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*キャプテン翼IV プロのライバルたち 【きゃぷてんつばさふぉー ぷろのらいばるたち】 |ジャンル|サッカーシミュレーションRPG|&amazon(B000068HCE,image=https://image.middle-edge.jp/medium/8ede49de-6c58-4705-957d-0c148bb6cd26.jpg,height=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|テクモ|~| |発売日|1993年4月3日|~| |定価|9,700円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|演出面の劣化&br()レベル変動制と浮き球バグでバランス崩壊&br()オリジナルストーリーは高評価|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼ゲームリンク>キャプテン翼シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 キャプテン翼シリーズの第4作((IIIの直前にGBで発売された「VS」を含めれば第5作目。))。ついにプロ化した翼達の活躍を描くテクモのオリジナルストーリー。~ 前作・前々作と完成度の高い作品が続いたために、その期待も相当のものだったと思われるが…。 **特徴 -ストーリーはシリーズ初のマルチシナリオ形式。各章最後の試合の勝敗により、最終的に4つのシナリオに分岐する。 --分岐に関わる試合はどれも非常に難易度が高く、勝つのは容易ではない。ただし、一度でも経験した分岐試合は、次の周回では勝敗に関係なく分岐先を選べる救済措置もあるため安心。 -オリジナルの主人公キャラクターが登場。展開次第では仲間になる。 -敵選手のレベルが味方の平均及び最大レベルによって変動するようになった。このような仕様はテクモ版キャプテン翼シリーズでも本作のみ。 -殆どの試合が負けても先に進めるようになった(再戦を申し込むことも可能)。ただし終盤は従来通り勝たないと先に進めない試合が多くなる。 -システムは前作からすでに完成されているので、目立った変更点は特になし。 --パス画面が3D風の表示になった。だからどうしたと言ってはいけない。 --こぼれ球に味方と相手の選手が同時に追いつくと、ペナルティエリア外でもせりあいが発生する。しかし…(後述)。 --天候の追加。試合中に雨が降ることがあり、選手の能力が下がる。 --ミーティングで相手のステータスを参照できるようになった。 -ミーティングで作戦が追加された。 --情報を元にした敵チームの対処法を教えてくれ、操作モードを選択できる。 --一人の選手だけを操作できるキャプテンモード、選手交代だけを操作する監督モード(オールスターのみ)が選択できる。 ---- **問題点 -BGMの劣化。 --前作ではテンポが良く激しいリズムが特徴的な曲が多かったが、今作では雄大というか、スローな曲調が多い。まるで環境音楽である。 ---これは効果音も同じで、前作が「シュバッ!」「ズオオオッ!」という鋭い音が特徴なのに比べ、今作では「どひゅ~ん」「ずもももも…」という低く重い音が多くなっている。 --曲自体が聞き苦しいというわけではないが、キャプテン翼というスポーツゲーに合ってるかと問われれば、微妙。 -試合演出、ビジュアルシーンの劣化。 --全体的に試合の流れがもっさりとしていてテンポが悪い。オマケに試合時間もプロに合わせて40~45分ハーフに増加、1試合当たりのプレイ時間が増加した。 --40分ハーフで普通に決着が付いた場合、1試合あたりリアルで30分前後かかる。延長戦やPK戦に入ったり、イベントや天候などの要素付加がされた場合更に長くなる。 --前作までは素早い挙動や激しいフラッシュなどで派手さを強調させていたが、今作では動きがトロく演出も控えめ。 ---というより、演出効果がほとんどない。せいぜい足先が光ったり、シュートを打つ時に足を回転させたり、選手がブレて見える程度。 ---特にゲルティスのダークイリュージョンが顕著な例。前作までは美しさすら感じる程の派手な演出だったのに、本作では… --これはボールの動きや必殺シュートも同じで、非常にゆっくりで、山なりで、遅い。 ---雨が降っていると画面処理がやや重くなり、さらにテンポが更に悪くなる。 ---しかも雨が降っていても、何故か空には雲がない。得点シーンなど一部の一枚絵には雨のパターンが存在せず、快晴のまま。 --カットイン演出も殆どのキャラが一つだけ。前作は表情が変わったり、台詞や必殺ディフェンスでは専用のカットインが多く用意されていたが、今作ではその多くがイベントでしか見られず、数もかなり減っている。 -試合数が多い。 --第1部は3試合と少ないが、第2部以降はシナリオによって差があるものの10試合前後をこなさなければならない。敵に魅力があればボリュームがあって結構だが、''試合中にイベントが何もない''、''相手全員が顔なしのモブキャラ''といった消化試合が多く、作業感が強い。 ---そんな試合でも、レベルが高いと後述の浮き球バグによって相手に制空権を握られる。 ---2周目以降はダイジェスト機能で飛ばすことができる。それだったら初めから入れないか、1試合ごとの内容を濃く煮詰めた方が良かったのでは? ---そのダイジェストにも難点があり、1部と2部のクリア済みの通常試合しか飛ばせない。'''更に必殺技を覚える試合を飛ばすと修得できなくなる'''ため、無闇に飛ばしているとかえって不利になってしまう。一応敵選手の必殺技修得も飛ばせるのだが、一度はイベントを見ておかないとオールスターモードに登録されない。 -周回プレイを始めるときの第1試合で敵のレベルがとてつもなく高くなっている。 --前回クリア後の敵レベルがリセットされていないのが原因と思われる。確実に負けるが、再戦を申し込まなければレベルは元に戻る。 --取り扱い説明書には''さも仕様であるかのように書かれている。'' --なお普通に初期レベルで始まる場合もある。原因は不明(ROMのバージョン違い?) -反則やオフサイドやトリカゴといった問題点はいつものことである。 --オフサイドは続編のVでようやく採用された。 -必殺シュートの消費ガッツが全体的に増加。 --今作では必殺ドリブル突破により低コストで得点しやすくなっているため、必殺シュートは相対的に扱いにくくなった。 --ただしドリブルからの必殺シュートは1対1、FK、CKで成功率をある程度高めることは可能。得点源を必殺シュートに頼る選手もいる為、完全に存在意義がなくなったわけではない。 --一部の浮き球シュートが非常に使いにくい。 ---ツインシュート系の浮き球シュートが頻繁にポストに当たる。過去作でも浮き球シュートがポストに当たる光景はしばしば見られたが、本作ではあまりにも頻度が高く消費ガッツの高さも相まって地雷認定すらされている。 ---日向のタイガーオーバーヘッドは消費ガッツが490と異常に高いのに威力がかなり低く、''浮き球バグ補正を以てすら弾かれる可能性がある''という相当なガッカリ性能。普通にボレーシュートやヘディング、或いはオーバーヘッドキックを撃った方がいい。 --なお必殺シュート以外の必殺技の消費ガッツはほぼ前作のIIIを踏襲している。また、オーバーヘッドキックは10増加したのみ。 -追加必殺技に一部微妙なものが存在する。 --イベントでやたら引っ張る割に燃費と決定率が見合わない新田のファルコンクロウやマウリシオのジョルトシュート、心臓病でガッツ管理に気を遣わないといけないのに490も消費する三杉のムーンスライダーなどが代表例。 --ピエールとナポレオンはIII同様シュペルエッフェルという必殺ワンツーを所持しているが、ルートによってはエッフェルワインダーと言う新ワンツーを修得する。しかし性能差はほぼ感じられない。 -一部の必殺技は、追加必殺技を修得してしまうと2度と使えなくなる。(ドラゴンタイガー修得でライトニングタイガー消滅など) --翼のサイクロンだけは、イベントと矛盾しないためか、2周目でネオサイクロンに戻る(オールスターでは使用可能)。 -ガッツの回復の仕方。 --ベンチにいる選手はなぜかガッツが回復しない(ハーフタイムでも)。ベンチに引っ込んだキャラのガッツはゼロのままなのに、フィールドでボーッと突っ立っていたキャラは300くらい回復している、といったことになる。 -一部挙動がおかしい。 --敵選手をマーク指定しても離れた所に行ってしまう。マークを外してディフェンスモードをプレスにする方が遙かにボールを奪いやすい。 --画面が切り替わった時にフィールド上の選手達が大移動してしまうことがある。キックオフ後すぐパスした際などに起こると戦略が狂う。 ---- **浮き球バグについて 本作において大きな問題とされている点の一つ。 -''レベルアップの際、浮き球能力を数値分加算補正する「たかいたま」「ひくいたま」が味方選手と比較して敵選手が1多く上がる現象。GKにはこれらの能力自体がない''。 --参考までに試合を飛ばさずレベル調整してプレイするとクリア時の平均レベルは18~20、主力は22前後位。この例だと終盤になるとこちらの浮き球値が60~90位なのに対して相手は100前後、主力敵選手だと120前後になってしまう。若林やミューラークラスの最強GKでも、レベル20時点でパンチング値は88。 -これで空中で相手に接触してしまったらまず勝ち目はなく、浮き球シュートを撃たれようものならどうあがいても取れない。一応低確率でカットしたりポストに当たることもあるが、あてにはできない。センタリングはフリーなのを確認して送るのが鉄則。 --特に問題なのが、敵の主力選手がワンツーを多用する思考ルーチンの場合。本作のワンツーは強めに調整されておりレベルの影響もあって止めにくく、為す術もなく浮き球シュートに繋げられて失点する危険性が高い。 --浮き球バグは途中加入の味方選手にも適用され、参戦の早い味方選手より空中戦に強くなる。前述の通り敵のGKも浮き球シュートに対しては弱いので、後半になると得点源として浮き球バグの恩恵が大きくなる。ただし加入後は成長しなくなるため、そのうちGK以外の敵には能力が追いつかれる。 --2周目以降ダイジェストで試合を飛ばした場合は、レベルの変動がないため敵の浮き球バグの影響を抑えられる。だがガッツ最大値が伸びにくくなるし、途中加入の味方の浮き球補正も小さくなって得点力が低下するので一長一短。 -ちなみに浮き球バグのせいで浮き球シュートでの失点率が多いと思われがちだが、実際はそうでもない。というのも、CPUは空中で延々とパスを繰り返した末地上の選手に渡したり、地上から直接シュートに行くケースも多く、MFやFWに地上必殺シュート持ちがいる場合はその選手中心にボールを回す思考ルーチンの場合が殆どのためである。そのため、シナリオ中では地上シュートで失点する割合の方が多い。強いGKは終盤にならないと使えないのも理由。 -オールスターではGK以外の全選手の浮き球能力がアップし、レベルもセーブファイルのうち最も高いものを参照する。高レベルになるとどのGKもダイレクトシュートに反応できなくなり、対戦は非常に大味なものとなる。 ---- **レベル変動制について 本作で採用されたレベル変動制は、その仕組みを知っているかどうかで作品評価が激変してしまうほどゲームへの影響が大きい。何も知らずに進めると大変なことになってしまうが、逆にシステムを知っていれば殆どの敵チームとほぼ互角の戦いができるようになる(ただし浮き球バグは空中での競り合いを避けるしか対策がない)。 -本作では1レベルアップにつき、どの選手も全てのステータスが一律で3(敵やオールスターの浮き球のみ4)上がり、1レベルの差が戦力にかなり響く。試合で活躍した選手ほどレベルが上がりやすいのは従来通り。 -本作では敵のレベルが味方のレベルに依存して算出される((平均レベルと最大レベルのどちらかに依存し、選手によって決まっている。エース級の選手が最大レベル依存である場合がほとんど。))ので、特定の選手ばかり使っているとレベルが突出してそちらを基準に敵のレベルが決まってしまい、他の味方選手が追いつけなくなってしまう。本作では、できるだけ多くの選手を使ってレベルが偏らないように調整しながら進めなければならない。 --ただ完全にフラットにする必要はなく、高レベル判定の敵やGKに対抗する為主力とGKのレベルは平均より1~3位高いのが望ましい(特に2部負けルート分岐のミラン戦は翼やストラットがGKより強くないとまず勝てない)。フィールダーは11人なので平均+2で行くなら4人、平均+3なら3人と言った所(今回は試合中でもレベルが上がるので、多少の余裕を持たせると良い)。レベル4以上差が開くと調整が難しくなり、他の選手が最大レベル参照の敵に辛くなってくる。 -ベンチに下がって試合終了した選手は獲得経験値が下がり、最初から控えの選手は平均レベル計算の対象外。レベルが上がりすぎた選手はベンチで休ませ、控え選手を積極的に使うようにすると敵のレベル上昇を抑えやすくなる。 --ただしベンチを活用できるのは基本的に中盤以降で、ルートによっては長期間スタメンしか使えない。また翼や日向などの主要選手は、イベントの都合でベンチに下げられない試合がある。 --GKはレベルを主力に追いつかせる為シュートをある程度受ける必要があるが、受けすぎると今度はレベルが突出してしまい他の選手に迷惑をかけてしまう。ベンチが使えるまではDFを必死で活用しないと調整が難しい。 -救済措置なのか、敵のGKは若林やミューラーといった有名GKでさえも軒並み平均レベル判定で登場する。しかし同作のGKは全体的に基礎能力が高めの為(森崎、レナート、アモロなどの弱GKは低い)、一般選手ではレベルが低いとゴールを奪うのもままならない。 ---- **評価点 -ドリブルのモーションの豪快さ。 --前作の「オカマ走り」と揶揄された内股ドリブルは消え去った。現実でやったらどうなるかとかは気にしない。 -テクモのオリジナルストーリーはやはり秀逸。 --本作唯一の救いというか、ストーリーはまともである。''試合を無視して話を追うだけ''でも結構楽しめる。 ---作品の副題通りプロでの新たなライバルの登場や、プロでのサッカーに対する心構え等今までよりもキャラクターの心情や葛藤が出ている。 #region(ストーリーのネタバレあり) --今作オリジナルのラスボスの一人であるオランダ代表のファンベルグは、さすがにコインブラほどではないものの中々インパクトもあって強い。またプロ選手ということでこれまでの同世代選手と違い先輩としてのキャラ付けもされており、翼もきちんと敬語で対応している。 ---必殺技はオーバーヘッド((通常のオーバーヘッドキックとは違う必殺技として扱われており、威力や消費ガッツがやや高い。))のみだが、基本能力が非常に高い。松山や早田のイーグルタックルやカミソリタックルを''普通のドリブルで''避けまくり、若島津の牙龍三角飛びを''普通のシュートで''無力化する様は圧巻だと言えるだろう。 ---さらに彼がシュートを撃つと、''放たれたボールが七色に光る。'' ---しかも彼は、何と''若林を相手にペナルティエリア外から5点も奪った''という、とんでもないプレーヤーである。 ---次回作では残念ながら怪我により長期離脱してしまう。その後怪我が治り最終シナリオの大会に参加したが、ミランは新田とアルシオン抜きのカンピオーネに10-0で敗北する結果となってしまった((もっとも、オールスターで使用できるだけコインブラよりマシなのだが・・・))。 --他のオリジナルキャラクターも特徴が多く''シナリオ開始時に味方選手として登場し、トラウマを乗り越えて新必殺技を習得し、元いたチームのチームメイトと和解してミランに復帰、その後ルート次第でラスボスとして戦う事となるストラット''や一見、ただのモブ選手だが''シナリオ時のみ全ての行動が敵選手を吹き飛ばす補正がかかっており、ブラジルチームを苦しめるオルミーガ''等、前作までとは違ったインパクトを持つキャラが多い。 --翼がブラジル代表に選出されカルロスやコインブラ、メオンと共闘するラテンアメリカカップ編はアツイ。 --分岐試合で負け続けると辿り着くワールドクラブカップ編は、''翼が最後まで全日本に合流しない''という異色のシナリオであり、かつオリジナルのキャラクターが多数登場することもあって独特の雰囲気を味わえる。 --特定のルートでは''ディアスがサイクロンを修得する''。更にネオサイクロンやオリジナル技のバク宙サイクロンまで覚える。ディアスの天才ぶりを改めて印象づけさせ、サイクロンというシュートをより深く掘り下げる上でも重要な役割を果たした。惜しまれるのはアルゼンチンがラスボスチームに入っていないことか。 -ゲルティスのイベント追加 --前作まではキーパーマシンの異名を持ち強烈なイメージを残しながらも、セリフらしいセリフが全く無かったブラジル代表GKゲルティスに、本作ではイベントがいくつか追加された。 ---例えばストラットとの対戦経験があったり、ストラットの恋人であるミアータをストラットの元に案内したり、試合中に翼に対してネオサイクロンを撃てと挑発したり、そのネオサイクロンを見事に止めるといったイベントが発生。 ---またVでは既存キャラの大幅なリストラが行われたのだが、ブラジル代表では彼とバモラ(IV初登場 サンパウロの正ゴールキーパー)、カルロスだけはリストラされずに残されている。ブラジル主力陣がカルロスに反発して試合をボイコットする中、彼とバモラだけは無視して出場してくれる等、無口で(カルロスやコインブラと比べ)目立たないが気配りの効く人物として扱われている。 #endregion -オリジナルの主人公 --常に攻略の一環を担いオリジナル必殺技も覚え、本来の全日本のレギュラーを食うような強さを持ちながらも、シナリオに本格的に絡むことはほぼなく空気を読んでいる。 -オールスターモードの充実。 --代表チームからクラブチームに至るまでゲームに登場するあらゆる選手を網羅しており、組み合わせは千差万別。さながら''デバッグルーム''である。 ---前作のIIIは人数が偏っており、Vではオリジナルキャラが大勢リストラされてしまったため、本作でしか使用できない選手も多い。 ---今作ではついに我らがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎も使用可能。さらにフランスの森崎・アモロやブラジルの森崎・レナートも選択可能。念願の「キーパーを森崎にして世界最強のストライカー達の必殺シュートでフルボッコ」や、「両軍キーパーをザコにしてノーガードマッチ」という楽しみ方が可能になった。気になる能力値は、中西(能力値合計91)=メオン(91)>>森崎(80)>アモロ(79)>レナート(76)で、選択可能な最弱キーパーはレナート君であった。((なお若林とミューラーの能力値合計は120。後述の最強キーパー・ラムカーネは124。ブラジルのキーパーマシン・ゲルティスは107。若島津とヘルナンデスは106。)) ---ただし、ある3人の選手の登録が重なってしまっているため3人のうち1人しか使えなくなっている。 --レベル1の状態で遊べば浮き球バグの影響を受けないので純粋に試合を楽しむことができる。 --各選手ごとのステータスを細かく参照できるので、設定マニアにはたまらない作りとなっている。 --簡素だがオリジナルキャラを作成して試合に参加させることができるようになった。名前を決めた後、好きな能力を8ポイント分あげることができる。 ---ポイントの振り分けによって必殺技も習得可能。なお、シナリオで使用されていた必殺シュートは「トルネード」と言う名前になる、他にも守備用やドリブル用の必殺技もある。 ---ただしエディットモードでしか使用できず、名前やポイントの振り分け等を記録しておくことが出来ないので必殺技を習得させる為に一々調節しながらポイントを割り振ることに。 --1Pと2Pの協力プレイもできるようになった。 -前シリーズからのBGMの多くをアレンジして収録したことは評価できる。これで音質が良ければ言うことなしだったのだが。 -浮き球バグばかりがクローズアップされる為見逃されがちだが、地上戦の駆け引きはなかなか熱い。 --前作では敵選手との接触時の必殺技がかなり強かったが、今作ではその殆どが絶対的に信頼が置けるほどのものではなくなり、II時代に近くなっている。 -レベルや基本能力差は確かに重要なのだが、能力的にこちらのドリブルが大幅に有利でも集中的にタックルを受けると意外とこぼれ球にされる。こちらが守備に回る場合も同様なので、ディフェンスタイプをプレスにしてカットを仕掛けるのが効果的。 --守備側が反則(ファール)を起こすと、どんな必殺ドリブル・必殺シュートであろうと吹っ飛ばされ、フリーキックでパスしなければならなくなるため、テクニックとして有効となっている。ちなみに守備側は「ブロック」を選ぶとファールを起こしやすいとされている。 -旧作と比べて無敗プレイの難易度が下がっている。 --これはレベル変動制により、しっかりレベル調整を行っていれば敵チームとの能力差が縮まりやすくなったことによる恩恵。 --無敗プレイを抜きにしても、テクモ版シリーズ経験者からは「4は難易度が低い」と言われている。 ---- **賛否両論点(チーム面) -若林の極端な強化。 --若林が''ペナルティエリア外のシュートを能力無視で高確率で防御できる能力''を習得。これが発動すれば、どんな強力なシュートだろうが問答無用でキャッチングできてしまう((更に今作では総合能力も大幅に上昇している。))。これには若林らしいという意見もあれば強すぎるという意見もあり賛否両論である。 ---シュナイダーのファイヤーショットのように取れないシュートもある。また強さに差がありすぎると、ごく稀にだが失敗する。 ---ドイツの切り札であるはずのフライハイトは必殺シュートのウォッシャードライブにエリア外補正がないため、若林であっさりとキャッチできてしまう。色々残念である。 ---浮き球バグの影響でエリア外なら無敵の若林がザコのボレーで失点してしまうので、その辺りゲームとしてのバランスは取れている。 -前作から新キャラ追加やパラメータ調整された結果、能力やストーリー面での持ち味が薄くなってしまったキャラが存在する。 ---フランスのピエール、ナポレオンは今作登場のピピンによって影が薄くなった(本編中で「オレたちを わすれるなよ!」と言う台詞が出てしまうほど)。アモロは今までのテクモ版では強めだったが、''本作から原作再現の弱さになった''。 -前作で圧倒的な強さだったドイツ陣は、既存メンバーが総合的に弱体化した。シュナイダーは前作の切り札だったネオファイヤーショットが凡庸な威力になりストーリーでもいまいち目立たず、ミューラーは能力では若林と互角だが、SGGK補正がない。 --カペロマンは前作で破格の扱いを受けていたが、本作ではライン際でのステータス補正が消失、サイドワインダーの威力も低下、挙げ句の果てに一部シナリオで最後までベンチ入りとかなり不遇の扱いになってしまった。 --その代わりラスボスチーム版は、フライハイトの前半のこぼれ球完全フォロー能力によってかなり厳しい戦いを強いられる。また、ポブルセンの追加によって地上戦で戦える選手が増加した。 -ブラジルも前作までと比べて全体的に選手の能力が低下。カルロスやゲルティスは同年代のエースに比べて基礎能力が1ランク低下。しかもすぐ地上必殺シュートを撃ちたがる選手が多く、若林のSGGKキャッチの絶好のカモに((本作でブラジル戦があるルートでは、全て若林が加入した状態で戦う))。 --前作までオランダユース所属だったイスラスとリブタはスタメン落ちし、クラブチームのアヤックスでのみ登場する。イスラスはII時代にはシュナイダーに匹敵する逸材と言われていたのだが……。 --今までの作品でイマイチな扱いだったアルゼンチン((ディアスの大幅強化とバティン、カージャレコンビ加入。ただし今回サトルステギはいない))やラスボスの1チームに昇格したイタリア((ストラット、バンビーノ、リベリ、ジャシント、ゾフ、ロッシが加入。ヘルナンデスやランピオンも健在))等扱いがよくなったチームもある。 --本作ではウルグアイのナショナルチームが存在せず、ビクトリーノやダ・シルバはウルグアイのクラブチームのモンテビデオ所属で登場。新キャラのサルバトーレ加入により攻撃力は増している。 -ミラン(クラブチーム)の異常な強さ --現実世界でもイタリアの名門クラブチーム。本作では下手なナショナルチームより強い扱いをされており、更に本編の試合では必ずサンパウロで相手をしなければならず、非常に厳しい戦いを強いられる。 --ミランカルテットのオランダの主力三人(ファンベルグ、ニスケンス、フーリア)&フランスのストライカーピピン、イタリアのDFゾフ((平均レベル参照で必殺技はないが、DF能力だけなら本作最強。更に''守備時はコインブラを凌ぐ3倍速でフォロー能力も異常''))とロッシ、FWのストラット(ストラットのミラン帰還時のみ)、MFバンビーノとエースが勢ぞろいのチームでモブの能力も高い。GKのオイガは全シナリオを見てもトップクラスの能力の持ち主で下手な原作キャラよりも強い。更に今作の中ではできの良い専用のBGMまで用意されている。 --ヨーロッパ遠征編の分岐試合ではストラットがこちらにいて、フーリアが前半出場していないがそれでも厳しく、勝利時の分岐点を通る場合ゲーム中最大の難関と呼べる試合になる。しかもこちらのGKが弱いレナートなので事実上ノーガードを強いられる。最低でもモブの攻撃はカットできないと、チャンスもまともに作れない。救いはミランカルテット以外のレベルが平均参照であることくらい。 ---ヨーロッパ奮闘編では負けても先に進めるが、こちらは「ストラット離脱&戦力補充なしの最弱サンパウロ」で、フーリアも最初からいる。更に後半からピピンに代わってメガロゾーンシュート持ちのストラットが出てくるので勝とうとすると更に厳しい。ワールドクラブカップ編では負けると強制再戦だが、こちらも新戦力が増えている上、後半参加のストラットはメガロなしなので意外と難しくない。ジャイロカップ編のみ戦わずに済む。 -相変わらず敵に回ると極悪な強さの日向と若島津 --日向と若島津は全てのルートで一度敵として戦うことになるのだが、強さが尋常ではない。分岐試合のメキシコでは基礎能力が下がった弱体化バージョンだが、レベル補正が高いのでそれを感じさせない。 --一度ボールを持ったが最後、無限ガッツを良いことに強引なドリブルで次々と味方を吹っ飛ばし、容赦なくライトニングタイガーをぶち込んで来る。日向のワンマンショーの体感的な難易度はミラン戦とも遜色がなく、運が悪いと冗談抜きで負ける。なおルートによっては沢田も一緒にいて、その場合更に東邦コンビでの切り込みも加わる。相方の若島津も強く、地上からの必殺シュートは(牙龍)三角飛びにより高確率でキャッチされるため、ドリブル突破か空中必殺技でないとゴールは難しい。(空中技は敵DF、および接触状態になって浴びせ蹴りを使われないように注意が必要) ---分岐試合では選手層が厚く、選抜戦を(一応)勝ち抜いたGKメオンがいるので3発中1発程度なら自力で守れるのが救いか・・・ --味方に加入してくれればもちろん頼りになる。後半加入なので試合を飛ばさなければ浮き球シュートもかなり強くなり、最初の分岐で勝っていれば最強クラスの地上必殺シュート、ドラゴンタイガーも修得する。 -オリジナル主人公の扱い --開始時に名前を入力するのに''二回目の分岐試合(メキシコ戦、ミラン戦)で勝利しないと使用できない''。本作は負けルートの方が難易度が高い傾向にあるため、そこで使用できないのはかなりの痛手。また、加入してもポイントの振り分けを間違えると完全に空気化してしまう。オリジナルシュートはあるが、キックとわざに極振りして浮き球バグ込みの浮き球シュートを打たせる方が強くて燃費もいい。 ---分岐試合勝利時のボーナスキャラ扱いなら加入決定時に名前を入力すれば済むはずなので、本来は全シナリオで登場させる予定だったのだろう。 -「KAZU」((オールスターのエディットでしか使用できない。 元ネタは三浦知良か?))の扱い --オールスター戦終了後に毎回ピックアップされており、抜かれた時のカットインがSDだったりシナリオクリアごとに必殺技が追加されていく等オールスターでの目玉キャラのような扱いをされているが正直微妙な存在である。 --分岐ルートでオリジナルキャラの変わりに助っ人のような形で登場する、オリジナル主人公のライバルや先輩として登場させる、全シナリオクリア時の最後の敵として出すとかもっと出し方の工夫があるように思えるのだが・・・ -石崎の性能の見直し。 --必殺ディフェンス、顔面ブロックが必中ではなくなっている。今回は研修という形で序盤から居てくれるため必然的に頼ることになるのだが、大量のガッツを消費して不発はいただけない。 --ただしIIIで殆ど使い道がなかったヤマザルバスターは強化され、格上のGKにも決めやすくなっている。ルート限定だがヤマザルタックルという待望の必殺タックルも修得可能になった。顔面ブロックだけの一発屋だったこれまでよりも総合的な使い勝手は良くなっている。レベル差の影響が大きい本作では、石崎のレベルを平均より上げれば地上の要として立ち回ることも可能。 --浮き球バグの被害を最も受けているのは石崎。ただしこれまでも空中での競り合いは苦手だったので、相対的に評価は落ちていないという見方もできる。 -どういうわけか本作では早田系のグラフィックを持っている、又は過去作で早田グラだったキャラは総じてステータスが低く冷遇気味(早田、ベルナルド、ディウセウなど)。 --それでも早田は便利な必殺技が多いので、司令塔としての役割は一応果たせる。特に日本凱旋編では国内リーグの選抜試合全てに出場し、イベントでも他のルートより出番が多い。 ---- **賛否両論点(ストーリー面) ネタバレが多いので折り畳む。 #region(あらすじ紹介。全面的にネタバレ注意) ''Aルート:ジャイロカップ'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。 -[ブラジル代表]中南米最強の座を賭けて行われるラテンアメリカカップが開催される。その国のリーグに参加していれば他国籍の選手も出場できるというルールのようで、ブラジル代表として出場する翼。さらにイタリアのストラットや、ブラジルのスーパーストライカー・コインブラ、カルロスなど、錚々たる選手が揃っていた。しかしその条件は他国も同じ。メキシコ代表には日向と若島津が参加していた。日向との戦いを制して、翼はラテンアメリカカップに優勝する。 -[南武大フースバル]翼は日本に凱旋帰国する事になった。その日本では、翼の壮行試合を行うために選抜試合が行われる。新田・早田・森崎ら南武大フースバルの面々は、大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加) -[サンパウロ]こうして選出された日本選抜チームを相手に、サンパウロを率いる翼は勝利を収めて、プロで鍛えられた実力を見せる。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -[全日本]翼が帰国したことで全日本代表チームが本格的に動き始める。練習試合として海外チームとの試合が組まれるが、そこには海外でプロになった松山や岬が所属していた。そしてアルゼンチンのディアスが所属するチーム・アルヘンチノスとも対戦。ディアスは翼の必殺シュート・サイクロンを身につけ、さらに手強い相手となって立ちはだかる。 -[全日本]伝説のスーパーストライカー・ジャイロの功績を讃えて世界大会「ジャイロカップ」が開催される。アジア予選を勝ち抜き、さらにアルゼンチン、ブラジル、フランス、イタリア、ドイツと並み居る強豪を撃破していく。その最中、これまで使用していた必殺シュート・ネオサイクロンの欠点を指摘され、かつてのサイクロンを改良した形に修正していく。一方、プロの大先輩ファンベルグが率いる強豪オランダは、翼と同じくサイクロンを操るディアスのアルゼンチンを「問題では無い」と軽く撃破していた……。 -翼たちは決勝戦でオランダと対決。それはこれまでのような必殺技が飛び交う派手なチームではなく、プロの高い実力に裏打ちされた堅実かつ圧倒的な技量で戦うチームだった。翼はファンベルグとの勝負でプロの厳しさを思い知らされながら、彼に食い下がっていく。サッカーを心から楽しみ、そして勝利への執着心を決して忘れない。プロの心構えを学んだ翼はオランダに勝利してジャイロカップ優勝を飾り、その成長ぶりをファンベルグは賞賛するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -本作最強の敵選手ファンベルグがラスボスになる正統派のストーリー。全勝ルートという事もあり、これが一応の真エンドという印象。 ''Bルート:サッカーグランプリ'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。 -[ブラジル代表]中南米最強の座を賭けて行われるラテンアメリカカップが開催される。その国のリーグに参加していれば他国籍の選手も出場できるというルールのようで、ブラジル代表として出場する翼。さらにイタリアのストラット、ブラジルのスーパーストライカー・コインブラ、カルロスなど、錚々たる選手が揃っていた。しかしその条件は他国も同じ。メキシコ代表には日向と若島津が参加していた。&font(red){ガッツ無限の日向の前には翼・ストラット・コインブラ・カルロスを擁するブラジルですら為す術も無く、翼たちは敗れてしまう……。} -[サンパウロ]ラテンアメリカカップで敗れた翼は日本に帰国せず、そのままサンパウロでプレーを続けることにした。サンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。殺人サッカーのポブルセン、サッカーで大金を稼ぐ事のみを誇るマッツォ、サッカーを楽しみチームを愛する名GKディーノといった人々と出会い、翼はプロの様々なスタイルの選手と触れ合っていく。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、そこにストラットも復帰していた。「ポストの方がまだマシだぜ」とまで罵倒されるザルGKレナートで、若林からPA外から5点奪うファンベルグをどうやって防げと言うのか。だが幸いこれは練習試合。実は負けても先に進める。 -[全日本]世界大会「サッカーグランプリ」が開催される。翼は日本に帰国し、日本代表として戦っていく。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -トーナメントでは後になるほど強いチームとは限らない。ブラジルとはかなり早い段階で当たり、さらにファンベルグらを擁するオランダ、シュナイダー達のいるドイツともトーナメントの途中で対戦する事になった。決勝の相手はストラットが率いるイタリア。そのゴールはジノ・ヘルナンデスが守り、さらにプロのDFたちは必殺技は無いがとてつもなく高い能力値で立ちはだかる。翼はストラットとの勝負を制してサッカーグランプリに優勝。ストラットはセリエAで勝負しないかと翼をヨーロッパに誘う。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -序盤の頼れる仲間・ストラットがラスボス。同時に、同じイタリアのヘルナンデスがラスボスとなるルートである。マッツォとディーノのイベントも趣深い。 ''Cルート:親善大会'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。 -&font(red){だが、練習試合では敵に敗れてしまった……。} -[サンパウロ]練習試合で敗北したサンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、ストラットがかつて所属していたチームだった。大怪我から復帰してきたストラットの親友バンビーノは、負い目を感じてまともに戦えないストラットを叱咤し、二人は和解を成し遂げる。試合後、ストラットはミランに復帰し、翼たちとは別れるのだった。ところでこの試合はルート分岐がかかっており、勝たなければ先に進めない。「ポストの方がまだマシだぜ」とまで罵倒されるザルGKレナートで、若林からPA外から5点奪うファンベルグをどうやって防げと言うのか。おそらく本作最高難易度の試合となるだろう。 -[スクデットジャパン]強敵ミランを撃破した翼は日本に帰国。スクデットジャパンに入り、「スーパージャパンカップ」に参加。大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加)''ここで初めて翼と森崎が対決。森崎が死力を尽くして翼のシュートを防ぐ名イベントがある。'' -[全日本]ドイツで親善大会が開催される(3で示唆されていたユニバーサルカップとは違うのだろうか)。全日本も出場することになり、翼はその一員として参加する。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -全日本はストラットが復帰したイタリア、強豪オランダ、ブラジルを倒して決勝に進む。決勝戦の対戦相手は地元ドイツ。シュナイダーやミューラーなどこれまで戦ってきた選手たちはもちろん、ドイツには秘密兵器、旧東ドイツの天才フライハイトが加わっていた。雨天試合で最高の実力を発揮するフライハイトに苦戦するものの、試合後半では雨が止み、勝機が訪れる。こうして翼はドイツを破り、親善大会に優勝するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -サンパウロ(GKレナート)でミランに勝てという地獄のルート。フライハイトと戦えるのはここだけ。翼vs森崎のイベントが見所か。 ''Dルート:ワールドクラブカップ'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。 -&font(red){だが、練習試合では敵に敗れてしまった……。} -[サンパウロ]練習試合で敗北したサンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、ストラットがかつて所属していたチームだった。大怪我から復帰してきたストラットの親友バンビーノは、負い目を感じてまともに戦えないストラットを叱咤し、二人は和解を成し遂げる。試合後、ストラットはミランに復帰し、翼たちとは別れるのだった。ところでこの試合はルート分岐がかかっており、敗北時は別ルートに行く事になる。「ポストの方がまだマシだぜ」とまで罵倒されるザルGKレナートで、若林からPA外から5点奪うファンベルグをどうやって防げと言うのか。&font(red){圧倒的な戦力差の前にサンパウロは敗北した……。} -[サンパウロ]ブラジルに帰国したサンパウロに朗報が入る。怪我で離脱していた本来のゴールキーパー・バモラが復帰したのだ。しかしストラットが退団してしまったため、戦力を補充するためベテラン選手ネルソンを獲得、若手のマウリシオを昇格させる。翼はネルソンの薫陶を受けて自身の甘さを引き締め、また我が儘なマウリシオを改心させて成長して行く。日本から自費研修生として新田がチームに参加し、ストラットを欠くもののサンパウロの陣容は固まっていく。 -[サンパウロ]日本でクラブチームの大会「ワールドクラブカップ」が開催される事になった。翼は全日本の一員として出場を要請されるが、サンパウロからの出場を決める。世界各国のクラブチームは、ディアスとパスカルのいるアルヘンチノス、日向と若島津のいるメキシコシティー、シュナイダーのいるバイエルンなどが揃い、中でもミランが最も手強い対戦相手となる。そして決勝戦では日本クラブ選抜と戦う。翼と日向以外の全日本と言った戦力の特別チームで、明らかにここだけクラブチームでは無い。ともかく翼はワールドクラブカップに優勝する。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -全日本に参加せず、最後までサンパウロで進めるのが特徴的なルート。バモラ、ネルソン、マウリシオの加入はここだけ。 ……と、4つのルートに分岐するが、大きく変化するのはDルートの「最後までサンパウロで進む」だけ。&br()A、B、Cはあまり変わらない。各国代表は戦う順番が変わるだけで、戦うチームは結局同じだからである。&br()ルート分岐による他国の戦力変化は、ドイツにフライハイトが加わるかどうかぐらい。 エンディングは細部が違うだけで大筋は共通。&br()全ルート「早苗に謝ってイタリア行きを決める」になっており、ブラジルでプレーを続けたり、早苗との結婚を優先して日本でプロになるといった展開は無い。 #endregion #region(サイクロンについて) -今作にも深く絡んでくるサイクロンだが、シナリオによってはIIIのネオサイクロンを事実上否定する流れになり、前作の成長フラグをへし折っているように見えなくもない。また、ジャイロカップ編以外では翼の改良版サイクロンは登場せずに終わる。 --あくまで「翼のサイクロン」でありシリーズ通して完全な「ジャイロのサイクロン」は登場していない。前作のネオサイクロンも翼の足の負担を抑える為に苦肉の策で編み出したような物なので今作で改良されるのは当然と言える。 #endregion #region(バンビーノ!ゆるしてくれ!) --ストラットがケガをさせてしまいトラウマの原因を作ることになったバンビーノだが、その必殺技は''相手を吹き飛ばすショットガンドリブル''であり、これをプレイヤーから突っ込まれることは多い。これだと普段からバンビーノは他の敵選手を吹っ飛ばしまくっていることになり、ケガはむしろ自業自得にすら思えてしまう。 --バンビーノ自身はケガの件を根に持っておらず、ヨーロッパ遠征編での試合終了後には帰ってきたストラットを暖かく迎えているので後腐れなく終わるのが救いではある。 #endregion #region(チーム選抜に関する疑問) -一部の選抜で能力の高い無名GKが外され、前作からのキャラや原作キャラが選出されている。恐らく勝敗の結果で選出していると思われるが、そうすると彼らがほぼ全ての試合を無失点かそれに近く抑えていることが前提でシナリオが進んでいることになる。 --南米編のラテンアメリカカップの選抜試合では、そのシナリオに出てくる最も強いGKのタファエル((必殺セーブは持たないが総合能力がゲルティスより上で、メオンはもちろんこのシナリオでは負傷しているバモラよりも強い。))は選ばれず、メオンが正GK、レナートが補欠に選ばれている。メオンはレナートよりは強いが、それでも本作のGK全体では下の部類に入る。 --日本凱旋編でサンパウロが戦う「日本選抜」のGKが最弱の森崎。能力で選ぶなら南葛ウイングスの「くわた」を選出すべきなのだが……。 ---ちなみにプレイヤーキャラも選抜入りしているが、この試合ではベンチにいるため戦うことはできない。 -選抜とは無関係だが、スーパージャパンカップ編では自チームであるスクデットジャパンのGKがモブ選手の「かわぐち」になっており、彼の能力は標準的。身も蓋もないことを言ってしまえば、強いGKが選ばれないのは''GKが強すぎて楽勝、あるいは点が取れなくて苦戦するのを防ぐため''だろう。単に上述の強い選手たちはすでに代表引退したベテランであるという事かもしれないが。 -アモロの原作の弱さが再現されたために、フランスはナショナルチームでもGKの質がワーストレベルになってしまった。本作では岬の所属するマルセイユに優秀なGKのティトがいるが、やはりフランス代表GKには選ばれていない。 --ただしフランスのクラブチームであるボルドー版のアモロは基礎能力が強化され、キャッチやパンチングが若島津より高い。しかしそれでもティトには負ける。 #endregion #region(ハーイ、サルくん。ユーもプロになったんデスカー?) --前作でも色々な意味でインパクトのあるミハエルの行動でプレイヤーを驚愕(?)させたアメリカだが今作でもミハエルと石崎のコミカルなイベントが発生する。更に今作では''ジェントルマンなキャプテン(ミハエル談)''ジャックも登場する。 ---普段はミハエルの言うように紳士的((試合前:ハイ! おたがいにフェアプレーでがんばろう 試合後:しあいちゅうは らんぼうなことをしてすまなかった))なのだがボールを蹴ると人格が変わりものすごいラフな性格((「おらァ! どけどけ!!」 アナウンサー:ジャックくん!あらしの ような ドリブルだあ!にほんチームのせんしゅたちを こっぱみじんに ふきとばす!!))に変貌するというキャラクターである。 --石崎からは「''こいつのどこが しんしてきなんだ!''」と突っ込まれている。ただ後述のポブルセンとは違い、コメディ要素が強いためあまり問題にはされていない。 #endregion #region(ポブルセンに関する問題) -ハンブルガーSV所属でドイツ代表の新キャラ・ポブルセンは「勝利のためには手段を選ばない選手。かつてサンパウロに自分を売り込みに行ったが、ロベルトに入団を断られたことからブラジルのチームに強い敵意を抱くようになった」と言う設定で、シナリオ分岐によっては重要な立ち位置にいる人物。しかし、無茶苦茶な行動原理やテキストの説明不足のせいでプレイヤーの間でも解釈が分かれている。 -サッカー選手としての実力は高く、ロベルトもその点は認めている。 --しかし、使う必殺技が選手を全員吹っ飛ばすフレームドリブルや''マーダー(殺人)ショット''、更には''試合中に「しね ツバサ!!」「くたばれ ツバサ!!」等の台詞と共に直接本人へシュートを叩き込んだり、ドリブルで吹き飛ばしてくる''など、明らかにスポーツマンシップから逸脱している。 --勝利への執着心が過ぎる余り、敗北を認めようとしなかったり、サッカーの競技性を軽んじているような言動も多い。~ ジャイロカップ編では翼に対して「へっ あまちゃんが! ''サッカーなんぞようは かてばいいんだよ かてば!''」と、プロサッカーそのものを舐めているような発言をしている。''彼がただ純粋にサンパウロや翼を憎んでいるだけならば、このような台詞は出てこない''。更にこのルートでは負けた後、敗戦を悔やむシュナイダーの前で翼を罵倒する始末。 ---ただし原作でも反則上等な場面がかなり多い作品であるのでそこまで違和感はない。 -ポブルセンは翼の噂は知っているが、初対面となるのは本編中。それにも関わらず「オレと けいやくしなかったサンパウロ! そこのエース(翼)をつぶしてこうかいさせてやる!!」と吐き捨てる。翼に対する憎悪は''ただの被害妄想と八つ当たり''でしかない。ハンブルガーSVのスタメンやドイツ代表の地位も得ているにも関わらず執拗に拘る様は異常としか言えない。翼も「そんな ひがみこんじょうで サッカーをするな!」と怒りを露わにするほど。 --翼が来る前からエースだったストラットに全く言及がない点を鑑みると、''逆恨みの捌け口は今のサンパウロのエースなら誰でも良かった''ということになる。''入団を蹴ったロベルト本人を直接狙おうとせず''、その教え子とは言え直接面識のなかった翼を狙うと言う発想をする辺り、元からかなり歪んだ性根の持ち主であることが伺える。 --他の南米チームもポブルセンの獲得はしていない。彼の発言を見ると今でもサンパウロに相当の未練がある様子のため、サンパウロにしか興味がなかったようにも受け取れるが詳細は不明。 ---本作のロベルトは荒れていたストラットや協調性に欠けるマウリシオも受け入れる等、懐は広い方に描かれているが、そんな彼でさえポブルセンだけは断っている。理由として「サッカーを全く楽しんでいなかった」と翼に話しているが、これは入団テスト時にそのような彼の本質を見抜いたからであろう。 -ハンブルガーSVがポブルセンを入団させた経緯も不明。ただ本作では若林とポブルセン以外に主要選手がいない(メッツァやカペロマンはおろか、原作で所属していたカルツすらいない。IIIの時と違っていない理由も語られない)ことから、彼を入団させなければならないほど戦力的に逼迫していた可能性はある。 --若林は「すまんな、つばさ。あいつはむかし、なんべいのプロチームにはいろうとしてきょひされてな それいらい なんべいのチームにはあんなたいどをとるんだ ねは いいやつなんだが」と言い、彼に配慮を見せている。しかしポブルセンの性格からすれば、チーム内で孤立しているであろうことは想像に難くない。 -何よりも大きな問題は、ポブルセンの境遇・性格について作中で全く解消される事が無く、ただ捨て台詞を吐いて終わってしまう、後味の悪いまま放置されてしまった事である。「翼との戦いで本来のサッカーの楽しさを思い出す」「ロベルトと再会してわだかまりを解く」と言った解決、あるいは「ブラジルを倒して本懐を遂げる」と言う結末が用意されるべきではなかったか。似たような問題児であるストラット、マウリシオ、次作のシニョーリにはそうしたイベントがあったのに……。 -これだけインパクトのある新選手ながら、ドイツがラスボスチームになる海外遠征編では一切イベントがなく、完全にフライハイトにお株を奪われている。 -今作では(主人公サイドの引き立ての為か)現役プロ選手のキャラがプロに昇格したばかりの選手を軽視して突っかかってくる描写が多いので彼もその流れに呑まれた可能性も高い。 --サッカーはチームプレイが重要なスポーツであり、それを心得ているロベルトが「かれをいれれば、サンパウロはかくだんにつよくなっただろう。」と評価している事から、少なくとも自己中でワンマンなだけの選手では無いと思われるが… ---フライハイトは海外遠征編でしかイベントがないので自重しているとも言えなくもない。この事からあくまで敵チームなどに対して闘争心を剥き出しにする性格なだけでチームメイトとは普通に付き合うようなキャラである可能性もある。 -ロベルトの選手に対する采配やチーム運用を見るとこうなってしまうのもやむをえない面も(後述)… --またストラットに関しては荒んだとは言え名門チームであるミランでレギュラーを務める程の選手でありプロに昇格したばかりの翼とは評価が異なるという面も考慮するべきである。 -なお、原作者が後年執筆した原作ワールドユース編に登場する『ステファン・レヴィン』が彼との引き合いに出されることがあるが、レヴィンシュートはあくまで「破壊力があるだけ」のシュートである。選手達が負傷したのはシュートを止めに行った為であり、女神像を破壊したり殺意を抱く描写もされたが少なくとも故意に殺そうとはしていない。 #endregion #region(ロベルトの行動に関する問題) IIでも翼びいきに見える(ただしイベント演出上の関係で違和感を感じにくかったが…)ブラジルチームでの采配が疑問視されていたが、今回もチームより個人への情で行動している部分が見受けられる。今回はII以上に監督として問題のある行動が目立つ。 -''代替戦力の確保の目処が立たないままストラットを放出'' --シナリオの途中(ミラン戦でバンビーノ、ラテンアメリカカップ中に恋人のミアータから)戻って来る様に言われて''あっさりミランに戻ってしまう''が、ロベルトは引き止めもしない。まあ、''プロ選手としての責任を果たさずミランから逃げたり、戻ったりするストラットもストラットだが…'' ---ラテンアメリカカップ編(選抜試合時)にミアータと遭遇する。普通に考えてチームの拠点に一般人を入れる事はまず無いと思うのだが、''応対しストラットと対面させたのはロベルトである。'' ---ミランへの復帰は''ロベルトの協力''もあっての事である。一応ストラットは前述の問題でミランから逃げるようにサンパウロに入団してたので立ち直った彼の意思を酌んで復帰させたのだろうが、普通に考えて''チームでもトップクラスのストライカーを簡単に手放す事は監督としては失格行為''だろう。 ---それにいくら翼が強いと言っても、彼に頼った戦術には限界がある((IIIで二度選手生命の危機に見舞われているし、VではセリエAのレッチェに移籍した))。 -ブラジルリーグOP編ではシナリオ進行に応じてサンパウロへバモラ、ネルソンが加入。更にワールドクラブカップ編ではマウリシオ、新田と計4人の選手補強が行われる。 --しかしバモラはケガからの復帰組で厳密には補強とは言えず、ネルソンは片桐からの紹介を受けての補強、新田は自費研修生として押しかける形で参加している。ロベルト自身の手で補強した可能性がある新戦力はユースチームから昇格した問題児のマウリシオのみ(劇中のテキストを見るだけでは、ロベルトが招集したとは断定できない)。 ---更にこのシナリオではロベルトが''ストラット退団後''に「やはりストラットのぬけたあなはおおきいな。なんとかしなくては…」と言っており、''代替戦力を確保できていなかったのがはっきり分かってしまう''。 --ヨーロッパ奮闘編では、全試合をストラットが抜けて補強が一切ない状態のサンパウロで戦わなければならない。既存戦力を底上げするというのはチーム方針として間違っているとは言えないが、まともに戦うと全ルートでも屈指の難易度を誇る。このシナリオはブラジルリーグOPと同じ時間軸のifシナリオであるため「''運良く片桐や新田がサンパウロに来なかった場合どうなるか?''」という状況を描いているとも言える。 -全日本監督に就任 --サンパウロ時やラテンアメリカカップ等ブラジルで監督を務めていたのに翼が全日本に合流するルートでは''全日本監督に就任している。''一応説明はある((親善大会のルートでは日本のサッカーを世界と対等にすると言っている))ものの全日本合流直後に唐突に説明されるので困惑してしまう。 --Vでも全日本監督に就いている事からテクモ版では正史扱いとされている様だ。一応、翼にプロとしての心構えを語るイベントがあるのでいるだけの存在ではない。 -翼びいきは相変わらず --ポブルセンの入団拒否に関しては前述の通り一見何の問題も無いようだが…実はポブルセンの性格面での問題は''翼の加入当時すさんでいたストラットも当てはまる内容''である。 ---ポブルセンの歪んだ性格描写はロベルトが翼をレギュラー入りにする為(なお、加入当時の翼の選手位置は8番)に断られてプライドを傷つけられたせいと可能性もありうる。自分と同じような境遇の選手がキャプテンで昇格直後の選手(翼)優先で断られ、その選手が元名門チームの選手を踏み台にする形で速攻でキャプテン就任では「プロをなめるんじゃねぇ!!!」と敵意をむきだしにするのは当然とも言える。 --また上記の選手補強にしても知人の紹介で容易に断れないし先輩ポジションとして翼を成長させてくれそう(ネルソン)、チームの古参でポジション的に翼と活躍がかぶらない(バモラ)、翼の後輩、新人なので能力面で翼を上回る可能性が少なく翼の引き立て役に最適(新田、マウリシオ)と''どう考えても翼を超えそうな選手を嫌っている感が強い''(事実、トラウマから立ち直ったストラットは早々にミランへ送り返している)。 ---大げさな考察と思われがちだが既に前々作で敵対している状況でサイクロンのヒントを教えたり、切り札とも言える選手を決勝後半で(チームメイトにも事前に知らせずに)唐突に出すといった自分が監督を務めたチームすらも踏み台にしている(あくまでプレイヤー視点であるが)前科があるので余計にそう思われやすいのである。 --「''ロベルトがポブルセンを獲得しておけばサンパウロでの試合が楽になった''」と考えるプレイヤーも少なくない((実際、初期サンパウロの選手は翼・ストラット・石崎以外は低ステータスの選手ばかり、上記のロベルトの評価も考えればなおさらである。))。 ---翼と出会って人間面で大きく成長した日向やトラウマを克服したストラット等を見ると彼もサンパウロ入りしていればもう少しまともな人格になった可能性もあったし、翼にとってもいい競争相手となる選手だったのでその面でも惜しい。''そしてなによりサンパウロ編でのプレイヤーの苦労は軽減された筈である。'' -翼以外の選手にはぞんざいな扱いでストラットやマウリシオといった問題児の面倒を翼達に丸投げしているように見える --ストラットは過去のトラウマからタックルを過剰に恐れ、事ある毎にチームメイトに当り散らすと言う下手をすればポブルセン以上の問題児である。にも関わらずロベルトはストラットのプレイ内容や素行に関して''全く咎めようとせず''キャプテンに就任させている。 --マウリシオも荒れていた頃のストラットを思い浮かばせるような問題児で、先輩である石崎や新田に悪態をついたり、必殺タックルを覚えた''チームメイトの石崎にタックルを仕掛けてボールを奪う''などやりたい放題。しかし翼はそんなマウリシオをあくまでも友達として扱いかばう。やがて、翼との会話を経て良い後輩ポジションのキャラに変貌する。 ---しかし最初の紹介以降マウリシオの出てくる場面にロベルトが出て来ないため、結果として翼達にマウリシオの面倒を丸投げしているように見えてしまう。 -Vではこういった描写は改められ、翼や日向などの主力選手に頼りすぎている全日本の状況を憂慮し主力選手抜きでアジアカップを戦うことを決意し、新田が全日本へ合流を拒否した際は自ら説得に赴く等監督としての勤めは一応果たしている。 -色々問題視されている原作では、翼の成長に涙ぐみ原作版サイクロンともいえるスカイウイングシュートを伝授したが、サンターナにも伝授しサリナスに対策を施し、きちんと日本に対する対策も怠らず試合に臨んでいる。また、番外編でもブラジルの監督としてまともな采配をしており、きちんと公私を弁えた監督として描かれている。 #endregion #region(シナリオとゲーム上の能力設定のギャップ) -今回のブラジルはデンマークに0-6で敗北するルート((原作ワールドユース編は「新キャラの強さを目立たせるため、既存人気キャラのいるチームを盛大に噛ませ犬にする」と言う描写を本作以上に多用し、ファンから大きな批判を受けた。))があるが、実際にオールスターモードで試合をした場合、デンマークの実力ではGKのシューマッハ以外のプレイヤーの能力が低く、精鋭揃いのブラジルにはまず勝てない。 --更に言えば本編で日本が試合をする時も、シューマッハからは普通に得点可能である。シューマッハはカルロスとコインブラを完封した程のGKなのだが…。((合計能力値は108。ヘルナンデスや若島津よりちょっと上くらいの能力でコインブラを完封できるとは思えない。)) --Vでのあまりの弱体化から察すると監督交代後に選手の総入れ替えが起こった模様。新選手たちを見る限り''今作までのブラジルレギュラーを相当過小評価している''人物だと思われる。今回のあまりの惨敗でブラジル国内に暴動でも起きたのだろうか……。 #endregion #region(シナリオの突っ込みどころ) -ワールドクラブカップ編はクラブチームの大会なのに、最後に戦うのは「''日本クラブ選抜''」と反則としか思えないチームとメンバー構成。一部メンバーがナショナルチームとほぼ同じクラブチームは他にもあるが、日本ほど露骨ではない。 --しかも本来ならハンブルガーSV所属の若林、マルセイユ所属の岬、マンチェスター所属の松山までもが、片桐に頼まれたからという意味不明な理由で参加している。ここまで来ると最早「日本クラブ選抜」ですら無い。 ---このルートでの日向や若島津はメキシコシティー代表として出場しているため、日本クラブ選抜には不参加。 -海外遠征編最終戦のドイツ戦でのみ登場するラスボス的キャラクター『フライハイト』。彼は雨天で逆にパワーアップし、専用必殺技も多数追加される珍しいキャラクター。さらにこのシナリオ中に限りこぼれ球を100%回収する。反面、晴れている時はレインボウパスと言う必殺パスしか使えない。 --しかし、このために控えに回されたのがカペロマン(このシナリオのみベンチ入り)。この試合は必ず前半で雨が降り、後半は止む構成になっているのだが、雨が止んでも「あめは やんだが ドイツはまけない!」と言ってそのまま出場し続け、カペロマンは一切試合に出られない。モブ以外の選手をベンチ入りさせるなら、台詞や顔がなく必殺パス持ちと役割が被るメッツァ辺りにすれば良かったと思われるのだが……。 ---他でも述べられているが彼はこのシナリオでしかほぼ活躍の場面がない((オールスターでは天候の設定が不可能なので彼を選択するメリットは皆無))のでこの展開も致し方ないのであるが… -本作のシナリオには翼、石崎、ストラットの3人がブラジル代表チームに加わり、カルロスやコインブラたちと共に南米選手権を戦うという熱い展開が用意されているのだが、実際のFIFAの大会規約では''「その国の正当な国籍を有していない者が、その国の代表として国際試合に出場する事は禁止されている」''と定められているはずである。 --ブラジルに長期間滞在している翼に関してはブラジルの国籍を持っていても不思議ではないが、サンパウロに入団したばかりの石崎とストラットがブラジルの国籍を持っているとは到底思えない。 --原作でもドイツ対オランダの親善試合において、怪我をしたミューラーの代役として若林がドイツ代表として出場し3失点したという話があるのだが、これは国籍以前に非公式の親善試合だったから可能だったのであって、話の整合性がきちんと取れている。本作のようないきあたりばったりな話では無い。 --作中に 石崎「ブラジル人じゃない俺たちも出れるのか?」 ストラット「俺はイタリア人だけど去年は出たぜ」 という会話があり、メキシコ代表チームに日向と若島津が参加している事から、どうも「翼世界では国籍は関係無く、各国のクラブチームに所属していればその国から出場可能」という事になっているらしい。 ---アルゼンチン人のバビントンは帰国したらしく、ブラジルのクラブチームには在籍していない。惜しいことをした……。 -本作のEDでは翼はローマに移籍したことになっているが、続編のVではレッチェに移籍している。 #endregion ---- **賛否両論点(システム面) -オールスターでのバランス --前述のLV1の状態では前作に登場した、モスクワ所属でベルギー代表GKであるラムカーネの弱点が無くなる。前作、今作共に''能力最強だがスタミナが無く、フルタイムでの試合は困難で後半弱体化する''という設定なのだが…。 ---今作の弱体化は''レベルが1になる''と言う物。全員LV1の状態では弱体化せず、前作のミューラー並のバランスブレイカーとなる((若林は特定選手やPE内に踏み込まれるとSGGKが発動しないので勝手を知っているプレイヤー同士だと鉄壁とは言い難い))。ネオサイクロンやドライブタイガーでさえもシャドーシールドで容易くキャッチされてしまい、並の必殺シュートならただのパンチングでも防がれてしまう程なので、ラムカーネ込みでのバランスを考慮するならLv3~4位まで上げた方がいい。 --他にもクラブ、ナショナルチームでの能力バランスが悪く(シナリオ準拠なので当然だが)特にクラブチームでは''ミランを取れば確実に勝てる''ほど差が激しい。 --シナリオ本編では一部敵チーム((主にクラブチームやシナリオ専用チーム))の選手がレベル補正の強化を緩和するため基礎能力が弱体化されたり、一部は逆に強化された状態で登場するが、''全員同レベルのオールスターでもクラブチームでは基礎能力がそのまま''。 ---ナショナルチームやエディットチームはパラメーター自体の変化はないが、ペルーは本編で猛威を振るったオルミーガの吹っ飛ばし能力が消失して弱体化している。 -強引なドリブルに代表される吹っ飛ばし系のドリブルがやたら強い。能力が上だったり必殺タックルを使ってくる相手でも良く吹っ飛ばすし、消費ガッツはIII同様の基準なので単体が相手なら殆ど消耗がない。 --必殺タックルがそれなりには効くが、消費ガッツと成功率が見合わない。 --「ブロック」での反則狙いも一応対策となるが、成功率は5回に1回~10回に1回といったところ。やらないよりはマシだがあまり期待しない方がいい。 --続編のVでは、強引なドリブルは見る影もないほど弱体化している。 -ドリブルで1歩移動する→メニューを開く→閉じる→またドリブルで1歩移動・・・とやると、敵に接触されることなく進むことができる。これをやれば必ずキーパーと1対1までもっていけるので、CPU相手でも詰むということはないだろう。対人戦ではリアルファイト必至なので、もちろん封印推奨。 ---- **総評 このゲーム単体なら典型的な低評価のキャラゲーで済んでいたかもしれないが、シリーズ全体が素晴らしい出来だっただけにタイトルにまで泥を塗る結果となってしまった感は否めない。~ 1周クリアするだけでもかなり時間がかかる仕様なのに、コンプリートにはそれを4周もやらなければならず、作業感は相当なもの。周回を楽にするはずのシステムにも落とし穴があって、漠然とそれに頼っていると痛い目に遭うこともある。売りだったBGMや演出面でも見るべき所が少なくなり、ファンを惹き付ける力は従来作と比べ弱くなってしまった。 しかし分岐によって様々なシチュエーションを楽しめること、突っ込み所はあれどこれまでと違う「プロの世界」に踏み込んだストーリー描写、豊富な選手とチームや必殺技が登場して対戦でも使用可能なことなど、本作ならではの魅力もまた存在する。浮き球バグも厄介ではあるが、上手く利用すれば有利に戦いを展開できるし、ドリブルで切り込んだりエリア外に敵をおびき寄せてフリーにしたりと戦う手段はあり、無理ゲー化はしていない。~ 攻略研究が進んだ現在ではレベル調整の重要性も理解されつつあり、様々な選手を活躍させる必要があるシステムにやり甲斐を見出すプレイヤーもいる。 ''浮き球バグを失くして演出をIIIのままにしてくれたら良作だった''とする意見も多く、その点では開発期間とデバッグに泣かされた悲劇の作品とも言える。~ もし今から遊ぶなら攻略サイトでバグの仕様を理解しつつ、あくまでもストーリーを追うかたちで楽しむのが良いだろう。そこまで''時間とガッツが足りれば''であるが。 ---- **余談 -最初の試合にてレナートがゴールを奪われた際のストラットの発言''「ポストのほうがまだマシだぜ!」''は翼IVの迷ゼリフとして有名。 --ちなみにこのイベントの後、レナートの能力が僅かだが上昇する。 -今作の説明書には必殺技の真似をしないように注意書きが記入されている。 --ちなみに例はスカイラブ。当然ですね。 -のちに[[DOAシリーズ>DEAD OR ALIVEシリーズ]]や[[NINJA GAIDENシリーズ>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]で有名になる板垣伴信氏が初めて制作に参加したゲームでもある。 ----

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