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*SDガンダム Gジェネレーション ADVANCE 【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん あどばんす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0000DG18E)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ヴァンガード|~| |発売日|2003年11月27日|~| |定価|6,090円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|''金色ザク''&br()クルーゼがまさかの機体で駆け回る&br()ガンダムファンなら歓喜必至なシチュエーション多数&br()|~| |>|>|CENTER:[[''SDガンダム Gジェネレーションシリーズ リンク''>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -GBA唯一のGジェネで、バンダイの初GBA作品。ワンダースワンの『[[ギャザービート>SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート]]』を基に、主にSEEDの要素を追加したリメイク作。 -ストーリーは『機動戦士ガンダム』(以下「1st」表記)の一年戦争を基盤に、所々に他の作品のシチュエーションを挿入するという、[[スパロボ>スーパーロボット大戦シリーズ]]のようなクロスオーバーものの構成となっている。 **参戦作品とそれぞれの立ち位置 #region(クリックで開閉) -機動戦士ガンダム --ストーリーの基盤だけあって、ガルマ特攻、ジャブロー降下作戦、ア・バオア・クー決戦など、重要の場面は押さえている。 --だが『1st』の機体が下級扱いで、終盤では『1st』のキャラが『Z』『ZZ』『逆シャア』系の機体に乗ることになる。光る宇宙ではシャアがサザビーに、ララァがα・アジールに乗ることに。エルメスは誰も乗らず、プレイヤー自ら作らなければ出ない。 --1話きりのキャラ、''ククルス・ドアン''が妙にクローズアップされる。(詳細は後述) -機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY --モルモット隊のフィリップ・ヒューズ、サマナ・フュリスが登場。 --ユウとニムバスの決戦を臨むためには、複雑な条件を満たしボーナスステージに行く必要がある。このステージはかなりお得で、見逃さぬように。 -機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 --ストーリー再現がないが、サイクロプス隊が普通に出てくる。そしてバーニィが他のサイクロプス隊メンバーが存命中にもかからず、クリスの説得であっさり自軍に寝返る。 -機動戦士ガンダム 第08MS小隊 --陸戦型ガンダム乗りが全員登場するだけにとどまらず、シローのEz8が従来のギャザビシリーズ作通り宇宙戦仕様に改造される。シローとアイナとのチーム補正も飛びぬけており((チームを組むことで得られる能力ボーナス。他のが組んでもせいぜい+5に対し、シローとアイナ同士が+15))、覚醒コマンドまであるなど優遇されている。 //--DSでは本作のような存在感が陰に潜むことになる。 -機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY --味方パイロットに不死身の第4小隊とキース、エイパー・シナプスが味方三人の艦長の一人。敵にビッター少佐、シーマ様とデトローフ・コッセルなど、脇役面も充実している。 --再現されたシーンはガンダム強奪と二号機打ち上げの二つ。 -機動戦士Zガンダム --ジャミトフ・バスク・ヤザン以外のティターンズのキャラが(ジェリドやシロッコすら)登場せずストーリーも再現されないが、なんとフランクリン・ビダン(カミーユの父)が登場。デラーズ・フリートに亡命する。 --今回もカミーユの覚醒イベントが存在、精神崩壊のリスクも変わらず。だが覚醒しつつ精神崩壊を回避するイベントが存在する(後述)。 -ガンダム・センチネル --スペリオルガンダムとガンダムmkVのみ登場。キャラは一切出現しない。 -機動戦士ガンダムZZ --敵にラカン・ダカランのスペースウルフ隊だけ登場、味方もジュドーだけ。ハマーンは… --機体にはZZガンダム、ジムIII、ザクIII、ドーベンウルフ、キュベレイmkIIなど、一応ユニット発展図では重要なポジション。 //↑ゲーム中の表記に合わせました -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア --シャアは逆襲しないが… -機動戦士ガンダムF91 --主人公のシーブックと乗機F91だけ登場。 -機動戦士Vガンダム --主人公のウッソ・ヒロインのシャクティと、ウッソの乗機Vガンダム・V2ガンダムだけ登場。 -機動武闘伝Gガンダム --デビルガンダムが登場せず、ストーリー再現はないが、ドモンと東方不敗が随所でおいしい役回りを演じる。 -新機動戦記Wガンダム --ヒイロ以外のガンダムパイロットはいないが、ノインとゼクス、デルマイユ公爵、果てにアレックスとミュラーなど、敵役が充実。 -機動新世紀ガンダムX --ガロードが隠しキャラで、ガンダムXの入手もさらに別の条件が必要。一方フロスト兄弟は常にプレイヤーサイドと敵対する。 -∀ガンダム --味方がロラン・ハリーと隠しでポゥのみ。フィルの率いるディアナ・カウンターが出るが、ギンガナムとその艦隊が存在しない。ターンXもない。 --ディアナはアニメーションデモ・BGM「月の繭」と共に登場し、存在感を放つ。 --ホワイトドールは大して特別の存在として見なされていない。だが月光蝶がしっかり使え、戦力としては一級品。 -機動戦士ガンダムSEED --『NEO』『モノアイガンダムズ』では機体だけ登場するのだが、原作再現は今回が初めて。そのためプロローグではヘリオポリス崩壊の場面が展開されるなど優遇されている。だが再現シーン自体はそれほど多くはなく、砂漠の虎との決戦と螺旋の邂逅ぐらい。 -他にも「ギレンの野望」からゼロ・ムラサメと試作型ガンダムmkII0号機、そしてMSVなど歴代Gジェネでも取り込まれた要素が含まれる。 #endregion **システム -ストーリーは『ギャザビ』が元になっているが、システム面は従来のGジェネのシステムを採用している。 --スタック、間接攻撃、IDコマンドなど『ギャザビ』から輸入されたシステムもある。 -ステージクリア後のバックステージ(インターミッション)にて「索敵」を選択することで味方強化用のステージをプレイ出来る。 --このステージでしか登場しないレアユニットも存在する。 --また、ステージ中に特定の条件を満たすと追加ステージ「エクストラセッション」がプレイ可能な場合がある。ここでしか仲間にならないキャラやユニットもいる。 -バックステージでは他にも「改造」「補給」などが行える。 --改造はユニットを強化、補給は機体や改造パーツを購入出来る。機体に改造パーツを装備させることで新しい機体を設計することが出来る。 --捕獲や補給で入手したユニットは売却して資金にしたり、分解して改造パーツにするといった事も出来る。 ---- **評価点 -クロスオーバーの環境を活かした、ガンダムファンなら歓喜する大胆なシチュエーションが多数存在。 --真っ先に挙げられるのは、ククルス・ドアンの覚醒だろう。1stでは1話きりのキャラだが、条件を満たせば味方に参入する。しかし参入時とそれ以降にとんでもないイベントが存在する。 #region(イベント詳細) --参入シナリオで「MSによる格闘技で敵のザクを粉砕する」という流れ自体は原作通りだが、その際''乗機のザクがスーパーモードに入ったモビルファイターのように金色に輝き、格闘技を放つ''。この時点でのスーパーモードはこのイベント限定。 --後のシナリオで別の条件も成功させると、なんと''ピンチに陥った時にドモンから叱咤激励を受けて覚醒し、スーパーモードを任意で発動できるようになる''という、クロスオーバーならではの展開が起こる。 #endregion --カミーユの覚醒かつ精神崩壊回避イベントもまた秀逸。 #region(そのイベントについて。) --カミーユが怒りに溺れる最中にドモンの助言を受け、''明鏡止水に目覚めて冷静さを取り戻す''というもの。 --一方で精神崩壊の回避に失敗すると、それ以降は出撃不能になってしまう。 #endregion --アムロは1st版のままだが、νガンダムのフィン・ファンネルを使うと''1st仕様宇宙服のカットインが挿入される''。だが台詞は『逆シャア』でのもので少々違和感あり。 --他にも原作ですぐ死亡する敵キャラが、何度も自軍に敵対する。 ---代表格は『W』のアレックスとミュラーだろう。彼らは序盤ですぐにゼクスに粛清されるのだが、本作では『W』がらみの山場シーンにも味方に立ち向かい、印象に残りやすい。 --''ヒイロとユウの無口コンビ''、アムロとキラの親友関係と、ニヤリを誘う描写も。 --以上のほかにも、ファンならハッとさせられるシーンが点在する。 -一部ボスのインパクトが凄まじい --ラウ・ル・クルーゼは終盤でまさかの機体に乗って自軍の前に立ち塞がる。 #region(クルーゼの機体について) -どういうわけか、本来はキラの後継機である''フリーダムに搭乗する''。クルーゼが所属するZAFT製なのでありえなくはないが…。 --原作の最終盤ではプロヴィデンスという専用機に搭乗していたが、本作の発売が『SEED』放送後たった2ヶ月なので、本作制作時にプロヴィデンスに関する資料がなかった((放送当時、プロヴィデンスは登場するまでメディアでの情報さえも伏せられていた。))ため、スタッフが苦肉の策を取ったのだろう。 --終盤にムウが乗るストライクと、クルーゼのフリーダムとの一騎打ちという山場イベントがある。ちなみにそのときキラはリ・ガズィ(『逆シャア』の機体)に乗る。 --クルーゼの死後はフリーダムが回収されキラが乗れるのでご安心を。 #endregion --ラスボスも意外性と異様さがあふれている。 #region(ラスボスの実態。ネタバレ注意) -『08MS小隊』のキャラ「ギニアス・サハリン」が、オリジナルの巨大モビルアーマー「グロムリン・フォズィル」に搭乗し、原作さながらの狂気に満ちた様相でラスボスとして君臨する。高い攻撃力と3回復活を持つ強敵。 --微小のダメージでも「こんなことが…こんなことがあるはずが…」と余裕を失った様なセリフを吐くのはご愛嬌。 --原型機であるグロムリン自体の出自も、1stの放送打ち切りに伴う没設定(通称トミノメモ)とただでさえニッチ極まりないネタなのに加え、他作品の存在であるDG細胞やナノマシンまで搭載しており、本作の(いい意味での)やりたい放題っぷりを象徴している。 #endregion -ゲームバランスも良好。 --戦闘中セーブが出来ないが(中断は出来る)、1ステージは極端には長くないのですぐにインターミッションでセーブできる。難易度もそこまで高くなく、慎重に進めばクリアは容易。 --ただ序盤ではザフトの高性能機の前に苦しむこともあるので気をつけたい。 --条件を満たすことで進めるボーナスステージは、かなり歯ごたえがある。 --一度クリアするとスペシャルモードが開放される。敵ユニットの改造度とパイロット能力が強化され、難易度が上昇する((他にも序盤のストライクガンダムがエールストライカーを装備できずに戦力が低下するといった下方修正を受ける。代わりにムウがオールレンジ武器の使えるジムジャグラーに乗るといった救済があるが。))が、このモードでしか手に入らない隠し要素がある。 -戦闘アニメデモが前作から進化 --武装構え、被弾仰け反りモーションから始め、陸戦型ガンダムならシールドの上にキャノンを番えて撃つ、ストライクならナイフで連続攻撃するなど、丁寧な作りが点在する。 --相変わらずデモがカットできないが、テンポが良くなったためストレスが減った。 --次作『DS』ではなぜか戦闘デモが退化するため、相対的に本作(と前作『モノアイガンダムズ』)の方が評価される。 -BGMが良質。 --版権BGMの「あんなに一緒だったのに」「嵐の中に輝いて」「JUST COMMUNICATION」「月の繭」が、GBAの音源でありながら雰囲気を遺憾なく醸し出している。オリジナルものにも「ドッグファイト」「デトネーション」など、音作りがいいものが多い。 -ステージのタイトルコールが妙に凝っている。これは『NEO』と同様。 -プロフィールの解説がいろいろぶっ飛んでいる。ファンの意表を突くメッセージが多数盛り込んでおり、爆笑必至。 #region(参考動画・キャラクター編) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2012512) #endregion #region(参考動画・ユニット編) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm1970036) #endregion ---- **問題点 -優遇される作品がある一面で、不遇の面も大きい --アニメ作品の主人公であるジュドー・シーブック・ウッソ・ガロードが''隠しキャラ''。ガロード以外は乗機も能力もストーリーでの絡みも微妙。 ---特にウッソの乗機であるV2ガンダムは、象徴ともいえる「光の翼」や、アサルト・バスターという二つのオプションパーツが全てオミットされ、汎用的な武器しか使用できないという有様。初期の乗機であるVガンダムも後半でようやく手に入るが、こちらも時期的に厳しい性能。 ---ガロードは専用IDコマンドでガンダムXのサテライトキャノンを使用できるという持ち味がある。だがガンダムXの入手に別の条件が要るため、見逃してしまうとIDコマンドが1つ無駄になってしまう。 -多くの主役格後継機が登場しない --たとえば、ウイングがあってウイングゼロが出ない、ドモンにはシャイニングどまりでゴッドに乗りかえない、ガロードにDXがない、など。開発図から外れる機体の数を抑える措置と思われる。 //---かわりという事か、それらはトップクラスの性能を誇っている。 -『SEED』系の敵機体が厄介 --序盤ではジンとバクゥが他の敵機に比べて高性能。バクゥに至っては間接武器所持で味方の射程外から攻撃を仕掛け、甚大な被害を与えてくる。 ---追い討ちのごとく、''それらを捕獲しても味方の誰も乗れない''((正規のパイロットではないキラはまだしも、何故かザフト所属でコーディネイターのアスランも搭乗出来ない。))。コーディネイター用機体のOSはナチュラル((コーディネイターは『SEED』に登場する遺伝子改造を受けた人種で、受けていない人種はナチュラルと分かれる。原作に纏わる両者の対立構図は本作では取り沙汰されていない。))には扱い難いことの再現か。((実際序盤ではコーディネイターのキラしか乗れないストライクが、終盤でOSがナチュラル用に書き直したことの再現か、ナチュラルのムウが乗り換えてから全員搭乗できるようになる。))分解しても最下級のパーツしか得られず、開発にもありがたみが薄い。 ---ちなみに『DS』では、『SEED』系機体は入手できる物なら搭乗制限がなくなった。 -キーレスポンス問題 --時々インターミッションでカーソルを動かすだけでも長押しが必要になりストレスがたまる。 --生産・捕獲で味方ユニットが増え過ぎるときに起こると思われる。過剰に積もらせなければ回避できる。 -本流のGジェネと異なり、ゲームクリア後にステージを遡ってプレイすることが出来ない。 --シミュレーションRPGとしては別に問題となる要素ではないが、本作は隠し要素の他にステージ内での会話シーンも多く、もう一度見たいと思っても、セーブが1個しか無いので、一からやり直さなければならないのである。 --一応インターミッション時の本来のセーブとステージ中の中断セーブが完全に分かれているのを利用して、2つのデータを保存出来る小技も(多少不便とはいえ)存在する。 ---- **総評 キーレスポンスや参戦作品の優遇不遇などの問題はあるが、ゲームの完成度が高く、手軽にガンダムの世界に入り込むのにもってこいの一作。~ 続編の『DS』がシナリオで絶賛されるが、イベントなどの完成面では二作とも甲乙がつけ難く、それぞれが高く評価されている。
*SDガンダム Gジェネレーション ADVANCE 【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん あどばんす】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0000DG18E)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ヴァンガード|~| |発売日|2003年11月27日|~| |定価|6,090円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|''金色ザク''&br()クルーゼがまさかの機体で駆け回る&br()ガンダムファンなら歓喜必至なシチュエーション多数&br()|~| |>|>|CENTER:[[''SDガンダム Gジェネレーションシリーズ リンク''>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -GBA唯一のGジェネで、バンダイの初GBA作品。ワンダースワンの『[[ギャザービート>SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート]]』を基に、主にSEEDの要素を追加したリメイク作。 -ストーリーは『機動戦士ガンダム』(以下「1st」表記)の一年戦争を基盤に、所々に他の作品のシチュエーションを挿入するという、[[スパロボ>スーパーロボット大戦シリーズ]]のようなクロスオーバーものの構成となっている。 **参戦作品とそれぞれの立ち位置 #region(クリックで開閉) -機動戦士ガンダム --ストーリーの基盤だけあって、ガルマ特攻、ジャブロー降下作戦、ア・バオア・クー決戦など、重要の場面は押さえている。 --だが『1st』の機体が下級扱いで、終盤では『1st』のキャラが『Ζ』『ΖΖ』『逆シャア』系の機体に乗ることになる。光る宇宙ではシャアがサザビーに、ララァがα・アジールに乗ることに。エルメスは誰も乗らず、プレイヤー自ら作らなければ出ない。 --1話きりのキャラ、''ククルス・ドアン''が妙にクローズアップされる。(詳細は後述) -機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY --モルモット隊のフィリップ・ヒューズ、サマナ・フュリスが登場。 --ユウとニムバスの決戦を臨むためには、複雑な条件を満たしボーナスステージに行く必要がある。このステージはかなりお得で、見逃さぬように。 -機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 --ストーリー再現がないが、サイクロプス隊が普通に出てくる。そしてバーニィが他のサイクロプス隊メンバーが存命中にもかからず、クリスの説得であっさり自軍に寝返る。 -機動戦士ガンダム 第08MS小隊 --陸戦型ガンダム乗りが全員登場するだけにとどまらず、シローのEz8が従来のギャザビシリーズ作通り宇宙戦仕様に改造される。シローとアイナとのチーム補正も飛びぬけており((チームを組むことで得られる能力ボーナス。他のが組んでもせいぜい+5に対し、シローとアイナ同士が+15))、覚醒コマンドまであるなど優遇されている。 //--DSでは本作のような存在感が陰に潜むことになる。 -機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY --味方パイロットに不死身の第4小隊とキース、エイパー・シナプスが味方三人の艦長の一人。敵にビッター少佐、シーマ様とデトローフ・コッセルなど、脇役面も充実している。 --再現されたシーンはガンダム強奪と二号機打ち上げの二つ。 -機動戦士Ζガンダム --ジャミトフ・バスク・ヤザン以外のティターンズのキャラが(ジェリドやシロッコすら)登場せずストーリーも再現されないが、なんとフランクリン・ビダン(カミーユの父)が登場。デラーズ・フリートに亡命する。 --今回もカミーユの覚醒イベントが存在、精神崩壊のリスクも変わらず。だが覚醒しつつ精神崩壊を回避するイベントが存在する(後述)。 -ガンダム・センチネル --スペリオルガンダムとガンダムmkVのみ登場。キャラは一切出現しない。 -機動戦士ガンダムΖΖ --敵にラカン・ダカランのスペースウルフ隊だけ登場、味方もジュドーだけ。ハマーンは… --機体にはΖΖガンダム、ジムIII、ザクIII、ドーベンウルフ、キュベレイmkIIなど、一応ユニット発展図では重要なポジション。 //↑ゲーム中の表記に合わせました -機動戦士ガンダム 逆襲のシャア --シャアは逆襲しないが… -機動戦士ガンダムF91 --主人公のシーブックと乗機F91だけ登場。 -機動戦士Vガンダム --主人公のウッソ・ヒロインのシャクティと、ウッソの乗機Vガンダム・V2ガンダムだけ登場。 -機動武闘伝Gガンダム --デビルガンダムが登場せず、ストーリー再現はないが、ドモンと東方不敗が随所でおいしい役回りを演じる。 -新機動戦記Wガンダム --ヒイロ以外のガンダムパイロットはいないが、ノインとゼクス、デルマイユ公爵、果てにアレックスとミュラーなど、敵役が充実。 -機動新世紀ガンダムX --ガロードが隠しキャラで、ガンダムXの入手もさらに別の条件が必要。一方フロスト兄弟は常にプレイヤーサイドと敵対する。 -∀ガンダム --味方がロラン・ハリーと隠しでポゥのみ。フィルの率いるディアナ・カウンターが出るが、ギンガナムとその艦隊が存在しない。ターンXもない。 --ディアナはアニメーションデモ・BGM「月の繭」と共に登場し、存在感を放つ。 --ホワイトドールは大して特別の存在として見なされていない。だが月光蝶がしっかり使え、戦力としては一級品。 -機動戦士ガンダムSEED --『NEO』『モノアイガンダムズ』では機体だけ登場するのだが、原作再現は今回が初めて。そのためプロローグではヘリオポリス崩壊の場面が展開されるなど優遇されている。だが再現シーン自体はそれほど多くはなく、砂漠の虎との決戦と螺旋の邂逅ぐらい。 -他にも「ギレンの野望」からゼロ・ムラサメと試作型ガンダムmkII0号機、そしてMSVなど歴代Gジェネでも取り込まれた要素が含まれる。 #endregion **システム -ストーリーは『ギャザビ』が元になっているが、システム面は従来のGジェネのシステムを採用している。 --スタック、間接攻撃、IDコマンドなど『ギャザビ』から輸入されたシステムもある。 -ステージクリア後のバックステージ(インターミッション)にて「索敵」を選択することで味方強化用のステージをプレイ出来る。 --このステージでしか登場しないレアユニットも存在する。 --また、ステージ中に特定の条件を満たすと追加ステージ「エクストラセッション」がプレイ可能な場合がある。ここでしか仲間にならないキャラやユニットもいる。 -バックステージでは他にも「改造」「補給」などが行える。 --改造はユニットを強化、補給は機体や改造パーツを購入出来る。機体に改造パーツを装備させることで新しい機体を設計することが出来る。 --捕獲や補給で入手したユニットは売却して資金にしたり、分解して改造パーツにするといった事も出来る。 ---- **評価点 -クロスオーバーの環境を活かした、ガンダムファンなら歓喜する大胆なシチュエーションが多数存在。 --真っ先に挙げられるのは、ククルス・ドアンの覚醒だろう。1stでは1話きりのキャラだが、条件を満たせば味方に参入する。しかし参入時とそれ以降にとんでもないイベントが存在する。 #region(イベント詳細) --参入シナリオで「MSによる格闘技で敵のザクを粉砕する」という流れ自体は原作通りだが、その際''乗機のザクがスーパーモードに入ったモビルファイターのように金色に輝き、格闘技を放つ''。この時点でのスーパーモードはこのイベント限定。 --後のシナリオで別の条件も成功させると、なんと''ピンチに陥った時にドモンから叱咤激励を受けて覚醒し、スーパーモードを任意で発動できるようになる''という、クロスオーバーならではの展開が起こる。 #endregion --カミーユの覚醒かつ精神崩壊回避イベントもまた秀逸。 #region(そのイベントについて。) --カミーユが怒りに溺れる最中にドモンの助言を受け、''明鏡止水に目覚めて冷静さを取り戻す''というもの。 --一方で精神崩壊の回避に失敗すると、それ以降は出撃不能になってしまう。 #endregion --アムロは1st版のままだが、νガンダムのフィン・ファンネルを使うと''1st仕様宇宙服のカットインが挿入される''。だが台詞は『逆シャア』でのもので少々違和感あり。 --他にも原作ですぐ死亡する敵キャラが、何度も自軍に敵対する。 ---代表格は『W』のアレックスとミュラーだろう。彼らは序盤ですぐにゼクスに粛清されるのだが、本作では『W』がらみの山場シーンにも味方に立ち向かい、印象に残りやすい。 --''ヒイロとユウの無口コンビ''、アムロとキラの親友関係と、ニヤリを誘う描写も。 --以上のほかにも、ファンならハッとさせられるシーンが点在する。 -一部ボスのインパクトが凄まじい --ラウ・ル・クルーゼは終盤でまさかの機体に乗って自軍の前に立ち塞がる。 #region(クルーゼの機体について) -どういうわけか、本来はキラの後継機である''フリーダムに搭乗する''。クルーゼが所属するZAFT製なのでありえなくはないが…。 --原作の最終盤ではプロヴィデンスという専用機に搭乗していたが、本作の発売が『SEED』放送後たった2ヶ月なので、本作制作時にプロヴィデンスに関する資料がなかった((放送当時、プロヴィデンスは登場するまでメディアでの情報さえも伏せられていた。))ため、スタッフが苦肉の策を取ったのだろう。 --終盤にムウが乗るストライクと、クルーゼのフリーダムとの一騎打ちという山場イベントがある。ちなみにそのときキラはリ・ガズィ(『逆シャア』の機体)に乗る。 --クルーゼの死後はフリーダムが回収されキラが乗れるのでご安心を。 #endregion --ラスボスも意外性と異様さがあふれている。 #region(ラスボスの実態。ネタバレ注意) -『08MS小隊』のキャラ「ギニアス・サハリン」が、オリジナルの巨大モビルアーマー「グロムリン・フォズィル」に搭乗し、原作さながらの狂気に満ちた様相でラスボスとして君臨する。高い攻撃力と3回復活を持つ強敵。 --微小のダメージでも「こんなことが…こんなことがあるはずが…」と余裕を失った様なセリフを吐くのはご愛嬌。 --原型機であるグロムリン自体の出自も、1stの放送打ち切りに伴う没設定(通称トミノメモ)とただでさえニッチ極まりないネタなのに加え、他作品の存在であるDG細胞やナノマシンまで搭載しており、本作の(いい意味での)やりたい放題っぷりを象徴している。 #endregion -ゲームバランスも良好。 --戦闘中セーブが出来ないが(中断は出来る)、1ステージは極端には長くないのですぐにインターミッションでセーブできる。難易度もそこまで高くなく、慎重に進めばクリアは容易。 --ただ序盤ではザフトの高性能機の前に苦しむこともあるので気をつけたい。 --条件を満たすことで進めるボーナスステージは、かなり歯ごたえがある。 --一度クリアするとスペシャルモードが開放される。敵ユニットの改造度とパイロット能力が強化され、難易度が上昇する((他にも序盤のストライクガンダムがエールストライカーを装備できずに戦力が低下するといった下方修正を受ける。代わりにムウがオールレンジ武器の使えるジムジャグラーに乗るといった救済があるが。))が、このモードでしか手に入らない隠し要素がある。 -戦闘アニメデモが前作から進化 --武装構え、被弾仰け反りモーションから始め、陸戦型ガンダムならシールドの上にキャノンを番えて撃つ、ストライクならナイフで連続攻撃するなど、丁寧な作りが点在する。 --相変わらずデモがカットできないが、テンポが良くなったためストレスが減った。 --次作『DS』ではなぜか戦闘デモが退化するため、相対的に本作(と前作『モノアイガンダムズ』)の方が評価される。 -BGMが良質。 --版権BGMの「あんなに一緒だったのに」「嵐の中に輝いて」「JUST COMMUNICATION」「月の繭」が、GBAの音源でありながら雰囲気を遺憾なく醸し出している。オリジナルものにも「ドッグファイト」「デトネーション」など、音作りがいいものが多い。 -ステージのタイトルコールが妙に凝っている。これは『NEO』と同様。 -プロフィールの解説がいろいろぶっ飛んでいる。ファンの意表を突くメッセージが多数盛り込んでおり、爆笑必至。 #region(参考動画・キャラクター編) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2012512) #endregion #region(参考動画・ユニット編) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm1970036) #endregion ---- **問題点 -優遇される作品がある一面で、不遇の面も大きい --アニメ作品の主人公であるジュドー・シーブック・ウッソ・ガロードが''隠しキャラ''。ガロード以外は乗機も能力もストーリーでの絡みも微妙。 ---特にウッソの乗機であるV2ガンダムは、象徴ともいえる「光の翼」や、アサルト・バスターという二つのオプションパーツが全てオミットされ、汎用的な武器しか使用できないという有様。初期の乗機であるVガンダムも後半でようやく手に入るが、こちらも時期的に厳しい性能。 ---ガロードは専用IDコマンドでガンダムXのサテライトキャノンを使用できるという持ち味がある。だがガンダムXの入手に別の条件が要るため、見逃してしまうとIDコマンドが1つ無駄になってしまう。 -多くの主役格後継機が登場しない --たとえば、ウイングがあってウイングゼロが出ない、ドモンにはシャイニングどまりでゴッドに乗りかえない、ガロードにDXがない、など。開発図から外れる機体の数を抑える措置と思われる。 //---かわりという事か、それらはトップクラスの性能を誇っている。 -『SEED』系の敵機体が厄介 --序盤ではジンとバクゥが他の敵機に比べて高性能。バクゥに至っては間接武器所持で味方の射程外から攻撃を仕掛け、甚大な被害を与えてくる。 ---追い討ちのごとく、''それらを捕獲しても味方の誰も乗れない''((正規のパイロットではないキラはまだしも、何故かザフト所属でコーディネイターのアスランも搭乗出来ない。))。コーディネイター用機体のOSはナチュラル((コーディネイターは『SEED』に登場する遺伝子改造を受けた人種で、受けていない人種はナチュラルと分かれる。原作に纏わる両者の対立構図は本作では取り沙汰されていない。))には扱い難いことの再現か。((実際序盤ではコーディネイターのキラしか乗れないストライクが、終盤でOSがナチュラル用に書き直したことの再現か、ナチュラルのムウが乗り換えてから全員搭乗できるようになる。))分解しても最下級のパーツしか得られず、開発にもありがたみが薄い。 ---ちなみに『DS』では、『SEED』系機体は入手できる物なら搭乗制限がなくなった。 -キーレスポンス問題 --時々インターミッションでカーソルを動かすだけでも長押しが必要になりストレスがたまる。 --生産・捕獲で味方ユニットが増え過ぎるときに起こると思われる。過剰に積もらせなければ回避できる。 -本流のGジェネと異なり、ゲームクリア後にステージを遡ってプレイすることが出来ない。 --シミュレーションRPGとしては別に問題となる要素ではないが、本作は隠し要素の他にステージ内での会話シーンも多く、もう一度見たいと思っても、セーブが1個しか無いので、一からやり直さなければならないのである。 --一応インターミッション時の本来のセーブとステージ中の中断セーブが完全に分かれているのを利用して、2つのデータを保存出来る小技も(多少不便とはいえ)存在する。 ---- **総評 キーレスポンスや参戦作品の優遇不遇などの問題はあるが、ゲームの完成度が高く、手軽にガンダムの世界に入り込むのにもってこいの一作。~ 続編の『DS』がシナリオで絶賛されるが、イベントなどの完成面では二作とも甲乙がつけ難く、それぞれが高く評価されている。

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