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//【重要】改善判定の運用が変わりました。必要に応じて判定変更議論を行い、テンプレに従って判定欄を整えてください。(2015/03/02) 「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 ---- *School Days 【すくーるでいず】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000A8T09O)| |対応機種|Windows 98SE/Me/XP/Vista|~| |発売・開発元|Overflow|~| |発売日|2005年4月28日|~| |定価|9975円|~| |レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''改善''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|大小様々なバグ(後にパッチなどで改善)&br没ルートの数々&br他に類を見ないレベルの修羅場&brシナリオは人を選ぶが高評価&brストーリーのぶっ壊れっぷりでは、ある意味エロゲー界のトライエース|&amazon(B0006H0K9S)| |移植版|ガンホー・ワークスよりプレイステーション2に移植→[[こちらを参照>School Days L×H]]&br;2007年9月28日にアイチェリーよりDVDプレイヤーズゲーム版が発売。5,985円&br;2010年6月30日にPalaceよりUMDプレイヤーズゲーム版が発売。6,090円&br;2010年10月8日にリメイク版が発売。通常版9,975円、交換アップグレード版5,980円|~| |>|>|CENTER:''[[Daysシリーズリンク>Daysシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです''。}} ---- **概要 -本作は、様々な意味で特殊なゲーム(18歳以上の諸氏は自分の目で確かめて欲しい)を発売し続けていたブランド『Overflow』の8作目の作品に当たる。 -アダルトゲームとしては非常に珍しいフルアニメーションであるという事が、発売前から注目されていた。 --30分アニメに換算すると70話分以上の大ボリュームであり、このアニメーションと共にストーリーが進行していく。 -名実ともにOverflowの出世作であり、現在に至るまで製作陣とユーザーに良くも悪くも影響を与え続けている(特に後者である悪いが“最悪”と表記される程)。 ---- **作品のポイント -ゲーム内容としては、アニメを見ながら所々で現れる選択肢を選んでいくと言うもの。基本的には2択だが、無言という選択も可能である。 --だが回答時間は僅か5秒であり、気を抜いていると見逃してしまう(=無言)事が多々ある。だが、逆にこれがリアルで良いとするファンもいる。 --なお、アドベンチャーにありがちな『ゲームオーバーエンド』が存在しない。どのような選択をしようと(全ての選択肢で無言だろうと)、最終話である6話、そして何らかのEDに辿り着く。 -この作品が有名になった主な理由として、シナリオが非常に強烈である。例えるならば、''昼ドラの舞台を学校に移してゲーム化した''と言うべきか。 --そのいかにもほのぼのとしたようなタイトルや、雑誌での紹介記事を大きく裏切る内容は、当時2ちゃんねるの本スレが阿鼻叫喚の渦となり、後述するパッチ問題もあり話題となった。 ---ただしバッドエンドで惨劇が起こる事は、発売前に既に広報されていた。もっとも、一種の『伝説』となると予想できていた人は殆どいなかったが。 --ゲーム序盤は割と王道のほのぼのとした展開なのだが、ストーリーが進んでいくにつれて、ヒロインたちが主人公をめぐってエゴをぶつけ合うようになり、凄まじいまでの修羅場となる。 --とにかくキャラの感情が生々しい。殆どのキャラが黒髪、あるいは茶髪という「現実にいそうな」キャラデザである事と、フルアニメーションである事が合わさって、現実の修羅場を見せられているような気分になる事は間違いない。 ---そして主人公の選択次第では修羅場の果てに、''殺傷沙汰のバッドエンド''を迎えてしまう事もある。''当然フルアニメーション''であり、動く絵で見せ付けられるキャラの末路はあまりにも強烈。 --パッケージや公式サイトの絵を見る限りでは、王道の恋愛ゲームにしか見えない。体験版に収録されている部分を見ても、王道の展開と言っていい。それにも関わらず、激しい修羅場を繰り広げると言う極端な二面性のストーリーがユーザーの注目を集めた。 ---故に、「パッケージ詐欺」の代表格として語られる事がある。もちろん、この場合の詐欺はいい意味だが。 -登場キャラはいずれも一癖も二癖もあり、所謂''テンプレキャラは存在しない''と言っていい。 --ある時を境目に豹変するヒロインなど、良くも悪くもユーザーの心に深く刻まれるキャラが多い。 ---- **問題点 -とにかくバグが多い。発売直後はマトモなプレイすら困難であり、計11度も修正パッチが出される事となった。 --2005年7月21日に配布されたVer1.11のパッチ((このVer1.11パッチのファイルサイズは約274MB。))によりバグはほぼ解決し、後にバグ修正済みのリニューアルパッケージ版が発売された事もあり、バグが原因の騒動は一応終息した。 -肝心のアニメーションの質が悪い。 --とは言っても当時のOverflowにはアニメーションのノウハウが蓄積されていなかったため、仕方が無いとも言える。 --今見ると質が劣るように見えるが、当時のユーザーには十分に衝撃的だった。また、フルアニメーションのアダルトゲーム自体が、今でも希少であることも留意したい。 -複数のルートが削除されており、整合性の面で問題が起きている。&br()特に問題となっている部分として、『片方のヒロインにばかり好感度を集中させていたら、主人公が突然もう片方のヒロインの方に靡いてしまう』という場面がある。 --これはルート削除によって、本来のルートが消滅したがための''仕様''なのだが、主人公に突然振られる形となるヒロインのファンからは批判されることとなった。 ---余談だが、この展開に対してファンが付けたあだ名は『ポルナレフ』である。元ネタは言うまでもないだろう。 ---要するに『俺は言葉(ルートが削除されたヒロイン)を攻略してたと思ったら誠(主人公)がいきなり「俺には世界(もう一人のメインヒロイン)しかいない」と言った。な、何が起きたか分からねぇが(ry』という事。これは誇張でもなんでもなく、全て実際に起こる出来事である。 --これ以外にもあからさまな使い回しなど、ルート削除を匂わせる場面が複数ある。 ---資金と製作期間の関係で、止むを得ずいくつかのルートを没にしたとされているが、これにより後述するような問題も引き起こされている。 -ヒロインの扱いに明らかな差がある。本作のメインヒロインは『西園寺 世界』と『桂 言葉』の2人だが、(偶然の部分もあるだろうが)明らかに言葉が冷遇されている。 --世界はアダルト描写のあるシーンの多くにおいて、キャラクターデザイン兼総作画監督のごとうじゅんじ氏の修正を受けているためクオリティが中々高い。だが、対する言葉はアダルト描写のあるシーンで修正されているのは1シーンのみである。 ---さらに修正されたシーンは、事実上本作唯一の(自主規制)シーンである。そのため、「見たくないけど実用性はピカイチ」と言う、何とも言えない状況になっている。 --前述の『ポルナレフ』問題があるために、主人公の『伊藤 誠』が言葉に対して常に一途であり続けるルートが存在しない。どうやっても一度は世界に靡いてしまう。 ---しかも、後に削除されたルートの多くは言葉のハッピーエンドであること、対して世界はバッドエンドが削除されたことなどが明らかとなり、当然のことながら言葉ファンからは批判された。 --エンディング数では世界よりも多いのだが、その約半数が使いまわしの内容である。ここも前述のルート落ちが影響していると言われている。 ---それとは別に、アダルトシーンがカットされているなど明らかに尺の短いエンディングが存在する。そのうちの1つは、準公式同人誌によって補完された。 ---- **主要キャラクターたち -『伊藤誠(いとうまこと)』 --普段の誠は好青年であり、愛情深さや正義感はちゃんと持ち合わせているが、女性関係の問題になると途端に駄目人間になり、異常に旺盛な''性欲''と優柔不断っぷりを見せてしまう。 ---上記の欠点が修羅場を一気に加速させる原因の1つとなっており、&bold(){ゲーム史上でもトップクラスのダメ主人公}として認知されている。 --一応弁護すると、とあるエンディングでは妹思いの兄である一面が描かれ、またとあるエンディングでは弱いもの虐めを許さないとする一面が描かれており、特に後者は本作において最も評価の高いエンディングと言っても過言ではない。そのため、彼を擁護するプレイヤーも少なからずいる。 -『西園寺世界(さいおんじせかい)』 --ダブルヒロインの片割れ。「言葉との恋愛を楽しむための練習」等の理由を付けて誠に関わってくる。 ---しかし、恋愛を応援することを口実に関係を深めていき自分が誠の彼女であるかのような立場を確立させようとする。 ---劇中の人間関係のドロドロに多くの面で関連があるために多くのユーザーから憎悪されている。 --世界を分かり易く言うなら「''普段は明るく友達も多いが、思い通りにいかないとすぐヒスを起こしてキレる自分勝手で傲慢で我侭な女''」であろうか。これはアニメ版、漫画版、続編『[[Summer Days]]』でさらに強調され、ゲーム未プレイの人からも嫌われる羽目になった。 --誠擁護派には特に彼女のアンチが多く、メーカー主催の''不人気投票''では''誠と共にぶっちぎりでワンツーフィニッシュを決めた''(二人の票数を合わせると、なんと''全体の6割近く''を占めている)。そのため、『''世界氏ね''』という罵倒も度々見られる。 -『桂言葉(かつらことのは)』 --世界と対になるヒロインの彼女は本作において最も人気が高く“言葉様”と呼ばれるほどである。 --所謂『黒髪お嬢様』タイプのヒロインであり、普通に話を進めていく限りでは、料理が下手なのと男性恐怖症の気がある事以外は、温厚で心優しい少女であり普通である。 --しかしそのおとなしい性格がと優れた容姿が災いし、劇中ではよくいじめに遭うのだが、その理由が陰湿かつ理不尽である。 --そしてルートによっては陰湿且つ理不尽ないじめや、世界や誠の裏切りの果てに精神崩壊してしまい''豹変''し、これまでのイメージを一気にひっくり返してしまう。 ---それでも誠への盲目的な愛が揺るがない事などから、今日では代表的な『''ヤンデレ''』キャラとされている。 --外見的要素と誠への一途な愛、本編での薄幸ぶり、そしてバッドエンドでの豹変などといった要素が集まった結果、人気投票では''約半数''の票を集めてぶっちぎりの一位である。 ---しかし、その豹変があまりにも凄まじいため、彼女を苦手とするユーザーも少なからずいる。 -その他のキャラクター達 --『澤永泰介(さわなが たいすけ)』 ---誠の親友であるが、ユーザーからは''レイパー''という蔑称で呼ばれることも多い。 ---原因は「''蔑称から察しろ''」としか言えない。その行為に対する反省も自覚も無く、プレイヤーからは徹底的に嫌われている。誠への擁護意見は少なからずあるし、世界にも決して少なくない人数のファンが存在する。しかし''泰介のファンはいない''(厳密には『レイパー澤永』名義での投票は2票あったが、それのみである)。 ---なお、前述の不人気投票では誠、世界には及ばないものの、見事(?)に3位に輝いた。 ---後々の作品でも懲りずに登場する上に、どの媒体でも死亡するルートがない、''同じ事を繰り返す''といった事から、ユーザーの怒りに拍車をかけている。逆に、「(自主規制)エロをもっと増やせよ」なんて声もあるが。 --『清浦刹那(きようら せつな)』 ---西園寺世界の親友であるが、彼女のためになるのであれば他人の意志など関係なく行動する盲目さを持っている。 ---当人は良かれと思っての行動なのである意味性質が悪い。 ---根本的には悪人ではないためか、サブキャラではダントツの人気である。 --『加藤乙女(かとう おとめ)』 ---伊藤誠の中学時代からの友人であるが、現在は別のクラスになっている。 ---誠に片思い中であることから、他人に性犯罪をそそのかすなどして言葉いじめに加わっていく。 --『甘露寺七海(かんろじ ななみ)』 ---誠や世界のクラスメイトであるが、言葉が中学の頃から気に入らないというだけで、「世界のため」という名目を理由に運動部のコネを利用していじめに加担する。 ---- **総評 -とにかくあらゆる意味で強烈な作品。パッと見では無害な絵柄に惹かれて、情報を調べずに買ったはいいが、予想外の修羅場に打ちのめされたプレイヤーも多い。 --しかし、修羅場とバッドエンドに(もちろんそれ以外の要素にも)魅入られたファンが多いのもまた事実であり、2005年上半期のアダルトゲーム売り上げ2位、年間7位を記録している。 -修羅場やバッドエンドといった強烈な部分にばかり目が行きがちだが、ストーリー自体の評価も中々高い。むしろストーリーが良いからこそ、強烈なシーンがより活きるとも言える。 -使用楽曲の評価が非常に高く、これもこの作品を評価する上でのポイントの1つと言える。 --一部の曲は前述のアニメ版にも用いられ、用いられたシチュエーションも相まって、視聴者に大きな印象を植え付けた。特にバッドエンドの「悲しみの向こうへ」という歌はファンの耳に大きく残られており、アニメ版の最終回でも使われたほどである。 -あまりにもバッドエンドが有名になりすぎたため、本作はバッドエンドばかりであると思われているが実はそうではない。約20のエンディングの内、バッドエンドはわずか3種類のみである。 --しかし、その3種類全てがショッキングな内容であり、多くのハッピーエンドよりも有名になってしまった。また、明らかにバッドエンドの方が力が入っている、という意見さえある。 //ネタバレをCO --尤も「誠が男娼となっていろんな女と金で寝る」等がハッピーエンドか?と言うと疑問が残るが((主人公(誠)視点ならある意味ハーレムエンドとも言えなくは無い。相手は全員美少女だし。))。 -本作の人気を受け、2006年には外伝作品として『[[Summer Days]]』を、2010年には『[[Cross Days]]』を発売しているが、これらもまたあらゆる意味で話題となった……と言うよりも、「なってしまった」と言うべきだろうか。詳細については当該項目を参照してもらいたい。 --また、PS2移植版として『[[School Days L×H]]』が存在するが、こちらについても当該項目を参照。酷評されている。 ---- **余談 -テレビアニメが2007年7月から9月にかけてUHF局を中心に放送された。全12話で、スタッフにはPC版関係者も多く携わっている。 --アニメ版最終回が諸般の事情で放送中止になった際の海外のファンの名言「Nice boat.」は、放映数日足らずでイコールアニメ版スクイズという認識になった。
//【重要】改善判定の運用が変わりました。必要に応じて判定変更議論を行い、テンプレに従って判定欄を整えてください。(2015/03/02) 「[[修正依頼]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 ---- *School Days 【すくーるでいず】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000A8T09O)| |対応機種|Windows 98SE/Me/XP/Vista|~| |発売・開発元|Overflow|~| |発売日|2005年4月28日|~| |定価|9975円|~| |レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~| |分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''改善''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|大小様々なバグ(後にパッチなどで改善)&br没ルートの数々&br他に類を見ないレベルの修羅場&brシナリオは人を選ぶが高評価&brストーリーのぶっ壊れっぷりでは、ある意味エロゲー界のトライエース|&amazon(B0006H0K9S)| |移植版|ガンホー・ワークスよりプレイステーション2に移植→[[こちらを参照>School Days L×H]]&br;2007年9月28日にアイチェリーよりDVDプレイヤーズゲーム版が発売。5,985円&br;2010年6月30日にPalaceよりUMDプレイヤーズゲーム版が発売。6,090円&br;2010年10月8日にリメイク版が発売。通常版9,975円、交換アップグレード版5,980円|~| |>|>|CENTER:''[[Daysシリーズリンク>Daysシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです''。}} ---- **概要 -本作は、様々な意味で特殊なゲーム(18歳以上の諸氏は自分の目で確かめて欲しい)を発売し続けていたブランド『Overflow』の8作目の作品に当たる。 -アダルトゲームとしては非常に珍しいフルアニメーションであるという事が、発売前から注目されていた。 --30分アニメに換算すると70話分以上の大ボリュームであり、このアニメーションと共にストーリーが進行していく。 -名実ともにOverflowの出世作であり、現在に至るまで製作陣とユーザーに良くも悪くも影響を与え続けている(特に後者である悪いが“最悪”と表記される程)。 ---- **作品のポイント -ゲーム内容としては、アニメを見ながら所々で現れる選択肢を選んでいくと言うもの。基本的には2択だが、無言という選択も可能である。 --だが回答時間は僅か5秒であり、気を抜いていると見逃してしまう(=無言)事が多々ある。だが、逆にこれがリアルで良いとするファンもいる。 --なお、アドベンチャーにありがちな『ゲームオーバーエンド』が存在しない。どのような選択をしようと(全ての選択肢で無言だろうと)、最終話である6話、そして何らかのEDに辿り着く。 -この作品が有名になった主な理由として、シナリオが非常に強烈である。例えるならば、''昼ドラの舞台を学校に移してゲーム化した''と言うべきか。 --そのいかにもほのぼのとしたようなタイトルや、雑誌での紹介記事を大きく裏切る内容は、当時2ちゃんねるの本スレが阿鼻叫喚の渦となり、後述するパッチ問題もあり話題となった。 ---ただしバッドエンドで惨劇が起こる事は、発売前に既に広報されていた。もっとも、一種の『伝説』となると予想できていた人は殆どいなかったが。 --ゲーム序盤は割と王道のほのぼのとした展開なのだが、ストーリーが進んでいくにつれて、ヒロインたちが主人公をめぐってエゴをぶつけ合うようになり、凄まじいまでの修羅場となる。 --とにかくキャラの感情が生々しい。殆どのキャラが黒髪、あるいは茶髪という「現実にいそうな」キャラデザである事と、フルアニメーションである事が合わさって、現実の修羅場を見せられているような気分になる事は間違いない。 ---そして主人公の選択次第では修羅場の果てに、''殺傷沙汰のバッドエンド''を迎えてしまう事もある。''当然フルアニメーション''であり、動く絵で見せ付けられるキャラの末路はあまりにも強烈。 --パッケージや公式サイトの絵を見る限りでは、王道の恋愛ゲームにしか見えない。体験版に収録されている部分を見ても、王道の展開と言っていい。それにも関わらず、激しい修羅場を繰り広げると言う極端な二面性のストーリーがユーザーの注目を集めた。 ---故に、「パッケージ詐欺」の代表格として語られる事がある。もちろん、この場合の詐欺はいい意味だが。 -登場キャラはいずれも一癖も二癖もあり、所謂''テンプレキャラは存在しない''と言っていい。 --ある時を境目に豹変するヒロインなど、良くも悪くもユーザーの心に深く刻まれるキャラが多い。 ---- **問題点 -とにかくバグが多い。発売直後はマトモなプレイすら困難であり、計11度も修正パッチが出される事となった。 --2005年7月21日に配布されたVer1.11のパッチ((このVer1.11パッチのファイルサイズは約274MB。))によりバグはほぼ解決し、後にバグ修正済みのリニューアルパッケージ版が発売された事もあり、バグが原因の騒動は一応終息した。 -肝心のアニメーションの質が悪い。 --とは言っても当時のOverflowにはアニメーションのノウハウが蓄積されていなかったため、仕方が無いとも言える。 --今見ると質が劣るように見えるが、当時のユーザーには十分に衝撃的だった。また、フルアニメーションのアダルトゲーム自体が、今でも希少であることも留意したい。 -複数のルートが削除されており、整合性の面で問題が起きている。&br()特に問題となっている部分として、『片方のヒロインにばかり好感度を集中させていたら、主人公が突然もう片方のヒロインの方に靡いてしまう』という場面がある。 --これはルート削除によって、本来のルートが消滅したがための''仕様''なのだが、主人公に突然振られる形となるヒロインのファンからは批判されることとなった。 ---余談だが、この展開に対してファンが付けたあだ名は『ポルナレフ』である。元ネタは言うまでもないだろう。 ---要するに『俺は言葉(ルートが削除されたヒロイン)を攻略してたと思ったら誠(主人公)がいきなり「俺には世界(もう一人のメインヒロイン)しかいない」と言った。な、何が起きたか分からねぇが(ry』という事。これは誇張でもなんでもなく、全て実際に起こる出来事である。 --これ以外にもあからさまな使い回しなど、ルート削除を匂わせる場面が複数ある。 ---資金と製作期間の関係で、止むを得ずいくつかのルートを没にしたとされているが、これにより後述するような問題も引き起こされている。 -ヒロインの扱いに明らかな差がある。本作のメインヒロインは『西園寺 世界』と『桂 言葉』の2人だが、(偶然の部分もあるだろうが)明らかに言葉が冷遇されている。 --世界はアダルト描写のあるシーンの多くにおいて、キャラクターデザイン兼総作画監督のごとうじゅんじ氏の修正を受けているためクオリティが中々高い。だが、対する言葉はアダルト描写のあるシーンで修正されているのは1シーンのみである。 ---さらに修正されたシーンは、事実上本作唯一の(自主規制)シーンである。そのため、「見たくないけど実用性はピカイチ」と言う、何とも言えない状況になっている。 --前述の『ポルナレフ』問題があるために、主人公の『伊藤 誠』が言葉に対して常に一途であり続けるルートが存在しない。どうやっても一度は世界に靡いてしまう。 ---しかも、後に削除されたルートの多くは言葉のハッピーエンドであること、対して世界はバッドエンドが削除されたことなどが明らかとなり、当然のことながら言葉ファンからは批判された。 --エンディング数では世界よりも多いのだが、その約半数が使いまわしの内容である。ここも前述のルート落ちが影響していると言われている。 ---それとは別に、アダルトシーンがカットされているなど明らかに尺の短いエンディングが存在する。そのうちの1つは、準公式同人誌によって補完された。 ---- **主要キャラクターたち -『伊藤誠(いとう まこと)』 --普段の誠は好青年であり、愛情深さや正義感はちゃんと持ち合わせているが、女性関係の問題になると途端に駄目人間になり、異常に旺盛な''性欲''と優柔不断っぷりを見せてしまう。 ---上記の欠点が修羅場を一気に加速させる原因の1つとなっており、&bold(){ゲーム史上でもトップクラスのダメ主人公}として認知されている。 --一応弁護すると、とあるエンディングでは妹思いの兄である一面が描かれ、またとあるエンディングでは弱いもの虐めを許さないとする一面が描かれており、特に後者は本作において最も評価の高いエンディングと言っても過言ではない。そのため、彼を擁護するプレイヤーも少なからずいる。 -『西園寺世界(さいおんじ せかい)』 --ダブルヒロインの片割れ。「言葉との恋愛を楽しむための練習」等の理由を付けて誠に関わってくる。 ---しかし、恋愛を応援することを口実に関係を深めていき自分が誠の彼女であるかのような立場を確立させようとする。 ---劇中の人間関係のドロドロに多くの面で関連があるために多くのユーザーから憎悪されている。 --世界を分かり易く言うなら「''普段は明るく友達も多いが、思い通りにいかないとすぐヒスを起こしてキレる自分勝手で傲慢で我侭な女''」であろうか。これはアニメ版、漫画版、続編『[[Summer Days]]』でさらに強調され、ゲーム未プレイの人からも嫌われる羽目になった。 --誠擁護派には特に彼女のアンチが多く、メーカー主催の''不人気投票''では''誠と共にぶっちぎりでワンツーフィニッシュを決めた''(二人の票数を合わせると、なんと''全体の6割近く''を占めている)。そのため、『''世界氏ね''』という罵倒も度々見られる。 -『桂言葉(かつら ことのは)』 --世界と対になるヒロインの彼女は本作において最も人気が高く“言葉様”と呼ばれるほどである。 --所謂『黒髪お嬢様』タイプのヒロインであり、普通に話を進めていく限りでは、料理が下手なのと男性恐怖症の気がある事以外は、温厚で心優しい少女であり普通である。 --しかしそのおとなしい性格がと優れた容姿が災いし、劇中ではよくいじめに遭うのだが、その理由が陰湿かつ理不尽である。 --そしてルートによっては陰湿且つ理不尽ないじめや、世界や誠の裏切りの果てに精神崩壊してしまい''豹変''し、これまでのイメージを一気にひっくり返してしまう。 ---それでも誠への盲目的な愛が揺るがない事などから、今日では代表的な『''ヤンデレ''』キャラとされている。 --外見的要素と誠への一途な愛、本編での薄幸ぶり、そしてバッドエンドでの豹変などといった要素が集まった結果、人気投票では''約半数''の票を集めてぶっちぎりの一位である。 ---しかし、その豹変があまりにも凄まじいため、彼女を苦手とするユーザーも少なからずいる。 -その他のキャラクター達 --『澤永泰介(さわなが たいすけ)』 ---誠の親友であるが、ユーザーからは''レイパー''という蔑称で呼ばれることも多い。 ---原因は「''蔑称から察しろ''」としか言えない。その行為に対する反省も自覚も無く、プレイヤーからは徹底的に嫌われている。誠への擁護意見は少なからずあるし、世界にも決して少なくない人数のファンが存在する。しかし''泰介のファンはいない''(厳密には『レイパー澤永』名義での投票は2票あったが、それのみである)。 ---なお、前述の不人気投票では誠、世界には及ばないものの、見事(?)に3位に輝いた。 ---後々の作品でも懲りずに登場する上に、どの媒体でも死亡するルートがない、''同じ事を繰り返す''といった事から、ユーザーの怒りに拍車をかけている。 --『清浦刹那(きようら せつな)』 ---西園寺世界の親友であるが、彼女のためになるのであれば他人の意志など関係なく行動する盲目さを持っている。 ---当人は良かれと思っての行動なのである意味性質が悪い。 ---根本的には悪人ではないためか、サブキャラではダントツの人気である。 --『加藤乙女(かとう おとめ)』 ---伊藤誠の中学時代からの友人であるが、現在は別のクラスになっている。 ---誠に片思い中であることから、他人に性犯罪をそそのかすなどして言葉いじめに加わっていく。 --『甘露寺七海(かんろじ ななみ)』 ---誠や世界のクラスメイトであるが、言葉が中学の頃から気に入らないというだけで、「世界のため」という名目を理由に運動部のコネを利用していじめに加担する。 ---- **総評 -とにかくあらゆる意味で強烈な作品。パッと見では無害な絵柄に惹かれて、情報を調べずに買ったはいいが、予想外の修羅場に打ちのめされたプレイヤーも多い。 --しかし、修羅場とバッドエンドに(もちろんそれ以外の要素にも)魅入られたファンが多いのもまた事実であり、2005年上半期のアダルトゲーム売り上げ2位、年間7位を記録している。 -修羅場やバッドエンドといった強烈な部分にばかり目が行きがちだが、ストーリー自体の評価も中々高い。むしろストーリーが良いからこそ、強烈なシーンがより活きるとも言える。 -使用楽曲の評価が非常に高く、これもこの作品を評価する上でのポイントの1つと言える。 --一部の曲は前述のアニメ版にも用いられ、用いられたシチュエーションも相まって、視聴者に大きな印象を植え付けた。特にバッドエンドの「悲しみの向こうへ」という歌はファンの耳に大きく残られており、アニメ版の最終回でも使われたほどである。 -あまりにもバッドエンドが有名になりすぎたため、本作はバッドエンドばかりであると思われているが実はそうではない。約20のエンディングの内、バッドエンドはわずか3種類のみである。 --しかし、その3種類全てがショッキングな内容であり、多くのハッピーエンドよりも有名になってしまった。また、明らかにバッドエンドの方が力が入っている、という意見さえある。 -本作の人気を受け、2006年には外伝作品として『[[Summer Days]]』を、2010年には『[[Cross Days]]』を発売しているが、これらもまたあらゆる意味で話題となった……と言うよりも、「なってしまった」と言うべきだろうか。詳細については当該項目を参照してもらいたい。 --また、PS2移植版として『[[School Days L×H]]』が存在するが、こちらについても当該項目を参照。酷評されている。 ---- **余談 -テレビアニメが2007年7月から9月にかけてUHF局を中心に放送された。全12話で、スタッフにはPC版関係者も多く携わっている。 --アニメ版最終回が諸般の事情で放送中止になった際の海外のファンの名言「Nice boat.」は、放映数日足らずでイコールアニメ版スクイズという認識になった。

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