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*トレード&バトル カードヒーロー 【とれーどあんどばとる かーどひーろー】 |ジャンル|トレーディングカードゲーム|&amazon(B00005OVBG,image);| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2000年2月21日|~| |定価|3,800円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【3DS】2011年8月10日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カードヒーローシリーズ''&br;''トレード&バトル'' / [[高速カードバトル>高速カードバトル カードヒーロー#id_8c14fe0e]] / [[スピードバトルカスタム>高速カードバトル カードヒーロー#id_bec194de]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -当時流行期であったTCG(トレーディングカードゲーム)をオリジナルルールでゲーム化されたソフト。 --一度お蔵入りになりかけたところを、ゲーム雑誌「ファミ通」の編集者が注目しバックアップ、発売までこぎつけたという経緯を持つ。 **ストーリー 主人公「門マサル」が、カードバトルで悪者と戦うアニメ「カードヒーロー」。ひろしはこのアニメの大ファンだった。~ そんな折、ひろしが生まれてすぐ渡米した祖父が、久しぶりに帰国。彼がお土産に買ってきたカードがきっかけで、ひろしはTCGとしてのカードヒーローにも興味を持つようになる。~ 友達のクミとカードヒーローを始めたひろしは、カードヒーロー同好会「クラマクラブ」に入会。果たして、ひろしはマサルのようにカッコよくカードバトルができるようになるのだろうか? **特徴 -いわゆる『マジック:ザ・ギャザリング』型のカードゲーム。あらかじめ用意したデッキから手札を引き、「ストーン」というリソースを消費して「モンスター」を召喚して攻撃させたり「マジック」カードを使ったりして、最終的に相手「マスター」に攻撃を与えてそのHPを0にすれば勝利となる。 -本作でゲームで使うフィールドは以下のような構造になっている。他の同型のTCGに比べるとコンパクトな構造と言える。 |後| |後|マはそれぞれのプレイヤーを模した「マスター」が配置されているマス。前・後は「モンスター」カードを設置できるマス。&br;一人のマスターが2x2=4体まで自分のモンスターを設置できる。攻撃しない代わりに移動したり位置を交換したりもできる。&br;通常攻撃では隣接している相手にしか攻撃できず、前衛は後衛の壁のようになっている。&br;また、後マスにのみモンスターが設置されている場合、それを所有しているマスターのターンの始めに後マスから前マスに移動する。| |前|マ|前|~| |前|マ|前|~| |後| |後|~| -本作で用いるカードの種類は「モンスター」と「マジック」の2種類。 -「モンスター」はそのモンスターを場に召喚して攻撃を行ったりできるカード。モンスターを召喚するにはストーン1個と一緒に場に置き、次のターンまで待つ必要がある。 --モンスターにはHPと通常攻撃が全カード共通して設定され、カードによっては特殊攻撃・常に効果を発揮する特殊効果もそれぞれ設定されている。特殊攻撃は使用にストーンを消費するものもある。 ---HPと攻撃は1刻みの数値設定が行われており、モンスターのHPは最大でも6。HP1の差で命運が分けられていると言っても過言ではない。 ---特殊攻撃は遠隔攻撃が可能なものが多いが、その攻撃できる場所はカードにより異なっている。1つ飛び、2つ飛び、どこでも、貫通、桂馬飛びなどなど。 --モンスターには前衛向け・後衛向けという分類が行われており、どちらも前マス・後マスにも置けるものの、基本的には分類通りに設置したほうが良い。 ---前衛はHP・通常攻撃の威力が高いが、1マス以上隔てた相手には攻撃できない・できても威力が低いことがほとんど。 ---後衛はHPが低く、通常攻撃の威力は低く0のものすらあるので前衛に出されるとなにもできないが、高性能の遠隔攻撃が使える場合が多い。 -「マジック」はその場で効果を発揮するカード。ストーン消費数は各カードごとに異なり、マジックで消費されたストーンが戻って来ることは無い。 --一部の「マジック」カードは、シニア以降のルールにおいてはカード無しに使用することが可能である。詳しくは後述。 -なお、スタックやカウンター、インスタントといった概念が存在せず、「全てのアクションは宣言即解決」「相手プレイヤーのターン中に取れる行動がない」という特徴もあり、この点でも非常に簡潔でまとまったルールとなっている。 -各プレイヤーは毎ターンにストーンを3個貰うことができ、そのストーンでモンスター召喚や魔法の発動といった行動が可能になる。 --本作最大の特徴と言えるのがこのストーンに関する扱いである。モンスターの召喚やレベルアップに使ったストーンは、そのモンスターのHPが0になると手元に戻る。また、マスターのHPはストーンで表され、マスターがダメージを受けた際には受けたダメージ分のストーンを入手できる。~ つまり、追い詰められるほどできることは増えていく。相手の残ストーンに注意を向けつつ攻撃する必要がある。 -モンスターを強化するシステムとして「レベルアップ」と「気合い溜め」が存在する。 --相手モンスターを倒すとそのモンスターにレベルアップの権利が与えられる。Lvが上がるとモンスターによっては攻撃の威力や効果範囲が拡大することがある(最大Lv3まで)。 ---レベルアップするには''1レベルごとにストーンを1個消費する''必要があり、レベルが上がったモンスターは''HPを全回復できる''。この回復がカードヒーローの勝敗の分け目になると言ってもいい。 ---一部のモンスターには''スーパーカード''という特殊な進化形が用意されている。召喚するには「スーパーカードが手札にあるとき、それに対応したモンスター(「ボムノスケ」なら「ボムゾウ」)がLv3になる権利を得た時に交換して出す」というもので引きにも左右されるが、その分強力な攻撃技や特殊効果を持っている。 ---マスターには攻撃を2ポイント軽減するバリアーが常備されており、大抵のモンスターは初期状態で攻撃力2以下の技しか使えないため、レベルアップなどによる攻撃力の上昇やダメージ系の技の駆使が非常に重要となる。 ---先述した通り、全てのモンスターは場に出すときに必ず1個ストーンを消費する。このため各モンスターの性能差は他のTCGに比べかなり平坦な形になっており、TCGでは多くの場合「強いモンスターを出す」のが目的なのに対し、本作では「強いモンスターに育てあげる」のが目的になっていると言える。 ---なお、味方のモンスターを倒してレベルアップすることも可能だが、この場合自分のHPのストーンを支払うペナルティが与えられる((味方のモンスターを倒すことで1点、これによるレベルアップ1レベルごとに1点のHPストーンを失う))。 --モンスターに何も行動させずにターンを終了すると、モンスターは自動で「気合い溜め」を行い、吹きだしに[!]マークがつく。 ---受けるダメージを1減らし((ややこしいが、これはダメージタイプではない攻撃(つまりパワーを持つ攻撃)から受けるダメージにのみ有効であり、ヴァルテルの”ねらいうち”などダメージタイプの攻撃からのダメージは減らせない。))、次の通常攻撃のダメージを1増やすという状態。1度でも攻撃を受けるか攻撃をすると解除される。1の差が命運を分けるカードヒーローではその意味はとても大きい。 -ルールは以下の3種。 --ジュニア ---マスターの最大HPは5、デッキ枚数は20枚((当初は15枚だが、シナリオの途中で”ルールの改訂”が行われる))。最も基本的なルールであり、ゲーム開始からしばらくはこのルールでプレイすることになる。 --シニア ---マスターのHPとデッキ枚数はジュニアと同じだが、新たにマスター自身に特殊能力が付加されている。守り寄りのホワイト、攻撃特化のブラック、隠しマスターとしてテクニカルなワンダーの3種から選べる。 ---また、マスターによるダイレクトアタックも可能。1ターンに何度でも使えるが、ストーン3個でパワー2という効率の悪さなので、メインの攻撃手段にはならない。 ---さらに、シニア以上では味方モンスターの「追放」(フィールドからの除去)ができるようになる。高レベルのモンスターを追放してストーン回収、敵にレベルアップの権利を渡さないために瀕死のモンスターを追放するなどの使い道があるが、一度実行するたびにマスターのHPが1減る。 --プロ ---HPは10、デッキ枚数は30枚に。単純に数が増えただけだが、取れる戦略の幅は大きく広がる。 ---プロ限定の特殊能力として、マスターのHPを2削ることでストーン1個を生み出す「メイクストーン」が追加されている。基本的には悪あがきの手段だが、思わぬ逆転の一手になることも。 **評価点 -非常によくまとめられている完成度の高さ。 --仮にも第一作目であり、当時は続編を出す予定も無かったにもかかわらずゲームルールが非常に良くまとめられている。 ---どのカードも一長一短の性能を持っており、HP1の差で命運が分かれるため、性能で負けてもHPの差で優位に立てることもある。一見「誰得」なカードにも、意外な使い道があったりする。 ---TCGによくあるような死にカードがほとんど無い。序盤に手に入る少数のカードには完全上位互換のカードが存在するが((例として、ビヨンドの完全上位互換としてはヤンバルがある。さらにヤンバルと同じ事は全てできつつも、全ての面でヤンバルを圧倒的に上回る性能を持つモンスターが…))、カードの新シリーズ発売のイベントの問題、カードのレアリティの問題や、HPが低く倒されやすいことをメリットとする考え(味方殺しやモンスターを倒された場合のストーン返還など)もあるため一慨に死にカードとは言えない。 //ビヨンドとヤンバル、「パパトットの存在しない序盤に限り」マナトットとタコッケーなど、序盤から完全上位は存在。 --コンパクトな構成に反して、戦略の幅は広い。プレイヤーには前衛キャラクターと後衛キャラクターを巧みに使い分け、相手の攻撃を避けつつ敵側の陣営を崩すなどといった臨機応変な選択眼が要求される。相手の割り込み要素がないことから詰め将棋的とも評されている。 -とても丁寧なゲーム説明。 --最初にプレイするときはクドさを感じることがあるが、非常に丁寧な操作説明で遊んでいくうちに完全にルールを把握することが出来る。 //どちらかというと「再プレイ時には」ではないだろうか? --また、操作説明をちゃんと聞いていれば、それを応用したバトルイベントを容易に攻略出来るため、しっかり聞いておくことをオススメする。 -子ども向けながらも王道かつ斬新な熱いストーリー展開。 --アニメでよくある「物語の世界で戦う主人公」ではなく「TVの影響でTCGを始めた主人公」なので、よりプレイヤーが感情移入しやすい。 --近所の友達とよく遊んだ光景を軸に物語が進み、後半では悪の組織的な集団も登場し、終盤の盛り上がりっぷりは絵柄から想像出来ないくらい熱い。 --登場人物も個性豊か…というか、カオス。特にエンディング後の『バトルセンター』で登場する対戦者達はお笑いコンビ、ワラ人形を持った女性(その名も『&bold(){のろい ますよ}』)、関取、大阪のおばちゃん、&bold(){高い知能を持ったチンパンジー}とクセモノ揃い。 **賛否両論点 -癖のあるキャラデザイン --子供向けを意識したデザインで描かれているが、当時のTCGは『[[遊☆戯☆王>遊☆戯☆王シリーズ]]』や『マジック・ザ・ギャザリング』のようなリアルなモンスターのほうが好まれていた。 ---また子供向けを意識したデザインとしても『[[ポケモンカードゲーム>ポケモンカードGB]]』が国産初のTCGとして既に世に出回ってたため、後発の本作が注目を浴びることは無かった。 --そのため、キャラデザインだけで敬遠した消費者も多く、実際にゲーム市場も『遊☆戯☆王』が常に上位にいるような事態になり、カードヒーローがメジャーになることは無かった。 ---発売時期も2000年と遅く、上記の3作が既にTCG業界で浸透してる上、2作はゲームボーイ版も発売されたのもメジャーになりきれなかった原因と思われる。 **問題点 -操作とCPUの判断が非常に遅い。 --1つの操作を行うだけでも非常に遅い。選択を間違えてキャンセルするだけでも時間かかるため、ストレスが溜まりやすい。 --特にCPUの判断が非常に長く、カードヒーローを遊びながら他の作業をやるくらいでないと、とてもではないがまともに遊べない。 --なおモノクロGBモードだとCPUクロック数がGBCの半分にもかかわらず、もっさり操作や思考時間が多少軽減される。GBC対応の際に最適化か何かを誤ったのかもしれない。 ---バーチャルコンソール版でもこの点は改善されず、ひたすら待つか待機時間の合間に他のことを行い時間潰しするといった、ゲーム機の本末転倒な状況に陥りやすい。 -滅多に発生しないがフリーズバグが存在する。 --対戦中、相手の「考え中」が表示されたまま動かなくなってしまうというもの。本作のオートセーブ機能が災いし、リセットしてやり直しても敵のターンから始まって、同様に固まるためなすすべがない。 --対策としては、公式サイトにあるように一度リセットし、特定のコマンドを入力すれば抜けることは出来る。が、その試合には負けたことになってしまう。 ---なお、このゲームで降参するためにはカードの購入資金にもなる「メダル」を消費する必要があるが、このコマンドを使えば実質的にタダで降参できてしまう。だからどうしたということではあるが。 -ゲーム自体の問題ではないが、現在中古市場に流通しているソフトのほとんどはセーブできないと考えたほうがいい。 --これはカートリッジ内に時間をカウントするための電池が内蔵されており、この電池が切れている場合はセーブができなくなるため。 --一応電池交換の方法がないでもないが、リスクを伴うため自己責任で。[[電池交換方法>http://cardherowiki.reela.net/GBC5C5C3D3C0DAA4EC.html]] ---3DSバーチャルコンソール版を買えば電池の心配は不要だが、通信ケーブル機能が未対応なため肝心の対人戦は出来ない。 -基本的にゲームバランスが良いが、やはり悪い方向に傾ける要素が存在している。 //--基本的に先攻のほうが後攻より有利。最初の所持ストーンは互いに3で1ターン目も互いにドローできるため、引きの運にも左右されるが優劣はある。 --先攻のほうが後攻より圧倒的有利。先手側は先に展開する事でモンスター効果を使ったり気合ための効果を得られ、後手側は先に攻撃できる権利を得る、と一概に優劣はつけにくいのだが、先攻側は''即座にターンを終了する事で手札とストーンを多く得た状態で後手に回る事もできる''からである。 ---実際のカード版では先攻は1ターン目のドローなしという形で改善されることとなった。 -ゲームバランス --基本的にゲームバランスは優れているが、それでも一部行き過ぎな性能を持つカードがあるのも、このゲームも例外ではない。レアリティ相応のもいれば、見合わない強さを持つカードも多い。 #region(強カード一覧) -ヤミー --カードヒーローでは基本的にピンチに追い込まれるほど手持ちのストーンが増え、反撃の手段もまた増えていくのだが、ヤミーの場合消費ストーン1個で相手のストーンを最大2個奪う((奪ったストーンは自分のものにできる))という強力な特技を持っている。 --戦闘能力もレベルアップも可能な平均的な前衛モンスター並にある。これと言った欠点も無く速攻デッキなど特殊な構成のデッキでなければ3枚積み安定。~ 「出せば勝ち」というような極端な性能ではないのだが、便利すぎるので通信対戦では禁止カードにすべきと主張する向きもある。 --ストーンの所有数がアドバンテージにつながるプロルールにおいて、相手ストーンを奪ったり減らしたりするカードは非常に強力。こういったカードは大したデメリットも無く、反撃のチャンスを潰せてしまうのである。 --最大の問題はこんなに強力なスペックを持つこのカードがレアカードでもなんでもない、精々アンコモン止まりのレアリティだと言う事。入手時期がマジックカードを使う機会の少ない序盤、ジュニアルールの時期なのが理由だと思われるが、それを差し引いても性能に見合って無さ過ぎる。 -モーガン --終盤に入手出来る最強クラスのモンスター。後衛モンスターでありながらHP5に加え、どこでも攻撃が届く特技持ち。「前衛モンスターがどこでも攻撃が使える」と言う表現が相応しいか。 --『最高レア』『入手困難』といったリスクはあれど、それらを考慮しても後衛モンスターとしては異常なスペックである事に変わりない。 ---さすがに強すぎたのか、続編となるDS版ではHP4と後衛サポーター並のHPに弱体化された。それでも驚異的な強さに変わりはないが。 -にゃあお --此方も最高レアに属する後衛モンスターで、レベルアップこそしないもののHP5に2パワーの通常攻撃と前衛並みのスペックを持つ。 --それ以上に凄まじいのが特技の「ワープ」。同名のマジックカードと同じ性能の特技でありながら、ストーン消費はマジックカード版より1個少ない2個。 ---にゃあおを召喚する為に1ターンのタイムラグを挟まなければならない点や、1ターンにつき1回しか使えないという制約こそあるものの、ストーン2個・手札消費無しでモンスターの位置を行動済みだろうと移動不能だろうとお構いなしに交換できるというのはデメリットを補って余りある。 ---攻撃済みの前衛モンスターを相手の反撃が届かない位置に避難させるもよし、相手の前衛を後ろに飛ばして置物化するもよし、HPが少ない相手後衛を前に引きずり出して、此方の前衛の餌にするもよし。にゃあお1体で劇的に戦局が変わるという訳ではないものの、相手からすれば厄介な事この上ない。 --単体のスペックも十分驚異的ではあるが、それ以上に罪深いのは、同様の特技を持つモンスター『テレポ』をHP・消費ストーン数において完全な下位互換としてしまっている点であろう。 ---テレポがにゃあおに勝っているのは「ゲーム序盤、ジュニアルールの時点で使用可能」という一点のみ。しかもこのテレポ、ゲーム開始時にランダムで決まるプレイヤーのID番号次第ではパックから出てこない事がある為、下手すればテレポを一度も使わないまま先ににゃあおを入手してしまう可能性すら存在している。 --DS版では『シャムーラ』と名前を変え、レアリティも性能もそのままに続投。『オーパス(旧:テレポ)』と上位・下位の関係にある点も相変わらず。 ---とはいえ最高レアの使用制限設定によって、オーパスにも活躍の余地が生まれたのはせめてもの救いか。 -エルゴマ --2回行動モンスター『ポリゴマ』のスーパーカードだが、HPが3という耐久力の無さと引き換えに、なんと5パワーで2回行動が可能。 --ポリゴマの少ないHPを意識しての調整だろうが、このゲームはストーン4個で使える『てんしのラッパ』や、『ぎんじ』がやられることで登場する『ハッピー』の特技でLvを上げられる為、ポリゴマを出して即エルゴマに進化させるという手段でリスクを軽減可能。ポリゴマの耐久が気になる場合は、全てのスーパーカードに進化可能な『なぞえもん』を使うという手もある。この為スーパーカードさえ引ければ召喚自体は比較的容易。 --更に2回行動という特性故に、普通にモンスターを倒してレベルアップした場合でも、他のスーパーカードと異なり即座に行動に移る事が可能。フィニッシャーとしては極めて優秀である。 ---例え進化できずとも、3パワーで2回行動可能なLv2ポリゴマの時点で相手マスターにとっては十分な脅威。これもエルゴマの地位向上に拍車をかけている。 --エルゴマの攻撃を全てマスターに当てれば、最低でも6個のストーンを落とせる。マスターのHPが5しかないジュニア・シニアルールであれば、条件さえ揃えば無傷からの1ターンキルも極めて容易となっている。 --他にこういう超火力スーパーカードは存在してはいるが、一度超火力で攻撃すれば軽減不能の自爆ダメージで一発退場してしまう『ボムノスケ』や、Lv4まで上げる必要がある上にリスクもデカい上級者向けの『ガブッチョ』と癖の強いカードが多い。更には両方とも火力の代償とでも言わんばかりに、エルゴマ以外の他スーパーカードと比べてHPが低く、エルゴマ程お手軽に超火力をたたき出せる訳ではない。 ---スーパーカードは「デッキからカードを引かなければ進化できない」という制限がある為、狙って活躍させられるとは限らない。『リフレッシュ』等のデッキ圧縮用マジックカードを使えば大分出しやすくなるが、そこまでの手間をかけてボムノスケやガブッチョ(更には、他のスーパーカードも)の降臨を狙うのなら、同じ手間でエルゴマ呼ぶ方が良くね?という結論になる。 もっと言えば、スーパーカードを引かずとも単体で安定して火力を出せるポリゴマや『ダイン』『ガスキン』『ビター』((いずれも前衛モンスターとしてはトップクラスの性能を有する。性能の詳細は外部サイトを参照されたし))で良くね? となってしまいがちな訳で…((例外は専用デッキを組めば、特技で「ずっと俺のターン!」を狙えない事も無い『カッパラー』位のものである))。 //「~だが」が多すぎだが、一文に纏めようとする努力は評価したいが、もうちょっと「。」で文章の内容を区切った方が読みやすいと思うのだが、どうだろうか //説明が脇道に逸れがちな他カードの詳細説明も割愛 --DS版でもまさかの性能据え置きで続投。ただし入手には少々面倒な手順を踏む必要があり、更にレアリティ修正の結果スーパーカードでは唯一の制限カードとなってしまっている。 -マジックカード『ジアーゲン』と『かげぬい』のコンボ --これらのカードは共に消費ストーンが1個、併用しても計2個と極めて負担が軽い。 --『ジアーゲン』には「次のターンに対象のモンスターが別の場所に移動しなければ、そのターン終了時に除去される」という効果がある。これに「1ターンの間移動(と追放)ができなくなる」効果の『かげぬい』を組み合わせるコンボによって、ストーン2個という低コストで、ほぼ確実に敵モンスターを除去可能となっているのである。 --このコンボの強みは対処法が非常に限られており、その為に成功率が高いという点にある。 ---具体的に挙げるならば、状態異常を全て除去する(マジックカード『ゆうだち』や、後衛モンスター『クレア』の特技)か、モンスターを強制的に移動させる(マジックカード『ワープ』『ローテーション』や、上述の『にゃあお』など)かのどちらかしか明確な対処法が存在していない。 --カード2枚とストーンを消費してまで除去したいモンスターがいるかどうかや、相手のターンの間に自滅されたり、ペナルティ覚悟で同士討ちさせてレベル上げに使われたりした場合は此方が損した形になるリスクを考えると、強力は強力だがゲームバランスを崩すほどではない。加えてワンダーマスターが相手だと、特技として常時使用可能な『ローテーション』であっさり対策されてしまう。 ---だがそれらを差し引いても1つのストーンだけで相手の行動を縛れるジアーゲンの驚異は変わりなく、強力な性能であることは変わりない。 ---DS版ではそれぞれ消費ストーンが3個、2個と異常なまでに重くなり、コンボとして実用的ではなくなった。 -上述したカード群ほどの性能ではないものの、ストーン2個で特技を使った瞬間に大ダメージを与えつつ退場する為、相手モンスターに倒されレベルアップに利用されるリスクを回避可能な『シゴトにん』、ストーン1個という低コストながら攻撃・防御双方に使えて利便性の高い『きあいだめ』、相手が満を持して投入した切札モンスターの能力をコピーしてしまえる『へんしんミラー』など、他にも強力なカードは複数存在している。 #endregion -パッケージやOPにタイトルで登場している「マサル」とその宿敵の「デロデーロ」の扱い。 --何も知らずに購入したプレイヤーはマサルが主人公だと思った人もいただろうし、主人公のひろしが何かしらの形で関わると思った人も多いだろう。…マサルとデロデーロはテレビ番組「カードヒーロー」に登場する架空の存在であり、ゲーム中にTV番組の中で何度か登場するだけである。 ---ちなみに主人公のひろしはパッケージの裏面や説明書の中身で初めてお目にかかれる。本主人公のくせに扱いが悪すぎる。 --一応『バトルセンター』のコンピューター((デッキのマスターで戦う相手が変化する。ノーマルでコンピューター、ホワイトでマサル、ブラックでデロデーロと対戦する。隠しマスターのワンダーだと…?))で戦うことが可能だが、あくまでシミュレーターなので自分と同じデッキしか使ってこない。 //マスターXは流石にネタバレだと思ったので --マサルの声優や、なりきりコスプレイヤーといったマサルのデッキを再現した対戦相手も出てこない。 //--TV上では古典的ながら熱い演出をやっていただけに、シミュレーター上でしか戦えないのは残念。←仮想キャラにそんなこと言っても -ワンダーマスターの特技選択 --一度特技を決めてしまうと''二度と変更できない''。ワンダーマスターを入手できるのは最後も最後、特技の選択を誤った場合や、他の特技を試したくなった場合は、それまでに集めたカード資産を投げ捨てて最初からやり直す破目になる。 ---選択できる特技はどれも一長一短な性能を有しており、場合によってはデッキの内容すら左右しうる為非常に悩みやすい。 ---傾向としては、ホワイトマスターと同様の感覚で運用可能な「ウェイクアップ」と、極めて強力なデッキ圧縮効果を持つ「リフレッシュ」の人気が高め。但しこの2種類のどちらかを選ぶのが正解とは限らない、という点は明記しておきたい。 -バグ --毎週水曜と金曜にホワイト/ブラックマスターで固定した大会が行われるが、デッキメイク中にキャンセルし、デッキ選択画面に戻ると他のマスターのデッキを選べてしまう。 ---これにより真逆のマスターはもちろん、ワンダーマスターでも大会に参加できるのでプレイヤー側が非常に有利になってしまう。ワンダーマスターは移動系カードのローテーションを常に使える上、大会参加者に移動系カードを使うような相手は極一部しかいない為にアドバンテージを得やすい。 --メダルの所有数が9枚以下の場合、受付の右側の男「ギャンブル」に賭けバトルを持ちかけられ、勝てば所有コイン倍増、負ければ全没収されるという対戦イベントがある。 ---このバトルを受ける前に上記の大会で優勝すれば、メダル50枚分も合わせて掛け金に充てられる。勝てば1セット10パックの大人買いも余裕な資産を得られる。 -バグではないが、バランスブレイカーとなりうる仕様 #region(ゲームの楽しみを崩壊させる恐れがあります。閲覧注意) -一定以上までゲームを進める事で、任意の要らないカード3枚と別のカード1枚を交換してくれる「ブレンドくん」を利用可能になるのだが…。 --特定の手順でカードを交換し、最終的に手に入った高額で売れるカードを大量売却する事により、2,000円程度の元手さえあれば所持金の無限増殖ができてしまう。条件さえ整えば上述したギャンブルですらお役御免である。 ---当然ながらブースターパック購入・カード収集の楽しみを大いに削いでしまう可能性がある為、錬金術のご利用は計画的に。 --DS版では特定カード入手の為に交換に出さなければならないカードを指定されるよう仕様変更された為、所持金無限増殖は不可能となった。スタッフも流石に問題だと判断したのだろう。 #endregion **総評 運の要素が薄く、極端なパワーカードもそれほど存在せず、戦略に重点を置いた独特なカードゲーム。~ 敷居も低いのでかなり遊びやすく、ゲームシステム的には傑作と言える高い完成度を誇っている。~ 携帯ゲーム機でこのようなカードゲームのゲームがプレイできること自体がだいぶ貴重でもあった。~ しかし『[[ポケットモンスター>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]』の影に隠れたせいか、動作の遅さとキャラデザが原因かファンを獲得することはできず、隠れた名作となってしまった。 本作の発売から7年後、ニンテンドーDSにて『[[高速カードバトル カードヒーロー]]』としてリメイクされた。~ 詳細は項目を参照。 **余談 -ストーリー上のラスボスに負けると、既存のカードゲームにありそうでなかった衝撃の展開が待っている。 #region(ネタバレ注意) --バトルに負けると、戦いの前に宣言されたとおりに''使用しているデッキ内のカードすべてを燃やされる''。 ---しかし、直後に仲間たちが駆け付けてきて、「さっき使っていたのと全く同じデッキ」「ラスボスと同じデッキ」「ラスボス対策を施したデッキ」の3つを持ってきてくれるという熱い展開が待っている。 ---もちろん燃やされたカードはラスボスに勝つと全て弁償してもらえる。 #endregion -ゲームの発売後、実際にカードゲーム化されて販売されたが、シェアを獲得出来なかったのか数年後には消えた。 --またゲーム自体も出荷し過ぎたらしく、発売約2ヵ月後にはワゴン入りしてしまい、激しい値崩れを起こした。 -アドバイザーとして、[[ファイアーエムブレムシリーズ]]生みの親である加賀昭三氏が参加している。ディレクターの坂本賀勇氏曰く、ストーリー本編を全てチュートリアルにしたのは氏から提案されたのがきっかけであったと、当時のファミ通のインタビューにて語っている。 -このゲームに登場する主人公「ひろし」は、当時任天堂社長であった「山内溥」氏から名前を取られている。 -オープニングのクオリティが地味に高いが、このBGMに''歌詞がある''ことは意外と知られていないようだ。 --歌詞は説明書に掲載されている。ただし、途中セリフの密度が半端ではない場所があるため、''[[初音ミクなどの音声ソフトでもなければ>https://www.nicovideo.jp/watch/sm1154834]]''歌うことは困難。
*トレード&バトル カードヒーロー 【とれーどあんどばとる かーどひーろー】 |ジャンル|トレーディングカードゲーム|&amazon(B00005OVBG,image);| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2000年2月21日|~| |定価|3,800円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【3DS】2011年8月10日/600円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カードヒーローシリーズ''&br;''トレード&バトル'' / [[高速カードバトル>高速カードバトル カードヒーロー#id_8c14fe0e]] / [[スピードバトルカスタム>高速カードバトル カードヒーロー#id_bec194de]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -当時流行期であったTCG(トレーディングカードゲーム)をオリジナルルールでゲーム化されたソフト。 --一度お蔵入りになりかけたところを、ゲーム雑誌「ファミ通」の編集者が注目しバックアップ、発売までこぎつけたという経緯を持つ。 **ストーリー 主人公「門マサル」が、カードバトルで悪者と戦うアニメ「カードヒーロー」。ひろしはこのアニメの大ファンだった。~ そんな折、ひろしが生まれてすぐ渡米した祖父が、久しぶりに帰国。彼がお土産に買ってきたカードがきっかけで、ひろしはTCGとしてのカードヒーローにも興味を持つようになる。~ 友達のクミとカードヒーローを始めたひろしは、カードヒーロー同好会「クラマクラブ」に入会。果たして、ひろしはマサルのようにカッコよくカードバトルができるようになるのだろうか? **特徴 -いわゆる『マジック:ザ・ギャザリング』型のカードゲーム。あらかじめ用意したデッキから手札を引き、「ストーン」というリソースを消費して「モンスター」を召喚して攻撃させたり「マジック」カードを使ったりして、最終的に相手「マスター」に攻撃を与えてそのHPを0にすれば勝利となる。 -本作でゲームで使うフィールドは以下のような構造になっている。他の同型のTCGに比べるとコンパクトな構造と言える。 |後| |後|マはそれぞれのプレイヤーを模した「マスター」が配置されているマス。前・後は「モンスター」カードを設置できるマス。&br;一人のマスターが2x2=4体まで自分のモンスターを設置できる。攻撃しない代わりに移動したり位置を交換したりもできる。&br;通常攻撃では隣接している相手にしか攻撃できず、前衛は後衛の壁のようになっている。&br;また、後マスにのみモンスターが設置されている場合、それを所有しているマスターのターンの始めに後マスから前マスに移動する。| |前|マ|前|~| |前|マ|前|~| |後| |後|~| -本作で用いるカードの種類は「モンスター」と「マジック」の2種類。 -「モンスター」はそのモンスターを場に召喚して攻撃を行ったりできるカード。モンスターを召喚するにはストーン1個と一緒に場に置き、次のターンまで待つ必要がある。 --モンスターにはHPと通常攻撃が全カード共通して設定され、カードによっては特殊攻撃・常に効果を発揮する特殊効果もそれぞれ設定されている。特殊攻撃は使用にストーンを消費するものもある。 ---HPと攻撃は1刻みの数値設定が行われており、モンスターのHPは最大でも6。HP1の差で命運が分けられていると言っても過言ではない。 ---特殊攻撃は遠隔攻撃が可能なものが多いが、その攻撃できる場所はカードにより異なっている。1つ飛び、2つ飛び、どこでも、貫通、桂馬飛びなどなど。 --モンスターには前衛向け・後衛向けという分類が行われており、どちらも前マス・後マスにも置けるものの、基本的には分類通りに設置したほうが良い。 ---前衛はHP・通常攻撃の威力が高いが、1マス以上隔てた相手には攻撃できない・できても威力が低いことがほとんど。 ---後衛はHPが低く、通常攻撃の威力は低く0のものすらあるので前衛に出されるとなにもできないが、高性能の遠隔攻撃が使える場合が多い。 -「マジック」はその場で効果を発揮するカード。ストーン消費数は各カードごとに異なり、マジックで消費されたストーンが戻って来ることは無い。 --一部の「マジック」カードは、シニア以降のルールにおいてはカード無しに使用することが可能である。詳しくは後述。 -なお、スタックやカウンター、インスタントといった概念が存在せず、「全てのアクションは宣言即解決」「相手プレイヤーのターン中に取れる行動がない」という特徴もあり、この点でも非常に簡潔でまとまったルールとなっている。 -各プレイヤーは毎ターンにストーンを3個貰うことができ、そのストーンでモンスター召喚や魔法の発動といった行動が可能になる。 --本作最大の特徴と言えるのがこのストーンに関する扱いである。モンスターの召喚やレベルアップに使ったストーンは、そのモンスターのHPが0になると手元に戻る。また、マスターのHPはストーンで表され、マスターがダメージを受けた際には受けたダメージ分のストーンを入手できる。~ つまり、追い詰められるほどできることは増えていく。相手の残ストーンに注意を向けつつ攻撃する必要がある。 -モンスターを強化するシステムとして「レベルアップ」と「気合い溜め」が存在する。 --相手モンスターを倒すとそのモンスターにレベルアップの権利が与えられる。Lvが上がるとモンスターによっては攻撃の威力や効果範囲が拡大することがある(最大Lv3まで)。 ---レベルアップするには''1レベルごとにストーンを1個消費する''必要があり、レベルが上がったモンスターは''HPを全回復できる''。この回復がカードヒーローの勝敗の分け目になると言ってもいい。 ---一部のモンスターには''スーパーカード''という特殊な進化形が用意されている。召喚するには「スーパーカードが手札にあるとき、それに対応したモンスター(「ボムノスケ」なら「ボムゾウ」)がLv3になる権利を得た時に交換して出す」というもので引きにも左右されるが、その分強力な攻撃技や特殊効果を持っている。 ---マスターには攻撃を2ポイント軽減するバリアーが常備されており、大抵のモンスターは初期状態で攻撃力2以下の技しか使えないため、レベルアップなどによる攻撃力の上昇やダメージ系の技の駆使が非常に重要となる。 ---先述した通り、全てのモンスターは場に出すときに必ず1個ストーンを消費する。このため各モンスターの性能差は他のTCGに比べかなり平坦な形になっており、TCGでは多くの場合「強いモンスターを出す」のが目的なのに対し、本作では「強いモンスターに育てあげる」のが目的になっていると言える。 ---なお、味方のモンスターを倒してレベルアップすることも可能だが、この場合自分のHPのストーンを支払うペナルティが与えられる((味方のモンスターを倒すことで1点、これによるレベルアップ1レベルごとに1点のHPストーンを失う))。 --モンスターに何も行動させずにターンを終了すると、モンスターは自動で「気合い溜め」を行い、吹きだしに[!]マークがつく。 ---受けるダメージを1減らし((ややこしいが、これはダメージタイプではない攻撃(つまりパワーを持つ攻撃)から受けるダメージにのみ有効であり、ヴァルテルの”ねらいうち”などダメージタイプの攻撃からのダメージは減らせない。))、次の通常攻撃のダメージを1増やすという状態。1度でも攻撃を受けるか攻撃をすると解除される。1の差が命運を分けるカードヒーローではその意味はとても大きい。 -ルールは以下の3種。 --ジュニア ---マスターの最大HPは5、デッキ枚数は20枚((当初は15枚だが、シナリオの途中で”ルールの改訂”が行われる))。最も基本的なルールであり、ゲーム開始からしばらくはこのルールでプレイすることになる。 --シニア ---マスターのHPとデッキ枚数はジュニアと同じだが、新たにマスター自身に特殊能力が付加されている。守り寄りのホワイト、攻撃特化のブラック、隠しマスターとしてテクニカルなワンダーの3種から選べる。 ---また、マスターによるダイレクトアタックも可能。1ターンに何度でも使えるが、ストーン3個でパワー2という効率の悪さなので、メインの攻撃手段にはならない。 ---さらに、シニア以上では味方モンスターの「追放」(フィールドからの除去)ができるようになる。高レベルのモンスターを追放してストーン回収、敵にレベルアップの権利を渡さないために瀕死のモンスターを追放するなどの使い道があるが、一度実行するたびにマスターのHPが1減る。 --プロ ---HPは10、デッキ枚数は30枚に。単純に数が増えただけだが、取れる戦略の幅は大きく広がる。 ---プロ限定の特殊能力として、マスターのHPを2削ることでストーン1個を生み出す「メイクストーン」が追加されている。基本的には悪あがきの手段だが、思わぬ逆転の一手になることも。 **評価点 -非常によくまとめられている完成度の高さ。 --仮にも第一作目であり、当時は続編を出す予定も無かったにもかかわらずゲームルールが非常に良くまとめられている。 ---どのカードも一長一短の性能を持っており、HP1の差で命運が分かれるため、性能で負けてもHPの差で優位に立てることもある。一見「誰得」なカードにも、意外な使い道があったりする。 ---TCGによくあるような死にカードがほとんど無い。序盤に手に入る少数のカードには完全上位互換のカードが存在するが((例として、ビヨンドの完全上位互換としてはヤンバルがある。さらにヤンバルと同じ事は全てできつつも、全ての面でヤンバルを圧倒的に上回る性能を持つモンスターが…))、カードの新シリーズ発売のイベントの問題、カードのレアリティの問題や、HPが低く倒されやすいことをメリットとする考え(味方殺しやモンスターを倒された場合のストーン返還など)もあるため一慨に死にカードとは言えない。 //ビヨンドとヤンバル、「パパトットの存在しない序盤に限り」マナトットとタコッケーなど、序盤から完全上位は存在。 --コンパクトな構成に反して、戦略の幅は広い。プレイヤーには前衛キャラクターと後衛キャラクターを巧みに使い分け、相手の攻撃を避けつつ敵側の陣営を崩すなどといった臨機応変な選択眼が要求される。相手の割り込み要素がないことから詰め将棋的とも評されている。 -とても丁寧なゲーム説明。 --最初にプレイするときはクドさを感じることがあるが、非常に丁寧な操作説明で遊んでいくうちに完全にルールを把握することが出来る。 //どちらかというと「再プレイ時には」ではないだろうか? --また、操作説明をちゃんと聞いていれば、それを応用したバトルイベントを容易に攻略出来るため、しっかり聞いておくことをオススメする。 -子ども向けながらも王道かつ斬新な熱いストーリー展開。 --アニメでよくある「物語の世界で戦う主人公」ではなく「TVの影響でTCGを始めた主人公」なので、よりプレイヤーが感情移入しやすい。 --近所の友達とよく遊んだ光景を軸に物語が進み、後半では悪の組織的な集団も登場し、終盤の盛り上がりっぷりは絵柄から想像出来ないくらい熱い。 --登場人物も個性豊か…というか、カオス。特にエンディング後の『バトルセンター』で登場する対戦者達はお笑いコンビ、ワラ人形を持った女性(その名も『&bold(){のろい ますよ}』)、関取、大阪のおばちゃん、&bold(){高い知能を持ったチンパンジー}とクセモノ揃い。 **賛否両論点 -癖のあるキャラデザイン --子供向けを意識したデザインで描かれているが、当時のTCGは『[[遊☆戯☆王>遊☆戯☆王シリーズ]]』や『マジック・ザ・ギャザリング』のようなリアルなモンスターのほうが好まれていた。 ---また子供向けを意識したデザインとしても『[[ポケモンカードゲーム>ポケモンカードGB]]』が国産初のTCGとして既に世に出回ってたため、後発の本作が注目を浴びることは無かった。 --そのため、キャラデザインだけで敬遠した消費者も多く、実際にゲーム市場も『遊☆戯☆王』が常に上位にいるような事態になり、カードヒーローがメジャーになることは無かった。 ---発売時期も2000年と遅く、上記の3作が既にTCG業界で浸透してる上、2作はゲームボーイ版も発売されたのもメジャーになりきれなかった原因と思われる。 **問題点 -操作とCPUの判断が非常に遅い。 --1つの操作を行うだけでも非常に遅い。選択を間違えてキャンセルするだけでも時間かかるため、ストレスが溜まりやすい。 --特にCPUの判断が非常に長く、カードヒーローを遊びながら他の作業をやるくらいでないと、とてもではないがまともに遊べない。 --なおモノクロGBモードだとCPUクロック数がGBCの半分にもかかわらず、もっさり操作や思考時間が多少軽減される。GBC対応の際に最適化か何かを誤ったのかもしれない。 ---バーチャルコンソール版でもこの点は改善されず、ひたすら待つか待機時間の合間に他のことを行い時間潰しするといった、ゲーム機の本末転倒な状況に陥りやすい。 -滅多に発生しないがフリーズバグが存在する。 --対戦中、相手の「考え中」が表示されたまま動かなくなってしまうというもの。本作のオートセーブ機能が災いし、リセットしてやり直しても敵のターンから始まって、同様に固まるためなすすべがない。 --対策としては、公式サイトにあるように一度リセットし、特定のコマンドを入力すれば抜けることは出来る。が、その試合には負けたことになってしまう。 ---なお、このゲームで降参するためにはカードの購入資金にもなる「メダル」を消費する必要があるが、このコマンドを使えば実質的にタダで降参できてしまう。だからどうしたということではあるが。 -ゲーム自体の問題ではないが、現在中古市場に流通しているソフトのほとんどはセーブできないと考えたほうがいい。 --これはカートリッジ内に時間をカウントするための電池が内蔵されており、この電池が切れている場合はセーブができなくなるため。 --一応電池交換の方法がないでもないが、リスクを伴うため自己責任で。[[電池交換方法>http://cardherowiki.reela.net/GBC5C5C3D3C0DAA4EC.html]] ---3DSバーチャルコンソール版を買えば電池の心配は不要だが、通信ケーブル機能が未対応なため肝心の対人戦は出来ない。 -基本的にゲームバランスが良いが、やはり悪い方向に傾ける要素が存在している。 //--基本的に先攻のほうが後攻より有利。最初の所持ストーンは互いに3で1ターン目も互いにドローできるため、引きの運にも左右されるが優劣はある。 --先攻のほうが後攻より圧倒的有利。先手側は先に展開する事でモンスター効果を使ったり気合ための効果を得られ、後手側は先に攻撃できる権利を得る、と一概に優劣はつけにくいのだが、先攻側は''即座にターンを終了する事で手札とストーンを多く得た状態で後手に回る事もできる''からである。 ---実際のカード版では先攻は1ターン目のドローなしという形で改善されることとなった。 -ゲームバランス --基本的にゲームバランスは優れているが、それでも一部行き過ぎな性能を持つカードがあるのも、このゲームも例外ではない。レアリティ相応のもいれば、見合わない強さを持つカードも多い。 #region(強カード一覧) -ヤミー --カードヒーローでは基本的にピンチに追い込まれるほど手持ちのストーンが増え、反撃の手段もまた増えていくのだが、ヤミーの場合消費ストーン1個で相手のストーンを最大2個奪う((奪ったストーンは自分のものにできる))という強力な特技を持っている。 --戦闘能力もレベルアップも可能な平均的な前衛モンスター並にある。これと言った欠点も無く速攻デッキなど特殊な構成のデッキでなければ3枚積み安定。~ 「出せば勝ち」というような極端な性能ではないのだが、便利すぎるので通信対戦では禁止カードにすべきと主張する向きもある。 --ストーンの所有数がアドバンテージにつながるプロルールにおいて、相手ストーンを奪ったり減らしたりするカードは非常に強力。こういったカードは大したデメリットも無く、反撃のチャンスを潰せてしまうのである。 --最大の問題はこんなに強力なスペックを持つこのカードがレアカードでもなんでもない、精々アンコモン止まりのレアリティだと言う事。入手時期がマジックカードを使う機会の少ない序盤、ジュニアルールの時期なのが理由だと思われるが、それを差し引いても性能に見合って無さ過ぎる。 -モーガン --終盤に入手出来る最強クラスのモンスター。後衛モンスターでありながらHP5に加え、どこでも攻撃が届く特技持ち。「前衛モンスターがどこでも攻撃が使える」と言う表現が相応しいか。 --『最高レア』『入手困難』といったリスクはあれど、それらを考慮しても後衛モンスターとしては異常なスペックである事に変わりない。 ---さすがに強すぎたのか、続編となるDS版ではHP4と後衛サポーター並のHPに弱体化された。それでも驚異的な強さに変わりはないが。 -にゃあお --此方も最高レアに属する後衛モンスターで、レベルアップこそしないもののHP5に2パワーの通常攻撃と前衛並みのスペックを持つ。 --それ以上に凄まじいのが特技の「ワープ」。同名のマジックカードと同じ性能の特技でありながら、ストーン消費はマジックカード版より1個少ない2個。 ---にゃあおを召喚する為に1ターンのタイムラグを挟まなければならない点や、1ターンにつき1回しか使えないという制約こそあるものの、ストーン2個・手札消費無しでモンスターの位置を行動済みだろうと移動不能だろうとお構いなしに交換できるというのはデメリットを補って余りある。 ---攻撃済みの前衛モンスターを相手の反撃が届かない位置に避難させるもよし、相手の前衛を後ろに飛ばして置物化するもよし、HPが少ない相手後衛を前に引きずり出して、此方の前衛の餌にするもよし。にゃあお1体で劇的に戦局が変わるという訳ではないものの、相手からすれば厄介な事この上ない。 --単体のスペックも十分驚異的ではあるが、それ以上に罪深いのは、同様の特技を持つモンスター『テレポ』をHP・消費ストーン数において完全な下位互換としてしまっている点であろう。 ---テレポがにゃあおに勝っているのは「ゲーム序盤、ジュニアルールの時点で使用可能」という一点のみ。しかもこのテレポ、ゲーム開始時にランダムで決まるプレイヤーのID番号次第ではパックから出てこない事がある為、下手すればテレポを一度も使わないまま先ににゃあおを入手してしまう可能性すら存在している。 --DS版では『シャムーラ』と名前を変え、レアリティも性能もそのままに続投。『オーパス(旧:テレポ)』と上位・下位の関係にある点も相変わらず。 ---とはいえ最高レアの使用制限設定によって、オーパスにも活躍の余地が生まれたのはせめてもの救いか。 -エルゴマ --2回行動モンスター『ポリゴマ』のスーパーカードだが、HPが3という耐久力の無さと引き換えに、なんと5パワーで2回行動が可能。 --ポリゴマの少ないHPを意識しての調整だろうが、このゲームはストーン4個で使える『てんしのラッパ』や、『ぎんじ』がやられることで登場する『ハッピー』の特技でLvを上げられる為、ポリゴマを出して即エルゴマに進化させるという手段でリスクを軽減可能。ポリゴマの耐久が気になる場合は、全てのスーパーカードに進化可能な『なぞえもん』を使うという手もある。この為スーパーカードさえ引ければ召喚自体は比較的容易。 --更に2回行動という特性故に、普通にモンスターを倒してレベルアップした場合でも、他のスーパーカードと異なり即座に行動に移る事が可能。フィニッシャーとしては極めて優秀である。 ---例え進化できずとも、3パワーで2回行動可能なLv2ポリゴマの時点で相手マスターにとっては十分な脅威。これもエルゴマの地位向上に拍車をかけている。 --エルゴマの攻撃を全てマスターに当てれば、最低でも6個のストーンを落とせる。マスターのHPが5しかないジュニア・シニアルールであれば、条件さえ揃えば無傷からの1ターンキルも極めて容易となっている。 --他にこういう超火力スーパーカードは存在してはいるが、一度超火力で攻撃すれば軽減不能の自爆ダメージで一発退場してしまう『ボムノスケ』や、Lv4まで上げる必要がある上にリスクもデカい上級者向けの『ガブッチョ』と癖の強いカードが多い。更には両方とも火力の代償とでも言わんばかりに、エルゴマ以外の他スーパーカードと比べてHPが低く、エルゴマ程お手軽に超火力をたたき出せる訳ではない。 ---スーパーカードは「デッキからカードを引かなければ進化できない」という制限がある為、狙って活躍させられるとは限らない。『リフレッシュ』等のデッキ圧縮用マジックカードを使えば大分出しやすくなるが、そこまでの手間をかけてボムノスケやガブッチョ(更には、他のスーパーカードも)の降臨を狙うのなら、同じ手間でエルゴマ呼ぶ方が良くね?という結論になる。 もっと言えば、スーパーカードを引かずとも単体で安定して火力を出せるポリゴマや『ダイン』『ガスキン』『ビター』((いずれも前衛モンスターとしてはトップクラスの性能を有する。性能の詳細は外部サイトを参照されたし))で良くね? となってしまいがちな訳で…((例外は専用デッキを組めば、特技で「ずっと俺のターン!」を狙えない事も無い『カッパラー』位のものである))。 //「~だが」が多すぎだが、一文に纏めようとする努力は評価したいが、もうちょっと「。」で文章の内容を区切った方が読みやすいと思うのだが、どうだろうか //説明が脇道に逸れがちな他カードの詳細説明も割愛 --DS版でもまさかの性能据え置きで続投。ただし入手には少々面倒な手順を踏む必要があり、更にレアリティ修正の結果スーパーカードでは唯一の制限カードとなってしまっている。 -マジックカード『ジアーゲン』と『かげぬい』のコンボ --これらのカードは共に消費ストーンが1個、併用しても計2個と極めて負担が軽い。 --『ジアーゲン』には「次のターンに対象のモンスターが別の場所に移動しなければ、そのターン終了時に除去される」という効果がある。これに「1ターンの間移動(と追放)ができなくなる」効果の『かげぬい』を組み合わせるコンボによって、ストーン2個という低コストで、ほぼ確実に敵モンスターを除去可能となっているのである。 --このコンボの強みは対処法が非常に限られており、その為に成功率が高いという点にある。 ---具体的に挙げるならば、状態異常を全て除去する(マジックカード『ゆうだち』や、後衛モンスター『クレア』の特技)か、モンスターを強制的に移動させる(マジックカード『ワープ』『ローテーション』や、上述の『にゃあお』など)かのどちらかしか明確な対処法が存在していない。 --カード2枚とストーンを消費してまで除去したいモンスターがいるかどうかや、相手のターンの間に自滅されたり、ペナルティ覚悟で同士討ちさせてレベル上げに使われたりした場合は此方が損した形になるリスクを考えると、強力は強力だがゲームバランスを崩すほどではない。加えてワンダーマスターが相手だと、特技として常時使用可能な『ローテーション』であっさり対策されてしまう。 ---だがそれらを差し引いても1つのストーンだけで相手の行動を縛れるジアーゲンの驚異は変わりなく、強力な性能であることは変わりない。 ---DS版ではそれぞれストーンが3個、2個と異常なまでに重くなり、コンボとして実用的ではなくなった。 -ワンダーマスター --ラスボスであるマスターXの固有マスターかつ勝利することで得られるマスターだが、クリア特典であること差し引いても凶悪な性能を持つ。 --第一に、移動系マジック『ローテーション』を自ターンにいつでも使えるだけでも凶悪。相手の陣形を崩したり、倒されたくないモンスターを避難させたりと使いどころは多い。 --一度限りだが、第三の特技は8種類の中からプレイヤーの好きなマジックを選べる。問題なのが強力なマジック『リフレッシュ』を選べること。 --このマジックは手札をトラッシュした枚数分デッキからカードを引く、所謂デッキ圧縮が可能となる。リフレッシュは石1個しか消費しないため、手札が揃えばひたすら望むカードを延々に引き直して揃えられる。 ---これらが上記の、どのカードとも相性が良いのも強さに拍車をかけている。ヤミーで石を回収し、にゃあおとローテーションで場を整え、リフレッシュをひたすら繰り返して望むカードを揃えてエルゴマでフィニッシュ…といった展開も珍しくない。勿論これらのカードに頼らずとも凶悪な性能を誇る。 ---DS版でも続投している上に最後の特技を選び直すことが可能となった。ただしリフレッシュは上記のコンボを問題視されたからか、マジックの中で唯一弱体化(1→2個)された。 -上述したカード群ほどの性能ではないものの、ストーン2個で特技を使った瞬間に大ダメージを与えつつ退場する為、相手モンスターに倒されレベルアップに利用されるリスクを回避可能な『シゴトにん』、ストーン1個という低コストながら攻撃・防御双方に使えて利便性の高い『きあいだめ』、相手が満を持して投入した切札モンスターの能力をコピーしてしまえる『へんしんミラー』など、他にも強力なカードは複数存在している。 #endregion -パッケージやOPにタイトルで登場している「マサル」とその宿敵の「デロデーロ」の扱い。 --何も知らずに購入したプレイヤーはマサルが主人公だと思った人もいただろうし、主人公のひろしが何かしらの形で関わると思った人も多いだろう。…マサルとデロデーロはテレビ番組「カードヒーロー」に登場する架空の存在であり、ゲーム中にTV番組の中で何度か登場するだけである。 ---ちなみに主人公のひろしはパッケージの裏面や説明書の中身で初めてお目にかかれる。本主人公のくせに扱いが悪すぎる。 --一応『バトルセンター』のコンピューター((デッキのマスターで戦う相手が変化する。ノーマルでコンピューター、ホワイトでマサル、ブラックでデロデーロと対戦する。隠しマスターのワンダーだと…?))で戦うことが可能だが、あくまでシミュレーターなので自分と同じデッキしか使ってこない。 //マスターXは流石にネタバレだと思ったので --マサルの声優や、なりきりコスプレイヤーといったマサルのデッキを再現した対戦相手も出てこない。 //--TV上では古典的ながら熱い演出をやっていただけに、シミュレーター上でしか戦えないのは残念。←仮想キャラにそんなこと言っても -ワンダーマスターの特技選択 --一度特技を決めてしまうと''二度と変更できない''。ワンダーマスターを入手できるのは最後も最後、特技の選択を誤った場合や、他の特技を試したくなった場合は、それまでに集めたカード資産を投げ捨てて最初からやり直す破目になる。 ---選択できる特技はどれも一長一短な性能を有しており、場合によってはデッキの内容すら左右しうる為非常に悩みやすい。 ---傾向としては、ホワイトマスターと同様の感覚で運用可能な「ウェイクアップ」と、極めて強力なデッキ圧縮効果を持つ「リフレッシュ」の人気が高め。但しこの2種類のどちらかを選ぶのが正解とは限らない、という点は明記しておきたい。 -バグ --毎週水曜と金曜にホワイト/ブラックマスターで固定した大会が行われるが、デッキメイク中にキャンセルし、デッキ選択画面に戻ると他のマスターのデッキを選べてしまう。 ---これにより真逆のマスターはもちろん、ワンダーマスターでも大会に参加できるのでプレイヤー側が非常に有利になってしまう。ワンダーマスターは移動系カードのローテーションを常に使える上、大会参加者に移動系カードを使うような相手は極一部しかいない為にアドバンテージを得やすい。 --メダルの所有数が9枚以下の場合、受付の右側の男「ギャンブル」に賭けバトルを持ちかけられ、勝てば所有コイン倍増、負ければ全没収されるという対戦イベントがある。 ---このバトルを受ける前に上記の大会で優勝すれば、メダル50枚分も合わせて掛け金に充てられる。勝てば1セット10パックの大人買いも余裕な資産を得られる。 -バグではないが、バランスブレイカーとなりうる仕様 #region(ゲームの楽しみを崩壊させる恐れがあります。閲覧注意) -一定以上までゲームを進める事で、任意の要らないカード3枚と別のカード1枚を交換してくれる「ブレンドくん」を利用可能になるのだが…。 --特定の手順でカードを交換し、最終的に手に入った高額で売れるカードを大量売却する事により、2,000円程度の元手さえあれば所持金の無限増殖ができてしまう。条件さえ整えば上述したギャンブルですらお役御免である。 ---当然ながらブースターパック購入・カード収集の楽しみを大いに削いでしまう可能性がある為、錬金術のご利用は計画的に。 --DS版では特定カード入手の為に交換に出さなければならないカードを指定されるよう仕様変更された為、所持金無限増殖は不可能となった。スタッフも流石に問題だと判断したのだろう。 #endregion **総評 運の要素が薄く、極端なパワーカードもそれほど存在せず、戦略に重点を置いた独特なカードゲーム。~ 敷居も低いのでかなり遊びやすく、ゲームシステム的には傑作と言える高い完成度を誇っている。~ 携帯ゲーム機でこのようなカードゲームのゲームがプレイできること自体がだいぶ貴重でもあった。~ しかし『[[ポケットモンスター>ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ]]』の影に隠れたせいか、動作の遅さとキャラデザが原因かファンを獲得することはできず、隠れた名作となってしまった。 本作の発売から7年後、ニンテンドーDSにて『[[高速カードバトル カードヒーロー]]』としてリメイクされた。~ 詳細は項目を参照。 **余談 -ストーリー上のラスボスに負けると、既存のカードゲームにありそうでなかった衝撃の展開が待っている。 #region(ネタバレ注意) --バトルに負けると、戦いの前に宣言されたとおりに''使用しているデッキ内のカードすべてを燃やされる''。 ---しかし、直後に仲間たちが駆け付けてきて、「さっき使っていたのと全く同じデッキ」「ラスボスと同じデッキ」「ラスボス対策を施したデッキ」の3つを持ってきてくれるという熱い展開が待っている。 ---もちろん燃やされたカードはラスボスに勝つと全て弁償してもらえる。 #endregion -ゲームの発売後、実際にカードゲーム化されて販売されたが、シェアを獲得出来なかったのか数年後には消えた。 --またゲーム自体も出荷し過ぎたらしく、発売約2ヵ月後にはワゴン入りしてしまい、激しい値崩れを起こした。 -アドバイザーとして、[[ファイアーエムブレムシリーズ]]生みの親である加賀昭三氏が参加している。ディレクターの坂本賀勇氏曰く、ストーリー本編を全てチュートリアルにしたのは氏から提案されたのがきっかけであったと、当時のファミ通のインタビューにて語っている。 -このゲームに登場する主人公「ひろし」は、当時任天堂社長であった「山内溥」氏から名前を取られている。 -オープニングのクオリティが地味に高いが、このBGMに''歌詞がある''ことは意外と知られていないようだ。 --歌詞は説明書に掲載されている。ただし、途中セリフの密度が半端ではない場所があるため、''[[初音ミクなどの音声ソフトでもなければ>https://www.nicovideo.jp/watch/sm1154834]]''歌うことは困難。

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