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*METAL WOLF CHAOS 【めたる うるふ かおす】 |ジャンル|破壊戦闘アクション|&amazon(B00070Q1YM)| |対応機種|Xbox|~| |発売・開発元|フロム・ソフトウェア|~| |発売日|2004年12月22日|~| |定価|6,800円|~| |分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|史上最も破天荒な合衆国大統領&br()ありとあらゆるオブジェクトを破壊する爽快感&br()やっぱりフロムなら仕方ない|~| ---- #center{&size(30){''なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!''};} ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -史上最もアクティブな大統領が活躍した映画『エアフォース・ワン』から10年経った。アメリカは9.11テロやアフガン出兵、イラク戦争という暗い時代を迎えており、もはや大統領をネタにする余裕など失っていた。この時を狙ってか狙わずか、再びそういった大統領が(日本に)帰ってくることなどアメリカ市民は想像できたのだろうか……。 -史上最も変態な企業集団フロム・ソフトウェアが送る、史上最も破天荒なアメリカ合衆国大統領が活躍する''ロボットアクション''。 --日本で爆死し、そして次世代機のXbox360の発売を控えていた''Xbox末期で出した''だけでもネタになりそうなのだが、とことんなまでにフロム・スピリッツが注入された本作は、もう全てがネタと言っても差し支えないほどのバカゲーになった。 --後に触れるが、本作はゲームとしても非常に優秀で、フロムのロボットアクション作品の中でも間違いなく名作レベルである。そこに付随するバカ要素がとにかく超越しまくっており、「''ちょっと宇宙まで行ってくる''」という勢いなのだ。ゲームとしてつまらないものではないので、そこは最初に断わっておく。 **ストーリー > アメリカ合衆国副大統領リチャード・ホークによるクーデターにより、政府の中枢機関は完全に掌握されてしまった。合衆国の正義と自由は死んだかのように見えた。~ だが、クーデター軍に対抗する唯一の希望があった。~ ~ そう、&size(16){''アメリカ合衆国大統領''};である。 **特徴 プレイヤーはアメリカ合衆国大統領マイケル・ウィルソンを操作して、クーデター軍と戦う。~ もちろん生身で戦うわけではなく、実際に操作するのは彼が搭乗する特殊機動重装甲(本編ではSpecial Mobile Armorと称される)「メタルウルフ」である。 本作のアクション部分における特徴は、このメタルウルフの異常な強さである。 -大きさ自体は5m程度と小さく、人によってはリアルロボットの傑作「装甲騎兵ボトムズ」をイメージするかもしれない。だが、とにかく滅茶苦茶な量の弾薬を搭載し、滅茶苦茶な装甲を誇る。ダメージが原因でゲームオーバーになることは高難度モードでもない限り稀。アメリカ合衆国大統領の乗るメカがそんなみみっちぃスペックであるはずがないのだ! --同社の『アーマード・コア』(AC)シリーズと違い機体のボディを変える楽しみは無いが、武器の選択と強化は出来る。また一人プレイを前提としているので、思う存分めちゃくちゃな機体設定と武器強化で無双プレイを楽しめる。対戦バランスのくびきから解放された結果の作品だと言えよう。 ---もちろんフロム定番の超絶難易度も完備。マゾプレイヤーも満足できる。 -AC同様のTPS視点で、やはり画面真ん中のターゲットサイトで照準を合わせる。だが、正確に狙おうとする必要は全くない。なぜなら弾薬数に物を言わせて撃ちまくり弾幕を張るのがセオリーだからだ。 --ちなみに弾数だが、バズーカやミサイルランチャーですら余裕で2桁。マシンガンやアサルトライフルなら''3~4桁''。スナイパーライフル以外気にする必要は無い。 --ミッション中にも弾数回復アイテムが出現する上に初期弾数を超えて回復する。上限などないので、よほど一つの武器を集中して使わない限りまず弾切れにはならない。 -武器は片手に1つずつ、背中のウェポンコンテナに3つ×両側に2つの合計8種類がミッションに持ち込める。ただしスナイパーライフルなどの長銃身の武器は両手で扱うため両方のコンテナのスペースを消費する。上述したとおりコンテナのサイズに比べて''遙かに大量の火器火薬が収納できる''が気にしたら負けである。 --武器は大きくマシンガンやショットガンといった「軽火器」とバズーカやグレネードランチャーといった「重火器」に分類される。 ---軽火器は威力は弱いが連射が効き弾数も多いため、面の制圧に長ける。また、サイト内に入ったミサイルを打ち落とすこともできる。スナイパーライフル(の初期型三種のみ)は例外的に重火器の特徴を持つが軽火器に分類される。 ---重火器は軽火器とは逆で、弾数が少なく連射が効かないが1発の威力が高いので、点の攻撃に長ける。 --ちなみにDLC武器(専用は一種のみで他は各種全面スコアを一定値超えれば使用可能)も存在。ボスでさえ一撃でぶちのめす超威力のバズーカやらクラッカーやらラッパなどお遊び武器も用意されている(現在はDLC機能は利用不可)。 -そして、本作のジャンル名に表れている「破壊」。さすがにMAPを構成する大型建築物は無理だが、''とにかくなんでも壊せる''。 --車や戦車、ヘリコプターなど敵ユニットはもちろん、コンテナや看板、果ては''先代大統領の銅像''((主人公マイケルの父親で、『NINJA BLADE』に登場する合衆国大統領。))など、建物以外なら目に映るもの全てが破壊出来ると言っても過言ではない。怪獣になった気分で破壊の限りを尽くせる。 --ついでに''生身の人間も虐殺できる''。こんなことをしてたら作中でテロリスト呼ばわりされても全く文句は言えまい。 ---余談だが、先代大統領の銅像を壊そうとすると''天国の父親に諭される''。だが、この銅像を壊すと(この時点では)''強力な武器が手に入る''。また、ここで銅像を壊したかどうかでマイケルのセリフが変化するほか、破壊しないで先に進むと専用のムービーが挿入されるといった細かい変化も。 **バカゲーたる所以 暗い作風が特徴のフロム作品だが、ここまで見て明らかなように本作はそれが鳴りを潜め、豪快なB級映画のノリの明るい作風である。~ いや、置かれている状況や、やっていること自体は相当危ないのだが、下記のバカ要素から、そんなことは微塵も感じさせない。 ***突き抜けたストーリーと演出 -上記に書いたように、ストーリーが色々突っ込みどころ満載。副大統領がクーデターを起こし大統領が最後の砦やら……そもそも、主人公が大統領の時点で何か勘違いしている。 --典型的なB級アメリカ映画のノリを踏襲しつつしっかりとした骨組みを持っているため、矛盾点や破綻は無い。そしてフロム作品には珍しく、はっきりしたストーリーが語られている作品でもある。 ---ただし、アメリカ映画のノリが好きではない場合、拒否反応を示すかもしれない。 -演出も突き抜けている。冒頭、ホワイトハウスを破壊して飛び出すメタルウルフに多くの人は唖然とするだろうが、まだまだ序の口。 --どこぞの国際救助隊よろしくホワイトハウスの地下から現れそのまま飛び立つ「''エアフォース・ワン''(大統領専用機)」。 --超巨大戦車を手で押さえ、あまつさえ''ローリングプレスを決めるメタルウルフ''(大統領)。 --敵は敵で「''アルカトラズ砲(射角は自国アメリカ)''」を投入。 --ホワイトハウスを要塞化した「''ファイトハウス''」……など、枚挙に暇がない。 //--ロケットに掴まり「''ちょっと宇宙に行ってくる''」と言い残し大気圏を突破、その後何事もなかったかのように帰還する大統領 ***個性的過ぎてむしろ変人なキャラクター -メインキャラは主に大統領マイケル・ウィルソン、副大統領リチャード・ホーク、秘書兼オペレーターのジョディ・クロフォード、ニュースキャスターのピーター・マクドナルドとごく僅かしかいないが、''彼らだけで十分過ぎる個性を発揮している。'' --主人公にして現職の大統領ことマイケルはお茶目な言動が多いが、とにかく信念に実直でなにより熱い。メタルウルフで起こす数々の所業は、まさに彼の性格の為すところである。 ---''「Let's Party」「なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!」''が口癖で、ことあるごとに叫んでくれる。 ---しまいにはロケットに掴まり「''ちょっと宇宙に行ってくる''」と言い残して大気圏を突破。メタルウルフの力を借りているとはいえ、某EDAJIMAもかくやのぶっ飛びぶりである。 ---これらの活躍ぶりから、こともあろうに海外サイトが選ぶ''「もっとも投票したいゲームの政治家」1位''に輝いてしまった。加えて説明すると、諸事情(後述)で''海外では発売されていないのにもかかわらず''である。 --リチャードはクーデターの首謀者((ちなみに本作の制作発表会の際「副大統領がクーデターを起こす」という設定に対して「クーデターを起こさず素直に選挙戦に打って出て勝った方が、楽且つ安全に政権掌握できていたのでは?」という身も蓋もないツッコミを受けていたりする。確かに…。))で、自分を「''ラストアメリカンヒーロー''」と信じて疑わない。典型的過ぎる卑劣漢で、TV放送によるプロパガンダはお手の物、その裏では毒をばら撒いたり人質を取ったりと、とんでもない悪行を果たす。 ---そして、クーデター軍の合言葉は「''ウィ ラブ リチャード''」。この古典的だが見事な悪役っぷりは、マイケルとの対比が非常に明らか。どこぞのFO○ HOUN○工作員のやり取りを意識した''「マイケェェル」「リチャァァァード!」''は熱すぎてもはやギャグの領域。 ---その一方で「資金源がハリウッドスター」など、どこかチープでシュールな笑いを誘う一面も。 --ジョディは典型的なブロンド美女だが、そのセリフは非常に辛辣で毒がある。サラッと空恐ろしいことを言うため、「本作で一番怖いのはこいつ」と言われることもある。 ---ちなみにブリーフィングではステージ毎に作戦名を考えてくれるが、概ね70~80年代の映画タイトルのようなちょっとズレた作戦名となっている(必ず最後に「~大作戦」と付いてる辺りで察してもらいたい)。 --ピーター・マクドナルドは当初政府声明に乗っ取り、クーデター軍側に偏向しまくった報道姿勢を取り、メタルウルフを反逆者として非難。戦場に度々現れてはメタルウルフに対する批判的な報道をするため、マイケルとジョディからは煙たがられている。だがとあるミッション終了後、大統領側が優勢になるや否や手の平を返したように、「''かねてから主張していた通り''」大統領賛美に廻る事になる。ある意味正しくマスコミというモノを体現したキャラクター。一応そのミッションで大統領側に正義があることに気付いたから、であるようだが、傍からは単に優勢な側にすり寄っているだけにしか見えない。 ---なお彼の乗っている報道ヘリはミッション中に''撃墜することが可能''。だがこの報道ヘリ、''軍の攻撃ヘリ以上の耐久力を有し''、更に撃墜に成功したとしても''彼は脱出してすぐ別のヘリに乗って復活する''。 ***大統領シャウト! -本作では方向パッドに「大統領シャウト!」が割り振られている。 --方向パッドを押すと面ごとに違った台詞を大統領が叫ぶ。&br()''以上。''&br()特殊効果などは一切無し。ある意味このゲームを象徴する機能である。 ---注意点として「大統領シャウト」ではなく「大統領シャウト!」である。「!」を忘れてはならない。 ---なおこの操作と名称、''きっちり説明書に書かれている。'' **問題点 -戦闘がかなり大味。爽快感を重視した結果の設計だが、ACのような戦闘を意識すると肩すかしを食らう。 -雰囲気やゲーム性など、それまでの(そして現在でも)フロム作品の中ではかなりの異色作である。大味な戦闘とフロム脳を介在させる余地の無いストーリーにカスタマイズの楽しみが薄いなど、コアなファンは首を傾げるかもしれない。 -盛り込まれた笑いの題材が&italic(){偏見に満ちたアメリカ像}であるという点。国辱と言われても仕方の無い世界感や雰囲気を嫌う人が居てもおかしくない。 --逆にこういった題材をジョークまたはネタとして笑い飛ばせる人であれば間違いなく楽しめる。 **総評 Xbox屈指のバカゲーにして良作。~ 斜め上な方向へ力を入れ過ぎ「変態企業フロム」の名を欲しいままにしていたフロムだが、本作は彼らのゲームに対する''斜め上の''情熱が注ぎ込まれた作品だと言えよう。 **余談 -海外では9.11事件の影響から発売されることはなかった。「街を破壊し尽くす」というコンセプトは、当時のアメリカの世相ではさすがにシャレにならないからだろう。 --かといって日本でのXbの普及率はたかが知れているため、日本でも少数生産で超プレミアがつくなど、現在では入手する方法が非常に限られている。 --ゆえに360への移植が渇望されている作品であるのだが、どうやら画像エンジンに360との互換性が無い((他にもMURAKUMOやOTOGIなどが同様の理由で互換不可))らしく移植も絶望的と言われており、現状Xbでしか遊べないことが本作のプレミアぶりに拍車をかけている。 //---当wikiでは記述すべきでは無いのだろうがエミュレーターすら対応した物が無い。どうもゲームエンジンがハードに直接命令するタイプな上ハードディスク等もバリバリ使うタイプなので互換が取れない様だ。 -本作の前日譚に当たる『NINJA BLADE』がXbox360で発売されている。本作スタッフによる製作なので、''当然バカゲー''(にして良作)である。 --忍者ゲームとしても中々に良作である為、気になる人はプレイしてみよう。なお現在ではXbox360のストアーから廉価版をダウンロードできる。 --ちなみにこっちは多くのフロム作品同様暗めの作風ではあるが、そんな暗さを吹き飛ばすようなツッコミ所(外国人が思い描いたようなNINJA振り、ドラゴンボール並みな物理法則の無視等)の数々が特色。 ---ムービー中のQTEには賛否両論だが、失敗しまくると出るQTE難易度「易しい」で一部が自動入力にできるので苦手な人も安心。 -かつでユーゲーでとりあげられ、元・ゲーメスト編集長の石井ぜんじが絶賛していた。 -超クソゲー3において「Xbox最後の奇蹟『メタルウルフカオス』」と題して紹介された。 -製作スタッフは続編を作りたくて仕方ないらしいが、経営陣にこの作品の売上を理由に「絶対ダメ!」と釘を刺されている((NINJA BLADE制作発表の際竹内P自身が「自分の関わったゲームの中で売り上げワースト」「現状の人気とのズレが何故なのかを今でも考えている」と発言している。))。%%余計な事を・・・%% --売上は販売本数や販売ハードが原因のような気もするが。
*METAL WOLF CHAOS 【めたる うるふ かおす】 |ジャンル|破壊戦闘アクション|&amazon(B00070Q1YM)| |対応機種|Xbox|~| |発売・開発元|フロム・ソフトウェア|~| |発売日|2004年12月22日|~| |定価|6,800円|~| |分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|史上最も破天荒な合衆国大統領&br()ありとあらゆるオブジェクトを破壊する爽快感&br()やっぱりフロムなら仕方ない|~| ---- #center{&size(30){''なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!''};} ---- #contents(fromhere) ---- **概要 史上最もアクティブな大統領が活躍した映画『エアフォース・ワン』から10年後。~ アメリカは9.11テロやアフガン出兵、イラク戦争という暗い時代を迎えており、もはや大統領をネタにする余裕など失っていた。~ この時を狙ってか狙わずか、再びそういった大統領が(日本に)帰ってくることなどアメリカ市民は想像できたのだろうか……。 -史上最も変態な企業集団フロム・ソフトウェアが送る、史上最も破天荒なアメリカ合衆国大統領が活躍する''ロボットアクション''。 --日本で爆死し、そして次世代機のXbox360の発売を控えていた''Xbox末期で出した''という事実だけでもネタになりそうなのだが、とことんなまでにフロム・スピリッツが注入された本作は、もう全てがネタと言っても差し支えないほどのバカゲーになった。 --後に触れるが、本作はゲームとしても非常に優秀で、フロムのロボットアクション作品の中でも間違いなく名作レベルである。そこに付随するバカ要素がとにかく超越しまくっており、「''ちょっと宇宙まで行ってくる''」という勢いなのだ。ゲームとしてつまらないものではないので、そこは最初に断わっておく。 **ストーリー > アメリカ合衆国副大統領リチャード・ホークによるクーデターにより、政府の中枢機関は完全に掌握されてしまった。合衆国の正義と自由は死んだかのように見えた。~ だが、クーデター軍に対抗する唯一の希望があった。~ ~ そう、&size(16){''アメリカ合衆国大統領''};である。 **特徴 プレイヤーはアメリカ合衆国大統領マイケル・ウィルソンを操作して、クーデター軍と戦う。~ もちろん生身で戦うわけではなく、実際に操作するのは彼が搭乗する特殊機動重装甲(本編ではSpecial Mobile Armorと称される)「メタルウルフ」である。 本作のアクション部分における特徴は、このメタルウルフの異常な強さである。 -大きさ自体は5m程度と小さく、人によってはリアルロボットの傑作「装甲騎兵ボトムズ」をイメージするかもしれない。だが、とにかく滅茶苦茶な量の弾薬を搭載し、滅茶苦茶な装甲を誇る。ダメージが原因でゲームオーバーになることは高難度モードでもない限り稀。アメリカ合衆国大統領の乗るメカがそんなみみっちぃスペックであるはずがないのだ! --同社の『アーマード・コア』(AC)シリーズと違い機体のボディを変える楽しみは無いが、武器の選択と強化は出来る。また一人プレイを前提としているので、思う存分めちゃくちゃな機体設定と武器強化で無双プレイを楽しめる。対戦バランスのくびきから解放された結果の作品だと言えよう。 ---もちろんフロム定番の超絶難易度も完備。マゾプレイヤーも満足できる。 -AC同様のTPS視点で、やはり画面真ん中のターゲットサイトで照準を合わせる。だが、正確に狙おうとする必要は全くない。なぜなら弾薬数に物を言わせて撃ちまくり弾幕を張るのがセオリーだからだ。 --ちなみに弾数だが、バズーカやミサイルランチャーですら余裕で2桁。マシンガンやアサルトライフルなら''3~4桁''。スナイパーライフル以外気にする必要は無い。 --ミッション中にも弾数回復アイテムが出現する上に初期弾数を超えて回復する。つまり上限などないので、よほど一つの武器を集中して使わない限りまず弾切れにはならない。 -武器は片手に1つずつ、背中のウェポンコンテナに3つ×両側に2つの合計8種類がミッションに持ち込める。ただしスナイパーライフルなどの長銃身の武器は両手で扱うため両方のコンテナのスペースを消費する。なお上述したとおりコンテナのサイズに比べて''遙かに大量の火器火薬が収納できる''が気にしたら負けである。 --武器は大きくマシンガンやショットガンといった「軽火器」とバズーカやグレネードランチャーといった「重火器」に分類される。 ---軽火器は威力は弱いが連射が効き弾数も多いため、面の制圧に長ける。また、サイト内に入ったミサイルを打ち落とすこともできる。スナイパーライフル(の初期型三種のみ)は例外的に重火器の特徴を持つが軽火器に分類される。 ---重火器は軽火器とは逆で、弾数が少なく連射が効かないが1発の威力が高いので、点の攻撃に長ける。 --ちなみにDLC武器(専用は一種のみで他は各種全面スコアを一定値超えれば使用可能)も存在。ボスでさえ一撃でぶちのめす超威力のバズーカやらクラッカーやらラッパなどお遊び武器も用意されている(現在はDLC機能は利用不可)。 -そして、本作のジャンル名に表れている「破壊」。さすがにMAPを構成する大型建築物は無理だが、''とにかくなんでも壊せる''。 --車や戦車、ヘリコプターなど敵ユニットはもちろん、コンテナや看板、果ては''先代大統領の銅像''((主人公マイケルの父親で、『NINJA BLADE』に登場する合衆国大統領。))など、建物以外なら目に映るもの全てが破壊出来ると言っても過言ではない。怪獣になった気分で破壊の限りを尽くせる。 --ついでに''生身の人間も虐殺できる''。こんなことをしてたら作中でテロリスト呼ばわりされても全く文句は言えまい。 ---余談だが、先代大統領の銅像を壊そうとすると''天国の父親に諭される''。だが、この銅像を壊すと(この時点では)''強力な武器が手に入る''。また、ここで銅像を壊したかどうかでマイケルのセリフが変化するほか、破壊しないで先に進むと専用のムービーが挿入されるといった細かい変化も。 **バカゲーたる所以 暗い作風が特徴のフロム作品だが、ここまで見て明らかなように本作はそれが鳴りを潜め、豪快なB級映画のノリの明るい作風である。~ 否…置かれている状況ややっていること自体は相当危ないのだが、下記のバカ要素からそんなことは微塵も感じさせない。 ***突き抜けたストーリーと演出 -上記に書いたように、ストーリーが色々突っ込みどころ満載。副大統領がクーデターを起こし大統領が最後の砦やら。%%そもそも主人公が大統領の時点で何か勘違いしているとも言う%% --それでいて典型的なB級アメリカ映画のノリを踏襲しつつしっかりとした骨組みを持っているため、致命的な矛盾点や破綻は無い。アメリカ映画のノリが好きではない場合、拒否反応を示すかもしれないが。 --なおフロム作品では珍しい事に、はっきりとしたストーリーが語られている作品でもある。 -演出も突き抜けている。冒頭、ホワイトハウスを破壊して飛び出すメタルウルフに多くの人は唖然とするだろうが、まだまだ序の口。 --どこぞの国際救助隊よろしくホワイトハウスの地下から現れそのまま飛び立つ「''エアフォース・ワン''(大統領専用機)」。 --超巨大戦車を手で押さえ、あまつさえ''ローリングプレスを決めるメタルウルフ''(大統領)。 --敵は敵で「''アルカトラズ砲(射角は自国アメリカ)''」を投入。 --ホワイトハウスを要塞化した「''ファイトハウス''」……など、枚挙に暇がない。 //--ロケットに掴まり「''ちょっと宇宙に行ってくる''」と言い残し大気圏を突破、その後何事もなかったかのように帰還する大統領 ***個性的過ぎてむしろ変人なキャラクター -メインキャラは主に大統領マイケル・ウィルソン、副大統領リチャード・ホーク、秘書兼オペレーターのジョディ・クロフォード、ニュースキャスターのピーター・マクドナルドとごく僅かしかいないが、''彼らだけで十分過ぎる個性を発揮している。'' --主人公にして現職の大統領ことマイケルはお茶目な言動が多いが、とにかく信念に実直でなにより熱い。メタルウルフで起こす数々の所業は、まさに彼の性格の為すところである。 ---''「Let's Party」「なぜなら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ!」''が口癖で、ことあるごとに叫んでくれる。 ---しまいにはロケットに掴まり「''ちょっと宇宙に行ってくる''」と言い残して大気圏を突破。メタルウルフの力を借りているとはいえ、某EDAJIMAもかくやのぶっ飛びぶりである。 ---これらの活躍ぶりから、こともあろうに海外サイトが選ぶ''「もっとも投票したいゲームの政治家」1位''に輝いてしまった。加えて説明すると、諸事情(後述)で''海外では発売されていないのにもかかわらず''である。 --リチャードはクーデターの首謀者((ちなみに本作の制作発表会の際「副大統領がクーデターを起こす」という設定に対して「クーデターを起こさず素直に選挙戦に打って出て勝った方が、楽且つ安全に政権掌握できていたのでは?」という身も蓋もないツッコミを受けていたりする。確かに…。))で、自分を「''ラストアメリカンヒーロー''」と信じて疑わない。典型的過ぎる卑劣漢で、TV放送によるプロパガンダはお手の物、その裏では毒をばら撒いたり人質を取ったりと、とんでもない悪行を果たす。 ---そして、クーデター軍の合言葉は「''ウィ ラブ リチャード''」。この古典的だが見事な悪役っぷりは、マイケルとの対比が非常に明らか。どこぞのFO○ HOUN○工作員のやり取りを意識した''「マイケェェル」「リチャァァァード!」''は熱すぎてもはやギャグの領域。 ---その一方で「資金源がハリウッドスター」など、どこかチープでシュールな笑いを誘う一面も。 --ジョディは典型的なブロンド美女だが、そのセリフは非常に辛辣で毒がある。サラッと空恐ろしいことを言うため、「本作で一番怖いのはこいつ」と言われることもある。 ---ちなみにブリーフィングではステージ毎に作戦名を考えてくれるが、概ね70~80年代の映画タイトルのようなちょっとズレた作戦名となっている(必ず最後に「~大作戦」と付いてる辺りで察してもらいたい)。 --ピーター・マクドナルドは当初政府声明に乗っ取り、クーデター軍側に偏向しまくった報道姿勢を取り、メタルウルフを反逆者として非難。戦場に度々現れてはメタルウルフに対する批判的な報道をするため、マイケルとジョディからは煙たがられている。だがとあるミッション終了後、大統領側が優勢になるや否や手の平を返したように、「''かねてから主張していた通り''」大統領賛美に廻る事になる。ある意味正しくマスコミというモノを体現したキャラクター。一応そのミッションで大統領側に正義があることに気付いたから、であるようだが、傍からは単に優勢な側にすり寄っているだけにしか見えない。 ---なお彼の乗っている報道ヘリはミッション中に''撃墜することが可能''。だがこの報道ヘリ、''軍の攻撃ヘリ以上の耐久力を有し''、更に撃墜に成功したとしても''彼は脱出してすぐ別のヘリに乗って復活する''。 ***大統領シャウト! -本作では方向パッドに「大統領シャウト!」が割り振られている。 --方向パッドを押すと面ごとに違った台詞を大統領が叫ぶ。&br()''以上。''&br()特殊効果などは一切無し。ある意味このゲームを象徴する機能である。 ---注意点として「大統領シャウト」ではなく「大統領シャウト!」である。「!」を忘れてはならない。 ---なおこの操作と名称、''きっちり説明書に書かれている。'' **問題点 -戦闘がかなり大味。爽快感を重視した結果の設計だが、ACのような戦闘を意識すると肩すかしを食らう。 -雰囲気やゲーム性など、それまでの(そして現在でも)フロム作品の中ではかなりの異色作である。大味な戦闘とフロム脳を介在させる余地の無いストーリーにカスタマイズの楽しみも薄いなど、コアなフロムファンほど首を傾げるかもしれない。 -盛り込まれた笑いの題材が&i(){偏見に満ちたアメリカ像}であるという点。国辱と言われても仕方の無い世界感や雰囲気をジョークまたはネタとして笑い飛ばせるか次第であり、それを嫌う人が居てもおかしくない。 **総評 Xbox屈指のバカゲーにして良作。~ 斜め上な方向へ力を入れ過ぎ「変態企業」の称号を欲しいままにしていたフロム・ソフトウェアだが、本作もまた彼らのゲームに対する''斜め上の''情熱が注ぎ込まれた作品だと言えよう。 **余談 -海外では9.11事件の影響から発売されることはなかった。「街を破壊し尽くす」というコンセプトは、当時のアメリカの世相ではさすがにシャレにならないからだろう。 --かといって日本でのXbの普及率はたかが知れているため、日本でも少数生産で超プレミアがつくなど、現在では入手する方法が非常に限られている。 --ゆえに360への移植が渇望されている作品であるのだが、どうやら画像エンジンに360との互換性が無い((他にもMURAKUMOやOTOGIなどが同様の理由で互換不可))らしく移植も絶望的と言われており、現状実機でしか遊べないことが本作のプレミアぶりに拍車をかけている。 //---当wikiでは記述すべきでは無いのだろうがエミュレーターすら対応した物が無い。どうもゲームエンジンがハードに直接命令するタイプな上ハードディスク等もバリバリ使うタイプなので互換が取れない様だ。 -本作の前日譚に当たる『NINJA BLADE』がXbox360で発売されている。本作スタッフによる製作なので、''当然バカゲー''(にして良作)である。 --忍者ゲームとしても中々に良作である為、気になる人はプレイしてみよう。なお現在ではXbox360のオンラインストアから廉価版をダウンロードできる。 --ちなみにこっちは多くのフロム作品同様暗めの作風ではあるが、そんな暗さを吹き飛ばすようなツッコミ所(外国人が思い描いたようなNINJA振り、ドラゴンボール並みな物理法則の無視等)の数々が特色。 ---ムービー中のQTEには賛否両論だが、失敗しまくると出るQTE難易度「易しい」で一部が自動入力にできるので苦手な人も安心。 -かつでユーゲーでとりあげられ、元・ゲーメスト編集長の石井ぜんじが絶賛していた。 -超クソゲー3において「Xbox最後の奇蹟『メタルウルフカオス』」と題して紹介された。 -製作スタッフは続編を作りたくて仕方ないらしいが、経営陣にこの作品の売上を理由に「絶対ダメ!」と釘を刺されている((NINJA BLADE制作発表の際竹内P自身が「自分の関わったゲームの中で売り上げワースト」「現状の人気とのズレが何故なのかを今でも考えている」と発言している。))。%%余計な事を・・・%% --売上は販売本数や販売ハードが原因のような気もするが。

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