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*アクトレイザー 【あくとれいざー】 |ジャンル|アクション+シミュレーション|CENTER:&image(563502_4533_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3503&file=563502_4533_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3503&file=5181E7HwTCL.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|クインテット|~| |発売日|1990年12月16日|~| |定価|8,000円(税別)|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年3月20日/800Wiiポイント|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''アクトレイザーシリーズ'' : ''1'' - [[2>アクトレイザー2 沈黙への聖戦]]| |>|>|CENTER:''クインテットの神様リンク''&br()''アクトレイザー'' - ソウルブレイダー - [[ガイア幻想紀]] - [[天地創造]] - ソロ・クライシス| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -魔王サタンとその僕である魔物達により人間が滅ぼされた世界で、プレイヤーは神として人々が住める世界を作るため魔物と戦う。 -アクションとシミュレーションの両方のゲーム性を備えている。 **ストーリー 神はサタンにより力を封じ込められてしまった。地上は完全に魔物に支配され、全ての人間は消え去ってしまう。神は力を取り戻すため、再び地上を人間が住める土地にすると誓う。彼らの信仰心こそが、神の力の源なのだ。神は悪魔を一掃するため、天空城から地上へと向った。 **システム -魔物と戦い土地を解放する、または魔物の脅威を完全に取り除くアクションゲームパートと、人々を導き町を作るクリエイション(シミュレーション)パートに分かれる。 --基本的に1つのステージはアクションゲームパート(ACT1)→クリエイションパート→アクションゲームパート(ACT2)の3部構成。二つ目のアクションゲームパートをクリアした後でもクリエイションパートの継続は可能である。 --各地域は初めに必要なレベルさえ満たしていれば攻略順序は問われない。なのでクリエイションパートでレベルを上げつつ別の地域を開放するか、じっくりと腰を据えて一つの地域を発展させていくかはプレイヤーの自由である。 ---住民が訴える問題を放っておいて、他の地域へ向かうのも自由。プレイヤーがいない地域は時間が止まっているので、状況が悪化する事はない。 -アクションパート --かつて人間たちが神をあがめるために作った石像に神が乗り移り、神自ら剣を振るって魔物を倒していく。 ---ちなみに、アクションパートで壊したらアイテムが入っている構造物もプレイヤーキャラと造形は違えど「神の像」である。 --アクションはジャンプとしゃがみ。攻撃は剣によるものと、無敵を伴う魔法がある。魔法はMPを消費するが、MPは豊富とはいえずここぞという時に使う。 ---特定のボス戦2箇所限定だが、通常攻撃時に斬撃が飛んでいく遠距離攻撃もある。 --時間制限があるものの要所要所でリセットがかかり、トータルの制限時間は意外に多い。 -クリエイションパート --解放した地方に男女2名の人間を創造し、プレイヤーは神として、人々が生活するための障害を「奇跡」を用いて取り除き、時に彼らの悩みを解決していく。このモードでは神の僕であるエンジェルを操作して人々を導いていく。 --その結果として人口が増え、町は発展していく。最大の目的は人口を増やすことでレベルアップ(アクションパートにおけるライフの増加)することにある。 ---この世界では、より多くの人々から信仰心を得る事で神が失った力を取り戻していくという設定になっている。なお、レベルアップ後に人口が減ってもレベルが下がる事は無い。 --ほかにも様々なメリットが生まれ、アイテムや魔法が手に入ったり、アクションゲームパートでのプレイヤーの残機や魔法使用回数が増えたり、他の町が発展する切っ掛けとなったりして、ゲーム進行を助ける。 --このモードも一筋縄ではいかず、魔物の巣から出現する魔物たちを、エンジェルを使って駆逐しながら町を広げていかなければならない。魔物の巣を片付けるには魔物と戦えるだけの人口を養い、魔物の巣へ町の発展を誘導して巣の封印を行う必要がある。 ---魔物の巣を封印するには一定の人口が必要。全ての魔物の巣を封印する事で、二つ目のアクションパートのきっかけが発生する。二つ目のアクションパートをクリアすると、その地域の魔物の脅威を完全に取り除いたことになる。 ---どの地域も文化度が3段階に分かれており、特定の魔物の巣を封印していくことで文化度が上昇し、人口密度の高い家を建築できるようになる。 ---エンジェルのライフが0になってもゲームオーバーになることはない。 -クリア後にアクションパートのみのSPECIALモードがプレイできる。 --ライフはレベル最大時と同等だが、敵が強化され、魔法が使えないなど、かなりの高難度となっている。 **評価点 -箱庭ゲームとしての面白さ。 --同時期に発売された『[[シムシティー]]』『[[ポピュラス]]』に比べればやれる事が少ないものの、やはりプレイヤーの働きかけにより町が発展していくのは見ていて楽しいものがある。 --町が発展するにつれちょっとしたイベントが挿入されるが、このシナリオが好評。人間たちが生き、笑い、悲しみ、争い、そして死んでゆく状況が垣間見える。一方的に助けを求めてきたり、信仰を捨てるといった勝手な一面も見せるが、それらをひっくるめ人間を温かく見守ってゆく神としての心情を擬似的に体験することができる。 --今まで発展させてきた各地域を振り返るエンディングの展開も高評価である。 -アクションパートは難しいものの、歯ごたえがある。 --基本的に雑魚対策を練り上げ、丁寧に進むゲームではある。だが体力全快アイテムの配置などから、強引に進んだ方がいい場合もある。逆にタイムリセットポイントが近いならば、チマチマと進むのも選択肢の一つ。攻略法を見出すほど、プレイの成長が手に取るように分かる。この辺りの計画的なプレイの面白さがある。 --また、アクションに自信がない人でもクリエイションモードで丹念にレベルを上げれば(ある程度なら)ゴリ押しで突破することも可能。逆に、最低レベルクリアや魔法禁止プレイといった縛りプレイもやりやすいシステムとなっており、そういったやり込みプレイ動画もネット上に多くあがっている。 -''本作を語る上で絶対に欠かせないのが、古代祐三氏の手による壮大なオーケストラ調のBGM。'' --特にアクションパートのステージ1「フィルモア」((ただし本人曰く「ハードに慣れるため、作りやすいパターンで最初に作った曲」であり、『イース』等で知られていた従来の古代サウンドに近い、本作の中では異質な曲。))や、カサンドラでの「捧げ物」は名曲として名高い。 --BGMだけでなく、音源の評価も高い。SFC後期レベルの音質を90年で既に実現していることも特筆すべきであろう。 --サウンドに力を入れた結果、SFC初期としては異例の大容量8Mbit ROMが採用されている。 **問題点 -アクションパートの操作性が独特。 --ジャンプに制御がほとんど利かず、攻撃判定の把握に慣れが必要。このため軽快に操作するという訳にはいかない。 --ジャンプ攻撃は上昇中でしかできない。ジャンプ頂点で攻撃しようとしても、わずかに遅れただけで攻撃が出ない。高所からの落下中も、もちろん攻撃できない。 --喰らい判定が大きく、ダメージ時の無敵時間が非常に短い。これらの事からダメージを受けやすい。 -アクションパートのバランスがあまり良くはない。道中の難易度は非常に高い一方、ボスはその多くが魔法のゴリ押しで突破可能。 --ミスとするとかなり戻される。ボス戦でもステージ中盤まで戻されてしまう。さらに消費したMPは戻らない。 --ボス戦においては「星屑の魔法」と「オーラの魔法」がかなり強力。~ 前者は画面内にランダムで星屑を落とす魔法であり、体の大きいボスモンスターほど有効。使えるようになってからは、連発するだけで勝利する事も可能。~ 後者はプレイヤーの周囲に大型光弾をいくつも発生させる。ほとんどのボスを、ほぼ棒立ちで倒せるほど強い。 ---ただし各地域の2番目のボスは、ラスボス戦で動きが強化された上でのボスラッシュに出てくるため、最終的にはしっかり行動パターンを覚えて回避しながらの戦い方を習得することになる。 --マラーナの最初のボス「ラフレシア」だけは例外で、ボス中最強とも言われるほど。「ボス戦中は破壊不可能な触手が絶えず追跡してくる」+「空中に留まり触手を伸ばす種を撒く」+「ボス本体は一定時間毎にしか顔を出さない」+「本体が小さいので星屑の魔法があまり当たらない」という心折設計。ここばかりはレベルを最大にしてもゴリ押しが通用しない為、辛酸を舐めたプレイヤーは数多い。 ---前述の「オーラの魔法」はラフレシアを倒さないと手に入らず、大ダメージを与えられる最強魔法「光の魔法」は最後の地域「ノースウォール」を先回りして解放しなければならない。 -クリエイションパートは、同時期に発売された『シムシティー』『ポピュラス』のような発展の仕方によるバリエーションがほぼ無く、何度繰り返しても同じような経緯を辿る。 --地域ごとに発展に上限があり、明らかに土地が余っているのに家が建たず成長が頭打ちになる。一見すると1000人以上の人口になりそうなカサンドラも実際には750人程度で成長が止まる。 --特に文化レベルが低い建物は人口密度が低いので、残しておくと早々に成長が頭打ちになってしまう。最大の人口にするためには嫌でもレベルの低い建物を壊す必要があり、時には''魔物に襲われる住民を見殺し''にしたり、''地震や雷を落として古くからいる住民を皆殺し''にしなければならない((フィルモアで「家が火事になったので雨を降らせてほしい」と頼まれたのに、これ幸いと地震や雷で家を壊してエンジェルにツッ込まれるのは半ばお約束。))。[[公式でも「ときには破壊も必要」とアドバイスしている。>https://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_ac/vc_ac_08.html]] --クリエイションパートの難易度は低いので、作業感が少々強い。 **総評 -BGMがとかく話題になりがちだが、SFC本体から一ヶ月弱で発売されたローンチに近い作品としては、独自性も強くゲーム的にも充分遊べる完成度。~ スーパーファミコンという新ハードの可能性を当時のゲームファンに感じさせてくれた、ある意味において記憶に残る作品である。 **余談 -この当時『[[ファイナルファンタジーIV]]』を開発中だったスクウェアのチームがSFCの性能をフルに活かした本作のBGMを聴き、その音色の差に愕然とし、開発末期にもかかわらず音源を全てサンプリングし直したという逸話が残っている。 --この逸話をただの伝説と切り捨てるような噂もあるが、植松伸夫氏自身は[[アクトレイザーの音を聞いて影響を受けたことを公の場で認めている>http://www.famitsu.com/news/201209/03020570.html]]他、植松氏と共にニコニコ生放送に出演した伊藤賢冶氏も当時を振り返って「植松さんとは同室だったので、悲愴な雰囲気がビシビシ感じられて怖かった」と証言している。((かつて「音源ドライバーや音色を作り直した」という植松氏のインタビュー記事が紹介されたり、「曲の段階から作り直した」といった曖昧な情報が広まったりしたせいで、逸話そのものが虚偽だと疑われている節がある。)) -ヨーロッパ版(93年)では、クリエイションパートが存在しないアクション専用モードが追加され、SPECIALモード同様にアクションゲームパート前半終了後そのままアクションゲームパート後半へ進むようになっている。この他に難易度設定も追加された。 //海外版にもクリエイションパートはある! --クリエイションパートが海外ではウケないとのセールス判断上そうなったらしい。 --さらに『[[アクトレイザー2>アクトレイザー2 沈黙への聖戦]]』も、元から開発規模を縮小して海外市場向けに作ったためにアクション一本になってしまった((開発は海外版が先だが、発売は国内版のほうが少し早く出た。))。難易度も海外向けなのでかなり高い。国内向けの難易度調整は一応行なわれたが、[[アクションが得意なデバッガーばかりだったのであまり簡単にならなかったらしい>http://web.archive.org/web/20000310170911/http://www.quintet.co.jp/sfc3.html]]。 -元は星の一生を描くRPGをクインテット第1作として開発していたが、7割程できたところでもっとSFCらしい作品を作ろうということになり、そのRPGはボツにしてアクトレイザーを作り始めた。 --なお、ボツになったRPGのアイデアは後に『[[天地創造]]』になった。 -発売から3年後に加藤元浩によるコミック版が連載されたが、主人公やストーリーが異なる。 -ネット上で名前入力を「き」にするのが流行ったことがある。エンジェルは神をさま付けで呼ぶのでずっと「きさま」呼ばわりされるというネタ。 -本作で使われていたSEは『アクトレイザー2』、『ソウルブレイダー』、『[[ガイア幻想紀]]』でも流用された。 -旧エニックスのゲームがバーチャルコンソールに配信されたのが本作のみだったため、『ソウルブレイダー』、『ガイア幻想紀』、『天地創造』、『[[スターオーシャン]]』、『[[ミスティックアーク]]』すら配信されていない。 ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //スーパーファミコン,バーチャルコンソール,スクウェア・エニックス
*アクトレイザー 【あくとれいざー】 |ジャンル|アクション+シミュレーション|CENTER:&image(563502_4533_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3503&file=563502_4533_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3503&file=5181E7HwTCL.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|8MbitROMカートリッジ|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|クインテット|~| |発売日|1990年12月16日|~| |定価|8,000円(税別)|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年3月20日/800Wiiポイント|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''アクトレイザーシリーズ'' : ''1'' - [[2>アクトレイザー2 沈黙への聖戦]]| |>|>|CENTER:''クインテットの神様リンク''&br()''アクトレイザー'' - ソウルブレイダー - [[ガイア幻想紀]] - [[天地創造]] - ソロ・クライシス| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -魔王サタンとその僕である魔物達により人間が滅ぼされた世界で、プレイヤーは神として人々が住める世界を作るため魔物と戦う。 -アクションとシミュレーションの両方のゲーム性を備えている。 **ストーリー 神はサタンにより力を封じ込められてしまった。地上は完全に魔物に支配され、全ての人間は消え去ってしまう。神は力を取り戻すため、再び地上を人間が住める土地にすると誓う。彼らの信仰心こそが、神の力の源なのだ。神は悪魔を一掃するため、天空城から地上へと向った。 **システム -魔物と戦い土地を解放する、または魔物の脅威を完全に取り除くアクションゲームパートと、人々を導き町を作るクリエイション(シミュレーション)パートに分かれる。 --基本的に1つのステージはアクションゲームパート(ACT1)→クリエイションパート→アクションゲームパート(ACT2)の3部構成。二つ目のアクションゲームパートをクリアした後でもクリエイションパートの継続は可能である。 --各地域は初めに必要なレベルさえ満たしていれば攻略順序は問われない。なのでクリエイションパートでレベルを上げつつ別の地域を開放するか、じっくりと腰を据えて一つの地域を発展させていくかはプレイヤーの自由である。 ---住民が訴える問題を放っておいて、他の地域へ向かうのも自由。プレイヤーがいない地域は時間が止まっているので、状況が悪化する事はない。 -アクションパート --かつて人間たちが神をあがめるために作った石像に神が乗り移り、神自ら剣を振るって魔物を倒していく。 ---ちなみに、アクションパートで壊したらアイテムが入っている構造物もプレイヤーキャラと造形は違えど「神の像」である。 --アクションはジャンプとしゃがみ。攻撃は剣によるものと、無敵を伴う魔法がある。魔法はMPを消費するが、MPは豊富とはいえずここぞという時に使う。 ---特定のボス戦2箇所限定だが、通常攻撃時に斬撃が飛んでいく遠距離攻撃もある。 --時間制限があるものの要所要所でリセットがかかり、トータルの制限時間は意外に多い。 -クリエイションパート --解放した地方に男女2名の人間を創造し、プレイヤーは神として、人々が生活するための障害を「奇跡」を用いて取り除き、時に彼らの悩みを解決していく。このモードでは神の僕であるエンジェルを操作して人々を導いていく。 --その結果として人口が増え、町は発展していく。最大の目的は人口を増やすことでレベルアップ(アクションパートにおけるライフの増加)することにある。 ---この世界では、より多くの人々から信仰心を得る事で神が失った力を取り戻していくという設定になっている。なお、レベルアップ後に人口が減ってもレベルが下がる事は無い。 --ほかにも様々なメリットが生まれ、アイテムや魔法が手に入ったり、アクションゲームパートでのプレイヤーの残機や魔法使用回数が増えたり、他の町が発展する切っ掛けとなったりして、ゲーム進行を助ける。 --このパートも一筋縄ではいかず、魔物の巣から出現する魔物たちを、エンジェルを使って駆逐しながら町を広げていかなければならない。魔物の巣を片付けるには魔物と戦えるだけの人口を養い、魔物の巣へ町の発展を誘導して巣の封印を行う必要がある。 ---魔物の巣を封印するには一定の人口が必要。全ての魔物の巣を封印する事で、二つ目のアクションパートのきっかけが発生する。二つ目のアクションパートをクリアすると、その地域の魔物の脅威を完全に取り除いたことになる。 ---どの地域も文化度が3段階に分かれており、特定の魔物の巣を封印していくことで文化度が上昇し、人口密度の高い家を建築できるようになる。 ---エンジェルのライフが0になってもゲームオーバーになることはない。 -クリア後にアクションパートのみのSPECIALモードがプレイできる。 --ライフはレベル最大時と同等だが、敵が強化され、魔法が使えないなど、かなりの高難度となっている。 **評価点 -箱庭ゲームとしての面白さ。 --同時期に発売された『[[シムシティー]]』『[[ポピュラス]]』に比べればやれる事が少ないものの、やはりプレイヤーの働きかけにより町が発展していくのは見ていて楽しいものがある。 --町が発展するにつれちょっとしたイベントが挿入されるが、このシナリオが好評。人間たちが生き、笑い、悲しみ、争い、そして死んでゆく状況が垣間見える。一方的に助けを求めてきたり、信仰を捨てるといった勝手な一面も見せるが、それらをひっくるめ人間を温かく見守ってゆく神としての心情を擬似的に体験することができる。 --今まで発展させてきた各地域を振り返るエンディングの展開も高評価である。 -アクションパートは難しいものの、歯ごたえがある。 --基本的に雑魚対策を練り上げ、丁寧に進むゲームではある。だが体力全快アイテムの配置などから、強引に進んだ方がいい場合もある。逆にタイムリセットポイントが近いならば、チマチマと進むのも選択肢の一つ。攻略法を見出すほど、プレイの成長が手に取るように分かる。この辺りの計画的なプレイの面白さがある。 --また、アクションに自信がない人でもクリエイションモードで丹念にレベルを上げれば(ある程度なら)ゴリ押しで突破することも可能。逆に、最低レベルクリアや魔法禁止プレイといった縛りプレイもやりやすいシステムとなっており、そういったやり込みプレイ動画もネット上に多くあがっている。 -''本作を語る上で絶対に欠かせないのが、古代祐三氏の手による壮大なオーケストラ調のBGM。'' --特にアクションパートのステージ1「フィルモア」((ただし本人曰く「ハードに慣れるため、作りやすいパターンで最初に作った曲」であり、『イース』等で知られていた従来の古代サウンドに近い、本作の中では異質な曲。))や、カサンドラでの「捧げ物」は名曲として名高い。 --BGMだけでなく、音源の評価も高い。SFC後期レベルの音質を90年で既に実現していることも特筆すべきであろう。 --サウンドに力を入れた結果、SFC初期としては異例の大容量8Mbit ROMが採用されている。 **問題点 -アクションパートの操作性が独特。 --ジャンプに制御がほとんど利かず、攻撃判定の把握に慣れが必要。このため軽快に操作するという訳にはいかない。 --ジャンプ攻撃は上昇中でしかできない。ジャンプ頂点で攻撃しようとしても、わずかに遅れただけで攻撃が出ない。高所からの落下中も、もちろん攻撃できない。 --喰らい判定が大きく、ダメージ時の無敵時間が非常に短い。これらの事からダメージを受けやすい。 -アクションパートのバランスがあまり良くはない。道中の難易度は非常に高い一方、ボスはその多くが魔法のゴリ押しで突破可能。 --ミスとするとかなり戻される。ボス戦でもステージ中盤まで戻されてしまう。さらに消費したMPは戻らない。 --ボス戦においては「星屑の魔法」と「オーラの魔法」がかなり強力。~ 前者は画面内にランダムで星屑を落とす魔法であり、体の大きいボスモンスターほど有効。使えるようになってからは、連発するだけで勝利する事も可能。~ 後者はプレイヤーの周囲に大型光弾をいくつも発生させる。ほとんどのボスを、ほぼ棒立ちで倒せるほど強い。 ---ただし各地域の2番目のボスは、ラスボス戦で動きが強化された上でのボスラッシュに出てくるため、最終的にはしっかり行動パターンを覚えて回避しながらの戦い方を習得することになる。 --マラーナの最初のボス「ラフレシア」だけは例外で、ボス中最強とも言われるほど。「ボス戦中は破壊不可能な触手が絶えず追跡してくる」+「空中に留まり触手を伸ばす種を撒く」+「ボス本体は一定時間毎にしか顔を出さない」+「本体が小さいので星屑の魔法があまり当たらない」という心折設計。ここばかりはレベルを最大にしてもゴリ押しが通用しない為、辛酸を舐めたプレイヤーは数多い。 ---前述の「オーラの魔法」はラフレシアを倒さないと手に入らず、大ダメージを与えられる最強魔法「光の魔法」は最後の地域「ノースウォール」を先回りして解放しなければならない。 -クリエイションパートは、同時期に発売された『シムシティー』『ポピュラス』のような発展の仕方によるバリエーションがほぼ無く、何度繰り返しても同じような経緯を辿る。 --地域ごとに発展に上限があり、明らかに土地が余っているのに家が建たず成長が頭打ちになる。一見すると1000人以上の人口になりそうなカサンドラも実際には750人程度で成長が止まる。 --特に文化レベルが低い建物は人口密度が低いので、残しておくと早々に成長が頭打ちになってしまう。最大の人口にするためには嫌でもレベルの低い建物を壊す必要があり、時には''魔物に襲われる住民を見殺し''にしたり、''地震や雷を落として古くからいる住民を皆殺し''にしなければならない((フィルモアで「家が火事になったので雨を降らせてほしい」と頼まれたのに、これ幸いと地震や雷で家を壊してエンジェルにツッ込まれるのは半ばお約束。))。[[公式でも「ときには破壊も必要」とアドバイスしている。>https://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_ac/vc_ac_08.html]] --クリエイションパートの難易度は低いので、作業感が少々強い。 **総評 -BGMがとかく話題になりがちだが、SFC本体から一ヶ月弱で発売されたローンチに近い作品としては、独自性も強くゲーム的にも充分遊べる完成度。~ スーパーファミコンという新ハードの可能性を当時のゲームファンに感じさせてくれた、ある意味において記憶に残る作品である。 **余談 -この当時『[[ファイナルファンタジーIV]]』を開発中だったスクウェアのチームがSFCの性能をフルに活かした本作のBGMを聴き、その音色の差に愕然とし、開発末期にもかかわらず音源を全てサンプリングし直したという逸話が残っている。 --この逸話をただの伝説と切り捨てるような噂もあるが、植松伸夫氏自身は[[アクトレイザーの音を聞いて影響を受けたことを公の場で認めている>http://www.famitsu.com/news/201209/03020570.html]]他、植松氏と共にニコニコ生放送に出演した伊藤賢冶氏も当時を振り返って「植松さんとは同室だったので、悲愴な雰囲気がビシビシ感じられて怖かった」と証言している。((かつて「音源ドライバーや音色を作り直した」という植松氏のインタビュー記事が紹介されたり、「曲の段階から作り直した」といった曖昧な情報が広まったりしたせいで、逸話そのものが虚偽だと疑われている節がある。)) -ヨーロッパ版(93年)では、クリエイションパートが存在しないアクション専用モードが追加され、SPECIALモード同様にアクションゲームパート前半終了後そのままアクションゲームパート後半へ進むようになっている。この他に難易度設定も追加された。 //海外版にもクリエイションパートはある! --クリエイションパートが海外ではウケないとのセールス判断上そうなったらしい。 --さらに『[[アクトレイザー2>アクトレイザー2 沈黙への聖戦]]』も、元から開発規模を縮小して海外市場向けに作ったためにアクション一本になってしまった((開発は海外版が先だが、発売は国内版のほうが少し早く出た。))。難易度も海外向けなのでかなり高い。国内向けの難易度調整は一応行なわれたが、[[アクションが得意なデバッガーばかりだったのであまり簡単にならなかったらしい>http://web.archive.org/web/20000310170911/http://www.quintet.co.jp/sfc3.html]]。 -元は星の一生を描くRPGをクインテット第1作として開発していたが、7割程できたところでもっとSFCらしい作品を作ろうということになり、そのRPGはボツにしてアクトレイザーを作り始めた。 --なお、ボツになったRPGのアイデアは後に『[[天地創造]]』になった。 -本作で使われていたSEは『アクトレイザー2』、『ソウルブレイダー』、『[[ガイア幻想紀]]』でも流用された。 -発売から3年後に加藤元浩によるコミック版が連載されたが、主人公やストーリーが異なる。 -ネット上で名前入力を「き」にするのが流行ったことがある。エンジェルは神をさま付けで呼ぶのでずっと「きさま」呼ばわりされるというネタ。 -どうやらスクウェア・エニックスは旧エニックスのSFCゲームのバーチャルコンソール配信に消極的らしく、Wiiで本作が配信されたのみ。同じクインテットの『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』『天地創造』や、当時の話題作『[[スターオーシャン]]』『[[ミスティックアーク]]』ですら配信されていない。~ 旧スクウェアとは異なり外注による開発だったため、版権的な問題があるのかもしれないが、他にも旧エニックスのSFCゲームには意欲作が多く、需要は確実にあるだけに惜しまれるところである。 ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //スーパーファミコン,バーチャルコンソール,スクウェア・エニックス

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