「鈴木爆発」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
鈴木爆発 - (2014/08/20 (水) 18:36:48) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。
//かなり前から出ている依頼なので、状況が変わっているかもしれません。チェックを入れられる人求む。
----
*鈴木爆発
【すずきばくはつ】
|ジャンル|爆弾を解体するゲーム|&amazon(B00005OVQN)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|ソル|~|
|発売日|2000年7月6日|~|
|定価|5800円|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|''鈴木さん''|~|
エニックス(現・スクウェア・エニックス)がPS円熟期に発売した怪作。狭義で言うクソゲーの評判があったゲームでは無いが、メーカーが真っ向からバカゲーのつもりで作り、それがスベらずプレイヤーに受け入れられた稀有な作品である。
但しこのゲームがウケたのは実写で紡がれるアホらしいプロットと、主人公・鈴木役を務めた緒沢凛の「凡人っぽい可愛さ」であって、肝心のゲーム性はあまり奥深いものでは無い。
全てのステージは実写の静止画によるシナリオ説明(つまり紙芝居)から始まり、そこで鈴木さんがどのようにして爆弾に出会うかの経緯が示される。しかしこのパートに格段の物語性や必然性はいっさい無く、宅配業者がみかんを生で差し出してきたと思ったらみかん型爆弾だっただの、アイスコーヒーを頼んだら爆弾だっただの、春一番(猪木のモノマネ芸人)の公演を見に行ったら舞台上に車のエンジンが置いてあってそれが爆弾だっただの、不条理としか言いようの無い展開ばかりである。
更には月の裏側は弾丸のような機構になっていて爆弾だった、海そのものが爆弾だった、鈴木さんの影が爆弾だった、と観念的な世界に移行して行き、ラストステージの爆弾は「伊藤さん」と言う、状況説明をされても解りそうにない事態になる。
またステージ中に散りばめられた「爆弾魔からと思しきメッセージ」から、爆弾魔の性質と鈴木さんへの含みを持たせた偏執性が感じられるが、その辺りの伏線は全く回収されない。
|&ref(suzuki_1.jpg)&br()鈴木さんを襲う様々なシチュエーション|&ref(suzuki_2.jpg)&br()爆弾「海」オープニング|
しかし勿論、そのハチャメチャぶりこそが先述したとおり『鈴木爆発』の魅力であり、そこにダンスミュージックに定評のあるFantastic Plastic Machineの音楽と、リリー・フランキー、水木一郎、YOUなど選考基準の解らない大物出演者が絡み、独自の世界観を形作っている。
|&ref(suzuki_5.jpg)&br()水木アニキ熱唱、ガンダーのテーマ|&ref(suzuki_6.jpg)&br()監督役でちょっとだけ出るリリー・フランキー|
但しそれら意匠で容量を使い切ったのか、ステージ数は19(1つ辺り1~10分程度で解体できる)とやや少なく、難易度によるゲーム性の変化も、制限時間の変動と緊急起爆スイッチの設置程度しか無いためボリューム不足は否めない。
またステージごとの難易度バランスが非常に悪く、反射神経を要するうえ複合ギミックゾーンが幾つも連続する「エンジン」から、赤い線か青い線のいずれかを切るだけの「携帯電話」まであり、しかも進行度に厳密に合っていない。
更にルート分岐するためエンディングまでに攻略するステージは10種のみなのに、1手で終わる「携帯電話」が必須ルートであるなど、ステージ構成のいい加減さも感じられる。
一応はその難点も、「鈴木さんの独り言の多さ」で軽減はされるが……。
|&ref(suzuki_7.jpg)&br()極悪ステージ「エンジン」|&ref(suzuki_4.jpg)&br()ステージ成否に関わらず「ダァー!」で爆発|
ステージ中の鈴木さんは事あるごとにしゃべり、その内容も「おう?」「わあー」など一言の反応から、「ちょっと待って、シャツ脱ぐ」と突然言い出したり、生々しい交友関係のグチをねちねちと言い出したり、脳内マージャンを始めたり、笑いっぱなしになったりまで様々。
春一番の登場する例の「エンジン」ステージでは、制限時間が残り40秒になるとアントニオ猪木引退時のスピーチが流れ出し、「1、2、3、ダァー!!」で爆発するなど遊び心のある演出が多数含まれている。
|&ref(suzuki_3.jpg)&br()最後の爆弾「伊藤さん」|&ref(suzuki_8.jpg)&br()伊藤攻略のヒントが実は「携帯電話」にある|
まとめると、ゲームとしては寿命が短いが、爆弾解体の緊張感はそこそこにあり、悪ふざけとも思える不条理ギャグの連続と、伊藤さんに「私を解体して」と迫られる妙なエロティックさまで感じられる正真正銘のバカゲーであろう。
*余談
-極楽とんぼの加藤浩次はこのゲームがきっかけで緒沢凛のファンになり、後に結婚している。
-本作のプロデューサーは後に、iPhone用RPG「ケイオスリングス」シリーズを生み出している。
「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。
//かなり前から出ている依頼なので、状況が変わっているかもしれません。チェックを入れられる人求む。
//あまり文章量は増やせませんでしたが、構成を直して若干の情報を足しました。
----
*鈴木爆発
【すずきばくはつ】
|ジャンル|爆弾を解体するゲーム|&amazon(B00005OVQN)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|ソル|~|
|発売日|2000年7月6日|~|
|定価|5800円|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|''鈴木さん''|~|
**概要
主人公の鈴木さんの目の前にあらわれるさまざまな時限爆弾を解体していくゲーム。エニックス(現・スクウェア・エニックス)がPS円熟期に発売した、いかにもプレステのゲームらしい怪作である。
**特徴
ゲームは分岐のあるステージ制で、各ステージは「実写パート」と「解体パート」に分かれている。
***実写パート
鈴木さんが爆弾に出会うまでの経緯が実写の静止画で説明されるのだが、その説明というのが
-''宅配業者がみかんを差し出してきたと思ったら爆弾だった''
-''アイスコーヒーを頼んだら爆弾だった''
-''春一番(アントニオ猪木のモノマネで知られる芸人)の公演を見に行ったら舞台上に車のエンジンが置いてあって爆弾だった''
といった不条理なものばかり。この不条理な世界観とダンスミュージックに定評のあるFantastic Plastic Machineの音楽、リリー・フランキー、水木一郎、YOUなどの選考基準のよく分からない出演者が相乗効果となって、独特のシュールな雰囲気が醸し出されている。
#region
|&ref(suzuki_5.jpg)&br()水木アニキ熱唱、ガンダーのテーマ|&ref(suzuki_6.jpg)&br()監督役でちょっとだけ出るリリー・フランキー|
#endregion
登場する爆弾の種類も豊富で、「みかん」「エンジン」はまだしも、''「アイスコーヒー」「海」「影」''といったとても爆弾になるとは思えないものが登場したり、「こたつ」の中が宇宙空間になっている、''「カワイ リカ」(ゲーム中の歌番組に登場するアイドル)が浮世絵が描かれた立方体''として登場するなど、爆弾そのものが不条理であったりする。最終ステージでは「私を解体して」と迫られ、''「伊藤さん」''を解体することになる。
#region
|&ref(suzuki_1.jpg)&br()鈴木さんを襲う様々なシチュエーション|&ref(suzuki_2.jpg)&br()爆弾「海」オープニング|
|&ref(suzuki_3.jpg)&br()最後の爆弾「伊藤さん」|&ref(suzuki_8.jpg)&br()伊藤攻略のヒントが実は「携帯電話」にある|
#endregion
***解体パート
ドライバー、ニッパー、スパナ、六角レンチ、セロハンテープなどの道具を駆使して制限時間内に爆弾を解体していく。爆弾にはさまざまなトラップが仕掛けられており、トラップの仕掛けに合わせてねじを回す、緊急起爆装置のタイマーが作動する前に素早く止めるといったアクション性が要求される場面も多い。
**評価点
-解体パートの鈴木さんは事あるごとにしゃべり、その内容も「おう?」「わあー」といった一言から、「ちょっと待って、シャツ脱ぐ」と突然言い出したり、生々しい交友関係のグチをねちねち言ったり、脳内マージャンを始めたり、笑いっぱなしになったりとさまざま。
-それぞれのステージには遊び心のある演出が多数含まれている。例えば「エンジン」ステージでは制限時間が残り40秒になるとアントニオ猪木引退時のスピーチが流れ出す、「1、2、3、ダァー!!」で爆発するなど。
#region
|&ref(suzuki_7.jpg)&br()極悪ステージ「エンジン」|&ref(suzuki_4.jpg)&br()ステージ成否に関わらず「ダァー!」で爆発|
#endregion
**残念な点
-以上のように、ゲームのコンセプトや雰囲気は抜群なのだが、ゲームそのものの進行は単調であり、爆弾のトラップのバリエーションが少ないため飽きるのが早い。
-ステージ数は19と少なく、1ステージあたりのプレイ時間は1~10分ほど。難易度による変更も制限時間の変動と緊急起爆スイッチの設置程度しかないため、ボリューム不足は否めない。
-反射神経を要する複雑なトラップが連続する「エンジン」に対して、起爆装置への移動とコードを切るだけで終わる「携帯電話」「アイスコーヒー」があるなど、ステージごとの難易度に両極端なところがある。このほとんど解体をしないステージの数が意外と多く、やはりボリューム不足感を出してしまっている。
-セーブ・ロードの方法が''画面の奥から迫ってくる2つの標識のうち「SAVE/LOAD」と書かれた方を選ばなければならない''という非常に面倒な仕様になっている。コツをつかめば正解を選ぶのは難しくないが、標識の移動速度が速いので、油断をするとどちらも選べずにセーブを失敗してしまうことがある。
-間違ったルートやダミーのトラップを外すと、そこに爆弾魔と思しき人物からのメッセージが書かれていることがあり、鈴木さんへの偏執性が感じられるのだが、犯人の正体についてはゲーム中ではまったく触れられないし、解決されない。
**総評
爆弾解体の緊張感はそこそこにあり、実写で紡がれるアホらしいプロットと悪ふざけとも思える不条理ギャグ、鈴木さんを演じた緒沢凛のかわいらしさもあってコアなファンの多い作品だが、肝心のゲーム性はあまり奥深いものではない。~
良くも悪くも「一発ネタ」のゲームだが、メーカーがはじめからバカゲーのつもりで作り、それがスベらずにプレイヤーに受け入れられた稀有な作品である。
**余談
-極楽とんぼの加藤浩次はこのゲームがきっかけで緒沢凛のファンになり、後に結婚している。
-本作のプロデューサーは後に、iPhone用RPGのケイオスリングスシリーズを生み出している。