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サンダーフォースV - (2016/09/24 (土) 22:53:21) の1つ前との変更点

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*サンダーフォースV 【さんだーふぉーすふぁいぶ】 |ジャンル|横シューティング|CENTER:&image(199004_14469_front.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3872&file=199004_14469_front.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3872&file=199004_14469_back.jpg]]| |対応機種|セガサターン|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1997年7月11日|~| |定価|7,800円|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:[[''サンダーフォースシリーズリンク ''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1225.html]]| ---- #contents ---- **ストーリー 西暦2106年、現人類の技術をはるかに超えた兵器(前作『[[サンダーフォースIV]]』の自機)が宇宙で発見された。~ 「Vasteel」と名付けられたそれを解析して得られた超技術「Vasteel Techonlogy」は、人工知能「ガーディアン」の完全な管理下での開発・運用によって、人類に新たな繁栄の時代を齎す。~ しかし西暦2150年、突如「ガーディアン」は人類に反旗を翻し、超兵器群による攻撃を仕掛ける。総人口の1/3を失った人類は、「Vasteel」の複製兵器「RVR-01 "GAUNTLET"」によって構成された部隊「ThunderForce222」による奇襲作戦にすべてを賭ける……。 **概要 -テクノソフトによる家庭用横スクロールSTG『サンダーフォース』シリーズの第5作目。『IV』発売から実に5年振りとなる続編だった。 --今までのシリーズは架空の勢力「銀河連邦」と「オーン帝国」の戦いを描いていたが、今作では舞台が地球に移った。 --『IV』の時もそうであった様に、前作を開発したメンバーの殆どが既に退社していた為、やはりスタッフの顔触れは大幅に替わっている。 -「2Dの操作性、3Dの迫力。」と謳い文句にある様に、グラフィックは3Dポリゴンで描かれているが、ゲーム性自体は従来通りの2D横スクロールSTG。 -システムは横STGとしてオーソドックスなもので、複数のショットを随時切り替えて戦うスタイルは変わらない。 --全7面構成((内、ステージ7はラスボス戦のみなので実質的には6面と言っていい。))で、ステージ1~3は攻略順を任意に選択可能。 --難易度は初期状態だとKIDS、NORMAL、HARDの3段階。隠しで最高難度のMASTERも存在する。 --一部のポイントでは、敵が出現する場所を事前に「DANGER」という文字表記で教えてくれる様になった。ただし、難易度が上がる毎に表示される場所が減っていき、MASTERではほぼ表示されなくなる。 --前作では自機のスピードは25%~100%の間で調整出来たが、本作では50%~100%の間となっている。((前作でも25%などは遅すぎて使われていなかった。)) --サンダーソードに代わり、補助装備「クロー」の耐久力を消費する事で攻撃力を激増させる「オーバーウェポン」が導入された。 ---クローの耐久力は時間経過やクローアイテム回収で回復するが、耐久力が最低の状態(しぼんで赤色になる)で敵弾を受けると消滅してしまう為、油断すると思わぬ所で火力低下を招く事になる。 --武器の切り替え方法について、従来通りに切り替えボタンで武器を順繰りに替えていく「セレクトモード」と、各ボタンへ武器を個別に割り当てられる「ダイレクトモード」の二種類が用意された。 --他、敵を早く倒すことでスコア倍率が高くなる「ハイテンポボーナス」、敵やオブジェに接近することでスコアの入る「スクラッチボーナス」が実装され、新たな楽しみが増えた。 ***装備 -武器は以下の5(+2)種類((ちなみにオーバーウェポンも全て独自の名称がある。また、武器ではないが6番目のオーバーウェポンとしてイシュターエッジ(VAMBRACE使用時に展開する光の翼)が存在する。))。武器アイテムを取得する毎に装備が増え、武器切り替えボタンで切り替え可能。 --''TWIN SHOT(ツインショット)'' : 標準装備。前方への2連ショット。オーバーウェポン時は強力なビーム。 ---''BLADE(ブレイド)'' : ステージ5以降の標準装備。前方へ判定の大きい刃状の弾を発射。着弾すると爆風発生して追加ダメージ。オーバーウェポンはツインショットと同様。 --''BACK SHOT(バックショット)'' : 標準装備。前方と後方へショットを撃つ。オーバーウェポン時は後方へ電撃放射。 ---''RAIL GUN(レールガン)'' : ステージ5以降の標準装備。後方へ強力なレーザーを発射する。オーバーウェポンはバックショットと同様。 --''WAVE(ウェーブ)'' : 空間を振動させて攻撃。自機の数倍太い継続ダメージ型の貫通レーザーといったところ。地形や敵など全てを貫通する。オーバーウェポン時は威力と攻撃範囲が広がる。 --''FREE RANGE(フリーレンジ)'' : 展開した照準内に入った敵を自動的にレーザーで攻撃する。照準は自機の動いた反対側に回すことができ、360度回転が可能でショットボタン押しっぱなしで角度固定。オーバーウェポン時はレーザーが電撃になる。 --''HUNTER(ハンター)'' : シリーズでおなじみの敵を追尾するホーミング弾。ただし地形貫通性能は無くなった。オーバーウェポン時は弾が細いレーザー状になり、通常版のホーミングして曲がるではなく、完全に敵の位置まで移動するようになる。 -その他の装備 --''CRAW(クロー)'' : 自機の周囲を回転しながら補助攻撃を行い、かつ敵弾を防ぐ攻防一体の補助装備。本作ではアイテム取得時に1つ装備され、最大で3個まで同時に装備可能になった。また、クローの装備数に応じて武器の威力や攻撃範囲が向上するようになっている。 --''SHIELD(シールド)'' : 敵の攻撃を三回まで防いでくれる。耐久力が3だと青、2だと緑、1だと赤に色が変化する。 ---- **評価点 -&bold(){評価が高い演出} --3Dポリゴンを生かした派手な演出やBGMと見事に同期したステージ展開等、総じて演出関係のレベルは高い。 --SSはPSに比べてポリゴンに弱いのだが、グラフィックは当時としては十分に綺麗でそれを感じさせない。また、ゲームに支障が出る様な処理落ちもほとんど無い。 --特に評価が高いのがステージ5で、強化支援ユニット「ブリガンディ」を装備しての成層圏突破、前作の自機との対決等、見どころが多い。 ---そのステージ5にて自機が「ガントレット」から「ヴァンブレイス」に変化するという、STGでは珍しいゲーム中での主役機交代が行われる。 ---この主役機変化は前作IVでもあり、更に変化後も前作を彷彿させる。しかもブリガンディが破壊されるまでは隠されているというサプライズも仕込まれている。前作をプレイした人はこうした「血統」の演出に思わずニヤリとさせられる。 ---更にそこのボスは「Vasteel Original」=前作の自機。「血統」同士の対決。相手も強化ユニットを持ってきて、そこにかかるBGMは前作OP。重ね重ねの演出にテンション上がりまくり。 --演出・構成・システムなどシリーズをしっかり踏襲しながら、知らなくても問題ないという絶妙の塩梅。オプションメニューなどにも統一された雰囲気作りが徹底している。 --自機の死亡パターンにも特殊なものが用意されていたりする。地面を引きずり回されて爆散したり、掴まれてもみくちゃにされた後ポイ捨てされたりする様は必見。 -&bold(){シリーズ恒例の熱いBGM×ステージ展開とのシンクロ} --ギターサウンドメインの熱いBGM。ステージ進行と完璧にシンクロしているステージ1BGM「Legendary Wings」やステージ5BGM「Steel of Destiny」、最終ボス戦にふさわしい荘厳さと熱さを併せ持つ「The Justice Ray PartII」、感動のエンディングを彩る「Last Letter」が特に人気。 --「Legendary Wings」のサビ部分が『[[III>サンダーフォースIII]]』のステージ1BGM「Back to The fire」のメロディーになっているなど、BGM面でのオマージュも多く、ファンから好評だった。 --ステージ進行とサウンドを完全に同期させているため、ヘビーシューターでなくてもこのゲームをやりこめば「この音楽ならあのステージ、そして2周目ならあの敵がここから出てくる」と思い浮かべるのは容易、と攻略とプレイヤー自身のテンポアップにも貢献している。 -&bold(){傑出した爽快感} --オーバーウェポンにより、爽快感は更に向上。特に「フリーレンジ」を使用した際の圧倒的な攻撃力は、他のSTGでは中々お目にかかれないものがある。 --ハイテンポボーナスや、サウンドとステージ展開の同期によるパターン覚えのしやすさも、出てくる敵をガンガン撃破するというシューティングの爽快感を助長している。 -&bold(){操作性の向上} --「ダイレクトモード」の実装により、武器の切り替えが直感的に出来るようになった。 ---コントローラーの各ボタンに武器を1つずつ割り振る操作方式。最初は戸惑うが、慣れれば使いたい武器を即使用可能になる。従来通りの切り替え方式も選択可能。 -&bold(){前作問題点へ改善策を導入} --耐久力が高い敵に攻撃が当たると敵が白く光るようになり、耐久力ゲージ表示も追加され、攻撃が効いているかどうかが分かりづらいという前作の欠点が解消された。 --ブレイドの判定が大きすぎてボスの弱点に当たらなかった点は、ガードするような部位を設けないことで対応。 --クローも3個&判定大きくなり、前作ではほぼおまけ要素だったクローによる弾消しを十分狙ってできる。 --その他にも、デフォルト装備(ツインショット・バックショット)の威力向上、死亡してもクローが回収可能、これらにより立て直しが比較的容易になるなど、前作問題点の改善が多数見られる。 --ただし、プレイ時間が長すぎる・難しすぎるなどの改善は行き過ぎとも解釈されるところ。(詳細は賛否両論点・短所) -&bold(){個性的な上に様々な形態に変わって攻撃してくるボス} --ボスの攻撃パターンがかなり豊富で、ほとんどのボスに2~3形態分のパターンが用意されている。大抵の場合は瞬殺されてしまうので、じっくり見られる事があまり無いのが惜しい所。 --人型形態と飛行形態とにめまぐるしく変形し、死ぬ間際にはド派手な最後の一撃を放ってくる「Guardian's Knight」や、巨大なサポートユニットをとっかえひっかえ装備してくる「Vasteel Original」((前作の主人公機「RYNEX」を改修した機体で「Vasteel Techonlogy」の基となったオーパーツ。ステージ後半部分でも登場し、『IV』と同様の武器であるブレイド・フリーウェイ・スネークで攻撃してくる。))等、実に個性的な面子が揃っている。 -&bold(){評価が高いハードなSFテイストのシナリオ} --ラスボスであるガーディアンの意外な行動、真のエンディングで語られる反乱の理由に驚いたプレイヤーも多かった。現在でも「感動したゲームのED」で度々本作の名前が挙がる程。 ---真エンディングのガーディアンの音声は、外人の英語教師の発音をサンプリングしており非常に流暢で世界観にもマッチしている。[[モンゴル語はその道では知らぬ者のいないプロに頼んだ外伝の出来損ない>サンダーフォースVI]]とは雲泥の差である。 --設定も細かく作り込んであり、PCに読み込むことでゲームディスク内に収録されているテキストファイルを観覧可能。 --こうした理由を知ってからプレイすると、途中のステージ背景の艦隊戦や、ガーディアンが女性を思わせる理由、最後の行動と語る際の背景、そもそも何故自機へ執拗な攻撃を仕掛けるのかが、知る前と全く違って見えるあたりも深い。 **問題点 -&bold(){演出を強く意識したが故の弊害} --確かに演出は素晴らしいが、''演出を意識し過ぎた''感が強い。特にステージ1・5はボス以外演出面といっていいほどの戦略性のなさ。 --また、中型の敵を早く倒すと敵が出てこない「間」が発生する場所が全体的に目に付く。ハイテンポボーナスもあり、パターンを覚え上手くなるほど間ができるという状態になってしまう。 --サウンドとステージ展開の同調を取っているため、速攻撃破で間ができるのは仕方ないが、何らかの穴埋めは必須だったのでは。 -前作と比較しての&bold(){見やすさの低下} --3Dに変更されたことで一部の敵弾が見づらくなった他、従来の作品では完全に切り離されて表示されていたステータスウィンドウがゲーム画面に被って表示されている等、見易さの面ではやや劣化した。 --一応ウィンドウに関してはプレイ中にオン・オフを切り替える事が出来るので、プレイの邪魔になる事はあまりないが。 --なお、ダイレクトモードに慣れればウィンドウ表示の必要は無いため、その点でもダイレクトモード推奨。 --ただスコア表示すら無いフル画面で戦闘ができるというのは、演出的には美点。また見づらい敵弾が高速や多数で迫るような状況はないため、あまり問題でもない。 -&bold(){武器バランスの悪さ} -「フリーレンジ」一強状態。面によっては自機はほぼ動かず、敵の出る方向にフリーレンジの照準を合わせ撃つだけのゲームに。 --ブレイド、レールガンより高威力&広範囲適応なため、パターン慣れしていれば前方攻撃・後方攻撃もフリーレンジで済む。勿論上下斜めはフリーレンジの独壇場。 ---上下斜めに撃っても火力が変わらないし自動で1点集中するので、ボス戦などで危険な正面を避けてフルに撃ち込めるのも強い。 --一応、レンジ内に敵が複数居た場合は攻撃力が分散してしまうという欠点はあるのだが、パターン覚えとオーバーウェポン・接射を使えば端から瞬殺できるので、欠点をフォローできて余りある。 --また、フリーレンジは敵に接近する程に威力が高くなるのだが、キッチリと張り付いてオーバーウェポンを使えばボスすらも瞬殺出来てしまう。ハイテンポボーナスの存在もあって、余計に他の武器を使う機会が少なくなる。 ---一応、敵に接近するというリスキーな行動あってこその威力である為、フリーレンジを完璧に使いこなせるという事はそれだけやり込んだ証と言えなくも無いが、フリーレンジを中心にしたパターンを組むとラスボス以外死ぬ要素が全く無くなり非常に大味なゲームになってしまう。その一方で、この圧倒的な攻撃力で敵を瞬殺していく爽快感が良いという意見も少なくなく、この辺をどう受け取るかで本作の評価も大分変わってくる。 --フリーレンジの性能で隠れているが、ハンターも相変わらず強い。地形貫通性能こそ無くなったが、そもそも地形自体が殆ど存在しないのであまり関係無かったりする。 ---そのハンター。オーバーウェポンを含めれば、フリーレンジの苦手な多方面同時攻撃・アドリブ・パターン崩れからの立て直しに強い。結果、一部でツインショット(ブレイド)のオーバーウェポンが使われる以外、「基本全てフリーレンジ。時にハンター」で済んでしまう。 --ウェーブは威力があまりにも低い為に非常に使いにくく、地形等貫通性能も活かせる場面が少ない。ステージ4ではかなり活躍するものの、他のステージではまず使われない。精々ステージ6に登場する手裏剣型のザコ((無敵部位で弱点をガードしているので、貫通性能を活かせる))を捌く時に使われるぐらいか。まあここもフリーレンジで抜けることが十分可能なのだが。 ---このウェーブの様に、要所で各武器が活躍する場面もちゃんと用意されてはいるのだが、フリーレンジがあまりにも万能過ぎる故にそれらの出番を食ってしまった感が否めない。 -ボリュームが少なめ --クリアするまでに1時間近くかかった前作『IV』から一転し、本作は30分程度でクリア可能。これに関しては「テンポが良い」「ボリューム不足」と意見が分かれる所。 -前作までの伏線等の未解消 --世界観変更に伴い、前作で新たに登場した敵「ファウスト」の正体等、前作で張られた伏線が放置されてしまった事を残念がるシリーズファンもいた。 --サウンドや演出はしっかりシリーズものしているため、余計にここも欲しかったと思ってしまう。 --別会社の手による『[[サンダーフォースVI]]』でその辺の伏線を回収する展開が見られたものの、逆に伏線無視やこじつけ設定が多く悲惨な結果となった。 -スコアがカンストしやすく、スコアアタックでの面白さの半減。 --表記上は9億9999万9999点でカンストなのだが、ゲーム終了時にクリアボーナスが加算された際にスコアが10億を超えた場合には、ランキングにちゃんと「10億点台のスコア」として登録される((ただ、画面上では十億の位が表示されない為、パッと見では「億に満たないスコアや1億点台のスコアが9億点台のスコアより上にランクインしている」という、やや変な状態になってしまうのだが。))。ゲーム中に9億9999万9990点(クリアボーナス抜きだとこれが限界)を稼ぎ、1UPアイテムを取りこぼさず入手し、フル装備かつノーミスの状態でクリアボーナスを得た際のスコアが本当の意味での「カンストスコア」という事になる。 --後に発売されたPS版ではカンスト問題が解消されている。 -ボス戦でクローが無いとオーバーウェポンが使えず、ほぼ詰む。 --前作までもサンダーソードといった強力な武器を失うとボス戦で苦戦しやすくなる事があったが、今作はボスの耐久力がオーバーウェポン使用を前提とした高さになったため、それ以上に倒すのが困難。 --とは言え、自機が撃墜された際には装備していたクローが画面中にばら撒かれ、復帰後にそれを回収する事でクローを再装備出来るようになっている((なお再回収したクローは耐久力が全回復している。取って即消滅はなく、すぐにオーバーウェポン使用可能。))上、大抵はボス戦の最中でもクローアイテムが補充されてくるので、ボス戦でクローが無い、という事態に陥らないような配慮はちゃんとされている。ゲームオーバーになってしまった場合でも、コンティニューするとステージ最初からやり直しになるので、そこから装備を整えていけば問題ない。 --しかし、ラスボス戦オンリーのステージ7だけは別で、ステージ中にアイテムがほとんど登場せず((ボスの形態移行時にクローを輸送してくる補給機が計2回出てくるのと、ラスボスのサンダーソードを破壊することでクロー3つがばら撒かれるのみ。初期装備以外の武装は入手できない。))、ゲームオーバーになってからの立て直しが絶望的。ラスボスの全3形態を全てハイテンポボーナスの時間以内に倒せたか否かでエンディングが変化するのだが、この状態からハイテンポボーナス時間内にラスボスを倒すのは相当難しく、ほぼ確実にバッドエンディングを拝む羽目になる。 ---そもそもラスボス自体、第3形態は見てからの回避がまず無理な上に、パターン化も不可能な攻撃を連打する完全な運ゲーと化しており、ゲーム全体を見てもここだけ極端に難しい歪な難易度になっている。特にサンダーソード((ラスボスのみが使用する前作の最強武器。剣状のエネルギーを前方に放つ攻撃。))は発動から初見殺し。更にその馬鹿でかい剣を実体化させ画面の半分以上も埋め尽くす斬撃を素早く繰り出してくる。…シールド・フリーレンジが無いと厳しすぎる。 ---PS版ではラスボスの攻撃アルゴリズムが見直され、また頭部の耐久力が大幅に下げられており、SS版に比べるとかなり弱体化した。 ---- **総評 ゲームとしては荒削りな部分もあるものの、(良くも悪くも)爽快感溢れるゲーム内容と、ストレートな格好良さをとことんまで追求した演出やBGMは多くのプレイヤーから高く評価され、当時発行されていた「セガサターンマガジン」の読者投票ランキングにて6週連続1位に輝くという快挙を達成。~ 現在でも「演出重視STG」としては同時期に発売された『[[レイストーム]]』『[[蒼穹紅蓮隊]]』『[[アインハンダー]]』等と並び、名作として名が挙がるタイトルとなっている。~ 複数の武器を使い分ける緻密な戦略性などを求めると肩透かしを食らうだろうが、「とにかくカッコイイSTGがプレイしたい」というユーザーにはオススメの一本である。 ---- **余談 -当時は旧作BGMのアレンジ曲を収録した音楽CD「Best of Thunder Force」を同封した『サンダーフォースV スペシャルパック』も同時発売された。 --音楽CDは後に単品版も発売されている。 -発売前に配布された体験版の段階では激しい処理落ちが発生していたが、製品版では前述通り処理落ちはほぼ無くなっている。 -実は本来はギリシャ文字ではなく英字の「&bold(){V}」を冠する予定(=ナンバリングタイトルではなかった)だった。これはストーリー自体がほぼ外伝なのと、ストーリーの中核である「Vasteel」に引っ掛けたもの。 -一時期メガドライブ用に『V』が開発されていた(内容的には本作と全く別物)事もあった様だが、日の目を見ることなくお蔵入りとなったらしい。 --本作の代表曲の一つ「Steel of Destiny」は本来MD版『V』の1面用BGMとして用意されていたもの。 -メカニカルデザインの一部から『ガンダム・センチネル』のオマージュが見られる他、ボスの名称や主人公の設定など、アニメや洋楽からのパロディ要素も多数見受けられる。 -テクノソフトの倒産、2007年の『BROKEN THUNDER』事件、2008年に発売された『VI』の惨状等もあり、本作の値段がかなり高騰していた時期もあった(特にPS版)。 --PS版がゲームアーカイブスで配信されて以降は少し落ち着いてきているが、それでも店によっては未だに高額で販売されている。 --また、『VI』の惨状を受けて最近はファンの間で『V』が「シリーズ最終作」扱いを受ける事も多くなっている。テクノソフト純正のサンダーフォース最終作、という意味では間違っていないが。((もっとも、ゲーム誌のサンダーフォースシリーズ特集でも、VIは全く触れられていなかったりする)) ---- *サンダーフォースV Perfect System 【さんだーふぉーすふぁいぶ ぱーふぇくとしすてむ】 |ジャンル|横シューティング|&amazon(B000069S7Y)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1998年5月21日|~| |定価|6,090円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(Perfect System) //同じ項目名が複数存在すると、#contentsプラグインのリンク機能が正常に働かなくなってしまうため、項目名を「概要」→「概要(Perfect System)」に変更しました -SS版の翌年に発売された、PSへの移植版。ゲームアーカイブスでも配信されていた。 --ボスと連続で戦いそのクリアタイムを計る「タイムアタック」、ボスグラフィックやCG・テキスト等が鑑賞できる「デジタルビューア」が新たに追加された。 --設定上にのみ存在した「ガントレット」の性能違い版3種類((元々設定自体はSS版の時点で存在しており、量産型のEは、SS版でもステージ5の背景で撃墜されている姿が確認できる。))を隠し機体として追加。 ---ただし、ステージ5からは通常通り「ヴァンブレイス」に乗り換える為、使えるのはステージ4まで。 --OPやED、ステージ5と6の間にムービーが入る様になった。スタッフロールも新規のものに変わっている。 --敵から入手出来るスコアが減った事に加え、スコアの最大桁が一つ増えた事でカンスト問題は解消された。他にも効果音が追加されたり、一部で発生していた処理落ちを完全に解消する等の改善点がある。 ---一方でハードスペックの関係上、背景グラフィック等2D関連は地味になっていたり、解像度の違いから横が若干つぶれていたり劣化した部分がある。ただし3D関連は一部綺麗になっている。 ---またBGMのフォーマットがCD-DAからXAに変更されたため、音質が多少悪くなっている等の劣化点も。一面BGM「Legendary Wings」は特に音質が変更されている。これはマスターを無くした事が原因。 --ラスボスの頭部に攻撃すると通常より多くダメージが与えられる様になっており、SS版と比べて倒すのがかなり楽になっている。 -SS版をプレイしたファンからは「劣化移植」扱いされる事も多いが、プレイ感覚自体は殆ど変わっておらず、多数の追加要素も魅力的。~ 2010年からはゲームアーカイブスでの配信も始まり、手軽にプレイが可能だったのだが、2016年4月28日をもって他のテクノソフト関連ソフト共々配信が終了してしまった。
*サンダーフォースV 【さんだーふぉーすふぁいぶ】 |ジャンル|横シューティング|CENTER:&image(199004_14469_front.jpg,width=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3872&file=199004_14469_front.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3872&file=199004_14469_back.jpg]]| |対応機種|セガサターン|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1997年7月11日|~| |定価|7,800円|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:[[''サンダーフォースシリーズリンク ''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1225.html]]| ---- #contents ---- **ストーリー 西暦2106年、現人類の技術をはるかに超えた兵器(前作『[[サンダーフォースIV]]』の自機)が宇宙で発見された。~ 「Vasteel」と名付けられたそれを解析して得られた超技術「Vasteel Techonlogy」は、人工知能「ガーディアン」の完全な管理下での開発・運用によって、人類に新たな繁栄の時代を齎す。~ しかし西暦2150年、突如「ガーディアン」は人類に反旗を翻し、超兵器群による攻撃を仕掛ける。総人口の1/3を失った人類は、「Vasteel」の複製兵器「RVR-01 "GAUNTLET"」によって構成された部隊「ThunderForce222」による奇襲作戦にすべてを賭ける……。 **概要 -テクノソフトによる家庭用横スクロールSTG『サンダーフォース』シリーズの第5作目。『IV』発売から実に5年振りとなる続編だった。 --今までのシリーズは架空の勢力「銀河連邦」と「オーン帝国」の戦いを描いていたが、今作では舞台が地球に移った。 --『IV』の時もそうであった様に、前作を開発したメンバーの殆どが既に退社していた為、やはりスタッフの顔触れは大幅に替わっている。 -「2Dの操作性、3Dの迫力。」と謳い文句にある様に、グラフィックは3Dポリゴンで描かれているが、ゲーム性自体は従来通りの2D横スクロールSTG。 -システムは横STGとしてオーソドックスなもので、複数のショットを随時切り替えて戦うスタイルは変わらない。 --全7面構成((内、ステージ7はラスボス戦のみなので実質的には6面と言っていい。))で、ステージ1~3は攻略順を任意に選択可能。 --難易度は初期状態だとKIDS、NORMAL、HARDの3段階。隠しで最高難度のMASTERも存在する。 --一部のポイントでは、敵が出現する場所を事前に「DANGER」という文字表記で教えてくれる様になった。ただし、難易度が上がる毎に表示される場所が減っていき、MASTERではほぼ表示されなくなる。 --前作では自機のスピードは25%~100%の間で調整出来たが、本作では50%~100%の間となっている。((前作でも25%などは遅すぎて使われていなかった。)) --サンダーソードに代わり、補助装備「クロー」の耐久力を消費する事で攻撃力を激増させる「オーバーウェポン」が導入された。 ---クローの耐久力は時間経過やクローアイテム回収で回復するが、耐久力が最低の状態(しぼんで赤色になる)で敵弾を受けると消滅してしまう為、油断すると思わぬ所で火力低下を招く事になる。 --武器の切り替え方法について、従来通りに切り替えボタンで武器を順繰りに替えていく「セレクトモード」と、各ボタンへ武器を個別に割り当てられる「ダイレクトモード」の二種類が用意された。 --他、敵を早く倒すことでスコア倍率が高くなる「ハイテンポボーナス」、敵やオブジェに接近することでスコアの入る「スクラッチボーナス」が実装され、新たな楽しみが増えた。 ***装備 -武器は以下の5(+2)種類((ちなみにオーバーウェポンも全て独自の名称がある。また、武器ではないが6番目のオーバーウェポンとしてイシュターエッジ(VAMBRACE使用時に展開する光の翼)が存在する。))。武器アイテムを取得する毎に装備が増え、武器切り替えボタンで切り替え可能。 --''TWIN SHOT(ツインショット)'' : 標準装備。前方への2連ショット。オーバーウェポン時は強力なビーム。 ---''BLADE(ブレイド)'' : ステージ5以降の標準装備。前方へ判定の大きい刃状の弾を発射。着弾すると爆風発生して追加ダメージ。オーバーウェポンはツインショットと同様。 --''BACK SHOT(バックショット)'' : 標準装備。前方と後方へショットを撃つ。オーバーウェポン時は後方へ電撃放射。 ---''RAIL GUN(レールガン)'' : ステージ5以降の標準装備。後方へ強力なレーザーを発射する。オーバーウェポンはバックショットと同様。 --''WAVE(ウェーブ)'' : 空間を振動させて攻撃。自機の数倍太い継続ダメージ型の貫通レーザーといったところ。地形や敵など全てを貫通する。オーバーウェポン時は威力と攻撃範囲が広がる。 --''FREE RANGE(フリーレンジ)'' : 展開した照準内に入った敵を自動的にレーザーで攻撃する。照準は自機の動いた反対側に回すことができ、360度回転が可能でショットボタン押しっぱなしで角度固定。オーバーウェポン時はレーザーが電撃になる。 --''HUNTER(ハンター)'' : シリーズでおなじみの敵を追尾するホーミング弾。ただし地形貫通性能は無くなった。オーバーウェポン時は弾が細いレーザー状になり、通常版のホーミングして曲がるではなく、完全に敵の位置まで移動するようになる。 -その他の装備 --''CRAW(クロー)'' : 自機の周囲を回転しながら補助攻撃を行い、かつ敵弾を防ぐ攻防一体の補助装備。本作ではアイテム取得時に1つ装備され、最大で3個まで同時に装備可能になった。また、クローの装備数に応じて武器の威力や攻撃範囲が向上するようになっている。 --''SHIELD(シールド)'' : 敵の攻撃を三回まで防いでくれる。耐久力が3だと青、2だと緑、1だと赤に色が変化する。 ---- **評価点 -&bold(){評価が高い演出} --3Dポリゴンを生かした派手な演出やBGMと見事に同期したステージ展開等、総じて演出関係のレベルは高い。 --SSはPSに比べてポリゴンに弱いのだが、グラフィックは当時としては十分に綺麗でそれを感じさせない。また、ゲームに支障が出る様な処理落ちもほとんど無い。 --特に評価が高いのがステージ5で、強化支援ユニット「ブリガンディ」を装備しての成層圏突破、前作の自機との対決等、見どころが多い。 ---そのステージ5にて自機が「ガントレット」から「ヴァンブレイス」に変化するという、STGでは珍しいゲーム中での主役機交代が行われる。 ---この主役機変化は前作IVでもあり、更に変化後も前作を彷彿させる。しかもブリガンディが破壊されるまでは隠されているというサプライズも仕込まれている。前作をプレイした人はこうした「血統」の演出に思わずニヤリとさせられる。 ---更にそこのボスは「Vasteel Original」=前作の自機。「血統」同士の対決。相手も強化ユニットを持ってきて、そこにかかるBGMは前作OP。重ね重ねの演出にテンション上がりまくり。 --演出・構成・システムなどシリーズをしっかり踏襲しながら、知らなくても問題ないという絶妙の塩梅。オプションメニューなどにも統一された雰囲気作りが徹底している。 --自機の死亡パターンにも特殊なものが用意されていたりする。地面を引きずり回されて爆散したり、掴まれてもみくちゃにされた後ポイ捨てされたりする様は必見。 -&bold(){シリーズ恒例の熱いBGM×ステージ展開とのシンクロ} --ギターサウンドメインの熱いBGM。ステージ進行と完璧にシンクロしているステージ1BGM「Legendary Wings」やステージ5BGM「Steel of Destiny」、最終ボス戦にふさわしい荘厳さと熱さを併せ持つ「The Justice Ray PartII」、感動のエンディングを彩る「Last Letter」が特に人気。 --「Legendary Wings」のサビ部分が『[[III>サンダーフォースIII]]』のステージ1BGM「Back to The fire」のメロディーになっているなど、BGM面でのオマージュも多く、ファンから好評だった。 --ステージ進行とサウンドを完全に同期させているため、ヘビーシューターでなくてもこのゲームをやりこめば「この音楽ならあのステージ、そして2周目ならあの敵がここから出てくる」と思い浮かべるのは容易、と攻略とプレイヤー自身のテンポアップにも貢献している。 -&bold(){傑出した爽快感} --オーバーウェポンにより、爽快感は更に向上。特に「フリーレンジ」を使用した際の圧倒的な攻撃力は、他のSTGでは中々お目にかかれないものがある。 --ハイテンポボーナスや、サウンドとステージ展開の同期によるパターン覚えのしやすさも、出てくる敵をガンガン撃破するというシューティングの爽快感を助長している。 -&bold(){操作性の向上} --「ダイレクトモード」の実装により、武器の切り替えが直感的に出来るようになった。 ---コントローラーの各ボタンに武器を1つずつ割り振る操作方式。最初は戸惑うが、慣れれば使いたい武器を即使用可能になる。従来通りの切り替え方式も選択可能。 -&bold(){前作問題点へ改善策を導入} --耐久力が高い敵に攻撃が当たると敵が白く光るようになり、耐久力ゲージ表示も追加され、攻撃が効いているかどうかが分かりづらいという前作の欠点が解消された。 --ブレイドの判定が大きすぎてボスの弱点に当たらなかった点は、ガードするような部位を設けないことで対応。 --クローも3個&判定大きくなり、前作ではほぼおまけ要素だったクローによる弾消しを十分狙ってできる。 --その他にも、デフォルト装備(ツインショット・バックショット)の威力向上、死亡してもクローが回収可能、これらにより立て直しが比較的容易になるなど、前作問題点の改善が多数見られる。 --ただし、プレイ時間が長すぎる・難しすぎるなどの改善は行き過ぎとも解釈されるところ。(詳細は賛否両論点・短所) -&bold(){個性的な上に様々な形態に変わって攻撃してくるボス} --ボスの攻撃パターンがかなり豊富で、ほとんどのボスに2~3形態分のパターンが用意されている。大抵の場合は瞬殺されてしまうので、じっくり見られる事があまり無いのが惜しい所。 --人型形態と飛行形態とにめまぐるしく変形し、死ぬ間際にはド派手な最後の一撃を放ってくる「Guardian's Knight」や、巨大なサポートユニットをとっかえひっかえ装備してくる「Vasteel Original」((前作の主人公機「RYNEX」を改修した機体で「Vasteel Techonlogy」の基となったオーパーツ。ステージ後半部分でも登場し、『IV』と同様の武器であるブレイド・フリーウェイ・スネークで攻撃してくる。))等、実に個性的な面子が揃っている。 -&bold(){評価が高いハードなSFテイストのシナリオ} --ラスボスであるガーディアンの意外な行動、真のエンディングで語られる反乱の理由に驚いたプレイヤーも多かった。現在でも「感動したゲームのED」で度々本作の名前が挙がる程。 ---真エンディングのガーディアンの音声は、外人の英語教師の発音をサンプリングしており非常に流暢で世界観にもマッチしている。[[モンゴル語はその道では知らぬ者のいないプロに頼んだ外伝の出来損ない>サンダーフォースVI]]とは雲泥の差である。 --設定も細かく作り込んであり、PCに読み込むことでゲームディスク内に収録されているテキストファイルを観覧可能。 --こうした理由を知ってからプレイすると、途中のステージ背景の艦隊戦や、ガーディアンが女性を思わせる理由、最後の行動と語る際の背景、そもそも何故自機へ執拗な攻撃を仕掛けるのかが、知る前と全く違って見えるあたりも深い。 **問題点 -&bold(){演出を強く意識したが故の弊害} --確かに演出は素晴らしいが、''演出を意識し過ぎた''感が強い。特にステージ1・5はボス以外演出面といっていいほどの戦略性のなさ。 --また、中型の敵を早く倒すと敵が出てこない「間」が発生する場所が全体的に目に付く。ハイテンポボーナスもあり、パターンを覚え上手くなるほど間ができるという状態になってしまう。 --サウンドとステージ展開の同調を取っているため、速攻撃破で間ができるのは仕方ないが、何らかの穴埋めは必須だったのでは。 -前作と比較しての&bold(){見やすさの低下} --3Dに変更されたことで一部の敵弾が見づらくなった他、従来の作品では完全に切り離されて表示されていたステータスウィンドウがゲーム画面に被って表示されている等、見易さの面ではやや劣化した。 --一応ウィンドウに関してはプレイ中にオン・オフを切り替える事が出来るので、プレイの邪魔になる事はあまりないが。 --なお、ダイレクトモードに慣れればウィンドウ表示の必要は無いため、その点でもダイレクトモード推奨。 --ただスコア表示すら無いフル画面で戦闘ができるというのは、演出的には美点。また見づらい敵弾が高速や多数で迫るような状況はないため、あまり問題でもない。 -&bold(){武器バランスの悪さ} -「フリーレンジ」一強状態。面によっては自機はほぼ動かず、敵の出る方向にフリーレンジの照準を合わせ撃つだけのゲームに。 --ブレイド、レールガンより高威力&広範囲適応なため、パターン慣れしていれば前方攻撃・後方攻撃もフリーレンジで済む。勿論上下斜めはフリーレンジの独壇場。 ---上下斜めに撃っても火力が変わらないし自動で1点集中するので、ボス戦などで危険な正面を避けてフルに撃ち込めるのも強い。 --一応、レンジ内に敵が複数居た場合は攻撃力が分散してしまうという欠点はあるのだが、パターン覚えとオーバーウェポン・接射を使えば端から瞬殺できるので、欠点をフォローできて余りある。 --また、フリーレンジは敵に接近する程に威力が高くなるのだが、キッチリと張り付いてオーバーウェポンを使えばボスすらも瞬殺出来てしまう。ハイテンポボーナスの存在もあって、余計に他の武器を使う機会が少なくなる。 ---一応、敵に接近するというリスキーな行動あってこその威力である為、フリーレンジを完璧に使いこなせるという事はそれだけやり込んだ証と言えなくも無いが、フリーレンジを中心にしたパターンを組むとラスボス以外死ぬ要素が全く無くなり非常に大味なゲームになってしまう。その一方で、この圧倒的な攻撃力で敵を瞬殺していく爽快感が良いという意見も少なくなく、この辺をどう受け取るかで本作の評価も大分変わってくる。 --フリーレンジの性能で隠れているが、ハンターも相変わらず強い。地形貫通性能こそ無くなったが、そもそも地形自体が殆ど存在しないのであまり関係無かったりする。 ---そのハンター。オーバーウェポンを含めれば、フリーレンジの苦手な多方面同時攻撃・アドリブ・パターン崩れからの立て直しに強い。結果、一部でツインショット(ブレイド)のオーバーウェポンが使われる以外、「基本全てフリーレンジ。時にハンター」で済んでしまう。 --ウェーブは威力があまりにも低い為に非常に使いにくく、地形等貫通性能も活かせる場面が少ない。ステージ4ではかなり活躍するものの、他のステージではまず使われない。精々ステージ6に登場する手裏剣型のザコ((無敵部位で弱点をガードしているので、貫通性能を活かせる))を捌く時に使われるぐらいか。まあここもフリーレンジで抜けることが十分可能なのだが。 ---このウェーブの様に、要所で各武器が活躍する場面もちゃんと用意されてはいるのだが、フリーレンジがあまりにも万能過ぎる故にそれらの出番を食ってしまった感が否めない。 -ボリュームが少なめ --クリアするまでに1時間近くかかった前作『IV』から一転し、本作は30分程度でクリア可能。これに関しては「テンポが良い」「ボリューム不足」と意見が分かれる所。 -前作までの伏線等の未解消 --世界観変更に伴い、前作で新たに登場した敵「ファウスト」の正体等、前作で張られた伏線が放置されてしまった事を残念がるシリーズファンもいた。 --サウンドや演出はしっかりシリーズものしているため、余計にここも欲しかったと思ってしまう。 --別会社の手による『[[サンダーフォースVI]]』でその辺の伏線を回収する展開が見られたものの、逆に伏線無視やこじつけ設定が多く悲惨な結果となった。 -スコアがカンストしやすく、スコアアタックでの面白さの半減。 --表記上は9億9999万9999点でカンストなのだが、ゲーム終了時にクリアボーナスが加算された際にスコアが10億を超えた場合には、ランキングにちゃんと「10億点台のスコア」として登録される((ただ、画面上では十億の位が表示されない為、パッと見では「億に満たないスコアや1億点台のスコアが9億点台のスコアより上にランクインしている」という、やや変な状態になってしまうのだが。))。ゲーム中に9億9999万9990点(クリアボーナス抜きだとこれが限界)を稼ぎ、1UPアイテムを取りこぼさず入手し、フル装備かつノーミスの状態でクリアボーナスを得た際のスコアが本当の意味での「カンストスコア」という事になる。 --後に発売されたPS版ではカンスト問題が解消されている。 -ボス戦でクローが無いとオーバーウェポンが使えず、ほぼ詰む。 --前作までもサンダーソードといった強力な武器を失うとボス戦で苦戦しやすくなる事があったが、今作はボスの耐久力がオーバーウェポン使用を前提とした高さになったため、それ以上に倒すのが困難。 --とは言え、自機が撃墜された際には装備していたクローが画面中にばら撒かれ、復帰後にそれを回収する事でクローを再装備出来るようになっている((なお再回収したクローは耐久力が全回復している。取って即消滅はなく、すぐにオーバーウェポン使用可能。))上、大抵はボス戦の最中でもクローアイテムが補充されてくるので、ボス戦でクローが無い、という事態に陥らないような配慮はちゃんとされている。ゲームオーバーになってしまった場合でも、コンティニューするとステージ最初からやり直しになるので、そこから装備を整えていけば問題ない。 --しかし、ラスボス戦オンリーのステージ7だけは別で、ステージ中にアイテムがほとんど登場せず((ボスの形態移行時にクローを輸送してくる補給機が計2回出てくるのと、ラスボスのサンダーソードを破壊することでクロー3つがばら撒かれるのみ。初期装備以外の武装は入手できない。))、ゲームオーバーになってからの立て直しが絶望的。ラスボスの全3形態を全てハイテンポボーナスの時間以内に倒せたか否かでエンディングが変化するのだが、この状態からハイテンポボーナス時間内にラスボスを倒すのは相当難しく、ほぼ確実にバッドエンディングを拝む羽目になる。 ---そもそもラスボス自体、第3形態は見てからの回避がまず無理な上に、パターン化も不可能な攻撃を連打する完全な運ゲーと化しており、ゲーム全体を見てもここだけ極端に難しい歪な難易度になっている。特にサンダーソード((ラスボスのみが使用する前作の最強武器。剣状のエネルギーを前方に放つ攻撃。))は発動から初見殺し。更にその馬鹿でかい剣を実体化させ画面の半分以上も埋め尽くす斬撃を素早く繰り出してくる。…シールド・フリーレンジが無いと厳しすぎる。 ---PS版ではラスボスの攻撃アルゴリズムが見直され、また頭部の耐久力が大幅に下げられており、SS版に比べるとかなり弱体化した。 ---- **総評 ゲームとしては荒削りな部分もあるものの、(良くも悪くも)爽快感溢れるゲーム内容と、ストレートな格好良さをとことんまで追求した演出やBGMは多くのプレイヤーから高く評価され、当時発行されていた「セガサターンマガジン」の読者投票ランキングにて6週連続1位に輝くという快挙を達成。~ 現在でも「演出重視STG」としては同時期に発売された『[[レイストーム]]』『[[蒼穹紅蓮隊]]』『[[アインハンダー]]』等と並び、名作として名が挙がるタイトルとなっている。~ 複数の武器を使い分ける緻密な戦略性などを求めると肩透かしを食らうだろうが、「とにかくカッコイイSTGがプレイしたい」というユーザーにはオススメの一本である。 ---- **余談 -当時は旧作BGMのアレンジ曲を収録した音楽CD「Best of Thunder Force」を同封した『サンダーフォースV スペシャルパック』も同時発売された。 --音楽CDは後に単品版も発売されている。 -発売前に配布された体験版の段階では激しい処理落ちが発生していたが、製品版では前述通り処理落ちはほぼ無くなっている。 -実は本来はギリシャ文字ではなく英字の「&bold(){V}」を冠する予定(=ナンバリングタイトルではなかった)だった。これはストーリー自体がほぼ外伝なのと、ストーリーの中核である「Vasteel」に引っ掛けたもの。 -一時期メガドライブ用に『V』が開発されていた(内容的には本作と全く別物)事もあった様だが、日の目を見ることなくお蔵入りとなったらしい。 --本作の代表曲の一つ「Steel of Destiny」は本来MD版『V』の1面用BGMとして用意されていたもの。 -メカニカルデザインの一部から『ガンダム・センチネル』のオマージュが見られる他、ボスの名称や主人公の設定など、アニメや洋楽からのパロディ要素も多数見受けられる。 -テクノソフトの倒産、2007年の『BROKEN THUNDER』事件、2008年に発売された『VI』の惨状等もあり、本作の値段がかなり高騰していた時期もあった(特にPS版)。 --PS版がゲームアーカイブスで配信されて以降は少し落ち着いてきているが、それでも店によっては未だに高額で販売されている。 --また、『VI』の惨状を受けて最近はファンの間で『V』が「シリーズ最終作」扱いを受ける事も多くなっている。テクノソフト純正のサンダーフォース最終作、という意味では間違っていないが。((もっとも、ゲーム誌のサンダーフォースシリーズ特集でも、VIは全く触れられていなかったりする)) ---- *サンダーフォースV Perfect System 【さんだーふぉーすふぁいぶ ぱーふぇくとしすてむ】 |ジャンル|横シューティング|&amazon(B000069S7Y)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|テクノソフト|~| |発売日|1998年5月21日|~| |定価|6,090円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(Perfect System) //同じ項目名が複数存在すると、#contentsプラグインのリンク機能が正常に働かなくなってしまうため、項目名を「概要」→「概要(Perfect System)」に変更しました -SS版の翌年に発売された、PSへの移植版。ゲームアーカイブスでも配信されていた。 --ボスと連続で戦いそのクリアタイムを計る「タイムアタック」、ボスグラフィックやCG・テキスト等が鑑賞できる「デジタルビューア」が新たに追加された。 --設定上にのみ存在した「ガントレット」の性能違い版3種類((元々設定自体はSS版の時点で存在しており、量産型のEは、SS版でもステージ5の背景で撃墜されている姿が確認できる。))を隠し機体として追加。 ---ただし、ステージ5からは通常通り「ヴァンブレイス」に乗り換える為、使えるのはステージ4まで。 --OPやED、ステージ5と6の間にムービーが入る様になった。スタッフロールも新規のものに変わっている。 --敵から入手出来るスコアが減った事に加え、スコアの最大桁が一つ増えた事でカンスト問題は解消された。他にも効果音が追加されたり、一部で発生していた処理落ちを完全に解消する等の改善点がある。 ---一方でハードスペックの関係上、背景グラフィック等2D関連は地味になっていたり、解像度の違いから横が若干つぶれていたり劣化した部分がある。ただし3D関連は一部綺麗になっている。 ---またBGMのフォーマットがCD-DAからXAに変更されたため、音質が多少悪くなっている等の劣化点も。一面BGM「Legendary Wings」は特に音質が変更されている。これはマスターを無くした事が原因。 --ラスボスの頭部に攻撃すると通常より多くダメージが与えられる様になっており、SS版と比べて倒すのがかなり楽になっている。 -SS版をプレイしたファンからは「劣化移植」扱いされる事も多いが、プレイ感覚自体は殆ど変わっておらず、多数の追加要素も魅力的。~ --2010年からはゲームアーカイブスでの配信も始まり、手軽にプレイが可能だったのだが、2016年4月28日をもって他のテクノソフト関連ソフト共々配信が終了してしまった。 --2016年9月にセガが版権を取得していた有限会社トゥエンティ・ワンから、テクノソフトの版権を全て取得した事を公式発表。高い人気を誇る本作が再配信される可能性は大いにあるので、期待して待ってはいかがだろうか。

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