「スリルドライブ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スリルドライブ - (2018/11/22 (木) 21:41:15) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*スリルドライブ 【すりるどらいぶ】 |ジャンル|レースゲーム| |対応機種|アーケード| |販売元・開発元|コナミ| |稼動開始日|1998年| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 サーキットではなく、一般道、高速道路などの公道をひた走るレースゲーム。~ ”スリルドライブ”というタイトルの通り「事故」を前面に押し出したゲームになっているのが特徴である。 シリーズ作品をそれぞれ『1』、『2』、『3』と表記する。 **ゲーム内容 -基本ルールは一般的なレースゲーム同様自分含め4台の車でレースを行う。 --ただし、持ち時間が設定されており、タイムアップになった場合はその時点でゲームオーバーとなる(タイムはチェックポイントを通過することである程度回復する)。ルールはシンプルだが、「事故」によって独特な内容になっている。 //文量があまり多くないので太字見出しを通常大文字に変更 ''事故''~ 本作で最も特徴的な要素。 -公道を走る故、一般車両のアザーカーが多数走行している。そのアザーカーに自分の車が衝突してしまうと「事故」となり、強烈な悲鳴とともにそのシーンがリプレイされる。 --リプレイは海外レースゲームにありがちな「クラッシュ!!」のようにポップなものではなく「警察24時」のような重い雰囲気。救急車のサイレンも鳴る。 -また、田んぼ・海への転落や、側壁に衝突といった自損でも事故となる。事故を起こした時のショックも大きいが、ゲーム的にもタイムロスとなるため出来る限り事故を起こさずに進めることが重要となる。 --ちなみに、シングルプレイ時は事故の演出の間タイムカウントが止まるが、マルチプレイ時はしっかりタイムカウントが継続されるためクリアはシングルプレイよりも難しくなっている。 -また、内部的にはランクシステムが採用されており、ランク上昇と共に事故が発生しやすくなる(事故と判定される基準が厳しくなる)。~ 具体的には、事故を起こさずに走り続けると、大型車(トラックやバス)との接触でもミスにならず崖にも見えない壁ができる無敵状態>大型車や電車との接触、崖からの落下のみミスになる>小型車との接触でもミスになる>壁に軽く触れただけでもミスになる、といった具合。~ 逆走を一定距離行うと赤い三角形の並んだ透明な壁が行く手を阻むが、高ランクである程度以上の速度をだしているとこの透明な壁との衝突でも事故と判定される。なお、バイクや警察車両との接触で事故となることはない。 -事故発生後はBGMが変化する。また、『1』に限り、事故を起こす毎に天気が悪くなり、最終的には雷鳴まで発生するようになる。 -『3』では筐体にシートベルトが備え付けられ装着しないと事故が起こった際に画面が見づらくなる((このシートベルトは事故発生時にプレイヤーを締め付ける演出があるため、安全上の配慮から身長130cm以下の人は装着しないように案内があった))安全運転を推奨するシステムになった。 -事故の重大性により、「事故発生」「重大事故発生」「大惨事!」2以降はもう一つ上に「検挙」の三、四段階に分類される。 --ロケテ時は「プレイヤー軽傷」「プレイヤー重傷」「プレイヤー死亡」だった。 --初代では実際に事故の悲惨さで判定された(横転や列車事故だと「大惨事!」など)が、『2』以降では単純に損害賠償額で決定されている。 ''損害賠償金''~ -『2』から導入されたルール(厳密には『1』から存在するが初代では自車のカテゴリによってほぼ金額が固定化されていた)。このゲームのもう一つの特徴でもある。~ アザーカーに接触した場合その度合いによって損害賠償金が自分の車に加算される。(『3』では修理費用や改造費用も損害賠償金として計上される。) -特に事故を起こした場合多額の損害賠償金が加算されてしまい、事故状況によっては数百、数千万の損害賠償金になってしまうこともある。(4台の玉突き事故で2000万超えや列車2台を巻き込み5000万超えも可能) --ちなみに、国別設定により通貨単位が変化する(標準では円単位だが北米向け設定にするとドル単位になるなど) -なお、ライバル車や警察車両を巻き込んでもそれらから損害賠償金が発生することはない(また、ライバル車の事故に巻き込まれた場合は損害賠償金0円の事故となる)。 ''レーダーチャート''~ -レース中には(『1』ではリザルト画面のみ)画面に六角形のレーダーチャートが表示され、レース中の行動によって各項目が採点されグラフが刻々と変化していく。~ リザルトではこれを元に運転テクニックが評価される。 --「モラル」や「体調」などは満点でスタートし増減する。それ以外の項目は減少することはない。 -『2』以降では各レーダーチャートが変化すると「(項目名)が上昇/低下しています」、上限に達すると「(項目名)が満点になりました」とシステムボイスがアナウンスするようになった。~ -『3』のみこれとは別に違反点数のシステムがあり、「暴走行為」や「一方通行違反」で点数が引かれ、リザルトでは点数に応じて免許取り消し期間がランク付けされる。 -各作品毎のチャート要素。一番上から時計回りに記載。 #region -『1』 --「運動神経』『大胆さ』『かっこよさ』『I.Q』『向上心』『モラル』 -『2』 --『モラル』『向上心』『カッコ良さ『大胆さ』運動神経』『I.Q』 -『3』 --『運動神経』『体調『大胆さ』『カッコ良さ』『好奇心』『I.Q』 #endregion ''コース''~ -コースはアメリカ・日本・ヨーロッパの中から選び、それぞれロケーションなどが変わる。ちなみに基本的はこの順に難易度が高い。~ また3からはシチュエーションを選択することができ、(各コースごとに選べるシチュエーションは異なる。事実上の難易度選択)昼や曇りの時は難易度が低く、雨や霧のコンディションでは視界不良だったり、滑りやすくなるなど難易度が大幅にアップする。 -ちなみに『1』でのヨーロッパステージは日本ステージのポリゴンモデルをミラーにし、テクスチャを変えてロータリーを足しただけの手抜きステージだったりする。 -各ステージともスタートは市街地を通り、高速道路→山道→海沿い→都会というルートを通る。 ''車両''~ -車両はレース用車両ではなく、セダン、ワゴンといった一般車両を使っている。(ゲーム内容の都合上全て架空。)~ トラックやバスなども選択できるが大きさや挙動が上級者向け。さらにはクレーン車、タンクローリーなどの「レースしちゃいけない車」や、あひるちゃん((お風呂に浮かべたりするアレそのもの。これを選択すると警察の注意喚起が「そこのあひるちゃん止まりなさい」になる))、ホバークラフトなど「公道を走ってもいいのか疑問に思う乗り物(?)」、牛、人間など「どう考えても車とは呼べないもの」まで選択できる。 --こういったバカすぎる車両のチョイスもこのゲームを盛り上げる一因となっている。((一応牛や馬も法律上は軽車両扱いであり、公道を走ることはできる。だからといって時速200kmは出さないが。)) **評価点 -''レースゲームに「事故」を持ち込んだ点'' --レースゲームではあってないが如し、あっても自車だけが壊れる「クラッシュ」に留まっていた事故の概念を一新し、レースゲームに「自車と一般車との事故」という概念を持ち込んだ点が画期的。~ ゲームでのデメリットや重い雰囲気のリプレイによって「事故を起こしてはいけない」という極限のスリルを高めることに成功している。 ---この暗い雰囲気と事故発生時のインパクトある演出がなんとも強烈だが、クレーン車やタンクローリー、果ては牛、人間などのあり得ない車両の存在などの実にシュールな要素でバカゲーっぽさも醸し出しており、雰囲気が重くなりすぎないようにもなっている。 -''幅広いプレイスタイル'' --レースゲームとしては普通にプレイできるため、タイムアタック、1位を目指すといったレースゲームにつきもののプレイはもちろんの事、~ 事故、損害賠償金というシステムを生かし無事故プレイ・賠償金0円プレイといったチャレンジもできる。~ また、ランキング画面には通常のゴール時間ランキングの他に損害賠償金のワーストランキングも存在しているため、「どれだけ派手な事故を起こし損害賠償金を稼ぐか」といったプレイも可能となっている。 特に仲間内でのプレイでは難易度の高さゆえうまく進むより事故が起き易いため、事故が起きると大いに盛り上がる。 --『3』では先述の罰点の要素から、優良ドライバー(罰点0点)を目指すプレイヤーも存在する。 **問題点 -''やや高い難易度'' --多人数でワイワイ盛り上がる分にはあまり気にならないが、純粋なレースゲームとしてゴールを目指そうとすると難易度の壁にぶち当たる。~ 「カーブで外側に膨らんだところにちょうどやってくる対向車」「赤信号で交差点を横切る」「崖の外側に柵がない」などなど、~ あの手この手で事故を誘発するようになっており、初見ではゴールすることはほぼ不可能な死に覚えゲーとしての側面が大きい。~ また制限時間はゴールに近づくほど回復量が減り、ゴール付近では数秒しか回復しないこともある。((ただしゴールに近づくほどチェックポイントの間隔も狭まる))~ しっかりと対策を練ればゴールは可能でゲームバランスは決して悪くはないが死んで覚えていかないといけないのは少々厳しい。 -うっとうしい警察 --コース上には警察車両が待ち構えており、目の前を通過すると追いかけてくる。警察車両はこちらのことなどお構いなしにぶつけにくるのでかなり邪魔。~ 前述の通り警察車両とぶつかっても事故にはならずデメリットはないが、警察車両を回避しようとして事故になることもあり、うっとうしさが募る。ある程度走れば振り切れるのが幸いか。~ 『3』では先述の通り、信号無視などの違反行為に対して罰点を取られるのだが、パトカーに接触したら、向こうからぶつかってきた場合でも「緊急車妨害」で罰点(1点)を取られる((これは現実社会でも同様。緊急車両相手には進路を譲る義務があるため。また、ゲーム中は発生しないが、現実社会では緊急車両相手の事故は常に責任割合10:0(緊急車両側が0)となる。))。~ 先述の優良(罰点0点)ドライバーを目指す場合は非常に厄介だが、罰点を気にしない場合はそこまで影響はないのが救い **総評 レースゲームに事故・賠償金というリアルな表現がスリルと同時に一種のシュールさも醸し出し、多様なプレイスタイルの実現もあって、ゲームセンターでも人気シリーズとなった。~ 1人プレイならストイックにゴールを目指したり賠償金アタックをするもよし、多人数では事故を起こした様を笑うもよしとどちらも違った楽しさが味わえる。~ 稼働から年数が経ち、現役稼働している店舗は少ないものの見つけたら是非1度はプレイしてスリルを味わってみて欲しい。 ---- **余談 -当たり前のことだが、本体の上部等に「&color(red){''このゲームに登場する過激な表現は全てフィクションです。実際の運転では、絶対に真似をしないでください''}」という注意書きが掲げられている。 -『1』ロケテスト時は対人事故(歩行者やバイクへの接触事故)が存在し、賠償額も人身事故として非常に高額に設定されていたが、本稼動時には歩行者は超高速でプレイヤーたちの車を回避するようになり、バイクはランク上昇状態で接触しても決して転ばない驚異の硬さになった。 --これに関して『1』の公式サイトのQ&Aの回答曰く、「あの要素の事は忘れてほしい」との事。 ---ただでさえ一般車両との接触事故という要素自体が生々しい上に、わざと事故を起こして賠償金の金額を競うという遊び方もできてしまうため、生身に近い状態の人間を意図的に轢くことができてしまうのはさすがにまずいと判断したのだろう。 -2005年に『3』が出た後、2007年に『4』の開発が行われ、ロケテストまで行われていたが突如として開発中止。理由としてはコース上に置いてあるアイテムでライバル車を攻撃するシステムが『マリオカート』とカブッてしまったからといった説や、日に日に規制が厳しくなるゲーム業界において事故といった表現が引っかかったからといった説がある。時の流れとはいえ規制で良シリーズが消えてしまうのは残念でもある。 --…と思ったら、海外では『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』のタイトルでいつの間にか稼動していた。ただ、内容的に深刻なコンセプト破壊があり、国内稼働しなくてよかったという意見も存在している。 --風営法の改定と運用基準変更によりコクピットタイプの筐体が規制対象外機から規制対象機に変更されたことも国内発売の中止と無関係ではない。 ---インカムと無関係に発生していたレースゲーム・ドライブゲーム等の大型筐体ゲームの売り上げ不振もあり、実際、この時期を境目に同ジャンルの完全新作が殆どリリースされなくなっている。((同様の理由で格闘ゲーム・シューティングゲーム等も同じ末路を辿っている。90年代頃までゲーセンの花形的存在であり、かつて栄華を極めたこれらのジャンルの末路としては、時代の流れとは言え少々寂しいものがある。))
*スリルドライブ 【すりるどらいぶ】 |ジャンル|レースゲーム| |対応機種|アーケード| |販売元・開発元|コナミ| |稼動開始日|1998年| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 サーキットではなく、一般道、高速道路などの公道をひた走るレースゲーム。~ ”スリルドライブ”というタイトルの通り「事故」を前面に押し出したゲームになっているのが特徴である。 シリーズ作品をそれぞれ『1』、『2』、『3』と表記する。 ---- **ゲーム内容 -基本ルールは一般的なレースゲーム同様、自分含め4台の車でレースを行い、制限時間内にゴールを目指す。~ 制限時間はチェックポイントを通過することである程度回復し、タイムアップになった場合はその時点でゲームオーバー。 --ルールはシンプルだが、本シリーズはそれに「交通事故」を組み込んだことによって、非常に独特な内容になっている。 //文量があまり多くないので太字見出しを通常大文字に変更 ***事故 -本作で最も特徴的な要素。公道を走る故、一般車両のアザーカーが多数走行している。そのアザーカーに自分の車が衝突してしまうと「事故」となり、強烈な悲鳴とともにそのシーンがリプレイされる。~ また、田んぼ・海への転落や、側壁に衝突といった自損でも事故となる。事故を起こした時のショックも大きいが、ゲーム的にもタイムロスとなるため出来る限り事故を起こさずに進めることが重要となる。 --リプレイは「警察24時」のような重い雰囲気。救急車のサイレンも鳴る。因みに1人プレイ時はリプレイの間は時間が止まるが、マルチプレイ時は時間が減る為にゴールは1人プレイよりも難しくなっている。 --事故時は『1』では事故の悲惨さ((横転や電車との事故だと「大惨事!」など。))、『2』以降は損害賠償額により「事故発生」「重大事故発生」「大惨事!」、『2』以降はもう一つ上の「検挙」に分類される。 ---なお、バイクや警察車両との接触で事故となることはない。 -また、内部的にはランクシステムが採用されており、ランク上昇と共に事故が発生しやすくなる(事故と判定される基準が厳しくなる)。 --具体的には『いかなる事故が起きず崖にも見えない壁ができる無敵状態>大型車・電車との接触、崖からの落下や壁への正面衝突のみ事故>小型車との接触でも事故>壁に軽く触れただけで事故』といった具合。~ 逆走を一定距離行うと赤い三角形の並んだ透明な壁が行く手を阻むが、高ランクである程度以上の速度を出しているとこの透明な壁との衝突でも事故と判定される。 -事故発生後はBGMが変化する。また、『1』に限り、事故を起こす毎に天気が悪くなり、最終的には雷鳴まで発生するようになる。 -『3』では筐体にシートベルトが備え付けられ、装着しないと事故が起こった際に画面が見づらくなる((このシートベルトは事故発生時にプレイヤーを締め付ける演出があるため、安全上の配慮から身長130cm以下の人は装着しないように案内があった))安全運転を推奨するシステムになった。 ***損害賠償金 -『2』から導入されたルール(厳密には『1』から存在するが初代では自車のカテゴリによってほぼ金額が固定化されていた)。このゲームのもう一つの特徴でもある。~ アザーカーに接触した場合その度合いによって損害賠償金が自分の車に加算され、更に『3』では修理費用や改造費用も損害賠償金として計上される。 -特に事故を起こした場合多額の損害賠償金が加算され、事故状況によっては数百、数千万の損害賠償金になってしまうこともある(4台の玉突き事故で2000万超えや列車2台を巻き込み5000万超えも可能)。~ なお、ライバル車や警察車両を巻き込んでもそれらから損害賠償金が発生することはない(また、ライバル車の事故に巻き込まれた場合は損害賠償金0円の事故となる)。 --ちなみに、国別設定により通貨単位が変化する(標準では円単位だが北米向け設定にするとドル単位になるなど)。 ***レーダーチャート -レース中には(『1』ではリザルト画面のみ)画面に六角形のレーダーチャートが表示され、レース中の行動によって各項目が採点されグラフが刻々と変化していく。~ 『2』以降では各レーダーチャートが変化すると「(項目名)が上昇/低下しています」、上限に達すると「(項目名)が満点になりました」とシステムボイスがアナウンスするようになった。~ 『3』のみこれとは別に違反点数のシステムがあり、「暴走行為」や「一方通行違反」で点数が引かれ、リザルトでは点数に応じて免許取り消し期間がランク付けされる。 --「モラル」や「体調」などは満点でスタートし増減する。それ以外の項目は減少することはない。リザルトではこれらと損害賠償金を元に運転テクニックが評価される。 -各作品毎のチャート要素。一番上から時計回りに記載。 #region -『1』 --「運動神経』『大胆さ』『かっこよさ』『I.Q』『向上心』『モラル』 -『2』 --『モラル』『向上心』『カッコ良さ『大胆さ』運動神経』『I.Q』 -『3』 --『運動神経』『体調『大胆さ』『カッコ良さ』『好奇心』『I.Q』 #endregion ***コース -コースはアメリカ・日本・ヨーロッパの中から選び、それぞれロケーションなどが変わる。ちなみに基本的はこの順に難易度が高い。~ 各ステージとも『スタートは道幅の広い都会→高速道路→崖のある山道や海沿い→道幅が狭く死角も多い都会でゴール』というルートを通る。 --また『2』以降は各コース毎に異なるシチュエーションを選択でき、昼や曇りの時は難易度が低く、雨や霧のコンディションでは視界不良だったり、滑りやすくなるなど難易度を大幅に変えられる。 --ちなみに『1』でのヨーロッパステージは日本ステージのポリゴンモデルをミラーにし、テクスチャを変えてロータリーを足しただけの手抜きステージだったりする。 ***車両 -車両はレース用車両ではなく、実在する車を元ネタとした一般車両たちで構成されており、その点での外見的なリアリティもぬかりがない。~ ワゴン・セダンなどで構成された初中級者向けの「コンパクト」「スタンダード」、トラック・バスなどで構成された「ラージ」に大別される。 --中にはクレーン車、タンクローリーや、隠し要素で牛、人間など「どう考えても車とは呼べないもの」まで選択できる。 ---- **評価点 -''レースゲームに「事故」を持ち込んだ点'' --レースゲームではあってないが如し、あっても自車だけが壊れる「クラッシュ」に留まっていた事故の概念を一新し、レースゲームに「自車と一般車との事故」という概念を持ち込んだ点が画期的。~ ゲームでのデメリットや重い雰囲気のリプレイによって「事故を起こしてはいけない」という極限のスリルを高めることに成功している。 -''幅広いプレイスタイル'' --レースゲームとしては普通にプレイできる為、タイムアタック、1位を目指すといったレースゲームにつきもののプレイはもちろんの事、~ 事故、損害賠償金というシステムを生かし無事故プレイ・賠償金0円プレイといったチャレンジもできる。 --また、ランキング画面には通常のゴール時間ランキングの他に損害賠償金のワーストランキングも存在している為、「どれだけ派手な事故を起こし損害賠償金を稼ぐか」といったプレイも可能。~ 特に仲間内でのプレイでは難易度の高さゆえうまく進むより事故が起き易いため、事故が起きると大いに盛り上がるだろう。 --『3』では先述の罰点の要素から、優良ドライバー(罰点0点)を目指すプレイヤーも存在する。 ---- **賛否両論点 -客層をかなり選んでいた『1』のシリアスな雰囲気 --アドバタイズデモは初っ端から悲鳴・強烈な交通事故の演出から最後は対人事故が描写され、ゲーム中のBGMも不安を煽るものばかりと、暗い雰囲気を纏っており、かなりプレイする人を選んでいた。~ 但し、隠し車両の牛・人間などのあり得ないもの((一応牛や馬も法律上は軽車両扱いであり、公道を走ることはできる。だからといって時速200kmは出さないが。))やコース内のパロディ看板の存在、ゲーム外では公式サイトのお気楽な雰囲気とシュールな要素もあり、雰囲気が極端に重くなりすぎてはいなかった。 --続編ではカジュアルな路線は続編毎に強められ、BGMの一部がアクション映画の様な派手なものになったり、車両性能がレース車両並に強化等、恐怖描写が苦手な客層にもとっつきやすいゲームとなった。 ---それでいて『3』では隠し車両で「あひるちゃん((お風呂に浮かべたりするアレそのもの。これを選択すると警察の注意喚起が「そこのあひるちゃん止まりなさい」になる))」「ホバークラフト」と『1』並にブッ飛んだものも用意された。 ---- **問題点 -''やや高い難易度'' --多人数でワイワイ盛り上がる分にはあまり気にならないが、純粋なレースゲームとしてゴールを目指そうとすると難易度の壁にぶち当たる。~ 「カーブで外側に膨らんだところにちょうどやってくる対向車」「赤信号で交差点を横切る」「崖の外側に柵がない」などなど、~ あの手この手で事故を誘発するようになっており、初見ではゴールすることはほぼ不可能な死に覚えゲーとしての側面が大きい。~ また制限時間はゴールに近づくほど回復量が減り、ゴール付近では数秒しか回復しないこともある。((ただしゴールに近づくほどチェックポイントの間隔も狭まる))~ しっかりと対策を練ればゴールは可能でゲームバランスは決して悪くはないが死んで覚えていかないといけないのは少々厳しい。 -うっとうしい警察 --コース上には警察車両が待ち構えており、目の前を通過すると追いかけてくる。警察車両はこちらのことなどお構いなしにぶつけにくるのでかなり邪魔。~ 前述の通り警察車両とぶつかっても事故にはならずデメリットはないが、警察車両を回避しようとして事故になることもあり、うっとうしさが募る。ある程度走れば振り切れるのが幸い。 --『3』では先述の通り、信号無視などの違反行為に対して罰点を取られるのだが、パトカーに接触したら、向こうからぶつかってきた場合でも「緊急車妨害」で罰点(1点)を取られる((これは現実社会でも同様。緊急車両相手には進路を譲る義務があるため。また、ゲーム中は発生しないが、現実社会では緊急車両相手の事故は常に責任割合10:0(緊急車両側が0)となる。))。~ 先述の優良(罰点0点)ドライバーを目指す場合は非常に厄介だが、罰点を気にしない場合はそこまで影響はないのが救いか。 ---- **総評 レースゲームに事故・賠償金というリアルな表現がスリルと同時に一種のシュールさも醸し出し、多様なプレイスタイルの実現もあって、ゲームセンターでも人気シリーズとなった。~ 1人プレイならストイックにゴールを目指したり賠償金アタックをするもよし、多人数では事故を起こした様を笑うもよしとどちらも違った楽しさが味わえる。~ 稼働から年数が経ち、現役稼働している店舗は少ないものの見つけたら是非1度はプレイしてスリルを味わってみて欲しい。 ---- **余談 -当たり前のことだが、筐体上部やレース開始前には「&color(red){''このゲームに登場する過激な表現は全てフィクションです。実際の運転では、絶対に真似をしないでください''}」という注意書きが掲げられている。 -『1』ロケテスト時は対人事故(歩行者やバイクへの接触事故)が存在していたことが『1』の公式サイトのQ&Aで明らかにされていた。 --賠償額も人身事故として非常に高額に設定されていたが、本稼動時には歩行者は超高速でプレイヤーたちの車を回避するようになり、バイクはランク上昇状態で接触しても決して転ばない驚異の硬さになった。~ これに関してはQ&Aの回答スタッフが『あの要素の事は忘れてほしい』と弁明しており、その名残として「アトラクトデモの最後に対人事故が画面がホワイトアウトしながら描写される」のみとなった様子である。 --唯でさえ一般車両との接触事故という要素自体が生々しい上に、わざと事故を起こして賠償金の金額を競うという遊び方も可能な為、生身に近い状態の人間を意図的に轢けるのはさすがにまずいと判断したのだろう。 -2005年に『3』が出た後、2007年に『4』の開発が行われ、ロケテストまで行われていたが結果的には国内稼働は無く、海外のみ『CRAZY STREETS THRILL DRIVE』のタイトルで稼働した。~ 新要素として『マリオカート』に似た「コース上に置いてあるアイテムでライバル車を攻撃するシステム」が追加されたが、内容的に深刻なコンセプト破壊があり、国内稼働しなくてよかったという意見も存在していた。~ 同社からは2008年に『GTI Club supermini Festa!』、2010年に『ロードファイターズ』が稼働した為、本作の国内未稼働は「日本のACゲーム業界で『事故』の表現が難しくなったのでは」とも推測される事となった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: