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*クリムゾンティアーズ 【くりむぞんてぃあーず】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0001GQ8MM,image);| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|スパイク、ドリームファクトリー|~| |発売日|2004年4月22日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |レーティング|15歳以上対象|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|カメラワーク劣悪&br;無駄に豊富な状態異常&トラップ&br;極端に強すぎる後半面のボスは操作テクでもカバーできないレベル&br;ムービー・グラフィック・声優は好評|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンがスパイクと共同でリリースした作品。しかし両社はプロデュースの立場であり、実製作はドリームファクトリーが行なっている。~ 公称ジャンルは「ファイティングRPG」。3Dグラフィック・フリーラン方式の格闘アクションゲームだが、毎回形の変わるダンジョンに潜入して武器やアイテムを拾い集めながらボスを目指すという、ローグライクRPGのシステムが取り入れられている。~ 「壮大なアクションストーリー」「ハイクオリティなアニメーションムービーがストーリーを熱くする」「新ジャンルを開拓する」など、宣伝文句だけなら良ゲーに見えなくもないのだが…… **ストーリー #region(長いので格納) >東京に誕生した新たな地、第24区。~ この区画は世界でも有数の巨大兵器企業、A.R.M.A社のために生まれた王国であり、研究施設や生産工場が建ち並ぶ、前例の無い特区だった。~ A.R.M.A社は社長の甲斐英一郎を絶対的な頂点として、国内外の軍事産業、宇宙開発事業を牛耳り、中でも世界のロケット製造シェアに至っては全体の85パーセントをも手中に収めていた。~ 2044年、A.R.M.A社は持てる技術の粋を集めて宇宙基地の建造を成功させた。A.R.M.A社はすぐさま、この基地を拠点として本来の目的である火星探索を開始した。~ この探索において、人類とは異なる種である未知の生命体を発見し、極秘裏の内にこれを捕獲した。~ そしてこの一件から程無くして、A.R.M.A社はバイオテクノロジーの分野に進出し、さらなる発展を遂げる事になるのだった。~ ~ そもそも甲斐英一郎がA.R.M.A社を設立した目的は、超兵器としての人造人間開発にあった。~ 甲斐は潤沢な資金と研究施設の提供、現場責任者の地位を約束することで、遺伝子操作の天才と謳われる小杉博士をA.R.M.Aに迎え入れていた。~ 理想主義者である小杉は、兵器開発に携わっているとは知らずに、自らの夢である、人類の更なる進化について研究を進めた。~ 小杉は長年の研究の成果として、全く新しい遺伝子操作技術を完成させた。さらに、その技術が未知の遺伝子と結びつくことで、新たな生命の創造を可能とした。~ 第24区にそびえるA.R.M.A社ビル研究棟の一室で、小杉は第一号人造人間を誕生させる。その人造人間は小杉が夢見た人類の進化の理想形だっただけではなく、甲斐が求める人型生体兵器(ミューティノイド)でもあった。~ トキオと命名した第一号に続き、小杉は全5体の人造人間を完成させた。人造人間はどのような状況下でも生き抜けるだけの力と頭脳を与えられ、個体別に様々な能力が付与された。~ 小杉は人造人間達に対して我が子同然に接し、人としての教育を施していった。しかしこの時、小杉は自分が最強の兵器群を作り出したことに気付いていなかった。~ ~ 小杉博士による人造人間開発と並行して、小杉の部下達は甲斐の命に従い、秘密裏に博士の研究を応用し、それぞれが独自の生体兵器開発に着手していた。~ 生命を弄び、冒涜するかのような過程を経て、人類を超越した能力と、人類からかけ離れた容姿を持った異形のモンスターが次々と生み出された。~ 開発されたモンスター群はファクトリーでの大量生産体制に入った。生体兵器という商品として大量生産されるモンスター。~ しかし、この量産体制が仇となった。A.R.M.A社は自ら生み出した大量のモンスターを制御できず、制御不能のモンスターは次々と暴走した。~ 暴走は破壊を呼び、破壊は研究施設、ファクトリーの暴走をも引き起こした。暴走の連鎖により、東京第24区はA.R.M.A社の研究施設を中心に歪みの中へと囚われた。~ 隔絶されたこの地には、不安定な時空に形成された次元迷宮((東京の一角を飲み込んだ謎の現象。謎の爆発事故後、空間の歪みによって不安定で次元を越えたダンジョンが形成されている。))とモンスター、生き延びた一握りの人々、そして数体のミューティノイドが残された。~ ~ 混沌と破壊を終わらせるべく甲斐が下した結論は、第24区の封鎖、さらにはミューティノイドによるモンスター掃討だった。~ 兵器ではなく人間として、仲間を助けるために暴走の中心へと降り立つアスカ。~ しかし己の行動が甲斐に仕組まれたものであり、新たな悲劇の前触れだということを、この時彼女はまだ知らなかった……。~ (公式ガイドブックより抜粋) #endregion ---- **特徴 -アスカ(女)、カエデ(女)、トキオ(男)の3人の主人公から一人を使って((これに関しては「迷宮には一度に一人しか入れない」という謎の設定によるものである。))ダンジョンに潜り、ゲームを進めていく。 --キャラコンセプトとしては一応、アスカは接近戦武器で突っ込む猪突猛進型、カエデは一撃が重いヒットアンドアウェイ型、トキオは格闘と射撃を使い分けるテクニカル型を想定していたと思われる。~ もっともカエデとトキオは、キャラ特性とゲームデザイン・ゲームバランスが噛み合っていないので強さを実感しにくい。 -ダンジョンは「無限生成ダンジョン」と称されており、入るたびに自動生成される。 -キャラクターにはHPの他に「MT値」(要するに空腹値のようなもの)があり、時間経過のほか、攻撃、緊急回避、必殺技、絶対フィールド(他ゲーでいうメガクラッシュ)の使用で上昇する。 --これが最大になると「オーバーヒート」を起こす。しばらくのあいだ移動速度が1.5倍、攻撃力5倍になる代わりに防御力は0に。更にHPも急速減少し、オーバーヒート終了時には最大値の10%にまで減ってしまう。 -敵を倒して得られる経験値が一定値に達するとレベルアップ。また武器の強化や合成、技の強化なども行える。これらの手段で強くなっていくことで、初見では勝てなかった強敵にも勝てるようになっていく。 -ダンジョン内で力尽きた場合、他のキャラで救出に向かうことができる。一定時間内に力尽きたキャラに接触できるとノーペナルティで基地に送還される。救出に失敗・断念した場合は、所持アイテムの大半を失い、稼いだ経験値もゼロになってしまう(レベルは下がらないが)。 -ボス戦でやられた場合、他のキャラを使ってそのボスと引き続き戦うことができる。ただし、装備の変更と回復アイテムの使用が不可能なため勝ち目は薄い。 ---- **問題点 -ロックオンシステムが不便 --ロックオンは基本的に自動で行われるのだが、明らかに近くの敵がいるにもかかわらず、遠くの敵をロックオンすることが多々ある。 --ちなみにこのロックオン、後述のトラップである地雷にまで反応する。そのため、敵を攻撃していたら''地雷に殴りかかって吹っ飛ばされる''というギャグのような展開になる事も。 --なお、ロックオンには「3Dスティックを向けた方向の敵を優先的にロックオンする」という性質があり、これを活用すれば戦闘が大分快適になるのだが、この操作に関しては説明書でもゲーム中でも説明されない。 -敵の「銃を抜いて撃つ」動作の所要時間と弾速、銃の普及率がウザい。 --出現する敵のほとんどがハンドガンかショットガンを装備しており、唯一の稼ぎ要素であるコンボを繋ごうとすると、ほぼ確実に後方や画面外から撃たれる。 --銃器は先述した2種類の他、ロケット砲、機銃、火炎放射器、レーザー砲など様々で、基本的に当たるとのけ反るか吹っ飛ばされる。ゲーム中、誰かがこっちを飛び道具で狙っていない場面は半分も無いため、頻繁に転ばされて展開が止まる。 --一応、発射時に警告のボイスなどもあったりするが、どの敵でもどんな武器でも発射してから台詞を言うため、画面外から撃たれた事に気付くのとほぼ同時に着弾する。 ---中には一切声を出さずにロケット砲やレーザー砲をぶっ放してくる兵士もいる。どう避けろと。 -そのくせ、自機の射撃動作には2秒近い硬直がある。また、銃のロックオンシステムも酷く「敵を正面に捉えて銃を構えたのに全然違う方向の敵をロックオン」「至近距離で銃を構えてすぐ射撃したら、ロックオンが追いつかず全然違う場所に撃っていた」「2体の敵が接近してきて片方を倒しそのままもう片方を撃とうとするが、''ロックオンが解除されず倒した敵の死体がある場所に撃ち続け、もう片方に殴られる''」ということも珍しくない。 --このように戦闘では銃はちっとも使い物にならない。役に立つのは地雷や砲台の破壊((銃器はなぜか罠に対し非常に高い効果がある。))と、ごく一部の敵相手ぐらいで、遠距離は全面的に敵の天下と言ってよい。 ---ただし男キャラのトキオは例外で、二丁拳銃装備で隙を小さくできる上に、射撃後の硬直を緊急回避動作でキャンセルできるので、銃を実用レベルで使いこなせる。しかし彼を使っても、敵の射撃攻撃がツラいことに変わりはない(むしろトキオは体が大きく足も遅いため回避が難しい)。 -結局のところ、敵の遠距離攻撃に対抗する手段は「戦闘中は常に動き回り、足を止めない」ということぐらいしかない。足を止めたら敵の銃撃のいい的になるだけ。 --ただし、部屋にいる同種の敵は1体ずつしか銃撃を行わない仕様((ステージ4などに出る「ガーディアン」とステージ7に出る「エージェント」は例外))になっているのが救いか。 -多彩な状態異常(各個に専用の回復薬を要する)と、多彩というほどでもないが鬱陶しいステージ固有トラップを搭載。 --状態異常の具体例 ---バーニング:MT値が凄まじい勢いで上がっていく。自然治癒を待つと最終的には60%上昇する。 ---コンボダウン:単発攻撃しかできなくなる。ちなみにこの状態異常を使うフィアーという敵は、常にHPが回復するという特性を持つ。 ---アタックダウン:''攻撃が一切できなくなる。''もしアラーム部屋(モンスターハウスに相当するもの。閉じ込められて他の部屋に移動できない)でこの状態異常になってしまったら、自然治癒するまでの30秒間、部屋中を逃げ回る羽目になる。 --ステージギミックの具体例 ---ステージ2:特定箇所を通過すると落ちて来る落盤。それなりに威力があり当たると転ばされる。床には目印が書かれているが、場所によってはちゃんと見えないこともある。 ---ステージ3:こちらの居場所を正確に狙ってくるグレネード砲台。索敵範囲がやたらと広く、砲台自体も硬い。なお、エクストラステージでは威力がさらに強化されて登場する。 ---ステージ4:爪先ほどの小さな地雷。近付くと広範囲に炸裂、転倒。密集して配置されているので、転んだ先に別の地雷があると追撃が確定。 ---ステージ5:一個あたり20発くらい殴らないと(10秒ほど足を止める必要あり)壊せないバリケードで埋まった通路。そばに銃撃を行う敵がいれば、上手く誘導して彼らに破壊させて楽に処理できる。いなければ自力で壊すしかない。 ---ステージ7:定期的にレーザーを連射、一発当たったら砲撃が止むまで食らうレーザー砲台。ほとんどの部屋に設置されている。グレネード砲台と違い、方向が固定なので避けやすいのが救い。 --なお、基本的にトラップは主人公のみに反応する。 -本編クリア後に挑めるエクストラステージではこれまでに登場したトラップのほとんどが登場。さらに新たなトラップとして「部屋内を角度と速度を変えつつ動き回るボール(当たると大きく吹っ飛ばされる)」「天井から爆弾(落盤と違い、目印はない)」という、ストレスをさらに蓄積させるトラップが追加されている。 --複数のトラップがまとめて配置されるため、酷い場合は一つの部屋に「地雷・落盤・グレネード砲台・毒ガス・反射ボール・天井から爆弾」という嫌がらせのような配置になることも。 --さらに階層ごとに「エキストラギミック」というものがあり、さまざまな効果が発動されるのだが、「攻撃力2倍(敵の)」「HP減少(主人公の)」など基本的にこちらに不利なものしかない。完全に有利なのは「EXP増大」だけである。 ---効果の中でも特に鬼畜なのが「クリティカル」。効果は敵味方問わず近距離攻撃が全てクリティカルになるのだが、クリティカルの効果は''攻撃力が100倍になる''という恐ろしいもの((通常のクリティカルは10倍だが、この効果の時だけ100倍となっている))。敵はほぼ一撃で倒せるが、こちらも一撃でも貰ったらまず即死。''HP999でも一撃で即死とかザラ''。この効果が出たら物資を食い潰しつつ必殺技を連発していかなければまず突破できない。 -おおむねカメラワークが腐っており、敵やトラップの配置が見づらい。繰り返すが、敵は遠距離無双である。 --全体的にカメラが主人公に寄り過ぎており、画面外の状況が全く分からない。カメラワークを調整する機能などもない。 --カメラの邪魔になるオブジェを選択透過する技術がなかったせいか、手前にオブジェが存在する場面(ステージ6、7の一部の部屋)では状況を把握しづらい。 --また、ステージ4の市街地は他のステージ以上に超ズームアップ視点なので、ここは特に敵や地雷がどこにあるか分からない。 ---上記の地雷は非常に小さい上、カメラが極端にアップなせいで、画面に入ってから踏むまで1秒掛からない。ゆっくり歩け?広いのよマップが。すごく。無駄に。 --一本道を奥から手前に進むという地形も頻出する。目の前に何があるか全くわからず、目を閉じて地雷原を疾走するようなものである。 --カメラワークのせいで下手に奥に進むと即座に罠にかかったり先制攻撃を食らう事が多いため、未探索の部屋に入る際は可能な限り部屋を広く見渡せる南側から入ることが推奨される。 -先述した通りMT値は時間経過と一部の攻撃行動(必殺技、メガクラッシュ、緊急回避など)などで疲労が蓄積、一定値でオーバーヒート(ローグライクRPGの飢餓に相当する状態異常)状態になるのだが、これの上昇速度がかなり早い。 --必殺技は一度使うと10~20%、メガクラッシュはなんと''50%''も上昇する。 --時間経過による上昇は装備している武器によって異なり、上昇値はソードやブレードといった火力のある武器ほど高い。特にバスターソードや二刀流などの強力な武器を使おうものなら2、3秒に1%ずつと非常に早いペースで上昇していくため気軽に使えない。 ---道中も長いため、せっかく多彩な武器があるのに「使うとすぐにオーバーヒートする」という残念な理由で、「通常は負担の軽い素手やナックルで戦い、ボス戦や強敵のみ武器を装備する」というプレイスタイルが推奨される。 -また、武器には「耐久度」が設定されているのだが、どれも耐久度が低めな上「敵の必殺技を食らうと耐久力が大幅減少」「機械系の敵には耐久力消費が2倍」という仕様により減少も激しく、普通に使っているとすぐに壊れてしまう((難易度EASYの場合のみ、武器が絶対に壊れないようになっている))。 --中盤以降の敵(「プロトタイプ」「バード」「キマイラ」「エージェント」)は多段ヒットする必殺技を多用するため、これらの敵を相手にすると一瞬で武器が破壊されることも。 --通常の武器よりも耐久度が高いレア武器ならば多少は長持ちするが、出現率が1~3%程度(死体蹴りの回数で15~25%ほど引き上げられるが)なので入手困難。 --また、武器のレベルアップ(修正値+1)の際に耐久度が全回復するため、それをアテにする手もあるが、武器の経験値を確認する方法がないため狙って行うのは難しい。 -全体的にボスが強すぎる。 --全てのボスがメガクラッシュを搭載し、超スピードで逃げ回る・ガード不可の攻撃を連発・全身無敵といった厄介な性質を持つボスがやたら多い。真面目に立ち回って勝てるのは精々3面ボスの「プロメテウス」までで、それ以降はまず返り討ちにされるのがオチ。 ---正解は''回復アイテムを大量に持ち込んでオーバーヒート状態になり、弱点属性の武器を装備してゴリ押し''。~ オーバーヒート状態で弱点属性を付けば5秒くらいで沈むこともある。こちらのHPもみるみる減っていくが、死なない程度に回復アイテムを使えばいい。十分なレベルと装備品さえあれば、真面目に立ちまわるよりも安全で確実。 --以下、一部のボス紹介。 ---ステージ4のボス「アベル」。転倒するたびに武器をソード→二刀流→バスターソードと持ち替えるのだが、バスターソードはこちらのものと同じく全ての技がガード不能。技の出も早く、下手すると手も足も出なくなる。加えて「ダウン追撃を入れると一定確率でメガクラッシュ」「高威力の遠距離射撃を連発」「''何の前触れもなく完全無敵になる''(加えて、遠距離射撃がガード不能になる)」という性質まで持つ。HPを半分削るとこの遠距離射撃と無敵が頻繁に発生し、近づくことすら難しくなる。 ---ステージ5のボス「エレバス」。登場演出で指を鳴らして攻撃的な台詞を吐いた直後、背を向けて逃げ回り始める。高機動で間合いを取って遠距離射撃で攻撃するのが彼のスタイルである。何度も言うが、このゲームの敵は遠距離無双である。ちなみにHPが半分を切ると発狂状態になってさらに移動速度が上がるためタチが悪い。 ---ステージ7の中ボス「ヘルメス」。「ホールドタイム」なる特技を持つ。これは、''対象の動きを約4秒完全に止める''というものである。食らってしまったらザクザク斬られて大ダメージ必死(ただし対処法はあり、上手く行動すれば逆にヘルメスの動きを止めることが可能)。 ---そしてラスボスは基本攻撃が「無敵になって誘導弾を大量にばら撒く(安置以外で避けるのはほぼ無理)」「自機を狙って高威力の弾を大量に降らせる(緊急回避を使わなければまず避けられない)」の二種類。発狂状態になると先述した「自機狙いの高威力の弾」の際に攻撃回数が増加し、''緊急回避でも回避できなくなる''(必殺技の無敵時間を利用すれば避けられる)。 -ゲーム中、どうしても敵に勝てない、ダンジョンを突破できないという状況になったら、経験値を貯めたり武器を鍛えたりして自己強化を図ることになるのだが…。 --今作では敵のレベルが主人公のレベルより少しでも低いと取得できる経験値が6割(極端に低いと2割)に落ち込むため、「簡単なステージで楽に経験値を稼ぐ」ということができなくなっている。 --そして先述の通り、多くのボスが避ける事も防ぐ事もできない攻撃をしてくるため、格闘アクションゲームなのにプレイヤーの操作テクニックでどうにかできる余地がほとんどない。 --したがって結局のところ、''行き詰まるたびに退屈なレベリング作業を数時間単位で行わなくてはならない''というゲームバランスになっている。 -一部の銃器がほぼ死に武器。 --一部の銃器とは、マグナム・ライアットガン・火炎放射器の3つ。以下に詳細を述べる。 ---マグナムはハンドガンよりも威力が高いのが利点らしいのだが、威力の上昇値はあまり高くない。しかも装弾数が少ない・弾薬補充数が少ないという欠点まで抱えており、結局ハンドガンで事足りるという事態になってしまう。 ---ライアットガンは要するにショットガン。弾速が非常に速く広い範囲に攻撃できるのだが、「威力が低い・装弾数が少ない・リロード動作が非常に長い」の三重苦。全ての銃器の中でもトップクラスの実用性のなさを誇る。クリティカルが発生すれば高威力になるが、運が悪いと全然発生せず弾薬ばかりを消費していく。 ---火炎放射器は近距離用の武器なのだが、弾薬(燃料)満タンでも撃ちっぱなしだと7秒で撃ち切るという燃料の少なさが大きな欠点。武器の性質上攻撃範囲も狭い上、威力もお世辞にも高いとは言い難く、どうにも使い勝手がよくない。 ---- **評価点 -技のモーションが豊富で、コンボもガリガリと気持よく繋がる。 --特定の技を、あらかじめ設定された「ルート」の通りに繰り出した場合に限ってコンボが繋がっていく(『[[鉄拳]]』シリーズのコンボシステムに似ている)。用いるボタンは□と×のみで、ルートさえ頭に入っていれば操作自体は簡単。さらに新しい技を修得することでコンボを拡張していく楽しみもある。 -衣装変更やサブクエストなどのやり込み要素は用意されている。 --ただし大半がお使いイベントで水増し感は否めないところだが…… -グラフィック、ムービーの出来はそれなりに良い。 --リアル指向・劇画調の3Dモデルにアニメ風のトゥーンレンダリングを組み合わせたグラフィックは、他にあまり例がなく新鮮に見える。 -音声に関しては好評 --OP、EDテーマが収録されている。ちなみに両方とも歌唱を担当しているのは倖田來未。 --3人の主人公の声を演じるのは、雪野五月氏、釘宮理恵氏、関智一氏という実力派声優でである。 ---- **総評 様々なクソゲーになり得る要素が積もりに積もって、何ともガッカリな一作となってしまった作品。 ただし決して遊べないわけではなく、贔屓目に見れば「駄作に近い凡作」と見れなくもない。豊富な武器と技によるアクション部分は十分に評価可能。~ ウザい罠やボスの超性能を許容できるならばそれなりには楽しめる。…若干妥協点が大きすぎるような気はしないでもないが。~ 在庫がダブついているのか現在ではワンコインで売られていることも珍しくない。興味があるならプレイしてみるのもいいだろう。~ 但しその際は痛快アクションを期待するのではなく、多少出来の悪い『[[Diablo]]』系ゲームだとでも思って、焦らずじっくりと取り組んで欲しい。 ---- **余談 -プレイヤーキャラは女2・男1で、野郎は用意されてる攻撃モーションの種類が露骨に少ない。女は装備可能な武器が各5~6種あるのに、男は拳・長剣・銃器の3択でコンボパターンも乏しい(当然ながら、拳のモーションは素手の流用である)。 --ただし先述のように、男は誰よりも銃器の扱いに長けている長所があるため、キャラバランスは取れていると言える。 -敵の残ライフはパーセント式で表されるが、ラスボスは子供のような純粋さで俺のライフは1000%あるとか言い出してくる。 --なおそのような大言壮語にも拘らず、熱暴走で突っ込めばやっぱり5秒くらいで沈む。 -2002年頃、スクウェアの傘下企業から外れた時期を境に、ドリームファクトリーが手がけるゲームはクオリティをどんどん落としていく。 --本作はその途上の作品であり、ドリフの凋落の過程が見て取れる作品と言える。そして現在は、ドリフはクソゲーメーカーとして嘲笑の対象となってしまっている。 -ファミ通WaveDVD2004年5月号「新作ゲームプレビュー・I」に本作の宣伝ムービーが収録されていた。 --だが、ゲーム中のムービーのみで構成されており、実際のプレイ画面が一切使われていないという宣伝詐欺に近い内容であった。 -のちに''ソースコードが『APPLESEED EX』(セガ)に無断流用された''。 --そういわれてもピンとこないかもしれないが、モーション、敵の動き、システムなどすべて同じ。要するにキャラを変えたデッドコピーレベルである。 --しかし、''この2作品はどちらもドリフが製作を担当したもの''。つまり「ドリフがクライアントに事前説明せずにソースコードを使いまわした」という事だと思われる。まあ、だとしてもセガにも監督責任くらいはあるだろうが。 --2003年に製作発表された『''SAMMY VS CAPCOM''(仮称)』がお蔵入りになったのはこのコピペ騒動が原因で、当時セガの親会社であったサミー((現在両社は同格の関係にあり、どちらもセガサミーホールディングスの子会社である。))とカプコン両社間の関係が悪化してお流れになった、と噂されている。『[[GUILTY GEAR]]』とカプコンの作品(関係スタッフは「『ヴァンパイア』のキャラを出したい」と語っていたらしい)が夢のコラボを果たす事で話題になったのだが……。 ---現在両社間の関係は良好な様で、モバイルゲーム『KOF ALLSTAR』において『ギルティギアXrd REV 2』と『ストリートファイターⅤ』のコラボイベントが行われたり、『[[バイオハザード]]』のCGアニメを''セガの子・孫会社が''手掛けたりしている。 --尚この『APPLESEED EX』だが、&color(blue){''2007年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}に選ばれていたりする。 ---[[絶対王者>四八(仮)]]が降臨するまでの間、『[[エルヴァンディアストーリー]]』と大賞の座を争っていた。現在の選考基準となる以前のKOTYによる評価であるため、これだけを以てクソゲーと断ずるのは難しい所ではあるのだが……。 ---点数と信用性が反比例するファミ通レビュー((高い点がついていても良いゲームだとは限らないが、低い点がついているゲームはだいたいその点数どおりの内容である。))では14点(3/4/4/3)を獲得している。 ---作品のオフィシャルホームページにおいて、タイトルを『APP''E''LE SEED EX(アッ''ペレ''シード)』と誤表記していた時期が存在していた。後に修正されたものの、こういった点からも開発スタッフのやる気と作品の出来栄えがどの程度なのかが窺い知れるだろう。''ヽ( ・∀・)ノ アッペレー''
*クリムゾンティアーズ 【くりむぞんてぃあーず】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0001GQ8MM,image);| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|スパイク、ドリームファクトリー|~| |発売日|2004年4月22日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |レーティング|15歳以上対象|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|カメラワーク劣悪&br;無駄に豊富な状態異常&トラップ&br;極端に強すぎる後半面のボスは操作テクでもカバーできないレベル&br;ムービー・グラフィック・声優は好評|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンがスパイクと共同でリリースした作品。しかし両社はプロデュースの立場であり、実製作はドリームファクトリーが行なっている。~ 公称ジャンルは「ファイティングRPG」。3Dグラフィック・フリーラン方式の格闘アクションゲームだが、毎回形の変わるダンジョンに潜入して武器やアイテムを拾い集めながらボスを目指すという、ローグライクRPGのシステムが取り入れられている。~ 「壮大なアクションストーリー」「ハイクオリティなアニメーションムービーがストーリーを熱くする」「新ジャンルを開拓する」など、宣伝文句だけなら良ゲーに見えなくもないのだが…… **ストーリー #region(長いので格納) >東京に誕生した新たな地、第24区。~ この区画は世界でも有数の巨大兵器企業、A.R.M.A社のために生まれた王国であり、研究施設や生産工場が建ち並ぶ、前例の無い特区だった。~ A.R.M.A社は社長の甲斐英一郎を絶対的な頂点として、国内外の軍事産業、宇宙開発事業を牛耳り、中でも世界のロケット製造シェアに至っては全体の85パーセントをも手中に収めていた。~ 2044年、A.R.M.A社は持てる技術の粋を集めて宇宙基地の建造を成功させた。A.R.M.A社はすぐさま、この基地を拠点として本来の目的である火星探索を開始した。~ この探索において、人類とは異なる種である未知の生命体を発見し、極秘裏の内にこれを捕獲した。~ そしてこの一件から程無くして、A.R.M.A社はバイオテクノロジーの分野に進出し、さらなる発展を遂げる事になるのだった。~ ~ そもそも甲斐英一郎がA.R.M.A社を設立した目的は、超兵器としての人造人間開発にあった。~ 甲斐は潤沢な資金と研究施設の提供、現場責任者の地位を約束することで、遺伝子操作の天才と謳われる小杉博士をA.R.M.Aに迎え入れていた。~ 理想主義者である小杉は、兵器開発に携わっているとは知らずに、自らの夢である、人類の更なる進化について研究を進めた。~ 小杉は長年の研究の成果として、全く新しい遺伝子操作技術を完成させた。さらに、その技術が未知の遺伝子と結びつくことで、新たな生命の創造を可能とした。~ 第24区にそびえるA.R.M.A社ビル研究棟の一室で、小杉は第一号人造人間を誕生させる。その人造人間は小杉が夢見た人類の進化の理想形だっただけではなく、甲斐が求める人型生体兵器(ミューティノイド)でもあった。~ トキオと命名した第一号に続き、小杉は全5体の人造人間を完成させた。人造人間はどのような状況下でも生き抜けるだけの力と頭脳を与えられ、個体別に様々な能力が付与された。~ 小杉は人造人間達に対して我が子同然に接し、人としての教育を施していった。しかしこの時、小杉は自分が最強の兵器群を作り出したことに気付いていなかった。~ ~ 小杉博士による人造人間開発と並行して、小杉の部下達は甲斐の命に従い、秘密裏に博士の研究を応用し、それぞれが独自の生体兵器開発に着手していた。~ 生命を弄び、冒涜するかのような過程を経て、人類を超越した能力と、人類からかけ離れた容姿を持った異形のモンスターが次々と生み出された。~ 開発されたモンスター群はファクトリーでの大量生産体制に入った。生体兵器という商品として大量生産されるモンスター。~ しかし、この量産体制が仇となった。A.R.M.A社は自ら生み出した大量のモンスターを制御できず、制御不能のモンスターは次々と暴走した。~ 暴走は破壊を呼び、破壊は研究施設、ファクトリーの暴走をも引き起こした。暴走の連鎖により、東京第24区はA.R.M.A社の研究施設を中心に歪みの中へと囚われた。~ 隔絶されたこの地には、不安定な時空に形成された次元迷宮((東京の一角を飲み込んだ謎の現象。謎の爆発事故後、空間の歪みによって不安定で次元を越えたダンジョンが形成されている。))とモンスター、生き延びた一握りの人々、そして数体のミューティノイドが残された。~ ~ 混沌と破壊を終わらせるべく甲斐が下した結論は、第24区の封鎖、さらにはミューティノイドによるモンスター掃討だった。~ 兵器ではなく人間として、仲間を助けるために暴走の中心へと降り立つアスカ。~ しかし己の行動が甲斐に仕組まれたものであり、新たな悲劇の前触れだということを、この時彼女はまだ知らなかった……。~ (公式ガイドブックより抜粋) #endregion ---- **特徴 -アスカ(女)、カエデ(女)、トキオ(男)の3人の主人公から一人を使って((これに関しては「迷宮には一度に一人しか入れない」という謎の設定によるものである。))ダンジョンに潜り、ゲームを進めていく。 --キャラコンセプトとしては一応、アスカは接近戦武器で突っ込む猪突猛進型、カエデは一撃が重いヒットアンドアウェイ型、トキオは格闘と射撃を使い分けるテクニカル型を想定していたと思われる。~ もっともカエデとトキオは、キャラ特性とゲームデザイン・ゲームバランスが噛み合っていないので強さを実感しにくい。 -ダンジョンは「無限生成ダンジョン」と称されており、入るたびに自動生成される。 -キャラクターにはHPの他に「MT値」(要するに空腹値のようなもの)があり、時間経過のほか、攻撃、緊急回避、必殺技、絶対フィールド(他ゲーでいうメガクラッシュ)の使用で上昇する。 --これが最大になると「オーバーヒート」を起こす。しばらくのあいだ移動速度が1.5倍、攻撃力5倍になる代わりに防御力は0に。更にHPも急速減少し、オーバーヒート終了時には最大値の10%にまで減ってしまう。 -敵を倒して得られる経験値が一定値に達するとレベルアップ。また武器の強化や合成、技の強化なども行える。これらの手段で強くなっていくことで、初見では勝てなかった強敵にも勝てるようになっていく。 -ダンジョン内で力尽きた場合、他のキャラで救出に向かうことができる。一定時間内に力尽きたキャラに接触できるとノーペナルティで基地に送還される。救出に失敗・断念した場合は、所持アイテムの大半を失い、稼いだ経験値もゼロになってしまう(レベルは下がらないが)。 -ボス戦でやられた場合、他のキャラを使ってそのボスと引き続き戦うことができる。ただし、装備の変更と回復アイテムの使用が不可能なため勝ち目は薄い。 ---- **問題点 -ロックオンシステムが不便 --ロックオンは基本的に自動で行われるのだが、明らかに近くの敵がいるにもかかわらず、遠くの敵をロックオンすることが多々ある。 --ちなみにこのロックオン、後述のトラップである地雷にまで反応する。そのため、敵を攻撃していたら''地雷に殴りかかって吹っ飛ばされる''というギャグのような展開になる事も。 --なお、ロックオンには「3Dスティックを向けた方向の敵を優先的にロックオンする」という性質があり、これを活用すれば戦闘が大分快適になるのだが、この操作に関しては説明書でもゲーム中でも説明されない。 -敵の「銃を抜いて撃つ」動作の所要時間と弾速、銃の普及率がウザい。 --出現する敵のほとんどがハンドガンかショットガンを装備しており、唯一の稼ぎ要素であるコンボを繋ごうとすると、ほぼ確実に後方や画面外から撃たれる。 --銃器は先述した2種類の他、ロケット砲、機銃、火炎放射器、レーザー砲など様々で、基本的に当たるとのけ反るか吹っ飛ばされる。ゲーム中、誰かがこっちを飛び道具で狙っていない場面は半分も無いため、頻繁に転ばされて展開が止まる。 --一応、発射時に警告のボイスなどもあったりするが、どの敵でもどんな武器でも発射してから台詞を言うため、画面外から撃たれた事に気付くのとほぼ同時に着弾する。 ---中には一切声を出さずにロケット砲やレーザー砲をぶっ放してくる兵士もいる。どう避けろと。 -そのくせ、自機の射撃動作には2秒近い硬直がある。また、銃のロックオンシステムも酷く「敵を正面に捉えて銃を構えたのに全然違う方向の敵をロックオン」「至近距離で銃を構えてすぐ射撃したら、ロックオンが追いつかず全然違う場所に撃っていた」「2体の敵が接近してきて片方を倒しそのままもう片方を撃とうとするが、''ロックオンが解除されず倒した敵の死体がある場所に撃ち続け、もう片方に殴られる''」ということも珍しくない。 --このように戦闘では銃はちっとも使い物にならない。役に立つのは地雷や砲台の破壊((銃器はなぜか罠に対し非常に高い効果がある。))と、ごく一部の敵相手ぐらいで、遠距離は全面的に敵の天下と言ってよい。 ---ただし男キャラのトキオは例外で、二丁拳銃装備で隙を小さくできる上に、射撃後の硬直を緊急回避動作でキャンセルできるので、銃を実用レベルで使いこなせる。しかし彼を使っても、敵の射撃攻撃がツラいことに変わりはない(むしろトキオは体が大きく足も遅いため回避が難しい)。 -結局のところ、敵の遠距離攻撃に対抗する手段は「戦闘中は常に動き回り、足を止めない」ということぐらいしかない。足を止めたら敵の銃撃のいい的になるだけ。 --ただし、部屋にいる同種の敵は1体ずつしか銃撃を行わない仕様((ステージ4などに出る「ガーディアン」とステージ7に出る「エージェント」は例外))になっているのが救いか。 -多彩な状態異常(各個に専用の回復薬を要する)と、多彩というほどでもないが鬱陶しいステージ固有トラップを搭載。 --状態異常の具体例 ---バーニング:MT値が凄まじい勢いで上がっていく。自然治癒を待つと最終的には60%上昇する。 ---コンボダウン:単発攻撃しかできなくなる。ちなみにこの状態異常を使うフィアーという敵は、常にHPが回復するという特性を持つ。 ---アタックダウン:''攻撃が一切できなくなる。''もしアラーム部屋(モンスターハウスに相当するもの。閉じ込められて他の部屋に移動できない)でこの状態異常になってしまったら、自然治癒するまでの30秒間、部屋中を逃げ回る羽目になる。 --ステージギミックの具体例 ---ステージ2:特定箇所を通過すると落ちて来る落盤。それなりに威力があり当たると転ばされる。床には目印が書かれているが、場所によってはちゃんと見えないこともある。 ---ステージ3:こちらの居場所を正確に狙ってくるグレネード砲台。索敵範囲がやたらと広く、砲台自体も硬い。なお、エクストラステージでは威力がさらに強化されて登場する。 ---ステージ4:爪先ほどの小さな地雷。近付くと広範囲に炸裂、転倒。密集して配置されているので、転んだ先に別の地雷があると追撃が確定。 ---ステージ5:一個あたり20発くらい殴らないと(10秒ほど足を止める必要あり)壊せないバリケードで埋まった通路。そばに銃撃を行う敵がいれば、上手く誘導して彼らに破壊させて楽に処理できる。いなければ自力で壊すしかない。 ---ステージ7:定期的にレーザーを連射、一発当たったら砲撃が止むまで食らうレーザー砲台。ほとんどの部屋に設置されている。グレネード砲台と違い、方向が固定なので避けやすいのが救い。 --なお、基本的にトラップは主人公のみに反応する。 -本編クリア後に挑めるエクストラステージではこれまでに登場したトラップのほとんどが登場。さらに新たなトラップとして「部屋内を角度と速度を変えつつ動き回るボール(当たると大きく吹っ飛ばされる)」「天井から爆弾(落盤と違い、目印はない)」という、ストレスをさらに蓄積させるトラップが追加されている。 --複数のトラップがまとめて配置されるため、酷い場合は一つの部屋に「地雷・落盤・グレネード砲台・毒ガス・反射ボール・天井から爆弾」という嫌がらせのような配置になることも。 --さらに階層ごとに「エキストラギミック」というものがあり、さまざまな効果が発動されるのだが、「攻撃力2倍(敵の)」「HP減少(主人公の)」など基本的にこちらに不利なものしかない。完全に有利なのは「EXP増大」だけである。 ---効果の中でも特に鬼畜なのが「クリティカル」。効果は敵味方問わず近距離攻撃が全てクリティカルになるのだが、クリティカルの効果は''攻撃力が100倍になる''という恐ろしいもの((通常のクリティカルは10倍だが、この効果の時だけ100倍となっている))。敵はほぼ一撃で倒せるが、こちらも一撃でも貰ったらまず即死。''HP999でも一撃で即死とかザラ''。この効果が出たら物資を食い潰しつつ必殺技を連発していかなければまず突破できない。 -おおむねカメラワークが腐っており、敵やトラップの配置が見づらい。繰り返すが、敵は遠距離無双である。 --全体的にカメラが主人公に寄り過ぎており、画面外の状況が全く分からない。カメラワークを調整する機能などもない。 --カメラの邪魔になるオブジェを選択透過する技術がなかったせいか、手前にオブジェが存在する場面(ステージ6、7の一部の部屋)では状況を把握しづらい。 --また、ステージ4の市街地は他のステージ以上に超ズームアップ視点なので、ここは特に敵や地雷がどこにあるか分からない。 ---上記の地雷は非常に小さい上、カメラが極端にアップなせいで、画面に入ってから踏むまで1秒掛からない。ゆっくり歩け?広いのよマップが。すごく。無駄に。 --一本道を奥から手前に進むという地形も頻出する。目の前に何があるか全くわからず、目を閉じて地雷原を疾走するようなものである。 --カメラワークのせいで下手に奥に進むと即座に罠にかかったり先制攻撃を食らう事が多いため、未探索の部屋に入る際は可能な限り部屋を広く見渡せる南側から入ることが推奨される。 -先述した通りMT値は時間経過と一部の攻撃行動(必殺技、メガクラッシュ、緊急回避など)などで疲労が蓄積、一定値でオーバーヒート(ローグライクRPGの飢餓に相当する状態異常)状態になるのだが、これの上昇速度がかなり早い。 --必殺技は一度使うと10~20%、メガクラッシュはなんと''50%''も上昇する。 --時間経過による上昇は装備している武器によって異なり、上昇値はソードやブレードといった火力のある武器ほど高い。特にバスターソードや二刀流などの強力な武器を使おうものなら2、3秒に1%ずつと非常に早いペースで上昇していくため気軽に使えない。 ---道中も長いため、せっかく多彩な武器があるのに「使うとすぐにオーバーヒートする」という残念な理由で、「通常は負担の軽い素手やナックルで戦い、ボス戦や強敵のみ武器を装備する」というプレイスタイルが推奨される。 -また、武器には「耐久度」が設定されているのだが、どれも耐久度が低めな上「敵の必殺技を食らうと耐久力が大幅減少」「機械系の敵には耐久力消費が2倍」という仕様により減少も激しく、普通に使っているとすぐに壊れてしまう((難易度EASYの場合のみ、武器が絶対に壊れないようになっている))。 --中盤以降の敵(「プロトタイプ」「バード」「キマイラ」「エージェント」)は多段ヒットする必殺技を多用するため、これらの敵を相手にすると一瞬で武器が破壊されることも。 --通常の武器よりも耐久度が高いレア武器ならば多少は長持ちするが、出現率が1~3%程度(死体蹴りの回数で15~25%ほど引き上げられるが)なので入手困難。 --また、武器のレベルアップ(修正値+1)の際に耐久度が全回復するため、それをアテにする手もあるが、武器の経験値を確認する方法がないため狙って行うのは難しい。 -全体的にボスが強すぎる。 --全てのボスがメガクラッシュを搭載し、超スピードで逃げ回る・ガード不可の攻撃を連発・全身無敵といった厄介な性質を持つボスがやたら多い。真面目に立ち回って勝てるのは精々3面ボスの「プロメテウス」までで、それ以降はまず返り討ちにされるのがオチ。 ---正解は''回復アイテムを大量に持ち込んでオーバーヒート状態になり、弱点属性の武器を装備してゴリ押し''。~ オーバーヒート状態で弱点属性を付けば5秒くらいで沈むこともある。こちらのHPもみるみる減っていくが、死なない程度に回復アイテムを使えばいい。十分なレベルと装備品さえあれば、真面目に立ちまわるよりも安全で確実。 --以下、一部のボス紹介。 ---ステージ4のボス「アベル」。転倒するたびに武器をソード→二刀流→バスターソードと持ち替えるのだが、バスターソードはこちらのものと同じく全ての技がガード不能。技の出も早く、下手すると手も足も出なくなる。加えて「ダウン追撃を入れると一定確率でメガクラッシュ」「高威力の遠距離射撃を連発」「''何の前触れもなく完全無敵になる''(加えて、遠距離射撃がガード不能になる)」という性質まで持つ。HPを半分削るとこの遠距離射撃と無敵が頻繁に発生し、近づくことすら難しくなる。 ---ステージ5のボス「エレバス」。登場演出で指を鳴らして攻撃的な台詞を吐いた直後、背を向けて逃げ回り始める。高機動で間合いを取って遠距離射撃で攻撃するのが彼のスタイルである。何度も言うが、このゲームの敵は遠距離無双である。ちなみにHPが半分を切ると発狂状態になってさらに移動速度が上がるためタチが悪い。 ---ステージ7の中ボス「ヘルメス」。「ホールドタイム」なる特技を持つ。これは、''対象の動きを約4秒完全に止める''というものである。食らってしまったらザクザク斬られて大ダメージ必死(ただし対処法はあり、上手く行動すれば逆にヘルメスの動きを止めることが可能)。 ---そしてラスボスは基本攻撃が「無敵になって誘導弾を大量にばら撒く(安置以外で避けるのはほぼ無理)」「自機を狙って高威力の弾を大量に降らせる(緊急回避を使わなければまず避けられない)」の二種類。発狂状態になると先述した「自機狙いの高威力の弾」の際に攻撃回数が増加し、''緊急回避でも回避できなくなる''(必殺技の無敵時間を利用すれば避けられる)。 -ゲーム中、どうしても敵に勝てない、ダンジョンを突破できないという状況になったら、経験値を貯めたり武器を鍛えたりして自己強化を図ることになるのだが…。 --今作では敵のレベルが主人公のレベルより少しでも低いと取得できる経験値が6割(極端に低いと2割)に落ち込むため、「簡単なステージで楽に経験値を稼ぐ」ということができなくなっている。 --そして先述の通り、多くのボスが避ける事も防ぐ事もできない攻撃をしてくるため、格闘アクションゲームなのにプレイヤーの操作テクニックでどうにかできる余地がほとんどない。 --したがって結局のところ、''行き詰まるたびに退屈なレベリング作業を数時間単位で行わなくてはならない''というゲームバランスになっている。 -一部の銃器がほぼ死に武器。 --一部の銃器とは、マグナム・ライアットガン・火炎放射器の3つ。以下に詳細を述べる。 ---マグナムはハンドガンよりも威力が高いのが利点らしいのだが、威力の上昇値はあまり高くない。しかも装弾数が少ない・弾薬補充数が少ないという欠点まで抱えており、結局ハンドガンで事足りるという事態になってしまう。 ---ライアットガンは要するにショットガン。弾速が非常に速く広い範囲に攻撃できるのだが、「威力が低い・装弾数が少ない・リロード動作が非常に長い」の三重苦。全ての銃器の中でもトップクラスの実用性のなさを誇る。クリティカルが発生すれば高威力になるが、運が悪いと全然発生せず弾薬ばかりを消費していく。 ---火炎放射器は近距離用の武器なのだが、弾薬(燃料)満タンでも撃ちっぱなしだと7秒で撃ち切るという燃料の少なさが大きな欠点。武器の性質上攻撃範囲も狭い上、威力もお世辞にも高いとは言い難く、どうにも使い勝手がよくない。 ---- **評価点 -技のモーションが豊富で、コンボもガリガリと気持よく繋がる。 --特定の技を、あらかじめ設定された「ルート」の通りに繰り出した場合に限ってコンボが繋がっていく(『[[鉄拳]]』シリーズのコンボシステムに似ている)。用いるボタンは□と×のみで、ルートさえ頭に入っていれば操作自体は簡単。さらに新しい技を修得することでコンボを拡張していく楽しみもある。 -衣装変更やサブクエストなどのやり込み要素は用意されている。 --ただし大半がお使いイベントで水増し感は否めないところだが…… -グラフィック、ムービーの出来はそれなりに良い。 --リアル指向・劇画調の3Dモデルにアニメ風のトゥーンレンダリングを組み合わせたグラフィックは、他にあまり例がなく新鮮に見える。 -音声に関しては好評 --OP、EDテーマが収録されている。ちなみに両方とも歌唱を担当しているのは倖田來未。 --3人の主人公の声を演じるのは、雪野五月氏、釘宮理恵氏、関智一氏という実力派声優でである。 ---- **総評 様々なクソゲーになり得る要素が積もりに積もって、何ともガッカリな一作となってしまった作品。 ただし決して遊べないわけではなく、贔屓目に見れば「駄作に近い凡作」と見れなくもない。豊富な武器と技によるアクション部分は十分に評価可能。~ ウザい罠やボスの超性能を許容できるならばそれなりには楽しめる。…若干妥協点が大きすぎるような気はしないでもないが。~ 在庫がダブついているのか現在ではワンコインで売られていることも珍しくない。興味があるならプレイしてみるのもいいだろう。~ 但しその際は痛快アクションを期待するのではなく、多少出来の悪い『[[Diablo]]』系ゲームだとでも思って、焦らずじっくりと取り組んで欲しい。 ---- **余談 -プレイヤーキャラは女2・男1で、野郎は用意されてる攻撃モーションの種類が露骨に少ない。女は装備可能な武器が各5~6種あるのに、男は拳・長剣・銃器の3択でコンボパターンも乏しい(当然ながら、拳のモーションは素手の流用である)。 --ただし先述のように、男は誰よりも銃器の扱いに長けている長所があるため、キャラバランスは取れていると言える。 -敵の残ライフはパーセント式で表されるが、ラスボスは子供のような純粋さで俺のライフは1000%あるとか言い出してくる。 --なおそのような大言壮語にも拘らず、熱暴走で突っ込めばやっぱり5秒くらいで沈む。 -2002年頃、スクウェアの傘下企業から外れた時期を境に、ドリームファクトリーが手がけるゲームはクオリティをどんどん落としていく。 --本作はその途上の作品であり、ドリフの凋落の過程が見て取れる作品と言える。そして現在は、ドリフはクソゲーメーカーとして嘲笑の対象となってしまっている。 -ファミ通WaveDVD2004年5月号「新作ゲームプレビュー・I」に本作の宣伝ムービーが収録されていた。 --だが、ゲーム中のムービーのみで構成されており、実際のプレイ画面が一切使われていないという宣伝詐欺に近い内容であった。 -のちに''ソースコードが『APPLESEED EX』(セガ)に無断流用された''。 --そういわれてもピンとこないかもしれないが、モーション、敵の動き、システムなどすべて同じ。要するにキャラを変えたデッドコピーレベルである。 --実は''この2作品はどちらもドリフが製作を担当したもの''。つまり「ドリフがクライアントに事前説明せずにソースコードを使いまわした」という事だと思われる。まあ、だとしてもセガにも監督責任くらいはあるだろうが。 --2003年に製作発表された『''SAMMY VS CAPCOM''(仮称)』がお蔵入りになったのはこのコピペ騒動が原因で、当時セガの親会社であったサミー((現在両社は同格の関係にあり、どちらもセガサミーホールディングスの子会社である。))とカプコン両社間の関係が悪化してお流れになった、と噂されている。『[[GUILTY GEAR]]』とカプコンの作品(関係スタッフは「『ヴァンパイア』のキャラを出したい」と語っていたらしい)が夢のコラボを果たす事で話題になったのだが……。 ---現在カプコンとセガサミーの関係は良好な様で、モバイルゲーム『KOF ALLSTAR』において『ギルティギアXrd REV 2』と『ストリートファイターⅤ』のコラボイベントが行われたり、『[[バイオハザード]]』のCGアニメを''セガの子・孫会社が''手掛けたりしている。 --因みにこの『APPLESEED EX』だが、&color(blue){''2007年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}に選ばれていたりする。 ---[[絶対王者>四八(仮)]]が降臨するまでの間、『[[エルヴァンディアストーリー]]』と大賞の座を争っていた。現在の選考基準となる以前のKOTYによる評価であるため、これだけを以てクソゲーと断ずるのは難しい所ではあるのだが……。 ---点数と信用性が反比例するファミ通レビュー((高い点がついていても良いゲームだとは限らないが、低い点がついているゲームはだいたいその点数どおりの内容である。))では14点(3/4/4/3)を獲得している。 ---作品のオフィシャルホームページにおいて、タイトルを『APP''E''LE SEED EX(アッ''ペレ''シード)』と誤表記していた時期が存在していた。後に修正されたものの、こういった点からも開発スタッフのやる気と作品の出来栄えがどの程度なのかが窺い知れるだろう。''ヽ( ・∀・)ノ アッペレー''

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