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テイルズ オブ デスティニー (PS2) - (2016/02/24 (水) 23:27:42) の1つ前との変更点

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*テイルズ オブ デスティニー(PS2) 【ているず おぶ ですてぃにー】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:運命という名のRPG)|&amazon(B000KN22OE)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2006年11月30日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズオブシリーズ関連作品リンク>テイルズオブシリーズ]]''| ---- #contents ---- **概要 『[[テイルズ オブ デスティニー]]』のリメイク。主な略称は『リメD』。~ 戦闘システムを大幅に進化させ、ストーリーやキャラクター設定にも改定が加えられている。~ プロデューサーはシリーズ第1作『ファンタジア』の頃から何度か関わっている岡本進一郎。~ ディレクターはのちにシリーズのプロデューサーを務める馬場英雄。~ これまでシリーズを手がけてきたプロデューサー吉積信は、本作品以降はエグゼクティププロデューサーを担当していることが多い。 **評価点 ***システム -システム面で大幅な変更が行われ、多くの新たなシステムが導入された。~ 戦闘システムの「エアーリアルリニアモーションバトルシステム」は空中戦がかなり重視されており、エイミングステップ(□+左右入力)で空中の敵に飛びつくことができ、パーティメンバー10人中の7人が大量の空中発動技を所持している(残りの3人はどちらかといえば地上戦、支援、晶術に偏っている)。従来の術技使用のためのパワーソース「TP」を撤廃し、新たにCC(チェインキャパシティ)システムを導入。これまでのSPやFGと違って分かり易く、コンボ自由度の飛躍的上昇も相まって、2D戦闘では歴代最高との声も。 --これまでCPUはほとんどジャンプをしなかったが、今作では浮いた敵を追尾して次々と空中コンボを決めてしまうため従来ファンを驚かせた。 --CCはTPと同じように術技使用やバックステップなど様々な行動により減少するがすぐに回復するため、今までのようにTP切れの心配をする必要がない。~ CCには最大値と最小値が存在し、そこからCCを消費するたび一定の法則により現在の値が算出されるため、現在CCに応じて行動する、適当な行動を取って素早く最大値にするなどの判断も必要となる。~ また、これまでのように「特技→奥義」というような連携の決まり事を無くし、どんな順番でも技を出せるようにもなり、「CCが続く限りあらゆる技が使い放題」という爽快感を生み出した。~ 術も同じように連携ができ、使用するたびに次の術の詠唱時間が短くなっていく。CCは戦闘中のみのパラメータであり、HP回復技が移動中に使えず、単純で簡単なシステムという訳ではない。 --技の組み合わせによっては一人でも無限コンボができるようにもなる。もちろん技のタイミングなどをちゃんと把握しないと難しい。 --今作での術技の種類は、剣技・術剣技・晶術とあり、それぞれはステータスの算出方法によって分けられている。特に術剣技は攻撃力と術攻撃力によって算出され、これにより今まで後衛にとっての攻撃力や前衛にとっての術の攻撃力など死にステータスだった物が今作では意味を持つ事になった。 --PS版では、TP節約のためにダンジョン内では控えに回されていたフィリアも、CCシステムにより強力な術を連発できるように。ついた渾名が「支援砲台」。 -今回の戦闘を一言で表すなら「属性ゲー」。弱点属性の攻撃は難易度次第で最大ダメージ3倍、命中率、クリティカル率は4倍、また、クリティカルのダメージも最大5倍という大きな補正がかかる。 --複数の属性を持つ術技で攻撃した場合はどれかが優先されるということはなくすべて適用されてしまう。たとえば弱点+耐性の場合は相殺して通常扱いに。 ---中盤あたりから複数の耐性を持つ敵が目立ち始め、終盤では1つの弱点以外はすべて耐性という敵も珍しくない。そのため、単一属性の術技が極めて重要になってくる。リリスが強いとされる理由はこれによるところが大きい。逆にマリーは被害を受けている。(後述) --属性による影響は難易度を上げる程顕著になり敵のHPやダメージがインフレするevilやchaos((最高難易度のchaosだと敵のHPは4倍、ダメージは5.76倍になる。))は敵の弱点を突き敵の攻撃の属性を防がないと話にならないと言える。一方、難易度simpleだと属性効果が殆ど現れない為実質的な最低難易度はnormalと言われている。 --他にユニークなシステムとして、一度弱点属性の攻撃がヒットすれば、コンボが継続する限り以後どの属性で攻撃しても常に弱点扱いになるというものがある。 --属性に重点を置いた意欲的な試みだが、残念ながら粗も。 ---火、水、光、風は対応する各ソーディアンがあり、地は後述のなりきりアイテムを使うことでどうにかなるが、闇だけは使える術技が大きく限定される。闇弱点というだけで難敵になっている敵がいるほど。 -ソーディアンのマスター同士での交換やディスク装備システムなどは削除、そのかわりソーディアンは「デバイスシステム」というもので、好きなようにカスタムできるようになった。 --これにより各キャラの使える術が固定になったため、属性や役割などの面でキャラのアイデンティティがより際立った。 -「なりきりアイテム」の登場。これは、装備させたキャラを戦闘中別のキャラに変身させる(グラフィック・技が別のキャラのものになる)というアイテムで、~ これにより、第2部以降もパーティにリオンを加えたまま(戦闘中のみ擬似的にだが)シナリオを進めることができる。 #region(「なりきりアイテム」は全員に対応しており、複数個入手も可能なのでこんなこともできる。) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=5rKajHwRWvU) #endregion -[[元>テイルズ オブ デスティニー]]の難易度がゼロに近かっただけに、戦闘でのシステムのみならず、ゲームバランスにおけるあらゆる面が見直された。 --それでも第1部においては所々強い敵が現れる程度であり、余程気を抜かない限り全滅には至らない難易度である。~ しかし、第2部のリオン戦(2回目)辺りから難易度が跳ね上がり、雑魚戦含めて耐性、ステータス異常等に気を配らないと味方がいつのまにか死ぬゲームバランスになっている。特に連携攻撃からBCまで繋げてくるリオンや晶術障壁からアンビバレンス等強力晶術を繋げてくるヒューゴが後半における難関ボスになっている。 --顕著な強化が見られるのは後半空中都市で戦うオベロン社3幹部であり、個性豊かで歯応えのあるボスになっている。 ---バルックは自身も剛体を纏った蟲となって登場し、周りにステータス異常攻撃を持つ虫をバラまいてくる。 ---イレーヌはファンネルのような物を多数飛ばしてのオールレンジ攻撃を仕掛けてくる。本人は無駄に固いバリアを纏いひるむことなく強力な晶術を連発するので、後半屈指の難所の一つ。 ---レンブラントの乗機アーマーも陸空2通りの厄介な攻撃パターンを持ち、周りに自爆攻撃持ちのマシーンを呼び出す。 ---ちなみに、各幹部と戦う順番、そして空中都市を巡る順番も原作とは逆順になっている。 -そして、テイルズオブシリーズどころか、RPG界隈屈指の雑魚だったラスボスが抜本的に変更、強化された。&br()というより事実上の差し替えであり、最終形態が某サイヤ人((容姿がドラゴンボールの超サイヤ人にソックリであり声優も同アニメのベジータを演じた人と同じ。))に例えられる様に完全な別物でありやはり賛否両論になった。 #region(ラスボス戦。※ネタバレ注意) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=7Aapu-fDe1I) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=W7Epju8aHRE) -一定のコンボ数でダメージを与えると、瞬間移動をして広範囲にピヨリ効果のある攻撃をし、その間に強力な晶術を連発する。 -また''30発''の攻撃を受けきる鋼体をつけ(裏ボスのバルバトスでも20発分)、後半には通常技に状態異常効果がつき、火力も底上げされる。動画1/2の終盤のように一気に形勢を逆転されることも多々ある。 -とある秘奥義を使われた後、スタンの最終秘奥義によって勝利することができる。 -ちなみに後述のバルバトスを倒すと、味方の特定の晶術に対して''カウンター秘奥義''を使用してくる。強化ってレベルじゃねぇぞ! --慣れれば単独ノーダメ撃破の的にされること請け合いだが、初見ではこのくらい苦戦して当然の強さなのは確かである。 #endregion -戦闘BGMは、PS版では切り替えで「Bare its fangs」と「Surprise attack!」がかかったが、本作ではそれぞれが物語開始時、中盤で変更されるようになった。また終盤の戦闘BGMやフィールドも新規に追加された。 --ボス戦も重要ボスやディムロス戦が追加。中でもディムロス戦のBGMはとりわけ人気が高い。 -オープニングムービーはPS版の流用(デジタルエフェクトは強化されている)である。アニメーションは屈指のクオリティであり、楽曲も原作と同じ音源を採用するなどここだけ原作準拠なのは評価された。ただし''コングマンがいないのもそのまま''である。 --ある重要なイベントでは、オーケストラバージョンとして流れ、多くのファンは大歓喜した。 ***キャラクター -PS版ではバグや噂の類に過ぎなかったスタンの妹「リリス」が正式に仲間になる。ただしブラコン度合いが加速している点については賛否両論。容姿もやや異なり、技も「サンダーソード」以外はPS2版オリジナルのものとなっている。 --防御力、HPこそ低いものの攻撃力は前衛を張るに十分であり、固定装備も攻撃力アップ効果なのもあって、スタンやウッドロウの攻撃力を平気で上回っている。また、武器がCC固定なので安定した戦い方ができ、単体属性の技も多い。 --集めたアイテム「まんぼう」で威力が上がる「まんぼう」技、全術技中でもトップクラスの総合性能を誇る「レインボーアーチ」、ジョニー以外では唯一の音属性術技「死者の目覚め」、BC1(最初の秘奥義)では最強クラスの「サンダーソード」など、技の優秀さもピカ一。 ---レインボーアーチは優秀すぎたためかDC版では修正されて弱体化した。 -パーティメンバーの一人「ウッドロウ」のレベルや術技に大幅な修正が加えられ、原作での「再加入時のレベルが低すぎる」「ストーリーの都合でメインメンバーで唯一術が使えない」といった不満点が軒並み解消された。 --ウッドロウがリメイク前ではネタにされた最たる原因であるソーディアン・イクティノスは、原作では最終盤になってやっと手に入る、どころか''イクティノスのレベルが低すぎて使い物にならない''((ソーディアンはキャラとはまた別で経験値が入るシステムであった。))という酷すぎる仕様であったが、本作ではグレバム戦後からウッドロウが装備しており、またデバイスもその前に離脱するリオンのシャルティエのものを引き継ぐようになっている。 --ウッドロウが「空気王」と呼ばれているのはこのリメイク前の仕様が原因であったが、改善されても今度はBC3(最強の秘奥義)で「リミッターを外させてもらう!」~ と敵を切り裂くと、''同時に戦闘不能になる''((このBCの効果は「敵に大ダメージ+自分は戦闘不能+自分以外の味方キャラを全快させる」というもの。))ため、また新たなネタにされた。~ またサポートアビリティ((戦闘外の控えに添えることで効果を発揮する常時発動スキル。))の「警戒」もエンカウント率を下げるという、かなり優秀な性能で、そのせいで今回のPS版と違う意味でありながらも控えメンバーにさせられることも。 **賛否両論点 ***キャラクター・シナリオ -台詞は全て書き直されており、スタッフ曰く「何気ない一言についても会議が行われた」ほど。もしくはデスティニー2での設定や描写に合わせた為これにより原作とは性格が大きく変化しているキャラクターが多数存在する。~ これらは新規プレイヤーや気にしない者から見れば特に問題はないが、原作に強い思い入れのあるファンからすれば「ほぼ別人化している」と感じるものもあり、現在でも賛否が割れている。 -全体的な傾向としてはトゲの立つ部分を削り、ギャグ要素などのコミカルな一面を付け加えるといった具合。また、仲間同士の結束を強調している点も挙げられる。PS版はスタンも含めたメンバーはさほど感情的ではなく、シビアかつ若干ドライな一面も多かった。 --これについてはCERO:Aにする都合上原作に見られた過激な描写を削らざるを得なかったことや、前作『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の尖ったキャラや重いシナリオに激しく賛否が分かれたことを踏まえ、万人受けを狙ってマイルドな調整が加えられた可能性などが考えられる。 #region(各キャラクターの性格について(ネタバレ注意)) -主人公・スタンは最も改変の煽りを受けている。 --原作では「素朴な田舎者」「茶目っ気はあるが常識人」といったキャラであったが、本作では「単純馬鹿」な面が強くなっている((しかし、『テイルズ オブ ジ アビス』購入特典のDVDでもその兆候はある程度見受けられていた。))。~ 原作では選択肢によってそのような発言もあるが本筋ではほぼ無く、これは続編『[[テイルズ オブ デスティニー2]]』(以下『D2』)に登場する彼の息子・カイルに合わせたものとも考えられ、覚える術技もカイルのものが多数逆輸入されている。 --原作では比較的空気を読むことに長けており、感情面でも良くも悪くも周囲から半歩引いた立場にある事が多く、常識人な目線での突っ込み役だったり振り回されるタイプだった。「田舎者」「呑気なヤツ」といじられる事はあったが「単純馬鹿」とはまた違う気質でもあった。だが本作ではボケの比重が極端に大きくかなりの激情家になっており、180度とまではいかないが120度ぐらいキャラが変わっている。 --そのボケ&能天気具合は''息子のカイルをも凌駕((ちなみにカイルは15歳、今作におけるスタンは19歳である。『ジアビス』の特典DVDにおいても、スタンのあまりの能天気ぶりに逆にカイルの方が呆れている。))して歴代主人公の中でもトップクラス。''ルーティやディムロスの皮肉が終始全く通じない((原作では皮肉に反発していたり、逆にリオン相手に皮肉を言ったりもしていた。カイルも一度褒め言葉と勘違いして指摘されたところもあったが、基本的に皮肉や嫌味に対しては反発している。))ことに始まり、序盤だけでもチェルシーの「木と話をしていた」という話を本気で信じる((原作ではウッドロウ共々苦笑いしていた。このやりとりだけでも、原作とはスタンの性格が大きく変わっていることがわかる。))、ルーティ達を捕まえに来た兵士に対して頓珍漢な弁明をする((その後自身も一緒に投獄されてしまうのだが、その時も自分を取り押さえた相手を第一に称賛するなど、自分の置かれた立場を理解していなかったりする。))等々、良く言えば''能天気なコメディリリーフ''。悪く言えば''浮世離れしたバカ''。 --また、こちらもD2の設定((D2でスタンとリオンの友情を匂わせるシーンや台詞が多々ある))に合わせた為かリオンとの友情が強調されているのだが、些か過剰な程プッシュされており''ヒロインであるルーティと同等かそれ以上に描写が多い''。また、二人の性格の関係上「事務的な態度を崩さないリオンに対し、''初めから親友であるかのような態度で''お構いなしにアプローチを繰り返す」という展開が非常に多く、知らない人が見ると&bold(){スタンが半ばストーカー的にリオンを好いて追い回しているように見えかねない。}実際はリオンの方も度々ボロを出すなど、満更ではないことを表す描写はきちんと存在しているが。~ また、後々のリオン関係の描写から推測して「腐女子狙いで無理矢理絡ませたのでは?」という声が挙がることもある。PS版の間柄を知る人から見れば、それほど強引な擦り合わせという事である。 --極めつけが''リオン離脱直後の場面''で、「''怒りのあまり我を忘れ、ディムロスの制止も一切聞かず一人で暴走する''((直前にウッドロウに一喝されて一度落ち着いているにも関わらずである。))」という大失態を演じてしまう。この後も反省するどころかしばらくは口を開けばリオンのことばかり(最終的に反省はしている。)であり、この展開を「仲間思いの熱い奴」と取るか「リオンに固執し過ぎてみっともない」と取るかで賛否が分かれている。((原作でもそれなりに無茶をした恰好で墜落しているため、必ずしも改悪というわけではない。)) ---とはいえ、ただのバカキャラやギャグ要員で終わっている訳ではなく、熱血主人公寄りにシフトしたなりの活躍も追加され、純粋な一面で他の仲間達とは違う目線で物事と向き合えるという長所にも繋がっている。またディムロスとの絆を深めるイベントや会話も多く追加され、この辺は比較的好評。ただ元々の性格柄、シリアスな場面でもやっぱり能天気さは拭えない。 ---「普段はのほほんとした田舎者だが、やる時はやる隠れた実力者」だった原作に対し、「極度のお人好しで能天気だが、常に明るさを失わない熱血漢」という、原作とはまた違った形の主人公らしい性格になったとも言える。 -ヒロインのルーティはトゲのある発言が目立つキツイ性格だったが、かなり抑えられて毒気が抜けており、年齢相応の女性らしい一面が増えている。また原作以上にスタンとの間柄を深める描写やイベントが多くなっている。 --代わりに後述するイレーヌ関連をはじめ、貧困層出身の人間としてのシビアな価値観を伺わせる描写が少し追加されている。 -フィリアは割とそのままだが「実は爆破マニアなマッドサイエンティスト((本筋ではなく、スキットでネタにされる程度である))」「ゴミだらけの状況では発狂寸前になる程の潔癖性((そういったダンジョンでは、言葉遣いが非常に厳しくなったり、戦闘中にBCゲージが自動で増加するという仕様まで追加されている。))」など、コミカルな面が原作((自作のデザートに変な名前をつけたり、その気がなくとも毒舌っぽい台詞を話すなど、原作でもそれなりにコミカルな一面はあった。))以上に強調されている。 --ただし、いかにコミカルといっても結果腹黒い一面が強調されてしまうためか、スタンやリオンに次いで改変の煽りを受けたキャラとして批判される事も。 -ウッドロウも特に大きな変化は無いが、マリーに恋心を抱くイベントや描写は軒並み削除されている。 --PS版ではあまり描かれなかった「父王に対するコンプレックス、そしてその後を継ぐ事に対する悩み」がクローズアップされている。 -マリーは性格にあまり変化はなく、代わりに設定や境遇面で夫であるダリス共々大きく変化している。~ また、後述の通りダリスは生存が確定し、なおかつ後半の再加入時期も早いまま((原作ではダリスが死亡するルートを選ばなければ、再加入の時期が大きく遅れてしまう。))という、原作のいいとこ取りな扱いである。 -コングマンは傲慢な描写が大きく減らされて、フィリア一筋で情にアツい奴になった。こちらは原作では嫌味の多い性格だった為好評な変化である。 -ジョニーは最終加入が他のキャラに比べ非常に遅い部分もあるが、「キレモノを隠した三枚目」だったPS版に比べて「ちょっと変わってるけど普通にカッコいい二枚目」に変わっている。 -リオンの性格変更は人気キャラであることもあってか賛否は最も激しいとされる。改変具合もスタン並、或いはそれ以上に大きい。元々PS版では「人気キャラ」という先入観がなかったのもあるが。 -冷徹な皮肉屋で''他者に心を開かず''、唯一愛した者のために命を落とすという悲劇的な人物だったが、リメイクに当たり、''他者に心を開けない''年相応の不器用な少年となった。 --これと同時にスタンとの友情描写が増やされているが、その多くに露骨なツンデレじみた言い回しが見受けられ、名台詞の削除((「さて、優しいお姉さん……それでも僕を殺せるかい?」「ナイト気取りか、格好いいね」「僕は殺せる。大切なものを守るためならば、たとえ親でも兄弟でも、だ!」「黙れ下衆野郎!」…等))など変更点は非常に多く、これらの点を受け入れられない原作リオンファンは少なくない。また、CERO:Aにするためか原作にあった多くの過激な言い回しも削除および変更された((PSP版D2のジューダスの台詞も近い変更がある))。PS版では良くも悪くも仲間同士の域を出ない割合あっさりとした間柄だった((酔っていた時や、洪水に流された直後に心配している程度であり、基本的には皮肉を言い合うなどのそっけない間柄である。))為、やたらベタベタな関係になっている事自体に反発を抱く者も居る。 ---ただし、PS版であっさりとした間柄だったのは当時の容量の問題もあり本作よりもテキスト量がかなり少なくリオンに限った事ではない事はある程度留意すべきである。 --「終末の時計は動き出した…」の名台詞のカットをはじめ、下記するように海底洞窟でのやり取りが大幅に変わっているため、PS版準拠のD2の回想シーンに繋がらない。原作を捨て、D2の要素をふんだんに取り入れているのにそれとの食い違いが生じるという、中途半端なことになっている。逆に言えば、D2と繋がらないことにより本作単独で別のもう一つの歴史を作っているとも言える。 -なお、リオンの最期である場面はかなり突っ込まれている。 --PS版ではスタン達とリオンは敵対したまま終わる((実際には「裏切った以上は容赦しないが、かつての仲間には違いない」といった感じの、愛憎混じった複雑な結末である。))のだが、PS2版ではスタンの必死の説得で和解し、押し寄せる洪水からスタンたちを助けるという展開となっている。新規に挿入されたアニメムービーの演出も相まって感動的な場面のはずが、その実態は~ 「''なぜか誰かが残って(しかもやたらと離れた)スイッチを操作しないと動かない仕組みのリフトにスタン達を乗せ、リオンが操作役を請け負い、彼等を逃がした後洪水に飲まれ死亡''」というもの。リフトの不自然な構造は元々は荷物用だったから等、一応脳内補完はできるが((といってもリオンに非常用のリフトと説明させてしまっている。1人残らなければならない時点で、非常時の脱出用としてはありえない構造である。))、あえてあの場所に都合よくリフトがある理由など、その手のフォローは一切ない。 ---原作と違い「スタン達に後を託し、自身は死亡する」という展開にするにあたっての整合性が取れきっておらず、「PS版とは違う展開にしたいが、リオンだけはなんとしてでも死なせなければ」感が拭えない不自然な図になってしまった。 ---PS版では会話の最中に洪水が押し寄せ、スタン達は流されながらもかろうじて脱出する((ただし、流されてから停泊所にたどり着くまでの過程はかなり省略されている。))が、不可抗力的に洞窟内に取り残されたリオン一人がそのまま水に呑まれて死亡する展開な為、矛盾等の問題は起こっていない。 --性格のみならずストーリーでの立ち位置等もだいぶ変わっている。~ PS版では本編当初からマリアンを人質に取られ止む無くヒューゴの手駒となっていたが、本作では第2部に入ってからマリアンが人質に取られるようになった為、第1部での立ち位置がかなり異なる。更に、「リオン・マグナス」という名前も自身で名乗った設定となっており、前作のアナザーストーリーのドラマCD等と食い違いが生じている。 -ソーディアンの性格や描写もそれなりに改変されている。 --ディムロスとアトワイトは、PS版ではあくまで「共に戦った仲間同士」という間柄だったが、D2では恋人同士だという設定になっているからか、一変してカップル然とした会話や描写が多くなっている。 -第1部の大ボスとして登場するグレバムは、PS版ではヒューゴを欺き裏切る形で神の眼を持ち出していたが、本作ではそれもヒューゴの計算のうちという設定となっている。 -脇役であり、ボスの一人であるイレーヌの描写も批判されている。~ 彼女はフィッツガルドで問題になっている貴族と庶民の貧富の差と差別をを無くすべく奮闘している女性で、終盤、理想と現実の差に絶望してしまいヒューゴの計画に加担、それを止めようとするスタンたちと敵対する。ここまでは原作と同じなのだが、彼女が子供に優しくしている場面ではコングマンやルーティが((愛情というより施しに見えたということも事実なので筋違いというわけではない))「彼女も貴族と同じで優しくすることで優越感に浸っているだけだ」と批判する。~ 原作ではコングマンはこういう描写はなく、ルーティもそうやって批判することはなかった((原作ではどちらかと言えばスタンを巡っての恋敵のような関係である。イレーヌの人徳は認めており、後に対峙した際も、ヒューゴに加担したことについて素直に疑問を感じていた程である。))。コングマンに至ってはドラマCD版では彼女を誰よりも尊敬し、個人的好意すら抱いていた。~ また、物語後半に敵対した際には選民思想とも取れる発言をした所為で、ディムロスやウッドロウにも悪人扱いされ((実際二人の立場・生い立ち上悪人扱いされても仕方がない発言であり、その内容が作中でのそもそもの対立関係を作ったことに関わっているため非難されるのは当然ではあるのだが))、ルーティにもイレーヌの主張((主張の内容自体はリメイク前と一緒だが、論調は「悲痛な訴え」から「余裕のある演説」という風に変わっている))を「言うことやること何もかも薄っぺらい」と一蹴される。それ以前に、彼女の台詞や振る舞いもPS版からは考えられない浅はかかつ傲慢なものが増えている。 --コングマンとルーティは貧困層出身の人間のため、イレーヌの行為が「善行」よりも「施し((イレーヌ自身はオベロン社の幹部という事で他の貴族同様裕福に暮らしている。))」の面が強く見えてしまうから、との事。更には二人だけでなく街の住民からも嫌われている。 --彼女の名誉の為に付け加えておくが、リメイク版でも本性は決して悪人ではなく、貧しい人に心を痛め、救いたいという気持ちは本物である((スタンはそれを察していたらしく、彼だけは彼女を最後まで信じ続けてはいたものの、非難されても仕方ないような発言も悉くスルーしてしまっているため、むしろ一人だけ浮いてしまっている。))。実際、本当に優越感に浸りたいだけの薄っぺらい人間かといわれるとそういうわけではなく、目の前で魔物に襲われていた子供をとっさに庇ったり、対決前にルーティに思想を一蹴されても全く動じないなど、相応の覚悟や度胸もしっかり持ち合わせている。 --本作から20年近く経過したD2でも彼女を慕う住人が居たり、ノイシュタットの住人への愛情が垣間見えるイベントがある等、現地の人々にとっては大きな存在であった。そんな彼女が本作になって明らかに悪役じみたポジションに据えられたことに反発を覚える者も少なくない。 -同じくオベロン社幹部のバルックに関しても扱いが酷い。~ 元々は気候の厳しいカルバレイスにてバルック基金を設立し、貧しい現地の人々を救おうとしていた善人であり、イレーヌと同じように悲惨な現実に心を歪ませ、結果的にスタン達と敵対してしまう。と言うキャラだったのだが、~ PS2版では天上人の子孫と言う設定に変わり、前述の活動も全ては先祖の悲願を果たす為…という設定に変更されている。また基金の活動自体も住民の救済というよりはこの野望寄りのものになっており、こちらもイレーヌと同じく現地住民に疎まれている。 -一方、執事兼科学者のレンブラントはPS版での好々爺を装った卑劣なマッドサイエンティストとしての側面は消え失せ、忠義に篤い人物になっている。 -総帥のヒューゴは最後の瞬間に僅かに自我を取り戻し、ミクトランからスタン達を救うという流れに変わっている。 --原作では自我を取り戻したもののそのまま死亡し、別に復活したミクトランがスタン達を圧倒。その後「ここで始末する必要もない」とあえて止めを刺さず、役目を果たしたベルクラントごと海に捨てるという展開だった。 -『D2』に合わせたと思われる設定・描写の変更も若干見られるが、それに合わせることが目的のリメイクではないため、リメイクによって矛盾を生じた箇所もある。 --例:マリーの夫であるダリスの死亡ルートが削除されたこと。これにより、二部でのマリー参入タイミングが固定されたが、『D2』ではダリスは死亡しているため、設定が食い違ってしまう。 ---「本作の後、ゲームで描かれていないところで死亡した」と考えれば矛盾はしないが。((実際、D2迄の間に空中都市の残骸の落下でサイリルが滅んでおり、その際に死亡した可能性も充分ありうる。)) --また、何故かディムロスがベルセリオスのコア人格がハロルドであることを知らない。『D2』で描かれた天地戦争の時には気付いていなかったということだろうか。 ---『D2』の結末から黒幕とカイル達が天地戦争に介入しなければ知らなかった可能性も十分にありえる。 //偏った表現が気になったので一部変更。 #endregion ***その他 -スタンのみ「ねぼすけで簡単には起きない」という設定から「''戦闘中睡眠状態になった時攻撃されても起きない''((他のキャラクターは攻撃を受けるとすぐ起きる。))」という仕様がある。 --原作のPS版でも「睡眠状態の時間が他のキャラより長い」という特性はあったが、本作のこれはより凶悪であり、睡眠攻撃を使う敵相手では、睡眠耐性の装備がほぼ必須になってしまう。 ---スタンの寝起きの悪さについては本編でも描写しているため、気づかないという事は少ない。 --スタンの性能自体はこのハンデ込みでも最強クラスなので、この仕様についての評価はプレイヤーによるところが大きい。 -マリーの装備は斧固定((PS版は剣、槍、斧と使い分けることができた))となったが、術技も含めてほとんどが斬と打の属性を同時に持ってしまっているためピンポイントで弱点を突くことが出来ずにダメージを出しにくい。属性ゲーである本作では戦闘においてかなり不遇な位置にある。 --ほとんどの敵は斬に弱い敵は打に強く、打に弱い敵は斬に強い。両方を保持してることのメリットはほとんどない。 ---斬属性だけ、打属性だけの技もあるが数が少なく、他キャラと違いマリーが一番弱点を突きやすいという状況がほぼ無い。 --とはいえ、攻撃力自体は全キャラ中屈指であり、固有装備の「革命バンダナ」((手間はかかるが、早ければ中盤で入手可能))で全状態異常を無効に出来るなど、活躍の場は十分にある。攻撃中はのけぞらない技があったり、敵の状態・隊列を崩す技が多かったりとキャラの特性もきちんと作られている。 --サポートタレントも便利なので空気というわけではないのだが、彼女はキャラ設定上もっと戦闘を推してほしかったという意見もある。 -モンスターはほとんどが『D2』、『[[テイルズ オブ リバース]]』の流用、もしくは新規となっており、オリジナル版から登場しているモンスターは極わずかである。 --ボスモンスターも主要人物以外は軒並み新しくなっている。 --空中都市群に出現する生体兵器や、シリーズお馴染みのモンスターであるローパー系等も新たに描き直されており、グラフィックの進化に伴って見た目や動きにより生々しさが増している。その中には自爆を図る敵もおり、体を膨らませて破裂する様子も中々に気味が悪い。 -『D2』の名(迷)物キャラ「バルバトス」が隠しボスとして登場する。しかも最低難易度だと「貴様らに俺と戦う資格はねえっ!!」~ と開始直後に全滅級の威力、射程を持つ技を使ってくる(対策は難易度を変えるのみ。一応回避可能だが何発も撃ってくる)とはっちゃけぶりに磨きがかかっている。 --そのために「最低難易度で勝利する」という他のゲームでは存在しないやり込みが登場する事になった。むしろ''難易度に堂々とケチを付けるボス''など、世界広しと言えど彼ぐらいであろう。 --『アイテム使用に対するカウンター』も続投しているが、本作ではなんと即死級のBCにまで昇華。その際のカットインも凄まじいインパクトを誇る。D2と違い発動されようものなら良くてパーティ半壊、これ一発で全滅もよくある事というおぞましい目に遭う。((D2では『アイテム使用に合わせて中級昌術を放ってくる』程度で、その気になればゴリ押しでアイテムを使い続ける事も出来る)) --さらには、この近年プレイヤーがよくやっていたオートレベルアップ(コントローラーのアナログスティックを固定して、戦闘をオートでやることで放置してレベルを上げるという方法)に対して、~ 「20分ほど同じ場所でオート戦闘を連続でする」という条件を満たすと、「こんなところで長々と何をしている!」と唐突に現れてくれる。~ HP無限なので絶対に倒せず、それ以外のステータスも隠しボスのときと同じ。逃げることはできるが、オート戦闘なのでCPUは何も考えず突っ込む…。 --いくらなんでも唐突でしかも強烈なインパクトを残したので、''野生のアナゴ''((バルバトスの担当声優・若本規夫氏が演じる『サザエさん』の登場人物から。))というアダ名が付けられた。 -ハーメンツでのリオン戦で、リオンを倒す事が出来なくなった。 --PS版では難易度こそ高いが彼を倒す事が可能で、その際専用のバッドエンドを迎えるという隠し要素があったが、リメイクにあたって途中でBCを発動されて強制的に敗北するようになり、正真正銘の「負けバトル」となった。 **問題点 -ほとんどのキャラが第2部での加入時期が早まっているにも関わらず、ジョニーだけ加入時期が原作よりもかなり遅くなっている。~ 貴重な音属性の技を使いこなせるだけに、終盤まで進めてようやく加入することを残念がるプレイヤーは多い((ちなみに、原作におけるダリスを生存させた場合にマリーが復帰する時期とほぼ同じである。))。~ なお、ウェア系の装備は彼とリオン用の装備なので、リオン離脱から彼が加入するまでの間は誰も装備できず、長い間アイテム欄の中に埋もれることになる。 -戦闘中、ターゲットが勝手に切り替わることがある。空中の敵などを狙うときに混乱する。 -2Dマップは美麗なのだが、3Dマップがとてつもなく粗い。4年前のゲームであるデスティニー2の方がよほど綺麗なぐらいである。 -町やダンジョンのマップも当然全て新規だが、ダンジョン内のマップについては使い回した部分が露骨に目立ってしまっている。 --特に目立つのが、似たような長い廊下や曲がり角のようなマップが多いこと。突き当たりには宝箱があったり、単に行き止まりだったりする点もほぼ共通している。 --モリュウの海底洞窟とオベロン社廃工場の地下部分に至ってはほぼ完全に使い回し。初見のプレイヤーでもすぐに分かるほどバレバレである。 -特技画面での作画に難があるキャラが存在する。 **総評 -属性や装備品周りは従来のシリーズに比べてシンプルに再構成されており、初心者にも取っ付き易い。~ そして幅広く用意された難易度や自由度の高い戦闘システム、称号・アイテムコンプ、隠しイベントやEXダンジョンをめぐっての最強装備作成、といったやりこみ派への配慮もされており、システム周りはかなりの良リメイク。((PS版は古いソフトであり、後年の作品でテイルズの存在を知った(特に若年層の)プレイヤーが手を出すには入手が困難・グラフィックやシステムの落差が激しいなどの問題もあり、そういったプレイヤーにとってはありがたいリメイクであった。))~ 爽快な戦闘を楽しみたい人にはもれなくオススメの作品である。 -キャラクター、シナリオ面に関しても、主要キャラの性格やイベント内容の大幅な変更に始まり、ダンジョンの攻略順序や世界観の細かい設定など、ほぼ別作品とも言えるレベルにまで大胆な変更が加えられている。 --元々高いキャラクター人気を誇るシリーズであるだけに、性格やイベントの変化に賛否が割れるのは致し方ない部分である。~ また、作品全体の方向性も原作に見られたストイックさを極力抑え、万人受けしやすい王道指向へシフトしているため、雰囲気も大きく変化している。~ 単純なリメイクというよりは「現代向けにシナリオを書き直した''新訳デスティニー''」と言った方が正しいかもしれない。 --ただ、内容自体は大きく変わっているものの原作に見られた粗はかなり改善され、大掛かりな改変によるシナリオやキャラの破綻などの重大な問題は見られず、本作なりにしっかりと纏まっている。~ 強いて挙げるならば清々しいまでの勧善懲悪に徹していること、一部のキャラやイベントのギャグ要素に好みが分かれる位である。 --シナリオやキャラ自体は「変わり過ぎ」「ほぼ別物」という声と同時に「これはこれであり」という好意的な評価も多く、原作経験者の間でも受け入れて楽しんでいる人も多い。~ このことから賛否は分かれるものの少なくとも改悪とは言い難く、あくまでも改変の範疇に収まっていると言える。((なお、レイディアントマイソロジーなどのお祭りゲーにおいても、基本的に今作準拠の性格が採用されている。))~ -原作の名台詞や名場面と呼ばれた多くの要素が削除・変更された点はリメイク作品としては悔やまれる((余談になるが、かつて本サイトの前身の一つ「クソゲーまとめ」においては「賛否両論」判定で記載されていた。本作の改変内容に対する判定の難しさが伺える。))ものの、生まれ変わったシステム、シナリオ共にクオリティは高い。ゲーム単体で見れば十分良作と呼べる完成度である。~ そのため、大きく変わったキャラの性格をそれはそれとして楽しめる人、初めてデスティニーに触れる人には、かなりおすすめである。 ---- *テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット 【ているず おぶ ですてぃにー でぃれくたーずかっと】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ固有ジャンル名:もうひとつの運命という名のRPG)|&amazon(B000XP9CRO)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2008年1月31日|~| |定価|通常版:6,090円 / プレミアムBOX:7,140円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(DC) -リオンを主人公とした「リオンサイド」等の追加要素がある。無印版とのコンバートが可能。 --本編であるスタンサイドでもサブイベントが幾つか追加されている。 -味方のステータス限界が999(装備込み)から999+装備に変更され、無印版での最高HP5994((単純にHP計算式が体力×6なため。))から9999まで成長させることが可能になった。 --ただこれによって武器も性能も強いソーディアンチームと非ソーディアンチームの格差が更に広がる事になった、特に武器の弱いコングマンはかなりの差を付けられてしまう。 --デバイスも新しい機能が追加され、引継ぎ要素も「フードストラップ」と「術技」が新たに追加された。 -無印版で猛威を振るった「幻影刃」や「キュアフラッシュ剛招来」などの無敵技が弱体化。上記で述べた「レインボーアーチ」も硬直が付加されて汎用的な性能に落ち着いた。 --また、敵の行動パターンも変わっており、特に大きく変わったのは難易度最低のバルバトス。~ 無印版では普通の行動パターンにチート級の技を1つ組み合わせただけだったが、DC版では弱い技は全て使わず、通常移動が全てダッシュになっている他、凶悪な新規技を数多く繰り出してくる為、ただでさえ高い難易度が更に大きく上がっている。 **問題点 -肝心のリオンサイドのボリュームがかなり薄い。内容は''大半がスタンサイド(本編)とかぶっている''上、リオンは中盤で完全に離脱するため当然そこまでしかプレイできない。 --追加要素の少なさも問題。リオンサイド追加、一部のキャラの技(敵含む)追加、闘技場ランク6くらいでモンスター追加された程度。ゲーム自体は悪いものではないが、ほぼフルプライスの値段でこれはない。 ---また恒例になりつつある温泉イベント(リオン編)も追加されたのだが、何故か「男だとばれないように胸までタオルを巻いて女湯に入る((リオンが利用した当時は男湯が故障中であり、受付の計らいで空いていた女湯を使わせてもらった…までは良かったのだが、受付が急用で席を外している間に、事情を知らない女性客が来てしまった。ちなみに本人は普通にやり過ごせてしまったことにむしろ凹んでいる。…まんま女性向け作品のノリである。))」というどう見ても腐女子狙いな展開となっている。 ---また今作以降リオンを「男装の麗人に見える(称号:セインガルドの薔薇)」という面を強調するようになり「性格改変とかはともかくに腐女子に媚びた真似をするな」と拒否反応を示す人もいる。そもそもその手のネタに疎い人には全く意味がわからない謎の展開で終わってしまうし、逆になまじ知っている人には寒いだけである。では、当の腐女子達にはウケたのかと言うと、『あざとい』『自分達を狙っている魂胆が見え見え』等あまり芳しくない。無印版での性格改変の時点で『公式でそれをされると逆に萎える』『冷徹で他人を寄せ付けない性格だったからこそ好きだったのに』等の不評もあった。 #region(ネタバレ注意) -ちなみに、リオンサイドであろうともやはりリオンは''本編同様に死亡し、生存させることはできない''。 --スタッフのインタビューでも「生存ルートは考えていたが、そうするとリオンらしくなくなる」「リオンはあの場所で死なないと、リオンではなくなってしまうんですよ。」等の理由で結局没になった。今作における彼があのような形で死亡したのはその名残である可能性も考えられる。 //--発売前はリオンが生き残るルートもあると期待されていたが、&bold(){そんな事は無かった。}電撃PSでの緑川氏(リオンの声優)のインタビューが妙に落ち込み気味だったのはこれが原因かと思われる。 //---というかスタッフたちは、大半のユーザーは、if展開でもいいからリオン生存ルートの追加を期待しているという事が分からなかったのだろうか。 //性格改変はダメなのにリオン生存は望まれるというのか…。 //あくまで一部のファンってだけだしね。グリリバの落ち込みようとかはよくわからん。 ---ただしリオンで隠しダンジョンに乗り込むことは可能になった。 #endregion //問題点冒頭を含め、リオンの件について記事の内容そのものは変えない程度に伏せました。原作のページでも伏せてあったのでそれに倣った形です。 -追加技の数や性能のバランスが悪い。 --追加技のほとんどがリオン。空中可能に変更が4つ、特技が2つ、晶術が2つ、空中晶術が2つ、BCが1つ。他キャラで追加されたのはスタンの「空中屠龍閃」とチェルシーの「キューピッドアロゥ」のみ。 ---リオンの技は元々少なかった訳でもなく、性能も高かったため、上記のマリー等のように技が偏っている他キャラの技増量に宛てても良かったのではないだろうか。 --リオンの追加技「デモンズランス・ゼロ」に関して、通常のデモンズランスに追尾弾、封印効果が追加され威力も約1.3倍、更に術攻撃は55%も上昇((味方一人の攻撃を上げる術が20%上昇))、物理攻撃10回(術攻撃5回)分のけ反らなくなる鋼体効果も付加、この性能で消費CCが4から6に上がっただけと凄まじい性能を持つ。((当然、鋼体なのでダメージを受けないわけではないので、死ぬ時は死ぬ。本作の鋼体中は防御した場合、ダメージが軽減できずそのまま通るようになっている。)) ---ゼロほどではないが、地上時の倍近い威力になる「空中屠龍閃」、イベント技を除けば全キャラ最高威力のBC「魔神剣・刹牙」なども強力。 -バグの修正が雑。修正されていないバグや新たに発生したバグもある。 --熱毒中にBCを使うと挙動がおかしくなる事があるバグを、''全状態異常でBCが発動出来なくする''事で修正。 --難易度を上げると味方の防御の性能が上がるよう変更されたが、フラッシュガード(攻撃を受けるとほぼ同時に防御する)の性能はそのまま、最高難易度だとダメージ軽減において、通常の防御がフラッシュガードの性能を僅かながら上回ってしまう。ただし、フラッシュガードはダメージ軽減のほか、BCゲージが多く回復するという効果が存在する。 --リオンサイドは本編より初期レベルが高い状態で始まるが、ステータスや経験値は本編のまま。意図せずにリオンサイドの難易度が上がってしまっている。 --リオンサイドで隠しダンジョンへ行っても''ウッドロウの武器がロイヤルブレイドのまま''、このためウッドロウは術も使えず完全に戦力外。増強もあまり見込めない分、PS版以上に悲惨な立場となった。 **総評 -リオンサイドはスタンサイドと被りが多すぎて存在価値は薄いが、その他の追加要素やバランス調整がもたらした恩恵はある。&br()それ故、初プレイ時に無印版とどちらかを選択するのであれば、&bold(){金銭面が許す限りこちらがおすすめ。} ---- //タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。) //バンダイナムコゲームス,テイルズシリーズ,プレイステーション2&bold(){}&bold(){}&bold(){}&bold(){}&bold(){}&bold(){}&bold(){}&bold(){}

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