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*テイルズ オブ ファンタジア 【ているず おぶ ふぁんたじあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(top_boxfront.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_boxfront.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_boxback.jpg]]&image(top_play.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_play.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|48MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|ウルフチーム&br()ナムコ|~| |発売日|1995年12月15日|~| |定価|11,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|豪華声優陣によるキャラクターボイス&br;ボーカル付きの主題歌搭載&br;勧善懲悪で終わらない奥深ななストーリー&br;魅力的なキャラクター達&br;斬新な戦闘システム&br;シリーズ初出にして屈指の高難易度|~| |>|>|CENTER:[[''テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク''>テイルズ オブ シリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)の看板RPG、テイルズ オブシリーズの第一作目 --略称は「ファンタジア」、「TOP」等。時折見られる「TOF」という略称は『テイルズ オブ ファンダム』を指す。 --一般的に「ファンタジア」のスペルは「Fantasia」であるが、本作のスペルは「Phantasia」(ギリシャ語表記)である。 -SFC後期に発売されたRPGで、アクションゲームさながらのリアルタイム戦闘システムである、LMBS(リニアモーションバトルシステム)や48メガの大容量を活かして、キャラクターのボイスや主題歌「夢は終わらない」(ボーカル曲をSFCで流してみせるという当時としては衝撃的なことを行った)を流し、キャラクター面でも『逮捕しちゃうぞ』等で有名な藤島康介によるキャラクターデザインなど、気合十分な作りでゲーマーから高い評価を得た。 ---- **キャラクター紹介 #region(長いので収納。重大なものはないが、若干のネタバレを含むので閲覧注意。) ※本作でパーティキャラクターとなるキャラクターに関してのみの紹介をするが、一部PS版以降の内容も含める。その際はPS版以降での設定であることが解るように表記する。~  また、SFC版の描写やキャラ設定などと噛み合わない個所以外の一部はキャラクターの背景を説明するため、PS版のファミ通攻略本に記載された内容を一部手を加えて表記している。 &size(15){''クレス・アルベイン''}~ -本作の主人公で、アルベイン流剣術を使う剣士((物語開始時は「剣士見習い」となっている。))。 --トーティス村のアルベイン流剣術道場の主であり父であるミゲールと母マリアの息子で、大平の中父から剣術を学ぶ傍ら友であるチェスターと狩りに勤しむ日々を過ごし、村の皆からも慕われ、チェスターの妹アミィからは密かに想いを寄せられ…と、誰もが羨む年頃の充実を謳歌していたが、彼のミゲールから託されたペンダントを狙った軍隊に村が攻め滅ぼされた事で、突如平和は崩壊する。 --自身の不在中に両親はおろか村人全員が殺められ、身を裂かれるような悲しみと皆を守れなかった悔しさ、果てしない復讐心と共に旅立ち、ペンダントの秘密と時空を跨いだ壮絶な戦いに身を投じていくこととなる。 --剣だけでなく槍や斧なども使いこなす典型的な近接戦闘タイプ。SFC版の本作では唯一の前衛キャラで(他は全員後衛や補助専門)、彼の存在無くして本作の戦闘は成り立たないので、装備や技編成は念入りに行う必要がある。 --後述する優しい性格が長所であると同時に短所でもあり、その優しさが仇となって戦いにおいても太刀筋を鈍らせてしまうと言ったこともあるため、自分が一人の人間・剣士として未熟であると思っている。 ---だが、剣の師でもある父・ミゲールの師であるトリスタンからは「大器晩成」と評されており、その通り冒険の中でその類い希な才覚を開花させていくことになる。 ---PS版では特定の条件を満たすことで聞けるフェイスチャットの中でチェスターに「父親を越えたんじゃないか?」と指摘されるものの、クレスはそれを否定する。これは単なる謙遜ではなく、自身の精神面をも総合した実力を客観的に顧みた自己評価であり、自身の力に奢ることなく真っ直ぐ見つめ続ける心構えは、真なる剣士としての才能とも言えよう。またPS版以降追加されたイベントでは父親が究極奥義『冥空斬翔剣』を教える夢を見て、クレスも条件次第で『冥空斬翔剣』を使えるようになるという物がある。 -普段はとても優しく温厚なため周囲に流されがちだが主張するべき所では易々とそれを譲らず、いざ敵との戦いに及べば勇猛果敢に挑みかかる熱血漢の側面を見せる、一癖ある主人公の多いシリーズでは意外と珍しい正統派熱血主人公。 --ただし、ダオスに関してだけは自分の故郷を滅ぼされ、両親を殺されたことへの憎しみが強いためか、怒りを露にする場面もある((ダオスの目的に疑問を抱いたアーチェの意見に聞く耳を持たず、結果としてダオスに殺されたも同然の彼女の親友であるリアのことも含めて怒鳴りつけた程。))。 ---礼儀正しい所もあるため目上の人間には敬語で話すが、年上でも自分に年齢が近ければ気さくに話す。 -シリーズでは数少ない一人称が「ぼく」(PS版以降は「僕」)の主人公。 -本作未プレイのプレイヤーからは「ダジャレ好き」と思われがちだが、実際はなんとない発言が図らずもダジャレになってしまった((木を調べていたクラースに「“木”が動かなかったか?」と聞かれて「“気”のせいじゃないですか?」と返したり、風の精霊・シルフが暴れている理由が瘴気(魔界に流れる空気のこと)であると聞いて「“瘴気”のせいでシルフが“正気”を?」と言った程度。))ものであり、彼に関してのネタとして定番となっている「''ダオスをだおす(倒す)''」といったネタは全てPS版以降のもの。 --後のお祭り作品や予約特典DVDなどではそれらがやたら誇張して使用され、空気の読めないダジャレ好きにされているため、本作のファンからは反発も出ている。良リメイクとして名高いPS版でも、彼の意図的なダジャレについては批判的な目線で見られる事も。 &size(15){''ミント・アドネード''}~ -本作のヒロインで、神に祈りを捧げることで癒しの力を使うことの出来る「法術(ほうじゅつ)」と呼ばれる力を使える女性。SFC版の幼げな声を聞くと信じ難いかもしれないが、クレスより1つ年上。 --本作では術による回復手段を一手に担っており、攻撃手段は持っている杖による物理攻撃しか無いものの、サポートとして重要な役割を持っている。 -村を滅ぼされたクレスは伯父・オルソンを頼るも裏切られ、投獄される事になってしまう牢屋の中で彼女と出会う。 --牢獄から脱出した際に失くした(と思われていた)ミントの母の形見のイヤリングは、プレイヤーも忘れかけていた終盤に意外な形で巡り合う事となる。 -激しい自己主張はしないが言うべき事ははっきりと言う積極的な性格で、特に恋愛に関しては強い関心を持っているため、サブイベントの「ナンシーとエルウィン」ではクレスはおろか、2人を引っ張っていく所もある。 --PS版以降では声優が本作のこおろぎさとみ氏から岩男潤子氏に変更となったのと合わせ、性格も物静かでおっとりとした性格となり、言うべき事は言うが基本的にはお淑やか。 ---因みにこの変更、本作においてアーチェ役のかないみか氏とこおろぎさとみ氏の声質が似ているため、戦闘中でダメージを受けた時に「どちらが攻撃を受けたか解らない」と言うやや間抜けとも言えるような理由であったりする。 ---余談になるが、GBA版ではあるアイテムを入手することでPS版の岩男氏とSFC版のこおろぎ氏のボイスを選択出来るが、こおろぎ氏のボイスは本作の流用ではなく、PS版のミントに合わせた新録となっているため、本作のミントのボイスに比べると違和感が強い。 ---更に余談だが、(製作元でも混同していたのか、単純な誤植かは不明だが)発売前の広告では「ミント:かないみか アーチェ:こおろぎさとみ」と、逆になってしまっているものが存在する([[参考>http://vgprintads.tumblr.com/post/133664216591/videogameads-tales-of-phantasia-namco-super]])。 -直接キャラクター描写とかかわる点ではないが、彼女の設定として「太りやすいので肉は食べない」というのがあったりするが、当時のナムコの知識不足なのかは解らないが、実際の彼女の設定の身長と体重ではむしろ飢餓状態を疑うべきレベルになってしまっている。 --因みに、身長:162cm、体重:42kgとなっている。この場合のBMIは16とかなり低い数値となる((BMIの正常範囲は22前後とされており、この範囲に収まるにはあと15kgは必要。))。 ---PS版で実は胸が大きいと言うことで「ボインちゃん」なる称号を得られるが、上の状況を鑑みるに完全にあり得ないレベルになってしまっているため、一部でネタにされている。 &size(15){''チェスター・バークライト''}~ -クレスの幼馴染みで親友。類い希な弓の実力を持つ。クレスの剣とチェスターの弓でトーティス村の南にある森で狩りをすることが彼らの日常であった。 --両親を早くに亡くし、一人残った肉親である妹のアミィを守るため社会に揉まれて生きてきたこともあって、普段はやや斜めに構えた皮肉屋な面もあるが、根はクレス同様に真っ直ぐな熱血漢である。 --幼少期からの環境もあって、チェスターはアミィを守るためにどんな仕事も死に物狂いでこなし、決して盗みなどの悪事に手を染めることはなかった。~ それは、自分がそんな悪事に手を染めればアミィを悲しませること、果ては彼女自身を汚すことにもなってしまうと考えたからである。 ---今の自分があるのはアミィのおかげであると強く信じており、一人の肉親としてだけではない愛情の念を持っている。そのため、村を滅ぼした挙げ句、間接的とは言えアミィを殺したダオスに対する憎しみはクレスにも比肩するほど。 --この設定もクレスのダジャレ同様にお祭り・外伝作品では面白おかしく誇張されることがあり、『レディアントマイソロジー』ではただのロリコンにされている。元々ギャグ要素なクレスのダジャレ関連の誇張と異なり、批判意見が殆どを占めている。 ---『なりきりダンジョンX』に至ってはこれらの背景を嘲笑うかのようなスキット((アルベルトがアミィを貶し、挙げ句チェスターを「アミィと言う架空の妹の妄想でハァハァしている変態」扱いするという、キャラを通り越して開発側の倫理観が疑われかねない内容。))が追加されたため、マイソロの件を含めて強い反発が上がっている。 -PS版以降では以降のシリーズで脈々と受け継がれることになる不名誉な称号「スケベ大魔王」の初代取得者となるが、以降のシリーズの取得者が誤解や濡れ衣(一部自爆もあるが…)であったりする中で、彼だけは忍者の里で''自ら''女風呂を覗いたりするため「初代にして真性」と言われることも。 --PSP版(フルボイスエディション・クロスエディション共に)ではこのイベントにもボイスが付き、担当声優の伊藤健太郎氏の怪演もあってただでさえ強烈なインパクトがあるこのイベントを更に強く印象付けている。 ---ちなみに本作のみ担当声優はクレスと同じ草尾毅氏となっている。 &size(15){''クラース・F・レスター''}~ -クレス達の時代から約100年前のユークリッド村で助手であるミラルド・ルーンと共に召喚術を研究している学者。&br()クレス達から一回りくらい年上であることもあって、対外的なリーダー格となっている。 --気難しく偏屈…と言うよりも人間嫌いを感じさせるほどで、初対面のクレス達に対しても冷たくあしらうが、ミラルドの協力もあって、彼の召喚術の研究に協力することと引き替えに力を貸すという条件でクレス達の仲間に加わる。 --PS版では人間嫌いを感じさせるほどの冷たさはなくなっており、そもそもの設定の気難しく偏屈な性格というのが当てはまるようになっている。 ---また、仲間に加わった後は初対面で見せた冷たさはなりを潜め、むしろ気さくに話をするようになる((特にPS版ではフェイスチャットで契約した精霊を用いた数々の内容のチャット等、多くのものでむしろひょうきんとも言える性格をも覗かせる。))。 -PS版以降では一人称は「私」で統一されているが、本作ではかしこまった場では「私」だが、それ以外では「オレ」となっている。 -魔術に憧れ、そして長い研究と苦労の果てにようやく召喚術を習得したこともあり、天性の才能で魔術を操ることの出来るエルフに対しては強い劣等感を抱いている。 --本作のパーティキャラクターであるアーチェも混血ではあるものの魔術を操ることが出来るが、作中でそれに対して劣等感などの要素を匂わせることはしない…が、PS版で追加されたフェイスチャットの中にはエルフ嫌いを匂わせるようなもの((クレスにエルフについて説明をしているうちにだんだんその内容が愚痴めいたものとなっていき、クレスとミントに引かれてしまうという内容。))もある。 ---ただし、アーチェに対してはフェイスチャットの一部で魔術が使えないことを拗ねるかのような言い回しはするものの強くは匂わせず、むしろ良き保護者といった面も見せたり、逆に振り回されたりしている。 -研究に没頭するあまり、生活能力が皆無で日々の食い扶持はミラルドの執筆した書物などの印税であったりする。しかし、料理の腕だけはかなり高い部類に入る。 --ミラルドには性格も知り尽くされているせいか手玉に取られてしまい、PS版以降では「しりにしかれマン(尻に敷かれマン)」という称号を初期から持っていたりする。 ---何だかんだでクラースもミラルドに強い信頼を寄せて愛情を抱いているものの、照れ隠しか人前では「助手」と言い張っている…が、周囲からはバレバレだったりする。 ---その為に決戦前夜では精霊・オリジンの力とエターナルソードの力を借りて、過去の世界でクラースの帰りを待ち続けるミラルドの姿を見ると言う一幕も。 --料理が得意というのは、CVの井上和彦氏がアニメ版「美味しんぼ」で主人公・山岡士郎役を演じていたためか。 -体中に付けている模様は召喚術においては重要な役割を果たしているもので、1週間程度持続して定着するペイントで施されている。((ただし、本作のアンソロジードラマCDでは呪い師に刻んで貰っているシーンがある)) --元々は刺青にするつもりであったのだが、ミラルドに嫌がられたと言うことでペイントが落とし所となった。 -クラースの扱う武器は魔力を帯びた本という設定で、ネクロノミコンに始まりイエロウキングスやセラノフラグメン等と言ったクトゥルー神話の魔術書を装備することになるのだが、その中にあって異彩を放っているのが二つある。 --一つは「N・G」と言う武器でこれはノーグッドの略…ではなく、当時ナムコが無料で配布していた情報誌「namco COMMUNITY MAGAZINE NG」のセルフパロディー。 --そしてもう一つが「''スケベぼん''」。直球ど真ん中でこの名前になっているのである。 ---エロ本ぶん回して戦うという姿を想像するとあまりにもシュールで印象に強く残ってしまったためか、これ以降、何かとクラースとエロ本は縁があったり、クラース自体がチェスターも真っ青なスケベキャラにされたりと散々な扱いを受けていたりする。 ---因みにこの武器の説明文は「ぼく、子供だからわかんないや」となっている。 ---ただし、この説明文は本作のみで、PS版以降(本作ベースのリメイクであるGBA版も含む)の作品では普通の説明文((「大人の男性が見る本。薄いため、攻撃力は低い。」となっている。とは言え、攻撃力の値だけで言えばクレスの初期装備であるロングソードと同じだったりする。))になっており、PSおよびPSPでは武器の名前も「ピンナップマグ」と本作の直球ど真ん中の名前ではなくなっている(ただ、グラフィックには「SUKEBE」と書かれていたりする)。 -PS版で追加されたフェイスチャットのせいでハゲ疑惑が持ち上がっていたりするが、ちゃんと本編をプレイしていればハゲていないことは解る。…この人、どこまでネタキャラにされればいいんだろうか。 &size(15){''アーチェ・クライン''}~ -クラースと同じ時代のローンヴァレイで父親のバートと共に暮らすハーフエルフの少女。 --天真爛漫な性格で、言いたいことはずけずけと言うために他人を傷つけてしまうこともある。 ---反面、博識な所や洞察力に優れる所もあって、パーティメンバーの中で唯一ダオスの目的について疑問を抱くシーンがある。 -仇への憎しみが晴れぬあまりに現世に留まり続けていた親友であるリア・スカーレットの魂に触れ、その体を貸し与える。 --クレス達がその仇討ちに協力し、リアの魂が昇天するとそのお礼として半ば強引に彼らの旅に加わることになる。 ---その性格故にパーティのムードメーカーであると同時にトラブルメーカーとなり、旅を引っかき回したり賑やかなものとする。 -酒豪な面もあり、PS版では「うわばみ」なる称号を獲得するほどだが、GBA版以降の移植ではCEROレーティングに配慮してか、称号を取得するイベントが若干変更されて、飲んでいるものがお酒ではないとされている。 --そのため称号もそれぞれ変更されており、この弊害としてPSP版2作ではPS版で見ることの出来たそのイベントに絡んでのお酒にまつわるフェイスチャットが見られなくなってしまっている。 -彼女のハーフエルフという設定は重要な意味を持ち、途中のイベントではそれ故の悲劇などを垣間見ることも出来る。 --それ故にGBA版以降追加された「ブラムバルドとアーシア」のイベントがあまりにもご都合主義的すぎるとして受け入れられない意見も根強い。 -料理の腕前が壊滅的で、PS版以降では「××料理人」の称号(?)を賜ってしまうほど。 --因みに、その称号を獲得出来るイベントでアーチェが振る舞った料理は一口食べただけでクレス・チェスター・クラースをKOするほどの凄まじいものだったようで、GBA版以降で更に追加されたイベントではその時の一件が男性陣のトラウマじみたものとなっていることが解る。 ---とは言え、フルーツ系の料理は得意なようでPS版以降導入された料理システムでもそれが反映されている。 ---ちなみに全料理の熟練度を最高にすると「グルメマスター」という称号が貰えるが、フルーツ系以外の料理は熟練度が他のキャラより非常に上がりにくいうえ、彼女だけ「グルメマスター?」と疑問符がついた称号になっている((その上、称号の説明文にも同様に「?」がついている。))。 ---実際にプレイするとわかるが、「グルメマスター?」をとるのは、&bold(){下手な称号よりはるかに面倒}である。一応、ある方法を使えば高速で料理熟練度をあげる事はできるが…。 -余談になるが、上で書いたチェスターが「スケベ大魔王」の称号を得るきっかけとなる女風呂覗きに対抗して、PS版以降で追加されたイベントで再度忍者の里に訪れて温泉を振る舞われた時は逆に男湯を覗き返していたりする。シリーズでも例を見ない豪胆(?)な部分も。 --アーチェ曰く、「女湯ばかり覗かれるなんて不公平だ」とのこと…そういう問題か…? --なお、スタイルもミントとは正反対のようで「ぺったんこ」なる不名誉な称号を習得してしまう。 //とりあえず、白樺の森のあのイベントに関連することは変に荒れそうなので触れない方向で。 全員が個性こそ豊かだが人を選ぶトゲや毒気が無く、総じてパーティメンバーはとても仲が良いため、近年のシリーズ作品で散見されるにギスギスした不仲な雰囲気、倫理(道理)的に首をかしげざるを得ない極端な言動や行動、仲間の裏切り…といった、プレイヤーにストレスや賛否を与えるような要素はほぼ皆無である。 パーティメンバーの離脱もアーチェとチェスターがシナリオの都合によるものだけとなっている。 PS版以降ではフェイスチャットなどでチェスターとアーチェがよく喧嘩をするが、その内容は小さな口喧嘩と言った程度なもので、寧ろ微笑ましい光景ですらある。~ そして犬猿の仲のようで実は互いに意識し合っており、思わぬ所でボロが出るという、本作の隠れた見所の1つにもなっている。 #endregion ---- **特徴・評価点 ''序盤のストーリー展開がかなり印象的'' -主人公・クレスとその親友・チェスターが村の外へ狩りに出かけるところから始まるのだが、戻ってきたら村が壊滅&住民皆殺し。 --このシーンはBGMや演出、出かける前の村人との平和的な会話なども相まって、かなり印象に残る。 -その後叔父の下を頼ったが裏切りの末投獄され、獄中にてヒロインと出会う。獄中から脱出するために死体から剣を引き抜く((牢獄の中にわざわざ剣が放置してあるのは不自然ではあるが。使い物にならないと放置した可能性は考えられる。))など、かなりエグいことをする。 --この裏切り自体も彼の私利私欲や保身の為ではなく、ユークリッドの都をクレスを狙う兵達に手出しをさせない事を条件にした、苦渋の決断によるものである。しかもその直後に約束を半ば反故にされ殺害されてしまうという、なんともやるせない結末を迎えている。 -RPGではお約束となった「決戦前夜」イベントが初めて登場したのもこの作品だったりする。 --序盤だけではなく、その先もまたプレイヤーをこのストーリーに引き込むものになっており、特にヴァルハラ戦役はファンの間でも語り草。音楽と相まって、凄まじい緊張感をとことん演出しており、作中屈指の名場面として知られる。 ''単純な勧善懲悪では割り切れないストーリー'' -特にラスボスのダオスは悪役でありながら、悲劇性をも持ち合わせていることから高い人気を誇る。本作での悪行も邪悪な野望による世界征服や破壊ではなく、重大な使命と守るべきものを救う為という、形や立場こそ違えどクレス達と変わらぬ正義によるものという設定は、当時としては斬新であった。塩沢兼人氏の演技も人気に一役買っている。 --その悲劇性から後に『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のピサロ、『[[ライブ・ア・ライブ]]』の魔王オディオ)に続く「RPG三大不幸ラスボス」の一人と称されることに。 ---しかし作中での行動からその身の事情が明らかになった後もあるキャラに作中での所業を批判されており、完全に同情しきれるキャラクターとは言えないのもまた事実だったりする。 ''戦闘システム'' -戦闘はいわゆるコマンド選択型ではなく、アクションゲームの要素を取り入れた「''リニアモーションバトルシステム''」(LMBS)。後続作品とは少々毛色が違うが、「自分で移動して攻撃」・「リアルタイムで進行」という根本は既に確立されている。 --コマンドタイプの戦闘がRPGの主流だった当時、自分が介入できる戦闘は斬新で、大いに受けいられた。 --そのシステムは以降のシリーズ作品と異なり、対空攻撃は敵と距離を取っていなければ出せず(対空攻撃=ダッシュジャンプ攻撃)、技もターゲットとの距離によって使える技が異なり、更には任意で防御が出来なかったり((そのかわり、ニュートラル状態で攻撃を受けた場合は回避率が上がる。))と、流石に第1作目という事もあってか、今の作品の比べるとまだまだ練られていない部分も多い((このシステムや後述の尖った難易度は、今作と同じスタッフが開発した『スターオーシャン』に継承されている。))。 -主人公クレスの技には熟練度が設定されている。各所で2種類の技を組み合わせた「奥義」を習得可能で、2種類とも100%になっていることで使用可能になる。 -武器には斬り攻撃力と突き攻撃力が別々に設定されている。 --剣はバランス傾向、槍は突き偏重、斧や槍斧は斬り偏重。 --アクション要素とあいまって、斬り技と突き技どちらを使うかプレイスタイルに合わせて武器を選ぶことになる。 ''音楽'' -音楽は当時まだ無名同然であった桜庭統氏や田村信二氏、そして古屋亮太氏といった独自のサウンドチームが担当している。 --特に桜庭氏の中世風の世界観でありながらロック調全開の音楽は一度聞けば忘れられないようなインパクトを残し、当時のプレイヤーたちから爆発的な人気を得た。 -それぞれの曲自体もイベント曲、ダンジョン曲問わず後のシリーズと比べても極めて完成度が高く、中でも精霊戦のBGMである「FIGHTING OF THE SPIRIT」は未だにシリーズ最高傑作とも言われるほどの名曲であり、当時このBGMを聞いた植松伸夫氏などといった名だたる作曲家たちは皆震え上がったというエピソードが残っている。 ''テイルズシリーズの中ではトップクラスの高難易度'' -中盤以降はバランス調整を本当にしているのかと疑いたくなる程で、水鏡ユミルの森に出てくる「リザードマン」やモーリア坑道下層((終盤のおまけダンジョン扱いなので行かなくても支障はない。))に出てくる「ランドアーチン」、同じくモーリア坑道下層に出てくる「ボアボア×3、ビーストマスター」の敵パーティは、出会ったら全滅を覚悟しないといけないほど理不尽で、SFC版プレイヤーにトラウマを植え付けた。 --SFC版のモンスターの話になると上の2匹+1パターンが良く引き合いに出されるが、それ以外の敵も軒並みどこかしらぶっ壊れている性能(全体的に属性耐性持ちが多いとか)であることが多く、文字通りの殺るか殺られるか、デッドオアアライブのサバイバル状態になる。 --ただ、その尖ったゲームバランスに魅せられハマってしまう者も少なくなく、それ故にかなりのマイルド調整を施されたPS版に対して物足りないという意見も飛び出してしまうのだが。 -あるアイテムを装備するとダッシュ移動出来るようになるが、ダッシュ中はエンカウント率が上昇(およそ倍)する。結果、元々高めのエンカウント率と移動速度も相まって数秒ごとにエンカウントという洒落にならない事態に。 --そして出てくる敵が前述したようにぶっ壊れた性能のザコ敵なので、ダンジョン内では歩いて移動するのが鉄則となってしまっていた。 ---敵とのエンカウント率を下げる消費アイテムもある。ただし壊れ性能のザコだらけのおまけダンジョンは、入るとそのアイテムが全部砕け散るという鬼仕様。 ---敵とエンカウントしやすくする「ダークボトル」とダッシュを併用すると、1~2歩歩いてまた戦闘というとんでもないことに。 --ただし、後半に登場するとある洞窟ではダッシュを使わないと解けない仕掛けがあるので、そのアイテムは重要である。 -ボス戦に至っては術技一撃で広範囲のメンバーが致命傷を受ける為、ハッキリ言ってうまく詠唱を妨害できるかどうかのデッドオアアライブである。~ 大抵のプレイヤーは前半のデミテルやウンディーネで早くも地獄を見ることになる。中盤の2人で戦う空中戦や、過去編ラストと現代で戦うダオス戦のダオスレーザーやダオスコレダーの威力には何度も煮え湯を飲まされることになるだろう。 --当然、ラスボスの性能も半端なものではなく序盤はヒドゥンで攻撃するチャンスすらなかなか与えてくれず、HPが減るとラストレイ、トライドを詠唱0で連発してくる他メテオスォームやタイダルウェーブの様な大技も織り交ぜて一気に殺しにかかってくる。そのため、テイルズ オブ シリーズのラスボスの中でも上位に入る強さと言われている。 -ちなみに本作ラスボスのダオスだが、彼に関しては「魔術でしか傷付ける事ができない」という設定があり、作中でもNPCがその情報を教えてくれる。 --SFC版では設定通りクラースの召喚術とアーチェの魔法でのみダメージを与えることが出来る(正確には打撃攻撃で与えたダメージはコンボが途切れた一秒後に完全回復)のだが、PS版以降は普通に殴ってもダメージが通るようになった。 --それどころかPS版以降のダオスは属性耐性が強化されているため、''普通に殴った方がダメージが通る''事に。なおNPCが教えてくれる「ダオスは魔術でしか~」の台詞はそのまま。 --流石に主人公のクレスが単なる足止め役扱いはマズいと思ったのだろうか・・・? --またSFC版のみの要素として、過去編ダオス相手に「インデグニション」を唱えると「そんなバカな!ぐわああああ!」と絶叫してくれる。インデグニション習得イベントの内容を考えると中々憎い演出である。 -ただ、いたずらに難しい訳ではなく、LV上げ・装備品やアイテムの充実・特技や魔術の的確な使用といった他のRPGでも行う対策で難易度はそこそこ下がるようにできている。敵のHPはそこまで高くないこともあり、デッドオアアライブを制して一方的な展開にした場合の「HP削り作業」感が殆どなく、テンポよく進めることができる。 --本作(ひいては本シリーズ)のポイントとしては、ルーンボトルの有効活用で難易度をより下げることができる。というのも、ルーンボトルを使うとアイテムがより有用な上位アイテムに変化することが多い((後のシリーズによっては上位アイテムに変化しない作品もある。))。 --例えばアップルグミ(HP30%回復)がレモングミ(HP60%回復)になる、使用キャラクターのパラメータを上昇させる効果のあるハーブ類を変化させると上昇具合が倍になる、など。特に序盤で入手できるアイアンブーツ(戦闘時の移動速度半減)がペルシャブーツ(被ダメージ30%減少)になることに気付くと冒険がぐっと楽になるのではないのだろうか? ---アイテムは1種類につき15個までしか持てない。つまり回復アイテムは上位版15個だけでなく下位版15個も買い直して用意できるようになる。 --更に上記でシリーズ屈指とされているラスボスでさえも、とある特技を使うことでダメージ効率を劇的に上げることができるようになっている。 -食べ物アイテムを使用するとフードサックの数値となり、移動に合わせて徐々に消費されてHPが回復する。 --序盤のうちはありがたいが、フードサックに入れられるアイテムの量が少ないのですぐにフードサックのストックが尽きてしまい、中盤以降になると大量にストックできるが、最大HPやその頃の戦闘で敵から受けるダメージに対して回復量が少なすぎる((先述の通り、フードサックの数値を徐々に消費しながら回復するため、瞬時に大きく回復できない。エンカウント率の高さもあり、フードサックの回復だけでは賄いきれなくなってしまう。))ので、結局別途術やアイテムで回復させてしまうということになりやすい。 ---そのため、システム的には便利であるのだが、ゲームバランス的にはあまり意味のないシステムになってしまっている。 ---ただしシナリオ中盤に出てくるローンヴァレイは別。ここではスリップダメージを受けながらのダンジョン探索が必要なので、フードサックを使うかどうかで攻略難易度が大きく変化する。 ---- **問題点 ''バグが多い'' -大半が一時的な画面の乱れといった程度で致命的な影響を及ぼすレベルではないのだが、一つだけ例外として、クラースの使う召喚術「カメレオン」だけは悪い意味で有名になってしまっている。 --ゲーム中において「魔界の住人・カメレオンを召喚する、古に封印された禁呪文」という設定のこの術は、発動すると敵単体を即死させることもある(敵を食べてしまう)という効果なのだが、これを使うと高確率でフリーズしてしまうため、本作の設定になぞらえて「別の意味で禁呪文」という皮肉を言われ、ほとんどのプレイヤーが使えるようになっても速攻で戦闘中にコンピューターが使用する事を禁止するように設定するのが当たり前とも言える散々な扱いとなっている。 ---この術はPS版では削除され、その後出たSFC版のリメイクであるGBA版で復活を遂げたのだが…やっぱり使うと高確率でフリーズしてしまう術のままであった。 --「エクスプロード」や最強召喚術である「オリジン」も稀にフリーズを引き起こす。 -比較的フリーズしやすいイベントも数カ所ある。 -アイテム消失バグがいくつかある。 --やっかいなのがアイテムの種類が増えてくると発生しやすい消失バグ。コレクションせずに交易品や弱い装備など売っぱらっておけば問題ないが、集めてると所持種類が多い終盤は確認に気を配る必要がある。 ''詰みポイントが存在する'' -つるはしは重要アイテムであるにも関わらず店売り品のため普通に売ってしまえる。一定地点からはつるはしを売っている店がなくなってしまうため間違って処分してしまうとハマる。 --この詰みポイントはPS版では他の町でも売り出されるため問題なくなった。 ---- **その他のゲーム内容について ''コンボコマンド'' -最近のシリーズではめっきり見かけなくなったが、修得済の技の全てを格ゲーよろしくなコマンド入力で出せる装飾品である「コンボコマンド」というアイテムが存在している。 --ある程度作品を重ねることでそのコマンドもしっかり練られたものとなったことで、これを装備して様々な技を使い分けての戦いを楽しむプレイヤーも多かったが、本作のコマンドは初出ということで加減が解らなかったのか、一部の奥義や特技のコマンドがとても実戦で運用出来るようなものではないものになっていることで有名。 ---例えば、物語終盤で修得する時空奥義をさらに複数合わせた奥義である「転移蒼破斬」のコマンドは「右・右下・下・左下・左・右・左・右・右・右下・下・左下・左・右・上・下・上+Bボタン」…これをリアルタイムの戦闘中に入力しろというのだから恐ろしい。 //コンボコマンド修正。途中で右を2回連続で入力しなければ発動させることができない -とはいえ本来なら主人公の技は、2つの特技発動入力に対してSレンジ版とLレンジ版を登録するという戦闘で4種類の技しか使えない仕様((リメイク版では戦闘中に技の入れ替えが可能になり、特技ショートカットもあるので4つの枠で悩んで厳選する必要はない。))なのだが、この装飾品を装備していれば全種類の技が使える上に、距離に関係なく好きな技が出せるようになるという魅力もある。 --通常技14種類、時空奥義3種類、奥義の魔神双破斬あたりは慣れればなんとか運用できるレベル。能力値アップの技など普段なら使わない技も活用することができる。 ---多くの奥義は入力難度がぶっ飛んでいるため使いこなすのは絶望的。奥義は16+2種類もあるが、そもそも性能的にあまり使わない奥義が多かったりもするが……。時空奥義を合わせた奥義2種類のうち「転移蒼破斬」は上記の通りでもうひとつの「時空蒼破斬」も似たようなもの。 ---格ゲーのコマンド入力が苦手だと「下・右下・右+Bボタン」で出せる飛び道具の魔神剣とかその辺を連発するオチだったりするとかしないとか…。 ---後発の『デスティニー』やPSリメイク版では基本技は簡単に、奥義は基本技のボタン入力に+αといった程度になっており、使いやすさが向上している(もっとも、『ファンタジア』に関しては技数が膨大なため、全ての技を思い通りに発動させるのはやはり難しいが)。またSFC版では主人公専用だったが、仲間も使えるようになった。 -ちなみにこのアイテム、PS版以降では40万ガルド((PS版以降の店売りアイテムの中では2番目に高額である。本作を含めて稀少品ではあるが、販売価格が割引されるアイテムを使用することにより、購入価格を下げることも可能。なお、ガルドはシリーズで共通して使われている貨幣単位。))で販売されているが、本作ではなんと''500万ガルド''というとんでもない価格((なお、所持できる金額は9,999,999ガルドまで。))で販売されている。 --また、PS版以降では戦闘中に技メニューを開くことで修得済の特技の技コマンドを確認できるが、本作ではそもそもクレスの技メニューを戦闘中に開けないため、戦闘中にコマンドを確認できない。 ---その代わり、主に街の中にいるモブキャラクターから「''秘密の言葉''」として、コマンド((例として、前述した魔神剣ならば「下・右下・右・決定(Bボタンのこと)」といった案配である。))を教えてもらうことになる。ただし、そのコマンドで何の技が出るかは実際に使ってみるまで解らない。 ''SFC版のぶっ壊れ要素'' -本作のゲームバランスは尖りまくっていることは上に挙げた通りだが、せっかくなのでその詳細をごくごく一部だが挙げてみよう。 --モンスターの性能もそうだが、モンスターの使う特技もまたぶっ壊れているのが多いのである。 #region(''モンスター''(クリックで展開)) &size(15){''モンスター''} ''ヘルマスター'' -体力が徐々に減って行くマップで出現。画面内の敵を対象とする「サモンデーモン」という魔法で壊滅的なダメージを与えてくる。 --倒そうにも光属性以外の攻撃を受け付けず、初めて出会う段階でこの属性の攻撃手段が無い為基本的に即逃げするしかない。 ---…のだが、逃げ切る前に壊滅的なダメージ受けて全滅させられることもしばしば。コイツと出会ったが最期、半ば運ゲー突入である。 ''リザードマン'' -移動速度が異常に速く、攻撃を食らうと高確率で石化させられてしまう。 --しかも、このモンスターと出会う時に前線で肉弾戦をこなせるのはクレスだけで、残りは皆後衛((シナリオの関係上、他のメンバーは回復役のミントと召喚術のクラースのみ))なので、クレスが石化させられてしまうと、そのまま無防備な後衛が石にされて全滅ししまうことも。 -シリーズファンなら石化防止のストーンチェックを装備すればいいと思うかも知れないが、この時点では販売はされておらず入手困難((バジリスクが落とすもが、PS版でバジリスクうろこを落とす確率よりもはるかに低い))。また、この時点ではミントがリカバー(石化等の状態異常解除の効果)を習得するレベルに達していないことが多い。 --ステータス異常を回復する「パナシーアボトル」の効果が発揮されるのにもタイムラグがあるため、状態異常になるのを防ぐことの出来るアイテム「リキュールボトル」が尽きたらある意味詰み。本作でもトップクラスのインパクトを持つ難敵である。 ''チャロン'' -出現時点においてかなり強力な魔術を使う上に、攻めようにも地・水・火・風・雷・光の各属性攻撃を吸収(ダメージ分HP回復)するため、「無」属性と「属性なし」以外はダメージが通らない((『ファンタジア』の属性概念には他に闇属性があるが、この段階では行使する手段がないため、闇属性に対しての耐性は不明。無属性は「無」という1つの属性であり、属性がついてない攻撃とは異なる。))。おまけにワープしまくるために狙いを定めづらい。 --特にミッドガルズ空中戦ではペガサスに乗っている関係上、一切の特技が使えないためにまともな攻撃手段がないクレスと、まともな攻撃手段になり得る無属性魔術が無いため、チャロン相手ではもはや役立たず同然となるアーチェの2名でチャロンの群れと戦わされる場面もあり、多くのプレイヤーが泣かされた。 --''「イエローケーキ((火属性の最強魔術「エクスプロード」の効果を発揮するアイテム(稀少品)。))を吸収するなあああああっ!」''…と絶叫をしたプレイヤーもおそらくいただろう。 ''シャフト'' -強烈な全体攻撃魔法を使う魔法使い。こちらが攻撃する前に2発3発と連続で「エクスプロード」を食らって全滅というのもよくある話。 --しかも稀にとはいえ、この「エクスプロード」の魔法がフリーズを引き起こすこともあり、二重の意味で恐ろしい敵である。。 --一応火半減の装飾品(ただしクラース専用)や貫通弓など対応策はある為、上手くそこを突ければまだ楽な方。 ''ランドアーチン'' -元々はナムコのゲーム『イシターの復活』に出てきたモンスター。ウニのような姿をしたモンスターで、やってくることと言えば、ただプレイヤーに向かって歩いてくるだけ。 --ならばなぜこうも引き合いに出されるのかと言えば、あらゆる攻撃を無効化する上に「触れると問答無用で即死」という、原作とほぼ同様の特徴を持ち、文字通りのアクションゲームと化してしまっている敵だからである。先に書いた事と矛盾するが一応ダメージを与える手段もあるにはあるのだが、普通にやるには難易度が高過ぎる上、それによってHPを0にしてもなぜか倒せないので結局逃げるしかない。 ---地面を這って歩くだけなので、アーチェがいれば全滅は免れるが、そうでないと逃げるのに手間取ったらアウトである。 --戦闘開始と同時に攻撃ボタンを押してしまい、クレスがランドアーチンに突っ込んで真っ先にやられた、なんて光景はある意味で日常茶飯事である。 -GBA版でも登場するが、こちらは「じゃんぱい(雀牌)((敵の頭上から麻雀牌を複数降らせてダメージを与える消費アイテム。なお、PS版以降は効果が変わってどこからともなく降ってきた麻雀牌で出来上がった役に応じた点数分の防御力および耐性を無視したダメージを対象および同じ画面内にいる敵全員に与える。なお、点数は子のものであり、最高が大三元(役満)の32,000。))」で倒せる。 --因みに、触れられた時のダメージはSFC版が9,999、GBA版はなんと99,999。見事なオーバーキルである。 ---ちなみに、裏技で敵から受けるダメージが倍になるハードモードの場合は受けるダメージがオーバーフローを起こしてしまうため、受けるダメージが0になる。その為、ダメージ喰らいボイスが轟き、画面はクリティカルヒットの演出で光り続け、更には触れられたキャラは延々と気絶し続ける…なんて事になる。 ''ボアボア'' -攻撃がかち合うとほぼ確実にこちらが競り負ける強い判定を持つ突進攻撃が脅威。 --特に、特技の「猪突猛進」は突進1発当たりが2,000近いダメージにもなる上に、それが数発一瞬で叩き込まれるため、もはや「''気が付いたら死んでいた''」というのが冗談でもなんでもない状況。 ---因みに、猪突猛進には毒の追加効果があるが、そもそものダメージがでかすぎて毒になる前に死ぬので知らない人も多いだろう。 --…こんなのが1度に3体も出てくるのだから、出会ってしまった時の絶望感が如何ほどかはわざわざ言わなくても解るだろう。 --アーチェの「エクステンション」(画面内の敵に即死攻撃)が割合効きやすいが、そもそもエクステンションはこいつらが出てくるダンジョンを一度攻略しないと入手出来ないため、ほとんど慰めにもならない。 -ただし、対策を立てていても全滅させられるのがザラ…という程理不尽さではないことは念のため補足しておく。 --ペルシャブーツ(被ダメージ30%減少)やホーリィシンボル(一定時間ごとにHP回復)など強力な装備品を装備し、クレスは虚空蒼破斬や次元斬といった近距離でもかち合わない特技でボアボアを足止めしつつ、アーチェの魔術(メテオスォーム等の高威力のもの)やチェスターの弓でしっかりと後方支援するといった対策法を確立させることで比較的安全に倒せるようになっている。 --一番確実な対策は、クレスを一切操作しないこと。ボタン操作をしていないときはクレスの回避率が上昇するので、優秀な盾を装備していればボアボアの「猪突猛進」もほぼシャットアウトできる。 ''ビーストマスター'' -上のボアボア3体とセットで出てくる敵、むしろ「ボアボアの威を借るおまけ」状態。 --とはいえ、能力は決して低い訳ではなく、ボアボアの突進でこちらが翻弄されている間に、「サモンデーモン」で駄目押しの一撃を叩き込んでくる。 ---更に、接近すると分裂する弾を飛ばしてくる「ヘルジェム」やムチを用いた炎攻撃等、いずれも1発当たり1,000近いダメージになるのでやっぱり厄介な敵である。 -倒すとランダムでチェスターの最強武器「ベルセルクアロー」に変化する不確定品((正体が解らない装備品。ゲーム中では「?SWORD」・「?ARMOR」といったような表記をされ、装備品の種別(剣や鎧といったもの)は解るようになっている。アイテムを変化させる「ルーンボトル」を使って変化させることでその正体が判明し、装備が可能になる。))を落とす事があるのが救い。 --なお、この不確定品は別のダンジョンの宝箱でも手に入るので、このためにこいつらと戦い続けなければならない、ということはない。 かなり多くの敵が挙がったが、これでも本当にごくごく一部である。 これらの難敵が跳梁跋扈する世界を練り歩く苦しさは言うまでもなく、今なおシリーズでも上位の難易度を誇る。 &size(15){''闘技場''} -クレス1人で9連戦する場所で、8連勝もしくは9連勝を達成すると賞品をもらうことが出来る((本来は9連戦ではあるが、8連勝を達成した時点で9戦目に挑戦するかを聞かれるので、そこで抜けることも出来る。ただし、9連勝を達成した時よりも貰える賞品のランクは下がる。なお、9戦目開始前にHPとTPと各種ステータス異常を完全回復して貰える。もっとも、闘技場は1人で戦うので、麻痺や石化してしまったらそこでアウトなため、実質ステータス異常に関しては毒のみとなるが。))。 --HPやTPを回復するタイプのアイテムは一旦預かりとなり、闘技場の側で用意したものしか使用できないので回復手段が大きく制限されてしまうが、HP・TP回復以外のアイテム…ステータス異常回復やそれ以外のアイテムはそのまま持込が可能になっている。 ---こちらもボアボアなどが出てくる上記のモーリア坑道下層ばりに嫌らしい敵が揃っており、攻撃を受けて毒をもらったで済めば良い方、酷いと麻痺や石化させられてそのまま退場させられたりする敵も少なくないため、リキュールボトルなどの事前準備は必須である。 -ちなみに、本作の最強武器には無属性が付与されている。 --意地の悪いことにこの闘技場に登場する敵の中には無属性を無効化する敵が登場するため、最強武器を取ったからと過信していると痛い目を見ることになる((一応、別の属性が付与される特技「襲爪雷斬(雷)」や「鳳凰天駆(火・その敵の弱点属性)」、あるいは属性が付与されない攻撃アイテムの「じゃんぱい」は所持しているそのままの数を持ち込めるので、それを使うことで対処は出来るが、いずれにしても立ち回りが大きく制限されることに変わりは無い。))。 ---さすがにPS以降では属性が付与されなくなったので、安心して頼ることが出来るようになっている。ただし、今度は属性無しの攻撃を確率で無効化する敵が複数いるので、そちらに無効化される可能性はあるが、100%効かないわけでは無いので十分ごり押しで対処できる。 &size(15){''モンスターの使う特技''} ''鏡討ち'' -直前で喰らったダメージをそっくりそのまま相手に斬りつけて返す特技。PS版に比べて全体的に術攻撃のダメージが高めなので、術攻撃でダメージを与えた直後にやられたら一溜まりもない。 --しかも、何度使っても効果はしっかり発揮される。おまけにガード不可能で、直前にダメージを喰らっていなかった場合は通常攻撃として扱われるという至れり尽くせりな技。 ''クリティカル'' -出が早い上に、威力もバカみたいに高く、おまけに高確率で喰らった敵を気絶させる斬撃を繰り出す特技。 --道中、クレスが一人になってしまう場面で戦うことになる敵がこの特技を使うので、運が悪いと、この特技を連発されて為す術無くやられることも…。 ''デススクリーム'' -成功確率こそ低いものの、敵全員を即死させる特技。 --基本的に本作の術などの攻撃はターゲットを中心とした画面内にいるキャラクターが攻撃対象となるのだが、この特技に関してはどこにいようがお構いなしに攻撃対象とするため、運が悪いとこれ一つで味方全員やられて全滅…なんて事も起こりうる。 ---とはいえ、前述した通り成功率は高くはないのが救い…と言うか、むしろ高ければほぼ無理ゲーと化すが。 他にも技名表記こそ無いが、威力が高い上に戦闘エリア全域に届く貫通攻撃等、こちらも上げたのは本当にごく一部である…。 -SFC版のモンスターのぶっ壊れっぷりがほんの一部でもご理解頂ければ幸い。 --しかも、例に挙げたモンスターも特技もボス敵じゃなくてザコでこれである。 -一方でモーリア坑道下層でボアボアやランドアーチンなどの猛攻を潜り抜けた先にいるボス「ワイヴァーン」の弱さはもはやネタにするのも憚られるレベルの悲惨なもの。 --「途中のザコの方が余程強い」「ボーナスステージ・(道中の)憂さ晴らし」「目を閉じてても勝てる」等々、散々な言われっぷりである。 ---そのせいかPS版では随分強化されたが、すずを仲間にしていれば「かんなづき」と「プリンセスケープ×2」を装備させて戦闘に参加させておくことでワイヴァーンのあらゆる攻撃を吸収or無効化する(=戦う前からすずが戦闘不能になっていない限り、どうやっても全滅することが無くなる)ようになるため、違うベクトルでネタにされてしまっている。 #endregion -タイトル画面でA・B・X・Yボタンを同時押しして「やったー!」という勝利時のボイスが再生された後でニューゲームでプレイをすると敵からの受けるダメージが2倍になるハードモードでプレイすることが出来る。 --ノーマルモードでも難易度が高いこのゲームにおいてダメージが倍となると…もはや阿鼻叫喚の地獄絵図となる。 ---ただし、上に書いてある通り敵の能力値をインフレさせることによって難易度を上げているというものであるため、S系の高難易度設定同様、ハードの面白みが薄い面もある。 ---- **総評 総じてシンプルなRPGであるが、時代を越える壮大な世界観、印象的なイベント、勧善懲悪に終わらないシナリオ、そしてアクション満点の戦闘は非常に斬新。~ シリーズ内で特筆するほどに高い人気があるわけではないが、コンスタントな人気を保ち続けており、極端に嫌われることは少ないタイトルであるとも言え、それ故か移植・リメイクが最も為されている作品でもある。~ その数は大元含めて本Wikiで取り扱っているもので4機種5作品(本作・PS・GBA・PSPFVE・PSPXE)、その他に携帯電話向けとiOS向けに配信されているものがある(現在はiOS版は配信終了)。 ゲームバランスはかなり歪、というよりも尖っているが、一部の本当に運頼みにならざるをえない例((ミッドガルズ空中戦でのチャロン戦など。))を除いては対処法さえ解れば何とかやり過ごせる所にはあるため、難易度の項で「しているのか疑いたくなる」と書いたバランス取りはちゃんとしていることは間違いないだろうが、根本的な所でハードルが無駄に跳ね上がっている所は否めない。~ だが、それ故に敵を倒した時の達成感はかなりの物があるし、やりごたえもある。~ だからこそ、繰り返しになるが[[後にリメイクされたPS版>テイルズ オブ ファンタジア (PS)]]のマイルド調整が物足りないというプレイヤーも出てくるのだ。 ---- ---- **商品にまつわる裏話 //ナムコの干渉でウルフチームと対立したというのはよく聞かれますがソースは全く存在しませんよね? -藤島康介のデザインは実は開発後期にナムコ側の意向で後付けされたもので、SFC版のゲーム中のドットと差異がある。そのため、実質的なデザインとなるのはPS版から。 --とりわけミントとクラースのデザインは大きく異なっている。 -発売当時は余りの売れなさに一時生産中止までなった。&br()ところが、口コミで評判が広まり徐々に知名度が上がっていくと、「ゲーム販売数よりも攻略本販売数の方が多い」という珍現象が起き、これに気付いたナムコが再生産を始めたという逸話がある。&br()本作の「隠れた名作」っぷりを如実に表していえよう。 -本作の攻略本には一部で有名な誤植があり、「とくにサンダービームは役にたつので、ぜひ買っておいたほうがいい」の1フレーズがそれに当たる。 --本作には「サンダービーム」なる魔術は存在せず、文章の前後から「サンダーブレード」と「トラクタービーム」という2つの魔術がごっちゃになってしまったものであることが解る。 ---一過性のネタとしてここで終わっていればいいのだが、どういう訳かPSへの移植の際にもネタとして使用された。 ---サンダーブレードもトラクタービームもどちらの魔術も使い所がある((サンダーブレードは汎用性が高く、癖もないので扱いやすい。一方のトラクタービームは空中に浮いている敵には効かなかったりと癖は強いが、この魔術以外は一切の攻撃を受け付けない敵が存在している。))のでいちいち分けて書くのが億劫だからくっつけた…ということではさすがにない、はず。 --そんなこんなで知る人ぞ知るネタといった案配でちょくちょく使われていたのだが、『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』においてとうとう本当に技として実装されてしまった。なお性能としては正直パッとしないものになっている。 -本作を代表する名曲である「FIGHTING OF THE SPIRIT」であるが、この曲の作曲者は田村信二氏である。 --2000年発売の「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン」のスタッフルームにて「FIGHTING OF THE SPIRIT」に歌詞を付けた「バニーハンター ディオ」を聞こうとすると「イカス きょくを つくった人 たむら しんじ」と表示される。 ---本作の作曲を行ったのは桜庭統氏・田村信二氏・古屋亮太氏の3名であるが、明確に作曲者が掲載されている資料は「なりきりダンジョン」作中での表記と「テイルズ オブ ファンタジア20thアニバーサリーサウンドBOX」内インタビューの2つである。 -吉田由香里が歌う主題歌「夢は終わらない」のCDは本作発売前にリリースされている。 --帯には本作の告知、ブックレットには本作スタッフからのメッセージやキャラクター紹介が記載され、CD内側(CDホルダーは透明)のジャケット裏には吉田由香里が登場するサブイベントのヒントが記載されており、歌手のCDというよりは本作のファンアイテムに近い作りである。 --なお、カップリング曲「星を空に…」は本作では使用されておらず、後のPS版のED曲として使用されている。 ----
*テイルズ オブ ファンタジア 【ているず おぶ ふぁんたじあ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(top_boxfront.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_boxfront.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_boxback.jpg]]&image(top_play.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3625&file=top_play.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|48MbitROMカートリッジ|~| |発売元|ナムコ|~| |開発元|ウルフチーム&br()ナムコ|~| |発売日|1995年12月15日|~| |定価|11,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|豪華声優陣によるキャラクターボイス&br;ボーカル付きの主題歌搭載&br;勧善懲悪で終わらない奥深ななストーリー&br;魅力的なキャラクター達&br;斬新な戦闘システム&br;シリーズ初出にして屈指の高難易度|~| |>|>|CENTER:[[''テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク''>テイルズ オブ シリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)の看板RPG、テイルズ オブシリーズの第一作目 //--略称は「ファンタジア」、「TOP」等。時折見られる「TOF」という略称は『テイルズ オブ ファンダム』を指す。 //--一般的に「ファンタジア」のスペルは「Fantasia」であるが、本作のスペルは「Phantasia」(ギリシャ語表記)である。 SFC後期に発売されたRPGで、アクションゲームさながらのリアルタイム戦闘システムである、リニアモーションバトルシステムや48メガの大容量を活かして、キャラクターのボイスや主題歌「夢は終わらない」を流し、キャラクター面でも『逮捕しちゃうぞ』等で有名な藤島康介によるキャラクターデザインなど、気合十分な作りでゲーマーから高い評価を得た。 ---- **キャラクター紹介 #region(長いので収納。&bold(){重大なものはないが、若干のネタバレを含むので閲覧注意}。) ※本作でパーティキャラクターとなるキャラクターに関してのみの紹介をするが、一部PS版以降の内容も含める。その際はPS版以降での設定であることが解るように表記する。~ また、SFC版の描写やキャラ設定などと噛み合わない個所以外の一部はキャラクターの背景を説明するため、PS版のファミ通攻略本に記載された内容を一部手を加えて表記している。 &size(15){''クレス・アルベイン''}~ -本作の主人公で、アルベイン流剣術を使う剣士((物語開始時は「剣士見習い」となっている。))。 --トーティス村のアルベイン流剣術道場の主であり父であるミゲールと母マリアの息子で、大平の中父から剣術を学ぶ傍ら友であるチェスターと狩りに勤しむ日々を過ごし、村の皆からも慕われ、チェスターの妹アミィからは密かに想いを寄せられ…と、誰もが羨む年頃の充実を謳歌していたが、彼のミゲールから託されたペンダントを狙った軍隊に村が攻め滅ぼされた事で、突如平和は崩壊する。 --自身の不在中に両親はおろか村人全員が殺められ、身を裂かれるような悲しみと皆を守れなかった悔しさ、果てしない復讐心と共に旅立ち、ペンダントの秘密と時空を跨いだ壮絶な戦いに身を投じていくこととなる。 --剣だけでなく槍や斧なども使いこなす典型的な近接戦闘タイプ。SFC版の本作では唯一の前衛キャラで(他は全員後衛や補助専門)、彼の存在無くして本作の戦闘は成り立たないので、装備や技編成は念入りに行う必要がある。 --後述する優しい性格が長所であると同時に短所でもあり、その優しさが仇となって戦いにおいても太刀筋を鈍らせてしまうと言ったこともあるため、自分が一人の人間・剣士として未熟であると思っている。 ---だが、剣の師でもある父・ミゲールの師であるトリスタンからは「大器晩成」と評されており、その通り冒険の中でその類い希な才覚を開花させていくことになる。 ---PS版では特定の条件を満たすことで聞けるフェイスチャットの中でチェスターに「父親を越えたんじゃないか?」と指摘されるものの、クレスはそれを否定する。これは単なる謙遜ではなく、自身の精神面をも総合した実力を客観的に顧みた自己評価であり、自身の力に奢ることなく真っ直ぐ見つめ続ける心構えは、真なる剣士としての才能とも言えよう。またPS版以降追加されたイベントでは父親が究極奥義『冥空斬翔剣』を教える夢を見て、クレスも条件次第で『冥空斬翔剣』を使えるようになるという物がある。 -普段はとても優しく温厚なため周囲に流されがちだが主張するべき所では易々とそれを譲らず、いざ敵との戦いに及べば勇猛果敢に挑みかかる熱血漢の側面を見せる、一癖ある主人公の多いシリーズでは意外と珍しい正統派熱血主人公。 --ただし、ダオスに関してだけは自分の故郷を滅ぼされ、両親を殺されたことへの憎しみが強いためか、怒りを露にする場面もある((ダオスの目的に疑問を抱いたアーチェの意見に聞く耳を持たず、結果としてダオスに殺されたも同然の彼女の親友であるリアのことも含めて怒鳴りつけた程。))。 ---礼儀正しい所もあるため目上の人間には敬語で話すが、年上でも自分に年齢が近ければ気さくに話す。 -シリーズでは数少ない一人称が「ぼく」(PS版以降は「僕」)の主人公。 -本作未プレイのプレイヤーからは「ダジャレ好き」と思われがちだが、実際はなんとない発言が図らずもダジャレになってしまった((木を調べていたクラースに「“木”が動かなかったか?」と聞かれて「“気”のせいじゃないですか?」と返したり、風の精霊・シルフが暴れている理由が瘴気(魔界に流れる空気のこと)であると聞いて「“瘴気”のせいでシルフが“正気”を?」と言った程度。))ものであり、彼に関してのネタとして定番となっている「''ダオスをだおす(倒す)''」といったネタは全てPS版以降のもの。 --後のお祭り作品や予約特典DVDなどではそれらがやたら誇張して使用され、空気の読めないダジャレ好きにされているため、本作のファンからは反発も出ている。良リメイクとして名高いPS版でも、彼の意図的なダジャレについては批判的な目線で見られる事も。 &size(15){''ミント・アドネード''}~ -本作のヒロインで、神に祈りを捧げることで癒しの力を使うことの出来る「法術(ほうじゅつ)」と呼ばれる力を使える女性。SFC版の幼げな声を聞くと信じ難いかもしれないが、クレスより1つ年上。 --本作では術による回復手段を一手に担っており、攻撃手段は持っている杖による物理攻撃しか無いものの、サポートとして重要な役割を持っている。 -村を滅ぼされたクレスは伯父・オルソンを頼るも裏切られ、投獄される事になってしまう牢屋の中で彼女と出会う。 --牢獄から脱出した際に失くした(と思われていた)ミントの母の形見のイヤリングは、プレイヤーも忘れかけていた終盤に意外な形で巡り合う事となる。 -激しい自己主張はしないが言うべき事ははっきりと言う積極的な性格で、特に恋愛に関しては強い関心を持っているため、サブイベントの「ナンシーとエルウィン」ではクレスはおろか、2人を引っ張っていく所もある。 --PS版以降では声優が本作のこおろぎさとみ氏から岩男潤子氏に変更となったのと合わせ、性格も物静かでおっとりとした性格となり、言うべき事は言うが基本的にはお淑やか。 ---因みにこの変更、本作においてアーチェ役のかないみか氏とこおろぎさとみ氏の声質が似ているため、戦闘中でダメージを受けた時に「どちらが攻撃を受けたか解らない」と言うやや間抜けとも言えるような理由であったりする。 ---余談になるが、GBA版ではあるアイテムを入手することでPS版の岩男氏とSFC版のこおろぎ氏のボイスを選択出来るが、こおろぎ氏のボイスは本作の流用ではなく、PS版のミントに合わせた新録となっているため、本作のミントのボイスに比べると違和感が強い。 ---更に余談だが、(製作元でも混同していたのか、単純な誤植かは不明だが)発売前の広告では「ミント:かないみか アーチェ:こおろぎさとみ」と、逆になってしまっているものが存在する([[参考>http://vgprintads.tumblr.com/post/133664216591/videogameads-tales-of-phantasia-namco-super]])。 -直接キャラクター描写とかかわる点ではないが、彼女の設定として「太りやすいので肉は食べない」というのがあったりするが、当時のナムコの知識不足なのかは解らないが、実際の彼女の設定の身長と体重ではむしろ飢餓状態を疑うべきレベルになってしまっている。 --因みに、身長:162cm、体重:42kgとなっている。この場合のBMIは16とかなり低い数値となる((BMIの正常範囲は22前後とされており、この範囲に収まるにはあと15kgは必要。))。 ---PS版で実は胸が大きいと言うことで「ボインちゃん」なる称号を得られるが、上の状況を鑑みるに完全にあり得ないレベルになってしまっているため、一部でネタにされている。 &size(15){''チェスター・バークライト''}~ -クレスの幼馴染みで親友。類い希な弓の実力を持つ。クレスの剣とチェスターの弓でトーティス村の南にある森で狩りをすることが彼らの日常であった。 --両親を早くに亡くし、一人残った肉親である妹のアミィを守るため社会に揉まれて生きてきたこともあって、普段はやや斜めに構えた皮肉屋な面もあるが、根はクレス同様に真っ直ぐな熱血漢である。 --幼少期からの環境もあって、チェスターはアミィを守るためにどんな仕事も死に物狂いでこなし、決して盗みなどの悪事に手を染めることはなかった。~ それは、自分がそんな悪事に手を染めればアミィを悲しませること、果ては彼女自身を汚すことにもなってしまうと考えたからである。 ---今の自分があるのはアミィのおかげであると強く信じており、一人の肉親としてだけではない愛情の念を持っている。そのため、村を滅ぼした挙げ句、間接的とは言えアミィを殺したダオスに対する憎しみはクレスにも比肩するほど。 --この設定もクレスのダジャレ同様にお祭り・外伝作品では面白おかしく誇張されることがあり、『レディアントマイソロジー』ではただのロリコンにされている。元々ギャグ要素なクレスのダジャレ関連の誇張と異なり、批判意見が殆どを占めている。 ---『なりきりダンジョンX』に至ってはこれらの背景を嘲笑うかのようなスキット((アルベルトがアミィを貶し、挙げ句チェスターを「アミィと言う架空の妹の妄想でハァハァしている変態」扱いするという、キャラを通り越して開発側の倫理観が疑われかねない内容。))が追加されたため、マイソロの件を含めて強い反発が上がっている。 -PS版以降では以降のシリーズで脈々と受け継がれることになる不名誉な称号「スケベ大魔王」の初代取得者となるが、以降のシリーズの取得者が誤解や濡れ衣(一部自爆もあるが…)であったりする中で、彼だけは忍者の里で''自ら''女風呂を覗いたりするため「初代にして真性」と言われることも。 --PSP版(フルボイスエディション・クロスエディション共に)ではこのイベントにもボイスが付き、担当声優の伊藤健太郎氏の怪演もあってただでさえ強烈なインパクトがあるこのイベントを更に強く印象付けている。 ---ちなみに本作のみ担当声優はクレスと同じ草尾毅氏となっている。 &size(15){''クラース・F・レスター''}~ -クレス達の時代から約100年前のユークリッド村で助手であるミラルド・ルーンと共に召喚術を研究している学者。&br()クレス達から一回りくらい年上であることもあって、対外的なリーダー格となっている。 --気難しく偏屈…と言うよりも人間嫌いを感じさせるほどで、初対面のクレス達に対しても冷たくあしらうが、ミラルドの協力もあって、彼の召喚術の研究に協力することと引き替えに力を貸すという条件でクレス達の仲間に加わる。 --PS版では人間嫌いを感じさせるほどの冷たさはなくなっており、そもそもの設定の気難しく偏屈な性格というのが当てはまるようになっている。 ---また、仲間に加わった後は初対面で見せた冷たさはなりを潜め、むしろ気さくに話をするようになる((特にPS版ではフェイスチャットで契約した精霊を用いた数々の内容のチャット等、多くのものでむしろひょうきんとも言える性格をも覗かせる。))。 -PS版以降では一人称は「私」で統一されているが、本作ではかしこまった場では「私」だが、それ以外では「オレ」となっている。 -魔術に憧れ、そして長い研究と苦労の果てにようやく召喚術を習得したこともあり、天性の才能で魔術を操ることの出来るエルフに対しては強い劣等感を抱いている。 --本作のパーティキャラクターであるアーチェも混血ではあるものの魔術を操ることが出来るが、作中でそれに対して劣等感などの要素を匂わせることはしない…が、PS版で追加されたフェイスチャットの中にはエルフ嫌いを匂わせるようなもの((クレスにエルフについて説明をしているうちにだんだんその内容が愚痴めいたものとなっていき、クレスとミントに引かれてしまうという内容。))もある。 ---ただし、アーチェに対してはフェイスチャットの一部で魔術が使えないことを拗ねるかのような言い回しはするものの強くは匂わせず、むしろ良き保護者といった面も見せたり、逆に振り回されたりしている。 -研究に没頭するあまり、生活能力が皆無で日々の食い扶持はミラルドの執筆した書物などの印税であったりする。しかし、料理の腕だけはかなり高い部類に入る。 --ミラルドには性格も知り尽くされているせいか手玉に取られてしまい、PS版以降では「しりにしかれマン(尻に敷かれマン)」という称号を初期から持っていたりする。 ---何だかんだでクラースもミラルドに強い信頼を寄せて愛情を抱いているものの、照れ隠しか人前では「助手」と言い張っている…が、周囲からはバレバレだったりする。 ---その為に決戦前夜では精霊・オリジンの力とエターナルソードの力を借りて、過去の世界でクラースの帰りを待ち続けるミラルドの姿を見ると言う一幕も。 --料理が得意というのは、CVの井上和彦氏がアニメ版「美味しんぼ」で主人公・山岡士郎役を演じていたためか。 -体中に付けている模様は召喚術においては重要な役割を果たしているもので、1週間程度持続して定着するペイントで施されている。((ただし、本作のアンソロジードラマCDでは呪い師に刻んで貰っているシーンがある)) --元々は刺青にするつもりであったのだが、ミラルドに嫌がられたと言うことでペイントが落とし所となった。 -クラースの扱う武器は魔力を帯びた本という設定で、ネクロノミコンに始まりイエロウキングスやセラノフラグメン等と言ったクトゥルー神話の魔術書を装備することになるのだが、その中にあって異彩を放っているのが二つある。 --一つは「N・G」と言う武器でこれはノーグッドの略…ではなく、当時ナムコが無料で配布していた情報誌「namco COMMUNITY MAGAZINE NG」のセルフパロディー。 --そしてもう一つが「''スケベぼん''」。直球ど真ん中でこの名前になっているのである。 ---エロ本ぶん回して戦うという姿を想像するとあまりにもシュールで印象に強く残ってしまったためか、これ以降、何かとクラースとエロ本は縁があったり、クラース自体がチェスターも真っ青なスケベキャラにされたりと散々な扱いを受けていたりする。 ---因みにこの武器の説明文は「ぼく、子供だからわかんないや」となっている。 ---ただし、この説明文は本作のみで、PS版以降(本作ベースのリメイクであるGBA版も含む)の作品では普通の説明文((「大人の男性が見る本。薄いため、攻撃力は低い。」となっている。とは言え、攻撃力の値だけで言えばクレスの初期装備であるロングソードと同じだったりする。))になっており、PSおよびPSPでは武器の名前も「ピンナップマグ」と本作の直球ど真ん中の名前ではなくなっている(ただ、グラフィックには「SUKEBE」と書かれていたりする)。 -PS版で追加されたフェイスチャットのせいでハゲ疑惑が持ち上がっていたりするが、ちゃんと本編をプレイしていればハゲていないことは解る。…この人、どこまでネタキャラにされればいいんだろうか。 &size(15){''アーチェ・クライン''}~ -クラースと同じ時代のローンヴァレイで父親のバートと共に暮らすハーフエルフの少女。 --天真爛漫な性格で、言いたいことはずけずけと言うために他人を傷つけてしまうこともある。 ---反面、博識な所や洞察力に優れる所もあって、パーティメンバーの中で唯一ダオスの目的について疑問を抱くシーンがある。 -仇への憎しみが晴れぬあまりに現世に留まり続けていた親友であるリア・スカーレットの魂に触れ、その体を貸し与える。 --クレス達がその仇討ちに協力し、リアの魂が昇天するとそのお礼として半ば強引に彼らの旅に加わることになる。 ---その性格故にパーティのムードメーカーであると同時にトラブルメーカーとなり、旅を引っかき回したり賑やかなものとする。 -酒豪な面もあり、PS版では「うわばみ」なる称号を獲得するほどだが、GBA版以降の移植ではCEROレーティングに配慮してか、称号を取得するイベントが若干変更されて、飲んでいるものがお酒ではないとされている。 --そのため称号もそれぞれ変更されており、この弊害としてPSP版2作ではPS版で見ることの出来たそのイベントに絡んでのお酒にまつわるフェイスチャットが見られなくなってしまっている。 -彼女のハーフエルフという設定は重要な意味を持ち、途中のイベントではそれ故の悲劇などを垣間見ることも出来る。 --それ故にGBA版以降追加された「ブラムバルドとアーシア」のイベントがあまりにもご都合主義的すぎるとして受け入れられない意見も根強い。 -料理の腕前が壊滅的で、PS版以降では「××料理人」の称号(?)を賜ってしまうほど。 --因みに、その称号を獲得出来るイベントでアーチェが振る舞った料理は一口食べただけでクレス・チェスター・クラースをKOするほどの凄まじいものだったようで、GBA版以降で更に追加されたイベントではその時の一件が男性陣のトラウマじみたものとなっていることが解る。 ---とは言え、フルーツ系の料理は得意なようでPS版以降導入された料理システムでもそれが反映されている。 ---ちなみに全料理の熟練度を最高にすると「グルメマスター」という称号が貰えるが、フルーツ系以外の料理は熟練度が他のキャラより非常に上がりにくいうえ、彼女だけ「グルメマスター?」と疑問符がついた称号になっている((その上、称号の説明文にも同様に「?」がついている。))。 ---実際にプレイするとわかるが、「グルメマスター?」をとるのは、&bold(){下手な称号よりはるかに面倒}である。一応、ある方法を使えば高速で料理熟練度をあげる事はできるが…。 -余談になるが、上で書いたチェスターが「スケベ大魔王」の称号を得るきっかけとなる女風呂覗きに対抗して、PS版以降で追加されたイベントで再度忍者の里に訪れて温泉を振る舞われた時は逆に男湯を覗き返していたりする。シリーズでも例を見ない豪胆(?)な部分も。 --アーチェ曰く、「女湯ばかり覗かれるなんて不公平だ」とのこと…そういう問題か…? --なお、スタイルもミントとは正反対のようで「ぺったんこ」なる不名誉な称号を習得してしまう。 //とりあえず、白樺の森のあのイベントに関連することは変に荒れそうなので触れない方向で。 全員が個性こそ豊かだが人を選ぶトゲや毒気が無く、総じてパーティメンバーはとても仲が良いため、近年のシリーズ作品で散見されるにギスギスした不仲な雰囲気、倫理(道理)的に首をかしげざるを得ない極端な言動や行動、仲間の裏切り…といった、プレイヤーにストレスや賛否を与えるような要素はほぼ皆無である。 パーティメンバーの離脱もアーチェとチェスターがシナリオの都合によるものだけとなっている。 PS版以降ではフェイスチャットなどでチェスターとアーチェがよく喧嘩をするが、その内容は小さな口喧嘩と言った程度なもので、寧ろ微笑ましい光景ですらある。~ そして犬猿の仲のようで実は互いに意識し合っており、思わぬ所でボロが出るという、本作の隠れた見所の1つにもなっている。 #endregion ---- **特徴・評価点 ''序盤のストーリー展開がかなり印象的'' -主人公・クレスとその親友・チェスターが村の外へ狩りに出かけるところから始まるのだが、戻ってきたら村が壊滅&住民皆殺し。 --このシーンはBGMや演出、出かける前の村人との平和的な会話なども相まって、かなり印象に残る。 -その後叔父の下を頼ったが裏切りの末投獄され、獄中にてヒロインと出会う。獄中から脱出するために死体から剣を引き抜く((牢獄の中にわざわざ剣が放置してあるのは不自然ではあるが。使い物にならないと放置した可能性は考えられる。))など、かなりエグいことをする。 --この裏切り自体も彼の私利私欲や保身の為ではなく、ユークリッドの都をクレスを狙う兵達に手出しをさせない事を条件にした、苦渋の決断によるものである。しかもその直後に約束を半ば反故にされ殺害されてしまうという、なんともやるせない結末を迎えている。 -RPGではお約束となった「決戦前夜」イベントが初めて登場したのもこの作品だったりする。 --序盤だけではなく、その先もまたプレイヤーをこのストーリーに引き込むものになっており、特にヴァルハラ戦役はファンの間でも語り草。音楽と相まって、凄まじい緊張感をとことん演出しており、作中屈指の名場面として知られる。 ''単純な勧善懲悪では割り切れないストーリー'' -特にラスボスのダオスは悪役でありながら、悲劇性をも持ち合わせていることから高い人気を誇る。本作での悪行も邪悪な野望による世界征服や破壊ではなく、重大な使命と守るべきものを救う為という、形や立場こそ違えどクレス達と変わらぬ正義によるものという設定は、当時としては斬新であった。塩沢兼人氏の演技も人気に一役買っている。 --その悲劇性から後に『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のピサロ、『[[ライブ・ア・ライブ]]』の魔王オディオ)に続く「RPG三大不幸ラスボス」の一人と称されることに。 ---しかし作中での行動からその身の事情が明らかになった後もあるキャラに作中での所業を批判されており、完全に同情しきれるキャラクターとは言えないのもまた事実だったりする。 ''戦闘システム'' -戦闘はいわゆるコマンド選択型ではなく、アクションゲームの要素を取り入れた「''リニアモーションバトルシステム''」(LMBS)。後続作品とは少々毛色が違うが、「自分で移動して攻撃」・「リアルタイムで進行」という根本は既に確立されている。 --コマンドタイプの戦闘がRPGの主流だった当時、自分が介入できる戦闘は斬新で、大いに受けいられた。 --そのシステムは以降のシリーズ作品と異なり、対空攻撃は敵と距離を取っていなければ出せず(対空攻撃=ダッシュジャンプ攻撃)、技もターゲットとの距離によって使える技が異なり、更には任意で防御が出来なかったり((そのかわり、ニュートラル状態で攻撃を受けた場合は回避率が上がる。))と、流石に第1作目という事もあってか、今の作品の比べるとまだまだ練られていない部分も多い((このシステムや後述の尖った難易度は、今作と同じスタッフが開発した『スターオーシャン』に継承されている。))。 -主人公クレスの技には熟練度が設定されている。各所で2種類の技を組み合わせた「奥義」を習得可能で、2種類とも100%になっていることで使用可能になる。 -武器には斬り攻撃力と突き攻撃力が別々に設定されている。 --剣はバランス傾向、槍は突き偏重、斧や槍斧は斬り偏重。 --アクション要素とあいまって、斬り技と突き技どちらを使うかプレイスタイルに合わせて武器を選ぶことになる。 ''音楽'' -音楽は当時まだ無名同然であった桜庭統氏や田村信二氏、そして古屋亮太氏といった独自のサウンドチームが担当している。 --特に桜庭氏の中世風の世界観でありながらロック調全開の音楽は一度聞けば忘れられないようなインパクトを残し、当時のプレイヤーたちから爆発的な人気を得た。 -それぞれの曲自体もイベント曲、ダンジョン曲問わず後のシリーズと比べても極めて完成度が高く、中でも精霊戦のBGMである「FIGHTING OF THE SPIRIT」は未だにシリーズ最高傑作とも言われるほどの名曲であり、当時このBGMを聞いた植松伸夫氏などといった名だたる作曲家たちは皆震え上がったというエピソードが残っている。 ''テイルズシリーズの中ではトップクラスの高難易度'' -中盤以降はバランス調整を本当にしているのかと疑いたくなる程で、水鏡ユミルの森に出てくる「リザードマン」やモーリア坑道下層((終盤のおまけダンジョン扱いなので行かなくても支障はない。))に出てくる「ランドアーチン」、同じくモーリア坑道下層に出てくる「ボアボア×3、ビーストマスター」の敵パーティは、出会ったら全滅を覚悟しないといけないほど理不尽で、SFC版プレイヤーにトラウマを植え付けた。 --SFC版のモンスターの話になると上の2匹+1パターンが良く引き合いに出されるが、それ以外の敵も軒並みどこかしらぶっ壊れている性能(全体的に属性耐性持ちが多いとか)であることが多く、文字通りの殺るか殺られるか、デッドオアアライブのサバイバル状態になる。 --ただ、その尖ったゲームバランスに魅せられハマってしまう者も少なくなく、それ故にかなりのマイルド調整を施されたPS版に対して物足りないという意見も飛び出してしまうのだが。 -あるアイテムを装備するとダッシュ移動出来るようになるが、ダッシュ中はエンカウント率が上昇(およそ倍)する。結果、元々高めのエンカウント率と移動速度も相まって数秒ごとにエンカウントという洒落にならない事態に。 --そして出てくる敵が前述したようにぶっ壊れた性能のザコ敵なので、ダンジョン内では歩いて移動するのが鉄則となってしまっていた。 ---敵とのエンカウント率を下げる消費アイテムもある。ただし壊れ性能のザコだらけのおまけダンジョンは、入るとそのアイテムが全部砕け散るという鬼仕様。 ---敵とエンカウントしやすくする「ダークボトル」とダッシュを併用すると、1~2歩歩いてまた戦闘というとんでもないことに。 --ただし、後半に登場するとある洞窟ではダッシュを使わないと解けない仕掛けがあるので、そのアイテムは重要である。 -ボス戦に至っては術技一撃で広範囲のメンバーが致命傷を受ける為、ハッキリ言ってうまく詠唱を妨害できるかどうかのデッドオアアライブである。~ 大抵のプレイヤーは前半のデミテルやウンディーネで早くも地獄を見ることになる。中盤の2人で戦う空中戦や、過去編ラストと現代で戦うダオス戦のダオスレーザーやダオスコレダーの威力には何度も煮え湯を飲まされることになるだろう。 --当然、ラスボスの性能も半端なものではなく序盤はヒドゥンで攻撃するチャンスすらなかなか与えてくれず、HPが減るとラストレイ、トライドを詠唱0で連発してくる他メテオスォームやタイダルウェーブの様な大技も織り交ぜて一気に殺しにかかってくる。そのため、テイルズ オブ シリーズのラスボスの中でも上位に入る強さと言われている。 -ちなみに本作ラスボスのダオスだが、彼に関しては「魔術でしか傷付ける事ができない」という設定があり、作中でもNPCがその情報を教えてくれる。 --SFC版では設定通りクラースの召喚術とアーチェの魔法でのみダメージを与えることが出来る(正確には打撃攻撃で与えたダメージはコンボが途切れた一秒後に完全回復)のだが、PS版以降は普通に殴ってもダメージが通るようになった。 --それどころかPS版以降のダオスは属性耐性が強化されているため、''普通に殴った方がダメージが通る''事に。なおNPCが教えてくれる「ダオスは魔術でしか~」の台詞はそのまま。 --流石に主人公のクレスが単なる足止め役扱いはマズいと思ったのだろうか・・・? --またSFC版のみの要素として、過去編ダオス相手に「インデグニション」を唱えると「そんなバカな!ぐわああああ!」と絶叫してくれる。インデグニション習得イベントの内容を考えると中々憎い演出である。 -ただ、いたずらに難しい訳ではなく、LV上げ・装備品やアイテムの充実・特技や魔術の的確な使用といった他のRPGでも行う対策で難易度はそこそこ下がるようにできている。敵のHPはそこまで高くないこともあり、デッドオアアライブを制して一方的な展開にした場合の「HP削り作業」感が殆どなく、テンポよく進めることができる。 --本作(ひいては本シリーズ)のポイントとしては、ルーンボトルの有効活用で難易度をより下げることができる。というのも、ルーンボトルを使うとアイテムがより有用な上位アイテムに変化することが多い((後のシリーズによっては上位アイテムに変化しない作品もある。))。 --例えばアップルグミ(HP30%回復)がレモングミ(HP60%回復)になる、使用キャラクターのパラメータを上昇させる効果のあるハーブ類を変化させると上昇具合が倍になる、など。特に序盤で入手できるアイアンブーツ(戦闘時の移動速度半減)がペルシャブーツ(被ダメージ30%減少)になることに気付くと冒険がぐっと楽になるのではないのだろうか? ---アイテムは1種類につき15個までしか持てない。つまり回復アイテムは上位版15個だけでなく下位版15個も買い直して用意できるようになる。 --更に上記でシリーズ屈指とされているラスボスでさえも、とある特技を使うことでダメージ効率を劇的に上げることができるようになっている。 -食べ物アイテムを使用するとフードサックの数値となり、移動に合わせて徐々に消費されてHPが回復する。 --序盤のうちはありがたいが、フードサックに入れられるアイテムの量が少ないのですぐにフードサックのストックが尽きてしまい、中盤以降になると大量にストックできるが、最大HPやその頃の戦闘で敵から受けるダメージに対して回復量が少なすぎる((先述の通り、フードサックの数値を徐々に消費しながら回復するため、瞬時に大きく回復できない。エンカウント率の高さもあり、フードサックの回復だけでは賄いきれなくなってしまう。))ので、結局別途術やアイテムで回復させてしまうということになりやすい。 ---そのため、システム的には便利であるのだが、ゲームバランス的にはあまり意味のないシステムになってしまっている。 ---ただしシナリオ中盤に出てくるローンヴァレイは別。ここではスリップダメージを受けながらのダンジョン探索が必要なので、フードサックを使うかどうかで攻略難易度が大きく変化する。 ---- **問題点 ''バグが多い'' -大半が一時的な画面の乱れといった程度で致命的な影響を及ぼすレベルではないのだが、一つだけ例外として、クラースの使う召喚術「カメレオン」だけは悪い意味で有名になってしまっている。 --ゲーム中において「魔界の住人・カメレオンを召喚する、古に封印された禁呪文」という設定のこの術は、発動すると敵単体を即死させることもある(敵を食べてしまう)という効果なのだが、これを使うと高確率でフリーズしてしまうため、本作の設定になぞらえて「別の意味で禁呪文」という皮肉を言われ、ほとんどのプレイヤーが使えるようになっても速攻で戦闘中にコンピューターが使用する事を禁止するように設定するのが当たり前とも言える散々な扱いとなっている。 ---この術はPS版では削除され、その後出たSFC版のリメイクであるGBA版で復活を遂げたのだが…やっぱり使うと高確率でフリーズしてしまう術のままであった。 --「エクスプロード」や最強召喚術である「オリジン」も稀にフリーズを引き起こす。 -比較的フリーズしやすいイベントも数カ所ある。 -アイテム消失バグがいくつかある。 --やっかいなのがアイテムの種類が増えてくると発生しやすい消失バグ。コレクションせずに交易品や弱い装備など売っぱらっておけば問題ないが、集めてると所持種類が多い終盤は確認に気を配る必要がある。 ''詰みポイントが存在する'' -つるはしは重要アイテムであるにも関わらず店売り品のため普通に売ってしまえる。一定地点からはつるはしを売っている店がなくなってしまうため間違って処分してしまうとハマる。 --この詰みポイントはPS版では他の町でも売り出されるため問題なくなった。 ---- **その他のゲーム内容について ''コンボコマンド'' -最近のシリーズではめっきり見かけなくなったが、修得済の技の全てを格ゲーよろしくなコマンド入力で出せる装飾品である「コンボコマンド」というアイテムが存在している。 --ある程度作品を重ねることでそのコマンドもしっかり練られたものとなったことで、これを装備して様々な技を使い分けての戦いを楽しむプレイヤーも多かったが、本作のコマンドは初出ということで加減が解らなかったのか、一部の奥義や特技のコマンドがとても実戦で運用出来るようなものではないものになっていることで有名。 ---例えば、物語終盤で修得する時空奥義をさらに複数合わせた奥義である「転移蒼破斬」のコマンドは「右・右下・下・左下・左・右・左・右・右・右下・下・左下・左・右・上・下・上+Bボタン」…これをリアルタイムの戦闘中に入力しろというのだから恐ろしい。 //コンボコマンド修正。途中で右を2回連続で入力しなければ発動させることができない -とはいえ本来なら主人公の技は、2つの特技発動入力に対してSレンジ版とLレンジ版を登録するという戦闘で4種類の技しか使えない仕様((リメイク版では戦闘中に技の入れ替えが可能になり、特技ショートカットもあるので4つの枠で悩んで厳選する必要はない。))なのだが、この装飾品を装備していれば全種類の技が使える上に、距離に関係なく好きな技が出せるようになるという魅力もある。 --通常技14種類、時空奥義3種類、奥義の魔神双破斬あたりは慣れればなんとか運用できるレベル。能力値アップの技など普段なら使わない技も活用することができる。 ---多くの奥義は入力難度がぶっ飛んでいるため使いこなすのは絶望的。奥義は16+2種類もあるが、そもそも性能的にあまり使わない奥義が多かったりもするが……。時空奥義を合わせた奥義2種類のうち「転移蒼破斬」は上記の通りでもうひとつの「時空蒼破斬」も似たようなもの。 ---格ゲーのコマンド入力が苦手だと「下・右下・右+Bボタン」で出せる飛び道具の魔神剣とかその辺を連発するオチだったりするとかしないとか…。 ---後発の『デスティニー』やPSリメイク版では基本技は簡単に、奥義は基本技のボタン入力に+αといった程度になっており、使いやすさが向上している(もっとも、『ファンタジア』に関しては技数が膨大なため、全ての技を思い通りに発動させるのはやはり難しいが)。またSFC版では主人公専用だったが、仲間も使えるようになった。 -ちなみにこのアイテム、PS版以降では40万ガルド((PS版以降の店売りアイテムの中では2番目に高額である。本作を含めて稀少品ではあるが、販売価格が割引されるアイテムを使用することにより、購入価格を下げることも可能。なお、ガルドはシリーズで共通して使われている貨幣単位。))で販売されているが、本作ではなんと''500万ガルド''というとんでもない価格((なお、所持できる金額は9,999,999ガルドまで。))で販売されている。 --また、PS版以降では戦闘中に技メニューを開くことで修得済の特技の技コマンドを確認できるが、本作ではそもそもクレスの技メニューを戦闘中に開けないため、戦闘中にコマンドを確認できない。 ---その代わり、主に街の中にいるモブキャラクターから「''秘密の言葉''」として、コマンド((例として、前述した魔神剣ならば「下・右下・右・決定(Bボタンのこと)」といった案配である。))を教えてもらうことになる。ただし、そのコマンドで何の技が出るかは実際に使ってみるまで解らない。 ''SFC版のぶっ壊れ要素'' -本作のゲームバランスは尖りまくっていることは上に挙げた通りだが、せっかくなのでその詳細をごくごく一部だが挙げてみよう。 --モンスターの性能もそうだが、モンスターの使う特技もまたぶっ壊れているのが多いのである。 #region(''モンスター''(クリックで展開)) &size(15){''モンスター''} ''ヘルマスター'' -体力が徐々に減って行くマップで出現。画面内の敵を対象とする「サモンデーモン」という魔法で壊滅的なダメージを与えてくる。 --倒そうにも光属性以外の攻撃を受け付けず、初めて出会う段階でこの属性の攻撃手段が無い為基本的に即逃げするしかない。 ---…のだが、逃げ切る前に壊滅的なダメージ受けて全滅させられることもしばしば。コイツと出会ったが最期、半ば運ゲー突入である。 ''リザードマン'' -移動速度が異常に速く、攻撃を食らうと高確率で石化させられてしまう。 --しかも、このモンスターと出会う時に前線で肉弾戦をこなせるのはクレスだけで、残りは皆後衛((シナリオの関係上、他のメンバーは回復役のミントと召喚術のクラースのみ))なので、クレスが石化させられてしまうと、そのまま無防備な後衛が石にされて全滅ししまうことも。 -シリーズファンなら石化防止のストーンチェックを装備すればいいと思うかも知れないが、この時点では販売はされておらず入手困難((バジリスクが落とすもが、PS版でバジリスクうろこを落とす確率よりもはるかに低い))。また、この時点ではミントがリカバー(石化等の状態異常解除の効果)を習得するレベルに達していないことが多い。 --ステータス異常を回復する「パナシーアボトル」の効果が発揮されるのにもタイムラグがあるため、状態異常になるのを防ぐことの出来るアイテム「リキュールボトル」が尽きたらある意味詰み。本作でもトップクラスのインパクトを持つ難敵である。 ''チャロン'' -出現時点においてかなり強力な魔術を使う上に、攻めようにも地・水・火・風・雷・光の各属性攻撃を吸収(ダメージ分HP回復)するため、「無」属性と「属性なし」以外はダメージが通らない((『ファンタジア』の属性概念には他に闇属性があるが、この段階では行使する手段がないため、闇属性に対しての耐性は不明。無属性は「無」という1つの属性であり、属性がついてない攻撃とは異なる。))。おまけにワープしまくるために狙いを定めづらい。 --特にミッドガルズ空中戦ではペガサスに乗っている関係上、一切の特技が使えないためにまともな攻撃手段がないクレスと、まともな攻撃手段になり得る無属性魔術が無いため、チャロン相手ではもはや役立たず同然となるアーチェの2名でチャロンの群れと戦わされる場面もあり、多くのプレイヤーが泣かされた。 --''「イエローケーキ((火属性の最強魔術「エクスプロード」の効果を発揮するアイテム(稀少品)。))を吸収するなあああああっ!」''…と絶叫をしたプレイヤーもおそらくいただろう。 ''シャフト'' -強烈な全体攻撃魔法を使う魔法使い。こちらが攻撃する前に2発3発と連続で「エクスプロード」を食らって全滅というのもよくある話。 --しかも稀にとはいえ、この「エクスプロード」の魔法がフリーズを引き起こすこともあり、二重の意味で恐ろしい敵である。。 --一応火半減の装飾品(ただしクラース専用)や貫通弓など対応策はある為、上手くそこを突ければまだ楽な方。 ''ランドアーチン'' -元々はナムコのゲーム『イシターの復活』に出てきたモンスター。ウニのような姿をしたモンスターで、やってくることと言えば、ただプレイヤーに向かって歩いてくるだけ。 --ならばなぜこうも引き合いに出されるのかと言えば、あらゆる攻撃を無効化する上に「触れると問答無用で即死」という、原作とほぼ同様の特徴を持ち、文字通りのアクションゲームと化してしまっている敵だからである。先に書いた事と矛盾するが一応ダメージを与える手段もあるにはあるのだが、普通にやるには難易度が高過ぎる上、それによってHPを0にしてもなぜか倒せないので結局逃げるしかない。 ---地面を這って歩くだけなので、アーチェがいれば全滅は免れるが、そうでないと逃げるのに手間取ったらアウトである。 --戦闘開始と同時に攻撃ボタンを押してしまい、クレスがランドアーチンに突っ込んで真っ先にやられた、なんて光景はある意味で日常茶飯事である。 -GBA版でも登場するが、こちらは「じゃんぱい(雀牌)((敵の頭上から麻雀牌を複数降らせてダメージを与える消費アイテム。なお、PS版以降は効果が変わってどこからともなく降ってきた麻雀牌で出来上がった役に応じた点数分の防御力および耐性を無視したダメージを対象および同じ画面内にいる敵全員に与える。なお、点数は子のものであり、最高が大三元(役満)の32,000。))」で倒せる。 --因みに、触れられた時のダメージはSFC版が9,999、GBA版はなんと99,999。見事なオーバーキルである。 ---ちなみに、裏技で敵から受けるダメージが倍になるハードモードの場合は受けるダメージがオーバーフローを起こしてしまうため、受けるダメージが0になる。その為、ダメージ喰らいボイスが轟き、画面はクリティカルヒットの演出で光り続け、更には触れられたキャラは延々と気絶し続ける…なんて事になる。 ''ボアボア'' -攻撃がかち合うとほぼ確実にこちらが競り負ける強い判定を持つ突進攻撃が脅威。 --特に、特技の「猪突猛進」は突進1発当たりが2,000近いダメージにもなる上に、それが数発一瞬で叩き込まれるため、もはや「''気が付いたら死んでいた''」というのが冗談でもなんでもない状況。 ---因みに、猪突猛進には毒の追加効果があるが、そもそものダメージがでかすぎて毒になる前に死ぬので知らない人も多いだろう。 --…こんなのが1度に3体も出てくるのだから、出会ってしまった時の絶望感が如何ほどかはわざわざ言わなくても解るだろう。 --アーチェの「エクステンション」(画面内の敵に即死攻撃)が割合効きやすいが、そもそもエクステンションはこいつらが出てくるダンジョンを一度攻略しないと入手出来ないため、ほとんど慰めにもならない。 -ただし、対策を立てていても全滅させられるのがザラ…という程理不尽さではないことは念のため補足しておく。 --ペルシャブーツ(被ダメージ30%減少)やホーリィシンボル(一定時間ごとにHP回復)など強力な装備品を装備し、クレスは虚空蒼破斬や次元斬といった近距離でもかち合わない特技でボアボアを足止めしつつ、アーチェの魔術(メテオスォーム等の高威力のもの)やチェスターの弓でしっかりと後方支援するといった対策法を確立させることで比較的安全に倒せるようになっている。 --一番確実な対策は、クレスを一切操作しないこと。ボタン操作をしていないときはクレスの回避率が上昇するので、優秀な盾を装備していればボアボアの「猪突猛進」もほぼシャットアウトできる。 ''ビーストマスター'' -上のボアボア3体とセットで出てくる敵、むしろ「ボアボアの威を借るおまけ」状態。 --とはいえ、能力は決して低い訳ではなく、ボアボアの突進でこちらが翻弄されている間に、「サモンデーモン」で駄目押しの一撃を叩き込んでくる。 ---更に、接近すると分裂する弾を飛ばしてくる「ヘルジェム」やムチを用いた炎攻撃等、いずれも1発当たり1,000近いダメージになるのでやっぱり厄介な敵である。 -倒すとランダムでチェスターの最強武器「ベルセルクアロー」に変化する不確定品((正体が解らない装備品。ゲーム中では「?SWORD」・「?ARMOR」といったような表記をされ、装備品の種別(剣や鎧といったもの)は解るようになっている。アイテムを変化させる「ルーンボトル」を使って変化させることでその正体が判明し、装備が可能になる。))を落とす事があるのが救い。 --なお、この不確定品は別のダンジョンの宝箱でも手に入るので、このためにこいつらと戦い続けなければならない、ということはない。 かなり多くの敵が挙がったが、これでも本当にごくごく一部である。 これらの難敵が跳梁跋扈する世界を練り歩く苦しさは言うまでもなく、今なおシリーズでも上位の難易度を誇る。 &size(15){''闘技場''} -クレス1人で9連戦する場所で、8連勝もしくは9連勝を達成すると賞品をもらうことが出来る((本来は9連戦ではあるが、8連勝を達成した時点で9戦目に挑戦するかを聞かれるので、そこで抜けることも出来る。ただし、9連勝を達成した時よりも貰える賞品のランクは下がる。なお、9戦目開始前にHPとTPと各種ステータス異常を完全回復して貰える。もっとも、闘技場は1人で戦うので、麻痺や石化してしまったらそこでアウトなため、実質ステータス異常に関しては毒のみとなるが。))。 --HPやTPを回復するタイプのアイテムは一旦預かりとなり、闘技場の側で用意したものしか使用できないので回復手段が大きく制限されてしまうが、HP・TP回復以外のアイテム…ステータス異常回復やそれ以外のアイテムはそのまま持込が可能になっている。 ---こちらもボアボアなどが出てくる上記のモーリア坑道下層ばりに嫌らしい敵が揃っており、攻撃を受けて毒をもらったで済めば良い方、酷いと麻痺や石化させられてそのまま退場させられたりする敵も少なくないため、リキュールボトルなどの事前準備は必須である。 -ちなみに、本作の最強武器には無属性が付与されている。 --意地の悪いことにこの闘技場に登場する敵の中には無属性を無効化する敵が登場するため、最強武器を取ったからと過信していると痛い目を見ることになる((一応、別の属性が付与される特技「襲爪雷斬(雷)」や「鳳凰天駆(火・その敵の弱点属性)」、あるいは属性が付与されない攻撃アイテムの「じゃんぱい」は所持しているそのままの数を持ち込めるので、それを使うことで対処は出来るが、いずれにしても立ち回りが大きく制限されることに変わりは無い。))。 ---さすがにPS以降では属性が付与されなくなったので、安心して頼ることが出来るようになっている。ただし、今度は属性無しの攻撃を確率で無効化する敵が複数いるので、そちらに無効化される可能性はあるが、100%効かないわけでは無いので十分ごり押しで対処できる。 &size(15){''モンスターの使う特技''} ''鏡討ち'' -直前で喰らったダメージをそっくりそのまま相手に斬りつけて返す特技。PS版に比べて全体的に術攻撃のダメージが高めなので、術攻撃でダメージを与えた直後にやられたら一溜まりもない。 --しかも、何度使っても効果はしっかり発揮される。おまけにガード不可能で、直前にダメージを喰らっていなかった場合は通常攻撃として扱われるという至れり尽くせりな技。 ''クリティカル'' -出が早い上に、威力もバカみたいに高く、おまけに高確率で喰らった敵を気絶させる斬撃を繰り出す特技。 --道中、クレスが一人になってしまう場面で戦うことになる敵がこの特技を使うので、運が悪いと、この特技を連発されて為す術無くやられることも…。 ''デススクリーム'' -成功確率こそ低いものの、敵全員を即死させる特技。 --基本的に本作の術などの攻撃はターゲットを中心とした画面内にいるキャラクターが攻撃対象となるのだが、この特技に関してはどこにいようがお構いなしに攻撃対象とするため、運が悪いとこれ一つで味方全員やられて全滅…なんて事も起こりうる。 ---とはいえ、前述した通り成功率は高くはないのが救い…と言うか、むしろ高ければほぼ無理ゲーと化すが。 他にも技名表記こそ無いが、威力が高い上に戦闘エリア全域に届く貫通攻撃等、こちらも上げたのは本当にごく一部である…。 -SFC版のモンスターのぶっ壊れっぷりがほんの一部でもご理解頂ければ幸い。 --しかも、例に挙げたモンスターも特技もボス敵じゃなくてザコでこれである。 -一方でモーリア坑道下層でボアボアやランドアーチンなどの猛攻を潜り抜けた先にいるボス「ワイヴァーン」の弱さはもはやネタにするのも憚られるレベルの悲惨なもの。 --「途中のザコの方が余程強い」「ボーナスステージ・(道中の)憂さ晴らし」「目を閉じてても勝てる」等々、散々な言われっぷりである。 ---そのせいかPS版では随分強化されたが、すずを仲間にしていれば「かんなづき」と「プリンセスケープ×2」を装備させて戦闘に参加させておくことでワイヴァーンのあらゆる攻撃を吸収or無効化する(=戦う前からすずが戦闘不能になっていない限り、どうやっても全滅することが無くなる)ようになるため、違うベクトルでネタにされてしまっている。 #endregion -タイトル画面でA・B・X・Yボタンを同時押しして「やったー!」という勝利時のボイスが再生された後でニューゲームでプレイをすると敵からの受けるダメージが2倍になるハードモードでプレイすることが出来る。 --ノーマルモードでも難易度が高いこのゲームにおいてダメージが倍となると…もはや阿鼻叫喚の地獄絵図となる。 ---ただし、上に書いてある通り敵の能力値をインフレさせることによって難易度を上げているというものであるため、S系の高難易度設定同様、ハードの面白みが薄い面もある。 ---- **総評 総じてシンプルなRPGであるが、時代を越える壮大な世界観、印象的なイベント、勧善懲悪に終わらないシナリオ、そしてアクション満点の戦闘は非常に斬新。~ シリーズ内で特筆するほどに高い人気があるわけではないが、コンスタントな人気を保ち続けており、極端に嫌われることは少ないタイトルであるとも言え、それ故か移植・リメイクが最も為されている作品でもある。~ その数は大元含めて本Wikiで取り扱っているもので4機種5作品(本作・PS・GBA・PSPFVE・PSPXE)、その他に携帯電話向けとiOS向けに配信されているものがある(現在はiOS版は配信終了)。 ゲームバランスはかなり歪、というよりも尖っているが、一部の本当に運頼みにならざるをえない例((ミッドガルズ空中戦でのチャロン戦など。))を除いては対処法さえ解れば何とかやり過ごせる所にはあるため、難易度の項で「しているのか疑いたくなる」と書いたバランス取りはちゃんとしていることは間違いないだろうが、根本的な所でハードルが無駄に跳ね上がっている所は否めない。~ だが、それ故に敵を倒した時の達成感はかなりの物があるし、やりごたえもある。~ だからこそ、繰り返しになるが[[後にリメイクされたPS版>テイルズ オブ ファンタジア (PS)]]のマイルド調整が物足りないというプレイヤーも出てくるのだ。 ---- ---- **商品にまつわる裏話 //ナムコの干渉でウルフチームと対立したというのはよく聞かれますがソースは全く存在しませんよね? -藤島康介のデザインは実は開発後期にナムコ側の意向で後付けされたもので、SFC版のゲーム中のドットと差異がある。そのため、実質的なデザインとなるのはPS版から。 --とりわけミントとクラースのデザインは大きく異なっている。 -発売当時は余りの売れなさに一時生産中止までなった。&br()ところが、口コミで評判が広まり徐々に知名度が上がっていくと、「ゲーム販売数よりも攻略本販売数の方が多い」という珍現象が起き、これに気付いたナムコが再生産を始めたという逸話がある。&br()本作の「隠れた名作」っぷりを如実に表していえよう。 -本作の攻略本には一部で有名な誤植があり、「とくにサンダービームは役にたつので、ぜひ買っておいたほうがいい」の1フレーズがそれに当たる。 --本作には「サンダービーム」なる魔術は存在せず、文章の前後から「サンダーブレード」と「トラクタービーム」という2つの魔術がごっちゃになってしまったものであることが解る。 ---一過性のネタとしてここで終わっていればいいのだが、どういう訳かPSへの移植の際にもネタとして使用された。 ---サンダーブレードもトラクタービームもどちらの魔術も使い所がある((サンダーブレードは汎用性が高く、癖もないので扱いやすい。一方のトラクタービームは空中に浮いている敵には効かなかったりと癖は強いが、この魔術以外は一切の攻撃を受け付けない敵が存在している。))のでいちいち分けて書くのが億劫だからくっつけた…ということではさすがにない、はず。 --そんなこんなで知る人ぞ知るネタといった案配でちょくちょく使われていたのだが、『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョンX』においてとうとう本当に技として実装されてしまった。なお性能としては正直パッとしないものになっている。 -本作を代表する名曲である「FIGHTING OF THE SPIRIT」であるが、この曲の作曲者は田村信二氏である。 --2000年発売の「テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン」のスタッフルームにて「FIGHTING OF THE SPIRIT」に歌詞を付けた「バニーハンター ディオ」を聞こうとすると「イカス きょくを つくった人 たむら しんじ」と表示される。 ---本作の作曲を行ったのは桜庭統氏・田村信二氏・古屋亮太氏の3名であるが、明確に作曲者が掲載されている資料は「なりきりダンジョン」作中での表記と「テイルズ オブ ファンタジア20thアニバーサリーサウンドBOX」内インタビューの2つである。 -吉田由香里が歌う主題歌「夢は終わらない」のCDは本作発売前にリリースされている。 --帯には本作の告知、ブックレットには本作スタッフからのメッセージやキャラクター紹介が記載され、CD内側(CDホルダーは透明)のジャケット裏には吉田由香里が登場するサブイベントのヒントが記載されており、歌手のCDというよりは本作のファンアイテムに近い作りである。 --なお、カップリング曲「星を空に…」は本作では使用されておらず、後のPS版のED曲として使用されている。 ----

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