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オメガファイター - (2017/07/14 (金) 21:10:07) の1つ前との変更点

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*オメガファイター 【おめがふぁいたー】 |ジャンル|縦シューティング| |対応機種|アーケード| |発売・開発元|UPL| |稼働開始日|1989年| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|業界初の「危険行為推奨シューティング」| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -シンプルな構造の縦スクロールシューティング。即死制で8方向1レバー2ボタン式。2人同時プレイ可能で全8ステージ2周エンド。縦スクロールとは言う物の、スクロール方向は一定ではない。 -本作の全8ステージは全て同一の敵、つまり超巨大戦艦の部位上での戦いとなっている。ボスは超巨大戦艦の重要部位であり、雑魚は戦艦の砲台や艦載機である。 --『[[R-TYPE]]』のように1ステージが一つの巨大な戦艦で構成されている物は多いが、全ステージが1つの巨大戦艦で構成されているゲームは稀。相対的に、自機との大きさの差及び画面数の大きさではゲーム史上屈指の超巨大ボスである。 ---デモ等の描写から察するにこの戦艦、地球の3分の1ほどの大きさがある。 -テストモードの基板設定で『オメガファイター スペシャル』モードを起動可能。コンティニュー可能で10倍で倒さなくても(後述)ゲージがアップするため、若干低難易度化している。 //これはテストモードからの基板設定で『オメガファイタースペシャル』というモードが起動できるというもの。オリジナル版との違いは、コンティニューが可能なこと、10倍を取らなくてもゲージが溜まること、ランダムで落下してくるアイテムの中にクラッシュが含まれていること。バブルボブルのパワーアップ版を彷彿とさせるが、隠しコマンドでの使用は不可。 ---- **システム -本作はオート連射(ボタンを押したままで自動的に連射される)を取り入れた初期のSTGである。攻略にボタン連打は必要なく、精密射撃以外でボタンから手を離す必要も無い。 -自機には異なるタイプの2種類のショットパワーアップが用意されている。パワーアップアイテムを取得する事で強化されるが、パワーアップとは名ばかりでパワーダウンも兼ねるので、アイテムの回避力も要求される。同じ物を連続で取ると次の段階にパワーアップしていくが、もう一方を取ると種類チェンジと共に一気に初期段階へ戻される。 --アイアン(I)~ 自機前方に飛ぶ破壊力(連射力)に優れたパワーアップ系統。最大パワーアップまでするとあらゆる敵を即死させるほど強力になるが、徐々に射程が短くなり、自機前方1キャラ分までしか飛ばなくなる。 --ワイド(W)~ 広範囲攻撃が可能で、得点倍率(後述)を操作するのに適している。だがパワーアップと同時に連射力が低下。最終的には画面内に1~2発しか出なくなる。 -オールクラッシュとスローのアイテムが出現。こちらも非常に個性的。 --オールクラッシュ~ 画面上の敵全てを一撃で倒すボム。ゲージ(後述)が半分まで貯まると敵が落すようになる。『[[グラディウス]]』の青カプセルのような物で、敵が落してそれを取得する事で使用可能となるが、スローと同時にストックできる仕様のため任意のタイミングで使うには工夫が必要。 --スロー~ 取得すると自機の脇に配置される。最大2個まで装着可能。任意のタイミングで使用可能で、発動するとその名の通り敵及び敵弾のスピードが遅くなる。一定時間で元の速度に戻るが、警告音が鳴るような事は無いので、得点倍率(後述)の為に接近していると突然早くなった敵と接触する恐れがある。自機両脇に搭載時は敵弾を防ぐ一発分のバリアにもなってくれるが、その場合スローとしての効果は発動しない。 -得点倍率。敵とのY座標(縦距離)が近ければ近いほど得点に倍率がかかるようになる。最大10倍。 --敵との距離を詰める事で点数を稼ぐ事が出来るが、その分接触や被弾の可能性が高くなる諸刃の剣。なお、10倍は本当に目と鼻の先で敵を破壊しないと取れない(先述の最大パワーアップのアイアンでも、先端で破壊すれば9倍)。その分、スローが大いに生きるのである。 ---この「敵との距離」、実は縦距離しか見ておらず横距離は無関係。さらに自機が敵より前(画面上方)にいる場合は敵との距離がマイナス扱いになるため、オールクラッシュなどで自機の後方(いわゆる縦軸で言う「自機より下の位置」)の敵を破壊した場合は全て10倍とみなされる。 --画面上部にはゲージがあり、ゲージは10倍の倍率を獲得する度に上昇していく(ミスするとゲージは空になってしまう)。得点が一定まで貯まると敵が残機Upアイテムを出すようになる。自爆戦法(後述)を駆使して攻略する上で重要なので、ハイスコア狙い以外でも無視することはできない。 -自爆。自機は敵との接触や敵弾との接触で死ぬが、その際に広範囲(画面の4分の1)に攻撃判定を残す。この攻撃力がかなり高く、戦術の一つとして確立している。 --自爆で倒した敵も得点倍率がかかるため、自機後方の敵を倒すのに使える。 ---- **長所 -稼ぐべきか安全を取るべきか、万が一被弾しても攻撃になり得点に倍率がかかるから良しと考えるべきか、その判断をプレイヤーに委ねた、それまでのSTGになかったゲーム性を創造した点。 ---- **短所 -得点倍率を駆使して得点を稼がないと残機が増えないのだが、得点を増やす方法が「危険行為」なので難易度が高い。 --ゲーム展開を覚えパターンを組上げれば攻略できないわけではないので、不条理と言う物ではない。ただ、ベースとなる難易度は半端ではないが。 -1989年当時としても性能が高くない基板を使用しているので、グラフィックの質がコンシューマー機のPCエンジンやメガドライブと大差ない。 --BGMはFM音源((基板に乗っている音源はYM-2203が2個))を使用してるとは言え、印象的ではあるが音が軽めで古臭いととらえられてしまうことも。 ---- **総評 -STGのアイデアを大量に盛り込んだ本作は、得点稼ぎとシステムを両立させた業界初の「危険行為推奨シューティング」である。 --そのシビアなゲームシステムは後のシューティング高難易度化の走りと考えられなくも無いが、本作が出ようが出まいが遅かれ早かれ「危険行為推奨シューティング」は蔓延したと思われる。 ---- **余談 -2017年現在移植はなされていない。 -BGMの作曲は、UPL作品では『忍者くん~阿修羅の章~』、『アトミックロボキッド』を手がけ、ゲームアーツ作品でも数多くの楽曲を手がけているメカノアソシエイツが担当。 --サウンドプログラムは当時新入社員だった、長島義夫氏((UPL作品では『宇宙戦艦ゴモラ』、『鋼鉄要塞シュトラール』、『バンダイク』の音楽を担当))が担当している。
*オメガファイター 【おめがふぁいたー】 |ジャンル|縦シューティング| |対応機種|アーケード| |発売・開発元|UPL| |稼働開始日|1989年| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|業界初の「危険行為推奨シューティング」| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -シンプルな構造の縦スクロールシューティング。即死制で8方向1レバー2ボタン式。2人同時プレイ可能で全8ステージ2周エンド。縦スクロールとは言う物の、スクロール方向は一定ではない。 -ゲームデザイン及びディレクターはタイトー在籍時に『バブルボブル』、『ハレーズコメット』、『サイバリオン』と言った作品を手がけてきた、「MTJ」こと三辻富貴朗氏。 -本作の全8ステージは全て同一の敵、つまり超巨大戦艦の部位上での戦いとなっている。ボスは超巨大戦艦の重要部位であり、雑魚は戦艦の砲台や艦載機である。 --『[[R-TYPE]]』のように1ステージが一つの巨大な戦艦で構成されている物は多いが、全ステージが1つの巨大戦艦で構成されているゲームは稀。相対的に、自機との大きさの差及び画面数の大きさではゲーム史上屈指の超巨大ボスである。 ---デモ等の描写から察するにこの戦艦、地球の3分の1ほどの大きさがある。 -テストモードの基板設定で『オメガファイター スペシャル』モードを起動可能。コンティニュー可能で10倍で倒さなくても(後述)ゲージがアップするため、若干低難易度化している。 //これはテストモードからの基板設定で『オメガファイタースペシャル』というモードが起動できるというもの。オリジナル版との違いは、コンティニューが可能なこと、10倍を取らなくてもゲージが溜まること、ランダムで落下してくるアイテムの中にクラッシュが含まれていること。バブルボブルのパワーアップ版を彷彿とさせるが、隠しコマンドでの使用は不可。 ---- **システム -本作はオート連射(ボタンを押したままで自動的に連射される)を取り入れた初期のSTGである。攻略にボタン連打は必要なく、精密射撃以外でボタンから手を離す必要も無い。 -自機には異なるタイプの2種類のショットパワーアップが用意されている。パワーアップアイテムを取得する事で強化されるが、パワーアップとは名ばかりでパワーダウンも兼ねるので、アイテムの回避力も要求される。同じ物を連続で取ると次の段階にパワーアップしていくが、もう一方を取ると種類チェンジと共に一気に初期段階へ戻される。 --アイアン(I)~ 自機前方に飛ぶ破壊力(連射力)に優れたパワーアップ系統。最大パワーアップまでするとあらゆる敵を即死させるほど強力になるが、徐々に射程が短くなり、自機前方1キャラ分までしか飛ばなくなる。 --ワイド(W)~ 広範囲攻撃が可能で、得点倍率(後述)を操作するのに適している。だがパワーアップと同時に連射力が低下。最終的には画面内に1~2発しか出なくなる。 -オールクラッシュとスローのアイテムが出現。こちらも非常に個性的。 --オールクラッシュ~ 画面上の敵全てを一撃で倒すボム。ゲージ(後述)が半分まで貯まると敵が落すようになる。『[[グラディウス]]』の青カプセルのような物で、敵が落してそれを取得する事で使用可能となるが、スローと同時にストックできる仕様のため任意のタイミングで使うには工夫が必要。 --スロー~ 取得すると自機の脇に配置される。最大2個まで装着可能。任意のタイミングで使用可能で、発動するとその名の通り敵及び敵弾のスピードが遅くなる。一定時間で元の速度に戻るが、警告音が鳴るような事は無いので、得点倍率(後述)の為に接近していると突然早くなった敵と接触する恐れがある。自機両脇に搭載時は敵弾を防ぐ一発分のバリアにもなってくれるが、その場合スローとしての効果は発動しない。 -得点倍率。敵とのY座標(縦距離)が近ければ近いほど得点に倍率がかかるようになる。最大10倍。 --敵との距離を詰める事で点数を稼ぐ事が出来るが、その分接触や被弾の可能性が高くなる諸刃の剣。なお、10倍は本当に目と鼻の先で敵を破壊しないと取れない(先述の最大パワーアップのアイアンでも、先端で破壊すれば9倍)。その分、スローが大いに生きるのである。 ---この「敵との距離」、実は縦距離しか見ておらず横距離は無関係。さらに自機が敵より前(画面上方)にいる場合は敵との距離がマイナス扱いになるため、オールクラッシュなどで自機の後方(いわゆる縦軸で言う「自機より下の位置」)の敵を破壊した場合は全て10倍とみなされる。 --画面上部にはゲージがあり、ゲージは10倍の倍率を獲得する度に上昇していく(ミスするとゲージは空になってしまう)。得点が一定まで貯まると敵が残機Upアイテムを出すようになる。自爆戦法(後述)を駆使して攻略する上で重要なので、ハイスコア狙い以外でも無視することはできない。 -自爆。自機は敵との接触や敵弾との接触で死ぬが、その際に広範囲(画面の4分の1)に攻撃判定を残す。この攻撃力がかなり高く、戦術の一つとして確立している。 --自爆で倒した敵も得点倍率がかかるため、自機後方の敵を倒すのに使える。 ---- **長所 -稼ぐべきか安全を取るべきか、万が一被弾しても攻撃になり得点に倍率がかかるから良しと考えるべきか、その判断をプレイヤーに委ねた、それまでのSTGになかったゲーム性を創造した点。 ---- **短所 -得点倍率を駆使して得点を稼がないと残機が増えないのだが、得点を増やす方法が「危険行為」なので難易度が高い。 --ゲーム展開を覚えパターンを組上げれば攻略できないわけではないので、不条理と言う物ではない。ただ、ベースとなる難易度は半端ではないが。 -1989年当時としても性能が高くない基板を使用しているので、グラフィックの質がコンシューマー機のPCエンジンやメガドライブと大差ない。 --BGMはFM音源((基板に乗っている音源はYM-2203が2個))を使用してるとは言え、印象的ではあるが音が軽めで古臭いととらえられてしまうことも。 --だが、2基のZ80をフル稼働させて大量のキャラクターや敵弾の表示を実現しており、後に「一見するとしょぼく見える基板性能だが、プログラムの力技でそれを覆したケースの1つ」としてマニアには知られている。 ---- **総評 -STGのアイデアを大量に盛り込んだ本作は、得点稼ぎとシステムを両立させた業界初の「危険行為推奨シューティング」である。 --そのシビアなゲームシステムは後のシューティング高難易度化の走りと考えられなくも無いが、本作が出ようが出まいが遅かれ早かれ「危険行為推奨シューティング」は蔓延したと思われる。 ---- **余談 -2017年現在移植はなされていない。((AC版が出た当時、MD、PCE、X68000で移植の動きはあったのだが、プロトタイプを作った時点でAC版のクオリティに近いレベルの再現ができないという理由で全て頓挫したという。)) -BGMの作曲は、UPL作品では『忍者くん~阿修羅の章~』、『アトミックロボキッド』を手がけ、ゲームアーツ作品でも数多くの楽曲を手がけているメカノアソシエイツが担当。 --サウンドプログラムは当時新入社員だった、長島義夫氏((UPL作品では『宇宙戦艦ゴモラ』、『鋼鉄要塞シュトラール』、『バンダイク』の音楽を担当))が担当している。 -「敵を至近距離で倒すと高得点が得られる」という要素は、2001年にタイトーからリリースされたアルファ・システム開発のAC用STG『式神の城』に継承されている((もっともこちらは更に「敵や敵弾に密接するとショットのパワーが上がる」と言った要素まである))。

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