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メタルスラッグ5 - (2017/12/02 (土) 09:37:53) の1つ前との変更点

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*メタルスラッグ5 【めたるすらっぐふぁいぶ】 |ジャンル|アクションシューティング|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51B29S94JEL.jpg,width=160);&br;''※画像はPS2移植版''| //細かい事ですが、アーケード版ではなく移植版のもののようなので注意書きを追加。 |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNKプレイモア|~| |稼働開始日|2003年|~| //|プレイ人数|人|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズに新風を吹き込むと思われたが…&br;蛇足なスライディング&br;弾幕自重しろ&br;超展開なストーリー&br;背景の流用も健在|~| |>|>|CENTER:''[[メタルスラッグシリーズ・関連作品リンク>メタルスラッグシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 遺跡発掘を行う武装集団「プトレマイック・アーミー」が、メタルスラッグの機密事項の入ったディスクを奪った。~ その組織を壊滅させるべく、正規軍がマルコ・エリ・ターマ・フィオを送り込むという設定の横スクロールアクションシューティングゲーム。全5面。 本作はネオジオ基板で製作された最後のシリーズ作品である。~ また、本作は『X』より使われてきた大迫力のナレーションボイスと『2』からの状態異常(デブ化)が登場した最後の作品でもある。 //前作のノイズファクトリーはれっきとした国内企業。韓国と間違えられ易いのか。 ---- **基本システム 従来と同じく8方向レバー+4ボタン(ショット、ジャンプ、手榴弾、メタスラアタック)の4ボタンで操作。~ 更に下+Bで新アクション「スライディング」が使用可能。 前作「4」で新登場したトレバーとナディアが削除され、おなじみの二人(ターマ・エリ)が復活し、これまで同様の面子に戻った。 以後、追加キャラを除いて本編でのキャラの入れ替えは行われていない。 本作初登場のスラッグは最新鋭の二足歩行機能付き戦車「スラグガンナー」、高速道路を走り抜けるタクシー型の「スラグワーゲン(モービルスラッグ)」、トンネル内を覆い尽くす程の巨大な四足戦車「アオゲンシュテルン」の3種類。~ うち本作の目玉の「スラグガンナー」は「通常は二足歩行、しゃがみ状態で戦車形態に変形」「ブーストによる二段ジャンプ」「パイルバンカーで接近戦もこなす」と多数の特殊なギミックを備えた強力なスラッグであり、登場するエリアではこれの乗りこなしが重要となる。 ---- **好みが分かれる所 本作はシリーズのマンネリ化を打破したかったのか、多数の新要素が登場した作品となっている。 ***敵のデザイン -本作の敵は従来の「モーデン軍」から「プトレマイック・アーミー」という新たな組織に代わっている。本作のスクショを見たファンは驚いた筈。 --そのためシリーズの顔役と言えるモーデン元帥やアレン軍曹といった名脇役が登場せず、シリーズのお約束((例えばアレンの場合、死んだと思いきや無傷で復活している等))が存在しない。 -主な兵士の種類はマスクとゴーグルをつけた一般兵の「ゲリラ兵」、ガスマスクをつけたエリート部隊「エリート兵」の2種類が登場。これらはステージによってメインのタイプが異なっており、ガスマスクタイプの方が攻撃が素早いため本作のプレイヤーは苦戦することになる。ただしバズーカ、盾、迫撃砲を持っているのは通常タイプだけなので2種類が混じって出てくることも多い。 --ナイフによる攻撃が素早くなった、迫撃砲の動作が早くなった、近づくといきなりマシンガンを撃ってきたりナイフを投げてくるタイプがいるなど、全体的にモーデン兵よりも強化されていると言える。一方で凶悪な攻撃手段だったイカミサイルは使わなくなり、ガトリング砲持ちの兵士が登場しなくなったという点も。 -その他に、ステージ1では仮面をつけた「原住民」も登場。2面以降は味方を引き連れて登場する「司令官((大抵の場合は味方を呼び出してから逃走するが、特定の場面では逃げずにピストルで応戦してくる))」、ライフルで攻撃してくる「スナイパー((基本的な性質はシリーズ恒例のライフル兵と同じだが、木箱や茂みに隠れて登場する))」も登場し、最終面で登場する「仮面兵((倒しても何度か起き上がり、復活するという性質を持つ))」など敵のバリエーションは割と豊富。 -シリーズ恒例の敵である「ギリダ・O」「ジィ・コッカ」「サルビア」「ブラッドレー」「マクスネル」「R・ショーブ」「フライング・タラ」といった戦車や戦闘ヘリもデザインが変更。なお、デザインは変わっているが戦車、戦闘ヘリの種類は減っている。 --「メタルスラッグのデータが強奪された」という設定から「ブラックハウンド」なる黒いメタルスラッグもどきや、メタルスラッグのデータを元にした戦車「プトレマイックスラッグ」も登場。1面ではボスとして赤く巨大なメタルスラッグもどき「METAL REAR」が登場する。 --ほか、『3』の「レベルアーマー」にそっくりな二足歩行戦車「ガンナーユニット」が登場。接近戦特化型の「クローユニット」や遠距離戦特化型の「マシンガンユニット」、装甲強化型の「アーマーユニット」と複数のバリエーションが存在し、出番も多い。 ***従来とは異なる楽曲群 -本作のBGMは従来シリーズとは違い、ヘビメタ調のBGMが多い。もちろん操作説明やラスボス曲といったお馴染みの楽曲もヘビメタアレンジされている。 --これらの楽曲は賛否両論。熱くてカッコいいと評価する賛成意見もあれば、こんなん俺の知っているメタスラの曲じゃないという否定的な意見もある。 ***ステージ毎の捕虜のデザイン -本作ではステージ毎にいつもの老兵の捕虜が登場する面と、新たにサラリーマンが捕虜として登場する面の2種類が存在する。 --外見が違うだけで、行動パターンや登場の仕方は通常の捕虜と同じ。さすがにアイテムを出すのはパンツではなく鞄となっているが。 --本作で追加された捕虜のサラリーマンはステージクリア時のリザルトでは階級の代わりに「ドクター」「巡査」「先生」「議員」といったような''役職''になっている。 ---ちなみに続編『6』の最終面ではマーズピープルが捕虜として登場するが、そちらではステージクリア時の階級名が完全に意味不明となっている。 ---- **問題点 ***ゲーム本編の問題点 -スライディング --今までに無かった「普通のしゃがみよりもさらに姿勢を低くしながら高速移動できる」アクションなので、ガンガン使えると思いきや…。 --スライディング中に銃攻撃こそできるものの、軌道や移動距離は「スライディング中に、↑+ジャンプボタン」でキャンセルしない限り固定であるため、小回りが効きにくく意外と使いにくい場面が多い。動作終了後にも僅かに隙がある。 ---しかも、(動きが遅くなるので)一番使いたい「デブ化」時には使用不可能となっており、このデメリットは痛い。 --コマンドが「↓+ジャンプボタン」と、「しゃがんでいるときにジャンプしようとして」「連続でジャンプ下撃ちをしようとすると」暴発することが多くミスに非常に繋がりやすいため、快適なプレイを妨げる要因となってしまった。 --あまりに不評だったので今作限りで廃止となり、『6』以降ではスライディングは実装されていない。 -ゲーム本編のボリューム --前作より面が1つ減り、ボリュームが薄くなった。((同じ5面構成の『3』では最終面の長さで水増ししていたが。))ルート分岐もあるが、1面と3面にしか存在せず、しかも分岐ルートに行ったところでさほどプレイの幅を拡げるものではなかった。 -ゲームの難易度 --本作はシリーズの中でも高い難易度を誇り、1面冒頭から画面上から降りてきて斬りつけてくる敵兵、耐久力の高い仮面を付けた敵、特定の場所でいきなり吹き上がる炎の罠、と初見殺しのシーンが多い。 --更に武器アイテムも少なく、しかも「ヘヴィマシンガン」「ショットガン」「ダブルマシンガン」の比率がやけに高く、非常にバランスが悪い。また、復活したBIG系武器を入手出来るのは5面のトンネル内のみであり、出番が少ない。((使うとしたら大抵BIGショットガン一択なので、わざわざ分けた意味が無い。)) --本作のボスの攻撃はシリーズ最大の弾量である。しかも弾の軌道にランダム要素が加わるせいで、時折絶対回避不能な攻撃と化すため回避出来るかどうかは運次第である。2面ボス「ShootingRay」のUターン機銃・4面ボス「サンドマリン」の垂直落下弾・ラスボスの狙撃光弾乱射、といった攻撃の弾が「迷路の行き止まり」や「コ」の字や「>」の形のような、どうやっても回避できない固まり方で飛んでくる可能性が少なからず存在する為である。((ただ2面ボスのUターン機銃に関しては「スラグフライヤー」である程度の攻撃を耐えることが出来る。)) ---また前作同様、生身で挑まなければならないボス戦が多い。 -スコア稼ぎにおける問題 --本シリーズではスコアアタックも一つの魅力なのに''無限稼ぎが存在する。'' --とはいえ、無限に得点を重ねることができるポイントは5以前のシリーズ作でも確認されてはいる。スコアアタックが熱いゲームなのにスコア関係のスキが多いというのは皮肉である。 ---しかし、過去作における無限稼ぎはいずれも効率・効果の面で実用的でない物、再現性の低いバグによる物であるのに対し、今作では単なるテストプレイの不足によるパターン見逃しと思しきものであり、また効果についても、マジメにプレイした結果に比べ相当量のスコアを上乗せできる。 ***演出上の問題点 -後半のあまりに説明不足な超展開 --ゲーム展開についての本作の評価はシリーズ中最悪である。 //下で4ほど酷くないって書いてるけど、どっちなの? //4で問題にされたのは今までのシリーズのつぎはぎが酷すぎる(大抵の部分が過去作の流用)点や、これは今作もだけど難易度の暴騰、なぜかピンポイントでプレイアブルキャラから外された日本国籍(何故?)のキャラ(ターマとエリ)とかだから、ゲーム展開(シナリオ)と言う意味では確かに5よりはマシとも言える。どっちも酷いけどね…。 --4面:道中(陸上~水中~海底トンネル)まではほぼ順当な展開だが、海底トンネルから何の前触れも無しに''砂漠''に出てボス戦(''潜砂艦'')となる。 ---ちなみに4面のストーリーはアルカディアによると海底に存在する敵基地に侵入するというストーリーとなっているが… --ラスボス:「[[死神型の巨大生命体>http://www.youtube.com/watch?v=QDpsU4F-6Tw]]」。全くもって意味不明な展開。百歩譲って「敵組織(遺跡発掘を行う武装組織)によって復活させられた古代の怪物」と解釈できないこともないが、ラスボスに到達するまで、敵の兵器はほとんどが人間・近代兵器であり、ラスボスだけ謎の生命体というのは、いかに本作がストーリー展開を追う必要のないアクションゲームだからといっても、あまりに唐突である。((ただし「2」でも最終面でいきなり宇宙人が出てきたり、「3」では開始早々巨大な蟹や蠅、2面でゾンビや雪男、ボスに謎の生命体が出るなど、シリーズを通して超展開は多い。)) ---そして撃破すると、派手に爆発したり消滅したりするでもなく''こちらに背を向けて静かに飛び去っていって終わり''。第二形態などもなく、どうにも消化不良な感が強い。 //--一応Wikipediaではラスボスが真の黒幕だと解釈しているが… --『3』までは特にセリフなどがなくてもプレイヤーが理解できるように無声映画のような工夫がされており、同じく評価の悪い『4』でもあまりに唐突な展開は無く各面のつなぎでも自機が輸送されていく描写があるため雰囲気の流れを見失うような展開にはならなかった。その点はファンにとって非常に気になるポイントとなった。 --また前作に引き続き、タイトルでもあるメタルスラッグでラスボス戦に挑む事が出来ない。 -エンディングはキャラがタクシー型のスラッグ『モービルスラッグ』に乗って高速道路を走っている場面が映し出されるのみ。 --今作で初登場した敵組織の真の目的・奪われたメタルスラッグのデータの行方は謎のままであり、その後について全く描写されない。「組織は壊滅・データディスクは奪還成功」と捉えるのが妥当だと思われるが、そうであったとしても説明不足である。 ---マンネリ打破のために新たな敵組織を設定したはいいが、ゲーム中の敵組織の説明・描写はいつも通り(''ほぼ皆無'')だったため、上記のような問題が出てしまった。 -他に前作同様、過去作からの背景の流用も目立っている。 //また新たな敵キャラのパターンや姿も明らかに前作までの『モーデン軍』にしか見えない ***その他の問題点 -ゲーム本編とは無関係であるが、ボスキャラの正式名称が一部を除いて完全に非公開になってしまった。 --本作以降もこの体勢は継続していて、これまで通りの独特の敵ネーミングセンスに期待していたファンをガッカリさせる結果に。 --結局、本作以降に登場したボスキャラ達の正式名称が判明するのは、2010年代の『メタルスラッグ ディフェンス』『メタルスラッグ アタック』といったスマホアプリの時代まで待つ事になるのだが、これらアプリタイトルをもってしても全てのボスの正式名称が判明仕切れていないのが現状である。 ---- **総評 様々な新要素を取り入れシリーズに新風を吹き込もうとした姿勢は評価できる。~ だが、その一方、ゲーム本編での調整不足や演出面・シナリオの雑さが大きく足を引っ張ってしまった。~ そのため、本作に対するシリーズファンの評価は『[[メタルスラッグ4]]』よりマシ(シリーズ内では低い部類)という位置づけになっている。~ もっとも、本作の評価については前作以上に意見が割れているようだが…。 ---- **余談 -本作の難易度の高騰ぶりにスタッフもさすがにまずいと気付いたのか、6以降は「弾数を減らす」もしくは「弾数が多い場合は破壊可能弾を混ぜて完全な行き止まりを発生させない」という調整がされたボスが多く、5のような「運によっては撃たれた瞬間ミス確定」という攻撃は発生しなくなった。 -サントラでの作曲者コメントによると、「納期直前にステージ順が変更になった」とのこと。 --同コメントから元々3→4→1→2→5のステージ順だった模様。本作の稼働時期は当初の予定ではもっと早い時期に稼働する予定だったのだが、諸事情((データの流出が原因らしい。))により稼働時期を延期することとなった。 -また本作のROMのデータ内に未使用のキャラデータが残っている。 --そのうちの一人は本作のポスターに描かれている人物であり、ポスターを見て「誰?こいつ」と思った人も多いはず。 -本作のネオジオ基板は同期の『SVC』『KOF2003』と同様の「専用基板」仕様。すなわち当時氾濫していたコピーや改造版の最終対策として、カートリッジ式を止めてROMチップが基板直付けになっている((日本国外ではカートリッジ式版も販売された模様))。 --その為、従来の基板を使う事が出来ず、本作を入荷した店舗は少数だったという。 //(2016/03/22)基板に関する記述を余談に移動。 ---- **家庭用移植 -ネオジオ版 2004年2月19日発売 --MVS版と同等。シリーズ最後の家庭用ネオジオ作品でもある。 -プレイステーション2(単品)版 2005年4月28日発売 (SNKベストセレクション:2006年3月9日発売) --ほぼ前作同様の移植内容だが「戦利品目録」の仕様が以前とは異なる。また何故かEDが短縮されており、BGMをフルで聴くことが出来なくなっている。 -Xbox版 2005年7月28日発売 --前作までのXbox版同様ステージでゲームオーバーになるとステージの最初からやり直しとなっている。 -またこれらの他にも1から6までのアーケード版を収録したオムニバスソフト『メタルスラッグコンプリート』にも収録されている。
*メタルスラッグ5 【めたるすらっぐふぁいぶ】 |ジャンル|アクションシューティング|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51B29S94JEL.jpg,width=160);&br;''※画像はPS2移植版''| //細かい事ですが、アーケード版ではなく移植版のもののようなので注意書きを追加。 |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNKプレイモア|~| |稼働開始日|2003年|~| //|プレイ人数|人|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズに新風を吹き込むと思われたが…&br;蛇足なスライディング&br;弾幕自重しろ&br;超展開なストーリー&br;背景の流用も健在|~| |>|>|CENTER:''[[メタルスラッグシリーズ・関連作品リンク>メタルスラッグシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 遺跡発掘を行う武装集団「プトレマイック・アーミー」が、メタルスラッグの機密事項の入ったディスクを奪った。~ その組織を壊滅させるべく、正規軍がマルコ・エリ・ターマ・フィオを送り込むという設定の横スクロールアクションシューティングゲーム。全5面。 本作はネオジオ基板で製作された最後のシリーズ作品である。~ また、本作は『X』より使われてきた大迫力のナレーションボイスと『2』からの状態異常(デブ化)が登場した最後の作品でもある。 //前作のノイズファクトリーはれっきとした国内企業。韓国と間違えられ易いのか。 ---- **基本システム 従来と同じく8方向レバー+4ボタン(ショット、ジャンプ、手榴弾、メタスラアタック)の4ボタンで操作。~ 更に下+Bで新アクション「スライディング」が使用可能。 前作「4」で新登場したトレバーとナディアが削除され、おなじみの二人(ターマ・エリ)が復活し、これまで同様の面子に戻った。 以後、追加キャラを除いて本編でのキャラの入れ替えは行われていない。 本作初登場のスラッグは最新鋭の二足歩行機能付き戦車「スラグガンナー」、高速道路を走り抜けるタクシー型の「スラグワーゲン(モービルスラッグ)」、トンネル内を覆い尽くす程の巨大な四足戦車「アオゲンシュテルン」の3種類。~ うち本作の目玉の「スラグガンナー」は「通常は二足歩行、しゃがみ状態で戦車形態に変形」「ブーストによる二段ジャンプ」「パイルバンカーで接近戦もこなす」と多数の特殊なギミックを備えた強力なスラッグであり、登場するエリアではこれの乗りこなしが重要となる。 ---- **好みが分かれる所 本作はシリーズのマンネリ化を打破したかったのか、多数の新要素が登場した作品となっている。 ***敵のデザイン -本作の敵は従来の「モーデン軍」から「プトレマイック・アーミー」という新たな組織に代わっている。本作のスクショを見たファンは驚いた筈。 --そのためシリーズの顔役と言えるモーデン元帥やアレン軍曹といった名脇役が登場せず、シリーズのお約束((例えばアレンの場合、死んだと思いきや無傷で復活している等))が存在しない。 -主な兵士の種類はマスクとゴーグルをつけた一般兵の「ゲリラ兵」、ガスマスクをつけたエリート部隊「エリート兵」の2種類が登場。これらはステージによってメインのタイプが異なっており、ガスマスクタイプの方が攻撃が素早いため本作のプレイヤーは苦戦することになる。ただしバズーカ、盾、迫撃砲を持っているのは通常タイプだけなので2種類が混じって出てくることも多い。 --ナイフによる攻撃が素早くなった、迫撃砲の動作が早くなった、近づくといきなりマシンガンを撃ってきたりナイフを投げてくるタイプがいるなど、全体的にモーデン兵よりも強化されていると言える。一方で凶悪な攻撃手段だったイカミサイルは使わなくなり、ガトリング砲持ちの兵士が登場しなくなったという点も。 -その他に、ステージ1では仮面をつけた「原住民」も登場。2面以降は味方を引き連れて登場する「司令官((大抵の場合は味方を呼び出してから逃走するが、特定の場面では逃げずにピストルで応戦してくる))」、ライフルで攻撃してくる「スナイパー((基本的な性質はシリーズ恒例のライフル兵と同じだが、木箱や茂みに隠れて登場する))」も登場し、最終面で登場する「仮面兵((倒しても何度か起き上がり、復活するという性質を持つ))」など敵のバリエーションは割と豊富。 -シリーズ恒例の敵である「ギリダ・O」「ジィ・コッカ」「サルビア」「ブラッドレー」「マクスネル」「R・ショーブ」「フライング・タラ」といった戦車や戦闘ヘリもデザインが変更。なお、デザインは変わっているが戦車、戦闘ヘリの種類は減っている。 --「メタルスラッグのデータが強奪された」という設定から「ブラックハウンド」なる黒いメタルスラッグもどきや、メタルスラッグのデータを元にした戦車「プトレマイックスラッグ」も登場。1面ではボスとして赤く巨大なメタルスラッグもどき「METAL REAR」が登場する。 --ほか、『3』の「レベルアーマー」にそっくりな二足歩行戦車「ガンナーユニット」が登場。接近戦特化型の「クローユニット」や遠距離戦特化型の「マシンガンユニット」、装甲強化型の「アーマーユニット」と複数のバリエーションが存在し、出番も多い。 ***従来とは異なる楽曲群 -本作のBGMは従来シリーズとは違い、ヘビメタ調のBGMが多い。もちろん操作説明やラスボス曲といったお馴染みの楽曲もヘビメタアレンジされている。 --これらの楽曲は賛否両論。熱くてカッコいいと評価する賛成意見もあれば、こんなん俺の知っているメタスラの曲じゃないという否定的な意見もある。 ***ステージ毎の捕虜のデザイン -本作ではステージ毎にいつもの老兵の捕虜が登場する面と、新たにサラリーマンが捕虜として登場する面の2種類が存在する。 --外見が違うだけで、行動パターンや登場の仕方は通常の捕虜と同じ。さすがにアイテムを出すのはパンツではなく鞄となっているが。 --本作で追加された捕虜のサラリーマンはステージクリア時のリザルトでは階級の代わりに「ドクター」「巡査」「先生」「議員」といったような''役職''になっている。 ---ちなみに続編『6』の最終面ではマーズピープルが捕虜として登場するが、そちらではステージクリア時の階級名が完全に意味不明となっている。 ---- **問題点 ***ゲーム本編の問題点 -スライディング --今までに無かった「普通のしゃがみよりもさらに姿勢を低くしながら高速移動できる」アクションなので、ガンガン使えると思いきや…。 --スライディング中に銃攻撃こそできるものの、軌道や移動距離は「スライディング中に、↑+ジャンプボタン」でキャンセルしない限り固定であるため、小回りが効きにくく意外と使いにくい場面が多い。動作終了後にも僅かに隙がある。 ---しかも、(動きが遅くなるので)一番使いたい「デブ化」時には使用不可能となっており、このデメリットは痛い。 --コマンドが「↓+ジャンプボタン」と、「しゃがんでいるときにジャンプしようとして」「連続でジャンプ下撃ちをしようとすると」暴発することが多くミスに非常に繋がりやすいため、快適なプレイを妨げる要因となってしまった。 --あまりに不評だったので今作限りで廃止となり、『6』以降ではスライディングは実装されていない。 -ゲーム本編のボリューム --前作より面が1つ減り、ボリュームが薄くなった。((同じ5面構成の『3』では最終面の長さで水増ししていたが。))ルート分岐もあるが、1面と3面にしか存在せず、しかも分岐ルートに行ったところでさほどプレイの幅を拡げるものではなかった。 -ゲームの難易度 --本作はシリーズの中でも高い難易度を誇り、1面冒頭から画面上から降りてきて斬りつけてくる敵兵、耐久力の高い仮面を付けた敵、特定の場所でいきなり吹き上がる炎の罠、と初見殺しのシーンが多い。 --更に武器アイテムも少なく、しかも「ヘヴィマシンガン」「ショットガン」「ダブルマシンガン」の比率がやけに高く、非常にバランスが悪い。また、復活したBIG系武器を入手出来るのは5面のトンネル内のみであり、出番が少ない。((使うとしたら大抵BIGショットガン一択なので、わざわざ分けた意味が無い。)) --本作のボスの攻撃はシリーズ最大の弾量である。しかも弾の軌道にランダム要素が加わるせいで、時折絶対回避不能な攻撃と化すため回避出来るかどうかは運次第である。2面ボス「ShootingRay」のUターン機銃・4面ボス「サンドマリン」の垂直落下弾・ラスボスの狙撃光弾乱射、といった攻撃の弾が「迷路の行き止まり」や「コ」の字や「>」の形のような、どうやっても回避できない固まり方で飛んでくる可能性が少なからず存在する為である。((ただ2面ボスのUターン機銃に関しては「スラグフライヤー」である程度の攻撃を耐えることが出来る。)) ---また前作同様、生身で挑まなければならないボス戦が多い。 -スコア稼ぎにおける問題 --本シリーズではスコアアタックも一つの魅力なのに''無限稼ぎが存在する。'' --とはいえ、無限に得点を重ねることができるポイントは5以前のシリーズ作でも確認されてはいる。スコアアタックが熱いゲームなのにスコア関係のスキが多いというのは皮肉である。 ---しかし、過去作における無限稼ぎはいずれも効率・効果の面で実用的でない物、再現性の低いバグによる物であるのに対し、今作では単なるテストプレイの不足によるパターン見逃しと思しきものであり、また効果についても、マジメにプレイした結果に比べ相当量のスコアを上乗せできる。 ***演出上の問題点 -後半のあまりに説明不足な超展開 --ゲーム展開についての本作の評価はシリーズ中最悪である。 //下で4ほど酷くないって書いてるけど、どっちなの? //4で問題にされたのは今までのシリーズのつぎはぎが酷すぎる(大抵の部分が過去作の流用)点や、これは今作もだけど難易度の暴騰、なぜかピンポイントでプレイアブルキャラから外された日本国籍(何故?)のキャラ(ターマとエリ)とかだから、ゲーム展開(シナリオ)と言う意味では確かに5よりはマシとも言える。どっちも酷いけどね…。 --4面:道中(陸上~水中~海底トンネル)まではほぼ順当な展開だが、海底トンネルから何の前触れも無しに''砂漠''に出てボス戦(''潜砂艦'')となる。 ---ちなみに4面のストーリーはアルカディアによると海底に存在する敵基地に侵入するというストーリーとなっているが… --ラスボス:「[[死神型の巨大生命体>http://www.youtube.com/watch?v=QDpsU4F-6Tw]]」。全くもって意味不明な展開。百歩譲って「敵組織(遺跡発掘を行う武装組織)によって復活させられた古代の怪物」と解釈できないこともないが、ラスボスに到達するまで、敵の兵器はほとんどが人間・近代兵器であり、ラスボスだけ謎の生命体というのは、いかに本作がストーリー展開を追う必要のないアクションゲームだからといっても、あまりに唐突である。((ただし「2」でも最終面でいきなり宇宙人が出てきたり、「3」では開始早々巨大な蟹や蠅、2面でゾンビや雪男、ボスに謎の生命体が出るなど、シリーズを通して超展開は多い。)) ---そして撃破すると、派手に爆発したり消滅したりするでもなく''こちらに背を向けて静かに飛び去っていって終わり''。第二形態などもなく、どうにも消化不良な感が強い。 //--一応Wikipediaではラスボスが真の黒幕だと解釈しているが… --『3』までは特にセリフなどがなくてもプレイヤーが理解できるように無声映画のような工夫がされており、同じく評価の悪い『4』でもあまりに唐突な展開は無く各面のつなぎでも自機が輸送されていく描写があるため雰囲気の流れを見失うような展開にはならなかった。その点はファンにとって非常に気になるポイントとなった。 --また前作に引き続き、タイトルでもあるメタルスラッグでラスボス戦に挑む事が出来ない。 -エンディングはキャラがタクシー型のスラッグ『モービルスラッグ』に乗って高速道路を走っている場面が映し出されるのみ。 --今作で初登場した敵組織の真の目的・奪われたメタルスラッグのデータの行方は謎のままであり、その後について全く描写されない。「組織は壊滅・データディスクは奪還成功」と捉えるのが妥当だと思われるが、そうであったとしても説明不足である。 ---マンネリ打破のために新たな敵組織を設定したはいいが、ゲーム中の敵組織の説明・描写はいつも通り(''ほぼ皆無'')だったため、上記のような問題が出てしまった。 -他に前作同様、過去作からの背景の流用も目立っている。 //また新たな敵キャラのパターンや姿も明らかに前作までの『モーデン軍』にしか見えない ***その他の問題点 -ゲーム本編とは無関係であるが、ボスキャラの正式名称が一部を除いて完全に非公開になってしまった。 --本作以降もこの体勢は継続していて、これまで通りの独特の敵ネーミングセンスに期待していたファンをガッカリさせる結果に。 --結局、本作以降に登場したボスキャラ達の正式名称や設定が判明するのは、2010年代の『メタルスラッグ ディフェンス』『メタルスラッグ アタック』といったスマホアプリの時代まで待つ事になるのだが、これらアプリタイトルをもってしても全てのボスの正式名称が判明仕切れていないのが現状である。 ---- **総評 様々な新要素を取り入れシリーズに新風を吹き込もうとした姿勢は評価できる。~ だが、その一方、ゲーム本編での調整不足や演出面・シナリオの雑さが大きく足を引っ張ってしまった。~ そのため、本作に対するシリーズファンの評価は『[[メタルスラッグ4]]』よりマシ(シリーズ内では低い部類)という位置づけになっている。~ もっとも、本作の評価については前作以上に意見が割れているようだが…。 ---- **余談 -本作の難易度の高騰ぶりにスタッフもさすがにまずいと気付いたのか、6以降は「弾数を減らす」もしくは「弾数が多い場合は破壊可能弾を混ぜて完全な行き止まりを発生させない」という調整がされたボスが多く、5のような「運によっては撃たれた瞬間ミス確定」という攻撃は発生しなくなった。 -サントラでの作曲者コメントによると、「納期直前にステージ順が変更になった」とのこと。 --同コメントから元々3→4→1→2→5のステージ順だった模様。本作の稼働時期は当初の予定ではもっと早い時期に稼働する予定だったのだが、諸事情((データの流出が原因らしい。))により稼働時期を延期することとなった。 -また本作のROMのデータ内に未使用のキャラデータが残っている。 --そのうちの一人は本作のポスターに描かれている人物であり、ポスターを見て「誰?こいつ」と思った人も多いはず。 -本作のネオジオ基板は同期の『SVC』『KOF2003』と同様の「専用基板」仕様。すなわち当時氾濫していたコピーや改造版の最終対策として、カートリッジ式を止めてROMチップが基板直付けになっている((日本国外ではカートリッジ式版も販売された模様))。 --その為、従来の基板を使う事が出来ず、本作を入荷した店舗は少数だったという。 //(2016/03/22)基板に関する記述を余談に移動。 ---- **家庭用移植 -ネオジオ版 2004年2月19日発売 --MVS版と同等。シリーズ最後の家庭用ネオジオ作品でもある。 -プレイステーション2(単品)版 2005年4月28日発売 (SNKベストセレクション:2006年3月9日発売) --ほぼ前作同様の移植内容だが「戦利品目録」の仕様が以前とは異なる。また何故かEDが短縮されており、BGMをフルで聴くことが出来なくなっている。 -Xbox版 2005年7月28日発売 --前作までのXbox版同様ステージでゲームオーバーになるとステージの最初からやり直しとなっている。 -またこれらの他にも1から6までのアーケード版を収録したオムニバスソフト『メタルスラッグコンプリート』にも収録されている。

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