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サイドバイサイド - (2017/06/07 (水) 13:44:40) の1つ前との変更点

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*サイドバイサイド 【さいどばいさいど】 |ジャンル|レース|~| |対応機種|アーケード|~| |メディア|JCシステム|~| |発売・開発元|タイトー|~| |稼動開始日|1:1996年&br()2:1997年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|実在車両を扱ったゲーム&br現実を追求した計器類等&br''バトルギアシリーズの前身''|~| |>|>|CENTER:''[[バトルギアシリーズリンク>バトルギアシリーズ]]''| ---- #contents() ---- **概要 恐らくゲーム業界で初の、本格的に実在車両を題材としたレースゲーム。実在車両とリアルな挙動という、当時としては一線を画した要素を特徴とする。~ 1996年に1作目が稼働開始。翌年に続編である『サイドバイサイド2 エボルツィオーネ』、そのバージョンアップ版である『''2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}''』が登場した。~ 後にタイトーからリリースされる『バトルギア』シリーズの前身と言える作品。 ---- **特徴 一般的なアーケードレースゲームの作りに準じている。コースと車両、トランスミッション(オートマチック/マニュアル)を選んでレース開始。~ 持ち時間が無くなるとゲームオーバーだが、時間内にチェックポイントを通過すると持ち時間が加算される。 基本は8台によるレースだが、『2』では「COLOR(red){真剣勝負}」と言うタイムアタックモードが追加され、~ 『''2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}''』ではCOLOR(blue){逆走(Reverse)}・ゴール後のCOLOR(red){リプレイ(Replay)}追加の他、AT選択時のシフトポイントの変更等一部改良・調整が施されている。 ---- ***車種 登場車両は''全て実際に存在する車両''。~ 『1』での参入メーカーは「トヨタ」「日産」「ホンダ」「マツダ」の4社で、高出力・低出力((アトラクトデモで流れる車紹介のスペック表では、低出力車のみ馬力・トルク表記に「+α」の表記があり、チューニングにより高出力車と同等の動力性能を持っている事が示唆されている。))車の2台ずつ、全8車両が登場。~ 『2』ではこれに加えて「スバル」「三菱」の2社が新規参入、既存車も殆どが入れ替わり、全13台+CPU専用車1台となった。~ COLOR(red){ボディカラーの変更は全作で不可能。}太文字は家庭用で変更された色。赤文字は実車では選べない色。~ ''全車種で何らかの外見改造が行われているのも特徴''で、『1』では社外製ホイールの装着や派手な非純正カラー程度だったが、~ 更に『2』ではエアロミラーや派手なエアロパーツ((それぞれ実車では、ミラー面積と視認性を犠牲に空気抵抗を減らしたり、見た目だけではなく空力特性も変化させて安定性や最高速を向上させる効果がある。レース界や走り屋界では、これらのパーツ装着は早く走る為の基本としても知られる。))を装着した車種が殆どとなり、キャンバー角を「ネガキャン」化((コーナリング時のタイヤの接地性を高める為、キャンバー角をネガティブ(斜め方向)に設定すること。90年代までのレース界や走り屋界では常套手段であり、暴走族等のよりアンダーな世界では見た目目的の極端なネガキャンである「鬼キャン」が大流行した。ただしタイヤがボディからはみ出ていると違法となる為、取締りが厳しくなった現在は終息傾向にある。))した車種もある。 |メーカー|車種|ボディカラー|備考| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''1に収録された車種''| |トヨタ|スープラ RZ(JZA80)|銀|中期型・作中唯一の6速ギア車| |~|スプリンタートレノ 3door GT-V(AE86)|白/黒ツートン|後期型・純正リアスポイラー装着| |日産|スカイラインGT-R(BCNR33)|&color(red){青}((これは中期型の特別仕様車「LM LIMITED」のみに存在する特別色であり、通常エディションでは選べない。))→''銀''|中期型・他社製エアロミラー装着| |~|シルビア K's(S13)|&color(red){ピンク}→''赤''|後期型・エアロパーツ((純正リアスポイラー・他社製「GT-Rグリル」・エアロミラー))装着| |ホンダ|シビック SiR(EG6)|&color(red){緑}((これはEG型シビックの姉妹車「CR-X デルソル」のみに存在する色であり、実車のEG型シビックでは選べない。))→''赤''|| |~|NSX(NA1)|黄/黒屋根|前期型| |マツダ|サバンナRX-7 ∞(FC3S)|赤→''白''|後期型・他社製エアロミラー装着| |~|アンフィニRX-7 Type RZ(FD3S)|黒→''黄色''|4型| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''2に収録された車種(太文字車種は今作で初めて登場した車種)''| |トヨタ|スプリンタートレノ 3door GT-V(AE86)|白/黒ツートン|前作から純正エアロが追加&br()2RRでは架空の6速ギアに変更| |~|''カローラレビン 2door GT-APEX(AE86)''|赤/黒ツートン|隠し車種 前期型・TRD製エアロ装着&br()2RRでは架空の6速ギアに変更| |~|''セリカ GT-FOUR(ST205)''|白|前期型の特別仕様車「WRC仕様車」&br()実車同様ミスファイアリングシステム装備| |日産|''スカイラインGT-R(BNR32)''|黒→''紺''|中期型・Veilside製フロントスポイラー装着&br()2RRでは加速力低下| |~|''180SX TYPE-X(RPS13)''|&color(red){青}|中期型・他社製エアロ((C-WEST風エアロと「湾岸タイプ」リアスポイラー))装着| |ホンダ|シビック SiR II(EG6)|黒→''赤''|SiR IIへグレード変更・無限製エアロ装着| |~|''CR-X SiR(EF8)''|赤|後期型・前期用無限製エアロ装着| |マツダ|サバンナRX-7 ∞(FC3S)|白|高橋涼介仕様風エアロ((それぞれ、形状的にはR Magic製フロントハーフスポイラー・ユアーズスポーツ製エアロミラー・GPSPORTS製G-FOURリアバンパー・RE雨宮製リアスポイラー TypeIに似ている。))装着| |~|アンフィニRX-7 Type RZ(FD3S)|&color(red){黄色}((これは初期型の1型のみに存在する色であり、2型以降のモデルにおいては通常エディションでは選べない。本作に登場するFD3Sはグレードやマシンスペックから中期型の4型であり、モデルとなっているのは頭文字D風ないしは限定仕様のTypeRS-Rと思われる。))|高橋啓介仕様風エアロ((それぞれ、形状的にはVeilside製フロントバンパー・マツダスピード製リアスポイラーに似ている。))装着| |スバル|''インプレッサ WRX STi Version III(GC8)''|紺|厳密には特別仕様車「V-limited」&br()ミスファイアリングシステム装備&br()ワゴンはAC版のCPU専用車((初級と中級で登場。))| |~|''インプレッサスポーツワゴン WRX STi Version III(GF8)''|~|~| |~|''レガシィツーリングワゴン GT-B(BG5)''|白|隠し車種 後期型| |三菱|''ランサー GSR エボリューションIV(CN9A)''|銀→''白''|ミスファイアリングシステム装備| ---- ***コース コースも峠道系で、走り屋風味。~ -『1』に登場するコース --初級「春」 ---春の山道をイメージしたコース。~ 初級でありながら、最初に思い切ったブレーキングが必要なコーナーがある。~ その後は桜に囲まれながら進むかの如く、直線が続いている。 --中級「夏」 ---真夏の山をイメージしたコース。~ コース中盤までは海岸沿いの舗装路を走るが、終盤の山間はグラベル区間となり、操縦が難しくなっている。~ コース序盤では海から突き出た巨岩や灯台があるが、PS版では削除されている。 --上級「秋」 ---秋の渓谷沿いの観光道路をイメージしたコース。~ スタート地点の金剛力士像・大仏・土産センターの看板があるが、これらもPS版で削除されている。~ 前半は緩やかなコーナーが続くが道幅が1車線分しか無い。1車線分の広さしか無いトンネルは見物。~ そして後半は逆転して道幅が広くなるが、ヘアピンが連続する箇所が相次ぐ難所と化す。~ 又、コース脇の落ち葉を踏むと、多少グリップが落ちる。 --超上級「冬」 ---冬の集落をイメージしたコース。~ 道幅が広いものの、''ホームストレート以外は全て雪道で''、ヘアピンだらけ。~ 後の雪道コースと比べると、断然こちらの方が難しい。 --弩級「極」 ---隠しコース(家庭用は最初から選択可能)。~ 自然の脅威を感じる渓谷に無理矢理道路を敷いた様なコースで当然カーブも多い上、道幅も狭い。''シリーズ唯一の周回弩級コース''。~ 天然のトンネルを抜ける度にグラベル混じりの道路、雪道(''!'')、舗装路とコロコロ変わり、そう言う意味でもある意味最強の峠道だろう。~ 制限時間・CPUカー共に非常に厳しいが、このコースで1位になればエンディング。 -『2』に登場するコース ''『2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}』ではコース選択画面でシフト操作する事で、全コースで逆走可能。'' --初級「卯月」4月 ---榛名湖を元ネタとした湖畔を周回するコース。季節が春なのも前作から相変わらず。~ コース形状は前作と違って高速コーナーが多く、慣れない内でも最終コーナー以外、ブレーキングはほぼ必要無いだろう。~ 元ネタ同様にスタート地点には「とうふ」と書かれた幟が複数あり、豆腐店の建物もある。~ トップを走る車は、隠し車種の「レガシィツーリングワゴン」。BGMは「Theme of Spring」。 --中級「弥生」3月 ---夕方の碓氷峠をイメージしたコース。~ スタート地点には釜飯で有名な「おぎのや」と信越本線の駅があったり、コース途中ではめがね橋が見えたりと、雰囲気抜群。~ コースは中盤まで高速コーナー主体・終盤のヘアピンも道は狭いが角度は緩め・全舗装路と、前作よりも難易度は下がった。~ トップを走行している車はやはりシルエイティ((180SX(RPS13)にシルビアS13のフロントを合体した車。後に日産公認となった。))仕様の「180SX」。BGMは「Thawing」。 --上級「文月((PS版では誤って「神無月 10月」となっている。))」7月 ---真夏の夜の妙義山をイメージしたコース。~ スタート地点の神社には屋台が立ち並んでおり、AC版ではコース中盤で花火が挙がる演出もある。~ コース序盤は高速コーナーとブラインドコーナーが連続し、中盤からは直線からのヘアピンコーナーが連続して待ち受けている。~ トップを走る車は「スカイラインGT-R R32」。BGMは「Midnight」。 --超上級「神無月((PS版では誤って「文月 7月」となっている。))」10月 ---紅葉舞い散る観光地をイメージしたコース。~ スタート地点はパーキングエリア前から始まり、しばらくして神社のそばを通る。~ 途中から路肩に紅葉が積もった山間を走る。両脇には鹿も(動物注意の看板がある)。~ 更に進むと、1車線分の広さの橋を渡り(200m先、工事中の看板がある)、終盤は工事中区間の未舗装路を走る。~ 最後に「急カーブ注意」と書かれた看板を過ぎて、ヘアピンを抜ければホームストレート。~ このコースからCPUカーのレベルも飛躍的に上昇し、たった一度のワンミスで1位を狙うことも完走することも困難となる。~ トップを走る車は「インプレッサ GC8」。BGMは「Red leaves」。 --超弩級「亥の刻」22:00 ---隠しコース(家庭用は最初から選択可能)。~ 群馬県の榛名山を舞台にした''シリーズ初の一本道''。以後のシリーズでも''このコースだけは必ず収録されている''。~ ちなみにコース選択ではスタート地点しか描かれておらず、コースマップも表示されない。~ CPUカーも『頭文字D』の登場人物を意識した車種で構成され((上位順からトレノ(藤原拓海及び藤原文太)、FC3S(高橋涼介)、FD3S(高橋啓介)、CN9A(岩城清次)、BNR32(中里毅)、RPS13(佐藤真子&沙雪)、EG6(庄司慎吾)、レビン(武内樹)、プレイヤーとなる。))、装着ホイールを変更((殆どが『頭文字D』の登場人物仕様を思わせるもので、上位順にFC3Sがトレノと同じRSワタナベ製ホイール、FD3SがFC3Sのメッシュホイール、BNR32が『1』のFD3Sが装着していた黒の純正ホイール、RPS13がレビンのBBS製金メッシュホイール、EG6が『1』で装着していた無限製RNRホイール、レビンがオリジナルの鉄チン風ホイールを装着。))している他、~ 性能(特に加速性能)に若干の補正が掛かっている。その上CPUカーのレベルも全コース中最も高い。~ 勿論トップを走る車は頭文字D仕様の「スプリンタートレノ AE86」。BGMは「Midnight」。~ このコースで1位になればエンディングが見られる。 ---- **評価点 -''「実在の日本車を操り、日本の峠道を走る」という従来のアーケードレースゲームに無かったゲームデザイン''。 --挙動もゲーム的な挙動ながらリアル風に味付けされており、''運転する楽しさを阻害しない程度に実車の挙動再現が試みられている。''&br()他のレースゲームと比べて車が曲り難く、止まり難く、ドリフト時の減速も激しいが、それらの挙動を理解してドリフトで曲げていく楽しさがある。 -グラフィックの出来は粗いポリゴンなりにリアリティを再現出来ている力作もの。 --例えばマフラーやリアウイング、ミラーがポリゴンで再現されており、『2』ではリトラクタブルヘッドライトが夜間コースでしっかり展開する。&br()ライト類やホイール等の細かなディティールは実写から2Dテクスチャとして取り込み、各メーター類も実車に基づいてドットで再現されている。&br()各コースの背景も雰囲気よく作られている。『2』では上記の通り、漫画『頭文字D』で有名な実在峠を再現した一本道コースも登場した。 -ZUNTATAを擁するタイトーだけあって、レースゲームらしい疾走感を感じさせるロック系のBGMは良曲揃い。 --担当者は『1』が三澤宏行((通称「SAWAMMY」。『SBS1』以外のタイトーでの代表作は、「RCでGO!」 、「JETでGO!」がある。))氏、『2』が高萩英樹((通称「Dr.Haggy」。『SBS2』以外のタイトーでの代表作は、『SBS』の後継作「バトルギア2」、「サイキックフォース」シリーズ、「デンジャラスカーブス」等がある。))氏。『2』でBGMが一新されたが、同作の曲は特に人気が高く、&br()後に高萩氏が作曲担当した『バトルギア2』にて音源を変更した『SBS2』曲のリメイク版が収録され、以降の作品でも選択可能である。 -漫画『頭文字D』の影響を強く受けた演出。『1』の時点で、OPデモや登場車種、弩級のランキング((他コースは開発スタッフから取られているが、弩級のみ1位と2位がAE86の「BUN」と「TAK」、3位がFC3Sの「RYO」、4位がFD3Sの「KEI」、5位がBCNR33の「NKA」、6位と7位がS13の「IKE」と「KEN」、8位がAE86の「ITU」、9位がEG6の「SIN」、10位がNA1の「RED」とほぼ全てが『頭文字D』の登場人物から取られている。))がいかにも『頭文字D』を意識していた。 --『2』ではその傾向が加速し、殆どのマシンでボディカラーや装着パーツ類が『頭文字D』のそれらと合致するように変更((『2』ではランキングが全8位へと減らされ、弩級ランキングでは「NKA」のBCNR33がBNR32、6位がRPS13の「MAK」、7位の「KEN」がBG5、8位の「ITU」がレビンへ変更されてほぼそのまま引き継がれた。この伝統(?)は「バトルギア3」の隠し車種のナンバープレートネタまで続く事になる。))。&br()OPデモやコースの雰囲気、CPUカーの順位、弩級コースでの演出と、&bold(){ほぼ「『頭文字D』のゲーム化」と言って良い程の内容}となった。 ---この傾向は『バトルギア』シリーズでも加速(悪化?)し、2002年に[[セガ製の公式ゲーム>頭文字D ARCADE STAGE]]稼動後に登場した『[[バトルギア3]]』では、&br()ついに両プレイヤー間で両社の製作陣のモラルにも絡んだ論争が発生することになってしまった。 ---- **問題点 -&bold(){全体的に難易度が高い。} --昔のレースゲームの例に漏れず、COLOR(red){工場設定では制限時間が大分短い。生半可な実力では1位どころか完走も難しい。}&br()その上、CPUの車もかなりすばしっこく、1位狙いなら更に難易度が上昇する。峠道主体なのだからもう少し難易度は調整して欲しかった所か。 -実は初代からあったリアリティを殴り捨てるか如きの理不尽補正。 --それなりにプレイしないと気付きにくい物であるが、イン側からアウト側へ他車に接触すると自車のグリップ力が落ちる不公平な仕様は既に存在していた。&br()接触してもorされてもどちらも目立って減速せず、今シリーズでは補正が緩めなので当時はそこまで問題視されなかった。&br()だが、『バトルギア』シリーズに突入してからは、難易度上昇と見ても看過出来ない位に悪化していく事に。 ---- **総評  実在車両を採用する事で、本作がレースゲームの新たな可能性を切り開いたのは間違い無い。~ そして当時はまだ珍しかった峠道をコースとして採用したのも革新と言っても良いだろう。~ これが無ければリアル系統のレースゲームの進歩は少なからず遅れてしまったのかもしれない。 ---- **余談 -ゲーム中英語によるナレーションが入るものの、「''さーいばいさい''」「''えきせんたーい''」といった棒読みな日本語英語であり、妙に味がある。 ---- *サイドバイサイドスペシャル 【さいどばいさいどすぺしゃる】 |ジャンル|レース|&amazon(B00005OUSE)廉価版| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|タイトー|~| |発売日|1997年12月4日|~| |廉価版((但し、所謂Best版の形での販売ではない。))|サイドバイサイドスペシャル''2000'':1999年11月11日/不明|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|1と2をカップリング移植&br家庭用ならではの要素&br''鬼畜な廉価版の高難易度設定''|~| ---- **概要(SP) 『サイドバイサイド』『サイドバイサイド2 エボルツィオーネ』(無印版)のカップリング移植。~ 1・2のコース、車種、リプレイ機能、家庭用オリジナルの隠しコース3つ、隠し車種(タイトー営業車風架空車種)3台を追加。~ 無印版、廉価版共にナムコ製「ネジコン」に対応している。~ ---- **変更or追加された所 -音関連 --BGMは『2』のもののみ。&br()システムボイスの変更。それに伴い一部のセレクトボイス削除。 -車種・コース関連 --「シルビア」のエアロが「180SX」とほぼ同じものに変更。 --「セリカ GT-FOUR」の車種名が「セリカ GT-FOUR ''WRC''」となり、特別仕様車と明示化。 --「サバンナRX-7 FC3S」「シビック SiR II」「CR-X SiR」のフロントバンパーのグラフィックが大きく異なる((シビックではフロントナンバープレートの位置も異なり、CR-Xのフロントにはナンバープレートが追加。))。 --CPU専用だった「インプレッサスポーツワゴン WRX STi」が「インプレッサ WRX STi Version III」に差し替えられる形で削除。 --隠しコース3つ、タイトー営業車風架空車種3台追加。 ---隠しコースのうち1つは、ゴール時にスピンして路肩の駐車場に駐車するギミックが…。 ---- **廉価版の特徴 -デュアルショックの振動機能『のみ』に対応するようになった。 -モード選択から「INFORMATION」が削除され、一部フォントの変更、不具合修正等細かい仕様変更がある。 -難易度で制限時間だけで無くライバルカーの速さが変化するようになった。無印版では速さ自体は「Easy」から変わらず制限時間のみ短くなっていた。 --『バトルギア』シリーズで言う敵車レベルに例えれば、「Easy」が☆1~2に相当し、「Normal」が☆3、「Hard」が☆4、「VeryHard」が隠し最強難易度☆5にそれぞれ相当するところか。 --高難易度になればライバルカーが不自然な角度でドリフトする等、取って付けな所もある点はややマイナス。&br()更にコースによっては特定の車種を使用しなければクリア出来ない位に難しくなる事も。 -一部車種の挙動が変化している。 ---- **問題点 -''アーケード版から大幅に劣化した車両グラフィック。'' --ゲームの主役である車が、アーケード版とは似ても似つかぬ荒いグラフィックに劣化してしまい、''「実車を登場させている」意味が少々薄れてしまった。''&br()ポリゴンが大幅に減ったのは勿論だが、アーケード版では実写取り込みで再現されていたディティールはその全てが荒いドットで代替されている((CR-Xやスバル車は車名のディティールが何とか表現されているが、いずれも液晶テレビでようやく視認できる程度の荒さである。))。&br()ボディカラーはメタリック感やグラデーションが再現されておらず、ほぼ原色。アーケード版からカラー変更された車たちのカラーも、何れも似たものばかりで地味。 ---ハードパワーの都合上致し方ない所なのだろうが、アーケード版で同じ基板を使用していた『[[電車でGO!]]』は大きな劣化や処理落ち無しで移植されており、&br()一方で今作のコースグラフィックは一部背景物の削除程度でさほど劣化していない為、工夫次第ではもっと細かく車を再現できたのではないだろうか。 -''アーケード版「2RR」の追加要素のほぼ全てが未収録。'' --今作での「2RR」の要素はレース後のリプレイのみで、AE86のギアは5速のまま・''逆走コースも未収録。廉価版でも要素追加は一切無かった。''&br()後の『バトルギア』シリーズに於いても、『3』のアーケード・移植版双方でこの問題が発生、前者はこれよりも酷い問題点となってしまった。 -コースの難易度表示を除き、ゲーム中で使用されている言語がロード&セーブ時も含めて全て英語表記。 --ロード&セーブ時のメッセージに関してはゲーマーであれば大まかな解釈は可能かもしれないが、ライトユーザーかつ英語力の弱いプレイヤーにとっては理解がやや難しい場合も。せめてロード&セーブ時のメッセージに関しては日本語表記にしてほしかったところか。 -当時のアーケードレースゲーム移植作の例に漏れず、2人対戦モードが収録されていない。 --これもハードパワーの都合上致し方ない所だが、せめてTVと本体、ソフトをそれぞれ2台用意した上で通信ケーブルを使用した通信対戦に対応していれば良かっただろう。 ---後のPS2版『バトルギア』シリーズにおいては、『2』ではI.LINKケーブルを用いた2人対戦に対応((ただしI.LINKケーブルは『SCPH-39000型まで』のPS2のみの対応で、以降のモデルでは端子が削除されているので不可。))し、『3』にてようやく画面分割による2人対戦が実装されるようになった。 ---- **廉価版の問題点 -&color(red){''デュアルショックのアナログ操作に未対応。''} --''方向キーのみでしかハンドル操作ができない。''振動のみに対応する位なら、手間をかけてでもアナログスティック操作に対応させるべきだっただろう。&br()一応、「ネジコン」を使えばアナログ操作を再現できるが…厳密には細かなデジタル操作であり、そもそもネジコンを持っている人のほうが少ない。 -SBS1弩級コース「極」で難易度「VeryHard」時の制限時間が設定ミスかと思うほど極端に短い。通常版での制限時間は60秒なのだが…。 --こちらはなんと''たったの45秒''。基本的にアーケード版よりも時間設定が甘めなのが普通なはずの移植版にそぐわぬ程の短さな上、&br()しかも&color(red){''アーケード版以上に極めて短い時間設定という『[[セガツーリングカーチャンピオンシップ]]』も真っ青な超絶鬼畜仕様''}。 ---はっきり言って鬼畜以前に''クリア不可能も同然なレベル''であるため、廉価版でこのコースで高難易度を楽しむなら「Hard」で遊ぶしかないと言っても過言では無い。 ---しかし腕に自信があれば、高性能な隠し車種であるタイトー営業車3種を使用することでギリギリクリアできるようだ。&br()[[詳細はこちらの動画を参照。>https://www.youtube.com/watch?v=628S1S-lC5g]] ---- **体験版 -PS版『電車でGO!』に体験版が収録されている --但しゲーム内に同時収録と言った形であり2枚組では無い。その弊害(容量の都合)か、『電車でGO!』側の隠し路線が削除されている。 -ゲーム内でも注意書きがあるが、''プレイした後『電車でGO!』側のハイスコアデータやゲーム設定が初期化されてしまう仕様がある''のでその点は注意。 -体験版で遊べる内容 --「初級」「中級」それに対応したBGMが選べる。 --車種は「RX-7 FD3S」「スカイラインR32」「ランエボIV」が選べる。
*サイドバイサイド 【さいどばいさいど】 |ジャンル|レース|~| |対応機種|アーケード|~| |メディア|JCシステム|~| |発売・開発元|タイトー|~| |稼動開始日|1:1996年&br()2:1997年|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|実在車両を扱ったゲーム&br現実を追求した計器類等&br''バトルギアシリーズの前身''|~| |>|>|CENTER:''[[バトルギアシリーズリンク>バトルギアシリーズ]]''| ---- #contents() ---- **概要 恐らくゲーム業界で初の、本格的に実在車両を題材としたレースゲーム。実在車両とリアルな挙動という、当時としては一線を画した要素を特徴とする。~ 1996年に1作目が稼働開始。翌年に続編である『サイドバイサイド2 エボルツィオーネ』、そのバージョンアップ版である『''2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}''』が登場した。~ 後にタイトーからリリースされる『バトルギア』シリーズの前身と言える作品。 ---- **特徴 一般的なアーケードレースゲームの作りに準じている。コースと車両、トランスミッション(オートマチック/マニュアル)を選んでレース開始。~ 持ち時間が無くなるとゲームオーバーだが、時間内にチェックポイントを通過すると持ち時間が加算される。 基本は8台によるレースだが、『2』では「COLOR(red){真剣勝負}」と言うタイムアタックモードが追加され、~ 『''2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}''』ではCOLOR(blue){逆走(Reverse)}・ゴール後のCOLOR(red){リプレイ(Replay)}追加の他、AT選択時のシフトポイントの変更等一部改良・調整が施されている。 ---- ***車種 登場車両は''全て実際に存在する車両''。~ 『1』での参入メーカーは「トヨタ」「日産」「ホンダ」「マツダ」の4社で、高出力・低出力((アトラクトデモで流れる車紹介のスペック表では、低出力車のみ馬力・トルク表記に「+α」の表記があり、チューニングにより高出力車と同等の動力性能を持っている事が示唆されている。))車の2台ずつ、全8車両が登場。~ 『2』ではこれに加えて「スバル」「三菱」の2社が新規参入、既存車も殆どが入れ替わり、全13台+CPU専用車1台となった。 COLOR(red){ボディカラーの変更は全作で不可能。}太文字は家庭用で変更された色。赤文字は実車では選べない色。~ ''全車種で何らかの外見改造が行われているのも特徴''で、『1』では社外製ホイールの装着や派手な非純正カラー程度だったが、~ 更に『2』ではエアロミラーや派手なエアロパーツ((それぞれ実車では、ミラー面積と視認性を犠牲に空気抵抗を減らしたり、見た目だけではなく空力特性も変化させて安定性や最高速を向上させる効果がある。レース界や走り屋界では、これらのパーツ装着は早く走る為の基本としても知られる。))を装着した車種が殆どとなり、キャンバー角を「ネガキャン」化((コーナリング時のタイヤの接地性を高める為、キャンバー角をネガティブ(斜め方向)に設定すること。90年代までのレース界や走り屋界では常套手段であり、暴走族等のよりアンダーな世界では見た目目的の極端なネガキャンである「鬼キャン」が大流行した。ただしタイヤがボディからはみ出ていると違法となる為、取締りが厳しくなった現在は終息傾向にある。))した車種もある。 |メーカー|車種|ボディカラー|備考| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''1に収録された車種''| |トヨタ|スープラ RZ(JZA80)|銀|中期型・作中唯一の6速ギア車| |~|スプリンタートレノ 3door GT-V(AE86)|白/黒ツートン|後期型・純正リアスポイラー装着| |日産|スカイラインGT-R(BCNR33)|&color(red){青}((これは中期型の特別仕様車「LM LIMITED」のみに存在する特別色であり、通常エディションでは選べない。))→''銀''|中期型・他社製エアロミラー装着| |~|シルビア K's(S13)|&color(red){ピンク}→''赤''|後期型・エアロパーツ((純正リアスポイラー・他社製「GT-Rグリル」・エアロミラー))装着| |ホンダ|シビック SiR(EG6)|&color(red){緑}((これはEG型シビックの姉妹車「CR-X デルソル」のみに存在する色であり、実車のEG型シビックでは選べない。))→''赤''|| |~|NSX(NA1)|黄/黒屋根|前期型| |マツダ|サバンナRX-7 ∞(FC3S)|赤→''白''|後期型・他社製エアロミラー装着| |~|アンフィニRX-7 Type RZ(FD3S)|黒→''黄色''|4型| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''2に収録された車種 (太文字車種は今作で初めて登場した車種)''| |トヨタ|スプリンタートレノ 3door GT-V(AE86)|白/黒ツートン|前作から純正エアロが追加&br()2RRでは架空の6速ギアに変更| |~|''カローラレビン 2door GT-APEX(AE86)''|赤/黒ツートン|''隠し車種'' 前期型・TRD製エアロ装着&br()2RRでは架空の6速ギアに変更| |~|''セリカ GT-FOUR(ST205)''|白|前期型の特別仕様車「WRC仕様車」&br()実車同様ミスファイアリングシステム装備| |日産|''スカイラインGT-R(BNR32)''|黒→''紺''|中期型・Veilside製フロントスポイラー装着&br()2RRでは加速力低下| |~|''180SX TYPE-X(RPS13)''|&color(red){青}|中期型・他社製エアロ((形状的にはC-WEST製エアロとB-WAVE製リアスポイラーに似ている。))装着| |ホンダ|シビック SiR II(EG6)|黒→''赤''|前作からグレード変更・他社製エアロ((形状的には無限製もしくはSpoon製エアロ))装着| |~|''CR-X SiR(EF8)''|赤|後期型・前期用無限製エアロ装着| |マツダ|サバンナRX-7 ∞(FC3S)|白|高橋涼介仕様風エアロ((それぞれ、形状的にはR Magic製フロントハーフスポイラー・ユアーズスポーツ製エアロミラー・GPSPORTS製G-FOURリアバンパー・RE雨宮製リアスポイラー TypeIに似ている。))装着| |~|アンフィニRX-7 Type RZ(FD3S)|&color(red){黄色}((これは初期型の1型のみに存在する色であり、2型以降のモデルにおいては通常エディションでは選べない。本作に登場するFD3Sはグレードやマシンスペックから中期型の4型であり、モデルとなっているのは頭文字D風ないしは限定仕様のTypeRS-Rと思われる。))|高橋啓介仕様風エアロ((それぞれ、形状的にはVeilside製フロントバンパー・マツダスピード製リアスポイラーに似ている。))装着| |スバル|''インプレッサ WRX STi Version III(GC8)''|紺|厳密には特別仕様車「V-limited」&br()ミスファイアリングシステム装備&br()''ワゴンはAC版のCPU専用車''((初級と中級で登場。))| |~|''インプレッサスポーツワゴン WRX STi Version III(GF8)''|~|~| |~|''レガシィツーリングワゴン GT-B(BG5)''|白|''隠し車種'' 後期型| |三菱|''ランサー GSR エボリューションIV(CN9A)''|銀→''白''|ミスファイアリングシステム装備| ---- ***コース コースも峠道系で、走り屋風味。~ -『1』に登場するコース --初級「春」 ---春の山道をイメージしたコース。~ 初級でありながら、最初に思い切ったブレーキングが必要なコーナーがある。~ その後は桜に囲まれながら進むかの如く、直線が続いている。 --中級「夏」 ---真夏の山をイメージしたコース。~ コース中盤までは海岸沿いの舗装路を走るが、終盤の山間はグラベル区間となり、操縦が難しくなっている。~ コース序盤では海から突き出た巨岩や灯台があるが、PS版では削除されている。 --上級「秋」 ---秋の渓谷沿いの観光道路をイメージしたコース。~ スタート地点の金剛力士像・大仏・土産センターの看板があるが、これらもPS版で削除されている。~ 前半は緩やかなコーナーが続くが道幅が1車線分しか無い。1車線分の広さしか無いトンネルは見物。~ そして後半は逆転して道幅が広くなるが、ヘアピンが連続する箇所が相次ぐ難所と化す。~ 又、コース脇の落ち葉を踏むと、多少グリップが落ちる。 --超上級「冬」 ---冬の集落をイメージしたコース。~ 道幅が広いものの、''ホームストレート以外は全て雪道で''、ヘアピンだらけ。~ 後の雪道コースと比べると、断然こちらの方が難しい。 --弩級「極」 ---隠しコース(家庭用は最初から選択可能)。~ 自然の脅威を感じる渓谷に無理矢理道路を敷いた様なコースで当然カーブも多い上、道幅も狭い。''シリーズ唯一の周回弩級コース''。~ 天然のトンネルを抜ける度にグラベル混じりの道路、雪道(''!'')、舗装路とコロコロ変わり、そう言う意味でもある意味最強の峠道だろう。~ 制限時間・CPUカー共に非常に厳しいが、このコースで1位になればエンディング。 -『2』に登場するコース ''『2COLOR(blue){R}COLOR(red){R}』ではコース選択画面でシフト操作する事で、全コースで逆走可能。'' --初級「卯月」4月 ---榛名湖を元ネタとした湖畔を周回するコース。季節が春なのも前作から相変わらず。~ コース形状は前作と違って高速コーナーが多く、慣れない内でも最終コーナー以外、ブレーキングはほぼ必要無いだろう。~ 元ネタ同様にスタート地点には「とうふ」と書かれた幟が複数あり、豆腐店の建物もある。~ トップを走る車は、隠し車種の「レガシィツーリングワゴン」。BGMは「Theme of Spring」。 --中級「弥生」3月 ---夕方の碓氷峠をイメージしたコース。~ スタート地点には釜飯で有名な「おぎのや」と信越本線の駅があったり、コース途中ではめがね橋が見えたりと、雰囲気抜群。~ コースは中盤まで高速コーナー主体・終盤のヘアピンも道は狭いが角度は緩め・全舗装路と、前作よりも難易度は下がった。~ トップを走行している車はやはりシルエイティ((180SX(RPS13)にシルビアS13のフロントを合体した車。後に日産公認となった。))仕様の「180SX」。BGMは「Thawing」。 --上級「文月((PS版では誤って「神無月 10月」となっている。))」7月 ---真夏の夜の妙義山をイメージしたコース。~ スタート地点の神社には屋台が立ち並んでおり、AC版ではコース中盤で花火が挙がる演出もある。~ コース序盤は高速コーナーとブラインドコーナーが連続し、中盤からは直線からのヘアピンコーナーが連続して待ち受けている。~ トップを走る車は「スカイラインGT-R R32」。BGMは「Midnight」。 --超上級「神無月((PS版では誤って「文月 7月」となっている。))」10月 ---紅葉舞い散る観光地をイメージしたコース。~ スタート地点はパーキングエリア前から始まり、しばらくして神社のそばを通る。~ 途中から路肩に紅葉が積もった山間を走る。両脇には鹿も(動物注意の看板がある)。~ 更に進むと、1車線分の広さの橋を渡り(200m先、工事中の看板がある)、終盤は工事中区間の未舗装路を走る。~ 最後に「急カーブ注意」と書かれた看板を過ぎて、ヘアピンを抜ければホームストレート。~ このコースからCPUカーのレベルも飛躍的に上昇し、たった一度のワンミスで1位を狙うことも完走することも困難となる。~ トップを走る車は「インプレッサ GC8」。BGMは「Red leaves」。 --超弩級「亥の刻」22:00 ---隠しコース(家庭用は最初から選択可能)。~ 群馬県の榛名山を舞台にした''シリーズ初の一本道''。以後のシリーズでも''このコースだけは必ず収録されている''。~ ちなみにコース選択ではスタート地点しか描かれておらず、コースマップも表示されない。~ CPUカーも『頭文字D』の登場人物を意識した車種で構成され((上位順からトレノ(藤原拓海及び藤原文太)、FC3S(高橋涼介)、FD3S(高橋啓介)、CN9A(岩城清次)、BNR32(中里毅)、RPS13(佐藤真子&沙雪)、EG6(庄司慎吾)、レビン(武内樹)、プレイヤーとなる。))、装着ホイールを変更((殆どが『頭文字D』の登場人物仕様を思わせるもので、上位順にFC3Sがトレノと同じRSワタナベ製ホイール、FD3SがFC3Sのメッシュホイール、BNR32が『1』のFD3Sが装着していた黒の純正ホイール、RPS13がレビンのBBS製金メッシュホイール、EG6が『1』で装着していた無限製RNRホイール、レビンがオリジナルの鉄チン風ホイールを装着。))している他、~ 性能(特に加速性能)に若干の補正が掛かっている。その上CPUカーのレベルも全コース中最も高い。~ 勿論トップを走る車は頭文字D仕様の「スプリンタートレノ AE86」。BGMは「Midnight」。~ このコースで1位になればエンディングが見られる。 ---- **評価点 -''「実在の日本車を操り、日本の峠道を走る」という従来のアーケードレースゲームに無かったゲームデザイン''。 --挙動もゲーム的な挙動ながらリアル風に味付けされており、''運転する楽しさを阻害しない程度に実車の挙動再現が試みられている。''&br()他のレースゲームと比べて車が曲り難く、止まり難く、ドリフト時の減速も激しいが、それらの挙動を理解してドリフトで曲げていく楽しさがある。 -グラフィックの出来は粗いポリゴンなりにリアリティを再現出来ている力作もの。 --例えばマフラーやリアウイング、ミラーがポリゴンで再現されており、『2』ではリトラクタブルヘッドライトが夜間コースでしっかり展開する。&br()ライト類やホイール等の細かなディティールは実写から2Dテクスチャとして取り込み、各メーター類も実車に基づいてドットで再現されている。&br()各コースの背景も雰囲気よく作られている。『2』では上記の通り、漫画『頭文字D』で有名な実在峠を再現した一本道コースも登場した。 -ZUNTATAを擁するタイトーだけあって、レースゲームらしい疾走感を感じさせるロック系のBGMは良曲揃い。 --担当者は『1』が三澤宏行((通称「SAWAMMY」。『SBS1』以外のタイトーでの代表作は、「RCでGO!」 、「JETでGO!」がある。))氏、『2』が高萩英樹((通称「Dr.Haggy」。『SBS2』以外のタイトーでの代表作は、『SBS』の後継作「バトルギア2」、「サイキックフォース」シリーズ、「デンジャラスカーブス」等がある。))氏。『2』でBGMが一新されたが、同作の曲は特に人気が高く、&br()後に高萩氏が作曲担当した『バトルギア2』にて音源を変更した『SBS2』曲のリメイク版が収録され、以降の作品でも選択可能である。 -漫画『頭文字D』の影響を強く受けた演出。『1』の時点で、OPデモや登場車種、弩級のランキング((他コースは開発スタッフから取られているが、弩級のみ1位と2位がAE86の「BUN」と「TAK」、3位がFC3Sの「RYO」、4位がFD3Sの「KEI」、5位がBCNR33の「NKA」、6位と7位がS13の「IKE」と「KEN」、8位がAE86の「ITU」、9位がEG6の「SIN」、10位がNA1の「RED」とほぼ全てが『頭文字D』の登場人物から取られている。))がいかにも『頭文字D』を意識していた。 --『2』ではその傾向が加速し、殆どのマシンでボディカラーや装着パーツ類が『頭文字D』のそれらと合致するように変更((『2』ではランキングが全8位へと減らされ、弩級ランキングでは「NKA」のBCNR33がBNR32、6位がRPS13の「MAK」、7位の「KEN」がBG5、8位の「ITU」がレビンへ変更されてほぼそのまま引き継がれた。この伝統(?)は「バトルギア3」の隠し車種のナンバープレートネタまで続く事になる。))。&br()OPデモやコースの雰囲気、CPUカーの順位、弩級コースでの演出と、&bold(){ほぼ「『頭文字D』のゲーム化」と言って良い程の内容}となった。 ---この傾向は『バトルギア』シリーズでも加速(悪化?)し、2002年に[[セガ製の公式ゲーム>頭文字D ARCADE STAGE]]稼動後に登場した『[[バトルギア3]]』では、&br()ついに両プレイヤー間で両社の製作陣のモラルにも絡んだ論争が発生することになってしまった。 ---- **問題点 -&bold(){全体的に難易度が高い。} --昔のレースゲームの例に漏れず、COLOR(red){工場設定では制限時間が大分短い。生半可な実力では1位どころか完走も難しい。}&br()その上、CPUの車もかなりすばしっこく、1位狙いなら更に難易度が上昇する。峠道主体なのだからもう少し難易度は調整して欲しかった所か。 -実は初代からあったリアリティを殴り捨てるか如きの理不尽補正。 --それなりにプレイしないと気付きにくい物であるが、イン側からアウト側へ他車に接触すると自車のグリップ力が落ちる不公平な仕様は既に存在していた。&br()接触してもorされてもどちらも目立って減速せず、今シリーズでは補正が緩めなので当時はそこまで問題視されなかった。&br()だが、『バトルギア』シリーズに突入してからは、難易度上昇と見ても看過出来ない位に悪化していく事に。 ---- **総評  実在車両を採用する事で、本作がレースゲームの新たな可能性を切り開いたのは間違い無い。~ そして当時はまだ珍しかった峠道をコースとして採用したのも革新と言っても良いだろう。~ これが無ければリアル系統のレースゲームの進歩は少なからず遅れてしまったのかもしれない。 ---- **余談 -ゲーム中英語によるナレーションが入るものの、「''さーいばいさい''」「''えきせんたーい''」といった棒読みな日本語英語であり、妙に味がある。 ---- *サイドバイサイドスペシャル 【さいどばいさいどすぺしゃる】 |ジャンル|レース|&amazon(B00005OUSE)廉価版| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|タイトー|~| |発売日|1997年12月4日|~| |廉価版((但し、所謂Best版の形での販売ではない。))|サイドバイサイドスペシャル''2000'':1999年11月11日/不明|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|1と2をカップリング移植&br家庭用ならではの要素&br''鬼畜な廉価版の高難易度設定''|~| ---- **概要(SP) 『サイドバイサイド』『サイドバイサイド2 エボルツィオーネ』(無印版)のカップリング移植。~ 1・2のコース、車種、リプレイ機能、家庭用オリジナルの隠しコース3つ、隠し車種(タイトー営業車風架空車種)3台を追加。~ 無印版、廉価版共にナムコ製「ネジコン」に対応している。~ ---- **変更or追加された所 -音関連 --BGMは『2』のもののみ。 --システムボイスの変更。それに伴い一部のセレクトボイス削除。 -車種・コース関連 --「シルビア」のエアロが「180SX」とほぼ同じものに変更。 --「セリカ GT-FOUR」の車種名が「セリカ GT-FOUR ''WRC''」となり、特別仕様車と明示化。 --「サバンナRX-7 FC3S」「シビック SiR II」「CR-X SiR」のフロントバンパーのグラフィックが大きく異なる((シビックではフロントナンバープレートの位置も異なり、CR-Xのフロントにはナンバープレートが追加。))。 --CPU専用だった「インプレッサスポーツワゴン WRX STi」が「インプレッサ WRX STi Version III」に差し替えられる形で削除。 --隠しコース3つ、タイトー営業車風架空車種3台追加。 ---隠しコースのうち1つは、ゴール時にスピンして路肩の駐車場に駐車するギミックが…。 ---- **廉価版の特徴 -デュアルショックの振動機能『のみ』に対応するようになった。 -モード選択から「INFORMATION」が削除され、一部フォントの変更、不具合修正等細かい仕様変更がある。 -難易度で制限時間だけで無くライバルカーの速さが変化するようになった。無印版では速さ自体は「Easy」から変わらず制限時間のみ短くなっていた。 --『バトルギア』シリーズで言う敵車レベルに例えれば、「Easy」が☆1~2に相当し、「Normal」が☆3、「Hard」が☆4、「VeryHard」が隠し最強難易度☆5にそれぞれ相当するところか。 --高難易度になればライバルカーが不自然な角度でドリフトする等、取って付けな所もある点はややマイナス。&br()更にコースによっては特定の車種を使用しなければクリア出来ない位に難しくなる事も。 -一部車種の挙動が変化している。 ---- **問題点 -''アーケード版から大幅に劣化した車両グラフィック。'' --ゲームの主役である車が、アーケード版とは似ても似つかぬ荒いグラフィックに劣化してしまい、''「実車を登場させている」意味が少々薄れてしまった。''&br()ポリゴンが大幅に減ったのは勿論だが、アーケード版では実写取り込みで再現されていたディティールはその全てが荒いドットで代替されている((CR-Xやスバル車は車名のディティールが何とか表現されているが、いずれも液晶テレビでようやく視認できる程度の荒さである。))。&br()ボディカラーはメタリック感やグラデーションが再現されておらず、ほぼ原色。アーケード版からカラー変更された車たちのカラーも、何れも似たものばかりで地味。 ---ハードパワーの都合上致し方ない所なのだろうが、アーケード版で同じ基板を使用していた『[[電車でGO!]]』は大きな劣化や処理落ち無しで移植されており、&br()一方で今作のコースグラフィックは一部背景物の削除程度でさほど劣化していない為、工夫次第ではもっと細かく車を再現できたのではないだろうか。 -''アーケード版「2RR」の追加要素のほぼ全てが未収録。'' --今作での「2RR」の要素はレース後のリプレイのみで、AE86のギアは5速のまま・''逆走コースも未収録。廉価版でも要素追加は一切無かった。''&br()後の『バトルギア』シリーズに於いても、『3』のアーケード・移植版双方でこの問題が発生、前者はこれよりも酷い問題点となってしまった。 -コースの難易度表示を除き、ゲーム中で使用されている言語がロード&セーブ時も含めて全て英語表記。 --ロード&セーブ時のメッセージに関してはゲーマーであれば大まかな解釈は可能かもしれないが、ライトユーザーかつ英語力の弱いプレイヤーにとっては理解がやや難しい場合も。せめてロード&セーブ時のメッセージに関しては日本語表記にしてほしかったところか。 -当時のアーケードレースゲーム移植作の例に漏れず、2人対戦モードが収録されていない。 --これもハードパワーの都合上致し方ない所だが、せめてTVと本体、ソフトをそれぞれ2台用意した上で通信ケーブルを使用した通信対戦に対応していれば良かっただろう。 ---後のPS2版『バトルギア』シリーズにおいては、『2』ではI.LINKケーブルを用いた2人対戦に対応((ただしI.LINKケーブルは『SCPH-39000型まで』のPS2のみの対応で、以降のモデルでは端子が削除されているので不可。))し、『3』にてようやく画面分割による2人対戦が実装されるようになった。 ---- **廉価版の問題点 -&color(red){''デュアルショックのアナログ操作に未対応。''} --''方向キーのみでしかハンドル操作ができない。''振動のみに対応する位なら、手間をかけてでもアナログスティック操作に対応させるべきだっただろう。&br()一応、「ネジコン」を使えばアナログ操作を再現できるが…厳密には細かなデジタル操作であり、そもそもネジコンを持っている人のほうが少ない。 -SBS1弩級コース「極」で難易度「VeryHard」時の制限時間が設定ミスかと思うほど極端に短い。通常版での制限時間は60秒なのだが…。 --こちらはなんと''たったの45秒''。基本的にアーケード版よりも時間設定が甘めなのが普通なはずの移植版にそぐわぬ程の短さな上、&br()しかも&color(red){''アーケード版以上に極めて短い時間設定という『[[セガツーリングカーチャンピオンシップ]]』も真っ青な超絶鬼畜仕様''}。 ---はっきり言って鬼畜以前に''クリア不可能も同然なレベル''であるため、廉価版でこのコースで高難易度を楽しむなら「Hard」で遊ぶしかないと言っても過言では無い。 ---しかし腕に自信があれば、高性能な隠し車種であるタイトー営業車3種を使用することでギリギリクリアできるようだ。&br()[[詳細はこちらの動画を参照。>https://www.youtube.com/watch?v=628S1S-lC5g]] ---- **体験版 -PS版『電車でGO!』に体験版が収録されている --但しゲーム内に同時収録と言った形であり2枚組では無い。その弊害(容量の都合)か、『電車でGO!』側の隠し路線が削除されている。 -ゲーム内でも注意書きがあるが、''プレイした後『電車でGO!』側のハイスコアデータやゲーム設定が初期化されてしまう仕様がある''のでその点は注意。 -体験版で遊べる内容 --「初級」「中級」それに対応したBGMが選べる。 --車種は「RX-7 FD3S」「スカイラインR32」「ランエボIV」が選べる。

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