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*バウンサー 【ばうんさー】 |ジャンル|アクションRPG|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61Z7B7MJBKL.jpg,http://amazon.co.jp/dp/B00005OVV5,height=160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|スクウェア|~| |開発元|ドリームファクトリー|~| |発売日|2000年12月23日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|''殆どムービー''&br;ボリュームが薄すぎる|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 PS2が発売した2000年の年末に発売された、スクウェア発の3D格闘アクションゲーム。発売当初はその美麗なグラフィックやストーリーなどで、ユーザーの興味や期待を寄せていたが…。~ 開発は現在ではクソゲーを%%量産%%排出しまくるドリフ。テレビCMでは「''DVDでゲームを''」という点が強調されていた。 ---- **ストーリー (説明書5ページから引用) >超巨大国際企業「''ミカドグループ''」の中心、「''ミカドビル''」を望むドッグストリート~ その地域のBARには必ず「''バウンサー(用心棒)''」がいる。~ シオン、コウ、ヴォルトの3人もそのバウンサーとして、自分たちの店、Bar「''FATE''」をゴロツキどもから守っていた。~ ~ 以前、街で倒れているところをシオンに助けられたドミニクは、いつのまにか「''FATE''」のマスコット的な存在になっていたが、~ 彼女の素性は誰も知らなかった。~ ~ 退屈な、それでいて平和な日々を送っていた彼ら。しかし、ある日ドミニクはミカド特殊工作部隊により拉致されてしまう。~ ミカドの目的とは? ドミニクに隠された秘密とは?~ 果たして、シオンたちはドミニクを救うことができるのだろうか……。~ 3人の長い夜が、今始まる! ---- **問題点 -ムービー。 --総プレイ時間約2時間、内8割はムービーとボリュームが薄い。今で言う「''ムービーゲー''」である。「''ムービーの合間にゲームができる''」と言ってもいい程に操作可能なパートは短く、大体プレイ時間より2倍以上の長いムービーが入る。しかもムービーが終わるとまたムービー、そしてムービー…ゲームの方が幕間と化している。 --ストーリー自体も非常に陳腐で月並み。「酷い出来」とまでは言わないが、少なくともストーリーで高い評価を得ることはできなかった。 ---また、時折ロード中にキャラクターの会話文章が表示されそれが物語の伏線になっている事がある。''それは本編でやるべきだろう。'' -ゲームシステム。 --発売前から雑誌などでこのゲームの売りとしてACS(アクティブ・キャラクタ・システム)やPEC(ポイント・エクスチェンジ・システム)・トリニティラッシュなどの多くの要素を宣伝していたが、これらの要素もゲームの魅力を形成できておらず完成度は今一。 --''Active Character System'' ---単なるマルチシナリオの事で、プレイヤーの操作キャラが3人の内誰であるかでストーリーが分岐する…という触れ込みであったが、実際の所はストーリー中で見られるムービーが多少変化するだけで''シナリオの本筋は誰を選ぼうと何をしようと変わらない''。''詐欺である。'' --''Point Exchange System'' ---RPGのように敵を倒す事で経験値を溜めキャラを強化できるシステム。これにより「エクストラスキル」という所謂必殺技などを修得する事ができるのだが…。 ---強化できるのはその戦闘で使用したキャラのみで、まんべんなく経験値を全員に配分する事はできない。これだけならまだしも敵はプレイアブルキャラの内最も強い1人を基準に強化される為、何も考えずによく使うキャラだけを強化すると''敵が強化されすぎて''後で取り返しのつかない事になる。当時はこれを「''開発側からの使用キャラ強制''」と邪推するプレイヤーもいた。 ---その上、敵の強化される幅が大きいのでプレイキャラを強化してもどうにも強くなった感じがしない。 -その他。 --3Dアクション系クソゲーのお約束として、''カメラワークが悪い''。 --ロードもとても長く、ゲームのテンポを殺害している。メインディッシュの長いムービーが挟まることを併せても、アクションゲームとして余計にテンポの悪さを引き立たせてしまっている。 --初心者でも簡単に技が出せるようにボタンの強弱で技を出し分けるシステムになっているが、無いに等しいストロークのボタンで強弱を調節できる人間を「初心者」と呼べるのだろうか。 --キャラクターのモーションは一般的な格闘ゲームの水準に達しているものの、ダウン時の挙動が非常にチープ。全身から力が抜け切ったその姿はまるで糸の切れた操り人形のような不気味さ。KO時限定なら「気絶している為」という説明も出来るが、投げ技や吹っ飛ばし攻撃によるごく一時的なダウンでもこのザマである。 --ドリフが過去に手掛けた『[[トバル>トバル2]]』シリーズからのモデル・モーションの流用が目立つ。ロボット系の敵など、モデルをそのまま流用したようなものも存在する。 --同じ「野村哲也氏がキャラデザイン」という事もあってか、ストーリーやゲーム全体のデザインが特に『[[FFVII>ファイナルファンタジーVII]]』に似てしまっている、という指摘も多い。 ---本作の悪の組織にあたる超巨大企業ミカドはもろに神羅カンパニーと重なる等、どうにも『FF』シリーズを意識した設定が散見される。 ---因みに主人公シオン・バルザードの声を担当した''櫻井孝宏''氏は[[のちに本当にクラウドの声を担当>キングダム ハーツ]]、しかも[[専属>ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII]]となった。本作での演技を買われたか? ---- **評価点 -アクションゲーム部分は比較的しっかりしているため、おまけの対戦モードはなかなか遊べる出来。 --ストーリーに登場した敵ネームドキャラも一通り使用することができ、自分の手で育てたキャラを持ち寄って対戦させることもできる。 -グラフィックは兎にも角にも美麗。PS2登場初期のゲームでありながらPS2中~後期レベルのムービーグラフィックを実現している。また、アクションパートも「PSのムービーを動かしているようだ」と称賛された。 -一応、周回による隠し要素などがあり、やりこみを前提とした作りになっている。 -パンク調のBGMや、英語音声と日本語音声が切り替えられる点は一応評価したい。 --日本語声優は前述の櫻井孝宏氏を始め豪華な面子が揃っており、アニメやゲームを嗜んでいる人なら「あ!これあの声だ!」と言いたくなるだろう。 ---グラフィックもそうだが、これだけでも結構な資金をつぎ込んでいるのが分かる。この辺りは天下のスクウェア様のお力だろうか?%%金の使い方間違ってるだろ・・・。%% ---- **総評 致命的なボリュームの薄さに、努力の方向性を完全に間違えたムービー量。それ以外の点でも地味につぼを抑えている典型的なスカスカのクソゲー。~ 当時は「映画感覚のゲーム」などと宣伝されたが、その宣伝に「見合った内容」とは言いがたい。 ---- ---- **余談 -大量出荷による激値崩れで『[[アンリミテッド:サガ]]』が現れるまでPS2ワゴンコーナーの主であった。今でも安い所では''新品''100円未満で売っていたりする。 --6800円もするボリュームではないものの、ワンコインゲームだと思えばそこまで悪くはない。買ってみるのもいいだろう。 -この頃はドリフもまだ有能なスタッフを多数擁していた時期で、俗に言う「ナイトメアファクトリー」に堕ちる前である。時期的にはあの『[[エアガイツ]]』の2年後であり、CG映画版『FF』の大赤字はまだ起こっていない為、恐らくは有能なスタッフがまだ多数いた筈である。 --このゲームがクソゲーに堕した要因として、開発にスクウェアの時田貴司氏や野村哲也氏も深く関与しておりそれがドリフとうまく噛み合わなかったものと思われる。 ---''これ以降スタッフが離れ、ドリフは没落していく…。'' ----
*バウンサー 【ばうんさー】 |ジャンル|アクションRPG|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61Z7B7MJBKL.jpg,http://amazon.co.jp/dp/B00005OVV5,height=160)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|スクウェア|~| |開発元|ドリームファクトリー|~| |発売日|2000年12月23日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|''殆どムービー''&br;ボリュームが薄すぎる|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 PS2が発売した2000年の年末に発売された、スクウェア発の3D格闘アクションゲーム。発売当初はその美麗なグラフィックやストーリーなどで、ユーザーの興味や期待を寄せていたが…。~ 開発は現在ではクソゲーを%%量産%%排出しまくるドリフ。テレビCMでは「''DVDでゲームを''」という点が強調されていた。 ---- **ストーリー (説明書5ページから引用) >超巨大国際企業「''ミカドグループ''」の中心、「''ミカドビル''」を望むドッグストリート~ その地域のBARには必ず「''バウンサー(用心棒)''」がいる。~ シオン、コウ、ヴォルトの3人もそのバウンサーとして、自分たちの店、Bar「''FATE''」をゴロツキどもから守っていた。~ ~ 以前、街で倒れているところをシオンに助けられたドミニクは、いつのまにか「''FATE''」のマスコット的な存在になっていたが、~ 彼女の素性は誰も知らなかった。~ ~ 退屈な、それでいて平和な日々を送っていた彼ら。しかし、ある日ドミニクはミカド特殊工作部隊により拉致されてしまう。~ ミカドの目的とは? ドミニクに隠された秘密とは?~ 果たして、シオンたちはドミニクを救うことができるのだろうか……。~ 3人の長い夜が、今始まる! ---- **問題点 -ムービー。 --総プレイ時間約2時間、内8割はムービーとボリュームが薄い。今で言う「''ムービーゲー''」である。「''ムービーの合間にゲームができる''」と言ってもいい程に操作可能なパートは短く、大体プレイ時間より2倍以上の長いムービーが入る。しかもムービーが終わるとまたムービー、そしてムービー…ゲームの方が幕間と化している。 --ストーリー自体も非常に陳腐で月並み。「酷い出来」とまでは言わないが、少なくともストーリーで高い評価を得ることはできなかった。 ---また、時折ロード中にキャラクターの会話文章が表示されそれが物語の伏線になっている事がある。''それは本編でやるべきだろう。'' -ゲームシステム。 --発売前から雑誌などでこのゲームの売りとしてACS(アクティブ・キャラクタ・システム)やPEC(ポイント・エクスチェンジ・システム)・トリニティラッシュなどの多くの要素を宣伝していたが、これらの要素もゲームの魅力を形成できておらず完成度は今一。 --''Active Character System'' ---単なるマルチシナリオの事で、プレイヤーの操作キャラが3人の内誰であるかでストーリーが分岐する…という触れ込みであったが、実際の所はストーリー中で見られるムービーが多少変化するだけで''シナリオの本筋は誰を選ぼうと何をしようと変わらない''。''詐欺である。'' --''Point Exchange System'' ---RPGのように敵を倒す事で経験値を溜めキャラを強化できるシステム。これにより「エクストラスキル」という所謂必殺技などを修得する事ができるのだが…。 ---強化できるのはその戦闘で使用したキャラのみで、まんべんなく経験値を全員に配分する事はできない。これだけならまだしも敵はプレイアブルキャラの内最も強い1人を基準に強化される為、何も考えずによく使うキャラだけを強化すると''敵が強化されすぎて''後で取り返しのつかない事になる。当時はこれを「''開発側からの使用キャラ強制''」と邪推するプレイヤーもいた。 ---その上、敵の強化される幅が大きいのでプレイキャラを強化してもどうにも強くなった感じがしない。 -バトル面 --3Dアクション系クソゲーのお約束として、''カメラワークが悪い''。 --ロードもとても長く、ゲームのテンポを殺害している。メインディッシュの長いムービーが挟まることを併せても、アクションゲームとして余計にテンポの悪さを引き立たせてしまっている。 --初心者でも簡単に技が出せるようにボタンの強弱で技を出し分けるシステムになっているが、無いに等しいストロークのボタンで強弱を調節できる人間を「初心者」と呼べるのだろうか。 --キャラクターのモーションは一般的な格闘ゲームの水準に達しているものの、ダウン時の挙動が非常にチープ。全身から力が抜け切ったその姿はまるで糸の切れた操り人形のような不気味さ。KO時限定なら「気絶している為」という説明も出来るが、投げ技や吹っ飛ばし攻撃によるごく一時的なダウンでもこのザマである。 --ドリフが過去に手掛けた『[[トバル>トバル2]]』シリーズからのモデル・モーションの流用が目立つ。ロボット系の敵など、モデルをそのまま流用したようなものも存在する。 -その他。 --同じ「野村哲也氏がキャラデザイン」という事もあってか、ストーリーやゲーム全体のデザインが特に『[[FFVII>ファイナルファンタジーVII]]』に似てしまっている、という指摘も多い。 ---本作の悪の組織にあたる超巨大企業ミカドはもろに神羅カンパニーと重なる等、どうにも『FF』シリーズを意識した設定が散見される。 ---因みに主人公シオン・バルザードの声を担当した''櫻井孝宏''氏は[[のちに本当にクラウドの声を担当>キングダム ハーツ]]、しかも[[専属>ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII]]となった。本作での演技を買われたか? ---- **評価点 -アクションゲーム部分は比較的しっかりしているため、おまけの対戦モードはなかなか遊べる出来。 --ストーリーに登場した敵ネームドキャラも一通り使用することができ、自分の手で育てたキャラを持ち寄って対戦させることもできる。 -グラフィックは兎にも角にも美麗。PS2登場初期のゲームでありながらPS2中~後期レベルのムービーグラフィックを実現している。また、アクションパートも「PSのムービーを動かしているようだ」と称賛された。 -一応、周回による隠し要素などがあり、やりこみを前提とした作りになっている。 -パンク調のBGMや、英語音声と日本語音声が切り替えられる点は一応評価したい。 --単に「日本語音声と英語音声が切り替えられる」というだけでなく、エンディングテーマの言語まで変化する。ゲームとして意味があるかはともかく、ここまで手の込んだものはそう無い。実際、海外の人物がプレイすることを想定していたのか、音声だけでなくジェスチャーなどが変化する場面もあり、意外と作り込まれている部分もある。 --日本語声優は前述の櫻井孝宏氏を始め豪華な面子が揃っており、アニメやゲームを嗜んでいる人なら「あ!これあの声だ!」と言いたくなるだろう。 ---グラフィックもそうだが、これだけでも結構な資金をつぎ込んでいるのが分かる。この辺りは天下のスクウェア様のお力だろうか?%%金の使い方間違ってるだろ・・・。%% ---- **総評 致命的なボリュームの薄さに、努力の方向性を完全に間違えたムービー量。それ以外の点でも地味につぼを抑えている典型的なスカスカのクソゲー。~ 当時は「映画感覚のゲーム」などと宣伝されたが、その宣伝に「見合った内容」とは言いがたい。 ---- ---- **余談 -大量出荷による激値崩れで『[[アンリミテッド:サガ]]』が現れるまでPS2ワゴンコーナーの主であった。今でも安い所では''新品''100円未満で売っていたりする。 --6800円もするボリュームではないものの、ワンコインゲームだと思えばそこまで悪くはない。買ってみるのもいいだろう。 -この頃はドリフもまだ有能なスタッフを多数擁していた時期で、俗に言う「ナイトメアファクトリー」に堕ちる前である。時期的にはあの『[[エアガイツ]]』の2年後であり、CG映画版『FF』の大赤字はまだ起こっていない為、恐らくは有能なスタッフがまだ多数いた筈である。 --このゲームがクソゲーに堕した要因として、開発にスクウェアの時田貴司氏や野村哲也氏も深く関与しておりそれがドリフとうまく噛み合わなかったものと思われる。 ---''これ以降スタッフが離れ、ドリフは没落していく…。'' ----

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