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//これくらいの長さなら目次は通常の位置で問題ない。上に上げるのは移植版などでタイトルが複数ある場合 //作品情報欄が縦に長いので目次をこちらに移動。 *時と永遠~トキトワ~ 【ときとわ】 |ジャンル|アニメーションRPG|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91vWU6p-0VL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B008N8TPK2,height=160)&br;&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/518Lk1cT5GL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B008N8TA5W,width=160)&br;&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81hX23Oy%2BOL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B00BJH11FQ,height=160)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|バンダイナムコゲームス&br()北米/欧州:NIS America|~| |開発元|イメージエポック&br()パオン|~| |発売日|2012年10月11日&br()欧州:2013年6月28日&br()北米:2013年7月16日|~| |定価|通常版:7,980円(税5%込)&br()限定版:9,980円(税5%込)&br()輸入版北米:6,300円((情報を初出した2013年7月19日時点のamazon.co.jpでの価格。))|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}&br()売りのアニメはカクカクで終始手抜き&br()超展開と世界観ガン無視の寒いギャグと下ネタの嵐&br()''装備を変えて魔法で殴ればいい&br()「ひ、ひどすぎるよー!」''|~| |備考|北米及び欧州版のタイトルは&i{Time and Eternity}&br;→[[欧米版参考サイト>https://nisamerica.com/games/time-and-eternity]]|~| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「''世界初のHDアニメーションRPG''」と銘打たれたRPG。その宣伝のとおり、キャラクターモーションはドット絵やCGレンダリングではなくアニメーションとなっており、移動や戦闘などをアニメのキャラを動かしてプレイするというものになっている。~ キャラデザは『<物語>シリーズ』のイラスト担当で有名な「VOFAN」氏が担当。声優陣も花澤香菜氏や喜多村英梨氏と人気声優を揃えている。~ 発売前には隔月刊雑誌『ジャンプSQ.19』にて漫画版が短期連載された。 …しかし、YouTubeにて配信されたPVを見たユーザーからは「誇大宣伝」「また地雷か」と酷評され、そのあまりの酷さに2chの本スレは大いに荒れ、次スレを立てた人物が社員の工作扱いされるほどの荒れっぷりを見せる。~ いざ発売してみれば前評判は的中し予想通り地雷…どころかそれ以上の何かであり、その出来は公式サイトのミニゲームでのセリフ''「ひ、ひどすぎるよー!」''という一文で表現されるようになった。 ---- **問題点 ''アニメーション'' //***を''に変更。 -アニメを売りにしているのに、''肝心のアニメの作画枚数が少なく、動きがカクついている''。 --その動きの悪さはPVの時点で露呈しているほど。 //1カットごとに色が違うぐらいじゃないとGUN道レベルとは呼べない --また移動・戦闘では、線の少なめなアニメキャラを3Dマップにブチ込んでいるためキャラが妙に浮いている。そういえば''PS時代''にそんなゲームがチラホラあったような…。 ---ちなみにCMでは「''世界の全てがアニメで描かれる''」と大嘘をついている。 --挙句、イベントシーンでは音声と口パクが合っていない事も多い。ひどい時には''口パクすらせずに喋る事も''。まるで腹話術である。 ---サブシナリオでは逆に音声が全く出ず口パクだけでイベントが進行する。 -キャラクターのモーションや声のバリエーションも少なく、同じ声ばかり聞くことも少なくない。 ''ストーリー''~ オープニングでは主人公とヒロインの結婚式が行われるが、何者かに襲撃され主人公は死亡してしまう。これを食い止めるため、ヒロインは時間をループして原因を突き止めていくことになる。~ このように実質的な主人公はヒロインであり、操作するキャラも彼女達となる。~ 上では「彼女“達”」と書いたが、これはヒロインが二重人格――素直で元気な「トキ」とクールでツンデレな「トワ」の二つの人格を持つため。ちなみに主人公の魂はヒロインがタイムスリップする際に巻き込まれ、小さなドラゴンの姿に変わっている。 繊細なタッチで描かれたパッケージ絵や事前PVでも見られたあらすじはショッキングな展開から始まるので、一見シリアスな王道路線のシナリオに見える。…しかし、実際に繰り広げられるのはそれらを木端微塵に粉砕して尚蹂躙の限りを尽くすひたすら陳腐でちゃらけた、コメディ作品の出来損ないのような茶番そのものであった。以下に具体例を挙げていく。 //シナリオライターの名前やアニメ妖怪ウォッチの構成を手掛けている事をここで出すのは不自然じゃね? //どうしてもここに持ってきたいなら、最悪ストーリー関連の問題点に関する文章全部書き直しの必要があるぞ… -''「ヤムロ、揚げま~す!」''などに代表される、''その辺の中高生にも苦笑いされるであろうしょうもないパロディネタ''の数々。[[小牟>NAMCOxCAPCOM]]の二番煎じでも狙ったのだろうか? --強そうなドラゴンに契約を破棄させるため、''「インチキな選択肢を突き付けられたから、消費者センターに駆け込むと言っても?」''と反論。しかも、ドラゴンは''「消費者センターは…まずい」''と本気でうろたえ始める。…いくらギャグのつもりであっても、世界観くらいは守ってください。 --しかも、その後の戦いにて「消費者センターはやめろぉ!」「最初からそうしていればよかった」…など、しつこく消費者センターネタを続行する。このように、空気の読めないネタをひたすらゴリ押す展開が終始繰り広げられる。 -ラスボスの動機が''「毎日ナイター中継を見て過ごしたいから」''。[[某ラノベ>這いよれ! ニャル子さん 名状しがたいゲームのようなもの]]のマネをしてるつもりなのだろうか? --より正確に言うなら、「他者の思い出をエネルギーとして使えば時間を自由に操れる、そんでそれを使って楽しい時間を永遠に繰り返したい」。…中途半端にシリアス要素を捻じ込んでいるせいで不快ですらある。 --それに対する主人公の反論「''お前は間違ってる!ナイター中継は、毎日はやってない!''」…まぁ、これも王道展開をネタにしているつもりなのだろうが…うん…。 -ラスボスとの戦闘中に、戦いながら謎の''早口言葉対決''が繰り広げられる。 --しかもそれらに毎回、いちいちくどいほどにツッコミを入れる主人公。''「カクザ島」「オサ島」「グラニュー島」''などというネーミングセンスへのツッコミはスベりの上塗りである。そのくどいツッコミのせいで戦闘のテンポまで悪くさせており、緊張感も皆無。根っから緊迫感などあったイベントではないが。 --なお島の名前に関しては、''片方のルートラスボス前で主人公がツッコむ''((片方のルートというのは、本作はギャルゲーのようにトキとトワの両方のルートがあるから。つまりマルチエンディング。))。いや…もう遅いよ。 --余談だが島の名前の数々がまったく同じものが[[過去のゲーム>ロボットポンコッツ2 リングバージョン/クロスバージョン]]にある。 -開発元であるイメージエポックの''社長・御影良衛氏をモデルとした「ミカゲール」''なるキャラクターの存在。とにかく言動がウザい。「ここの料理美味しいからちょっと太っちゃったんだよね。フヒ」。 -肝心の主人公も、スケベ心丸出しで気持ち悪いと悪評。繰り返すが''セクハラ行為を繰り出す小さなドラゴンが主人公''である。 --たびたびツッコミ役にもなるが、上記した例にもあるよう無駄にくどいわタイミングもズレているわ、余計にサムさに拍車をかけているだけである。 --上記にあるように、冒頭で主人公は死ぬわけだが、この時点でその下品さの片鱗を見せ付けてくれる。断末魔のセリフが「僕は100%カッコよく、間違い無くモテる!」。''何を言っているんだお前は。''お陰で冒頭のシリアス感も丸潰れ。終始ふざけてるだけのシナリオだという事を思い知らされる。 ---『普段はスケベでお調子者だが強い信念を持っており、いざという時は頼れる』という所謂三枚目キャラは古来から存在するが、この主人公は''その範疇にすら到底及ばない、単なる下劣な変質者''で終わっている。一体どの層の人間を狙ったキャラ付けなのか理解に苦しむ。それが小さなドラゴンの姿で終始登場キャラクターに纏わり付いてセクハラ発言ばかりしているというのだから始末に終えない。 ---そして''こんな男を命がけで守る程に惚れ込み、挙式まで行うヒロイン達の価値観も大概である。''もっとも、そのヒロインもシナリオ中の描写からまともな人物かと言われるとNOなので、ある意味お似合いではある。 ---ペットとして飼われていたらしいドラゴンと融合してしまった((つまり、本人の意思を無視して主人公と融合させられ、主人公の感情表現の道具とされたこのドラゴン自身も主人公の被害者であるとも言える。))ようだが、なぜ融合してしまったのかや、なぜ現代に戻ると元に戻るのかも不明。典型的なご都合設定である。他の設定や描写も悉く必要な掘り下げが成されておらず、上っ面だけ飾ったようなものも散見される。 -おそらく女性を対象として作られたであろう結婚式で使う[[サムシング・フォー>ウェディングピーチ]]((花嫁がある4つのものを身につけると幸せになれるという欧米の慣習。))を集めるシナリオも、小学生レベルの下ネタ的やり取りが入り台無しにしてくれる。 --サムシング・フォーのうち最初の引き渡し場面で、「恥ずかしいから見るなよ」→画面暗転→気張っている様子→&color(brown){''ブリュリュリュリュ…ボトンッ''};→「あー、スッキリした」~ 子供向けのギャグ漫画かと思える内容であり、美少女をウリとしている作品で''決してやってはならない''類、しかも他国の慣習に対する冒涜と、''どこに出しても恥ずかしい最低の文章である。''これを世に出すことにスタッフは何も抵抗も感じなかったのだろうか? %%クソゲーたる所以がわかっただろう。%%~ ちなみにサムシング・フォーの4つのうち3つが同様の天丼イベントである。 …と、単につまらないという以上に、見ているこちらが目を逸らしたくなるような痛々しさがにじみ出るシナリオとなっている。もっと言うなら、ギャグというより''登場人物たちが終始ふざけているのを他人目線で見守っている''という表現が近い。盛り上がってる当人達は楽しいだろうが、他人から見ればひたすら訳が分からず呆然としてしまう、そういう雰囲気と言えば分かりやすいだろうか。~ 恐らく『王道シナリオをネタにしたコメディ』を目指していたものと思われるが、それらがことごとくスベっている上「とにかくゴリ押そう」という意図が丸見えな為、ヘタな電波や鬱シナリオ、アウトローな展開よりもプレイヤーの不快感を煽る結果となってしまっている。 「''世界観と大きくかけ離れた現代&安易なパロネタのゴリ押し''」「''シナリオの雰囲気や展開お構いなしに捻じ込む節操の無さ''」「''基本的な展開や設定の掘り下げ、整合性も拙い''」…等、様々な要素が悪循環した結果と言えよう。~ ''ギャグが面白く''、シリアスとの住み分けをしっかり行い、見せ場の強調や設定の突き詰めをしっかり行っていれば、1つの演出手法として評価されていたであろうが。 -本作のシナリオ担当はアニメ版「[[妖怪ウォッチ]]」のシリーズ構成を務める加藤陽一氏。 --同アニメでもたびたび本作を髣髴とさせる下ネタ・パロネタが多数挿入されるが、こちらはもともと対象年齢が小学生であり、作風もそうした類のネタに合致している為好評を得ている。 --つまるところ、''対象年齢が高め&ある程度の雰囲気を求められる萌え系ゲームに、小学生向けの前衛的なギャグ作品の下ネタとその場の勢いだけで繰り出すギャグを押し出している''という事である。こうした想定されるユーザー層を完全に無視した作劇がシナリオを『つまらない』以前に『痛々しい』と思わせるのに一役買ってしまっている。早い話、明らかな人選ミスとしか言いようがない。 #region(そしてエンディングまで手抜き) -上記にあるように、ヒロイン『トキ』には、『トワ』という別の人格がある。髪の色も違う。~ 本作にはトキとトワのそれぞれの好感度を表す「LOVEメーター」というシステムがあり、トキとトワの愛の重さのバランスを閲覧することができる。~ どちらか一方が増加した場合、もう片方が減るようになっている。 --ただし、このメーターが意味を持つのは後述のトゥルーエンドの条件を満たすかどうかの判定だけ。 -トゥルーエンドの条件を満たさない場合、ラスボス戦前の選択肢によってエンディングでトキとトワのどちらの人格になるかが決まる。 --しかしトワ版は花嫁のグラフィックも、エンディングの内容もトキ版の使い回しであり、髪の色の違いについては、''「まるでトキみたいだ」''という無神経な一言で片づけられてしまう。''これではトワが報われない。'' --これでは、何のために複数エンディングが用意されているのかわからない。 -2周目以降はLOVEメーターをトキとトワの中間に調整出来るようになるので、このゲージを中間にしてクリアすることでトゥルーエンディングが見れる…が、こちらも手抜き。 --トゥルーエンディングでは結婚式シーンカットでのCG1枚が表示されるのみで、CGを見終わると唐突にスタッフロールへ移行する。~ これだけである。そしてそのCGでは、何故かトキとトワが分裂して二人同時に結婚式にいる。 二重人格の二人が、なぜ別の人間として外に出られているのかについての説明はゲーム中では一切されない。 --その理由は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ真相が語られる。つまり、ドラマCDの付属しない通常版を購入したユーザーはその真相を知ることができない。 ---…と思いきや、実際はドラマCD内でも''「どうしてこうなったんだろう?」「それが……どうしてなのか、私にも全くわからないんだ」「きっと、僕らの愛の力が奇跡を起こしたんだよ」などと言った1~2分程度のちょっとした会話で流されて有耶無耶になるだけ''なので、上記の表現は厳密には正しくない(勿論悪い意味で)。 #endregion ''戦闘システム'' -『[[ドラクエ1>ドラゴンクエスト]]』のような1対1方式。複数敵が現れた場合は、1体倒すたびに次の敵が1体現れるという連戦方式。 --この形式自体は良いのだが、ゲームバランスやテンポの調整に難が多く、かなり乱れている。~ 序盤はまだしも、ゲームが進むにつれてやたら敵が堅くなり、戦闘自体の面白味も乏しい為テンポだけがどんどん悪くなっていく。 //テンポが悪くなっていくのはシステムの問題じゃなくゲームバランスの問題。 //--なお[[前例>エアーズアドベンチャー]]も存在する。 //エアーズアドベンチャーは姫が仲間になるから微妙に違う。十勇士陰謀編のように基本1対1方式でも面白いゲームもある。1対1であること自体を問題視するような文章はおかしい。 --敵が1体ずつしか出てこないことについて[[製作者のインタビュー>https://www.gamer.ne.jp/news/201211070002/]]では、「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。 -敵のパターンも非常に少なく、多くが既存の敵の色を変えたものばかり。色違いを除けば''種類数はボスを含めて20体程度。'' FCの初代ドラクエですら同条件で15体((反転・武器の有無程度は同一、竜王は形態別カウントとする))いるのだが…その何万倍以上もの容量を持つPS3のソフトでこの少なさはかなり目につく。 --アニメーションという仕様上、色違いの敵は当然行動パターンも同じなので、敵ごとの少ない対処法さえ覚えてしまえば作業ゲーと化す。 --パラメータ管理もずさんで、''同じ場所に出てくるのにあらゆるステータスが全く一緒''((種族と属性値を除く。あとはHP・近接攻撃力・遠距離攻撃力・魔法攻撃力・防御力・魔法防御力・GP・経験値・落とすお金やアイテムに至るまで全く一緒。))の敵2体が存在したりする。 --また得られる経験値や金銭などが異様に低く、''序盤と終盤とで得られる経験値が2倍程度しか増えない''。 --ただ''装備品の補正が異様に高い''為、強い装備を付ければレベルが上がって無くとも十分やっていける。これを救済策と呼んでいいのかは分からないが…。 -武器は銃と剣の2種((公式によればトキは銃・トワは剣が得意とされている。))。アクション要素があり、遠距離では銃での狙撃、近距離では敵の攻撃をかわしつつ剣で一撃を与える。そうやってSPゲージを溜め、隙を見て魔法&体術による一撃を与える…等''一見''バリエーション豊か。これをアニメーションで行えるのが本作の大きな売りの一つであるわけだが…。 --''それしかできない''。トキとトワで戦法が大きく違うという事もない(得意の武器で連撃が可能かどうか程度)。 --魔法の攻撃力が異常に強く、中盤からでは魔法の組み合わせで状態異常まで与えられる((もっとも、状態異常については途中のチュートリアル(一枚絵)で軽く説明されるだけなので、後述のボス戦で必要になった頃には忘れてしまっていることも多い。))。魔法ほど強くないが体術もまた有効なダメージソースとなる。一方、通常攻撃の威力は雀の涙で、ほぼSPゲージを溜める為の手段でしかない。 --最初の攻撃魔法だけでも''4000''ものダメージを与えられる。ちなみに通常攻撃は70程度。物理攻撃涙目。誇張抜きで「''装備を変えて魔法で殴ればいい''」のだ。''(原則)最後まで''。 ---[[これと似たようなゲーム>グランディアIII]]が過去にも。 ---あの「装備と魔法は役立たず、[[''レベルを上げて物理で殴ればいい''>ラストリベリオン]]ゲーム」とは見事に正反対なことをやっている。 ---流石に終盤になると魔法を当てる隙が少なくなり、いかにして隙を作るかという戦略を楽しめなくもない。やってる事は全く同じだが。 --ただし、中盤以降のボスは例外。異様に魔法耐性が上がるため、攻撃魔法に頼って力押しでプレイを進めていると適正レベルでも苦戦必至(状態異常は100%、ラスボスにさえ有効)。その場合は、単調なレベル上げにいそしむ気がなければ、(難度は上がるが)近接が得意なトワで殴った方が速い連打ゲーと化す。((連打ゲーに慣れた頃、開幕直後に即死級かつ回避不能の大魔法を放つボスが出てくるなど、プレイヤーに戦略を練らせようとした跡は見えるが……)) ---物理攻撃は連打でコンボを繋ぐ度に5%ずつ威力が上がるため、耐久力の高いボス相手に、物理攻撃のコンボを決め続ける爽快感はある。ラピッドタイム(味方の行動速度を上昇させる時魔法)と状態異常・物理攻撃を組み合わせてボスを完封できた時は意外に気持ちが良い。 --ちなみに回復魔法よりも回復アイテムの方が効果が強い上に、回復アイテムは戦闘中ほぼ任意のタイミングで使用できる。回復魔法を使用するメリットがほぼ無い。 -ドラゴンと化した主人公も戦闘に参加するがAI。マニュアル操作などは一切出来ず、特別頼れる訳でもない。とことんなまでに主人公(笑)。 --これらの点は、アニメーションの質そのものとは全く別の問題でいくらでも調整・用意のしようがあった筈であり、擁護の余地は少ない。 ''デュアルソウルシステム'' -レベルが上がるたびに、人格がトキからトワ、トワからトキへと交互に入れ替わるというもの。 --つまり、''レベルが上がるたびに別のキャラに強制的に変わり、自由に入れ替えができない''という仕様である。~ 育成の自由度、キャラへの拘り等様々な点から任意での入れ替えにした方が評価を得られたと思われるが。 ---新しいスキルを覚えた瞬間に入れ替わるので、せっかく覚えたスキルを使えないこともざら。パラメータとスキルは二人で別々に扱われるため、レベルアップしたのに弱くなってしまう事も。 --挙句、スキルとパラメータはほとんどがコンパチ仕様。しかも勝利ポーズなど''各モーションもトキとトワとで全く同じ''。ここは多少手間隙かけてでも、ある程度は差別化をしないと目に見えて不自然になる部分の筈だが。 ---その癖2人の性格は真逆なので、「スレたクールな台詞を呟きながら''ウィンク&ピース''するトワ」など、台詞とモーションが全くそぐわない場面が頻発する。 ---銃を連発する時のトキの台詞「''止まら止まら止まらないわよ!''」等シュールな場面も((一発ごとに「止まらないわよ!」という為台詞が重なり、前述の様に聞こえる。))。どこのダイアキュートですか?((誤解が無いよう書いておくが、『魔導物語シリーズ』のダイアキュートは最初から意図した演出である。)) --任意でトキとトワを入れ替えることができるアイテムが(ゲーム内非売品であるが)手に入る。そのアイテムは「コショウ」。どっかで聞いたことのある様な‥‥ ''その他システム面'' -マップ上での移動はFPSやTPSと同じラジコン方式。つまり方向キー左右でカメラ操作し、上下で移動するというもの。 --マップがあるとはいえ方角を把握しづらく、プレイヤー的には''常にトキ&トワの尻と絶対領域を拝める''位しか利点が無い。アニメ制作は時間と費用がかかるとはいうものの、横向きのアニメを作る余裕すら無かったのだろうか? --一部のTPS的なボス戦では方向キーやスティックで直接移動させるのだが、やはり横向きのアニメは無いので左右に移動する時も''常に前進のアニメーションで移動する''。プレイヤー的には常に尻(ry --マップの広さに比べて移動速度は正直遅い。移動にもアニメを使っているせいか、(実装すると動きが不自然になるであろう)「高速移動」に該当するシステムが存在しないので、最初から最後までマップ移動はとても時間がかかる。 ---しかも移動中は主人公とトキ(orトワ)の会話が頻繁に挟まる。ここでもサムいネタを連発されるので、ただでさえ辛い移動がますますキツくなっていく。 --マップ上でのエンカウントは、マップの広さに応じて調整はされているが全体にはそこそこ多め。エンカウントを抑制するアイテムが市販されているが、普通にプレイした場合「エンカウントを抑制しない状態で遭遇した敵を全滅させる」ことで漸く適正レベルと言ったところなので、初見プレイでエンカウント抑制や逃走を使うとボス戦がかなり厳しくなる。 ---ちなみに、エンカウント抑制アイテムの名前が「辛(から)い飴玉」。ゲームの仕様的に「つらい飴玉」と揶揄されることも‥‥ -サブクエストは116種もあるが、「モンスターを討伐してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」の3種のお使いイベントのどれかしかない。 --内容もありがちな悩みを普通に解決するだけのつまらない小話で、しかもそれが続き物になって使い回される。わざわざ寄り道してまで見る価値は薄い。 --報酬も店で買える品物の方が強いこともしばしば。そのため尚更やる意味が薄い。 --ただし、サブイベントクリアの報酬としてGP(スキル解放用のポイント)が手に入り、またボス戦があるサブイベントはボスの経験値の実入りが破格であるため、キャラ成長のためにサブイベントをプレイする意味はある。と言うか、サブイベントの大半をこなすこと前提でメインイベントのボス戦の適正レベルが設定されているため、単調な雑魚戦で稼ぐかつまらないサブイベントで稼ぐかの2択を迫られているとも言える。((余談だが、序盤から受けられる「とある」サブイベントのボスを無限に倒す方法があるため、知っていればこのサブイベントだけでクリアまでに必要なレベルを容易に稼ぎきることができる。連打ゲーなので連射付きコントローラは必須だが。)) -イベントCGがわずか11枚だけしかない。 --ちなみに結婚式シーンは''約5回同じものが使い回される''。 -バンナムお得意のぼったくりDLC。 --10分程度のシナリオとCG1枚で''500円''という値段である。シナリオだけでも全部買うと2,500円。 --CGは公式サイトなどで見ることができるので、そのために買う必要も全くない。 --現在DLCは配信停止し、公式サイトのページも見ることができなくなった。 -ロードがやや長い。特に主人公達の拠点となるカムザでは、街中の移動(カーソルで場所を指定する)ですら、いちいちロードが挟まるので非常に鬱陶しい。 ---- **評価点 -動きはともかく、ドットやポリゴンではなく、アニメで描かれたキャラを動かせる点は高評価。 --今迄はただ眺める事しか出来なかったアニメを自分の思い通りに動かせる…というコンセプトの作品はありそうでなかった為、そのチャレンジ精神は充分評価に値する。作画自体も乱れはほとんどない。 --ただし、HDアニメに限らなければ『[[ワリオランドシェイク]]』や本作の前年に発売された『クレヨンしんちゃん 宇宙DEアチョー!? 友情のおバカラテ!!』など手描きのアニメキャラを動かせるゲームはすでに存在していた。 -声優が豪華。 --主人公に代永翼氏、ヒロイン二人に花澤香菜氏と喜多村英梨氏を起用し、脇役には悠木碧氏・能登麻美子氏・杉田智和氏・若本規夫氏など非常に豪華である。ただその結果、完全に''声優の無駄遣いなゲーム''に終わってしまっている。 -バグは少なく、BGM・UI・キャラクターデザインは好評。 --BGM作曲は古代祐三氏と柳川剛氏((このことはあまり知られていないが、空中庭園や渓谷など、4曲を作曲している。))。チープな画面に似合わないほどの豪華な曲が多い。 --だからこそ、''このままの出来で出荷したという謎の現象''が浮かび上がる。誰一人として疑問に思わなかったのだろうか? -マップは宝箱やイベント発生地点なども表示される。作業感が強い、という意見もあるが。 -戦闘中によくパンチラするなど、エロ要素は大好評。公式サイトのミニゲームやDLCもエロ全開を売りにしていた。 --「''キャラを見て萌えられるなら、シナリオやシステムなんてどうでも良い''」という人にはお勧めできるか。~ シナリオ、戦闘システム等といった『RPG要素』を徹底的に無視して、美少女キャラの表面上の萌え要素だけガン見する分には、そこそこ楽しめる。 ---尤も、そうしようにも萌え要素を殺しにかかる下品またはサムいギャグや、美少女達に悪い虫の如く下劣なアプローチを続ける主人公、ストーリーを進める為上記のテンポが悪くアンバランスな戦闘をそれなりにこなさなければならない…等の阻害要素はかなり多い。そもそもそれほどまでの労力を使って本作の萌えを楽しむくらいなら、特別本作への拘りが無い限り、別のギャルゲー等を購入した方がずっと気楽に、シナリオ的にも噛み合った萌えを堪能する事が出来るだろう。 ---- **総評 「アニメでキャラクターを表現する」というアイデアとチャレンジ精神自体は良かったのだが、コンセプトに技術力が追い付いておらず、完全に力を入れるところを間違えているとしか言い様がない出来になってしまった。~ アニメには不自然な点が目立つ上に戦闘システムにも影響が出ており、やはり企画の時点で無謀な部分が大きかったのだろう。~ それだけなら充分擁護の余地もあったが、アニメ云々以前の基本的な作り込み、RPGとしてのバランス調整やボリューム、シナリオ面やキャラの魅力も非常におざなりで、ほぼ全面的に遊びづらい完成度であったため、クソゲーの烙印を押される形になってしまった。 萌えエロ要素が大好きな人でも、安易に手を出すのは危険である。他の萌えエロ系のゲームにもバカゲー要素を含む作品が幾つかあるが、そうした要素を目当てにプレイしても却って興を削がれる結果に終わりかねない。~ 上記にあるように、萌えエロ要素の為に全ての問題点を無視出来ない限りは手は出さない方が良い。むしろ、プレイヤー側から''「消費者センターに訴えますよ!」''といってやりたくなること受けあいなゲームである。 出来の悪さを象徴するかのように、大手量販店では発売してから一ヶ月も経たない内に値崩れを起こし、あっという間にワゴン行きとなってしまった。 ---- **その後 -2013年2月、NIS America(日本一ソフトウェアの子会社)が、欧米向けに本作を&i{Time and Eternity}というタイトルで発売すると発表し、同年の6月28日(欧州)と7月16日(米国)に発売した。→[[ソース(pdfファイル)>https://nisamerica.com/pressreleases/Time_and_Eternity_20130221_finpb.pdf]]→[[NIS Americaの公式サイト>https://nisamerica.com/games/time_and_eternity/]] //さすがにこのリンクは日本一の代表作がラストリベリオンだと言っているように見えて、どうかと思う。 --しかし、やはりというべきか本作の評判は芳しくない模様。実際、多くのレビューサイトでは上記の問題点が指摘されている(参考:[[GameSpotのレビュー>https://www.gamespot.com/reviews/time-and-eternity-review/1900-6411775/]])。 --これまた''誰一人として疑問に思わなかったのだろうか?''英訳している時点で、ゲーム内容にも、最低でも寒い漫才にも目を通しているはずである。~ しかも、NISにしてみればもともと他社のゲームソフトなので報告・中止したところで誰も傷つかず、何の汚点にもならないはずなのだが…? ---海外版でもシナリオはほとんど変わっていない。一部キャラクター名や日本以外じゃどうしても伝わらない習慣((例:キザなサブキャラのプロポーズのセリフ「俺のために毎朝みそ汁グツグツしてくれ!」→「俺のために毎朝コーヒーを淹れてくれないか?」))の類を除いて、そのまま英語で吹き返されている。主人公のウザい言動や「消費者センター」「ナイター中継」等の滑ったギャグもそのまま。 --それにしても、[[ギャグが同じようにスベったゲーム>Let's 全力ヒッチハイク!!!!!!!!!]]や[[反対方向にバランスが狂ったRPG>ラストリベリオン]]も日本一ソフトウェアである。''なんとも懲りない会社である。''~ …もっとも、だからこそ、''日本一ソフトウェアにとってはまともなゲーム''だったのかもしれない。 -主要開発元であるイメージエポックは、業績不振により2014年11月までに活動を停止、本作発売から2年後の2015年5月に破産宣告となった。 --自社販売でない本作による経済的損失は大きくなかったはずだが、メーカーの悪評をより広めた一因であったことは否定できないだろう。 --同社はこの反省かのように本作以降は『[[闘神都市 (3DS)]]』、『[[STELLA GLOW]]』などの良作を開発していたものの、創立10周年記念作とする筈だった『STELLA GLOW』の発売を待たずしての倒産となってしまった。 -2017年には1930年代カートゥーン風の手描きアニメで描かれたアクションゲーム『[[Cuphead]]』が発売。 --カートゥーンの画面を完全再現したグラフィックを実現しながらも、ゲーム性も洗練されており異常なまでの完成度を誇る作品である。&br()イメージしやすいように例えるなら、あのミッキーマウスの最初期のアニメ『蒸気船ウィリー』''そのまんまの画面''でアクションゲームができる。 //---しかもRPGである本作に対しこちらはアクションゲームであり、当然ながらアニメーションに必要なコマ数もケタ違いに多い。&br()手描きアニメだからと言ってゲーム本体が面白くないのは言い訳以外の何物でもないということを雄弁に語る稀有な例である。 ---ただし、こちらはごく少人数のスタジオで制作されたインディース(個人開発)ゲームであり、アニメパートだけでも完成まで実に7年もかかっている。''スタッフは開発のため当時勤めていた会社を退職してまで時間を作り、さらに自宅を抵当に入れて資金を集めていた程''。このレベルの開発期間と完成度を、商業ベースの商売で会社を回していかなければならないプロの開発会社に求めるのは無理がある。資金の限られた小規模な会社ならなおさらである。~ それだけ、『「手描きアニメ」と「ゲーム」の融合』」という発想の実現がいかに難しいか」ということの証明となっているといえよう。 **余談 -ファミ通クロスレビューでは''9・8・8・7で計32点''の&color(gold,black){''ゴールド殿堂''}。''またやってくれたなファミ通''。 --序盤までの判定や人を選ぶという理由はあるがそれでも高得点過ぎである。ただし、&b{レビュー文をよく見てみると本作の悪所を端的かつ正確に述べていたりもする}。 //裏取引疑惑の話は信憑性の点で怪しいので消しました。 --静止画だけ見ると面白そうなゲームに見える為か、動きで情報が伝えられないファミ通では「期待の新作」最高第6位まで上り詰めた。 -ニコニコ生放送などの宣伝でもPV以外のゲーム画面を一切出さず、発売直前の東京ゲームショーでも試遊がないなど、後から考えれば印象操作であったかのような宣伝展開も批判される。 -元々は桝田省治氏が企画・原案に参加していたのだが、その後''何故か開発中断と偽りつつ''敢行していた模様。お蔵入りと思っていた作品が突如ゲーム誌に発表されたため驚いたという。 --氏の作品の常連である高山みなみ氏は出演していないものの、''有名声優を惜しみなく起用している点だけ''は氏の作風と共通しているかもしれない。 --また、この「時と永遠」という題名自体が、その時に読んでいた「波多野先生の著書のタイトル」を企画中の仮タイトルとしてそのまま借用したものであったらしく、それが変更されずにそのまま製品版に使われてしまった模様。 ---氏は製作自体に、もちろんタイトルの決定にも関与していないが、題名が被っているだけなので著作権上の問題はない。 -こんなゲームでもガチ勢がおり、国内と&bold(){海外で}RTAが繰り広げられている。既読イベントスキップを使用した上でだが、クリアタイムは2時間を切る1時間50分台(バグ利用なし)。近年のRPGではまれに見るタイムである。 --ちなみに、実際のセーブタイムはこれより20分ほど短い。つまり、''約2時間中20分がロード時間''ということになる。 //-余談中の余談になるが、かつて「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた「タカヤ 夜明けの炎刃王」という漫画において『異世界で出会ったドラゴンに、魔石製作の儀式に必要なドラゴンズ・ジュエルという名の&bold(){ハナクソ}を貰う』というエピソードがあるのだが、こちらもこちらで大いに滑っていた。ドラゴンがらみであることと、上記の「サムシング・フォー」の引渡し場面の寒いギャグで、この漫画を思い出したプレイヤーもいたのではないだろうか。 //--因みにこの漫画の一般的評価も、&bold(){このゲームに負けず劣らずで低い}。詳細は各自検索で。 //元ネタとの直接的な関係が認められないことや、不快度を考慮して、この「余談中の余談」については封じることとしました。異論は個人の判断ということでお任せします。 ---- -参考リンク >[[桝田省治氏のTwitter発言(2012/01/22) - Twilog>https://twilog.org/ShojiMasuda/date-120122/allasc]] >[[題名の借用元と思われる作品(内容自体は無関係):「時と永遠」波多野精一 - 青空文庫>https://www.aozora.gr.jp/cards/001011/files/42752_24929.html]]
//これくらいの長さなら目次は通常の位置で問題ない。上に上げるのは移植版などでタイトルが複数ある場合 //作品情報欄が縦に長いので目次をこちらに移動。 *時と永遠~トキトワ~ 【ときとわ】 |ジャンル|アニメーションRPG|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91vWU6p-0VL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B008N8TPK2,height=160)&br;&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/518Lk1cT5GL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B008N8TA5W,width=160)&br;&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81hX23Oy%2BOL.jpg,https://www.amazon.co.jp/dp/B00BJH11FQ,height=160)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売元|バンダイナムコゲームス&br()北米/欧州:NIS America|~| |開発元|イメージエポック&br()パオン|~| |発売日|2012年10月11日&br()欧州:2013年6月28日&br()北米:2013年7月16日|~| |定価|通常版:7,980円(税5%込)&br()限定版:9,980円(税5%込)&br()輸入版北米:6,300円((情報を初出した2013年7月19日時点のamazon.co.jpでの価格。))|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}&br()売りのアニメはカクカクで終始手抜き&br()超展開と世界観ガン無視の寒いギャグと下ネタの嵐&br()''装備を変えて魔法で殴ればいい&br()「ひ、ひどすぎるよー!」''|~| |備考|北米及び欧州版のタイトルは&i{Time and Eternity}&br;→[[欧米版参考サイト>https://nisamerica.com/games/time-and-eternity]]|~| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「''世界初のHDアニメーションRPG''」と銘打たれたRPG。その宣伝のとおり、キャラクターモーションはドット絵やCGレンダリングではなくアニメーションとなっており、移動や戦闘などをアニメのキャラを動かしてプレイするというものになっている。~ キャラデザは『<物語>シリーズ』のイラスト担当で有名な「VOFAN」氏が担当。声優陣も花澤香菜氏や喜多村英梨氏と人気声優を揃えている。~ 発売前には隔月刊雑誌『ジャンプSQ.19』にて漫画版が短期連載された。 …しかし、YouTubeにて配信されたPVを見たユーザーからは「誇大宣伝」「また地雷か」と酷評され、そのあまりの酷さに2chの本スレは大いに荒れ、次スレを立てた人物が社員の工作扱いされるほどの荒れっぷりを見せる。~ いざ発売してみれば前評判は的中し予想通り地雷…どころかそれ以上の何かであり、その出来は公式サイトのミニゲームでのセリフ''「ひ、ひどすぎるよー!」''という一文で表現されるようになった。 ---- **問題点 ''アニメーション'' //***を''に変更。 -アニメを売りにしているのに、''肝心のアニメの作画枚数が少なく、動きがカクついている''。 --その動きの悪さはPVの時点で露呈しているほど。 //1カットごとに色が違うぐらいじゃないとGUN道レベルとは呼べない --また移動・戦闘では、線の少なめなアニメキャラを3Dマップにブチ込んでいるためキャラが妙に浮いている。そういえば''PS時代''にそんなゲームがチラホラあったような…。 ---ちなみにCMでは「''世界の全てがアニメで描かれる''」と大嘘をついている。 --挙句、イベントシーンでは音声と口パクが合っていない事も多い。ひどい時には''口パクすらせずに喋る事も''。まるで腹話術である。 ---サブシナリオでは逆に音声が全く出ず口パクだけでイベントが進行する。 -キャラクターのモーションや声のバリエーションも少なく、同じ声ばかり聞くことも少なくない。 ''ストーリー''~ オープニングでは主人公とヒロインの結婚式が行われるが、何者かに襲撃され主人公は死亡してしまう。これを食い止めるため、ヒロインは時間をループして原因を突き止めていくことになる。~ このように実質的な主人公はヒロインであり、操作するキャラも彼女達となる。~ 上では「彼女“達”」と書いたが、これはヒロインが二重人格――素直で元気な「トキ」とクールでツンデレな「トワ」の二つの人格を持つため。ちなみに主人公の魂はヒロインがタイムスリップする際に巻き込まれ、小さなドラゴンの姿に変わっている。 繊細なタッチで描かれたパッケージ絵や事前PVでも見られたあらすじはショッキングな展開から始まるので、一見シリアスな王道路線のシナリオに見える。…しかし、実際に繰り広げられるのはそれらを木端微塵に粉砕して尚蹂躙の限りを尽くすひたすら陳腐でちゃらけた、コメディ作品の出来損ないのような茶番そのものであった。以下に具体例を挙げていく。 //シナリオライターの名前やアニメ妖怪ウォッチの構成を手掛けている事をここで出すのは不自然じゃね? //どうしてもここに持ってきたいなら、最悪ストーリー関連の問題点に関する文章全部書き直しの必要があるぞ… -''「ヤムロ、揚げま~す!」''などに代表される、''その辺の中高生にも苦笑いされるであろうしょうもないパロディネタ''の数々。[[小牟>NAMCOxCAPCOM]]の二番煎じでも狙ったのだろうか? --強そうなドラゴンに契約を破棄させるため、''「インチキな選択肢を突き付けられたから、消費者センターに駆け込むと言っても?」''と反論。しかも、ドラゴンは''「消費者センターは…まずい」''と本気でうろたえ始める。…いくらギャグのつもりであっても、世界観くらいは守ってください。 --しかも、その後の戦いにて「消費者センターはやめろぉ!」「最初からそうしていればよかった」…など、しつこく消費者センターネタを続行する。このように、空気の読めないネタをひたすらゴリ押す展開が終始繰り広げられる。 -ラスボスの動機が''「毎日ナイター中継を見て過ごしたいから」''。[[某ラノベ>這いよれ! ニャル子さん 名状しがたいゲームのようなもの]]のマネをしてるつもりなのだろうか? --より正確に言うなら、「他者の思い出をエネルギーとして使えば時間を自由に操れる、そんでそれを使って楽しい時間を永遠に繰り返したい」。…中途半端にシリアス要素を捻じ込んでいるせいで不快ですらある。 --それに対する主人公の反論「''お前は間違ってる!ナイター中継は、毎日はやってない!''」…まぁ、これも王道展開をネタにしているつもりなのだろうが…うん…。 -ラスボスとの戦闘中に、戦いながら謎の''早口言葉対決''が繰り広げられる。 --しかもそれらに毎回、いちいちくどいほどにツッコミを入れる主人公。''「カクザ島」「オサ島」「グラニュー島」''などというネーミングセンスへのツッコミはスベりの上塗りである。そのくどいツッコミのせいで戦闘のテンポまで悪くさせており、緊張感も皆無。根っから緊迫感などあったイベントではないが。 --なお島の名前に関しては、''片方のルートラスボス前で主人公がツッコむ''((片方のルートというのは、本作はギャルゲーのようにトキとトワの両方のルートがあるから。つまりマルチエンディング。))。いや…もう遅いよ。 --余談だが島の名前の数々がまったく同じものが[[過去のゲーム>ロボットポンコッツ2 リングバージョン/クロスバージョン]]にある。 -開発元であるイメージエポックの''社長・御影良衛氏をモデルとした「ミカゲール」''なるキャラクターの存在。とにかく言動がウザい。「ここの料理美味しいからちょっと太っちゃったんだよね。フヒ」。 -肝心の主人公も、スケベ心丸出しで気持ち悪いと悪評。繰り返すが''セクハラ行為を繰り出す小さなドラゴンが主人公''である。 --たびたびツッコミ役にもなるが、上記した例にもあるよう無駄にくどいわタイミングもズレているわ、余計にサムさに拍車をかけているだけである。 --上記にあるように、冒頭で主人公は死ぬわけだが、この時点でその下品さの片鱗を見せ付けてくれる。断末魔のセリフが「僕は100%カッコよく、間違い無くモテる!」。''何を言っているんだお前は。''お陰で冒頭のシリアス感も丸潰れ。終始ふざけてるだけのシナリオだという事を思い知らされる。 ---『普段はスケベでお調子者だが強い信念を持っており、いざという時は頼れる』という所謂三枚目キャラは古来から存在するが、この主人公は''その範疇にすら到底及ばない、単なる下劣な変質者''で終わっている。一体どの層の人間を狙ったキャラ付けなのか理解に苦しむ。それが小さなドラゴンの姿で終始登場キャラクターに纏わり付いてセクハラ発言ばかりしているというのだから始末に終えない。 ---そして''こんな男を命がけで守る程に惚れ込み、挙式まで行うヒロイン達の価値観も大概である。''もっとも、そのヒロインもシナリオ中の描写からまともな人物かと言われるとNOなので、ある意味お似合いではある。 ---ペットとして飼われていたらしいドラゴンと融合してしまった((つまり、本人の意思を無視して主人公と融合させられ、主人公の感情表現の道具とされたこのドラゴン自身も主人公の被害者であるとも言える。))ようだが、なぜ融合してしまったのかや、なぜ現代に戻ると元に戻るのかも不明。典型的なご都合設定である。他の設定や描写も悉く必要な掘り下げが成されておらず、上っ面だけ飾ったようなものも散見される。 -おそらく女性を対象として作られたであろう結婚式で使う[[サムシング・フォー>ウェディングピーチ]]((花嫁がある4つのものを身につけると幸せになれるという欧米の慣習。))を集めるシナリオも、小学生レベルの下ネタ的やり取りが入り台無しにしてくれる。 --サムシング・フォーのうち最初の引き渡し場面で、「恥ずかしいから見るなよ」→画面暗転→気張っている様子→&color(brown){''ブリュリュリュリュ…ボトンッ''};→「あー、スッキリした」~ 子供向けのギャグ漫画かと思える内容であり、美少女をウリとしている作品で''決してやってはならない''類、しかも他国の慣習に対する冒涜と、''どこに出しても恥ずかしい最低の文章である。''これを世に出すことにスタッフは何も抵抗も感じなかったのだろうか? %%クソゲーたる所以がわかっただろう。%%~ ちなみにサムシング・フォーの4つのうち3つが同様の天丼イベントである。 …と、単につまらないという以上に、見ているこちらが目を逸らしたくなるような痛々しさがにじみ出るシナリオとなっている。もっと言うなら、ギャグというより''登場人物たちが終始ふざけているのを他人目線で見守っている''という表現が近い。盛り上がってる当人達は楽しいだろうが、他人から見ればひたすら訳が分からず呆然としてしまう、そういう雰囲気と言えば分かりやすいだろうか。~ 恐らく『王道シナリオをネタにしたコメディ』を目指していたものと思われるが、それらがことごとくスベっている上「とにかくゴリ押そう」という意図が丸見えな為、ヘタな電波や鬱シナリオ、アウトローな展開よりもプレイヤーの不快感を煽る結果となってしまっている。 「''世界観と大きくかけ離れた現代&安易なパロネタのゴリ押し''」「''シナリオの雰囲気や展開お構いなしに捻じ込む節操の無さ''」「''基本的な展開や設定の掘り下げ、整合性も拙い''」…等、様々な要素が悪循環した結果と言えよう。~ ''ギャグが面白く''、シリアスとの住み分けをしっかり行い、見せ場の強調や設定の突き詰めをしっかり行っていれば、1つの演出手法として評価されていたであろうが。 -本作のシナリオ担当はアニメ版「[[妖怪ウォッチ]]」のシリーズ構成を務める加藤陽一氏。 --同アニメでもたびたび本作を髣髴とさせる下ネタ・パロネタが多数挿入されるが、こちらはもともと対象年齢が小学生であり、作風もそうした類のネタに合致している為好評を得ている。 --つまるところ、''対象年齢が高め&ある程度の雰囲気を求められる萌え系ゲームに、小学生向けの前衛的なギャグ作品の下ネタとその場の勢いだけで繰り出すギャグを押し出している''という事である。こうした想定されるユーザー層を完全に無視した作劇がシナリオを『つまらない』以前に『痛々しい』と思わせるのに一役買ってしまっている。早い話、明らかな人選ミスとしか言いようがない。 #region(そしてエンディングまで手抜き) -上記にあるように、ヒロイン『トキ』には、『トワ』という別の人格がある。髪の色も違う。~ 本作にはトキとトワのそれぞれの好感度を表す「LOVEメーター」というシステムがあり、トキとトワの愛の重さのバランスを閲覧することができる。~ どちらか一方が増加した場合、もう片方が減るようになっている。 --ただし、このメーターが意味を持つのは後述のトゥルーエンドの条件を満たすかどうかの判定だけ。 -トゥルーエンドの条件を満たさない場合、ラスボス戦前の選択肢によってエンディングでトキとトワのどちらの人格になるかが決まる。 --しかしトワ版は花嫁のグラフィックも、エンディングの内容もトキ版の使い回しであり、髪の色の違いについては、''「まるでトキみたいだ」''という無神経な一言で片づけられてしまう。''これではトワが報われない。'' --これでは、何のために複数エンディングが用意されているのかわからない。 -2周目以降はLOVEメーターをトキとトワの中間に調整出来るようになるので、このゲージを中間にしてクリアすることでトゥルーエンディングが見れる…が、こちらも手抜き。 --トゥルーエンディングでは結婚式シーンカットでのCG1枚が表示されるのみで、CGを見終わると唐突にスタッフロールへ移行する。~ これだけである。そしてそのCGでは、何故かトキとトワが分裂して二人同時に結婚式にいる。 二重人格の二人が、なぜ別の人間として外に出られているのかについての説明はゲーム中では一切されない。 --その理由は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ真相が語られる。つまり、ドラマCDの付属しない通常版を購入したユーザーはその真相を知ることができない。 ---…と思いきや、実際はドラマCD内でも''「どうしてこうなったんだろう?」「それが……どうしてなのか、私にも全くわからないんだ」「きっと、僕らの愛の力が奇跡を起こしたんだよ」などと言った1~2分程度のちょっとした会話で流されて有耶無耶になるだけ''なので、上記の表現は厳密には正しくない(勿論悪い意味で)。 #endregion ''戦闘システム'' -『[[ドラクエ1>ドラゴンクエスト]]』のような1対1方式。複数敵が現れた場合は、1体倒すたびに次の敵が1体現れるという連戦方式。 --この形式自体は良いのだが、ゲームバランスやテンポの調整に難が多く、かなり乱れている。~ 序盤はまだしも、ゲームが進むにつれてやたら敵が堅くなり、戦闘自体の面白味も乏しい為テンポだけがどんどん悪くなっていく。 //テンポが悪くなっていくのはシステムの問題じゃなくゲームバランスの問題。 //--なお[[前例>エアーズアドベンチャー]]も存在する。 //エアーズアドベンチャーは姫が仲間になるから微妙に違う。十勇士陰謀編のように基本1対1方式でも面白いゲームもある。1対1であること自体を問題視するような文章はおかしい。 --敵が1体ずつしか出てこないことについて[[製作者のインタビュー>https://www.gamer.ne.jp/news/201211070002/]]では、「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。 -敵のパターンも非常に少なく、多くが既存の敵の色を変えたものばかり。色違いを除けば''種類数はボスを含めて20体程度。'' FCの初代ドラクエですら同条件で15体((反転・武器の有無程度は同一、竜王は形態別カウントとする))いるのだが…その何万倍以上もの容量を持つPS3のソフトでこの少なさはかなり目につく。 --アニメーションという仕様上、色違いの敵は当然行動パターンも同じなので、敵ごとの少ない対処法さえ覚えてしまえば作業ゲーと化す。 --パラメータ管理もずさんで、''同じ場所に出てくるのにあらゆるステータスが全く一緒''((種族と属性値を除く。あとはHP・近接攻撃力・遠距離攻撃力・魔法攻撃力・防御力・魔法防御力・GP・経験値・落とすお金やアイテムに至るまで全く一緒。))の敵2体が存在したりする。 --また得られる経験値や金銭などが異様に低く、''序盤と終盤とで得られる経験値が2倍程度しか増えない''。 --ただ''装備品の補正が異様に高い''為、強い装備を付ければレベルが上がって無くとも十分やっていける。これを救済策と呼んでいいのかは分からないが…。 -武器は銃と剣の2種((公式によればトキは銃・トワは剣が得意とされている。))。アクション要素があり、遠距離では銃での狙撃、近距離では敵の攻撃をかわしつつ剣で一撃を与える。そうやってSPゲージを溜め、隙を見て魔法&体術による一撃を与える…等''一見''バリエーション豊か。これをアニメーションで行えるのが本作の大きな売りの一つであるわけだが…。 --''それしかできない''。トキとトワで戦法が大きく違うという事もない(得意の武器で連撃が可能かどうか程度)。 --魔法の攻撃力が異常に強く、中盤からでは魔法の組み合わせで状態異常まで与えられる((もっとも、状態異常については途中のチュートリアル(一枚絵)で軽く説明されるだけなので、後述のボス戦で必要になった頃には忘れてしまっていることも多い。))。魔法ほど強くないが体術もまた有効なダメージソースとなる。一方、通常攻撃の威力は雀の涙で、ほぼSPゲージを溜める為の手段でしかない。 --最初の攻撃魔法だけでも''4000''ものダメージを与えられる。ちなみに通常攻撃は70程度。物理攻撃涙目。誇張抜きで「''装備を変えて魔法で殴ればいい''」のだ。''(原則)最後まで''。 ---[[これと似たようなゲーム>グランディアIII]]が過去にも。 ---あの「装備と魔法は役立たず、[[''レベルを上げて物理で殴ればいい''>ラストリベリオン]]ゲーム」とは見事に正反対なことをやっている。 ---流石に終盤になると魔法を当てる隙が少なくなり、いかにして隙を作るかという戦略を楽しめなくもない。やってる事は全く同じだが。 --ただし、中盤以降のボスは例外。異様に魔法耐性が上がるため、攻撃魔法に頼って力押しでプレイを進めていると適正レベルでも苦戦必至(状態異常は100%、ラスボスにさえ有効)。その場合は、単調なレベル上げにいそしむ気がなければ、(難度は上がるが)近接が得意なトワで殴った方が速い連打ゲーと化す。((連打ゲーに慣れた頃、開幕直後に即死級かつ回避不能の大魔法を放つボスが出てくるなど、プレイヤーに戦略を練らせようとした跡は見えるが……)) ---物理攻撃は連打でコンボを繋ぐ度に5%ずつ威力が上がるため、耐久力の高いボス相手に、物理攻撃のコンボを決め続ける爽快感はある。ラピッドタイム(味方の行動速度を上昇させる時魔法)と状態異常・物理攻撃を組み合わせてボスを完封できた時は意外に気持ちが良い。 --ちなみに回復魔法よりも回復アイテムの方が効果が強い上に、回復アイテムは戦闘中ほぼ任意のタイミングで使用できる。回復魔法を使用するメリットがほぼ無い。 -ドラゴンと化した主人公も戦闘に参加するがAI。マニュアル操作などは一切出来ず、特別頼れる訳でもない。とことんなまでに主人公(笑)。 --これらの点は、アニメーションの質そのものとは全く別の問題でいくらでも調整・用意のしようがあった筈であり、擁護の余地は少ない。 ''デュアルソウルシステム'' -レベルが上がるたびに、人格がトキからトワ、トワからトキへと交互に入れ替わるというもの。 --つまり、''レベルが上がるたびに別のキャラに強制的に変わり、自由に入れ替えができない''という仕様である。~ 育成の自由度、キャラへの拘り等様々な点から任意での入れ替えにした方が評価を得られたと思われるが。 ---新しいスキルを覚えた瞬間に入れ替わるので、せっかく覚えたスキルを使えないこともざら。パラメータとスキルは二人で別々に扱われるため、レベルアップしたのに弱くなってしまう事も。 --挙句、スキルとパラメータはほとんどがコンパチ仕様。しかも勝利ポーズなど''各モーションもトキとトワとで全く同じ''。ここは多少手間隙かけてでも、ある程度は差別化をしないと目に見えて不自然になる部分の筈だが。 ---その癖2人の性格は真逆なので、「スレたクールな台詞を呟きながら''ウィンク&ピース''するトワ」など、台詞とモーションが全くそぐわない場面が頻発する。 ---銃を連発する時のトキの台詞「''止まら止まら止まらないわよ!''」等シュールな場面も((一発ごとに「止まらないわよ!」という為台詞が重なり、前述の様に聞こえる。))。どこのダイアキュートですか?((誤解が無いよう書いておくが、『魔導物語シリーズ』のダイアキュートは最初から意図した演出である。)) --任意でトキとトワを入れ替えることができるアイテムが(ゲーム内非売品であるが)手に入る。そのアイテムは「コショウ」。どっかで聞いたことのある様な‥‥ ''その他システム面'' -マップ上での移動はFPSやTPSと同じラジコン方式。つまり方向キー左右でカメラ操作し、上下で移動するというもの。 --マップがあるとはいえ方角を把握しづらく、プレイヤー的には''常にトキ&トワの尻と絶対領域を拝める''位しか利点が無い。アニメ制作は時間と費用がかかるとはいうものの、横向きのアニメを作る余裕すら無かったのだろうか? --一部のTPS的なボス戦では方向キーやスティックで直接移動させるのだが、やはり横向きのアニメは無いので左右に移動する時も''常に前進のアニメーションで移動する''。プレイヤー的には常に尻(ry --マップの広さに比べて移動速度は正直遅い。移動にもアニメを使っているせいか、(実装すると動きが不自然になるであろう)「高速移動」に該当するシステムが存在しないので、最初から最後までマップ移動はとても時間がかかる。 ---しかも移動中は主人公とトキ(orトワ)の会話が頻繁に挟まる。ここでもサムいネタを連発されるので、ただでさえ辛い移動がますますキツくなっていく。 --マップ上でのエンカウントは、マップの広さに応じて調整はされているが全体にはそこそこ多め。エンカウントを抑制するアイテムが市販されているが、普通にプレイした場合「エンカウントを抑制しない状態で遭遇した敵を全滅させる」ことで漸く適正レベルと言ったところなので、初見プレイでエンカウント抑制や逃走を使うとボス戦がかなり厳しくなる。 ---ちなみに、エンカウント抑制アイテムの名前が「辛(から)い飴玉」。ゲームの仕様的に「つらい飴玉」と揶揄されることも‥‥ -サブクエストは116種もあるが、「モンスターを討伐してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」の3種のお使いイベントのどれかしかない。 --内容もありがちな悩みを普通に解決するだけのつまらない小話で、しかもそれが続き物になって使い回される。わざわざ寄り道してまで見る価値は薄い。 --報酬も店で買える品物の方が強いこともしばしば。そのため尚更やる意味が薄い。 --ただし、サブクエストクリアの報酬としてGP(スキル解放用のポイント)が手に入り、またボス戦があるサブクエストはボスの経験値の実入りが破格であるため、キャラ成長のためにサブクエストをプレイする意味はある。と言うか、サブクエストの大半をこなすこと前提でメインクエストのボス戦の適正レベルが設定されているため、単調な雑魚戦で稼ぐかつまらないサブクエストで稼ぐかの2択を迫られているとも言える。((余談だが、序盤から受けられる「とある」サブクエストのボスを無限に倒す方法があるため、知っていればこのサブクエストだけでクリアまでに必要なレベルを容易に稼ぎきることができる。連打ゲーなので連射付きコントローラは必須だが。)) -イベントCGがわずか11枚だけしかない。 --ちなみに結婚式シーンは''約5回同じものが使い回される''。 -バンナムお得意のぼったくりDLC。 --10分程度のシナリオとCG1枚で''500円''という値段である。シナリオだけでも全部買うと2,500円。 --CGは公式サイトなどで見ることができるので、そのために買う必要も全くない。 --現在DLCは配信停止し、公式サイトのページも見ることができなくなった。 -ロードがやや長い。特に主人公達の拠点となるカムザでは、街中の移動(カーソルで場所を指定する)ですら、いちいちロードが挟まるので非常に鬱陶しい。 ---- **評価点 -動きはともかく、ドットやポリゴンではなく、アニメで描かれたキャラを動かせる点は高評価。 --今迄はただ眺める事しか出来なかったアニメを自分の思い通りに動かせる…というコンセプトの作品はありそうでなかった為、そのチャレンジ精神は充分評価に値する。作画自体も乱れはほとんどない。 --ただし、HDアニメに限らなければ『[[ワリオランドシェイク]]』や本作の前年に発売された『クレヨンしんちゃん 宇宙DEアチョー!? 友情のおバカラテ!!』など手描きのアニメキャラを動かせるゲームはすでに存在していた。 -声優が豪華。 --主人公に代永翼氏、ヒロイン二人に花澤香菜氏と喜多村英梨氏を起用し、脇役には悠木碧氏・能登麻美子氏・杉田智和氏・若本規夫氏など非常に豪華である。ただその結果、完全に''声優の無駄遣いなゲーム''に終わってしまっている。 -バグは少なく、BGM・UI・キャラクターデザインは好評。 --BGM作曲は古代祐三氏と柳川剛氏((このことはあまり知られていないが、空中庭園や渓谷など、4曲を作曲している。))。チープな画面に似合わないほどの豪華な曲が多い。 --だからこそ、''このままの出来で出荷したという謎の現象''が浮かび上がる。誰一人として疑問に思わなかったのだろうか? -マップは宝箱やイベント発生地点なども表示される。作業感が強い、という意見もあるが。 -戦闘中によくパンチラするなど、エロ要素は大好評。公式サイトのミニゲームやDLCもエロ全開を売りにしていた。 --「''キャラを見て萌えられるなら、シナリオやシステムなんてどうでも良い''」という人にはお勧めできるか。~ シナリオ、戦闘システム等といった『RPG要素』を徹底的に無視して、美少女キャラの表面上の萌え要素だけガン見する分には、そこそこ楽しめる。 ---尤も、そうしようにも萌え要素を殺しにかかる下品またはサムいギャグや、美少女達に悪い虫の如く下劣なアプローチを続ける主人公、ストーリーを進める為上記のテンポが悪くアンバランスな戦闘をそれなりにこなさなければならない…等の阻害要素はかなり多い。そもそもそれほどまでの労力を使って本作の萌えを楽しむくらいなら、特別本作への拘りが無い限り、別のギャルゲー等を購入した方がずっと気楽に、シナリオ的にも噛み合った萌えを堪能する事が出来るだろう。 ---- **総評 「アニメでキャラクターを表現する」というアイデアとチャレンジ精神自体は良かったのだが、コンセプトに技術力が追い付いておらず、完全に力を入れるところを間違えているとしか言い様がない出来になってしまった。~ アニメには不自然な点が目立つ上に戦闘システムにも影響が出ており、やはり企画の時点で無謀な部分が大きかったのだろう。~ それだけなら充分擁護の余地もあったが、アニメ云々以前の基本的な作り込み、RPGとしてのバランス調整やボリューム、シナリオ面やキャラの魅力も非常におざなりで、ほぼ全面的に遊びづらい完成度であったため、クソゲーの烙印を押される形になってしまった。 萌えエロ要素が大好きな人でも、安易に手を出すのは危険である。他の萌えエロ系のゲームにもバカゲー要素を含む作品が幾つかあるが、そうした要素を目当てにプレイしても却って興を削がれる結果に終わりかねない。~ 上記にあるように、萌えエロ要素の為に全ての問題点を無視出来ない限りは手は出さない方が良い。むしろ、プレイヤー側から''「消費者センターに訴えますよ!」''といってやりたくなること受けあいなゲームである。 出来の悪さを象徴するかのように、大手量販店では発売してから一ヶ月も経たない内に値崩れを起こし、あっという間にワゴン行きとなってしまった。 ---- **その後 -2013年2月、NIS America(日本一ソフトウェアの子会社)が、欧米向けに本作を&i{Time and Eternity}というタイトルで発売すると発表し、同年の6月28日(欧州)と7月16日(米国)に発売した。→[[ソース(pdfファイル)>https://nisamerica.com/pressreleases/Time_and_Eternity_20130221_finpb.pdf]]→[[NIS Americaの公式サイト>https://nisamerica.com/games/time_and_eternity/]] //さすがにこのリンクは日本一の代表作がラストリベリオンだと言っているように見えて、どうかと思う。 --しかし、やはりというべきか本作の評判は芳しくない模様。実際、多くのレビューサイトでは上記の問題点が指摘されている(参考:[[GameSpotのレビュー>https://www.gamespot.com/reviews/time-and-eternity-review/1900-6411775/]])。 --これまた''誰一人として疑問に思わなかったのだろうか?''英訳している時点で、ゲーム内容にも、最低でも寒い漫才にも目を通しているはずである。~ しかも、NISにしてみればもともと他社のゲームソフトなので報告・中止したところで誰も傷つかず、何の汚点にもならないはずなのだが…? ---海外版でもシナリオはほとんど変わっていない。一部キャラクター名や日本以外じゃどうしても伝わらない習慣((例:キザなサブキャラのプロポーズのセリフ「俺のために毎朝みそ汁グツグツしてくれ!」→「俺のために毎朝コーヒーを淹れてくれないか?」))の類を除いて、そのまま英語で吹き返されている。主人公のウザい言動や「消費者センター」「ナイター中継」等の滑ったギャグもそのまま。 --それにしても、[[ギャグが同じようにスベったゲーム>Let's 全力ヒッチハイク!!!!!!!!!]]や[[反対方向にバランスが狂ったRPG>ラストリベリオン]]も日本一ソフトウェアである。''なんとも懲りない会社である。''~ …もっとも、だからこそ、''日本一ソフトウェアにとってはまともなゲーム''だったのかもしれない。 -主要開発元であるイメージエポックは、業績不振により2014年11月までに活動を停止、本作発売から2年後の2015年5月に破産宣告となった。 --自社販売でない本作による経済的損失は大きくなかったはずだが、メーカーの悪評をより広めた一因であったことは否定できないだろう。 --同社はこの反省かのように本作以降は『[[闘神都市 (3DS)]]』、『[[STELLA GLOW]]』などの良作を開発していたものの、創立10周年記念作とする筈だった『STELLA GLOW』の発売を待たずしての倒産となってしまった。 -2017年には1930年代カートゥーン風の手描きアニメで描かれたアクションゲーム『[[Cuphead]]』が発売。 --カートゥーンの画面を完全再現したグラフィックを実現しながらも、ゲーム性も洗練されており異常なまでの完成度を誇る作品である。&br()イメージしやすいように例えるなら、あのミッキーマウスの最初期のアニメ『蒸気船ウィリー』''そのまんまの画面''でアクションゲームができる。 //---しかもRPGである本作に対しこちらはアクションゲームであり、当然ながらアニメーションに必要なコマ数もケタ違いに多い。&br()手描きアニメだからと言ってゲーム本体が面白くないのは言い訳以外の何物でもないということを雄弁に語る稀有な例である。 ---ただし、こちらはごく少人数のスタジオで制作されたインディース(個人開発)ゲームであり、アニメパートだけでも完成まで実に7年もかかっている。''スタッフは開発のため当時勤めていた会社を退職してまで時間を作り、さらに自宅を抵当に入れて資金を集めていた程''。このレベルの開発期間と完成度を、商業ベースの商売で会社を回していかなければならないプロの開発会社に求めるのは無理がある。資金の限られた小規模な会社ならなおさらである。~ それだけ、『「手描きアニメ」と「ゲーム」の融合』」という発想の実現がいかに難しいか」ということの証明となっているといえよう。 **余談 -ファミ通クロスレビューでは''9・8・8・7で計32点''の&color(gold,black){''ゴールド殿堂''}。''またやってくれたなファミ通''。 --序盤までの判定や人を選ぶという理由はあるがそれでも高得点過ぎである。ただし、&b{レビュー文をよく見てみると本作の悪所を端的かつ正確に述べていたりもする}。 //裏取引疑惑の話は信憑性の点で怪しいので消しました。 --静止画だけ見ると面白そうなゲームに見える為か、動きで情報が伝えられないファミ通では「期待の新作」最高第6位まで上り詰めた。 -ニコニコ生放送などの宣伝でもPV以外のゲーム画面を一切出さず、発売直前の東京ゲームショーでも試遊がないなど、後から考えれば印象操作であったかのような宣伝展開も批判される。 -元々は桝田省治氏が企画・原案に参加していたのだが、その後''何故か開発中断と偽りつつ''敢行していた模様。お蔵入りと思っていた作品が突如ゲーム誌に発表されたため驚いたという。 --氏の作品の常連である高山みなみ氏は出演していないものの、''有名声優を惜しみなく起用している点だけ''は氏の作風と共通しているかもしれない。 --また、この「時と永遠」という題名自体が、その時に読んでいた「波多野先生の著書のタイトル」を企画中の仮タイトルとしてそのまま借用したものであったらしく、それが変更されずにそのまま製品版に使われてしまった模様。 ---氏は製作自体に、もちろんタイトルの決定にも関与していないが、題名が被っているだけなので著作権上の問題はない。 -こんなゲームでもガチ勢がおり、国内と&bold(){海外で}RTAが繰り広げられている。既読イベントスキップを使用した上でだが、クリアタイムは2時間を切る1時間50分台(バグ利用なし)。近年のRPGではまれに見るタイムである。 --ちなみに、実際のセーブタイムはこれより20分ほど短い。つまり、''約2時間中20分がロード時間''ということになる。 //-余談中の余談になるが、かつて「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた「タカヤ 夜明けの炎刃王」という漫画において『異世界で出会ったドラゴンに、魔石製作の儀式に必要なドラゴンズ・ジュエルという名の&bold(){ハナクソ}を貰う』というエピソードがあるのだが、こちらもこちらで大いに滑っていた。ドラゴンがらみであることと、上記の「サムシング・フォー」の引渡し場面の寒いギャグで、この漫画を思い出したプレイヤーもいたのではないだろうか。 //--因みにこの漫画の一般的評価も、&bold(){このゲームに負けず劣らずで低い}。詳細は各自検索で。 //元ネタとの直接的な関係が認められないことや、不快度を考慮して、この「余談中の余談」については封じることとしました。異論は個人の判断ということでお任せします。 ---- -参考リンク >[[桝田省治氏のTwitter発言(2012/01/22) - Twilog>https://twilog.org/ShojiMasuda/date-120122/allasc]] >[[題名の借用元と思われる作品(内容自体は無関係):「時と永遠」波多野精一 - 青空文庫>https://www.aozora.gr.jp/cards/001011/files/42752_24929.html]]

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