパングに現れる巨大な赤鬼。怪力で金棒を振り回し、さらにまるでロケットパンチの様に自分の腕を飛ばしてくるなどの攻撃もしてくる。 :ヌール|アイスラーンに生息する触手を持ったオウムガイのような姿の怪物。知能が高く、武器としてトライデントを持つ。 :ルアン|鋭い爪を持つ半人半鳥の妖女。飛行能力を持ち捉えづらい。タオの故郷を焼き滅ぼした。 :セクメト|エジプト風の国アランバードの地で出会う怪物。スフィンクスの如き像にアルマーナIV世が乗り移り、身体の前面にライオン、ドラゴン、鳥、ヤギの頭部を持ち尾もコブラの頭部になった姿で動き出したもの。セクメトを倒した後はボーナスステージが待っている。 :ギギ|クリプトで出会う石像巨人。四本の腕それぞれに刀を持ち襲ってくる。倒すと2度目のボーナスステージに。このギギと下のブレイド、ヴァルドールはプレイヤーがどのキャラを使用していても共通で終盤の敵として登場順が固定されている。 :ブレイド|オープニングデモでも姿を見せている本作の中ボス。肉体を持たず鎧とクリスタルだけで身体が構成されている。実はその正体は以前の戦いでヴァルダ帝国に捕らえられたレオの国の親衛隊長の変わり果てた姿である。 :ヴァルドール|ヴァルダ帝国の長で、赤い長衣に長い髭、杖を持った王と言うよりは魔術師風の外見の老人。一度倒すと奇怪な姿に変貌しもう一戦交える事になる。完全に倒した後に本人が語るところによれば、ヴァルドールという存在を生み出したのは人間達の欲望や憎しみの心であるという。 #endregion **評価点 -個性的なキャラクター(一部) --タバサは他ゲームにも出場している。だけでなくヌールやハウザーも出ていたりする。 --ムクロやレオも出演している。が、流石にこの2人は没個性的というかありきたりというか…((おそらくは海外ウケを狙ったのだろう)) --タオは割りと人気があるのだが、他ゲームではタバサの盾だったり、プレイヤーキャラになったことも無いなど、何故か扱いが悪い。 -コダワリが感じられるドット絵 --新基板と鳴り物入りだったが、それを言うだけの美しいドット絵。 --キャラのモーションも凝っている(特にタバサ・ムクロ)。 **批判点 -&bold(){対戦格闘とアクションの良い所捨て&悪い所取り×高難易度なCPU戦} --対戦格闘の良いところは公平性だが、このゲームでは敵はCPU専用キャラ。しかもどれだけ優勢でも時間切れ=ゲームオーバー。既に不公平である。 --アクションの良いところは爽快感や派手さ、パターン構築による華麗な攻略だが、このゲームのCPUは妙に強く、敵を倒しまくるという爽快感は全く無い。演出も色合いも地味。 ---個性的で見栄えのする技も多数あるが、クリアや可能な限りのEXP稼ぎを目指すとなると、行動がパターン化せざるを得ない。コンボも控え目で、個性的な技を次々に繰り出して敵を仕留めるといった楽しみも薄い。 --対戦格闘の悪いところはモッサリ加減であるが、このゲームはかなりモッサリ(対戦格闘としては普通の範囲ではあるが)。回避しまくるなんてできようがない。 --アクションの悪いところはすぐにやられることだが、CPUが強い+次ステージの初期体力が微量回復した分しないこのゲームで、やられてしまうのはありまくりである。 --全部1本勝負なので、ボリュームも無いし学習しにくい。1本取られたが次こそは…というのも無い。 --妙に強い敵、守るとすぐ背後に迫るゲームオーバー、なんとか勝っても大幅に減った初期体力から戦う次ステージ…どうしろと。 -&bold(){対戦格闘と相性の悪すぎるシステムだらけの対人戦} --成長すると技の性能が向上するのはいいのだが、対人対戦でそれを使えるとどうなるか。同キャラの同じ技で単純な優劣の性能差があるようになる。それで対戦をしたがる人がどれだけいるのだろうか。ここでも公平性が壊されている。 --パスワードというのも、(ICカードなど無かった当時では仕方ない記録システムだが)コイン入れてパスワードをチマチマ入れてから対戦なんて、折角の対戦格闘の回転率とノリを殺してしまう。待たされる相手は尚更。 --後に各キャラの最強パスワードが出回り、一部のゲーセンではそれが筐体に貼られていたというケースもある。これはこれで公平ではあるものの、こうなっては成長システムの存在意義が無い。 --第一、プレイヤーキャラクターが&bold(){4人しかいないので対戦のバリエーションが無い}。そこは成長で…という方針だったのかもしれないが、それは前述の通り間違いである。 -&bold(){1人プレイでは、そもそも成長にあまり意味がない} --前述の通り、成長させるとその分敵が強くなる。できることが増えるくらいしか意味がない。 --しかもその成長度も遅い。苦労して成長しても楽にならない。俺の苦労に何の意味が?と不毛感に襲われるのは必定。 **総評 一見すると対戦格闘のような、しかしクリアを狙う上でそのセオリーがことごとく通用しない作品。~ 新基板を売り出すための肝心の第一作でありながら、同じCPS-3基板で後に出された『ストリートファイターIII』『[[ジョジョの奇妙な冒険>ジョジョの奇妙な冒険 (AC)]]』は家庭用移植される程の好評ぶりだったにもかかわらず、本作は全くそれが全く無く((実のところ、あまり良い評判は得られなかったらしい。))、ネット上でもゲーム性部分を褒める声はあまり聞かれない。~ ドット絵の美しさなどの評価は高い。 当時はカプコンとSNKを二大巨頭とした対戦格闘絶頂期であり、久しぶりのカプコン製新作本格対戦格闘ゲーム、しかも新基板ということで期待が大きく、出回りも結構良かった。事実、入荷して即ゲーセンの中心にある対戦台に据えた店舗は多かった。~ だが間もなくその座から外され、片隅に追いやられて更に短命で撤去されて、以降も家庭用移植が全く無い辺りに、このゲームの評価が現れているだろう。~ 似たようなシステムの『[[究極戦隊ダダンダーン]]』は、吹っ切れた演出&キャラクター、対戦格闘とアクションの良い所どりをある程度達成して一定の評価を得たが、こちらはなまじ更にいろいろな要素を加えてマトモにしようとして失敗したのかもしれないし、試験作としていろいろやりたかったのかもしれない。そういうのは新基板第一弾でやるなという話もあるが。~ ただ以降のカプコン対戦格闘ゲームでは、ICカードシステム&キャラも着せ替え要素のみで技の成長はしないなど、本作の反省点が生かされているようなのは救いといえるか。 なお、本作のキャラクターは後に、『[[ポケットファイター]]』と『[[SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS]]』にタバサが、『[[CAPCOM FIGHTING Jam]]』にレオ・ムクロ・ヌール・ハウザーが、それぞれゲスト出演している。プレイヤーキャラクターではタオのみ外部出演経験がない。~ プレイヤー人気の割に何かと出ている辺り、スタッフサイドの思い入れは強いようだ。

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