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*パワプロクンポケット4 【ぱわぷろくんぽけっとよん/ふぉー】 |ジャンル|野球ゲーム|&image(pwpk4.jpg,width=120)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|KCEO(ダイヤモンドヘッドプロダクション)|~| |発売日|2002年3月20日|~| |定価|6,090円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|シリーズでは貴重な一話完結モノ&br()バランスのとれた彼女候補&br()慣れればクリア難度は低め&br()裏サクセスも本格登場|~| |>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]''|~| #contents() **概要 -[[本家>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ]]の4作目にしてGBA版の第2作。キャッチコピーは「ゲームがもりだくさんだ!!」。 --ストーリー的に変化球だった[[前作>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2094.html]]から一転、本作は「離島の弱小野球部が甲子園を目指す」という王道ストーリーになっている。ただしホラー色が強い所はいつものパワポケ。 --本作からRPG要素のあるシナリオをプレイして「野球人形」を鍛えていく『裏サクセス』が本格登場する。これまでのパワポケキャラがスターシステムで登場するシステムは好評で後の定番となる。 **ストーリー -『日の出高校編』~ 本土から離れた日の出島に引越してきた主人公。ところが引越ししてきたその日、その昔戦地からの復員中に輸送船の沈没事故で死亡した島民を弔う慰霊碑を倒してしまう。~ そこから始まった一つの呪い。野球の試合で負けると部員が消滅し、最後は自分が消えてしまう神隠し。呪いによって部室は焼け落ち、野球部が解散してしまう中、事故で死んでしまった野球部員の呪いを解く唯一の方法「甲子園出場」を実現するために、弱小野球部を立て直し始める。 -『RPG風ファンタジー編』~ 隣国と戦争の代わりに野球人形の試合で話を決めている世界で、野球人形が一体盗まれる。王様は勇者に欠けた野球人形を新たに作ることを依頼し、勇者は人形を作るために必要な三つの球を集める、ファンタジーRPG。 **評価点 -「神隠し」というオカルト要素はあるものの高校野球編という事で「弱小野球部が甲子園を目指す」という王道ストーリーが軸になっている。 --「黒野博士」や「大神」など後の作品にも顔を出すキャラは数多いものの、基本的なシナリオ自体は一作で完結している事自体を評価する声もある。 --クリアするだけなら部員を集めて2年目に野球の試合に1回勝てば確定なので楽ではある。ただし一部彼女でグッドEDを見るには甲子園で優勝しなければいけない。 -野球パートの球場が前作より拡大してテンポが良くなった。GBAパワポケとしては野球ゲームとしてそこそこ遊べるようになった。 --ペナントモードが追加された。 --ミニゲームのハイスコアが記録されるようになった。 --アレンジチームを登録できる数が増えた。 --本作から例年のライバルキャラのオールスターであるアレンジチーム「デビルスターズ」が初登場した。ゲーム本編には関わらないものの強力な選手が多数登録されている。 -『1』から『3』のサクセスの全ての要素を詰め合わせた、自由度の高い表サクセス。 --1年目の部員集めは今回のメガネである山田と二人だけの状態から始まり、1の1年目を彷彿とさせる。能力の高い部員4人がミニゲームをクリアしなければ仲間にできない点も同様。ただ、今作では2年目に試合で負けるたび、部員が一人神隠しに遭って消えてしまう為、腕に自信が無ければギリギリの人数はやめた方が良い。 --アイテムのシステムが『2』から継承され、そこに『3』のお金の概念も組み合わさっており、よろず屋に行くことで自由にアイテムを買うことが出来るようになった。一部アイテムは自由なタイミングで使用できる為、予め買い込んでおけば休みや通院によるターンの消費を抑えることも可能。 ---今作では2年目から主人公が部費を管理する。離島の高校なので試合に行く度に大金が必要となる設定になっており、部費が足りないと試合自体が出来ない。部費は定期イベントの部員からの徴収や、アルバイトをすることで増やすことが出来る。尚、部費=主人公のポケットマネーでもある為、ちゃんと手元に残しておかないと彼女とのデートに部費を注ぎこみ試合ができなくなる、なんて間抜けなことも起こる。 --うろつける場所は多いが、その中でも本作の特徴と言えるのが「研究所」。後のパワポケシリーズにも深く関わる黒野博士が住んでいて、行くと改造手術を受けられる。お馴染みのダイジョーブ博士は今回から黒野博士と交代する形で出てこないが、改造手術はいつでも受けられるのである。 ---ダイジョーブ博士ほどの劇的な能力アップは起きないが、成功率も従来より高く設定されている為、入り浸ったプレイヤーも多いだろう。 --難易度の低さやお金の概念の継承も相まって、強い選手にこだわらないのであれば、島をうろつく・遊びに行く・彼女とデートする・その為にバイトするといった、離島で暮らす等身大の高校生の3年間といった体裁が整ったサクセスになっている。 -前作では自由に見られなかったエンディングの「アルバム」をコレクション出来る要素が生まれ、ギャルゲー的なコンプリートの楽しみが広がった。 --彼女候補の好感度の増減が詳しく数字で表されることになったため、過去3作より攻略がやりやすくなっている。 --本作の彼女候補キャラは「身近で攻略しやすい彼女」「事件の真相を握る彼女」「安定した育成が見込める彼女」「最後までホラー重視の彼女」「ランダムが多い分ハマればハイレベル選手が作れる彼女」「ランダムが更に多い高難易度彼女」と役割がパワポケシリーズ内でもきっちりバラけてるのが特徴。 -表サクセスで守備のセミオート・オート、走塁のセミオート、打撃のロックオンをサクセス開始時に設定できるようになった。ただしこれらを使うと初期能力が下がってしまう。 -表サクセスの試合では、選手の交代はおろか、試合開始前のスタメンまで全てプレイヤーが決めることができ、対戦相手に応じた戦略の組み立て可能である。 -裏サクセスは選手を3人登録すると遊べるようになる。中世のファンタジーRPG風の世界観で「野球人形」を作る。 --仲間が死ぬと消滅、主人公が死ぬとゲームオーバーなどシビアで粗削りだが表に登場したキャラが別の役回りで再登場する「スターシステム」は概ね好評。 ---過去作品のキャラクターが登場したり、表と裏で全然性格が違うキャラがいるなどの裏サクセスキャラの基本はここで成立した。 --慣れると「ノリカ」を使う事で野球人形を超強化できるので、表サクセスよりステータスの強い選手が作りやすい。 --本作の裏サクセスから、ラスボスは全て『1』『3』の登場人物である亀田が務めている。 -ミニゲームに『[[グラディウス]]』をほぼまんま模したSTGがある。KONAMI繋がりだからだろう。 -BGMは概ね好評。試合曲、甲子園に出場した時に会場を見上げるBGM、春の曲(14でBGMがリメイクされた際のタイトルは「あの4度目の桜」)は特に評価が高い。 --後にKONAMIが得意とする音ゲーを担当するサウンドスタッフが投入されているのもこの評価の一因と言える。スタッフロールを見ると有名所では広野智章(別名「劇団レコード」)、佐藤直之(別名「猫叉Master」)の名がある。 --4の春・夏(リメイクタイトル「この4番目の海」)がリメイクされた14で佐藤直之が4以来久々にスタッフロールに載ったことからすると、春・夏の2曲は佐藤直之によるものだろう。 -パワポケシリーズでは珍しく一話完結、かつ後の作品に引っ張る要素が皆無である。 --山田や大神は後の作品でも顔を出すが、あくまで神隠しを巡った一連のホラー事件は本作で完全解決して尾を引かない。 --シリーズ末期で事実上の連作になり、敷居が高くなってしまった事を嘆くファンからは、本作の一話完結さを再評価する声もあがっている。 ---なおスタッフも『11』の攻略本で、また『慰霊碑を倒したら妙な事件が起こり始めた(本作の事件)』みたいな一話完結サクセスを作りたいと語っていた。 ***彼女候補 -正統派マネージャー、ストーリーの本筋に関わる人物、パワーキャラの育成に有利な人物、後味の悪い結末、ランダム性が高いなど特徴のある彼女キャラが揃っている。 #region(本作の彼女候補・シナリオバレ有) ''神木 唯(かみき ゆい)'' -マネージャー。普通の王道ヒロインで、ハイキックの強さと「○><」の顔で怒る時の表情が非常に可愛い。『14』のトツゲキ甲子園でもマネージャーとしてみゆき先生と共に再登場している。 --攻略は身近なところにいるので非常に楽。攻略中の癖もないので簡単な部類に入る。 --シナリオ全体はホラー要素は最後に少し入ってくるだけで、真相とも殆ど無関係。等身大の高校球児とマネージャーの恋物語となっている。 --彼女に会計を相談する事で部室レベルを簡単に引き上げて仲間を強化する事ができる。マネージャーとしても実に優秀である。 --投手時のランダムイベントで足場が不安定な所で作業してる彼女を支えたら崩れて来て○><顔で殴られて「一発病」をもらうイベントが印象に残ってるプレイヤーも多いことだろう。 --唯のイベント中には「バレンタイン恒例チョコ掴み取り大会」という没イベントがありイベントの最後に主人公が「色気のないバレンタインだ。」と嘆くというギャグイベントであるが、本編では山田が主人公にチョコを貰らったことを自慢しようとするイベントに差し替えられている。 ''天本 玲泉(あまもと れいせん)'' -いつも笑顔を浮かべている同級生で、今回の事件に深く関わる「不吉ババア」の孫。 --攻略そのものはランダムもなく金もかからず、4の中でもかなり楽である。しかし彼女と交際した上で甲子園優勝を果たさないと真の攻略にはならない。 --甲子園を勝ち残って優勝すると、物語の中核である「神隠し」とは何だったのか、そして「妨害」とは何だったのかが全て語られることになる。 ---このシナリオ、ホラー的には「化物よりも狂った人間のほうが怖い」系統の構図となっており、他のホラー作品でも見られるものである((ゲームで言えば本作より後の作品だが『DEADRISING』、ゲーム以外なら『ゾンビ』や『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』等でこの構図が見られる。))。 --攻略しないで甲子園を優勝すると常に島から姿を消すバッドエンドアルバムが表示される「&bold(){常時バッドエンド}」キャラでもある。 //前記述のセツが犯人だと教えられるのは真ルートのみという記述は間違い、攻略しなくてもセツが犯人であることは判明する。 --その後『6』で山田や希美の元へ結婚報告に来ており、希美に島に帰る事を勧めてつっぱねられている事からバッドエンドは経由しなかったと推測されている。この6でシリーズを「引退」。それでもなおスタッフからもファンからも人気が高い。 ---日の出高校が甲子園優勝した時点で島を去るか主人公と結ばれているかの二択。その上で島に残っている、ということは結婚相手は4の主人公であろうというのがファンの間では通説になっている。 --『10』『11』のリセット座談会((リセット制限回数を越えたファイルを消す際に行われるコーナー。ここで作中裏設定や製作裏話が暴露されることがある。))で引退したのに名前が出ては近況(子育て中)が明かされる、という状況からも人気の高さが窺える。 --裏サクセスでは『4』『5』と悪の魔術師「イル」→はぐれ忍者「天本威流」として登場。軽いノリの性格と関西弁という、表とは真逆の性格になっている。 ---裏サクセスでは珍しい「別の作品に同一人物が登場する」パターン。イル=威流である。 ---本人は登場しないが『7』、『10』でも彼女らしき人物が裏にいることが匂わされる。引退宣言のせいで画面には出てこないが。 --『12』では&bold(){引退宣言を覆して}久々に画面上に登場、今回は「イル」ではなく「アマルダ・レーセン」として玲泉に近い性格で、主人公の子供を妊娠する辺りも表の「正史」に近い役割である。 ---通例なら引退宣言をすると裏の出演もなくなる((11の公式サイトQ&Aで登場人物の一人、神条紫杏に「引退と言うと裏でも出れなくなる」と言わせていた。))にも関わらず、それを覆したシリーズ唯一の例である。 ''島岡 希美(しまおか のぞみ)'' -野球部の仲間にできる武雄の姉。 --外見はやや残念だが性格は姉御肌ながら人付き合いのいい性格をしており、デート中にパワーが直接上がるため強い選手を育成しやすい。ある意味パワプロのカレン枠。 ---その性格から攻略難易度も楽な部類に入る。育成のしやすさも含めると4彼女内では最も楽なキャラ。 --天本のバッドエンドの裏事情を握るのは彼女。特定の条件でバッドエンドの裏事情イベントが起こる。 --『6』では整形&痩せて再登場する。 ''田中 深雪(たなか みゆき)'' -担任の先生で、後に野球部の顧問になってくれる。試合中に唯と共に見守るカットインが印象に残る。『14』でもトツゲキ甲子園で唯と共に再登場。 --彼女候補としては2ルートに別れ、そのルート次第で大きく扱いが変わる。 ---通称「幽霊ルート」はイベントの大半がランダムかつ選択肢ミスが許されない高難度キャラ。その上、天本と同じく甲子園優勝が彼女を救うために必要になってくる。その末に待つ物語は衝撃の展開。&br()このルートのみ、玲泉ルートで語られる真相ではなく、物語の真相が全て変化することになる。 ---通称「親子ルート」に入るとゲームとしての難易度は低下。物語は自分の親父と攻略を争うハメになるという別の意味で衝撃の展開になる。その結果はプレイヤー次第。 ''葉月(はづき)'' -いつも泉にいる謎の女性。 --先生と同じようにルートが別れ、その二つで全くストーリーが違う。 ---通称「女神ルート」では島にある泉の女神としての登場。ひたすらにうろついて物を投げ込み続けると低確率で現れ、強化or弱化アイテムを渡しに来る。要するに童話『金の斧』。 ---通称「幽霊ルート」では泉の幽霊として登場。何故幽霊になったのかは付き合いを重ねていくと最後の最後に語られることになる。 --両ルート共にランダムイベントに振り回されるが、最後は野球超人伝の可能性があるので「難易度は高いがうまく完走できれば強めの選手が生まれる」枠である。 ''高城 秋生(たかしろ あきみ)'' -主人公の幼馴染で本土の街に住んでいる。 --デートの度に本土への交通費+αの支出があるため、金銭の管理が難しい。ランダムで難易度が上がるみゆき先生・葉月とは別ベクトルで難易度を上げているキャラ。資金管理さえできれば難しくはないが。 --シナリオは徹底ホラー寄りで、本作のホラー要素を極限まで増したのが彼女のシナリオ。前半は普通なのだが、後半になると彼女共々怪奇現象に悩まされることになる。 ---しかも、最後のイベントで解決したように見せておいて、エンディングで「解決したと思ったらまた始まった」というアルバムが表示される。不憫。 ---ただしトラウマになるような強烈な話ではなく、後味が悪くなるほど重い話でもない。あくまで「よくある怖い話」レベルで、旧友というありふれた関係にちょうど良いアクセントを付けているとも言える。 --裏サクセスでも度々出演するが、常に猟奇イベント担当で死亡の危険があるという不憫な扱いを受け続けた。 #endregion **賛否両論点 -消費アイテムの「怪しい薬」が使いづら過ぎる(「5」にも登場)。 --このアイテムは「6」以降で言う「しあわせ草」に相当する物だが「しあわせ草」のとは似つかないぐらいマイナス効果が凶悪。使うと低確率で病気が治ったりするが、結構な確率でいずれかの病気になったり、すべての病気にかかってしまうことがあり、さらに20%の確率で一つマイナス特殊能力を取得してしまうことがある。これによって「センス×」や「ランナー×」や「タイムリーエラー」などの凶悪な特殊能力を取得してしまうことがある。確実なプラス効果は入院期間が一週間減る事ぐらいであり、全てのマイナス効果を撤去した「しあわせ草」がどれだけ使いやすいかを物語っている。しかも、野手の場合「固め打ち」や「代打○」など「怪しい薬」でしか取得できない特殊能力がいくつか存在する。 -投手の場合万屋で「赤のリストバンド」を買うと「ピンチ〇」を取得するはずが、バグでレア特殊能力の「キレ〇」を取得できてしまう。通常の「赤のリストバンド」の効果は「対左打者〇」と「ピンチ〇」取得。恐らくGB版『2』での「赤のリストバンド」の効果が「キレ〇」取得だったことと関係していると思われる。 --万屋で「よく飛ぶバット」を買うと「バント〇」取得のはずが「バント〇」と「バント×」を除去してしまうという効果にバグで変わっている。 -初登場のペナントだが、微妙な新モードのまま終わっている。難易度調整できない。 --後に「俺のペナント」が追加された時は、選手を更に強化するモードとして存在意義を発揮している。 -野球システムはまだまだ荒削り。 --ミートカーソルは『3』に引き続いて四角。実際は強芯モードが猛威を振るうのであまり関係ないが。 ---強芯にするとパワーD辺りからホームランが出るようになり、ボールが外野に飛びヒット率が高くなるので、強芯を当てる方が成績が良くなるのである。 --ロックオンにすると打球の威力が極端に落ちヒットが出なくなる。そのため『4』の試合は難しいと勘違いした人も多い。 ---打撃がマニュアルでゴロでなければヒット性の当たりは普通に出る。 --球場は『3』よりマシになったとはいえ、まだまだ狭い。 --何故かゴロのスピードが『3』や『5』と比べるとかなり遅くなっておりピッチャーや内野を抜けることがほとんどできなくなっている。また内野でバウンドすることはまずない。 --送球は妙に早い。おかげで「外野を破る長打」が非常に出づらく、迂闊に二塁打を狙うと二塁で死ぬ事故が多発する。 ---肩Aで送球○持ちならタッチアップを簡単に阻止できるし、捕手なら盗塁も余裕で刺せる。 -CPUの頭が悪い。 --打撃はロックオンが常時オンになっているためヒット性の当たりをかましてくることは少ない。 --ストライクゾーンのボールになるギリギリの所にスローボールを投げ続ければボール球を振ってゴロを量産するのでまず打ち取れる。 ---ただし甲子園では全試合ビハインドなので点を取れなければ勝てないのだが……。 --走塁をオートにすると調子ぶっこいて暴走。二塁・三塁を目指してアウトになるケースも多々ある。 --守備では内野ゴロをダイビングキャッチで取ろうとするとタイミングが早すぎて必ず抜ける(ダイビングキャッチ自体はあまりしてこない)。 --サクセスでは相手チームの投手はストレートを多用してくるの選手が多いのでで慣れれば楽に勝てるようになる。 ---特に甲子園決勝の投手「皇」は変化球が4方向もあるのにストレート多投。慣れたプレイヤーの間では「甲子園一回戦が事実上の決勝」という声があるほどに楽。また逆に地方大会決勝の「真賀津」だけは変化球を多用してくる。 --サクセスの試合で相手はピヨろうがスタミナが切れようが代打以外では絶対投手は降板しない。「5」でも同じようなことが起こり投手が炎上しない限りほとんど降板されない。 -裏サクセスに関する問題点 --裏サクセスは難易度が高く、死亡=ファイル消去システムでやり直しも効かないためバランスはお世辞にも良くない。 ---経験値が分配方式のため早々に仲間を集めると一人頭の経験値が目減りしてレベルが低くなる、装備品を買うと素早さが下がって先手を取られて大ダメージ、などの癖のあるシステムがそれに拍車をかける。 ---今作の裏サクセスは素早さが高ければ高いほどクリティカルをくらいやすいという仕様が存在している。その仕様の一番の犠牲者は他ならぬ主人公であり、レベルアップして素早さがガンガン上がると色々な敵から「痛い一撃」や「致命的な一撃」を高確率(最大30%)&連続でくらってしまう。逆にこちら側の素早さが低いとボス敵などに連続でクリティカルが発生するということもよくある。…勿論、先手を許すことでボスからくらう大ダメージを耐えられればという条件は付くが。 ---次作5では、これらの問題について「連続でクリティカルが発生する確率の減少」「素早さが高ければ高いほどクリティカルが発生しやすくなるようシステム上の仕様を変更」といった方法で解決が試みられている。 --裏サクセスでのマイナス特殊能力の引き取り価格がアホみたいに高い。 --「さむいギャグ」や「あざけり笑い」の最大発動率も前者が80%で後者が90%と高い。そのため5では最大発動確率が20%下げられた。 --また、表サクセスより裏サクセスのほうがステータスの高い選手を作りやすい事を問題視するプレイヤーもそれなりに居る。 --総論ではあくまで「パワポケキャラのスターシステム」「野球ゲームのおまけとしては上出来」レベルである。 ---それでも概ね好評ではあったようで、後のパワポケにおいてRPG裏サクセスは定番となる。 **問題点 -今作は試合中の選手変更が前三作同様自由に決められることが魅力だが、「3」と同様COMがプレイヤーの意思に反する選手の交代(つまり対戦モードで言う監督オート)をしてくることがある。 --投手の大神の調子が不調以下の時、ビバインドで控えに投手の山田と黒野四兄弟(野手)の誰かがいると必ず大神が代打で降板されてしまう。実際、黒野の方が投手大神より打撃力が上でも大神の降板により「ムード×」が発動してしまい結局はチーム全体の打撃力が下がるというとんでもないことを起こしてくれる。しかもその後山田を起用しなければならないという追い討ち付き。 -パワポケの常だが、バグが多い。 --2年目の試合で敗北してしまったとしても、とあるタイミングでリセットすれば仲間は1人消えるものの撃破した事になる。4の選手登録は3年目突入で確定なので、この時点でクリア確定である。勿論彼女攻略は別だが。 --一部の仲間にはパワーアップさせても反映されないバグがある。そのためパワーアップイベントを起こす意味が無い。該当キャラは「小山」と「堤」であり、特に「堤」の方は、パワーアップが簡単かつ、能力の上昇が大きい(パワポケ選手wikiより)分非常に勿体無い(頑張れば守備力とミートがAのオールBにできる)。またこの二人のみ、他のチームメイトと違って「○○がパッワーアップしました」と文章に表示されるのだが(パワーアップしました。の文章が全キャラに使われるようになったのは6から。5までは文章表示が無くてもイベントさえ起きれば能力アップする仲間が大勢いる。例えば4の島岡や黒野兄弟、5の水木など)、これがバグに関係していると思われる。 --今作の仲間はその殆どが使える特殊能力を持っておらず、マシなのが野手の山田ぐらいしかいない。森本は足が速い癖に「走塁・盗塁×」持ちでパワーアップ後の能力(走塁・盗塁○持ち)が公開されているにもかかわらずパワーアップイベントが無いとは一体どういうことなのか。そのため今作ではまともに盗塁を狙えるのは主人公か野手大神ぐらいである。またやたら「三振男」持ちが多く、バグでパワーアップ出来ない「堤」と「小山」は二人とも持っており、パワーアップすれば消滅するはずだったのだが……。 -マイナス装備アイテム(野球凡人伝も含む)やマイナス能力を取得する機会が非常に多く、育成を断念しなければいけなくなることが多い。 --入手ルートの多くはランダムイベントの釣り((選択肢でイベントの発生を無くすことも可能だが、このイベントは主人公の父親とみゆき先生がくっつく連続イベントの出発点であるかつこのイベントの発生時期は一年目と早いため、「トルマリンの置物」欲しさにやり直し覚悟で発生させる人もいる。))と、正月定期(彼女無し)のくじ引き。 ---前者の釣りは入手アイテムの総数が少ない分マイナスアイテムの入手率が高い。 ---後者のくじ引きは『2』とは違い、発生したら強制でアイテムを一つ入手することになる。プラス装備アイテムは殆ど出ない((所謂「四種の神器」はこのくじ引きでは100%入手できない))にも関わらず凡人伝は出る豪気っぷり。 ---これらのイベントは下記のクリスマス同様イベント発生時に何を取得するか決まっているため、リセットしてもアイテムの入手は防げない。 --彼女無しで進行中の場合、仲間キャラ「秋穂不作」が13%の確率で二年目のクリスマスに現れマイナス装備アイテムをプレゼントとして校庭で主人公に手渡してくる。「今日はクリスマスか。」「こんにちは・・・。」「こんにちは。ぶきみ君。どうしたんだい?」。そして→「メリークリスマース・・。」「とりあえず・・、これ・・やる。・。」(「ゆがんだバット」を手に入れた。「バント×」が身に付いた。氏ね) --極稀ではあるがROMそのものに何らかの不具合が起こり、高確率でマイナスアイテムを入手するようになってしまうこともあるという。プレイ時間がある程度経過すれば治るようではあるのだが……。 ---そのためかは分からないが、この作品で初めて「野球凡人伝」を取得したプレイヤーも多い。 --次作の「5」からはマイナスアイテムを取得することは滅多になくなった。流石にスタッフも問題視した、ということなのだろうか。 --表サクセスで投手は「神木唯」の好感度が低かった場合、あるランダムイベントで「一発病」を100%取得してしまう。問題はこのイべントは発生確率が高いイベントであるため、半分以上の投手に一発がつけられてしまうというのが育成上の問題として挙げられる。 ---一発病取得後に「幸せのボール」を買う、イベントで「逃げ玉」を取得する、好感度を上げるなどいくつか回避方法があるが、それなりに手間がかかる。 **総評 野球ゲームとして見た場合、野球パートはこの時点でも「性能の劣る携帯ハード版パワプロ」だが、順調に進化を続けており『3』に比べれば相当遊びやすくなっている。 シナリオは漫才めいたライトなノリと神隠しによるオカルト・ホラーの重い空気が混ざって独特の空気感を醸し出しているが、全体的にはBGMもあって田舎の離島らしいのんびりした雰囲気になっている。~ 彼女候補の天本が抱える複雑な愛憎と葛藤、その末に明かされる物語の真相。あるいはどこか憎めない仲間達と共に甲子園を目指すストーリーなどは未だに評価が高い。~ 発売から10年以上経ち、シリーズが14まで出揃った今でも4を推すファンは根強く存在している。 シリーズの一作品として見ると、全作品の世界が繋がっているパワポケにしては珍しく後の作品への伏線が殆どなく((唯一大神が登場するのが伏線だが、その大神も4の時点では裏社会の片鱗を全く見せていない。つまり裏に全く触れずに話が進んでいく。))、メインの「神隠し」という謎も全て4の作中で片がつき、後の作品に引っ張られる要素が無い。~ この点において、GBAというハードの制約とシステム面の古さが許容できるならという条件こそ付くが、「今からパワポケに触りたい」「パワポケの空気が知りたい」という入門プレイヤーにお勧めできる一品といえるだろう。~
*パワプロクンポケット4 【ぱわぷろくんぽけっとよん/ふぉー】 |ジャンル|野球ゲーム|&image(pwpk4.jpg,width=120)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|KCEO(ダイヤモンドヘッドプロダクション)|~| |発売日|2002年3月20日|~| |定価|6,090円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|シリーズでは貴重な一話完結モノ&br()バランスのとれた彼女候補&br()慣れればクリア難度は低め&br()裏サクセスも本格登場|~| |>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]''|~| #contents() **概要 -[[本家>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきた[[パワプロクンポケットシリーズ]]の4作目にしてGBA版の第2作。キャッチコピーは「ゲームがもりだくさんだ!!」。 --ストーリー的に変化球だった[[前作>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2094.html]]から一転、本作は「離島の弱小野球部が甲子園を目指す」という王道ストーリーになっている。ただしホラー色が強い所はいつものパワポケ。 --本作からRPG要素のあるシナリオをプレイして「野球人形」を鍛えていく『裏サクセス』が本格登場する。これまでのパワポケキャラがスターシステムで登場するシステムは好評で後の定番となる。 **ストーリー -『日の出高校編』~ 本土から離れた日の出島に引越してきた主人公。ところが引越ししてきたその日、その昔戦地からの復員中に輸送船の沈没事故で死亡した島民を弔う慰霊碑を倒してしまう。~ そこから始まった一つの呪い。野球の試合で負けると部員が消滅し、最後は自分が消えてしまう神隠し。呪いによって部室は焼け落ち、野球部が解散してしまう中、事故で死んでしまった野球部員の呪いを解く唯一の方法「甲子園出場」を実現するために、弱小野球部を立て直し始める。 -『RPG風ファンタジー編』~ 隣国と戦争の代わりに野球人形の試合で話を決めている世界で、野球人形が一体盗まれる。王様は勇者に欠けた野球人形を新たに作ることを依頼し、勇者は人形を作るために必要な三つの球を集める、ファンタジーRPG。 **評価点 -「神隠し」というオカルト要素はあるものの高校野球編という事で「弱小野球部が甲子園を目指す」という王道ストーリーが軸になっている。 --「黒野博士」や「大神」など後の作品にも顔を出すキャラは数多いものの、基本的なシナリオ自体は一作で完結している事自体を評価する声もある。 --クリアするだけなら部員を集めて2年目に野球の試合に1回勝てば確定なので楽ではある。ただし一部彼女でグッドEDを見るには甲子園で優勝しなければいけない。 -野球パートの球場が前作より拡大してテンポが良くなった。GBAパワポケとしては野球ゲームとしてそこそこ遊べるようになった。 --ペナントモードが追加された。 --ミニゲームのハイスコアが記録されるようになった。 --アレンジチームを登録できる数が増えた。 --本作から例年のライバルキャラのオールスターであるアレンジチーム「デビルスターズ」が初登場した。ゲーム本編には関わらないものの強力な選手が多数登録されている。 -『1』から『3』のサクセスの全ての要素を詰め合わせた、自由度の高い表サクセス。 --1年目の部員集めは今回のメガネである山田と二人だけの状態から始まり、1の1年目を彷彿とさせる。能力の高い部員4人がミニゲームをクリアしなければ仲間にできない点も同様。ただ、今作では2年目に試合で負けるたび、部員が一人神隠しに遭って消えてしまう為、腕に自信が無ければギリギリの人数はやめた方が良い。 --アイテムのシステムが『2』から継承され、そこに『3』のお金の概念も組み合わさっており、よろず屋に行くことで自由にアイテムを買うことが出来るようになった。一部アイテムは自由なタイミングで使用できる為、予め買い込んでおけば休みや通院によるターンの消費を抑えることも可能。 ---今作では2年目から主人公が部費を管理する。離島の高校なので試合に行く度に大金が必要となる設定になっており、部費が足りないと試合自体が出来ない。部費は定期イベントの部員からの徴収や、アルバイトをすることで増やすことが出来る。尚、部費=主人公のポケットマネーでもある為、ちゃんと手元に残しておかないと彼女とのデートに部費を注ぎこみ試合ができなくなる、なんて間抜けなことも起こる。 --うろつける場所は多いが、その中でも本作の特徴と言えるのが「研究所」。後のパワポケシリーズにも深く関わる黒野博士が住んでいて、行くと改造手術を受けられる。お馴染みのダイジョーブ博士は今回から黒野博士と交代する形で出てこないが、改造手術はいつでも受けられるのである。 ---ダイジョーブ博士ほどの劇的な能力アップは起きないが、成功率も従来より高く設定されている為、入り浸ったプレイヤーも多いだろう。 --難易度の低さやお金の概念の継承も相まって、強い選手にこだわらないのであれば、島をうろつく・遊びに行く・彼女とデートする・その為にバイトするといった、離島で暮らす等身大の高校生の3年間といった体裁が整ったサクセスになっている。 -前作では自由に見られなかったエンディングの「アルバム」をコレクション出来る要素が生まれ、ギャルゲー的なコンプリートの楽しみが広がった。 --彼女候補の好感度の増減が詳しく数字で表されることになったため、過去3作より攻略がやりやすくなっている。 --本作の彼女候補キャラは「身近で攻略しやすい彼女」「事件の真相を握る彼女」「安定した育成が見込める彼女」「最後までホラー重視の彼女」「ランダムが多い分ハマればハイレベル選手が作れる彼女」「ランダムが更に多い高難易度彼女」と役割がパワポケシリーズ内でもきっちりバラけてるのが特徴。 -表サクセスで守備のセミオート・オート、走塁のセミオート、打撃のロックオンをサクセス開始時に設定できるようになった。ただしこれらを使うと初期能力が下がってしまう。 -表サクセスの試合では、選手の交代はおろか、試合開始前のスタメンまで全てプレイヤーが決めることができ、対戦相手に応じた戦略の組み立て可能である。 -裏サクセスは選手を3人登録すると遊べるようになる。中世のファンタジーRPG風の世界観で「野球人形」を作る。 --仲間が死ぬと消滅、主人公が死ぬとゲームオーバーなどシビアで粗削りだが表に登場したキャラが別の役回りで再登場する「スターシステム」は概ね好評。 ---過去作品のキャラクターが登場したり、表と裏で全然性格が違うキャラがいるなどの裏サクセスキャラの基本はここで成立した。 --慣れると「ノリカ」を使う事で野球人形を超強化できるので、表サクセスよりステータスの強い選手が作りやすい。 --本作の裏サクセスから、ラスボスは全て『1』『3』の登場人物である亀田が務めている。 -ミニゲームに『[[グラディウス]]』をほぼまんま模したSTGがある。KONAMI繋がりだからだろう。 -BGMは概ね好評。試合曲、甲子園に出場した時に会場を見上げるBGM、春の曲(14でBGMがリメイクされた際のタイトルは「あの4度目の桜」)は特に評価が高い。 --後にKONAMIが得意とする音ゲーを担当するサウンドスタッフが投入されているのもこの評価の一因と言える。スタッフロールを見ると有名所では広野智章(別名「劇団レコード」)、佐藤直之(別名「猫叉Master」)の名がある。 --4の春・夏(リメイクタイトル「この4番目の海」)がリメイクされた14で佐藤直之が4以来久々にスタッフロールに載ったことからすると、春・夏の2曲は佐藤直之によるものだろう。 -パワポケシリーズでは珍しく一話完結、かつ後の作品に引っ張る要素が皆無である。 --山田や大神は後の作品でも顔を出すが、あくまで神隠しを巡った一連のホラー事件は本作で完全解決して尾を引かない。 --シリーズ末期で事実上の連作になり、敷居が高くなってしまった事を嘆くファンからは、本作の一話完結さを再評価する声もあがっている。 ---なおスタッフも『11』の攻略本で、また『慰霊碑を倒したら妙な事件が起こり始めた(本作の事件)』みたいな一話完結サクセスを作りたいと語っていた。 ***彼女候補 -正統派マネージャー、ストーリーの本筋に関わる人物、パワーキャラの育成に有利な人物、後味の悪い結末、ランダム性が高いなど特徴のある彼女キャラが揃っている。 #region(本作の彼女候補・シナリオバレ有) ''神木 唯(かみき ゆい)'' -マネージャー。普通の王道ヒロインで、ハイキックの強さと「○><」の顔で怒る時の表情が非常に可愛い。『14』のトツゲキ甲子園でもマネージャーとしてみゆき先生と共に再登場している。 --攻略は身近なところにいるので非常に楽。攻略中の癖もないので簡単な部類に入る。 --シナリオ全体はホラー要素は最後に少し入ってくるだけで、真相とも殆ど無関係。等身大の高校球児とマネージャーの恋物語となっている。 --彼女に会計を相談する事で部室レベルを簡単に引き上げて仲間を強化する事ができる。マネージャーとしても実に優秀である。 --投手時のランダムイベントで足場が不安定な所で作業してる彼女を支えたら崩れて来て○><顔で殴られて「一発病」をもらうイベントが印象に残ってるプレイヤーも多いことだろう。 --唯のイベント中には「バレンタイン恒例チョコ掴み取り大会」という没イベントがありイベントの最後に主人公が「色気のないバレンタインだ。」と嘆くというギャグイベントであるが、本編では山田が主人公にチョコを貰らったことを自慢しようとするイベントに差し替えられている。 ''天本 玲泉(あまもと れいせん)'' -いつも笑顔を浮かべている同級生で、今回の事件に深く関わる「不吉ババア」の孫。 --攻略そのものはランダムもなく金もかからず、4の中でもかなり楽である。しかし彼女と交際した上で甲子園優勝を果たさないと真の攻略にはならない。 --甲子園を勝ち残って優勝すると、物語の中核である「神隠し」とは何だったのか、そして「妨害」とは何だったのかが全て語られることになる。 ---このシナリオ、ホラー的には「化物よりも狂った人間のほうが怖い」系統の構図となっており、他のホラー作品でも見られるものである((ゲームで言えば本作より後の作品だが『DEADRISING』、ゲーム以外なら『ゾンビ』や『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』等でこの構図が見られる。))。 --攻略しないで甲子園を優勝すると常に島から姿を消すバッドエンドアルバムが表示される「&bold(){常時バッドエンド}」キャラでもある。 //前記述のセツが犯人だと教えられるのは真ルートのみという記述は間違い、攻略しなくてもセツが犯人であることは判明する。 --その後『6』で山田や希美の元へ結婚報告に来ており、希美に島に帰る事を勧めてつっぱねられている事からバッドエンドは経由しなかったと推測されている。この6でシリーズを「引退」。それでもなおスタッフからもファンからも人気が高い。 ---日の出高校が甲子園優勝した時点で島を去るか主人公と結ばれているかの二択。その上で島に残っている、ということは結婚相手は4の主人公であろうというのがファンの間では通説になっている。 --『10』『11』のリセット座談会((リセット制限回数を越えたファイルを消す際に行われるコーナー。ここで作中裏設定や製作裏話が暴露されることがある。))で引退したのに名前が出ては近況(子育て中)が明かされる、という状況からも人気の高さが窺える。 --裏サクセスでは『4』『5』と悪の魔術師「イル」→はぐれ忍者「天本威流」として登場。軽いノリの性格と関西弁という、表とは真逆の性格になっている。 ---裏サクセスでは珍しい「別の作品に同一人物が登場する」パターン。イル=威流である。 ---本人は登場しないが『7』、『10』でも彼女らしき人物が裏にいることが匂わされる。引退宣言のせいで画面には出てこないが。 --『12』では&bold(){引退宣言を覆して}久々に画面上に登場、今回は「イル」ではなく「アマルダ・レーセン」として玲泉に近い性格で、主人公の子供を妊娠する辺りも表の「正史」に近い役割である。 ---通例なら引退宣言をすると裏の出演もなくなる((11の公式サイトQ&Aで登場人物の一人、神条紫杏に「引退と言うと裏でも出れなくなる」と言わせていた。))にも関わらず、それを覆したシリーズ唯一の例である。 ''島岡 希美(しまおか のぞみ)'' -野球部の仲間にできる武雄の姉。 --外見はやや残念だが性格は姉御肌ながら人付き合いのいい性格をしており、デート中にパワーが直接上がるため強い選手を育成しやすい。ある意味パワプロのカレン枠。 ---その性格から攻略難易度も楽な部類に入る。育成のしやすさも含めると4彼女内では最も楽なキャラ。 --天本のバッドエンドの裏事情を握るのは彼女。特定の条件でバッドエンドの裏事情イベントが起こる。 --『6』では整形&痩せて再登場する。 ''田中 深雪(たなか みゆき)'' -担任の先生で、後に野球部の顧問になってくれる。試合中に唯と共に見守るカットインが印象に残る。『14』でもトツゲキ甲子園で唯と共に再登場。 --彼女候補としては2ルートに別れ、そのルート次第で大きく扱いが変わる。 ---通称「幽霊ルート」はイベントの大半がランダムかつ選択肢ミスが許されない高難度キャラ。その上、天本と同じく甲子園優勝が彼女を救うために必要になってくる。その末に待つ物語は衝撃の展開。&br()このルートのみ、玲泉ルートで語られる真相ではなく、物語の真相が全て変化することになる。 ---通称「親子ルート」に入るとゲームとしての難易度は低下。物語は自分の親父と攻略を争うハメになるという別の意味で衝撃の展開になる。その結果はプレイヤー次第。 ''葉月(はづき)'' -いつも泉にいる謎の女性。 --先生と同じようにルートが別れ、その二つで全くストーリーが違う。 ---通称「女神ルート」では島にある泉の女神としての登場。ひたすらにうろついて物を投げ込み続けると低確率で現れ、強化or弱化アイテムを渡しに来る。要するに童話『金の斧』。 ---通称「幽霊ルート」では泉の幽霊として登場。何故幽霊になったのかは付き合いを重ねていくと最後の最後に語られることになる。 --両ルート共にランダムイベントに振り回されるが、最後は野球超人伝の可能性があるので「難易度は高いがうまく完走できれば強めの選手が生まれる」枠である。 ''高城 秋生(たかしろ あきみ)'' -主人公の幼馴染で本土の街に住んでいる。 --デートの度に本土への交通費+αの支出があるため、金銭の管理が難しい。ランダムで難易度が上がるみゆき先生・葉月とは別ベクトルで難易度を上げているキャラ。資金管理さえできれば難しくはないが。 --シナリオは徹底ホラー寄りで、本作のホラー要素を極限まで増したのが彼女のシナリオ。前半は普通なのだが、後半になると彼女共々怪奇現象に悩まされることになる。 ---しかも、最後のイベントで解決したように見せておいて、エンディングで「解決したと思ったらまた始まった」というアルバムが表示される。不憫。 ---ただしトラウマになるような強烈な話ではなく、後味が悪くなるほど重い話でもない。あくまで「よくある怖い話」レベルで、旧友というありふれた関係にちょうど良いアクセントを付けているとも言える。 --裏サクセスでも度々出演するが、常に猟奇イベント担当で死亡の危険があるという不憫な扱いを受け続けた。 #endregion **賛否両論点 -消費アイテムの「怪しい薬」が使いづら過ぎる(「5」にも登場)。 --このアイテムは「6」以降で言う「しあわせ草」に相当する物だが「しあわせ草」のとは似つかないぐらいマイナス効果が凶悪。使うと低確率で病気が治ったりするが、結構な確率でいずれかの病気になったり、すべての病気にかかってしまうことがあり、さらに20%の確率で一つマイナス特殊能力を取得してしまうことがある。これによって「センス×」や「ランナー×」や「タイムリーエラー」などの凶悪な特殊能力を取得してしまうことがある。確実なプラス効果は入院期間が一週間減る事ぐらいであり、全てのマイナス効果を撤去した「しあわせ草」がどれだけ使いやすいかを物語っている。しかも、野手の場合「固め打ち」や「代打○」など「怪しい薬」でしか取得できない特殊能力がいくつか存在する。 -投手の場合万屋で「赤のリストバンド」を買うと「ピンチ〇」を取得するはずが、バグでレア特殊能力の「キレ〇」を取得できてしまう。通常の「赤のリストバンド」の効果は「対左打者〇」と「ピンチ〇」取得。恐らくGB版『2』での「赤のリストバンド」の効果が「キレ〇」取得だったことと関係していると思われる。 --万屋で「よく飛ぶバット」を買うと「バント〇」取得のはずが「バント〇」と「バント×」を除去してしまうという効果にバグで変わっている。 -初登場のペナントだが、微妙な新モードのまま終わっている。難易度調整できない。 --後に「俺のペナント」が追加された時は、選手を更に強化するモードとして存在意義を発揮している。 -野球システムはまだまだ荒削り。 --ミートカーソルは『3』に引き続いて四角。実際は強芯モードが猛威を振るうのであまり関係ないが。 ---強芯にするとパワーD辺りからホームランが出るようになり、ボールが外野に飛びヒット率が高くなるので、強芯を当てる方が成績が良くなるのである。 --ロックオンにすると打球の威力が極端に落ちヒットが出なくなる。そのため『4』の試合は難しいと勘違いした人も多い。 ---打撃がマニュアルでゴロでなければヒット性の当たりは普通に出る。 --球場は『3』よりマシになったとはいえ、まだまだ狭い。 --何故かゴロのスピードが『3』や『5』と比べるとかなり遅くなっておりピッチャーや内野を抜けることがほとんどできなくなっている。また内野でバウンドすることはまずない。 --送球は妙に早い。おかげで「外野を破る長打」が非常に出づらく、迂闊に二塁打を狙うと二塁で死ぬ事故が多発する。 ---肩Aで送球○持ちならタッチアップを簡単に阻止できるし、捕手なら盗塁も余裕で刺せる。 -CPUの頭が悪い。 --打撃はロックオンが常時オンになっているためヒット性の当たりをかましてくることは少ない。 --ストライクゾーンのボールになるギリギリの所にスローボールを投げ続ければボール球を振ってゴロを量産するのでまず打ち取れる。 ---ただし甲子園では全試合ビハインドなので点を取れなければ勝てないのだが……。 --走塁をオートにすると調子ぶっこいて暴走。二塁・三塁を目指してアウトになるケースも多々ある。 --守備では内野ゴロをダイビングキャッチで取ろうとするとタイミングが早すぎて必ず抜ける(ダイビングキャッチ自体はあまりしてこない)。 --サクセスでは相手チームの投手はストレートを多用してくるの選手が多いのでで慣れれば楽に勝てるようになる。 ---特に甲子園決勝の投手「皇」は変化球が4方向もあるのにストレート多投。慣れたプレイヤーの間では「甲子園一回戦が事実上の決勝」という声があるほどに楽。また逆に地方大会決勝の「真賀津」だけは変化球を多用してくる。 --サクセスの試合で相手はピヨろうがスタミナが切れようが代打以外では絶対投手は降板しない。「5」でも同じようなことが起こり投手が炎上しない限りほとんど降板されない。 -裏サクセスに関する問題点 --裏サクセスは難易度が高く、死亡=ファイル消去システムでやり直しも効かないためバランスはお世辞にも良くない。 ---経験値が分配方式のため早々に仲間を集めると一人頭の経験値が目減りしてレベルが低くなる、装備品を買うと素早さが下がって先手を取られて大ダメージ、などの癖のあるシステムがそれに拍車をかける。 ---今作の裏サクセスは素早さが高ければ高いほどクリティカルをくらいやすいという仕様が存在している。その仕様の一番の犠牲者は他ならぬ主人公であり、レベルアップして素早さがガンガン上がると色々な敵から「痛い一撃」や「致命的な一撃」を高確率(最大30%)&連続でくらってしまう。逆にこちら側の素早さが低いとボス敵などに連続でクリティカルが発生するということもよくある。…勿論、先手を許すことでボスからくらう大ダメージを耐えられればという条件は付くが。 ---次作5では、これらの問題について「連続でクリティカルが発生する確率の減少」「素早さが高ければ高いほどクリティカルが発生しやすくなるようシステム上の仕様を変更」といった方法で解決が試みられている。 --裏サクセスでのマイナス特殊能力の引き取り価格がアホみたいに高い。 --「さむいギャグ」や「あざけり笑い」の最大発動率も前者が80%で後者が90%と高い。そのため5では最大発動確率が20%下げられた。 --また、表サクセスより裏サクセスのほうがステータスの高い選手を作りやすい事を問題視するプレイヤーもそれなりに居る。 --総論ではあくまで「パワポケキャラのスターシステム」「野球ゲームのおまけとしては上出来」レベルである。 ---それでも概ね好評ではあったようで、後のパワポケにおいてRPG裏サクセスは定番となる。 **問題点 -今作は試合中の選手変更が前三作同様自由に決められることが魅力だが、「3」と同様COMがプレイヤーの意思に反する選手の交代(つまり対戦モードで言う監督オート)をしてくることがある。 --投手の大神の調子が不調以下の時、ビバインドで控えに投手の山田と黒野四兄弟(野手)の誰かがいると必ず大神が代打で降板されてしまう。実際、黒野の方が投手大神より打撃力が上でも大神の降板により「ムード×」が発動してしまい結局はチーム全体の打撃力が下がるというとんでもないことを起こしてくれる。しかもその後山田を起用しなければならないという追い討ち付き。 -パワポケの常だが、バグが多い。 --2年目の試合で敗北してしまったとしても、とあるタイミングでリセットすれば仲間は1人消えるものの撃破した事になる。4の選手登録は3年目突入で確定なので、この時点でクリア確定である。勿論彼女攻略は別だが。 --一部の仲間にはパワーアップさせても反映されないバグがある。そのためパワーアップイベントを起こす意味が無い。該当キャラは「小山」と「堤」であり、特に「堤」の方は、パワーアップが簡単かつ、能力の上昇が大きい(パワポケ選手wikiより)分非常に勿体無い((頑張れば守備力とミートがAのオールBにできる))。またこの二人のみ、他のチームメイトと違って「○○がパッワーアップしました」と文章に表示されるのだが((パワーアップしました。の文章が全キャラに使われるようになったのは6から。5までは文章表示が無くてもイベントさえ起きれば能力アップする仲間が大勢いる。例えば4の島岡や黒野兄弟、5の水木など。))、これがバグに関係していると思われる。 --今作の仲間はその殆どが使える特殊能力を持っておらず、マシなのが野手の山田ぐらいしかいない。森本は足が速い癖に「走塁・盗塁×」持ちでパワーアップ後の能力(走塁・盗塁○持ち)が公開されているにもかかわらずパワーアップイベントが無いとは一体どういうことなのか。そのため今作ではまともに盗塁を狙えるのは主人公か野手大神ぐらいである。 ---またやたら「三振男」持ちが多い。先述の「堤」「小山」の二人も持っている。パワーアップすれば消滅するはずだったのだが……。 -マイナス装備アイテム(野球凡人伝も含む)やマイナス能力を取得する機会が非常に多く、育成を断念しなければいけなくなることが多い。 --入手ルートの多くはランダムイベントの釣り((選択肢でイベントの発生を無くすことも可能だが、このイベントは主人公の父親とみゆき先生がくっつく連続イベントの出発点であるかつこのイベントの発生時期は一年目と早いため、「トルマリンの置物」欲しさにやり直し覚悟で発生させる人もいる。))と、正月定期(彼女無し)のくじ引き。 ---前者の釣りは入手アイテムの総数が少ない分マイナスアイテムの入手率が高い。 ---後者のくじ引きは『2』とは違い、発生したら強制でアイテムを一つ入手することになる。プラス装備アイテムは殆ど出ない((所謂「四種の神器」はこのくじ引きでは100%入手できない))にも関わらず野球凡人伝は出るという豪気っぷり。 ---これらのイベントは下記のクリスマス同様イベント発生時に何を取得するか決まっているため、リセットしてもアイテムの入手は防げない。 --彼女無しで進行中の場合、仲間キャラ「秋穂不作」が13%の確率で二年目のクリスマスに現れマイナス装備アイテムをプレゼントとして校庭で主人公に手渡してくる。「今日はクリスマスか。」「こんにちは・・・。」「こんにちは。ぶきみ君。どうしたんだい?」。そして→「メリークリスマース・・。」「とりあえず・・、これ・・やる。・。」(「ゆがんだバット」を手に入れた。「バント×」が身に付いた。氏ね) --極稀ではあるがROMそのものに何らかの不具合が起こり、高確率でマイナスアイテムを入手するようになってしまうこともあるという。プレイ時間がある程度経過すれば治るようではあるのだが……。 ---そのためかは分からないが、この作品で初めて「野球凡人伝」を取得したプレイヤーも多い。 --次作の「5」からはマイナスアイテムを取得することは滅多になくなった。流石にスタッフも問題視した、ということなのだろうか。 --表サクセスで投手は「神木唯」の好感度が低かった場合、あるランダムイベントで「一発病」を100%取得してしまう。問題はこのイべントは発生確率が高いイベントであるため、半分以上の投手に一発がつけられてしまうというのが育成上の問題として挙げられる。 ---一発病取得後に「幸せのボール」を買う、イベントで「逃げ玉」を取得する、好感度を上げるなどいくつか回避方法があるが、それなりに手間がかかる。 **総評 野球ゲームとして見た場合、野球パートはこの時点でも「性能の劣る携帯ハード版パワプロ」だが、順調に進化を続けており『3』に比べれば相当遊びやすくなっている。 シナリオは漫才めいたライトなノリと神隠しによるオカルト・ホラーの重い空気が混ざって独特の空気感を醸し出しているが、全体的にはBGMもあって田舎の離島らしいのんびりした雰囲気になっている。~ 彼女候補の天本が抱える複雑な愛憎と葛藤、その末に明かされる物語の真相。あるいはどこか憎めない仲間達と共に甲子園を目指すストーリーなどは未だに評価が高い。~ 発売から10年以上経ち、シリーズが14まで出揃った今でも4を推すファンは根強く存在している。 シリーズの一作品として見ると、全作品の世界が繋がっているパワポケにしては珍しく後の作品への伏線が殆どなく((唯一大神が登場するのが伏線だが、その大神も4の時点では裏社会の片鱗を全く見せていない。つまり裏に全く触れずに話が進んでいく。))、メインの「神隠し」という謎も全て4の作中で片がつき、後の作品に引っ張られる要素が無い。~ この点において、GBAというハードの制約とシステム面の古さが許容できるならという条件こそ付くが、「今からパワポケに触りたい」「パワポケの空気が知りたい」という入門プレイヤーにお勧めできる一品といえるだろう。~

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