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*ペーパーマリオRPG 【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0002ER6BA)| |対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2004年7月22日|~| |定価|5,800円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/342.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオストーリー]]』の正式な続編。仮題段階では『マリオストーリー2』とされていた。~ ストーリーには絡まないが、前作に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する。 **ストーリー ある日、マリオの元にピーチ姫から手紙が届く。 「私は今、キノコ王国を巡る旅に出ているのですが、宝の地図を手に入れました。ゴロツキタウンという街で物売りのおばあさんからもらった箱に入っていたのです。私一人じゃ宝探しは大変なので手伝ってください。地図は手紙に入れておいたのでそれを持って、必ず来てください。ゴロツキタウンの港で待っています。」 その手紙を読んでゴロツキタウンの港に来たマリオだったが、ピーチ姫の姿が見当たらない。港で姫を探すうちにクリボーの女子大生、クリスチーヌに出会う。 彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。 フランクリによると、伝説の宝を手にするためには7つのスターストーンという宝石を集め、1000年の扉を開かなければならないという。この地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったのである。 宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるだろうと思い、マリオは新たな冒険に出るのであった。 **システム -登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。 --前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。 -基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。 --細かい点で言うなら、新たに「スーパーガード」が搭載されていることが挙げられる。通常のガードよりは判定が厳しいものの成功すればダメージが0かつ逆にダメージを与えられるというシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。レッツゴージャスティーン! ---さらに言えば、たとえラスボス戦であっても、このスーパーガードを駆使することでノーダメージクリアが可能となっている。仕様を把握すれば防御を捨てても構わない為、縛りプレイにももってこい。 --アクロバットの追加。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊なアクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じてスターパワーが追加される。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに追加される。 --こちらも細かい変更点だが、ジャンプのアクションコマンドが前作は「敵を踏む直前」にボタンを押すのに対し、近作は「敵を踏む瞬間」にボタンを押すなっている。 なれればどうと言うことは無いが、前作をやり込んだ人ほど最初は違和感を感じるかもしれない。 -新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており((当初は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、スターパワーをくれない客や物を投げつけてくる客もいる。さらに一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復することも。ちなみに、観客の中には本作では登場しないヘイホーや、低確率でルイージもいる。))、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく(逆にアクションコマンドをミスするなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう)。他にも照明器具が落ちてきたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり視界が悪くなったりなど、劇場の小道具を利用した仕掛けが数多く存在する。 -戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。 --技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。 -アクションコマンドを決めるとキノコ・フラワー・スター・シャイン・毒キノコの絵柄がスロットのように表示され、2つ絵柄が揃っている状態でアクションコマンドを決めるとスロットイベントが発動。揃った絵柄に応じて変化が起こる((キノコはHP全回復と観客満員、フラワーはFP全回復と観客満員、スターはスターパワー全回復と観客満員、シャインは全ステータス全回復と観客満員、毒キノコはHPとMPが半減に加え観客ゼロ。))。 -ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が現われることがある。これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。 --ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。 -ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入される他、今作はスーパークッパブラザーズ(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。((地上、水中、城と全ての面が再現されている。スーパーキノコに相当するアイテムは肉で、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。この「巨大化」はのちの「New スーパーマリオブラザーズ」や「スーパーペーパーマリオ」などにも登場している。))。 -前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする事に彼の話を聞く事ができる。同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に購入して読むことができる((ただし、話はかなり美化されている。全6巻でやたら高値。))。どうでもいいが、こちらのラスボスは何故かクリキング(前作プロローグのボス)である。 -バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。 -収集要素。 --敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。基本的に取り返しのつかない要素は無いので安心しよう。 **個性溢れる仲間キャラ -今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。本作を攻略するにはギミックも戦闘も全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない((隠しキャラであるチュチュリーナは仲間にしなくてもクリア可能))。 -また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され((HPがゼロの状態でバトルを終えるとHP1の状態で復活できる。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。))、これにより戦略の組み方が変わった。 #region(仲間一覧) ''クリスチーヌ'' -考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。 --前作でいうクリオポジションで特技はクリオ同様に『ものしり』。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。全ての人物に大してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。メタ発言をすることも。 --本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、すべての敵キャラにものしりをするといった遊び方も可能。ちなみに、戦う機会が限られているボスキャラにものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。 --攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。 ''ノコタロウ'' -ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。 --甲羅になることで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。 --地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がると防御無視の技も覚える。防御力が1あり、地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう。 ''クラウダ'' -昔、舞台女優だったふしぎの森に住む雲の精霊で、名前は雲を意味する英単語「cloud」からきている。 --引退後の単調な生活にはなかった刺激を求めてマリオの冒険についてきた。 --フィールド上では強い風を吹いていろいろなものを吹き飛ばすことができる。敵に使えばしばらく動きを封じることも可能。 --雲でできた体を生かした体当たり攻撃や、ディープキスで相手の体力を吸い取る攻撃を使い、さらにランクが上がると、回避率を上げる技が使えるようになる。 ''チビヨッシー'' -ウーロン街のホットドック屋から引き取った卵からかえった子供のヨッシー。 --まだ生まれたばかりで名前がないため、名前はプレイヤーが自由につけることになる。卵入手から孵化までの経過時間により身体の色が変わる。 --前方の敵を飲み込んで後方の敵に吐き出すことでダメージを与えたり、ヒップドロップでの連続攻撃の技を覚える。 --フィールド上では今までの作品のヨッシーと同様乗ることができ素早く移動できる他、踏ん張りジャンプで少し離れた足場にも移れる。チビヨッシーがいないと入手できないシャインや星のかけらがあるので、アイテムコンプリートには必須ともいえる。 ''ビビアン'' -今作の敵組織メガバッテンの配下であるカゲ三人組の末っ子。 --ストーリーの流れで名前と体を奪われていたマリオを敵だと知らず、爆弾探しを手伝ってくれたお礼にと仲間になる。 --何時も姉のマジョリンから苛められていた経緯もあって、マリオが体と名前を取り戻した後もマリオの優しさに惹きつかれて仲間としてついていく。 --ランクを上げていくと炎の魔法を使った強力な全体攻撃を覚えるので、大量の敵が出てきたときにはかなりお世話になる存在。 --女の子らしいかわいい外見だが、意外な設定が判明し物議を醸した。 ''バレル'' -ゴロツキタウンに住むボム兵の元船乗り。 --過去に自分の航海中に妻スカーレットを病でなくしたため船乗りを引退したが、彼女の残した手紙を読み再び船乗りとして船に乗ることになった。 --ステージ5のトロピコアイランドに行くためには彼を仲間にする必要がある。 --フィールドで投げるとその場で歩きしばらくたつと爆発。先制攻撃だけでなく高い場所にあるスイッチを押すのにも使える。 --その爆発は戦闘でも申し分なく威力が発揮され、最大ランクで覚える技はビビアンをも上回る火力。HPも高いためストーリー終盤でも敵の強力な攻撃に耐えてくれる頼りがいのある仲間として活躍してくれる。 ''チュチュリーナ'' -ゴロツキタウンのバッジ屋の店長。 --彼女だけは特殊でストーリーではなく特定のクエストをクリアしなくては仲間にならず、ストーリーでも必須となるわけではない。 --戦闘時に敵が所持するアイテム・バッジを奪う技や近くの星のかけらをサーチする能力を持つため、アイテムコンプリートに不可欠な存在。 #endregion **音楽 -全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。 --ややテクノよりだったり、マリオらしくない堅くて重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。 --ちなみに作曲は「ファイアーエムブレム」でおなじみの辻横氏や「マリオ」にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。特にファイアーエムブレムでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。 **難点 -移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。ダンジョン内から脱出するアイテムの類((ポケモンシリーズのあなぬけのヒモ、ドラクエシリーズのリレミトに相当するアイテム。))も無し。 ---地下道に前作同様土管はあるが、土管までが意外と遠い。しかもウーロン街、オドロン寺院にはつながっていない。 --前作では瞬間ダッシュが出来る『スピン』があり、効果が切れる頃にジャンプ→再度スピンを繰り返すことで事実上常にダッシュをする事が出来たが、今作ではこの『スピン』が無くなってしまいダッシュする事が出来ない。 --一応乗るとダッシュ効果になる仲間はいるが、このキャラが仲間になるのは物語の中盤。又、仕掛けによって仲間を切り替える必要があるため常にダッシュという訳にはいかない。土管のような「一度行ったところはスムーズに行ける」仕掛けがエリア間だけでなく仕掛け一つ一つにもあれば良かったのだが。 --そしてこの欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上にかなり距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘・逃走にだんだんとだれてしまう。付け加えるなら道中には催眠攻撃((前作と違い、状態異常無効のバッジはかなり終盤にならないと入手できない。))をしてくるパンジーさんや強力なチャージ攻撃をしてくるハイパー系のクリボー・シンエモンといった難敵ばかり出現するため、面倒さに歯車をかけている。 --ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても''乗り降りがカットできない''(これも割と時間がかかる)。ウーロン街はステージクリア後も何度も行くことになる場所なので、さらに面倒くさい。 --ステージ7のホワイト将軍を探すイベントも上記のウーロン街を含めてあちこち(これまで立ち寄った街ほぼ全部)を行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。 ---ちなみにホワイト将軍を探すイベントは強制ではないがもう一度発生する。 - バトル中ステージの仕掛けが動く瞬間がほとんどノーヒント。建物内で背景が倒れてきたりすると見分けやすいが、草むらくらいの高さだととっさの判断は難しい。 --状態異常を起こすものが多く、ピンチの時に凍らされてしまったりすると本当にお手上げ状態。中には自軍にだけマイナスに働くものもあったりする。 -持てるアイテムの数が少ない(初期で10個)。すぐにアイテムが無くなってしまうため、何度も買いだしに行くハメになることもある。そしてここに前述の「移動のテンポが悪い」という欠点が拍車をかける。 --「100階ダンジョン」で手に入るあるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがある階は50階。難易度も相まってかなりしんどい。 ---ワールド5をクリアしたぐらいのレベルなら取りに行けなくもない。攻略本などではステージ7のあたりで回収することを推奨している。 -クリア後のやり込み要素が薄く、隠しダンジョンである100階ダンジョン以外に特に新しいイベントなどは無い。 --とは言え本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるため、あながち薄いとも言い切れない。 --おなやみセンターという場所で依頼を受けることにより、様々な仕事をすることができるのだが… ---手間がかかる。まともな報酬が貰える依頼もあるが、そういうのに限ってさらに手間がかかる。ゴンババ城に隠れたノコノコを探す、ダンジョン18階で行き倒れたキノピオ救出、''ヤクザの抗争相手の縄張りの高い塀の上に落とした''婚約指輪の捜索、ピカリーヒルズからウーロン街まで雑誌の取立て、もう一度ホワイト将軍の捜索、指定の家にある''椅子''の数を数える、など。 ---だが、報酬が割に合ってない依頼も多い。列車内のシェフに3つ食材(3つとも離れた場所に配置されている)を渡してコイン30枚。金持ちのボンボンが要求してくるアイテムを持って行ってコイン3枚。ウーロン街に行き、パンツを回収してゴロツキタウンに戻り処分して再びウーロン街に戻ってコイン30枚。やる意味あるのか。きらめくパンジーさんでも狩りに行ったほうが効率がいい。 --100階ダンジョンの難易度が高すぎる割に報酬が結構しょぼい。 ---80階付近まではなんてことはないのだが、90階以降に出るマホマホーンという敵は防御力・攻撃力が非常に高く、FPやHPを消費しやすくなるため、必然的にアイテムの使用も増える。 ---防御も固いが体力も結構あり、その上見分け方のない分身や高速で防御も難しいレーザーが猛威を振るい、極め付けには集団で出てくる。ひどい時には、99階で断念せざるを得ないプレイヤーも出た。 ---そして隠しボスを倒した後に貰えるのが「受けたダメージの半分を相手に返す」バッジ。最強の敵を倒した後に最強の武器を貰っても意味が無いとはよく言うが、この場合最強と言う訳でも無い… **本作の大きな特徴 本作最大の特徴はなんと言っても、''およそマリオシリーズらしくないシリアスな世界観・言語など''であろう。((あと妙にシナリオ重視で裏設定とかが無駄に仕込まれてたりとか。))~ 賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。 -まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる''絞首台''が堂々と鎮座している。しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなりヤクザの抗争が展開される。のっけからこれである(ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない。冒頭のキノピオ曰く「この町で他の人の喧嘩に関わってたら命がいくつあっても足りないですからね」)。そしていきなりスリの被害に遭う。 --さらに「''親から金を盗んだ''」「''カードでイカサマした''」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。 --ひらがな表記にされているとはいえ、「''しぬ''」「''ころす''」などといった表現も登場する。 -序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い((実際はオープニングから遭遇しているが、本格的に争うのはステージ2が初となる))」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。だがステージ3では一転、闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴くというミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。 --ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。 -敵である「メガバッテン」の首領であるバツガルフは平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷な性格をしたギャグ要素のない極めて真面目な人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多い為、異彩を放っている。((その点をクリスチーヌに揶揄されていたりするが)) -主にピーチパートで描かれるピーチとあるキャラクター(?)の交流。 -いわゆる''男の娘''((海外版では女設定))が登場する。ちなみにそのキャラ、初見で男とわかるプレイヤーはまずいないし、それを指摘される場面はわずか2箇所のみ。しかも仲間になる。 -他にもステージ3にて''死にかけている人間にハエがたかる''など((ちゃんとステージクリア後回復して登場するが))。 これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になる。~ というか、前作の時点でその片鱗はあったのだが。 **総評 マリオらしくないシリアスなストーリー・人物などの登場により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。((本作がシリーズの路線を決定付けたと言ってもいい。))~ ストーリーは申し分ない出来なので、今までと違うマリオを体験してみたい人はプレイするのをお勧めする。 **小ネタ -ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する(台詞もシャアが言っていたセリフを言うこともある)。 -『[[ファイアーエムブレムシリーズ]]』と『[[カエルの為に鐘は鳴る]]』を初め、他の任天堂作品のパロディもチラホラ登場する。&bold(){}
*ペーパーマリオRPG 【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0002ER6BA)| |対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2004年7月22日|~| |定価|5,800円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/342.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオストーリー]]』の正式な続編。仮題段階では『マリオストーリー2』とされていた。~ ストーリーには絡まないが、前作に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する。 **ストーリー ある日、マリオの元にピーチ姫から手紙が届く。 「私は今、キノコ王国を巡る旅に出ているのですが、宝の地図を手に入れました。ゴロツキタウンという街で物売りのおばあさんからもらった箱に入っていたのです。私一人じゃ宝探しは大変なので手伝ってください。地図は手紙に入れておいたのでそれを持って、必ず来てください。ゴロツキタウンの港で待っています。」 その手紙を読んでゴロツキタウンの港に来たマリオだったが、ピーチ姫の姿が見当たらない。港で姫を探すうちにクリボーの女子大生、クリスチーヌに出会う。 彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。 フランクリによると、伝説の宝を手にするためには7つのスターストーンという宝石を集め、1000年の扉を開かなければならないという。この地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったのである。 宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるだろうと思い、マリオは新たな冒険に出るのであった。 **システム -登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。 --前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。 -基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。 --細かい点で言うなら、新たに「スーパーガード」が搭載されていることが挙げられる。通常のガードよりは判定が厳しいものの成功すればダメージが0かつ逆にダメージを与えられるというシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。レッツゴージャスティーン! ---さらに言えば、たとえラスボス戦であっても、このスーパーガードを駆使することでノーダメージクリアが可能となっている。仕様を把握すれば防御を捨てても構わない為、縛りプレイにももってこい。 --アクロバットの追加。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊なアクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じてスターパワーが追加される。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに追加される。 --こちらも細かい変更点だが、ジャンプのアクションコマンドが前作は「敵を踏む直前」にボタンを押すのに対し、近作は「敵を踏む瞬間」にボタンを押すなっている。 なれればどうと言うことは無いが、前作をやり込んだ人ほど最初は違和感を感じるかもしれない。 -新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており((当初は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、スターパワーをくれない客や物を投げつけてくる客もいる。さらに一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復することも。ちなみに、観客の中には本作では登場しないヘイホーや、低確率でルイージもいる。))、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく(逆にアクションコマンドをミスするなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう)。他にも照明器具が落ちてきたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり視界が悪くなったりなど、劇場の小道具を利用した仕掛けが数多く存在する。 -戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。 --技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。 -アクションコマンドを決めるとキノコ・フラワー・スター・シャイン・毒キノコの絵柄がスロットのように表示され、2つ絵柄が揃っている状態でアクションコマンドを決めるとスロットイベントが発動。揃った絵柄に応じて変化が起こる((キノコはHP全回復と観客満員、フラワーはFP全回復と観客満員、スターはスターパワー全回復と観客満員、シャインは全ステータス全回復と観客満員、毒キノコはHPとMPが半減に加え観客ゼロ。))。 -ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が現われることがある。これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。 --ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。 -ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入される他、今作はスーパークッパブラザーズ(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。((地上、水中、城と全ての面が再現されている。スーパーキノコに相当するアイテムは肉で、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。この「巨大化」はのちの「New スーパーマリオブラザーズ」や「スーパーペーパーマリオ」などにも登場している。))。 -前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする事に彼の話を聞く事ができる。同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に購入して読むことができる((ただし、話はかなり美化されている。全6巻でやたら高値。))。どうでもいいが、こちらのラスボスは何故かクリキング(前作プロローグのボス)である。 -バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。 -収集要素。 --敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。基本的に取り返しのつかない要素は無いので安心しよう。 **個性溢れる仲間キャラ -今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。本作を攻略するにはギミックも戦闘も全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない((隠しキャラであるチュチュリーナは仲間にしなくてもクリア可能))。 -また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され((HPがゼロの状態でバトルを終えるとHP1の状態で復活できる。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。))、これにより戦略の組み方が変わった。 #region(仲間一覧) ''クリスチーヌ'' -考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。 --前作でいうクリオポジションで特技はクリオ同様に『ものしり』。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。全ての人物に大してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。メタ発言をすることも。 --本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、すべての敵キャラにものしりをするといった遊び方も可能。ちなみに、戦う機会が限られているボスキャラにものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。 --攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。 ''ノコタロウ'' -ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。 --甲羅になることで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。 --地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がると防御無視の技も覚える。防御力が1あり、地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう。 ''クラウダ'' -昔、舞台女優だったふしぎの森に住む雲の精霊で、名前は雲を意味する英単語「cloud」からきている。 --引退後の単調な生活にはなかった刺激を求めてマリオの冒険についてきた。 --フィールド上では強い風を吹いていろいろなものを吹き飛ばすことができる。敵に使えばしばらく動きを封じることも可能。 --雲でできた体を生かした体当たり攻撃や、ディープキスで相手の体力を吸い取る攻撃を使い、さらにランクが上がると、回避率を上げる技が使えるようになる。 ''チビヨッシー'' -ウーロン街のホットドック屋から引き取った卵からかえった子供のヨッシー。 --まだ生まれたばかりで名前がないため、名前はプレイヤーが自由につけることになる。卵入手から孵化までの経過時間により身体の色が変わる。 --前方の敵を飲み込んで後方の敵に吐き出すことでダメージを与えたり、ヒップドロップでの連続攻撃の技を覚える。 --フィールド上では今までの作品のヨッシーと同様乗ることができ素早く移動できる他、踏ん張りジャンプで少し離れた足場にも移れる。チビヨッシーがいないと入手できないシャインや星のかけらがあるので、アイテムコンプリートには必須ともいえる。 ''ビビアン'' -今作の敵組織メガバッテンの配下であるカゲ三人組の末っ子。 --ストーリーの流れで名前と体を奪われていたマリオを敵だと知らず、爆弾探しを手伝ってくれたお礼にと仲間になる。 --何時も姉のマジョリンから苛められていた経緯もあって、マリオが体と名前を取り戻した後もマリオの優しさに惹きつかれて仲間としてついていく。 --ランクを上げていくと炎の魔法を使った強力な全体攻撃を覚えるので、大量の敵が出てきたときにはかなりお世話になる存在。 --女の子らしいかわいい外見だが、意外な設定が判明し物議を醸した。 ''バレル'' -ゴロツキタウンに住むボム兵の元船乗り。 --過去に自分の航海中に妻スカーレットを病でなくしたため船乗りを引退したが、彼女の残した手紙を読み再び船乗りとして船に乗ることになった。 --ステージ5のトロピコアイランドに行くためには彼を仲間にする必要がある。 --フィールドで投げるとその場で歩きしばらくたつと爆発。先制攻撃だけでなく高い場所にあるスイッチを押すのにも使える。 --その爆発は戦闘でも申し分なく威力が発揮され、最大ランクで覚える技はビビアンをも上回る火力。HPも高いためストーリー終盤でも敵の強力な攻撃に耐えてくれる頼りがいのある仲間として活躍してくれる。 ''チュチュリーナ'' -ゴロツキタウンのバッジ屋の店長。 --彼女だけは特殊でストーリーではなく特定のクエストをクリアしなくては仲間にならず、ストーリーでも必須となるわけではない。 --戦闘時に敵が所持するアイテム・バッジを奪う技や近くの星のかけらをサーチする能力を持つため、アイテムコンプリートに不可欠な存在。 #endregion **音楽 -全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。 --ややテクノよりだったり、マリオらしくない堅くて重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。 --ちなみに作曲は「ファイアーエムブレム」でおなじみの辻横氏や「マリオ」にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。特にファイアーエムブレムでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。 **難点 -移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。ダンジョン内から脱出するアイテムの類((ポケモンシリーズのあなぬけのヒモ、ドラクエシリーズのリレミトに相当するアイテム。))も無し。 ---地下道に前作同様土管はあるが、土管までが意外と遠い。しかもウーロン街、オドロン寺院にはつながっていない。 --前作では瞬間ダッシュが出来る『スピン』があり、効果が切れる頃にジャンプ→再度スピンを繰り返すことで事実上常にダッシュをする事が出来たが、今作ではこの『スピン』が無くなってしまいダッシュする事が出来ない。 --一応乗るとダッシュ効果になる仲間はいるが、このキャラが仲間になるのは物語の中盤。又、仕掛けによって仲間を切り替える必要があるため常にダッシュという訳にはいかない。土管のような「一度行ったところはスムーズに行ける」仕掛けがエリア間だけでなく仕掛け一つ一つにもあれば良かったのだが。 --そしてこの欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上にかなり距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘・逃走にだんだんとだれてしまう。付け加えるなら道中には催眠攻撃((前作と違い、状態異常無効のバッジはかなり終盤にならないと入手できない。))をしてくるパンジーさんや強力なチャージ攻撃をしてくるハイパー系のクリボー・シンエモンといった難敵ばかり出現するため、面倒さに歯車をかけている。 --ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても''乗り降りがカットできない''(これも割と時間がかかる)。ウーロン街はステージクリア後も何度も行くことになる場所なので、さらに面倒くさい。 --ステージ7のホワイト将軍を探すイベントも上記のウーロン街を含めてあちこち(これまで立ち寄った街ほぼ全部)を行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。 ---ちなみにホワイト将軍を探すイベントは強制ではないがもう一度発生する。 - バトル中ステージの仕掛けが動く瞬間がほとんどノーヒント。建物内で背景が倒れてきたりすると見分けやすいが、草むらくらいの高さだととっさの判断は難しい。 --状態異常を起こすものが多く、ピンチの時に凍らされてしまったりすると本当にお手上げ状態。中には自軍にだけマイナスに働くものもあったりする。 -持てるアイテムの数が少ない(初期で10個)。すぐにアイテムが無くなってしまうため、何度も買いだしに行くハメになることもある。そしてここに前述の「移動のテンポが悪い」という欠点が拍車をかける。 --「100階ダンジョン」で手に入るあるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがある階は50階。難易度も相まってかなりしんどい。 ---ワールド5をクリアしたぐらいのレベルなら取りに行けなくもない。攻略本などではステージ7のあたりで回収することを推奨している。 -クリア後のやり込み要素が薄く、隠しダンジョンである100階ダンジョン以外に特に新しいイベントなどは無い。 --とは言え本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるため、あながち薄いとも言い切れない。 --おなやみセンターという場所で依頼を受けることにより、様々な仕事をすることができるのだが… ---手間がかかる。まともな報酬が貰える依頼もあるが、そういうのに限ってさらに手間がかかる。ゴンババ城に隠れたノコノコを探す、ダンジョン18階で行き倒れたキノピオ救出、''ヤクザの抗争相手の縄張りの高い塀の上に落とした''婚約指輪の捜索、ピカリーヒルズからウーロン街まで雑誌の取立て、もう一度ホワイト将軍の捜索、指定の家にある''椅子''の数を数える、など。 ---だが、報酬が割に合ってない依頼も多い。列車内のシェフに3つ食材(3つとも離れた場所に配置されている)を渡してコイン30枚。金持ちのボンボンが要求してくるアイテムを持って行ってコイン3枚。ウーロン街に行き、パンツを回収してゴロツキタウンに戻り処分して再びウーロン街に戻ってコイン30枚。やる意味あるのか。きらめくパンジーさんでも狩りに行ったほうが効率がいい。 --100階ダンジョンの難易度が高すぎる割に報酬が結構しょぼい。 ---80階付近まではなんてことはないのだが、90階以降に出るマホマホーンという敵は防御力・攻撃力が非常に高く、FPやHPを消費しやすくなるため、必然的にアイテムの使用も増える。 ---防御も固いが体力も結構あり、その上見分け方のない分身や高速で防御も難しいレーザーが猛威を振るい、極め付けには集団で出てくる。ひどい時には、99階で断念せざるを得ないプレイヤーも出た。 ---そして隠しボスを倒した後に貰えるのが「受けたダメージの半分を相手に返す」バッジ。最強の敵を倒した後に最強の武器を貰っても意味が無いとはよく言うが、この場合最強と言う訳でも無い… -バッジの「複数付けると~」がほぼ死に設定、もしくは役に立たない --本作のバッジは複数同じものをつけると効果がアップする(ガツーンナグーリを2つ以上つけると消費FPと与えるダメージが増加する、ハートスイトールを2つつけると攻撃は2下がるが、攻撃後にHPを2回復できるなど)ようになっているのだが、普通のストーリーだけをやっていたら肝心のバッジが1つしか手に入らない物が非常に多い((と言うより、ミニゲームの景品以外はほとんどが1つか2つしか取れない))。 ---これだけならまだしも、アクション系バッジの「消費FP増加」は''累乗''になっており、調子に乗ってガツーンナグーリやツギツギジャンプ(両方簡単に無限に入手できる数少ないバッジ)などをつけまくると''技1つに256や999もの消費FPを要求される''羽目になる。当然こんなことするならパワープラスやモロハノヤイバ―を複数集めてきてマリオの火力を増した方が良い。 ---更に、1つか2つしか手に入らないバッジをそれ以上手に入れようとするなら雑魚のドロップしかない。2個目以降はレアドロップのみのバッジが非常に多いが、そのドロップ確率は1%よりはるかに低い。 **本作の大きな特徴 本作最大の特徴はなんと言っても、''およそマリオシリーズらしくないシリアスな世界観・言語など''であろう。((あと妙にシナリオ重視で裏設定とかが無駄に仕込まれてたりとか。))~ 賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。 -まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる''絞首台''が堂々と鎮座している。しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなりヤクザの抗争が展開される。のっけからこれである(ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない。冒頭のキノピオ曰く「この町で他の人の喧嘩に関わってたら命がいくつあっても足りないですからね」)。そしていきなりスリの被害に遭う。 --さらに「''親から金を盗んだ''」「''カードでイカサマした''」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。 --ひらがな表記にされているとはいえ、「''しぬ''」「''ころす''」などといった表現も登場する。 -序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い((実際はオープニングから遭遇しているが、本格的に争うのはステージ2が初となる))」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。だがステージ3では一転、闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴くというミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。 --ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。 -敵である「メガバッテン」の首領であるバツガルフは平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷な性格をしたギャグ要素のない極めて真面目な人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多い為、異彩を放っている。((その点をクリスチーヌに揶揄されていたりするが)) -主にピーチパートで描かれるピーチとあるキャラクター(?)の交流。 -いわゆる''男の娘''((海外版では女設定))が登場する。ちなみにそのキャラ、初見で男とわかるプレイヤーはまずいないし、それを指摘される場面はわずか2箇所のみ。しかも仲間になる。 -他にもステージ3にて''死にかけている人間にハエがたかる''など((ちゃんとステージクリア後回復して登場するが))。 これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になる。~ というか、前作の時点でその片鱗はあったのだが。 **総評 マリオらしくないシリアスなストーリー・人物などの登場により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。((本作がシリーズの路線を決定付けたと言ってもいい。))~ ストーリーは申し分ない出来なので、今までと違うマリオを体験してみたい人はプレイするのをお勧めする。 **小ネタ -ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する(台詞もシャアが言っていたセリフを言うこともある)。 -『[[ファイアーエムブレムシリーズ]]』と『[[カエルの為に鐘は鳴る]]』を初め、他の任天堂作品のパロディもチラホラ登場する。&bold(){}

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