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BLACK/MATRIX - (2016/06/19 (日) 15:31:54) の1つ前との変更点

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#contents() ---- *BLACK/MATRIX 【ぶらっくまとりくす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_back.jpg]]| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|1998年8月27日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''BLACK/MATRIXシリーズ'':'''' - 2 - ZERO - OO| **概要 -『BLACK/MATRIX』シリーズ第一作目。フライト・プラン制作のSRPGとしても第一作目。 -原作者はビトウゴウ、キャラクターデザインは土屋杏子((つちやきょうこ。本作では漢字名義だった。))。 -当時、セガサターンではギャルゲーの移植を主にしていたNECインターチャネルとしては異色の作品。 **特徴 -聖書をモチーフとしつつも善悪を完全に逆転させたダークファンタジーな世界観。 --いわゆる「強欲」「怠惰」などの「7つの大罪」がこの世界では善行とされる。逆に「愛」「自由」などがこの世界では「大罪」とされる(同様に「天使」「悪魔」の概念も逆転している)。 --黒い羽の人間が白い羽の人間を奴隷として支配している。 --白い羽の主人公に「愛している」と言ったため捕らわれた黒い羽のご主人様(ヒロイン)を助けに行くが、次第に黒い羽の人間と白い羽の人間の全面戦争となっていく。 -プレイ開始時にご主人様を選択し、キャラメイクの後は基本的に一本道で所々に街や自由戦闘ポイント・仲間(メインキャラ・サブキャラ)の加入などがある。 --ご主人様は清純タイプ・スポーツ系等の女性5人と隠しキャラの男性1人の計6人。 --キャラメイクはミニゲームや本を読むなど色々あり、行動によってパラメーターが上昇する。 -システム面では、魔法の使用と武器改造にBP(ブラッディポイント。一般的なRPGのMPに相当)を消費するのが特徴。戦闘で敵に武器でとどめを刺した((本作のユニットはHP0で死亡し、死亡した敵にとどめを刺すことで死滅させて初めて撃破したことになる。))時や戦闘終了ボーナス等で入手することになるため、入手方法は一般的なRPGのお金の概念に近い((本作にもお金は別途存在することは補足しておく。))。 -武器改造は入手した武器にBPを入れる「剣血」により行う。 --入れたBPの値に応じて引き出される潜在能力(いわゆる追加効果)が決まっており、魔法を発動させる・経過時間毎にHP回復などがある。 -戦闘は高低差のある3Dマップでのターン制。 --ターンとは別に各ユニットが行動する度に時間が1時間ずつ経過し、経過時刻により魔法の威力が増減する。 --魔法の威力は各属性ごとに「午前は強めで午後は弱め」「普段は弱めだが特定の時刻のみ威力倍増」などバイオリズムが設定されており、例えば光属性の1時に闇属性の魔法を使うと次は闇属性の2時になる。 --これにより味方の魔法使用時には威力が高くなるように、敵の魔法使用時には威力が低くなるようにするという戦略性が求められる。 -ストーリーが進むと魔法とは別に大量のBPと行動力を消費する「鎧召喚」という高威力・広範囲攻撃が登場する。 --効果範囲や威力は各キャラ固有で、後半では敵も「鎧召喚」を使ってくる。 --「鎧召喚」は「大邪神の鎧」を身につける必要があり、仲間が「大邪神の鎧」を身につけるために羽を失うといったストーリー上も重要な役割を持つ。 -難易度はノーマル・アドバンスドの2つがあり、アドバンスドは戦闘が難しい反面、独自要素がある。 **評価点 -手ごたえのある戦闘 --基本はシンプルなターン性だが、武器の潜在能力や魔法バイオリズムを上手く使うといった戦略性がある。 --レベルアップは戦闘終了時に任意のキャラに経験値を振り分ける方式。レベルアップで得られたポイントは更に任意のステータスに割り振ることができるため、育成の自由度は高い。 --自由加入のサブキャラも多い((ストーリーには絡まないうえ、死滅すると以後使用不能。))ため、お気に入りのキャラに特化して育てるも、サブキャラ一切育てずメインキャラだけで挑むも自由。 --素の状態で魔法を使えるキャラが少ない分、武器の潜在能力も使いこなせれば魔法と同様に様々な効果がある。 --特に武器交換の潜在能力は、敵の持つ強力な武器を入手することができるので重宝する。 --アドバンスドモードでは、自由戦闘での入手経験値が10分の1になるかわりに、通常では倒せない強さの敵ユニット撃破((ノーマルモードでも登場する。なお、モード問わず戦闘に登場するのだが戦わなくてもマップクリア可能。))、レアアイテム集めや裏パラメータ確認可能((特定のサブキャラを仲間にすることで可能。))を使った育成など、やりこみ要素は多い。また、最終戦闘はノーマルモードと異なる演出がある。 -世界観 --上述の通り、善悪が完全に逆転した世界観で、ストーリー展開も暗いのだが、独自性がありプレイヤーを物語に引き込む魅力がある。また、天使や悪魔・宗教関係の元ネタを知っているとより楽しめる。 --悪行が良いこととされている世界なのだが、やっている内にそれほど悪く無いんじゃね?という気にもなる。ソドムとゴモラの町も超資本主義と超社会主義となっていて明暗両方描写されていたりなど、単に善が悪を倒してハッピーエンドにはなっていない。 --キャラメイクを兼ねた第一章はご主人様とのほのぼのとした生活が描かれるため、第二章以降の本編との反動が大きい。 --土屋杏子によるキャラクターイラストは評価が高い。 -混沌とした音楽(と曲名) --バッハの曲「BWV542」を大幅にアレンジした「¥54,200」やドラム音の激しい「Chain Smoker」、チェケラッチョなボイスが入った「検問」など、混沌とした音楽(と曲名)は本作の世界観を上手く表現している。 **問題点 -システムの解説不足 --剣血は武器にBPを1刻みで255まで入れることができるが、発現する潜在能力の種類や数値は武器毎に異なる。入れたBPによっては発現しない場合やマイナス効果の場合もあり、確認が大変。 ---剣血については高BPを入れた武器に低BPの潜在能力を発現させたい場合、一度入れたBPと同じBPを消費してリセット(浄化)し、再度必要なBPを入れなおすため手間がかかる(低BP→高BPは追加の剣血だけで済むのだが)。 --魔法バイオリズムも属性表示は時計の飾りが光るだけで、バイオリズム自体が表示されず、何時に威力が高い(又は低い)のか、使うまで分かりにくい。 --そのため、戦闘システムを理解・確認するには攻略本や攻略サイトを見る必要がある。 -やや厳しいお金とBPの管理 --他作品のように入手したアイテム等を売却して資金の足しにすることができない(捨てることしかできない)。 ---すこし資金に余裕が出来て装備を揃えたいと思った頃にたどりつく街が、物価が定価の数倍という「強欲の街」。 ---中盤ではあるサブキャラを仲間にして出撃させることで入手金額増加という救済措置はある。 --剣血による試行錯誤が必要にもかかわらず、BPは戦闘で武器攻撃による死滅と戦闘終了ボーナスによる入手、終盤での高価なアイテムによる補充しか入手手段がない。 -世界観・ストーリー --最初に選ばなかったご主人様は全く本編に登場しない。 --ダークな世界観が苦手な人には向かないかもしれない。 -終盤 --最終章はメインキャラの1人が死亡による離脱、サブキャラ一切出撃不能、お店や自由戦闘がないため、メインキャラの育成・アイテムの状況によっては詰むこともありうる。 --ストーリー展開上、キャラメイクと最終章とエンディングしかご主人様が登場しない。 ---ご主人様にそこまで思い入れできるか、というと1章があるとはいえちょっと微妙。もちろん、その間もその行為がどれだけ問題があるとされていたか、というのを実感し続けるが。 --そして''ハッピーエンドは無い''。展開もかなり重く、鬱展開と言う人も少なくない。 #region(ネタばれ注意) -最後は世界が崩壊する中、今まで共に戦ってきた仲間達を一人ずつ自分の手で殺さなければならない。 -そして世界は滅び、主人公とご主人様以外全員が死ぬ。二人は新世界のアダムとイブとなり、終了。 --リメイクではエンディングが追加されたが、いずれもグッドエンドには程遠い。但し、DC版には救いのあるエンディングが用意されている。 #endregion //執筆依頼では「終盤の展開が鬱である」とありました。この点記述出来る方は加筆お願いします。 //書いてみました。推敲できる人よろしくです。 //サターン版には上記のような選択はなく、最終戦闘後のイベントで味方を1人ずつ殺し、ご主人様と2人だけになる展開だったと思いますが…? //マルチエンドはDC版以降なので、変更しておきました。 --アドバンスドモードでは、戦闘内容によってクリア後の称号が幾つもあるのだが、どれが最高なのか・各称号取得条件を含めて不明である((攻略本では2列で称号を並べて紹介しているだけである。))。 **総評 -雑誌の表紙を何度も飾ったことや発売元からキャラゲーと思われがちだが、世界観や戦闘などゲーム本編はきちんと練られている。 --後述の移植版があるものの今でもサターン版を愛好しているユーザーがいる位である。 -ただし、肝心のシステムの解説や表示に不十分な点が多く、世界観以外の点でも人を選ぶ作品となってしまった感は否めない。 **その後の展開・余談など -本作は当初、初回限定生産とされていた。 --本作が発表された時期が、サターンの後継機であるドリームキャストが発表された時期と重なった。そのため「需給のバランスが読めないので確実にほしい人は予約をするように」と各ゲーム雑誌の紹介記事で呼びかけていた。 --しばらく経ってから再販された。ゲーム内容は同じだが、パッケージの絵が変更された。 --なお、攻略本は隠しご主人様(ゼロ)の出現条件が初版では非公開とされていたが、重版では公開されている。 -隠しとはいえ、ゼロが男性である点に疑問を持つ人がいると思うのだが、攻略本のインタビューによると、これは原作者が「頭にロールパンのついたご主人様(プリカ)を俺のために描いてほしい」とキャラクターデザイナーに依頼したところ、「男のご主人様を出させてくれれば描く」といった流れでできたものである。 -移植版として、『BLACK/MATRIX AD』(「アドヴァンスド」と読む。ドリームキャスト)と『BLACK/MATRIX+』(「クロス」と読む。プレイステーション)がある。いずれも移植の際に変更された要素が多く、リメイクに近い。 -開発元のフライト・プランは『BLACK/MATRIX』シリーズの他に[[『サモンナイト』シリーズ>サモンナイトシリーズ]]等SRPGを多く手掛けている。 &br ---- *BLACK/MATRIX AD 【ぶらっくまとりくす あどう"ぁんすど】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_front.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_back.jpg]]| |対応機種|ドリームキャスト|~| |メディア|GD-ROM 2枚|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|1999年9月30日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |廉価版|ドリコレ&br;2002年10月31日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| **概要(DC) 『BLACK/MATRIX』のリメイク版。イラストレーターがつちやきょうこ氏からそえたかずひろ氏に変更された他、ストーリーがSS版とは大幅に異なっている。 **特徴(DC) -イベントシーンは背景と立ち絵で進行する。また、セルアニメーションのムービーと言った演出が追加されている。 --主人公のアベルが基本的に喋らないのは無印と同じだが、アニメ内では僅かにセリフがある。担当は神谷浩史。 ---余談だが神谷氏は次回作『2』でも主人公役(ナレーション)として参加している。 **評価点(DC) -ストーリーの加筆修正 --選ばなかったご主人様候補は無印では一切登場しなかったが、今回は本編に登場するようになった。敵対したり、仲間になったりなど、ストーリーにも絡んでくる。 ---仲間になるとメインキャラ相当の扱いになり、要所要所で登場する。キャラも立っており、ご主人様に選んだ時では見られないような一面や、活躍のシーンもしっかり用意されている。 ---但し、死亡すると他のサブキャラ同様にロストする。しかしクリアまで生存せればエピローグに登場するので、なんとか死なせないようにしたい所。 -マルチエンドになった。 --SS版では重苦しいエンディングが一つのみだったが、今回は複数のエンディングが用意された。但し、いずれもハッピーエンドとは言い難い。 #region(ネタバレ) -最後の選択肢は、崩壊しかけている世界で「自殺する」「ゴッドになる」「サタンになる」「支配者を倒す」「ご主人様を諦めて平凡に暮らす」を選ぶのだが… --「自殺する」はどれも選ばない結果としてだが、敵の化けの皮が剥がれ戦闘となる。しかし世界は崩壊して自分とご主人様以外全員死ぬ。愛する人と一緒に居られる世界のために、仲間を含む全ての人と世界を殺す。SS版とほぼ同様の展開である。 --「ゴッドになる」は主人公自身の意志で世界を滅ぼし、ご主人様と共に新世界を作ると言うもの。自殺すると展開はほぼ同じだが、主人公自身が世界崩壊を望む為、''主要キャラ以外のサブキャラは全員敵に回る''。サブとはいえ味方を殺さなければならない。そして主人公に賛同して力を貸してくれた主要キャラも、試練の為に結局は殺すことになる。 --「サタンになる」は主人公が新たな王となって現在の世界を存続させると言うもの。了解の上で大邪神の鎧を来た仲間達と正々堂々戦い、倒し、世界を託される。そして世界の支配者となり、ヒロインを花嫁として迎える…だけなら世界崩壊エンドよりハッピーエンド寄りなのだが、最後は''主人公の邪悪な笑いで終わる為''後味が悪い。 --「支配者を倒す」はご主人様は諦めるが、せめて世界の支配者である教皇を倒して、この悪しき世界を変えようと言うもの。一部のメンバーが離脱すると言う違いはあるものの、結局「自殺する」と同じ展開に。 --「平凡に暮らす」は他のご主人様でも見つけて奴隷に戻ると言うもの。世界崩壊は起こらないが、今まで戦ってきた意味を放棄し、ご主人様を殺しておきながら何の気兼ねもしないと言うもので、やはり後味は悪い。 -ここまでなら評価点に書くべきではないかもしれないが、本作はそれに加えて通常の世界崩壊エンドの後に''後味の良い結末が追加されている''。 --世界が滅び去り、主人公とご主人様が新たなアダムとイブになる。と言う結末自体は変わらないが…。 #region(ネタバレ) -死んだはずの仲間達全員と、敵対者の中で主人公達に理解を示していた一部の者達が無事に戻ってきて主人公と再会を果たすという1シーンが追加されている。 -主人公とご主人様以外の人間は善人悪人問わず全て死に絶える結末だっただけに、世界が滅びたとは言え仲間達は助かると言う展開は無印よりも遥かに救いのある結末である。 #endregion -後に発売されたPS版にはエピローグが存在せず、後味の良い結末を迎えられるのはDC版の特権となっている。 #endregion -演出の強化 --無印では戦闘時同様のマップとユニットでイベントシーンを作っていたのに対し、今回は同社の『[[サモンナイト]]』と同じ形式に。 --また、イベントスチル、アニメムービーの追加によって演出が強化されており、ストーリーの没入感はより強まった。 **賛否両論点(DC) -第一章の仕様変更 --第一章のリハビリ生活はミニゲーム選択式のSS版、PS版とは異なり、育成シミュレーション形式になっており、自由に移動することができる。 --内容は格段に充実し、結構な長期間でご主人様との甘い生活を楽しむことができる。隠しイベントも多数。 ---SS版は期間も短く、ご主人様の印象が薄くなりがちだったが、今回はこれによってご主人様への思い入れが湧きやすく、救出へのモチベーションを高める事が出来る。 ---条件を満たせればなんと二年目に突入する事も出来てしまう。 --一方、SS版等に比べてパラメーター管理が複雑化。思うように主人公の初期ステータスを鍛えるのが難しくなった。 --隠しイベントの条件も厳しいものが多く、情報無しで二年目に入るのは至難の業である。 --また、主人公のアイテムの食べ方がシュール。どんな料理や食物(''虫も'')でも一口で頬張る為、不気味、面白いと意見が分かれそう。皿に乗っている料理なら''皿ごと''である。 **問題点(DC) -ビジュアル面 --アニメムービーの採用の為か、アニメーターでもあるそえた氏がイラストレーターに起用されているが、これが少々不評である。 --メインキャラは元に近いデザインだが、ザブキャラ達が揃いも揃って、原作とは似ても似つかないデザインになっている。それでいてユニットのグラフィックはそのままなので違和感が激しい。 ---特に酷いのはパリティと言うキャラ。元が金髪で緑の服なのに、新デザインは青髪でピンクの服と、似せる気がまるで感じられない。 --ザコ敵の顔もユニットとの乖離が珍しくなく、しかも整った顔立ちや美形が多かったつちや版に比べると異様に濃い顔ばかり。 --アニメもクオリティはそこまで高くはなく、作画、構図、演出も所々変な個所がある。 **総評(DC) キャラデザインやアニメのクオリティに難色を示す意見は多々あるものの、シナリオの加筆に演出の強化、ハッピーエンドの追加と総合的な充実度ではSS版、PS版とは比べものにならないBLACK/MATRIXの「完全版」と言って良い。 &br ---- *BLACK/MATRIX+ 【ぶらっくまとりくすくろす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_front.jpg,width=100)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_back.jpg]]| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|2000年12月14日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2009年12月24日/600円|~| //|備考| | |判定|なし|~| **概要(PS) 『BLACK/MATRIX』の二度目のリメイク。その名の通り、SS版とDC版を「クロス」させたような作品となっている。 **特徴(PS) -キャラクターデザインがSS版のつちやきょうこ氏に戻り、イベント画面もSS版と同じ形式に回帰した。 -その一方でストーリーはDC版に準じており、SS版とDC版をミックスさせたようなリメイクとなっている。 -但し、戦闘BGMが一部入れ替わっていたりと、細かい変更点も多々ある。 -DC版のようなセルアニメは無いが、新規のムービーが追加されている。OPも完全にオリジナルである。 -第一章の形式もSS版同様のミニゲーム選択方式に戻った。 **評価点(PS) -DC版のそえた氏のデザインが不評だったので、つちや氏の再起用はファンを喜ばせた。 -DC版の加筆修正されたシナリオをSS版のビジュアル、演出で楽しめるのは、SS版が好きだった人には大きな評価点と言える。 --イベントシーンの豪華さは薄れたが、ユニットキャラがチョコチョコと歩き回るイベントシーンはそれはそれで好評である。 **問題点(PS) -シナリオ、演出の削除。 --ストーリーはDC版に準じているが、アニメムービーやイベントスチル、一部のイベントなど削られた箇所も多く、それを補う新要素も殆ど無い為、ストーリーが所々説明不足になってしまった。 --特にアベルの兄・カインやファウストについては完全に謎の存在で終わってしまっている。 -''エピローグまで削除されている。'' --エンディングはDC版同様のマルチエンドだが、ハッピーエンド的なエピローグが無くなっている。 --その為、例えトゥルーエンドでも後味良く終われなくなってしまった。描かれていないだけで、エピローグの展開はその後でちゃんとあったと解釈出来ない事も無いが、描写が無い以上PS版のシナリオはそこで終了である。 -細かい点だが、ジャケット裏のスクリーンショットの中に本編に無いシーンがいくつかある。 **総評(PS) SS版をベースにDC版の要素を加えた、「クロス」したブラックマトリクスである。しかしエピローグを始め削除された要素も多く、両者の良いとこ取りとは言い難い出来である。~ とは言え、当時主流ハードであったPSのソフトと言う事で、ブラックマトリクスの認知度を高める事に大きく貢献したのも間違い無いだろう。 **余談(PS) 本作と『BLACK/MATRIX OO』はゲームアーカイブスで配信されていたが、2010年12月24日で配信終了となっている。今からプレイしたければ現物を手に入れるしか無い。 **その後の展開(PS) 本作発売から2年後、PS2用ゲームソフト『BLACK/MATRIX 2』が発売された。2とはあるが本作とは繋がりは無く、「シナリオ工房 月光」がシナリオを担当した事もあり、作風が大きく変わっている。戦闘画面の3D化、ヒロイン毎のシナリオ分岐など独自要素を持つ一方、ボイスやムービーが一切無い簡素さや、ストーリーの短さと言った問題点も多い。
#contents() ---- *BLACK/MATRIX 【ぶらっくまとりくす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/0/5/9/36059_back.jpg]]| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|1998年8月27日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''BLACK/MATRIXシリーズ'':'''' - 2 - ZERO - OO| **概要 -『BLACK/MATRIX』シリーズ第一作目。フライト・プラン制作のSRPGとしても第一作目。 -原作者はビトウゴウ、キャラクターデザインは土屋杏子((つちやきょうこ。本作では漢字名義だった。))。 -当時、セガサターンではギャルゲーの移植を主にしていたNECインターチャネルとしては異色の作品。 **特徴 -聖書をモチーフとしつつも善悪を完全に逆転させたダークファンタジーな世界観。 --いわゆる「強欲」「怠惰」などの「7つの大罪」がこの世界では善行とされる。逆に「愛」「自由」などがこの世界では「大罪」とされる(同様に「天使」「悪魔」の概念も逆転している)。 --黒い羽の人間が白い羽の人間を奴隷として支配している。 --白い羽の主人公に「愛している」と言ったため捕らわれた黒い羽のご主人様(ヒロイン)を助けに行くが、次第に黒い羽の人間と白い羽の人間の全面戦争となっていく。 -プレイ開始時にご主人様を選択し、キャラメイクの後は基本的に一本道で所々に街や自由戦闘ポイント・仲間(メインキャラ・サブキャラ)の加入などがある。 --ご主人様は清純タイプ・スポーツ系等の女性5人と隠しキャラの男性1人の計6人。 --キャラメイクはミニゲームや本を読むなど色々あり、行動によってパラメーターが上昇する。 -システム面では、魔法の使用と武器改造にBP(ブラッディポイント。一般的なRPGのMPに相当)を消費するのが特徴。戦闘で敵に武器でとどめを刺した((本作のユニットはHP0で死亡し、死亡した敵にとどめを刺すことで死滅させて初めて撃破したことになる。))時や戦闘終了ボーナス等で入手することになるため、入手方法は一般的なRPGのお金の概念に近い((本作にもお金は別途存在することは補足しておく。))。 -武器改造は入手した武器にBPを入れる「剣血」により行う。 --入れたBPの値に応じて引き出される潜在能力(いわゆる追加効果)が決まっており、魔法を発動させる・経過時間毎にHP回復などがある。 -戦闘は高低差のある3Dマップでのターン制。 --ターンとは別に各ユニットが行動する度に時間が1時間ずつ経過し、経過時刻により魔法の威力が増減する。 --魔法の威力は各属性ごとに「午前は強めで午後は弱め」「普段は弱めだが特定の時刻のみ威力倍増」などバイオリズムが設定されており、例えば光属性の1時に闇属性の魔法を使うと次は闇属性の2時になる。 --これにより味方の魔法使用時には威力が高くなるように、敵の魔法使用時には威力が低くなるようにするという戦略性が求められる。 -ストーリーが進むと魔法とは別に大量のBPと行動力を消費する「鎧召喚」という高威力・広範囲攻撃が登場する。 --効果範囲や威力は各キャラ固有で、後半では敵も「鎧召喚」を使ってくる。 --「鎧召喚」は「大邪神の鎧」を身につける必要があり、仲間が「大邪神の鎧」を身につけるために羽を失うといったストーリー上も重要な役割を持つ。 -難易度はノーマル・アドバンスドの2つがあり、アドバンスドは戦闘が難しい反面、独自要素がある。 **評価点 -手ごたえのある戦闘 --基本はシンプルなターン性だが、武器の潜在能力や魔法バイオリズムを上手く使うといった戦略性がある。 --レベルアップは戦闘終了時に任意のキャラに経験値を振り分ける方式。レベルアップで得られたポイントは更に任意のステータスに割り振ることができるため、育成の自由度は高い。 --自由加入のサブキャラも多い((ストーリーには絡まないうえ、死滅すると以後使用不能。))ため、お気に入りのキャラに特化して育てるも、サブキャラ一切育てずメインキャラだけで挑むも自由。 --素の状態で魔法を使えるキャラが少ない分、武器の潜在能力も使いこなせれば魔法と同様に様々な効果がある。 --特に武器交換の潜在能力は、敵の持つ強力な武器を入手することができるので重宝する。 --アドバンスドモードでは、自由戦闘での入手経験値が10分の1になるかわりに、通常では倒せない強さの敵ユニット撃破((ノーマルモードでも登場する。なお、モード問わず戦闘に登場するのだが戦わなくてもマップクリア可能。))、レアアイテム集めや裏パラメータ確認可能((特定のサブキャラを仲間にすることで可能。))を使った育成など、やりこみ要素は多い。また、最終戦闘はノーマルモードと異なる演出がある。 -世界観 --上述の通り、善悪が完全に逆転した世界観で、ストーリー展開も暗いのだが、独自性がありプレイヤーを物語に引き込む魅力がある。また、天使や悪魔・宗教関係の元ネタを知っているとより楽しめる。 --悪行が良いこととされている世界なのだが、やっている内にそれほど悪く無いんじゃね?という気にもなる。ソドムとゴモラの町も超資本主義と超社会主義となっていて明暗両方描写されていたりなど、単に善が悪を倒してハッピーエンドにはなっていない。 --キャラメイクを兼ねた第一章はご主人様とのほのぼのとした生活が描かれるため、第二章以降の本編との反動が大きい。 --土屋杏子によるキャラクターイラストは評価が高い。 -混沌とした音楽(と曲名) --バッハの曲「BWV542」を大幅にアレンジした「¥54,200」やドラム音の激しい「Chain Smoker」、チェケラッチョなボイスが入った「検問」など、混沌とした音楽(と曲名)は本作の世界観を上手く表現している。 **問題点 -システムの解説不足 --剣血は武器にBPを1刻みで255まで入れることができるが、発現する潜在能力の種類や数値は武器毎に異なる。入れたBPによっては発現しない場合やマイナス効果の場合もあり、確認が大変。 ---剣血については高BPを入れた武器に低BPの潜在能力を発現させたい場合、一度入れたBPと同じBPを消費してリセット(浄化)し、再度必要なBPを入れなおすため手間がかかる(低BP→高BPは追加の剣血だけで済むのだが)。 --魔法バイオリズムも属性表示は時計の飾りが光るだけで、バイオリズム自体が表示されず、何時に威力が高い(又は低い)のか、使うまで分かりにくい。 --そのため、戦闘システムを理解・確認するには攻略本や攻略サイトを見る必要がある。 -やや厳しいお金とBPの管理 --他作品のように入手したアイテム等を売却して資金の足しにすることができない(捨てることしかできない)。 ---すこし資金に余裕が出来て装備を揃えたいと思った頃にたどりつく街が、物価が定価の数倍という「強欲の街」。 ---中盤ではあるサブキャラを仲間にして出撃させることで入手金額増加という救済措置はある。 --剣血による試行錯誤が必要にもかかわらず、BPは戦闘で武器攻撃による死滅と戦闘終了ボーナスによる入手、終盤での高価なアイテムによる補充しか入手手段がない。 -世界観・ストーリー --最初に選ばなかったご主人様は全く本編に登場しない。 --ダークな世界観が苦手な人には向かないかもしれない。 -終盤 --最終章はメインキャラの1人が死亡による離脱、サブキャラ一切出撃不能、お店や自由戦闘がないため、メインキャラの育成・アイテムの状況によっては詰むこともありうる。 --ストーリー展開上、キャラメイクと最終章とエンディングしかご主人様が登場しない。 ---ご主人様にそこまで思い入れできるか、というと1章があるとはいえちょっと微妙。もちろん、その間もその行為がどれだけ問題があるとされていたか、というのを実感し続けるが。 --そして''ハッピーエンドは無い''。展開もかなり重く、鬱展開と言う人も少なくない。 #region(ネタばれ注意) -最後は世界が崩壊する中、今まで共に戦ってきた仲間達を一人ずつ自分の手で殺さなければならない。 -そして世界は滅び、主人公とご主人様以外全員が死ぬ。二人は新世界のアダムとイブとなり、終了。 --リメイクではエンディングが追加されたが、いずれもグッドエンドには程遠い。但し、DC版には救いのあるエンディングが用意されている。 #endregion //執筆依頼では「終盤の展開が鬱である」とありました。この点記述出来る方は加筆お願いします。 //書いてみました。推敲できる人よろしくです。 //サターン版には上記のような選択はなく、最終戦闘後のイベントで味方を1人ずつ殺し、ご主人様と2人だけになる展開だったと思いますが…? //マルチエンドはDC版以降なので、変更しておきました。 -アドバンスドモードでは、戦闘内容によってクリア後の称号が幾つもあるのだが、どれが最高なのか・各称号取得条件を含めて不明である((攻略本では2列で称号を並べて紹介しているだけである。))。 **総評 -雑誌の表紙を何度も飾ったことや発売元からキャラゲーと思われがちだが、世界観や戦闘などゲーム本編はきちんと練られている。 --後述の移植版があるものの今でもサターン版を愛好しているユーザーがいる位である。 -ただし、肝心のシステムの解説や表示に不十分な点が多く、世界観以外の点でも人を選ぶ作品となってしまった感は否めない。 **その後の展開・余談など -本作は当初、初回限定生産とされていた。 --本作が発表された時期が、サターンの後継機であるドリームキャストが発表された時期と重なった。そのため「需給のバランスが読めないので確実にほしい人は予約をするように」と各ゲーム雑誌の紹介記事で呼びかけていた。 --しばらく経ってから再販された。ゲーム内容は同じだが、パッケージの絵が変更された。 --なお、攻略本は隠しご主人様(ゼロ)の出現条件が初版では非公開とされていたが、重版では公開されている。 -隠しとはいえ、ゼロが男性である点に疑問を持つ人がいると思うのだが、攻略本のインタビューによると、これは原作者が「頭にロールパンのついたご主人様(プリカ)を俺のために描いてほしい」とキャラクターデザイナーに依頼したところ、「男のご主人様を出させてくれれば描く」といった流れでできたものである。 -移植版として、『BLACK/MATRIX AD』(「アドヴァンスド」と読む。ドリームキャスト)と『BLACK/MATRIX+』(「クロス」と読む。プレイステーション)がある。いずれも移植の際に変更された要素が多く、リメイクに近い。 -開発元のフライト・プランは『BLACK/MATRIX』シリーズの他に[[『サモンナイト』シリーズ>サモンナイトシリーズ]]等SRPGを多く手掛けている。 &br ---- *BLACK/MATRIX AD 【ぶらっくまとりくす あどう"ぁんすど】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_front.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/2/5/4/38254_back.jpg]]| |対応機種|ドリームキャスト|~| |メディア|GD-ROM 2枚|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|1999年9月30日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |廉価版|ドリコレ&br;2002年10月31日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| **概要(DC) 『BLACK/MATRIX』のリメイク版。イラストレーターがつちやきょうこ氏からそえたかずひろ氏に変更された他、ストーリーがSS版とは大幅に異なっている。 **特徴(DC) -イベントシーンは背景と立ち絵で進行する。また、セルアニメーションのムービーと言った演出が追加されている。 --主人公のアベルが基本的に喋らないのは無印と同じだが、アニメ内では僅かにセリフがある。担当は神谷浩史。 ---余談だが神谷氏は次回作『2』でも主人公役(ナレーション)として参加している。 **評価点(DC) -ストーリーの加筆修正 --選ばなかったご主人様候補は無印では一切登場しなかったが、今回は本編に登場するようになった。敵対したり、仲間になったりなど、ストーリーにも絡んでくる。 ---仲間になるとメインキャラ相当の扱いになり、要所要所で登場する。キャラも立っており、ご主人様に選んだ時では見られないような一面や、活躍のシーンもしっかり用意されている。 ---但し、死亡すると他のサブキャラ同様にロストする。しかしクリアまで生存せればエピローグに登場するので、なんとか死なせないようにしたい所。 -マルチエンドになった。 --SS版では重苦しいエンディングが一つのみだったが、今回は複数のエンディングが用意された。但し、いずれもハッピーエンドとは言い難い。 #region(ネタバレ) -最後の選択肢は、崩壊しかけている世界で「自殺する」「ゴッドになる」「サタンになる」「支配者を倒す」「ご主人様を諦めて平凡に暮らす」を選ぶのだが… --「自殺する」はどれも選ばない結果としてだが、敵の化けの皮が剥がれ戦闘となる。しかし世界は崩壊して自分とご主人様以外全員死ぬ。愛する人と一緒に居られる世界のために、仲間を含む全ての人と世界を殺す。SS版とほぼ同様の展開である。 --「ゴッドになる」は主人公自身の意志で世界を滅ぼし、ご主人様と共に新世界を作ると言うもの。自殺すると展開はほぼ同じだが、主人公自身が世界崩壊を望む為、''主要キャラ以外のサブキャラは全員敵に回る''。サブとはいえ味方を殺さなければならない。そして主人公に賛同して力を貸してくれた主要キャラも、試練の為に結局は殺すことになる。 --「サタンになる」は主人公が新たな王となって現在の世界を存続させると言うもの。了解の上で大邪神の鎧を来た仲間達と正々堂々戦い、倒し、世界を託される。そして世界の支配者となり、ヒロインを花嫁として迎える…だけなら世界崩壊エンドよりハッピーエンド寄りなのだが、最後は''主人公の邪悪な笑いで終わる為''後味が悪い。 --「支配者を倒す」はご主人様は諦めるが、せめて世界の支配者である教皇を倒して、この悪しき世界を変えようと言うもの。一部のメンバーが離脱すると言う違いはあるものの、結局「自殺する」と同じ展開に。 --「平凡に暮らす」は他のご主人様でも見つけて奴隷に戻ると言うもの。世界崩壊は起こらないが、今まで戦ってきた意味を放棄し、ご主人様を殺しておきながら何の気兼ねもしないと言うもので、やはり後味は悪い。 -ここまでなら評価点に書くべきではないかもしれないが、本作はそれに加えて通常の世界崩壊エンドの後に''後味の良い結末が追加されている''。 --世界が滅び去り、主人公とご主人様が新たなアダムとイブになる。と言う結末自体は変わらないが…。 #region(ネタバレ) -死んだはずの仲間達全員と、敵対者の中で主人公達に理解を示していた一部の者達が無事に戻ってきて主人公と再会を果たすという1シーンが追加されている。 -主人公とご主人様以外の人間は善人悪人問わず全て死に絶える結末だっただけに、世界が滅びたとは言え仲間達は助かると言う展開は無印よりも遥かに救いのある結末である。 #endregion -後に発売されたPS版にはエピローグが存在せず、後味の良い結末を迎えられるのはDC版の特権となっている。 #endregion -演出の強化 --無印では戦闘時同様のマップとユニットでイベントシーンを作っていたのに対し、今回は同社の『[[サモンナイト]]』と同じ形式に。 --また、イベントスチル、アニメムービーの追加によって演出が強化されており、ストーリーの没入感はより強まった。 **賛否両論点(DC) -第一章の仕様変更 --第一章のリハビリ生活はミニゲーム選択式のSS版、PS版とは異なり、育成シミュレーション形式になっており、自由に移動することができる。 --内容は格段に充実し、結構な長期間でご主人様との甘い生活を楽しむことができる。隠しイベントも多数。 ---SS版は期間も短く、ご主人様の印象が薄くなりがちだったが、今回はこれによってご主人様への思い入れが湧きやすく、救出へのモチベーションを高める事が出来る。 ---条件を満たせればなんと二年目に突入する事も出来てしまう。 --一方、SS版等に比べてパラメーター管理が複雑化。思うように主人公の初期ステータスを鍛えるのが難しくなった。 --隠しイベントの条件も厳しいものが多く、情報無しで二年目に入るのは至難の業である。 --また、主人公のアイテムの食べ方がシュール。どんな料理や食物(''虫も'')でも一口で頬張る為、不気味、面白いと意見が分かれそう。皿に乗っている料理なら''皿ごと''である。 **問題点(DC) -ビジュアル面 --アニメムービーの採用の為か、アニメーターでもあるそえた氏がイラストレーターに起用されているが、これが少々不評である。 --メインキャラは元に近いデザインだが、ザブキャラ達が揃いも揃って、原作とは似ても似つかないデザインになっている。それでいてユニットのグラフィックはそのままなので違和感が激しい。 ---特に酷いのはパリティと言うキャラ。元が金髪で緑の服なのに、新デザインは青髪でピンクの服と、似せる気がまるで感じられない。 --ザコ敵の顔もユニットとの乖離が珍しくなく、しかも整った顔立ちや美形が多かったつちや版に比べると異様に濃い顔ばかり。 --アニメもクオリティはそこまで高くはなく、作画、構図、演出も所々変な個所がある。 **総評(DC) キャラデザインやアニメのクオリティに難色を示す意見は多々あるものの、シナリオの加筆に演出の強化、ハッピーエンドの追加と総合的な充実度ではSS版、PS版とは比べものにならないBLACK/MATRIXの「完全版」と言って良い。 &br ---- *BLACK/MATRIX+ 【ぶらっくまとりくすくろす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_front.jpg,width=100)[[高解像度で見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_front.jpg]] [[裏を見る>http://img.gamefaqs.net/box/3/9/6/42396_back.jpg]]| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|NECインターチャネル|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|2000年12月14日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |廉価版|ベスト版:2002年3月7日/2,800円(税別)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2009年12月24日/600円|~| //|備考| | |判定|なし|~| **概要(PS) 『BLACK/MATRIX』の二度目のリメイク。その名の通り、SS版とDC版を「クロス」させたような作品となっている。 **特徴(PS) -キャラクターデザインがSS版のつちやきょうこ氏に戻り、イベント画面もSS版と同じ形式に回帰した。 -その一方でストーリーはDC版に準じており、SS版とDC版をミックスさせたようなリメイクとなっている。 -但し、戦闘BGMが一部入れ替わっていたりと、細かい変更点も多々ある。 -DC版のようなセルアニメは無いが、新規のムービーが追加されている。OPも完全にオリジナルである。 -第一章の形式もSS版同様のミニゲーム選択方式に戻った。 **評価点(PS) -DC版のそえた氏のデザインが不評だったので、つちや氏の再起用はファンを喜ばせた。 --イラストもSS版の使い回しではなく、PS版用に新たに描き起こされている。 -DC版の加筆修正されたシナリオをSS版のビジュアル、演出で楽しめるのは、SS版が好きだった人には大きな評価点と言える。 --イベントシーンの豪華さは薄れたが、ユニットキャラがチョコチョコと歩き回るイベントシーンはそれはそれで好評である。 **問題点(PS) -シナリオ、演出の削除。 --ストーリーはDC版に準じているが、アニメムービーやイベントスチル、一部のイベントなど削られた箇所も多く、それを補う新要素も殆ど無い為、ストーリーが所々説明不足になってしまった。 --特にアベルの兄・カインやファウストについては完全に謎の存在で終わってしまっている。 -''エピローグまで削除されている。'' --エンディングはDC版同様のマルチエンドだが、ハッピーエンド的なエピローグが無くなっている。 --その為、例えトゥルーエンドでも後味良く終われなくなってしまった。描かれていないだけで、エピローグの展開はその後でちゃんとあったと解釈出来ない事も無いが、描写が無い以上PS版のシナリオはそこで終了である。 -細かい点だが、ジャケット裏のスクリーンショットの中に本編に無いシーンがいくつかある。 **総評(PS) SS版をベースにDC版の要素を加えた、「クロス」したブラックマトリクスである。しかしエピローグを始め削除された要素も多く、両者の良いとこ取りとは言い難い出来である。~ とは言え、当時主流ハードであったPSのソフトと言う事で、ブラックマトリクスの認知度を高める事に大きく貢献したのも間違い無いだろう。 **余談(PS) 本作と『BLACK/MATRIX OO』はゲームアーカイブスで配信されていたが、2010年12月24日で配信終了となっている。今からプレイしたければ現物を手に入れるしか無い。 **その後の展開(PS) 本作発売から2年後、PS2用ゲームソフト『BLACK/MATRIX 2』が発売された。2とはあるが本作とは繋がりは無く、「シナリオ工房 月光」がシナリオを担当した事もあり、作風が大きく変わっている。戦闘画面の3D化、ヒロイン毎のシナリオ分岐など独自要素を持つ一方、ボイスやムービーが一切無い簡素さや、ストーリーの短さと言った問題点も多い。

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