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ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 - (2016/12/01 (木) 07:12:45) の1つ前との変更点

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*ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 【ぽけもんふしぎのだんじょん まぐなげーととむげんだいめいきゅう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61jIOZfj3zL.jpg,height=160)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト、ポケモン|~| |発売日|2012年11月23日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|第五世代のポケモンが新たに登場&br;薄すぎる内容&br;改善点もあるが改悪点も多い&br;まさかの有料DLC&br;BGMとストーリーは良好|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズリンク>不思議のダンジョンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シリーズ第4作。株式会社ポケモンの石原社長曰く「決定版」(任天堂公式ページに発売前に掲載された岩田社長との対談より)。しかし蓋を開けてみると…… **新要素 -''ポケモンパラダイス'' --本作では主人公とパートナーの家の周りの土地を開拓し、冒険に便利な施設を建てることができる「ポケモンパラダイス」作りを楽しめる。 --施設を建てるには、資金と依頼で手に入る「材料」が必要。さらに貴重な材料を手に入れれば施設をグレードアップすることもできる。 --ちなみにポケモンパラダイスにはダンジョンで仲間にしたポケモンが集まっている。 -''なかまモード'' --一旦主人公たちの冒険をセーブして中止し、ポケモンパラダイスに待機している仲間を操作してプレイできるモード。ダンジョン内以外ならいつでも行うことが可能。 --このモードで倉庫に預けた道具は主人公たちの倉庫につながるので、道具稼ぎに使える。 -''はっけん!マグナゲート'' --タイトル画面からプレイできる、3DSのカメラ機能を使ったモード。身の回りにある丸いものを写すと「マグナゲート」が見つかることがあり、ここからダンジョンに行くことができる。 --プレイヤーとして操作できるポケモンは最初に主人公及びパートナーとして選べるポケモンとその進化系からランダムに決まる。 --手に入れた道具は本編に持ち込める。 -''わざの使いこみ'' --ダンジョンで「わざ」を使いこむと技のレベルが上がる。 --レベルが上がると威力・命中率・PPが上がり、さらに同じ名前の技なら上がったレベルをチームで共有すること可能。 --この仕様により、初代から前作まで存在していた技の威力を上げる道具「カテキン」は抹消されている。 --強力だが当たり辛い、PPが少ない……といった技も使いこんだり、アイテムの「ひけつ」を使う事によって欠点の無い完璧な技にする事もできる。 -''Vウェーブ'' --特定のタイプのポケモンが、技の威力が上がる、経験値増加(該当ポケモンが敵にとどめを刺した場合のみ)、PP消費を少なく抑えられる、などの様々な恩恵を受けることができる。対象となるタイプは毎日変化する。 ---当然敵にも効果があるので高難易度のダンジョンに行く際は注意。 -''みんなでアタック'' --ダンジョン内で歩いたり、敵を倒したりすることで「心のはどう」が溜まると使える。 --多くの敵に大ダメージを与えることができ、更にリーダーにしているポケモンのタイプによって良い効果が起ったりもする。 -''不思議度'' --クリア後は各ダンジョン・依頼に「不思議度」というパラメータが付加される。1~5まであり、高いほどダンジョン内で不思議な現象が起こりやすい。 --不思議度の影響は各フロア開始時に「不思議なひずみ」となってランダムで発生。「敵が全員鈍足」などプラスのものも、「装備品が効果を発揮しない」などマイナスのものもある。 ---中でも凶悪なのが「食べ物を食べられない」効果。おなか(空腹度)要素ありのダンジョンでは当然ながら餓死に直結するし、更に恐ろしいのは死亡時に復活できる保険アイテムの「ふっかつのタネ」が無効になることである。 --時空が歪んで別のダンジョンに飛ばされることも。飛んだ先でしか仲間にできないポケモンもいる。 ---なお、依頼でダンジョンに行く場合、どのフロアでどのようなひずみが発生してどこに飛ばされるか否かがあらかじめ決まっている。(依頼を受けない場合はランダム) -''ローカル通信'' --シリーズ初のマルチプレイ対応。なかまモードで遊んでるときにメニューからローカル通信を選ぶと、近くでこのゲームを遊んでる友達と一緒にチャレンジ掲示板の依頼(おたずねものや伝説のポケモンとの戦い)を協力して行う事ができる。依頼の報酬は参加したプレイヤー全員に与えられる。 **評価点・前作からの改善点 -グラフィックを細やかな3Dに一新。 --同じ携帯機だったDSの『救助隊』『探検隊』では2D、据え置きのWiiの『冒険団』ではデフォルメした簡易的な3Dだったが、本作では本格的な3Dグラフィックを実現している。 --『ポケモンバトルレボリューション』などの作品よりも繊細な3Dで、表情の変化も細かく表現されている。ムービーを用いた迫力ある演出も評価できる。 ---「ドット絵の方が味があってよい」という声もあるにはあるが。 ---また、後述する問題点から「無理にそんなことをしなくていいからポケモンを増やして欲しい」という声も上がった。 -往年のシリーズでも好評だったストーリー・BGMはやはり高評価。 --序盤のドテッコツたちのエピソードからクライマックスまで、感動のストーリーが繰り返される。 --BGMも本家ポケモンにはない壮大なBGMが揃っており、聴いてて飽きない。 -倉庫の中のアイテムは、同一アイテムの場合は全て1つの枠で束としてまとめられるようになった。(『救助隊』と同じ仕様に戻った) --例としてリンゴを倉庫に複数預けた場合、『探検隊』『冒険団』では「リンゴ/リンゴ/リンゴ」のように個別にバラけていたが、今作では「リンゴ 10」のように1枠扱いになる。 --そのため倉庫がいっぱいになることはほとんどなくなった。 -技マシンが『[[ブラック&ホワイト>ポケットモンスター ブラック・ホワイト]]』同様に何度でも使えるようになった。 --過去作と比較すると、全ての技マシンが前作までの「ひでんマシン」に相当する仕様になった((前作まではごく一部の「ひでんマシン」のみ何度でも使用できたが、通常のわざマシンは使うと「しようごマシン」という残骸となり、ダンジョン内で技「リサイクル」を使用すると元に戻せるという仕様だった。ただし「しようごマシン」は倉庫に預けられない上、「リサイクル」は覚えられるポケモンが少ないので放棄されることがほとんどだった。))。 --その為か技マシンは全体的にレアになり、レベルリセットダンジョンではこれが問題になることに・・・・ -ポケモンパラダイスに待機しているポケモンにも経験値が入る仕様に変更され、レベル上げがしやすくなった。また、ダンジョン内で進化もできるようになった。 --さらに「なかまモード」の存在で、ストーリー中にイベントでポケモンパラダイスに戻れない時にレベルの上がったポケモンを使用できるので、ダンジョンで仲間にしたポケモンの存在意義が上がった。 --エモンガ、ノコッチ、ビリジオンなどストーリー中で強制出撃を要求されるポケモンがいることに対する配慮でないかと思われる。 ---ただし、使っていないポケモンも強制的にレベルアップしてしまうため、前作までのように「依頼で序盤のダンジョンに行く時は低レベルのポケモンを選び緊張感を保つ」ということができない。まあ、今作では序盤のダンジョンで美味しい報酬という依頼自体が少ないのだが。 -前作までの欠点だったテンポの悪さが改善された。 --操作ポケモンの四つの技がABXY四つのボタンに割り振られており、Lボタン+ABXYのどれかのボタンでいちいち技メニューを開かずともすべての技を繰り出せるようになった((前作まではL+Aで登録した技1種類のみを出せる仕様だった。))。 --Yボタンで技演出をスキップ。多くの敵に当たる部屋全体攻撃技もヒット時のアニメーションを省略可能。 -「みわたす」コマンドで広い部屋の様子を遠くまで見られるようになった。このコマンド自体は改善点と言ってもよいが、後述する視界の悪さのせいでこれを使わないとやってられない状態。 -リーダー交代も復活。しかしメニューボタンでは誰をリーダーにするか選べず、ステータスウィンドウにおける操作ポケモンの次のポケモンが自動でリーダーになるのでやや面倒。 --実は、「ステータス」→「さくせんかいぎ」からもリーダーを変更できる。一つ後ろの仲間と交代するときはこっちの方が便利かも。 --強すぎる性能だった「ふういん」や「オウムがえし」などの技も原作準拠で無難な効果に変更されている。 --逆に「みねうち」は原作準拠で有用性が薄い効果だったが、「倒した敵が仲間になりやすくなる」という役立つものに変更されている。 --地味だが、「まるくなる」使用後に一回だけ「ころがる」の威力が上がるようになった。(再び使用するにはもう一度「まるくなる」必要あり) ---もっとも,「ころがる」が、「外れるまで最大5回連続攻撃」のみ(当たるごとに威力が倍増したりしない)という仕様になったのだが。技を鍛えられる本作でそんな仕様があったらバランス大崩壊ものだから仕方ないか。 -ポケモンパラダイスを発展させる町造り要素。 --タネ・きのみ系アイテムを増やす「畑」、技の熟練度を1日1回格安で上げてくれる「道場」などの施設は活用すればとても有用。 --ミニゲームを遊べる施設もある。上手くクリアすればレアアイテムが手に入ることも。 --荒地が開拓され、施設が並び、仲間にしたポケモン達で賑わっていく様子は見ていて楽しい。『救助隊』の「ともだちエリア」の発展形とも言えるだろう。 **賛否両論点 -ステータス「おなか」の事実上抹消と、通常攻撃の仕様変更。 --行動の度に減少し0になるとHPが減っていく「おなか」の消失により、ダンジョンを動き回りやすくなる代わりに、通常攻撃((技ではない攻撃。無論PPの概念が無いため無限に撃つことができる。))によるダメージが最大5ダメージとなり、実用度が大きく下がっている。これにより、「おなか」ではなくわざのPPや飛び道具が尽きた(=通常攻撃しか出来なくなった)ら探索限界、と言うバランスに変更されている。 --従来の「不思議のダンジョン」系ゲームとバランスが大きく異なる変更点であり、賛否両論。ただ、通常攻撃かわざかを選択する自由度が下がった点、仲間が通常攻撃を使ってしまう点は問題と言えるだろう。 ---似たシステムとして風来のシレン4及び5の「夜」が挙げられる。こちらは夜になると1フロアあたり様々な効果を発揮する技が8回まで使えるかわりに技以外の攻撃が1ダメージ固定になる。こちらも賛否両論であるが、うまく利用すればメリットも多く、肯定的な意見も少なくない。 --一応、クリア後の高難易度ダンジョンやDLC配信ダンジョンのごく一部のみ、例外として「おなか」が存在するダンジョンもある。これに限り過去作と同様におなかが減り、リンゴなどの食べ物も出現。 -ポケモンシリーズとしては初の、有料DLCの存在 --有料DLCの内容は、仲間にしにくいポケモンや珍しい道具を簡単に入手、高難易度の冒険が楽しめるなどの利点のあるダンジョンに行けるようになるものが配信されているのだが……値段に釣り合う価値があるかどうかは人それぞれと言ったところだろうか。 --ただし、DLCのオマケで過去作の曲をDLするとトップメニューの音楽が聴けなくなってしまう問題がある。 --本編シリーズとしてではないものの、ポケモンシリーズで有料DLCを採用するのはどうなのか、という不評の意見も存在する。 -Vウェーブは「Vルーレット」を回すことで好みのものに変更できるのだが、一日一回しか回せないうえにルーレットの回転が非常に速く、目押しはほとんど無理に等しい。 --ポケ(お金)を払って当たる確率を増やす事が出来るのだが、それに必要な金額はとにかく高い。確実に当てられるようにするには7777ポケ必要。 ---まあ前述の恩恵を考えれば妥当な仕様なのかもしれないが。 ---ルーレットの速度は遅い時もあるのでセーブ&リセットを繰り返すのもありかも。 -前作まではBGMが突然止まり、「……おや、なにかがうごいた。」というどこかホラー染みた演出であった警告メッセージは、BGMが止まらず「風が吹いてきた!」という普通の(?)演出に変更されている。 -あるダンジョンの特定のフロアには「わきみち」が存在する。カギを使ったり、あるタイプのポケモンを連れていったりすることで、閉ざされた道が開き、奥に進めるというものである。向こうには、強い敵ポケモン、ごうかなはこ、わざれんスイッチ、特別な効果を持つ床などが存在している。パラダイスの「わきみちあんない」でわきみちを利用するための様々なサポートを受けられる。 --だがカギは四種類あり、デスカーンの店で交換するか、「わきみちあんない」を最大までグレードアップして購入する必要があり(こちらは一日一個ずつ)やや面倒。と言うより、わざわざ四つに分ける必要性はあるのか? --中にあるものはというと…… ---強い敵ポケモン→わき道に入ると同時に中にいるポケモンが起きて襲いかかってくるが、これが(そのダンジョンに登場する他の敵と比較して)かなり強く、最初から二つ目のダンジョンにいきなりLv.54のウォーグルがいたりする。クリア前のレベルだとあっという間にやられてしまう。道具で対処したり、入らないようにすれば済む話かもしれないが。 ---ごうかなはこ→一応スキルがやや出やすいという利点はあるものの、特にここでしか入手できない珍しい道具などは出てこない。 ---特別な床→場所によって様々な効果があるものの、わきみちでしか利用できないため結局空気。不思議なひずみで通常のフロアにも発生する事があり、わきみちにしか出ないわけではないため貴重性も薄い。 ----見つけたり、入ったりしたわきみちは記録される。(「わきみちあんない」で見られる)依頼の際には目標に設定されたフロアまでしか進めないため、依頼の時に立ち寄るためには深い階層が目的地の依頼を受ける必要がある。また、前述の不思議なひずみで別のダンジョンに迷い込んでわきみちに行けなくなる事も。まあ、全て制覇したところで特にご褒美も何もないのだが。 **問題点・前作からの改悪点 -主人公およびパートナーとして選べるポケモンが、ピカチュウ、キバゴ、ツタージャ、ポカブ、ミジュマルの5体だけしかない。 --『救助隊』『探検隊』では往年のシリーズの御三家が全て選べ、その他のポケモンも多数いたのだが…… --また、往年のシリーズでおなじみの性格によるポケモン診断もなく、ただ5体の内から選ぶだけとなっている。 ---心理テストに関しては3作目『冒険団』でも存在しなかったが、あちらはシリーズでは異色の外伝に近く、またチーム候補のポケモンが多数存在して序盤から任意に入れ替え可能であった。 --主人公の性別選択が無くなり、代わりにパートナーの性別を選択する。 -主人公以外の登場ポケモンも非常に少ない。 --仲間にできるポケモンは''全144種''。初代ポケダンは愚か、初代ポケモンの150種よりも少ない。 ---仲間にならないものも全て含めた「登場する数」にしても全153種しか居らず、初代ポケダン救助隊の全386種+αに遥か及ばない。 --BWの登場ポケモンが多数を占め(それでも全種類出てこない)、往年のシリーズのポケモンなど数えるほどしかいない。一部の伝説のポケモンは登場していても仲間にできなかったりする。 --また、前作まで泥棒時に襲ってくるカクレオンを条件を満たせばごく稀に仲間にする事ができたが、今作ではできなくなっている。 --そのため、序盤から同じポケモンが登場するダンジョンが続き、中盤に進んでもそのポケモンの進化系ばかりが登場する。 ---今作に登場するポケモン自体は精細な3Dグラフィックなのだが、ポケモンの登場数そのものが減ってしまっては元も子もない。 ---前作まではその当時までの本編シリーズのポケモンがほぼ全て登場し((『救助隊』ではRSまでの386種+DPからの顔見せゲスト、『探検隊』ではDPまでの493種がアルセウス以外全て、『冒険団』ではさらにアルセウスまで))、序盤から同じポケモンが違うダンジョンで出続けることはなかった。 -仲間ポケモンが固定の場面が多い。 --せっかくダンジョンで仲間にしたポケモンはストーリー中外さなければならないことが大半で、((赤青ではラスボス戦に参加できたし、時闇空でもストーリーに関わるダンジョンに行けた))ストーリーの進行上必ず仲間になるポケモン以外蚊帳の外のようなセリフ・演出多数。ゲーム開始画面にいるチラーミィやチュリネ、デモ映像でゾロアが仲間になっていたが、それらのようなポケモンも蚊帳の外なため好きなポケモンで旅をしてもイマイチ釈然としない。 --ちなみに強制的に仲間になるポケモンにはパートナー以外名前を付けられないので人によっては愛着が沸きにくい。 -れんけつの廃止 --前作『冒険団』同様、「わざのれんけつ」は本作も存在しない。『空の探検隊』まではわざを連結することによって1ターンで技を複数繰り出すことができた。例えば「いやなおと」と「たいあたり」を連結することで、相手の防御を下げつつ体当たりで攻撃したりと、一見地味な技だったり、低レベルで弱い技しか無い場合でも活用することができたが、前作では廃止され今作でも復活はしなかった。因みに連結した技で敵を倒すと経験値が多めになるメリットがあったが、当然廃止。 --また、『冒険団』にはれんけつに代わるシステムとしてポケモン同士が積み重なって連続技を繰り出す「ポケモンタワー」があったのだが、こちらも同様に廃止。 -ダンジョンの構造が悪く、画面の視界が極端に狭い。 --通路が多く小部屋が多い構造となる場合が多く探索が非常に面倒。通路を歩かずワープスカーフ((持っていると時々強制的に別の部屋にワープしてしまう。ワープする場所は無論ランダム。レベルリセットダンジョンでは三種の神器の一つと呼ばれ、重宝された。))を使って運任せで探索した方が早いとまで言われる始末。 --おまけに本作の敵は部屋にある道具を積極的に拾う(同じ部屋に操作キャラや仲間がいれば攻撃を優先)ので、運良く同じ部屋に道具が落ちているか、次のフロアに着いてすぐに「ひきよせのたま」を使うかしない限り、フロアのほとんどの道具が敵の手に渡る事になる((ふっかつのタネ(持っていると死んだ時に自動復活。敵も使える。)などの拾われたらまず間違いなく使われてしまう道具も))。 ---もっとも、敵が道具を使うのはクリア後やDLCの一部のダンジョンのみなので、普段依頼をこなす上などではそれほど気にするものではない。探すのが面倒なだけで…… --他の物体との距離感がつかみにくい。時折仲間の4匹目が見えなくなることもある。一応マップに物体の位置が表示されるが、それでも分かりづらい。 --上2マスの敵に与えたダメージの数値が見えない。戦闘のメッセージにも「○○○に○○ダメージ!」というメッセージが出なくなったため、この状況下では''与えたダメージは分からない''。 ---メッセージ履歴にはちゃんと残っているので、気になるならチェックしておこう。天候ダメージで誰がいるのかもある程度分かる。 -一部のシステムの抹消により、それぞれのポケモンの個性が失われてしまった。 --ステータス上の性別の区別がなくなった。主人公の性別選択も無くなり、パートナーの性別を選択するのみとなった。 ---初代ポケダンである『救助隊』同様に「メロメロ」が♂♀どっちのポケモンにも効いたりする。 ---パートナーの性別選択に関しても、会話シーンでの口調が変わるだけでダンジョンでは区別がなくなる。 ---主人公の性別選択が無くなったため、主人公をピカチュウにした場合のグラフィックは♂の姿で固定。性別の概念が無かった『救助隊』でも主人公の性別だけは選べたのだが…… --「かしこさ」の抹消。「かしこさ」はグループにより性能差にばらつきがあったため改善点と見れなくもないが、やはりポケモンを育てる楽しみが無くなってしまったのは痛い。 --代わりに「かしこさ」と同じ役割をする「チームスキル」が追加されたが、これは敵を倒した時に手に入る宝箱を開けると出ることがあるというランダムな入手性の上、1度手に入れればチーム全員に適用されるため、やはり個性は出ない。 ---さらに、この「チームスキル」に前作にあったかしこさ「わざだけつかう」に当たるものがないため、仲間に補助技だけを使わせるために補助技のみを登録しているのに、敵に隣接すると前述の貧弱な通常攻撃を出してしまうという問題が生じている。そもそも通常攻撃をゴミ同然にしておいて「わざだけつかう」を無くすとは意味がわからない。 --前作『冒険団』同様、『空の探検隊』では全ポケモン分用意されていた「専用道具」は本作でも抹消されている。主人公やパートナーにできるポケモンにさえ存在しない。 --ダンジョン内で味方のポケモンとの会話ができなくなった。 -ポケ(お金)を9999までしか持てなくなった。(前作までは一度に手元に持てるのは99999ポケまで) --そのせいでダンジョン内の店が利用しづらかったり、クリア後のポケを稼げるダンジョンに入ってもすぐに持ち切れなくなったり…… --あるダンジョンはクリア後に5000Pも貰えるが、そこは4つのダンジョンを連続で攻略するので、順調にお金が溜まってしまうと、こまめに預けていない人は大損することになる。 -「あめ」「ひでり」「すなあらし」「あられ」といった天候の変化で''全タイプ共通で''HPが自然回復しなくなった。 --「あめ」「ひでり」ならそれぞれ水タイプと炎タイプの技の威力が上がるのでまだマシだが、「すなあらし」「あられ」に至ってはHPが自然回復しないままターンごとに1ダメージ受けるだけで、たとえダメージを受けないタイプのポケモンでもHPの自然回復はしないため、プレイヤーに不利になるだけである。有利になる点は天候の変化で発揮される特性程度。 --水タイプのポケモンが「あめ」、炎タイプのポケモンが「ひでり」ならむしろ自然回復が早くなりそうなものだが…… --この仕様が、ダンジョンの構造の悪さと相まって探索をさらに辛くしている。 -改善点でも挙げた通りYボタン押しっぱなしで技の演出をスキップできるのだが、ショートカットで技を発動した場合でもYボタンを押さないと演出がスキップできないので不便。何故ショートカットボタン押しっぱなしでスキップにしなかったのか。 -掲示板での依頼が1つずつしか受けられなくなった。 --前作までは、同じダンジョンの依頼ならまとめて受けることができた。そのためアイテムやランクを上げるために必要なポイントが稼ぎにくくなった。 ---ランクを最高ランクであるパーフェクトランクまで上げるのは苦行の一言。サウンドテストで聞ける曲はパーフェクトランクまで上げないと全曲解禁されない。 --この仕様により施設の開拓に必要な材料も集めにくくなっている。施設を最高までグレードアップするために必要な材料に関しては入手できる依頼自体の出現率が低いためさらに入手しづらい。 ---おそらく、施設が簡単に最大まで育ってしまうのを防ぐための仕様。簡単に育ちすぎても飽きが早くなってしまうので難しいところだが、材料のレア度を上げる代わりに(ただし高級材料の比率は高めにした上で)複数の依頼を受けられるように……といった形でも良かったのではないだろうか? ---高級材料以外はミニゲームの「おたからサルベージ」でゲットできるため、早めに作ると楽かも。だが、何故か水系の素材は一切出ない(水に関係したミニゲームのはずなのに)。 -救助の方法がすれちがい通信のみ。 --前作までのWi-Fi救助、パスワード救助は全て抹消。つまり救助を求めるなら街中で運よくすれ違わないと救助してもらえない。 ---一応、起動中のゲーム以外でもすれちがい通信可能な3DSなので都市部に住んでいたり、すれちがい中継所を利用すれば、すれちがいの機会は多いが…… -ボス戦でも「ふしぎだま」が効果を発揮するようになった(前作までは使えなかった) --この事によって難易度がヌルくなったという意見も。 ---ただし、この変更点に関しては説明書やゲーム中にも表記がないため、前作までのプレイヤーの中には今作のボス戦で使えることを知らないままプレイしていたというプレイヤーもいる。 --流石にラスボスや一部の特別な敵には(相手に状態異常を与えるもののみ)無効化される。複数いるボス敵のリーダー格が状態異常の回復が速かったり、「よぼうのスキル」によって複数の敵に同じ状態異常を与えようとしても無効化されたりと、完全にバランス調整を怠っているわけではないようだ。 -実はあまり存在の価値がない「はっけん!マグナゲート」。 --拾えるアイテムはシナリオが進めばダンジョンでも依頼でも手に入れられるようなものばかりだし、わざわざこのモードでアイテム稼ぎをする必要性はほとんどない。技マシンが拾えることがあるのが数少ない利点か((とはいえ、DLCでは技マシンをレア物含めて全種類拾えるダンジョンが配信されている))。 ---技の威力・命中率・PPを上昇させる「ひけつ」系アイテムも拾えるため、お気に入りの技を育てたいプレイヤーなら重宝するかも。 --また、前述のようにプレイヤーが育てたポケモンで挑むことができない。 -これまた存在価値の微妙なローカル通信。 --自分の行動→仲間の行動→敵の行動といった順番で行動するターン制を採用している不思議のダンジョンシリーズでは自分の行動を選んだ後、他のプレイヤーが行動を選び終わるまで待つことになるため、(一人で遊ぶ時より)テンポが悪い。チャレンジ掲示板の依頼(ボスとの戦い)しかできないのも納得がいく。そもそも不思議のダンジョンに限らずRPG(バトルがリアルタイム制のものを除き)は多人数プレイと相性が悪いので仕方のない事ではあるが…… ---そして、技の成長はどれだけ事前に鍛えていようとも全員とも(依頼の間だけ)初期化されるため、ポケモンも技も十分に鍛えた後は一人で挑んだ方が簡単な事も。もっとも、ポケモンが弱いうちは強い人と組んで難しい依頼をクリアしてもらうという事も一応できる。 -仲間のAIが賢くない --使用する技が完全にランダムである。その敵ポケモンに対し効果抜群になる技を覚えていても、それを使ってくれるかは運次第。 --効果がないタイプの技であろうとそれを使って攻撃したり、敵と隣接しながらステータス上昇技を使うなど、イライラを募らせることもある。 --このため、時と場合によっては技のオンオフをいちいち切り替えないと仲間がまともに戦ってくれず、全員を連れているとその管理も面倒になってくる。 ---ただし、これについては前作までと同様の仕様である。 -連続技の脅威 --通常、連続攻撃できる技というのは数回攻撃できる分、1発1発の威力が下げられていることでその技の強さが調整されている。 --しかし、このゲームでは敵が使う連続技のダメージが単発の技のダメージとほぼ同等である。そのため、1発でも食らってしまうと相当な痛手になり、運が悪いと何もできずにHPが0になってしまう。 ---ただし、これについても前作までと同様の仕様である。 -メインのポケモンの1匹、ノコッチがあまりにも弱すぎる。 --初期レベルが低い点はポケモンパラダイスに放置して経験値を稼げば問題ないが、レベルを上げてもステータスの成長率が極端に低く、全く使えない。必ず使わなければならない局面はないが、本作ではその弱気なキャラから比較的人気があるポケモンなので、主要ポケモンらしくステータスが成長しやすくしたほうが良かったのではなかろうか。 --一応、最終的にはこうげきがかなり高くなるうえ、自力で覚える技も優秀なので、「すてみタックル」あたりをメインウエポンにして活躍させることはできなくもない。高レベルになればとぐろをまく→ころがるで無双もできる。 ---シナリオ中だと弱いが、ただの大器晩成型かもしれない。そこまで我慢して育てるプレイヤーがどれだけ居るのかという問題はあるが。 -対応するポケモンを必ず仲間に出来る「ギフト」という道具が追加されたが、これを作るための道具のレートがあまりにも高すぎるものがある。 --大半はオレンのみといった各種木の実などが数個とレートは低いのだが、中にはエンディング後の高難易度のダンジョンでしか手に入らないような道具が材料であるものがある。 --その一例として「メグロコギフト」←「ノーてんバンダナ×1」((天気の影響を受けなくなる道具。前述の「あられ」や「すなあらし」の危険性を聞けば、貴重さだけでなくその強さも伺えるだろう。))などが挙げられる。メグロコがクリア前から登場するにも関わらずであり、プレイヤーに使わせる気がまずない。実際戦っていればいずれは仲間になるのだが、いったい誰がこんな貴重な道具を手放してまで作るのだろう。 ---一番酷いと思われるのが「ヒトモシギフト」((ヒトモシも序盤から出現。しかも出現率も決して低くなく倒した際に仲間にできる確率も高め。))←「みとおしメガネ×1」((クリア後に行ける、DLCで行けるダンジョンを除くと本作最高難度のダンジョンである「かえらずの地」に落ちてるのを拾うしか入手方法がない。こちらもノーてんバンダナと同じく貴重なだけでなく強力。))。 -エンディング後は、多少のエピローグとダンジョンが増えるだけ。エンディング後も多数のエピソードが展開された『救助隊』『探検隊』のプレイヤーから見れば物足りない。 --一応依頼をこなしてランクを上げればコバルオンやテラキオンといった伝説のポケモンを仲間に出来る依頼が出現するが、前述の依頼が1つずつしか受けられなくなった仕様によりランクを上げる前に飽きる、というプレイヤーも多い。 -依頼を受けるときは「なかまモード」を使わないと主人公とパートナーをチームから外す事が出来ない。前作までは普通に外す事もできたのだが、こうしないと「なかまモード」の存在価値が皆無になってしまうからだろうか。ちなみに、依頼に関係のない冒険に行く時は出撃前にメンバーの入れ替えができる。 -主人公やパートナーを進化させると顔グラフィックの変化が無くなってしまうという問題は、初代からずっと改善されていない。 #region(今作のレベルリセットダンジョンについて(一応ネタバレ注意!!)) ポケダン恒例のレベルリセットダンジョン((名前通り。今作ではレベル5からスタート。))だが、これらも色々な問題点を抱えていた。 ''「かえらずの地」'' -全99F、道具やお金を持ち込めず、リーダー一匹で挑む。過去作でいうところの「きよらかなもり」「ゼロのしまなんぶ」に該当するのだが…… --前述の通り技マシンが何度でも使える為か一切出現しないため、使用ポケモンは毎回技構成が同じになってしまう。過去作ではダンジョン内に技マシンが落ちており、強力な技を運が良ければ習得できる……などのランダム要素があった。 --深層の敵の強さがスキル頼み。低層から中層には厄介な技を持つ注意すべきポケモンもいるのだが、深層になると(これまでのシリーズと比較して)あまり強力な技を持っておらず、ステータスもさほど高くないポケモンばかり。(もちろん全てではないが) --「ふんばりスキル」「どたんばスキル」「いあつのスキル」この三つの相乗効果によって残りHPが1であるにもかかわらず何度も何度も攻撃を耐えてくる、「強い」ではなくただ単に「しぶとい」だけのポケモンが多くなってしまった。難易度調整の仕方としては間違ってはいないような気もするが、効率が悪くなりストレスが溜りやすくなるため、プレイヤーからの評判は非常に悪い。 -余談だがDLCで行けるダンジョンにはこれの上位互換的な更に高難易度のダンジョンが存在する。地形は一応異なるフロアもあるが、それでも同じ所の方が多いため、手抜きにも見えなくない。(BGMは過去作の曲だが眠りの氷穴同様最後のフロアまで同じ) ''「ほりあてやダンジョン」'' -出現条件が少々特殊で、パラダイスに一定確率で出現するモグリューにお金を払って土地を掘ってもらう事によって出現し、入れるようになる。ダンジョンの風景や敵は掘る地形によって異なり、仲間を四匹まで連れていける、どうぐ持ち込み可の10F程度のレベルリセットダンジョンで、仲間ポケモンの進化に使う道具を入手できる旨味のあるダンジョンではあるが…… --中層、時には1Fから''かえらずの地深層に登場する敵に匹敵するほどのレベルとステータスを持った''敵がそれなりの出現率で複数種類出現する。こちらがレベル5スタートであるにもかかわらず。固定ダメージを与える技や道具があれば十分対処可能ではあるものの、それでも理不尽感が漂う。 ---救助隊シリーズの「しあわせのとう」にも理不尽な強さの敵が多いが、こちらも技や道具で十分対処できる。(特にヤバい敵に関しては)ある程度味方が育っていることが前提のフロアに出てきており、出現率もあまり高くはなく、それぞれの出現期間も離れている。 -土地を掘る際に場所によってはすでにある施設を潰す必要があり、最大にまでグレードアップした施設の場合はあきらめざるを得ない。(万が一潰すと建て直す際にまた材料と資金が必要になる) --さらに探検の成功、失敗にかかわらず一度入ると入口が消滅してしまう。上に挙げたような理不尽さがあるのに探検に失敗しても入口が消えてしまうのはどうなのか。 ''「眠りの氷穴」'' -ここに挙げたダンジョンの中ではもっとも問題点が多いといえる。ちなみに条件は「ほりあてやダンジョン」と同じで技マシンなども持ち込める。 --出現する敵は「かえらずの地」とほぼ一緒。せいぜい道中に1,2匹ほどの+αがある程度。これまではレベルリセットダンジョン同士でも出現する敵には色々と変更が加えられていたのだが…… --深層の敵の強さも当然スキル頼み。仲間や道具が存在する分、対処は容易ではあるが。 --BGMはなんと''1Fから98Fまで(99Fの宝物部屋を除く)ずっと同じ。''この曲(グレッシャーパレス 東の塔)自体はむしろ良曲ではあるが、最初から最後まで聴かされれば流石に飽きる。(一応救助隊の「しあわせのとう」にも言えることではあるが) ---ストーリーの終盤で東の塔に続けて訪れる事になる「グレッシャーパレス 西の塔」や「グレッシャーパレス 大結晶の塔」のBGMも東の塔のBGM同様に良曲だが、何故ここで使われなかったのだろうか? -これまでのレベルリセットダンジョンはみな、道具や仲間ポケモンなど、「ここでしか手に入らないもの」がそれぞれに存在していた。「かえらずの地」にもレアな装備品(店売り限定)がこれまでの高難度ダンジョン同様に存在するので、行くメリットはちゃんとある。しかし、ここに出る道具はほかでも入手可能なものばかりで、ドーピングアイテムなどのレアな道具が入手しやすいというわけでもない。この作品の他のレベルリセットダンジョン同様敵ポケモンも仲間にできない。つまり、わざわざ行くメリットは早い話''皆無''である。 #endregion **総評 同じ携帯機版である第2作の完全版『[[空の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が非常に高評価だったこともあり、本作に寄せられる期待も当然大きなものであった。~ だが、追加した新要素は結局その面白さを最大限に生かすことができず、むしろそれら新要素と引換えになる形での「ゲーム性の大幅劣化・喪失」が目立ってしまう形となってしまった。~ ローグライクゲームのルールからは決して逸脱してはおらず、ローグライクを初めてプレイするプレイヤーならある程度は楽しめる内容となっている。~ 従来プレイヤーにとってもストーリーやBGMのクオリティをそのままに、グラフィックを一新したりと評価点も無い訳ではない。~ しかし「初心者から熱心なポケダンシリーズファンまで、すべてのプレイヤーが楽しめる内容か?」と問われると、どうしても疑問符をつけざるを得ない「惜しい」作品である。 //判定と矛盾しかねない内容のため文章修正 **その他 -過去作と違い、ダンジョンのカクレオンの店での泥棒が多少難しくなっている。「ひきよせのたま」を使用しても店の商品を引き寄せることができなくなり、店の商品を拾ってから「せいなるタネ」を使ってもワープした直後にその部屋にカクレオンが現れる仕様になったためである。 --それでもワープ後に「てきおびえだま」などのアイテムを使えば切り抜けられるので、『[[チョコボの不思議なダンジョン2]]』等の泥棒に比べればまだまだ楽ではある。 -本作の発売前にアニメーション及び実写によるPVが3作公開された。ピカチュウ役に釘宮理恵、ミジュマル役に小清水亜美を起用するなど豪華キャストが勢揃いしている。 --後に、上記のアニメPVの完全版を収録したDVDがTSUTAYAで無料レンタルが行われた。現在では、ニンテンドーeショップで視聴可能。 -救助隊・探検隊と同じようなものを期待していたファンからは「ポケダンの黒歴史」「マグナゲートなんてなかった」といった扱いを受けてしまう事も多い。 --今作の一部の問題点は、実質的な次回作である『[[世界樹と不思議のダンジョン]]』で、ある程度改善はされているのだが…… -後に本作のシステムをベースに登場ポケモンを大幅増加したポケダンシリーズ5作目『[[ポケモン超不思議のダンジョン]]』が発売されている。
*ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 【ぽけもんふしぎのだんじょん まぐなげーととむげんだいめいきゅう】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61jIOZfj3zL.jpg,height=160)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト、ポケモン|~| |発売日|2012年11月23日|~| |定価|4,800円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| |ポイント|第五世代のポケモンが新たに登場&br;薄すぎる内容&br;改善点もあるが改悪点も多い&br;まさかの有料DLC&br;BGMとストーリーは良好|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズリンク>不思議のダンジョンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 シリーズ第4作。株式会社ポケモンの石原社長曰く「決定版」(任天堂公式ページに発売前に掲載された岩田社長との対談より)。しかし蓋を開けてみると…… **新要素 -''ポケモンパラダイス'' --本作では主人公とパートナーの家の周りの土地を開拓し、冒険に便利な施設を建てることができる「ポケモンパラダイス」作りを楽しめる。 --施設を建てるには、資金と依頼で手に入る「材料」が必要。さらに貴重な材料を手に入れれば施設をグレードアップすることもできる。 --ちなみにポケモンパラダイスにはダンジョンで仲間にしたポケモンが集まっている。 -''なかまモード'' --一旦主人公たちの冒険をセーブして中止し、ポケモンパラダイスに待機している仲間を操作してプレイできるモード。ダンジョン内以外ならいつでも行うことが可能。 --このモードで倉庫に預けた道具は主人公たちの倉庫につながるので、道具稼ぎに使える。 -''はっけん!マグナゲート'' --タイトル画面からプレイできる、3DSのカメラ機能を使ったモード。身の回りにある丸いものを写すと「マグナゲート」が見つかることがあり、ここからダンジョンに行くことができる。 --プレイヤーとして操作できるポケモンは最初に主人公及びパートナーとして選べるポケモンとその進化系からランダムに決まる。 --手に入れた道具は本編に持ち込める。 -''わざの使いこみ'' --ダンジョンで「わざ」を使いこむと技のレベルが上がる。 --レベルが上がると威力・命中率・PPが上がり、さらに同じ名前の技なら上がったレベルをチームで共有すること可能。 --この仕様により、初代から前作まで存在していた技の威力を上げる道具「カテキン」は抹消されている。 --強力だが当たり辛い、PPが少ない……といった技も使いこんだり、アイテムの「ひけつ」を使う事によって欠点の無い完璧な技にする事もできる。 -''Vウェーブ'' --特定のタイプのポケモンが、技の威力が上がる、経験値増加(該当ポケモンが敵にとどめを刺した場合のみ)、PP消費を少なく抑えられる、などの様々な恩恵を受けることができる。対象となるタイプは毎日変化する。 ---当然敵にも効果があるので高難易度のダンジョンに行く際は注意。 -''みんなでアタック'' --ダンジョン内で歩いたり、敵を倒したりすることで「心のはどう」が溜まると使える。 --多くの敵に大ダメージを与えることができ、更にリーダーにしているポケモンのタイプによって良い効果が起ったりもする。 -''不思議度'' --クリア後は各ダンジョン・依頼に「不思議度」というパラメータが付加される。1~5まであり、高いほどダンジョン内で不思議な現象が起こりやすい。 --不思議度の影響は各フロア開始時に「不思議なひずみ」となってランダムで発生。「敵が全員鈍足」などプラスのものも、「装備品が効果を発揮しない」などマイナスのものもある。 ---中でも凶悪なのが「食べ物を食べられない」効果。おなか(空腹度)要素ありのダンジョンでは当然ながら餓死に直結するし、更に恐ろしいのは死亡時に復活できる保険アイテムの「ふっかつのタネ」が無効になることである。 --時空が歪んで別のダンジョンに飛ばされることも。飛んだ先でしか仲間にできないポケモンもいる。 ---なお、依頼でダンジョンに行く場合、どのフロアでどのようなひずみが発生してどこに飛ばされるか否かがあらかじめ決まっている。(依頼を受けない場合はランダム) -''ローカル通信'' --シリーズ初のマルチプレイ対応。なかまモードで遊んでるときにメニューからローカル通信を選ぶと、近くでこのゲームを遊んでる友達と一緒にチャレンジ掲示板の依頼(おたずねものや伝説のポケモンとの戦い)を協力して行う事ができる。依頼の報酬は参加したプレイヤー全員に与えられる。 **評価点・前作からの改善点 -グラフィックを細やかな3Dに一新。 --同じ携帯機だったDSの『救助隊』『探検隊』では2D、据え置きのWiiの『冒険団』ではデフォルメした簡易的な3Dだったが、本作では本格的な3Dグラフィックを実現している。 --『ポケモンバトルレボリューション』などの作品よりも繊細な3Dで、表情の変化も細かく表現されている。ムービーを用いた迫力ある演出も評価できる。 ---「ドット絵の方が味があってよい」という声もあるにはあるが。 ---また、後述する問題点から「無理にそんなことをしなくていいからポケモンを増やして欲しい」という声も上がった。 -往年のシリーズでも好評だったストーリー・BGMはやはり高評価。 --序盤のドテッコツたちのエピソードからクライマックスまで、感動のストーリーが繰り返される。 --BGMも本家ポケモンにはない壮大なBGMが揃っており、聴いてて飽きない。 -倉庫の中のアイテムは、同一アイテムの場合は全て1つの枠で束としてまとめられるようになった。(『救助隊』と同じ仕様に戻った) --例としてリンゴを倉庫に複数預けた場合、『探検隊』『冒険団』では「リンゴ/リンゴ/リンゴ」のように個別にバラけていたが、今作では「リンゴ 10」のように1枠扱いになる。 --そのため倉庫がいっぱいになることはほとんどなくなった。 -技マシンが『[[ブラック&ホワイト>ポケットモンスター ブラック・ホワイト]]』同様に何度でも使えるようになった。 --過去作と比較すると、全ての技マシンが前作までの「ひでんマシン」に相当する仕様になった((前作まではごく一部の「ひでんマシン」のみ何度でも使用できたが、通常のわざマシンは使うと「しようごマシン」という残骸となり、ダンジョン内で技「リサイクル」を使用すると元に戻せるという仕様だった。ただし「しようごマシン」は倉庫に預けられない上、「リサイクル」は覚えられるポケモンが少ないので放棄されることがほとんどだった。))。 --その為か技マシンは全体的にレアになり、レベルリセットダンジョンではこれが問題になることに・・・・ -ポケモンパラダイスに待機しているポケモンにも経験値が入る仕様に変更され、レベル上げがしやすくなった。また、ダンジョン内で進化もできるようになった。 --さらに「なかまモード」の存在で、ストーリー中にイベントでポケモンパラダイスに戻れない時にレベルの上がったポケモンを使用できるので、ダンジョンで仲間にしたポケモンの存在意義が上がった。 --エモンガ、ノコッチ、ビリジオンなどストーリー中で強制出撃を要求されるポケモンがいることに対する配慮でないかと思われる。 ---ただし、使っていないポケモンも強制的にレベルアップしてしまうため、前作までのように「依頼で序盤のダンジョンに行く時は低レベルのポケモンを選び緊張感を保つ」ということができない。まあ、今作では序盤のダンジョンで美味しい報酬という依頼自体が少ないのだが。 -前作までの欠点だったテンポの悪さが改善された。 --操作ポケモンの四つの技がABXY四つのボタンに割り振られており、Lボタン+ABXYのどれかのボタンでいちいち技メニューを開かずともすべての技を繰り出せるようになった((前作まではL+Aで登録した技1種類のみを出せる仕様だった。))。 --Yボタンで技演出をスキップ。多くの敵に当たる部屋全体攻撃技もヒット時のアニメーションを省略可能。 -「みわたす」コマンドで広い部屋の様子を遠くまで見られるようになった。このコマンド自体は改善点と言ってもよいが、後述する視界の悪さのせいでこれを使わないとやってられない状態。 -リーダー交代も復活。しかしメニューボタンでは誰をリーダーにするか選べず、ステータスウィンドウにおける操作ポケモンの次のポケモンが自動でリーダーになるのでやや面倒。 --実は、「ステータス」→「さくせんかいぎ」からもリーダーを変更できる。一つ後ろの仲間と交代するときはこっちの方が便利かも。 --強すぎる性能だった「ふういん」や「オウムがえし」などの技も原作準拠で無難な効果に変更されている。 --逆に「みねうち」は原作準拠で有用性が薄い効果だったが、「倒した敵が仲間になりやすくなる」という役立つものに変更されている。 --地味だが、「まるくなる」使用後に一回だけ「ころがる」の威力が上がるようになった。(再び使用するにはもう一度「まるくなる」必要あり) ---もっとも,「ころがる」が、「外れるまで最大5回連続攻撃」のみ(当たるごとに威力が倍増したりしない)という仕様になったのだが。技を鍛えられる本作でそんな仕様があったらバランス大崩壊ものだから仕方ないか。 -ポケモンパラダイスを発展させる町造り要素。 --タネ・きのみ系アイテムを増やす「畑」、技の熟練度を1日1回格安で上げてくれる「道場」などの施設は活用すればとても有用。 --ミニゲームを遊べる施設もある。上手くクリアすればレアアイテムが手に入ることも。 --荒地が開拓され、施設が並び、仲間にしたポケモン達で賑わっていく様子は見ていて楽しい。『救助隊』の「ともだちエリア」の発展形とも言えるだろう。 **賛否両論点 -ステータス「おなか」の事実上抹消と、通常攻撃の仕様変更。 --行動の度に減少し0になるとHPが減っていく「おなか」の消失により、ダンジョンを動き回りやすくなる代わりに、通常攻撃((技ではない攻撃。無論PPの概念が無いため無限に撃つことができる。))によるダメージが最大5ダメージとなり、実用度が大きく下がっている。これにより、「おなか」ではなくわざのPPや飛び道具が尽きた(=通常攻撃しか出来なくなった)ら探索限界、と言うバランスに変更されている。 --従来の「不思議のダンジョン」系ゲームとバランスが大きく異なる変更点であり、賛否両論。ただ、通常攻撃かわざかを選択する自由度が下がった点、仲間が通常攻撃を使ってしまう点は問題と言えるだろう。 ---似たシステムとして風来のシレン4及び5の「夜」が挙げられる。こちらは夜になると1フロアあたり様々な効果を発揮する技が8回まで使えるかわりに技以外の攻撃が1ダメージ固定になる。こちらも賛否両論であるが、うまく利用すればメリットも多く、肯定的な意見も少なくない。 --一応、クリア後の高難易度ダンジョンやDLC配信ダンジョンのごく一部のみ、例外として「おなか」が存在するダンジョンもある。これに限り過去作と同様におなかが減り、リンゴなどの食べ物も出現。 -ポケモンシリーズとしては初の、有料DLCの存在 --有料DLCの内容は、仲間にしにくいポケモンや珍しい道具を簡単に入手、高難易度の冒険が楽しめるなどの利点のあるダンジョンに行けるようになるものが配信されているのだが……値段に釣り合う価値があるかどうかは人それぞれと言ったところだろうか。 --ただし、DLCのオマケで過去作の曲をDLするとトップメニューの音楽が聴けなくなってしまう問題がある。 --本編シリーズとしてではないものの、ポケモンシリーズで有料DLCを採用するのはどうなのか、という不評の意見も存在する。 -Vウェーブは「Vルーレット」を回すことで好みのものに変更できるのだが、一日一回しか回せないうえにルーレットの回転が非常に速く、目押しはほとんど無理に等しい。 --ポケ(お金)を払って当たる確率を増やす事が出来るのだが、それに必要な金額はとにかく高い。確実に当てられるようにするには7777ポケ必要。 ---まあ前述の恩恵を考えれば妥当な仕様なのかもしれないが。 ---ルーレットの速度は遅い時もあるのでセーブ&リセットを繰り返すのもありかも。 -前作まではBGMが突然止まり、「……おや、なにかがうごいた。」というどこかホラー染みた演出であった警告メッセージは、BGMが止まらず「風が吹いてきた!」という普通の(?)演出に変更されている。 -あるダンジョンの特定のフロアには「わきみち」が存在する。カギを使ったり、あるタイプのポケモンを連れていったりすることで、閉ざされた道が開き、奥に進めるというものである。向こうには、強い敵ポケモン、ごうかなはこ、わざれんスイッチ、特別な効果を持つ床などが存在している。パラダイスの「わきみちあんない」でわきみちを利用するための様々なサポートを受けられる。 --だがカギは四種類あり、デスカーンの店で交換するか、「わきみちあんない」を最大までグレードアップして購入する必要があり(こちらは一日一個ずつ)やや面倒。と言うより、わざわざ四つに分ける必要性はあるのか? --中にあるものはというと…… ---強い敵ポケモン→わき道に入ると同時に中にいるポケモンが起きて襲いかかってくるが、これが(そのダンジョンに登場する他の敵と比較して)かなり強く、最初から二つ目のダンジョンにいきなりLv.54のウォーグルがいたりする。クリア前のレベルだとあっという間にやられてしまう。道具で対処したり、入らないようにすれば済む話かもしれないが。 ---ごうかなはこ→一応スキルがやや出やすいという利点はあるものの、特にここでしか入手できない珍しい道具などは出てこない。 ---特別な床→場所によって様々な効果があるものの、わきみちでしか利用できないため結局空気。不思議なひずみで通常のフロアにも発生する事があり、わきみちにしか出ないわけではないため貴重性も薄い。 ----見つけたり、入ったりしたわきみちは記録される。(「わきみちあんない」で見られる)依頼の際には目標に設定されたフロアまでしか進めないため、依頼の時に立ち寄るためには深い階層が目的地の依頼を受ける必要がある。また、前述の不思議なひずみで別のダンジョンに迷い込んでわきみちに行けなくなる事も。まあ、全て制覇したところで特にご褒美も何もないのだが。 **問題点・前作からの改悪点 --『救助隊』『探検隊』では往年のシリーズの御三家が全て選べ、その他のポケモンも多数いたのだが…… --また、往年のシリーズでおなじみの性格によるポケモン診断もなく、ただ5体の内から選ぶだけとなっている。 ---心理テストに関しては3作目『冒険団』でも存在しなかったが、あちらはシリーズでは異色の外伝に近く、またチーム候補のポケモンが多数存在して序盤から任意に入れ替え可能であった。 --主人公の性別選択が無くなり、代わりにパートナーの性別を選択する。 -第5世代のポケモンが初登場。 --『ポケットモンスターBW』で初登場したポケモン156種類が登場する。 --そのため、序盤から同じポケモンが登場するダンジョンが続き、中盤に進んでもそのポケモンの進化系ばかりが登場する。 ---今作に登場するポケモン自体は精細な3Dグラフィックなのだが、ポケモンの登場数そのものが減ってしまっては元も子もない。 ---前作まではその当時までの本編シリーズのポケモンがほぼ全て登場し((『救助隊』ではRSまでの386種+DPからの顔見せゲスト、『探検隊』ではDPまでの493種がアルセウス以外全て、『冒険団』ではさらにアルセウスまで))、序盤から同じポケモンが違うダンジョンで出続けることはなかった。 -仲間ポケモンが固定の場面が多い。 --せっかくダンジョンで仲間にしたポケモンはストーリー中外さなければならないことが大半で、((赤青ではラスボス戦に参加できたし、時闇空でもストーリーに関わるダンジョンに行けた))ストーリーの進行上必ず仲間になるポケモン以外蚊帳の外のようなセリフ・演出多数。ゲーム開始画面にいるチラーミィやチュリネ、デモ映像でゾロアが仲間になっていたが、それらのようなポケモンも蚊帳の外なため好きなポケモンで旅をしてもイマイチ釈然としない。 --ちなみに強制的に仲間になるポケモンにはパートナー以外名前を付けられないので人によっては愛着が沸きにくい。 -れんけつの廃止 --前作『冒険団』同様、「わざのれんけつ」は本作も存在しない。『空の探検隊』まではわざを連結することによって1ターンで技を複数繰り出すことができた。例えば「いやなおと」と「たいあたり」を連結することで、相手の防御を下げつつ体当たりで攻撃したりと、一見地味な技だったり、低レベルで弱い技しか無い場合でも活用することができたが、前作では廃止され今作でも復活はしなかった。因みに連結した技で敵を倒すと経験値が多めになるメリットがあったが、当然廃止。 --また、『冒険団』にはれんけつに代わるシステムとしてポケモン同士が積み重なって連続技を繰り出す「ポケモンタワー」があったのだが、こちらも同様に廃止。 -ダンジョンの構造が悪く、画面の視界が極端に狭い。 --通路が多く小部屋が多い構造となる場合が多く探索が非常に面倒。通路を歩かずワープスカーフ((持っていると時々強制的に別の部屋にワープしてしまう。ワープする場所は無論ランダム。レベルリセットダンジョンでは三種の神器の一つと呼ばれ、重宝された。))を使って運任せで探索した方が早いとまで言われる始末。 --おまけに本作の敵は部屋にある道具を積極的に拾う(同じ部屋に操作キャラや仲間がいれば攻撃を優先)ので、運良く同じ部屋に道具が落ちているか、次のフロアに着いてすぐに「ひきよせのたま」を使うかしない限り、フロアのほとんどの道具が敵の手に渡る事になる((ふっかつのタネ(持っていると死んだ時に自動復活。敵も使える。)などの拾われたらまず間違いなく使われてしまう道具も))。 ---もっとも、敵が道具を使うのはクリア後やDLCの一部のダンジョンのみなので、普段依頼をこなす上などではそれほど気にするものではない。探すのが面倒なだけで…… --他の物体との距離感がつかみにくい。時折仲間の4匹目が見えなくなることもある。一応マップに物体の位置が表示されるが、それでも分かりづらい。 --上2マスの敵に与えたダメージの数値が見えない。戦闘のメッセージにも「○○○に○○ダメージ!」というメッセージが出なくなったため、この状況下では''与えたダメージは分からない''。 ---メッセージ履歴にはちゃんと残っているので、気になるならチェックしておこう。天候ダメージで誰がいるのかもある程度分かる。 -一部のシステムの抹消により、それぞれのポケモンの個性が失われてしまった。 --ステータス上の性別の区別がなくなった。主人公の性別選択も無くなり、パートナーの性別を選択するのみとなった。 ---パートナーの性別選択に関しても、会話シーンでの口調が変わるだけでダンジョンでは区別がなくなる。 ---主人公の性別選択が無くなったため、主人公をピカチュウにした場合のグラフィックは♂の姿で固定。性別の概念が無かった『救助隊』でも主人公の性別だけは選べたのだが…… --「かしこさ」の抹消。「かしこさ」はグループにより性能差にばらつきがあったため改善点と見れなくもないが、やはりポケモンを育てる楽しみが無くなってしまったのは痛い。 --代わりに「かしこさ」と同じ役割をする「チームスキル」が追加されたが、これは敵を倒した時に手に入る宝箱を開けると出ることがあるというランダムな入手性の上、1度手に入れればチーム全員に適用されるため、やはり個性は出ない。 ---さらに、この「チームスキル」に前作にあったかしこさ「わざだけつかう」に当たるものがないため、仲間に補助技だけを使わせるために補助技のみを登録しているのに、敵に隣接すると前述の貧弱な通常攻撃を出してしまうという問題が生じている。そもそも通常攻撃をゴミ同然にしておいて「わざだけつかう」を無くすとは意味がわからない。 --前作『冒険団』同様、『空の探検隊』では全ポケモン分用意されていた「専用道具」は本作でも抹消されている。主人公やパートナーにできるポケモンにさえ存在しない。 --ダンジョン内で味方のポケモンとの会話ができなくなった。 -ポケ(お金)を9999までしか持てなくなった。(前作までは一度に手元に持てるのは99999ポケまで) --そのせいでダンジョン内の店が利用しづらかったり、クリア後のポケを稼げるダンジョンに入ってもすぐに持ち切れなくなったり…… --あるダンジョンはクリア後に5000Pも貰えるが、そこは4つのダンジョンを連続で攻略するので、順調にお金が溜まってしまうと、こまめに預けていない人は大損することになる。 -「あめ」「ひでり」「すなあらし」「あられ」といった天候の変化で''全タイプ共通で''HPが自然回復しなくなった。 --「あめ」「ひでり」ならそれぞれ水タイプと炎タイプの技の威力が上がるのでまだマシだが、「すなあらし」「あられ」に至ってはHPが自然回復しないままターンごとに1ダメージ受けるだけで、たとえダメージを受けないタイプのポケモンでもHPの自然回復はしないため、プレイヤーに不利になるだけである。有利になる点は天候の変化で発揮される特性程度。 --水タイプのポケモンが「あめ」、炎タイプのポケモンが「ひでり」ならむしろ自然回復が早くなりそうなものだが…… --この仕様が、ダンジョンの構造の悪さと相まって探索をさらに辛くしている。 -改善点でも挙げた通りYボタン押しっぱなしで技の演出をスキップできるのだが、ショートカットで技を発動した場合でもYボタンを押さないと演出がスキップできないので不便。何故ショートカットボタン押しっぱなしでスキップにしなかったのか。 -掲示板での依頼が1つずつしか受けられなくなった。 --前作までは、同じダンジョンの依頼ならまとめて受けることができた。そのためアイテムやランクを上げるために必要なポイントが稼ぎにくくなった。 ---ランクを最高ランクであるパーフェクトランクまで上げるのは苦行の一言。サウンドテストで聞ける曲はパーフェクトランクまで上げないと全曲解禁されない。 --この仕様により施設の開拓に必要な材料も集めにくくなっている。施設を最高までグレードアップするために必要な材料に関しては入手できる依頼自体の出現率が低いためさらに入手しづらい。 ---おそらく、施設が簡単に最大まで育ってしまうのを防ぐための仕様。簡単に育ちすぎても飽きが早くなってしまうので難しいところだが、材料のレア度を上げる代わりに(ただし高級材料の比率は高めにした上で)複数の依頼を受けられるように……といった形でも良かったのではないだろうか? ---高級材料以外はミニゲームの「おたからサルベージ」でゲットできるため、早めに作ると楽かも。だが、何故か水系の素材は一切出ない(水に関係したミニゲームのはずなのに)。 -救助の方法がすれちがい通信のみ。 --前作までのWi-Fi救助、パスワード救助は全て抹消。つまり救助を求めるなら街中で運よくすれ違わないと救助してもらえない。 ---一応、起動中のゲーム以外でもすれちがい通信可能な3DSなので都市部に住んでいたり、すれちがい中継所を利用すれば、すれちがいの機会は多いが…… -ボス戦でも「ふしぎだま」が効果を発揮するようになった(前作までは使えなかった) --この事によって難易度がヌルくなったという意見も。 ---ただし、この変更点に関しては説明書やゲーム中にも表記がないため、前作までのプレイヤーの中には今作のボス戦で使えることを知らないままプレイしていたというプレイヤーもいる。 --流石にラスボスや一部の特別な敵には(相手に状態異常を与えるもののみ)無効化される。複数いるボス敵のリーダー格が状態異常の回復が速かったり、「よぼうのスキル」によって複数の敵に同じ状態異常を与えようとしても無効化されたりと、完全にバランス調整を怠っているわけではないようだ。 -実はあまり存在の価値がない「はっけん!マグナゲート」。 --拾えるアイテムはシナリオが進めばダンジョンでも依頼でも手に入れられるようなものばかりだし、わざわざこのモードでアイテム稼ぎをする必要性はほとんどない。技マシンが拾えることがあるのが数少ない利点か((とはいえ、DLCでは技マシンをレア物含めて全種類拾えるダンジョンが配信されている))。 ---技の威力・命中率・PPを上昇させる「ひけつ」系アイテムも拾えるため、お気に入りの技を育てたいプレイヤーなら重宝するかも。 --また、前述のようにプレイヤーが育てたポケモンで挑むことができない。 -これまた存在価値の微妙なローカル通信。 --自分の行動→仲間の行動→敵の行動といった順番で行動するターン制を採用している不思議のダンジョンシリーズでは自分の行動を選んだ後、他のプレイヤーが行動を選び終わるまで待つことになるため、(一人で遊ぶ時より)テンポが悪い。チャレンジ掲示板の依頼(ボスとの戦い)しかできないのも納得がいく。そもそも不思議のダンジョンに限らずRPG(バトルがリアルタイム制のものを除き)は多人数プレイと相性が悪いので仕方のない事ではあるが…… ---そして、技の成長はどれだけ事前に鍛えていようとも全員とも(依頼の間だけ)初期化されるため、ポケモンも技も十分に鍛えた後は一人で挑んだ方が簡単な事も。もっとも、ポケモンが弱いうちは強い人と組んで難しい依頼をクリアしてもらうという事も一応できる。 -仲間のAIが賢くない --使用する技が完全にランダムである。その敵ポケモンに対し効果抜群になる技を覚えていても、それを使ってくれるかは運次第。 --効果がないタイプの技であろうとそれを使って攻撃したり、敵と隣接しながらステータス上昇技を使うなど、イライラを募らせることもある。 --このため、時と場合によっては技のオンオフをいちいち切り替えないと仲間がまともに戦ってくれず、全員を連れているとその管理も面倒になってくる。 ---ただし、これについては前作までと同様の仕様である。 -連続技の脅威 --通常、連続攻撃できる技というのは数回攻撃できる分、1発1発の威力が下げられていることでその技の強さが調整されている。 --しかし、このゲームでは敵が使う連続技のダメージが単発の技のダメージとほぼ同等である。そのため、1発でも食らってしまうと相当な痛手になり、運が悪いと何もできずにHPが0になってしまう。 ---ただし、これについても前作までと同様の仕様である。 -メインのポケモンの1匹、ノコッチがあまりにも弱すぎる。 --初期レベルが低い点はポケモンパラダイスに放置して経験値を稼げば問題ないが、レベルを上げてもステータスの成長率が極端に低く、全く使えない。必ず使わなければならない局面はないが、本作ではその弱気なキャラから比較的人気があるポケモンなので、主要ポケモンらしくステータスが成長しやすくしたほうが良かったのではなかろうか。 --一応、最終的にはこうげきがかなり高くなるうえ、自力で覚える技も優秀なので、「すてみタックル」あたりをメインウエポンにして活躍させることはできなくもない。高レベルになればとぐろをまく→ころがるで無双もできる。 ---シナリオ中だと弱いが、ただの大器晩成型かもしれない。そこまで我慢して育てるプレイヤーがどれだけ居るのかという問題はあるが。 -対応するポケモンを必ず仲間に出来る「ギフト」という道具が追加されたが、これを作るための道具のレートがあまりにも高すぎるものがある。 --大半はオレンのみといった各種木の実などが数個とレートは低いのだが、中にはエンディング後の高難易度のダンジョンでしか手に入らないような道具が材料であるものがある。 --その一例として「メグロコギフト」←「ノーてんバンダナ×1」((天気の影響を受けなくなる道具。前述の「あられ」や「すなあらし」の危険性を聞けば、貴重さだけでなくその強さも伺えるだろう。))などが挙げられる。メグロコがクリア前から登場するにも関わらずであり、プレイヤーに使わせる気がまずない。実際戦っていればいずれは仲間になるのだが、いったい誰がこんな貴重な道具を手放してまで作るのだろう。 ---一番酷いと思われるのが「ヒトモシギフト」((ヒトモシも序盤から出現。しかも出現率も決して低くなく倒した際に仲間にできる確率も高め。))←「みとおしメガネ×1」((クリア後に行ける、DLCで行けるダンジョンを除くと本作最高難度のダンジョンである「かえらずの地」に落ちてるのを拾うしか入手方法がない。こちらもノーてんバンダナと同じく貴重なだけでなく強力。))。 -エンディング後は、多少のエピローグとダンジョンが増えるだけ。エンディング後も多数のエピソードが展開された『救助隊』『探検隊』のプレイヤーから見れば物足りない。 --一応依頼をこなしてランクを上げればコバルオンやテラキオンといった伝説のポケモンを仲間に出来る依頼が出現するが、前述の依頼が1つずつしか受けられなくなった仕様によりランクを上げる前に飽きる、というプレイヤーも多い。 -依頼を受けるときは「なかまモード」を使わないと主人公とパートナーをチームから外す事が出来ない。前作までは普通に外す事もできたのだが、こうしないと「なかまモード」の存在価値が皆無になってしまうからだろうか。ちなみに、依頼に関係のない冒険に行く時は出撃前にメンバーの入れ替えができる。 -主人公やパートナーを進化させると顔グラフィックの変化が無くなってしまうという問題は、初代からずっと改善されていない。 #region(今作のレベルリセットダンジョンについて(一応ネタバレ注意!!)) ポケダン恒例のレベルリセットダンジョン((名前通り。今作ではレベル5からスタート。))だが、これらも色々な問題点を抱えていた。 ''「かえらずの地」'' -全99F、道具やお金を持ち込めず、リーダー一匹で挑む。過去作でいうところの「きよらかなもり」「ゼロのしまなんぶ」に該当するのだが…… --前述の通り技マシンが何度でも使える為か一切出現しないため、使用ポケモンは毎回技構成が同じになってしまう。過去作ではダンジョン内に技マシンが落ちており、強力な技を運が良ければ習得できる……などのランダム要素があった。 --深層の敵の強さがスキル頼み。低層から中層には厄介な技を持つ注意すべきポケモンもいるのだが、深層になると(これまでのシリーズと比較して)あまり強力な技を持っておらず、ステータスもさほど高くないポケモンばかり。(もちろん全てではないが) --「ふんばりスキル」「どたんばスキル」「いあつのスキル」この三つの相乗効果によって残りHPが1であるにもかかわらず何度も何度も攻撃を耐えてくる、「強い」ではなくただ単に「しぶとい」だけのポケモンが多くなってしまった。難易度調整の仕方としては間違ってはいないような気もするが、効率が悪くなりストレスが溜りやすくなるため、プレイヤーからの評判は非常に悪い。 -余談だがDLCで行けるダンジョンにはこれの上位互換的な更に高難易度のダンジョンが存在する。地形は一応異なるフロアもあるが、それでも同じ所の方が多いため、手抜きにも見えなくない。(BGMは過去作の曲だが眠りの氷穴同様最後のフロアまで同じ) ''「ほりあてやダンジョン」'' -出現条件が少々特殊で、パラダイスに一定確率で出現するモグリューにお金を払って土地を掘ってもらう事によって出現し、入れるようになる。ダンジョンの風景や敵は掘る地形によって異なり、仲間を四匹まで連れていける、どうぐ持ち込み可の10F程度のレベルリセットダンジョンで、仲間ポケモンの進化に使う道具を入手できる旨味のあるダンジョンではあるが…… --中層、時には1Fから''かえらずの地深層に登場する敵に匹敵するほどのレベルとステータスを持った''敵がそれなりの出現率で複数種類出現する。こちらがレベル5スタートであるにもかかわらず。固定ダメージを与える技や道具があれば十分対処可能ではあるものの、それでも理不尽感が漂う。 ---救助隊シリーズの「しあわせのとう」にも理不尽な強さの敵が多いが、こちらも技や道具で十分対処できる。(特にヤバい敵に関しては)ある程度味方が育っていることが前提のフロアに出てきており、出現率もあまり高くはなく、それぞれの出現期間も離れている。 -土地を掘る際に場所によってはすでにある施設を潰す必要があり、最大にまでグレードアップした施設の場合はあきらめざるを得ない。(万が一潰すと建て直す際にまた材料と資金が必要になる) --さらに探検の成功、失敗にかかわらず一度入ると入口が消滅してしまう。上に挙げたような理不尽さがあるのに探検に失敗しても入口が消えてしまうのはどうなのか。 ''「眠りの氷穴」'' -ここに挙げたダンジョンの中ではもっとも問題点が多いといえる。ちなみに条件は「ほりあてやダンジョン」と同じで技マシンなども持ち込める。 --出現する敵は「かえらずの地」とほぼ一緒。せいぜい道中に1,2匹ほどの+αがある程度。これまではレベルリセットダンジョン同士でも出現する敵には色々と変更が加えられていたのだが…… --深層の敵の強さも当然スキル頼み。仲間や道具が存在する分、対処は容易ではあるが。 --BGMはなんと''1Fから98Fまで(99Fの宝物部屋を除く)ずっと同じ。''この曲(グレッシャーパレス 東の塔)自体はむしろ良曲ではあるが、最初から最後まで聴かされれば流石に飽きる。(一応救助隊の「しあわせのとう」にも言えることではあるが) ---ストーリーの終盤で東の塔に続けて訪れる事になる「グレッシャーパレス 西の塔」や「グレッシャーパレス 大結晶の塔」のBGMも東の塔のBGM同様に良曲だが、何故ここで使われなかったのだろうか? -これまでのレベルリセットダンジョンはみな、道具や仲間ポケモンなど、「ここでしか手に入らないもの」がそれぞれに存在していた。「かえらずの地」にもレアな装備品(店売り限定)がこれまでの高難度ダンジョン同様に存在するので、行くメリットはちゃんとある。しかし、ここに出る道具はほかでも入手可能なものばかりで、ドーピングアイテムなどのレアな道具が入手しやすいというわけでもない。この作品の他のレベルリセットダンジョン同様敵ポケモンも仲間にできない。つまり、わざわざ行くメリットは早い話''皆無''である。 #endregion **総評 同じ携帯機版である第2作の完全版『[[空の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が非常に高評価だったこともあり、本作に寄せられる期待も当然大きなものであった。~ だが、追加した新要素は結局その面白さを最大限に生かすことができず、むしろそれら新要素と引換えになる形での「ゲーム性の大幅劣化・喪失」が目立ってしまう形となってしまった。~ ローグライクゲームのルールからは決して逸脱してはおらず、ローグライクを初めてプレイするプレイヤーならある程度は楽しめる内容となっている。~ 従来プレイヤーにとってもストーリーやBGMのクオリティをそのままに、グラフィックを一新したりと評価点も無い訳ではない。~ しかし「初心者から熱心なポケダンシリーズファンまで、すべてのプレイヤーが楽しめる内容か?」と問われると、どうしても疑問符をつけざるを得ない「惜しい」作品である。 //判定と矛盾しかねない内容のため文章修正 **その他 -過去作と違い、ダンジョンのカクレオンの店での泥棒が多少難しくなっている。「ひきよせのたま」を使用しても店の商品を引き寄せることができなくなり、店の商品を拾ってから「せいなるタネ」を使ってもワープした直後にその部屋にカクレオンが現れる仕様になったためである。 --それでもワープ後に「てきおびえだま」などのアイテムを使えば切り抜けられるので、『[[チョコボの不思議なダンジョン2]]』等の泥棒に比べればまだまだ楽ではある。 -本作の発売前にアニメーション及び実写によるPVが3作公開された。ピカチュウ役に釘宮理恵、ミジュマル役に小清水亜美を起用するなど豪華キャストが勢揃いしている。 --後に、上記のアニメPVの完全版を収録したDVDがTSUTAYAで無料レンタルが行われた。現在では、ニンテンドーeショップで視聴可能。 -救助隊・探検隊と同じようなものを期待していたファンからは「ポケダンの黒歴史」「マグナゲートなんてなかった」といった扱いを受けてしまう事も多い。 --今作の一部の問題点は、実質的な次回作である『[[世界樹と不思議のダンジョン]]』で、ある程度改善はされているのだが…… -後に本作のシステムをベースに登場ポケモンを大幅増加したポケダンシリーズ5作目『[[ポケモン超不思議のダンジョン]]』が発売されている。

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