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*スタンバイSay You! 【すたんばいせいゆー】 |ジャンル|声優監督シミュレーションゲーム|&image(http://sce.scene7.com/is/image/playstation/slps00783_jacket?$pkgL$,height=160,http://www.jp.playstation.com/software/title/slps00783.html)&amazon(B00B97ZETK)|&amazon(B000069SUD)&amazon(B000092PB5)| |対応機種|プレイステーション、セガサターン|~|~| |発売元|ヒューマン|~|~| |開発元|メディアエンターテイメント&br;アートスケープ|~|~| |発売日|1997年3月20日|~|~| |定価|各6,090円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|通称「&color(red){''声優魔人''}」&br;あのデス様の低得点記録を塗り替えた&br;ある意味バカゲー?&br;そもそもゲームかどうか怪しい&br;SS版は何故か''18歳以上推奨''|~|~| |備考|サターン版には絵柄違いが3種類あり|~|~| |>|>|>|CENTER:''千葉繁関連作品''&br;''スタンバイSay You!'' / [[ボイスファンタジア>ボイスファンタジア 失われたボイスパワー]] | ---- #contents(fromhere) ---- **概要 声優がアイドルよろしくコンサートまで開く様になった1990年代の「アイドル声優ブーム((Wikipediaでは「第三次声優ブーム」。))」に乗っかる形で作られたゲーム。~ 元々はWindows3.1/95対応で登場した同名のゲームをプレステ、サターンの両機に移植したもの。~ しかし家庭用機で出るや別の意味で凄まじい反響を巻き起こし、「''声優魔人''」の異名を得た最凶の声優ゲーとなった。 **特徴(というか、問題点) -オープニング --ゲームを起動するとまず流れるOPが色々な意味で凄まじい。その内容は以下の通り。 --本作で結成されたユニット「インタラプト・ガールズ」(横山智佐((当時のアイドル声優の代表格の一人。))、篠原恵美、丹羽紫保里)の3人が、暗闇の中「[[暗黒太極拳>センチメンタルグラフティ]]」よろしくいきなり実写で歌いながら踊る。 --まず始まりのイントロでは皆軽く踊っているが、歌が始まると突如棒立ちになり、睨むようなカメラ目線かあさっての方向を見ながらかの2パターンのカットのみで歌う。 --1番が終わると出演声優のキャストや名前が出た後&br;ドデカい文字で「&big{''千葉 繁''}」の3文字が出る。唐突な巨大文字は強烈なインパクトとなり得るだろう。 --そして最後はレコーディング風景とオフショットのようなものが流れて終わる。 #region(繰り返すが、これがOPである…。) |&video(http://www.youtube.com/watch?v=g-qoA8aqKkU){512,384}| #endregion -ストーリー --プレイヤーは声優兼音響監督の千葉氏の弟子となり、前任の音響監督が制作途中で逃げたテレビアニメ「インタラプト・ガール」の代理の音響監督をやることになるという話。 --実写ムービーやカットでいろいろな声優が顔を出して登場しているので、これに面食らう人も多いが、ここまでならよくある実写ゲーである。問題は…… -システムとゲームの流れ --音響監督であるプレイヤーが、声優の演技指導(指摘程度)をしながら音声収録をこなしていくことがこのゲームのメインとなる。%%というかそれしか無い。%% --しかし''適当に選択肢を選べば先に進めてしまう''。選択肢は直後の台詞や一部ムービーが変化するのみで、後の進行にはこれといって影響が無い。この時点で「シミュレーションゲーム」と呼べるかは怪しい。どちらかというと「アドベンチャー」に近いのかもしれないが、そもそもあまりにも薄すぎて「ゲーム」の概念に当てはまるかすら怪しい。 -会話画面や音声収録の他には、スタジオ内を自由に移動するマップ画面になることがある。バラけて休憩する声優達を呼んだり、各所にいる声優と会話し、それぞれの疑問に選択肢で答える。 --この移動マップがRPGツクールで作ったようなチープな代物。しかも移動速度が異様に遅い。他にも背景の判定が雑で主人公が壁の上に立ったり、画面切り替え直後の移動は1秒ほど下向きのまま固定されてカニ歩きになったりと、作りそのものが甘い。また、左下にある二部屋は扉が閉まったまま終始入れないため作った意図がわからない等、全てにおいてグダグダ。 --マップでは時間を掛けすぎるとおネエ言葉のプロデューサーからクビを言い渡される%%クサイ演技の%%ムービーが挿入され、ゲームオーバーとなる。 --演者をまともに呼べないスタッフも問題ではあるが、一時間以上経っても現場に来ない声優も問題である。 ---ちなみに1回目の移動マップでは、これから収録を開始するため休憩中の声優を集めるのだが、その内の1人は自身の収録が中途であるにも関わらず''ダブルブッキングで現場を去る''。 --声優を呼ぶ以外でのマップ移動では、その辺にいる声優と任意で会話し、声優の質問に選択肢で答える。 --しかし選択肢の正否は直後の一文が変わるのみで意味が無く、そもそも話し掛けようとしたら忙しいと言われ会話すら出来ない場合がある。そして2回目以降のマップ移動は任意で、とくにやる意味も無いのにゲームオーバーの概念もあるため、マップ移動そのものが無意味。 -本作のメインとなる(と思われる)音声収録は、「テレフォンサービス用音声」と「アニメ予告編」のみを撮るだけ。アニメ本編は無い。 --テレフォンサービス用の収録は、「台本の確認」「テスト収録」「本番収録」の3つの選択肢がある。 --台本で台詞を確認し、テスト収録でアドバイスをし、本番に挑むわけだが、台本は別に確認する必要は無く、デフォルトの演技が普通なためテストでアドバイスする必要も無い。というかアドバイスすると明らかに棒読みになったり奇妙なテンションになったりするので、そのまま本番収録した方が良い。ちなみにぶっつけ収録だろうと異様な演技であろうとも、''収録は問題なく先に進む''。 --テレフォンサービス用音声の収録を複数回行うとアニメ予告編の収録になるが、これはただ見るだけでプレイヤーが意見を挟む余地は無い。 ---この予告編、アニメの質は良いのだが、音声のみで効果音やBGMは無い((オマケ内のムービーでは効果音やBGMが追加された完全版が見れる。))ため見ていて虚しい。収録時の状態としては間違いでは無いのだが…。 --この予告編が終わると打ち上げになり、簡単な会話とムービーの後に即エンディング。プレイの仕方((音声収録のテストは音声カットが出来ないため選んでると時間が掛かり、移動マップも1回目以降は任意であるため。))にもよるが、一時間前後で終わる。 **問題点 -「インタラプト・ガール」の設定には、キャラクターデザイン、演出、脚本に実在の大物を起用しており凄いのだが、オマケ程度で劇中劇とも呼べず、ゲーム本編と全く関係ない。というかイラストと短いやり取りと予告アニメしか無いため、キャラデザ以外はほぼ無駄遣い((劇中アニメも音声収録も、どちらも非常に短いものでどうでもいい内容のため、わざわざ大物を起用する意味があったのかすら不明。))。(後述) --また、キャラ絵は完成されたものもあれば絵コンテ程度のものもあり、不統一である意図が見えない。 -結構実写ムービーが挿入されるが、コントが安っぽい。また入れる必要の無い意味不明のものもある。 --例を一つ挙げると、横山氏が休憩時間にお弁当を食べようとするシーンでは、江戸っ子の弁当屋(配役不明)に何故か突然ぶちギレられる。カメラワークも弁当屋メインになってるが、何故わざわざこれをムービーにするのかがわからない。''というか意味がわからない''。 --オマケ内には弁当屋に褒められるムービーもあるが、正否の判定は不明。というかムービーの内容から、直前のやり取りがカットされてると思われる((どうやら弁当の選び方で弁当屋の機嫌が変わってるようだが、弁当屋が現場に到着したムービーからいきなりキレられるムービーへと連続で再生され、肝心の選ぶシーンが無い。))。 //---しかし女性声優のボイスはなかなか素晴らしい。%%顔とのギャップを全く考えなければ、だが%% //ただの悪口に見えるので格納。 -声優ゲーをうたっているくせに[[''フルボイスではない''>テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]。 -音声の収録の質が悪く、途切れたり雑音が入ってたりする。音声収録をテーマにした声優ゲーでこれは……。 **その他 -ミニゲーム --本編をクリアするとミニゲームで遊べる。しかし条件が本編クリアというのがきつい。%%というかダルい。%% -紙芝居ツール -イラストと音声を組み合わせ、4コマ漫画を作り鑑賞するというもの。 --イラストは表示されてるものから選ぶが、音声は番号の表示のみと選びにくい。イラストや音声のパターンも少なく薄い内容。 -天国クイズ -声優の声当てクイズ。誰の声か当てるものと、何人で同時に喋っているかを当てるものの、二種類の問題がある。 --誰の声かを当てる方は選択肢に男性声優と女性声優が混在しており、答えが丸わかりの場合がわりとある。同時に喋る方は1人のときがあり、これも丸わかりである。また、15問1セットを3セットもやらされる。 -地獄クイズ -矢尾一樹氏の出題する問題に答えるクイズ。 --しかし内容が支離滅裂であり、クイズにすらなっていない。もはやこのクイズ自体が問題である。まさに地獄そのものであるが、本作で遊べる一本である。 -配役割り振りゲーム -最初に3つのストーリーから選択する。内容は決まっており自動進行するが、新しい登場人物が出るときに好きに配役を割り当てられる。 --あまり中身の無いように見えるが、選択出来る声優は全パターン収録しており、女の子に男性声優や、おっさんに女性声優を当てることも出来る。やり方によってはとんでもなくカオスな物語に仕上がる。こちらも本作で遊べる一本。 -セリフあて -最初に文章が短い時間表示されるので記憶し、次に6つに分けられた単語の中から、最初の文面に無かった間違ったものを探すというもの。 --選択肢は音声で読み上げられるが、テンポが悪い。 -このミニゲーム、どこにあるかと言うと「オプション」にある。このオプションをゲーム起動後に選ぶと''「クリアしてからまた来てね」''とだけ出るので、結果''オプションは無し''という意味につながる。あの充実したオプションで知られた『[[デスクリムゾン]]』ですら一応存在していたのに。 --ちなみにゲームクリア情報は記憶されないので、ミニゲームを遊びたければ起動のたびに本編をクリアする必要がある。どこでもセーブ可能なのでエンディング前でセーブしておけば楽だが、エンディングは飛ばせない。 -ミニゲームの多くはごく普通のゲーム。しかし矢尾氏による「地獄クイズ」が恐ろしいテイストを放っている。 --逝っちゃっている意味不明の問題文とさらに逝っちゃっている意味不明の三択回答が続き、全問が終わると「今夜は焼き魚」の謎のメッセージ((他に「ひまわりレベル」「猿好き」「モスキート級」などがある。正解数には関係無くランダム表示だと思われるが不明。))。 #region(地獄クイズ) -例題1~ 「こんにちは~  タケル君~  手紙~  読んでくれた?」~ ・まだ~ ・返事も書いた~ ・あんた誰?~ -例題2~ 「太郎は何度も~  何度も~  母の名を叫びました~  しかし母は~  遠い異国の地~  その叫びは母には~  届きませんでした?」~ ・うん~ ・…といわれても~ ・答えは12~ -例題3~ 「明日の天気はなに?」~ ・はる~ ・あむ~ ・くもん~ ~ --問題全てがこの調子である。このシュールさが笑えるかどうかは人によると思うが、普通に遊べるバカゲーとして数少ない評価点だろう。 #endregion ……このゲームを未プレイの人は、ここまで読んでも''内容の意味が分からない''だろう。 **評価点 -表パッケージのイラストは普通に良い。そして何故かエロチック((PC版は普通の服の3人。PS版は水着の3人。SS版のみ何故か半裸で何故か3パターン販売。))。 --逆に言えばこれに釣られた犠牲sもとい購入者も居るということだが…。 --パッケージ詐欺とも言えるので、評価になるかは正直微妙なところではある。 -出演声優陣が豪華 --「インタラプト・ガールズ」の3名や千葉氏、上述した矢尾氏以外にも、三木眞一郎氏や大谷育江氏など現代でもよく耳にする名前が多数見受けられる((メインキャストで今現在でも無名なのは1人のみ。情報が一切無いので実績が分からないが、本作内で新人と紹介されている。))。 --各キャストの演技も申し分なく、会話シーンでの音声は無いが、それ以外の音声やムービーは豊富で、声優ゲーとしての名前は保っていると言えるだろう。 -やはりというか何と言うか、音楽はわりと良かったりする。数は少ないが、どれも普通に問題の無いレベル。オープニングも映像がアレではあるが、歌そのものは良い。 -ミニゲームの一つの「配役割り振りゲーム」はその名の通り映像に声優を割り当てるゲームなのだが、やはりというか『[[北斗の拳 世紀末救世主伝説]]』の世紀末シアターのようにハッチャけたキャスティングを楽しむ事ができるとそこそこの評価を得ている。 **総評 要するに、内容が相当薄く、一般的なゲームの水準にも達しておらず、ゲームとは呼べない代物である。スタッフが豪華な劇中アニメに、有名声優の起用。そして声優に演技指導をして収録風景を疑似体験出来るというコンセプトそのものは良かったと思えるが、どうしてこうなってしまったのか。~ 方向性がどこか間違っているミニゲーム等、バカゲー的な要素は無くは無いが、本編の出来があまりに悪すぎて明らかにクソゲーであるという印象を強烈に与えてしまう一品。 ---- **余談 -ゲーム雑誌『セガサターンマガジン』の1~10点・10段階の読者評価において、初登場で平均点1.0769点を叩き出してしまい、当時(評価の低さで)無敵を誇っていた''『デスクリムゾン』の1.0909点を抜き、同誌史上最低の評価を獲得した''。 --冒頭で述べた「''声優魔人''」の異名は同誌編集部より送られたものである。 -セガサターン版は''18歳以上推奨''。理由は不明(パッケージイラストがPS版よりエロイ((主役3人の水着のイラストなのだが、何故か全員上だけ無く、手ブラか髪で胸が隠されている。))から?)。 -本編で見れるムービーのうち、オマケのリストに入ってないものがある。本作のムービーを何度も見たい人間がいるかは不明だが…。 -メインキャストのうち大谷氏と矢尾氏の2人は、何故か移動マップで会話が出来ない。 --またミニゲームでは、メインキャストの中で無名の新人と大谷氏が選べない。%%なんで大谷氏ばっかり…%% -メインキャスト以外では佐々木菜摘氏、安井邦彦氏、松田健浩氏の3名がエキストラとして出演しているが、会話画面では1回出るのみで台詞もわずか一言。声での出演もアニメ予告編で一言のみ。わざわざキャスティングする意味はあったのだろうか?(後述) -更にエンドロールには稲田徹氏や今村直樹氏、小松里賀氏に前田愛氏など、新人声優9人((検索しても情報が一切無い人物もいるため、9人全員が声優かは不明。))がクレジットされているが、どこに出演しているかわからない。 --メイン声優以外の登場人物は、プロデューサーと寿司屋と女性1人の3人くらい。これらはおそらく9人のうちの誰かが担当しているのだろうが、他の6人はどこに…?。 --エンディング直前の記念撮影のようなムービーでは、画面の小ささと画質の荒らさで分かりにくいが大勢の人間がいることが確認出来るので、この中にはいると思われる。しかしこのわずか数秒のラストカットのみの出演というのもおかしいので、本来の出演シーンを丸ごとカットされたのだろうか? --下記のドラマCDに出演しているのかもしれないが、詳細は不明。 //もしドラマCDを持っている方がいれば、キャストの確認お願いします。 -ドラマCDが発売された。 --上記に書かれたわざわざ起用する意味の無い脚本家と演出家、エキストラ声優は、こちらメインで起用されたと思われる。ゲーム内でレコーディング風景のスチルも数枚表示されるが、ゲーム本編と同時に収録されたのだろうか。 --パッケージには始動編と書かれており、ゲーム本編でも色々と展開していく大きな企画と言われているため、もしかしたらゲームの評判が良ければ実際に展開していくつもりだったのかもしれない。%%もしそうなら、まずまともなゲームを作れという話だが。%% -同様のコンセプトのクソゲーには他にも『ボイスパラダイス エクセラ』『FreeTalk STUDIO マリの気ままなおしゃべり』『ボイスアイドルコレクション ~プールバー ストーリー~』『[[アポなしギャルズお・り・ん・ぽ・す]]』などがある。 -およそ半年後には、本作に続き千葉氏が携わった声優ゲー『[[ボイスファンタジア 失われたボイスパワー]]』が発売されるのだが……
*スタンバイSay You! 【すたんばいせいゆー】 |ジャンル|声優監督シミュレーションゲーム|&image(http://sce.scene7.com/is/image/playstation/slps00783_jacket?$pkgL$,height=160)&amazon(B00B97ZETK)|&amazon(B000069SUD)&amazon(B000092PB5)| |対応機種|プレイステーション、セガサターン|~|~| |発売元|ヒューマン|~|~| |開発元|メディアエンターテイメント&br;アートスケープ|~|~| |発売日|1997年3月20日|~|~| |定価|各6,090円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|通称「&color(red){''声優魔人''}」&br;あのデス様の低得点記録を塗り替えた&br;ある意味バカゲー?&br;そもそもゲームかどうか怪しい&br;SS版は何故か''18歳以上推奨''|~|~| |備考|サターン版には絵柄違いが3種類あり|~|~| |>|>|>|CENTER:''千葉繁関連作品''&br;''スタンバイSay You!'' / [[ボイスファンタジア>ボイスファンタジア 失われたボイスパワー]] | ---- #contents(fromhere) ---- **概要 声優がアイドルよろしくコンサートまで開く様になった1990年代の「アイドル声優ブーム((Wikipediaでは「第三次声優ブーム」。))」に乗っかる形で作られたゲーム。~ 元々はWindows3.1/95対応で登場した同名のゲームをプレステ、サターンの両機に移植したもの。~ しかし家庭用機で出るや別の意味で凄まじい反響を巻き起こし、「''声優魔人''」の異名を得た最凶の声優ゲーとなった。 **特徴(というか、問題点) -オープニング --ゲームを起動するとまず流れるOPが色々な意味で凄まじい。その内容は以下の通り。 --本作で結成されたユニット「インタラプト・ガールズ」(横山智佐((当時のアイドル声優の代表格の一人。))、篠原恵美、丹羽紫保里)の3人が、暗闇の中「[[暗黒太極拳>センチメンタルグラフティ]]」よろしくいきなり実写で歌いながら踊る。 --まず始まりのイントロでは皆軽く踊っているが、歌が始まると突如棒立ちになり、睨むようなカメラ目線かあさっての方向を見ながらかの2パターンのカットのみで歌う。 --1番が終わると出演声優のキャストや名前が出た後&br;ドデカい文字で「&big{''千葉 繁''}」の3文字が出る。唐突な巨大文字は強烈なインパクトとなり得るだろう。 --そして最後はレコーディング風景とオフショットのようなものが流れて終わる。 #region(繰り返すが、これがOPである…。) |&video(http://www.youtube.com/watch?v=g-qoA8aqKkU){512,384}| #endregion -ストーリー --プレイヤーは声優兼音響監督の千葉氏の弟子となり、前任の音響監督が制作途中で逃げたテレビアニメ「インタラプト・ガール」の代理の音響監督をやることになるという話。 --実写ムービーやカットでいろいろな声優が顔を出して登場しているので、これに面食らう人も多いが、ここまでならよくある実写ゲーである。問題は…… -システムとゲームの流れ --音響監督であるプレイヤーが、声優の演技指導(指摘程度)をしながら音声収録をこなしていくことがこのゲームのメインとなる。%%というかそれしか無い。%% --しかし''適当に選択肢を選べば先に進めてしまう''。選択肢は直後の台詞や一部ムービーが変化するのみで、後の進行にはこれといって影響が無い。この時点で「シミュレーションゲーム」と呼べるかは怪しい。どちらかというと「アドベンチャー」に近いのかもしれないが、そもそもあまりにも薄すぎて「ゲーム」の概念に当てはまるかすら怪しい。 -会話画面や音声収録の他には、スタジオ内を自由に移動するマップ画面になることがある。バラけて休憩する声優達を呼んだり、各所にいる声優と会話し、それぞれの疑問に選択肢で答える。 --この移動マップがRPGツクールで作ったようなチープな代物。しかも移動速度が異様に遅い。他にも背景の判定が雑で主人公が壁の上に立ったり、画面切り替え直後の移動は1秒ほど下向きのまま固定されてカニ歩きになったりと、作りそのものが甘い。また、左下にある二部屋は扉が閉まったまま終始入れないため作った意図がわからない等、全てにおいてグダグダ。 --マップでは時間を掛けすぎるとおネエ言葉のプロデューサーからクビを言い渡される%%クサイ演技の%%ムービーが挿入され、ゲームオーバーとなる。 --演者をまともに呼べないスタッフも問題ではあるが、一時間以上経っても現場に来ない声優も問題である。 ---ちなみに1回目の移動マップでは、これから収録を開始するため休憩中の声優を集めるのだが、その内の1人は自身の収録が中途であるにもかかわらず''ダブルブッキングで現場を去る''。 --声優を呼ぶ以外でのマップ移動では、その辺にいる声優と任意で会話し、声優の質問に選択肢で答える。 --しかし選択肢の正否は直後の一文が変わるのみで意味が無く、そもそも話し掛けようとしたら忙しいと言われ会話すら出来ない場合がある。そして2回目以降のマップ移動は任意で、とくにやる意味も無いのにゲームオーバーの概念もあるため、マップ移動そのものが無意味。 -本作のメインとなる(と思われる)音声収録は、「テレフォンサービス用音声」と「アニメ予告編」のみを撮るだけ。アニメ本編は無い。 --テレフォンサービス用の収録は、「台本の確認」「テスト収録」「本番収録」の3つの選択肢がある。 --台本で台詞を確認し、テスト収録でアドバイスをし、本番に挑むわけだが、台本は別に確認する必要は無く、デフォルトの演技が普通なためテストでアドバイスする必要も無い。というかアドバイスすると明らかに棒読みになったり奇妙なテンションになったりするので、そのまま本番収録した方が良い。ちなみにぶっつけ収録だろうと異様な演技であろうとも、''収録は問題なく先に進む''。 --テレフォンサービス用音声の収録を複数回行うとアニメ予告編の収録になるが、これはただ見るだけでプレイヤーが意見を挟む余地は無い。 ---この予告編、アニメの質は良いのだが、音声のみで効果音やBGMは無い((オマケ内のムービーでは効果音やBGMが追加された完全版が見られる。))ため見ていて虚しい。収録時の状態としては間違いでは無いのだが…。 --この予告編が終わると打ち上げになり、簡単な会話とムービーの後に即エンディング。プレイの仕方((音声収録のテストは音声カットが出来ないため選んでると時間が掛かり、移動マップも1回目以降は任意であるため。))にもよるが、一時間前後で終わる。 **問題点 -「インタラプト・ガール」の設定には、キャラクターデザイン、演出、脚本に実在の大物を起用しており凄いのだが、オマケ程度で劇中劇とも呼べず、ゲーム本編と全く関係ない。というかイラストと短いやり取りと予告アニメしか無いため、キャラデザ以外はほぼ無駄遣い((劇中アニメも音声収録も、どちらも非常に短いものでどうでもいい内容のため、わざわざ大物を起用する意味があったのかすら不明。))。(後述) --また、キャラ絵は完成されたものもあれば絵コンテ程度のものもあり、不統一である意図が見えない。 -結構実写ムービーが挿入されるが、コントが安っぽい。また入れる必要の無い意味不明のものもある。 --例を一つ挙げると、横山氏が休憩時間にお弁当を食べようとするシーンでは、江戸っ子の弁当屋(配役不明)に何故か突然ぶちギレられる。カメラワークも弁当屋メインになってるが、何故わざわざこれをムービーにするのかがわからない。''というか意味がわからない''。 --オマケ内には弁当屋に褒められるムービーもあるが、正否の判定は不明。というかムービーの内容から、直前のやり取りがカットされてると思われる((どうやら弁当の選び方で弁当屋の機嫌が変わってるようだが、弁当屋が現場に到着したムービーからいきなりキレられるムービーへと連続で再生され、肝心の選ぶシーンが無い。))。 //---しかし女性声優のボイスはなかなか素晴らしい。%%顔とのギャップを全く考えなければ、だが%% //ただの悪口に見えるので格納。 -声優ゲーをうたっているくせに[[''フルボイスではない''>テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-]]。 -音声の収録の質が悪く、途切れたり雑音が入ってたりする。音声収録をテーマにした声優ゲーでこれは……。 **その他 -ミニゲーム --本編をクリアするとミニゲームで遊べる。しかし条件が本編クリアというのがきつい。%%というかダルい。%% -紙芝居ツール -イラストと音声を組み合わせ、4コマ漫画を作り鑑賞するというもの。 --イラストは表示されてるものから選ぶが、音声は番号の表示のみと選びにくい。イラストや音声のパターンも少なく薄い内容。 -天国クイズ -声優の声当てクイズ。誰の声か当てるものと、何人で同時に喋っているかを当てるものの、二種類の問題がある。 --誰の声かを当てる方は選択肢に男性声優と女性声優が混在しており、答えが丸わかりの場合がわりとある。同時に喋る方は1人のときがあり、これも丸わかりである。また、15問1セットを3セットもやらされる。 -地獄クイズ -矢尾一樹氏の出題する問題に答えるクイズ。 --しかし内容が支離滅裂であり、クイズにすらなっていない。もはやこのクイズ自体が問題である。まさに地獄そのものであるが、本作で遊べる一本である。 -配役割り振りゲーム -最初に3つのストーリーから選択する。内容は決まっており自動進行するが、新しい登場人物が出るときに好きに配役を割り当てられる。 --あまり中身の無いように見えるが、選択出来る声優は全パターン収録しており、女の子に男性声優や、おっさんに女性声優を当てることも出来る。やり方によってはとんでもなくカオスな物語に仕上がる。こちらも本作で遊べる一本。 -セリフあて -最初に文章が短い時間表示されるので記憶し、次に6つに分けられた単語の中から、最初の文面に無かった間違ったものを探すというもの。 --選択肢は音声で読み上げられるが、テンポが悪い。 -このミニゲーム、どこにあるかと言うと「オプション」にある。このオプションをゲーム起動後に選ぶと''「クリアしてからまた来てね」''とだけ出るので、結果''オプションは無し''という意味につながる。あの充実したオプションで知られた『[[デスクリムゾン]]』ですら一応存在していたのに。 --ちなみにゲームクリア情報は記憶されないので、ミニゲームを遊びたければ起動のたびに本編をクリアする必要がある。どこでもセーブ可能なのでエンディング前でセーブしておけば楽だが、エンディングは飛ばせない。 -ミニゲームの多くはごく普通のゲーム。しかし矢尾氏による「地獄クイズ」が恐ろしいテイストを放っている。 --逝っちゃっている意味不明の問題文とさらに逝っちゃっている意味不明の三択回答が続き、全問が終わると「今夜は焼き魚」の謎のメッセージ((他に「ひまわりレベル」「猿好き」「モスキート級」などがある。正解数には関係無くランダム表示だと思われるが不明。))。 #region(地獄クイズ) -例題1~ 「こんにちは~  タケル君~  手紙~  読んでくれた?」~ ・まだ~ ・返事も書いた~ ・あんた誰?~ -例題2~ 「太郎は何度も~  何度も~  母の名を叫びました~  しかし母は~  遠い異国の地~  その叫びは母には~  届きませんでした?」~ ・うん~ ・…といわれても~ ・答えは12~ -例題3~ 「明日の天気はなに?」~ ・はる~ ・あむ~ ・くもん~ ~ --問題全てがこの調子である。このシュールさが笑えるかどうかは人によると思うが、普通に遊べるバカゲーとして数少ない評価点だろう。 #endregion ……このゲームを未プレイの人は、ここまで読んでも''内容の意味が分からない''だろう。 **評価点 -表パッケージのイラストは普通に良い。そして何故かエロチック((PC版は普通の服の3人。PS版は水着の3人。SS版のみ何故か半裸で何故か3パターン販売。))。 --逆に言えばこれに釣られた犠牲sもとい購入者も居るということだが…。 --パッケージ詐欺とも言えるので、評価になるかは正直微妙なところではある。 -出演声優陣が豪華 --「インタラプト・ガールズ」の3名や千葉氏、上述した矢尾氏以外にも、三木眞一郎氏や大谷育江氏など現代でもよく耳にする名前が多数見受けられる((メインキャストで今現在でも無名なのは1人のみ。情報が一切無いので実績が分からないが、本作内で新人と紹介されている。))。 --各キャストの演技も申し分なく、会話シーンでの音声は無いが、それ以外の音声やムービーは豊富で、声優ゲーとしての名前は保っていると言えるだろう。 -やはりというか何と言うか、音楽はわりと良かったりする。数は少ないが、どれも普通に問題の無いレベル。オープニングも映像がアレではあるが、歌そのものは良い。 -ミニゲームの一つの「配役割り振りゲーム」はその名の通り映像に声優を割り当てるゲームなのだが、やはりというか『[[北斗の拳 世紀末救世主伝説]]』の世紀末シアターのようにハッチャけたキャスティングを楽しむ事ができるとそこそこの評価を得ている。 **総評 要するに、内容が相当薄く、一般的なゲームの水準にも達しておらず、ゲームとは呼べない代物である。スタッフが豪華な劇中アニメに、有名声優の起用。そして声優に演技指導をして収録風景を疑似体験出来るというコンセプトそのものは良かったと思えるが、どうしてこうなってしまったのか。~ 方向性がどこか間違っているミニゲーム等、バカゲー的な要素は無くは無いが、本編の出来があまりに悪すぎて明らかにクソゲーであるという印象を強烈に与えてしまう一品。 ---- **余談 -ゲーム雑誌『セガサターンマガジン』の1~10点・10段階の読者評価において、初登場で平均点1.0769点を叩き出してしまい、当時(評価の低さで)無敵を誇っていた''『デスクリムゾン』の1.0909点を抜き、同誌史上最低の評価を獲得した''。 --冒頭で述べた「''声優魔人''」の異名は同誌編集部より送られたものである。 -セガサターン版は''18歳以上推奨''。理由は不明(パッケージイラストがPS版よりエロイ((主役3人の水着のイラストなのだが、何故か全員上だけ無く、手ブラか髪で胸が隠されている。))から?)。 -本編で見られるムービーのうち、オマケのリストに入ってないものがある。本作のムービーを何度も見たい人間がいるかは不明だが…。 -メインキャストのうち大谷氏と矢尾氏の2人は、何故か移動マップで会話が出来ない。 --またミニゲームでは、メインキャストの中で無名の新人と大谷氏が選べない。%%なんで大谷氏ばっかり…%% -メインキャスト以外では佐々木菜摘氏、安井邦彦氏、松田健浩氏の3名がエキストラとして出演しているが、会話画面では1回出るのみで台詞もわずか一言。声での出演もアニメ予告編で一言のみ。わざわざキャスティングする意味はあったのだろうか?(後述) -更にエンドロールには稲田徹氏や今村直樹氏、小松里賀氏に前田愛氏など、新人声優9人((検索しても情報が一切無い人物もいるため、9人全員が声優かは不明。))がクレジットされているが、どこに出演しているかわからない。 --メイン声優以外の登場人物は、プロデューサーと寿司屋と女性1人の3人くらい。これらはおそらく9人のうちの誰かが担当しているのだろうが、他の6人はどこに…? --エンディング直前の記念撮影のようなムービーでは、画面の小ささと画質の荒らさで分かりにくいが大勢の人間がいることが確認出来るので、この中にはいると思われる。しかしこのわずか数秒のラストカットのみの出演というのもおかしいので、本来の出演シーンを丸ごとカットされたのだろうか? --下記のドラマCDに出演しているのかもしれないが、詳細は不明。 //もしドラマCDを持っている方がいれば、キャストの確認お願いします。 -ドラマCDが発売された。 --上記に書かれたわざわざ起用する意味の無い脚本家と演出家、エキストラ声優は、こちらメインで起用されたと思われる。ゲーム内でレコーディング風景のスチルも数枚表示されるが、ゲーム本編と同時に収録されたのだろうか。 --パッケージには始動編と書かれており、ゲーム本編でも色々と展開していく大きな企画と言われているため、もしかしたらゲームの評判が良ければ実際に展開していくつもりだったのかもしれない。%%もしそうなら、まずまともなゲームを作れという話だが。%% -同様のコンセプトのクソゲーには他にも『ボイスパラダイス エクセラ』『FreeTalk STUDIO マリの気ままなおしゃべり』『ボイスアイドルコレクション ~プールバー ストーリー~』『[[アポなしギャルズお・り・ん・ぽ・す]]』などがある。 -およそ半年後には、本作に続き千葉氏が携わった声優ゲー『[[ボイスファンタジア 失われたボイスパワー]]』が発売されるのだが……

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